(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
家庭の電力使用量を検出する電力使用量検出器と、当該家庭のカード会員であるユーザが所持するユーザ端末と、カード会社サーバと、カード加盟店のシステムとが、ネットワークで接続された節電行動誘発システムであって、
前記カード会社サーバ又は前記ユーザ端末は、
前記家庭の家電製品の電力使用量を前記電力使用量検出器から取得し、家電通電情報として記録する家電通電情報取得部と、
前記カード会員であるユーザが前記カード加盟店でカードを使用して商品又はサービスを購入した際に、前記カード加盟店のシステムから、購入日時、購入場所を含む購入情報を取得し、購入履歴として記録する購入情報取得部と、
前記購入履歴に基づいて、前記ユーザの行動を日毎に推定しユーザ行動記録として記録するユーザ行動推定部と、
を備え、
前記カード会社サーバは、
前記家電通電情報と前記ユーザ行動記録に基づいて、前記ユーザの取った節電行動を評価し、当該評価に応じて前記ユーザに付与するインセンティブを決定するユーザインセンティブ決定部を、
備えることを特徴とする節電行動誘発システム。
前記ユーザインセンティブ決定部は、前記ユーザが前記カードを利用した施設又は場所の省エネ度に応じて予め定められた施設ポイントを格納した施設ポイントテーブルに基づいて、前記評価に加味することを特徴とする請求項1に記載の節電行動誘発システム。
前記ユーザインセンティブ決定部は、前記ユーザが前記施設又は前記場所を訪れる際の移動手段の省エネ度に応じて予め定められた移動手段ポイントテーブルに基づいて、前記評価に加味することを特徴とする請求項2に記載の節電行動誘発システム。
家庭の電力使用量を検出する電力使用量検出器と、当該家庭のカード会員であるユーザが所持するユーザ端末と、カード会社サーバと、カード加盟店のシステムとが、ネットワークで接続されたシステムにおける節電行動誘発方法であって、
前記カード会社サーバ又は前記ユーザ端末が、
前記家庭の家電製品の電力使用量を前記電力使用量検出器から取得し、家電通電情報として記録するステップと、
前記カード会員であるユーザが前記カード加盟店でカードを使用して商品又はサービスを購入した際に、前記カード加盟店のシステムから、購入日時、購入場所を含む購入情報を取得し購入履歴として記憶するステップと、
前記購入履歴に基づいて、前記ユーザの行動を日毎に推定し、ユーザ行動記録として記録するステップと、
前記カード会社サーバが、
前記家電通電情報と前記ユーザ行動記録に基づいて、前記ユーザの取った節電行動を評価し、当該評価に応じて前記ユーザに付与するインセンティブを決定するステップとを、
実行することを特徴とする節電行動誘発方法。
家庭の電力使用量を検出する電力使用量検出器と、当該家庭のカード会員であるユーザが所持するユーザ端末と、カード会社サーバと、カード加盟店のシステムと、電力サービス事業者サーバとが、ネットワークで接続されたシステムにおける節電行動誘発方法であって、
前記カード会社サーバ又は前記電力サービス事業者サーバが、
前記家庭の家電製品の電力使用量を前記電力使用量検出器から取得し、家電通電情報として記録するステップと、
前記カード会社サーバ又は前記ユーザ端末が、
前記カード会員であるユーザが前記カード加盟店でカードを使用して商品又はサービスを購入した際に、前記カード加盟店のシステムから、購入日時、購入場所を含む購入情報を取得し購入履歴として記憶するステップと、
前記購入履歴に基づいて、前記ユーザの行動を日毎に推定し、ユーザ行動記録として記録するステップと、
前記カード会社サーバ又は前記電力サービス事業者サーバが、
前記家電通電情報と前記ユーザ行動記録に基づいて、前記ユーザの取った節電行動を評価し、当該評価に応じて前記ユーザに付与するインセンティブを決定するステップとを、
実行することを特徴とする節電行動誘発方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の特許文献1に記載の管理装置では、家庭外のCO2削減量を管理する例として、(1)ICカード乗車券の乗車履歴情報、(2)電子マネーカードを利用して購入した商品のカーボンフットプリント(商品やサービスの原材料調達から廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクル全体を通して排出される温室効果ガスの排出量をCO2に換算して、商品やサービスに分かりやすく表示する仕組み)、(3)EV(Electronic Vehicle)ユーザカードの利用履歴、を使用することが記載されているが、CO2排出量又は削減量の情報をユーザに提供するのみで、節電に関する行動、特に家庭内外での節電行動を直接促すものではない。
【0007】
また、特許文献2に記載のシステムでは、一斉節電依頼メールを配信することによって利用者に省エネ活動を促すものであり、ピーク電力時の電力削減には役立つが、ピーク電力時以外の電力削減にはあまり寄与しない可能性が高い。ピーク電力時の電力削減は、大規模停電を事前に避けるために非常に重要であるが、一方、電力総使用量を削減することもまた重要である。現在、原子力発電所の停止による電力不足分を火力発電所のフル稼働によって補っているが、燃料費の増大により、国の富が毎年数兆円規模で失われているという指摘もある。
【0008】
したがって、本発明では、上記のような課題に鑑み、ピーク電力時の節電行動はもちろん、ピーク電力時以外の節電行動をも併せて促し、家庭における一人一人が、節電意識を常に持ち、かつ節電行動によるメリットも享受できるような節電行動誘発システム及びその方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明の節電行動誘発システムは、以下のような解決手段を提供する。
【0010】
請求項1に記載の発明は、家庭の電力使用量を検出する電力使用量検出器と、当該家庭のカード会員であるユーザが所持するユーザ端末と、カード会社サーバと、カード加盟店のシステムとが、ネットワークで接続された節電行動誘発システムであって、前記カード会社サーバ又は前記ユーザ端末は、前記家庭の家電製品の電力使用量を前記電力使用量検出器から取得し、家電通電情報として記録する家電通電情報取得部と、前記カード会員であるユーザが前記カード加盟店でカードを使用して商品又はサービスを購入した際に、前記カード加盟店のシステムから、購入日時、購入場所を含む購入情報を取得し、購入履歴として記録する購入情報取得部と、前記購入履歴に基づいて、前記ユーザの行動を日毎に推定しユーザ行動記録として記録するユーザ行動推定部と、を備え、前記カード会社サーバは、前記家電通電情報と前記ユーザ行動記録に基づいて、前記ユーザの取った節電行動を評価し、当該評価に応じて前記ユーザに付与するインセンティブを決定するユーザインセンティブ決定部を、備えることを特徴とする。
【0011】
上記の構成によれば、カード会社サーバ又はカード会員であるユーザの端末は、ユーザの家庭の電力使用量を家庭内の電力使用量検出器から取得し、家電通電情報としてDB又は記憶部に記録する。また、ユーザがカード加盟店でカードを使用して商品を購入した際に、カード加盟店のシステムから、購入日時、購入場所を含む購入情報を取得して購入履歴に記録する。そして、この購入履歴に基づいて、ユーザのカードでの購入に関する行動を日毎に推定し、ユーザ行動記録に記録する。そして、カード会社サーバは、家電通電情報とユーザ行動記録に基づいて、家庭の節電量とユーザの取ったカードでの購入行動とを評価し、当該評価に応じてユーザに付与するインセンティブ(特典)を決定する。
【0012】
このようにすることで、カード会員は、自分の家庭の電力使用量を確認することができ、自宅の電化製品の電源を切り、買い物のために外出したなどの行動(カードを利用して交通機関の乗車券を買って単に移動しただけでも買い物に相当する)がカードでの購入履歴から確認できれば、カード会社からポイント付与されるなどのインセンティブを受けることができる。したがって、ユーザの更なる節電行動を誘発することができる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において更に、前記ユーザインセンティブ決定部は、前記ユーザが前記カードを利用した施設又は場所の省エネ貢献度に応じて予め定められた施設ポイントを格納した施設ポイントテーブルに基づいて、前記評価に加味することを特徴とする。
【0014】
上記の構成によれば、節電行動の評価に、ユーザがカードで買い物をした施設や場所自体の省エネ度(電力使用量)も加味することができる。このようにすることで、ユーザは、自分の家庭での節電だけでなく、電力使用の少ない施設や場所(自然環境の多い場所)を外出先に選んで、その近辺でカードを利用することで、より大きなインセンティブを受けることができる。
【0015】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において更に、前記ユーザインセンティブ決定部は、前記ユーザが前記施設又は前記場所を訪れる際の移動手段の省エネ貢献度に応じて予め定められた移動手段ポイントテーブルに基づいて、前記評価に加味することを特徴とする。
【0016】
上記の構成によれば、この評価の際には、カードで買い物をした施設や場所への自宅からの移動手段自体の省エネ度も加味することができる。したがって、買い物に出かける際に、徒歩や自転車等、できるだけ電気を使わない移動手段を使うほど、より大きなインセンティブを受けることができる。
【0017】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において更に、前記カード会社サーバは、電力会社又は自治体のシステムから電力供給情報を取得する電力供給情報取得部を備え、前記ユーザインセンティブ決定部は、前記電力供給情報取得部が取得した情報の中に節電要請がある場合に、前記節電要請の時間帯と前記家庭において電力削減があった時間帯とが合致する場合に、前記評価に加味することを特徴とする。
【0018】
上記の構成によれば、ピーク電力時に、電力会社や自治体から要請があった場合、節電要請の時間帯に家庭の節電を行えば、より大きなインセンティブを受けることができる。
【0019】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の発明において更に、前記家電通電情報は、家電製品毎の電源オン/オフ情報を含み、前記ユーザ行動推定部は、前記購入情報の履歴にネット上の加盟店が含まれている場合に、前記家電通電情報を参照し、前記購入情報の日時に、予め指定された家庭内のPCの電源がオンの場合、前記ユーザが前記家庭内のPCから当該ネット上の加盟店を利用したと推定することを特徴とする。
【0020】
上記の構成によれば、自宅のPC(パーソナルコンピュータ)を使って、ネット上で、カードで買い物をすれば、その購入履歴が残るので、その日に自宅で節電を行えば、特に外出しなくとも節電行動として評価を受けることができる。その際、自宅PCを予め指定しておけば、そのPCの電源オン/オフの状態から自宅での買い物であることが、ユーザ端末の位置情報等を用いなくても容易に確認できる。
【0021】
請求項6に記載の発明は、請求項1の記載の発明において更に、前記カード加盟店のシステムは、前記カード加盟店のシステムとネットワークで接続された自動販売機を含むことを特徴とする。
【0022】
上記の構成によれば、ネットワークに接続された自動販売機で、カードを使って商品を購入すれば、加盟店の店舗での購入と同様に購入履歴が残るので、位置情報等を使わなくても、外出行動が推定できる。公園などでまわりに加盟店の店舗がないときに有効である。
【0023】
請求項7に記載の発明は、家庭の電力使用量を検出する電力使用量検出器と、当該家庭のカード会員であるユーザが所持するユーザ端末と、カード会社サーバと、カード加盟店のシステムとが、ネットワークで接続されたシステムにおける節電行動誘発方法であって、前記カード会社サーバ又は前記ユーザ端末が、前記家庭の家電製品の電力使用量を前記電力使用量検出器から取得し、家電通電情報として記録するステップと、前記カード会員であるユーザが前記カード加盟店でカードを使用して商品又はサービスを購入した際に、前記カード加盟店のシステムから、購入日時、購入場所を含む購入情報を取得し購入履歴として記憶するステップと、前記購入履歴に基づいて、前記ユーザの行動を日毎に推定し、ユーザ行動記録として記録するステップと、前記カード会社サーバが、前記家電通電情報と前記ユーザ行動記録に基づいて、前記ユーザの取った節電行動を評価し、当該評価に応じて前記ユーザに付与するインセンティブを決定するステップとを、実行することを特徴とする。
【0024】
上記請求項7の発明は、請求項1の節電行動誘発システムを、節電行動を誘発させる方法の発明と捉えたものであり、請求項1の発明と同様な作用効果を奏する。
【0025】
請求項8に記載の発明は、家庭の電力使用量を検出する電力使用量検出器と、当該家庭のカード会員であるユーザが所持するユーザ端末と、カード会社サーバと、カード加盟店のシステムと、電力サービス事業者サーバとが、ネットワークで接続されたシステムにおける節電行動誘発方法であって、前記カード会社サーバ又は前記電力サービス事業者サーバが、前記家庭の家電製品の電力使用量を前記電力使用量検出器から取得し、家電通電情報として記録するステップと、前記カード会社サーバ又は前記ユーザ端末が、前記カード会員であるユーザが前記カード加盟店でカードを使用して商品又はサービスを購入した際に、前記カード加盟店のシステムから、購入日時、購入場所を含む購入情報を取得し購入履歴として記憶するステップと、前記購入履歴に基づいて、前記ユーザの行動を日毎に推定し、ユーザ行動記録として記録するステップと、前記カード会社サーバ又は前記電力サービス事業者サーバが、前記家電通電情報と前記ユーザ行動記録に基づいて、前記ユーザの取った節電行動を評価し、当該評価に応じて前記ユーザに付与するインセンティブを決定するステップとを、実行することを特徴とする節電行動誘発方法。
【0026】
上記請求項8の発明は、請求項1の節電行動誘発システム又は請求項7の節電行動誘発方法を、電力サービス事業者のサーバを利用する実施形態における節電行動誘発方法の発明と捉えたものであり、請求項1又は請求項7の発明と同様な作用効果を奏する。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、ピーク電力時の節電行動及びピーク電力時以外の節電行動を併せて促し、家庭における一人一人が、節電意識を常に持ち、かつ節電行動によるメリットも享受できるような節電行動誘発システム及びその方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。なお、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号または符号を付している。また、機能ブロック間の矢印は、データの流れ方向、又は処理の流れ方向を表している。
【0030】
図1は、本発明の節電行動誘発システム(以下、本システム)の基本的な概念を示す図である。本システムにおいては、家庭内の家電製品の電力使用量を含む家電通電情報を検出し外部に送信することができる通信機能を備えた電力使用量検出器(スマートメータ、ホームコントローラ、電源タップ等)と、カード会社のサーバと、カード加盟店のシステムと、ユーザであるカード会員の所持するユーザ端末として、スマートフォン、タブレット端末等(以下、単にスマホと呼ぶ)がインターネットを主とする任意のネットワークに接続され通信可能となっている。
【0031】
家電通電情報には、家電製品毎、又は各家電製品が接続された電源タップ毎に電源オン/オフの日時が記録されている。同様に家電製品毎又は電源タップ毎に電力使用量(消費電力)が記録される。電気自動車(EV)も充電時に電力を消費するので家電製品の一部として扱う。ただし、EVは蓄電池として機能することもできるので、EVの使用電力量は、充電に要した電力量から、蓄電池として家庭内に供給した電力量を引いたものである。
【0032】
ここで、各家電製品又は電源タップは、家庭内の無線ルータを介して、ユーザの所持するスマホに接続可能である。スマホと個々に通信可能な家電製品をスマホ対応家電製品と呼び、スマホと個々には通信不能な家電製品をスマホ非対応家電製品と呼ぶ。スマホ非対応家電製品は、上記の通信機能付の電源タップに接続されて、間接的にスマホと通信可能であるとする。また、スマホ対応家電製品は、通信機能のない通常の電源タップ又はコンセントに接続されているものとする。
【0033】
今、ユーザがクレジットカード又は電子マネーカードの会員である場合には、ユーザが本サービスへ登録することを条件に、ユーザの家庭内のすべての家電製品の家電通電情報がカード会社のサーバに送信されるように設定される。
【0034】
ユーザのスマホは、各家電製品内蔵の装置、電源タップ、スマートメータ等の電力使用量検出器から、家電製品(EVを含む)の電源のオン/オフ状況、時間帯毎の家庭全体の使用電力量を取得して表示することができる。特に、スマホ対応の家電製品の場合は、その製品名ごとに電源オン/オフ状況を表示することができる。また、スマホからの遠隔操作で家電製品の電源をオン/オフすることもできる。スマホ対応でない家電製品であっても、通信機能付の電源タップに接続された場合は、電源タップのコンセント番号ごとに電源オン/オフ電力使用量を把握することができる。
【0035】
なお、ここでいうカード加盟店とは、実店舗を有する加盟店、ネット上の店舗を有する加盟店の他、交通系IC乗車券を利用できる公共交通機関であって、IC乗車券のチャージをカードで決済できる公共交通事業者も含む。また、有料道路の料金所でETCカードでの支払をカードで決済する場合は、その料金所もカード加盟店として扱うことができる。さらに、カードで商品を購入することができる自動販売機も、ネットワークに接続され、かつ購入日時、購入場所が特定できる手段がある限り、加盟店の一種として扱うことができる。
【0036】
このようにしてカード会社に送信された家電通電情報と、購入履歴は、それぞれデータベースに格納され、この購入履歴の情報に基づいて、ユーザの行動が推定される。推定した行動は、ユーザ行動記録としてデータベースに格納される。ここで記録される行動記録には、商品又はサービス(以下、商品等)を購入した場所及び日時に加え、その購入した場所への移動手段(電車、バス、自家用車、徒歩、自転車等)も推定される。そして、このユーザ行動記録及び家電通電情報に基づいて、ユーザの日々の行動に対する節電貢献度が所定のルールで評価され、その評価の結果として、カード会社からユーザに節電行動を継続してもらうためのなんらかのインセンティブが与えられる。所定のルールとは、家庭内の電力使用量の削減がユーザの家庭内外のカードを利用した行動と因果関係が認められるか否かを基準とする。また、商品等を購入した場所の省エネ貢献度、自宅等から購入場所に移動した際の移動手段の省エネ貢献度も考慮してもよい。
【0037】
図2は、本発明の一実施形態に係る節電行動誘発システムのシステム構成及び機能ブロックを示す図である。この実施形態における本システムは、カード会社サーバ10と、加盟店システム20と、カード会員のユーザ端末であるスマホ30と、電力会社/自治体システム60とが、インターネットを中心とする任意のネットワークの組み合わせで構成されたネットワーク網70を介して、相互に通信可能に接続される。スマホ非対応家電製品40は、通信機能付電源タップ42に接続され、スマホ30と間接的に通信可能となっているものとする。
【0038】
通信機能付電源タップ42は、スマートメータ45又はホームコントローラ経由(図示せず)でネットワーク網70に接続される。また、スマホ対応家電製品41は、通信機能なしの電源タップ43に接続されるが、スマホ30と通信可能とする。スマホ30は、専用アプリ31がインストールされており、通信機能付電源タップ42の各コンセントに接続されている家電製品のオン/オフ状態や使用電力量を通信機能付電源タップ42から取得することができる。また、通信機能付電源タップ42のコンセント毎に電源オン/オフをリモートで操作することもできる。さらにスマホ対応家電製品41と、電源オン/オフ状態や使用電力量を直接取得することもできる。このような通信機能付電源タップ42やスマホ対応家電製品は、すでに製品化されている。取得した家電情報は、スマホ30の通電情報記憶部33に保存しておき、スマホ30側からカード会社サーバ10に適宜送信するようにしてもよい。
【0039】
家庭内の全てのコンセント、通信機能付電源タップ42、通信機能なし電源タップ43及びEV50の充電コンセントは、配電盤44から電力の供給を受けている。スマートメータ45は、電力会社の送電網46に接続され、配電盤44に接続された家庭内の家電製品全体の使用電力量を常にモニタし、使用電力量の情報を、電力会社のシステムを介して、外部に送信する。カード会社サーバ10は、電力会社のシステムを介して、カード会員であるユーザの家庭の使用電力量の情報を取得することができる。また、カード会社サーバ10は、通信機能付電源タップ42又はスマホ対応家電製品41の家電製品毎の電源オン/オフの情報と、家電製品毎の使用電力の情報を取得することができる。
【0040】
また、ユーザのスマホは、カード機能を有していてもよく、その場合は、カード会社のサーバに対するカードの認証情報がスマホ内部のカード情報記憶部32に記憶される。もちろん、スマホにカード機能がない場合は、従来のICカードを使う。ユーザは、カードを利用して、カード加盟店で商品等を購入する際、その購入情報がカード認証時又は代金決済時にカード会社のサーバに送られ、ユーザ毎に購入履歴として記録される。
【0041】
次に、カード会社サーバ10の内部構成について説明する。本実施形態では、カード会社サーバ10は、家電通電情報取得部11、家電通電情報DB12、ユーザ購入情報取得部13、購入履歴DB14、ユーザ行動推定部15、ユーザ行動記録DB16、ユーザインセンティブ決定部17、及び電力供給情報取得部18から構成される。以下、各機能ブロックを順に説明する。
【0042】
家電通電情報取得部11は、スマートメータ45等から家庭内の家電製品の電源オン/オフ状態と使用電力量(以下、両者を合わせて通電情報と呼ぶ)を取得する。使用電力量は、家庭全体の使用電力量の他、家電製品毎に取得できることが望ましい。取得した通電情報は、家電通電情報DB12に格納される。
【0043】
ユーザ購入情報取得部13は、加盟店システム20のカード購入認証部21からユーザがカードを使って買い物をした際の購入情報を取得し、購入履歴DB14に格納する。カード購入認証部21は、ユーザが提示したカード又はカード情報を記憶したスマホ30から、カード番号、カード名義人、有効期限等のカードの情報を読み出し、ユーザの本人確認後、購入日時、購入商品又はサービスの情報と共に、カード会社サーバ10に送信する。購入履歴DB14に格納されるデータについて詳しくは、後述の図で具体的に説明する。
【0044】
ユーザ行動推定部15は、購入履歴DB14を読み出し、その購入記録からユーザの日毎の行動を推定し、ユーザ行動記録として、ユーザ行動記録DB16に格納する。ここで推定される行動記録は、外出日時、外出時間、カードを利用した加盟店(購入場所)への移動手段、移動時間、購入場所での滞在時間等である。この行動の推定には、家電通電情報DB12に格納された家電通電情報又はスマホ30から送信された通電情報(特定の家電製品の電源オン/オフの情報)も一部参照することができる。ユーザ行動記録DB16に格納されるデータについて詳しくは、後述の図で具体的に説明する。
【0045】
ユーザインセンティブ決定部17は、家電通電情報DB12と、ユーザ行動記録DB16と、施設ポイントテーブル130と、移動手段ポイントテーブル140と、電力供給情報取得部18が取得した電力供給情報とに基づいて、ユーザの取った節電行動を評価し、その評価結果によってユーザに節電ポイント等のインセンティブを供与する。このインセンティブは、加盟店からの売り上げ増による手数料の増加、電力会社からの節電協力金、自治体等からの補助金を原資とする。
【0046】
施設ポイントテーブル130とは、ユーザが買い物のために外出した施設又は場所の省エネ貢献度を施設又は場所ごとにポイントで表したものである。移動手段ポイントテーブル140とは、その施設又は場所に移動するためユーザが利用した移動手段の省エネ貢献度を移動手段ごとにポイントで表したものである。施設ポイントテーブル130及び移動手段ポイントテーブル140について詳しくは、後述の図で具体的に説明する。
【0047】
電力供給情報取得部18は、電力会社/自治体システム60から、電力の供給量(日毎、時間帯毎の予測値及び実績値)を適宜取得し、ユーザインセンティブ決定部17に受け渡して、ユーザの節電行動の評価データとする。ユーザインセンティブ決定部17では、節電要請された時間帯とユーザの家庭で実際に節電された時間帯が合致すれば、因果関係があると判断し、節電要請時間帯の節電行動をより高く評価することができる。
【0048】
<第二の実施形態>
上記の構成(第一の実施形態とする)では、カード会社側で通電情報を収集するようにしたが、スマホ側で、自分の家庭の通電情報を収集するようにしてもよい。また、ユーザがカード会社サーバ10にアクセスし、購入履歴も自分のスマホに取得するようにしてもよい(この構成を第二の実施形態とする)。このようにすると、スマホ側でカード会社サーバ10の処理を一部肩代わりすることができる。具体的には、家電通電情報取得部11、ユーザ購入情報取得部13、ユーザ行動推定部15の機能をスマホの専用アプリ31に持たせることができる。また、カード会社サーバ10の家電通電情報DB12、購入履歴DB13、ユーザ行動記録DB16の当該ユーザに関するデータは、スマホ側の記憶部にも持たせることもできる。こうすると、サーバ側では自動的には取得できないようなデータがあったり、サーバ側で推定された行動が一部間違っていたりしてもユーザがスマホ側で追加又は修正することができる。ただし、その追加・修正結果をカード会社サーバ10に送信し、検証してもらう必要はある。
【0049】
<第三の実施形態>
更に、別の実施形態(第三の実施形態)として、通電情報の収集は、カード会社サーバ10ではなく、外部の事業者である電力会社や専門のサービス事業者(以下、まとめて電力サービス事業者と呼ぶ)のサーバに集積するようにし、カード会社サーバ10は、その外部サーバから通電情報を取得するようにしてもよい。すなわち、家電通電情報取得部11及び家電通電情報DB12は、電力サービス事業者のサーバに存在し、カード会社サーバ10のユーザ行動推定部15は、電力サービス事業者サーバからユーザの家庭の通電情報を受信して取得する構成とする。更に、ユーザインセンティブ決定部17も、電力サービス事業者サーバにおく構成としてもよい。このようにすることで、カード会社サーバ10は、購入履歴DB14の蓄積と、ユーザ行動推定に専念することができるので、負荷が大きく軽減される。また、ユーザに付与するインセンティブもカード会社単体で行うよりも柔軟で広範囲なものとすることができる。したがって、様々なカード会社が本サービスに参入しやすくなる。
【0050】
上記の本システムの機能構成は、あくまで一例であり、一つの機能ブロック(データベース及び機能処理部)を更に分割したり、複数の機能ブロックをまとめて一つの機能ブロックとして構成したりしてもよい。各機能処理部は、装置に内蔵されたCPU(Central Processing Unit)が、ROM(Read Only Memory)またはハードディスク等の記憶装置に格納されたコンピュータ・プログラムを読み出し、CPUにより実行されたコンピュータ・プログラムによって実現される。すなわち、各機能処理部は、このコンピュータ・プログラムが、記憶装置に格納されたデータベース(DB;Data Base)やメモリ上の記憶領域からテーブル等の必要なデータを読み書きし、場合によっては、関連するハードウェア(例えば、入出力装置、表示装置、通信インターフェース装置)を制御することによって実現される。また、本発明の実施形態におけるデータベース(DB)は、商用データベースであってよいが、単なるテーブルやファイルの集合体をも意味し、データベースの内部構造自体は問わないものとする。
【0051】
図3は、購入履歴テーブル及び家電通電情報テーブルの具体例を示す図である。図上段に示すように、購入履歴テーブル100には、購入日時、購入店舗(購入場所)、購入商品(又はサービス)、購入金額が含まれている。購入情報は、符号101〜104で示すように、日毎に分けられる。
【0052】
購入店舗には、加盟店の一般的な店舗の他、カードで購入可能な自動販売機、駅の改札ゲート、バスの料金機、空港カウンタ、有料道路の料金所、船舶乗船券販売所等が含まれる。また、購入店舗には、店舗の場所を特定できる情報を含んでいるものとする。ネット上の店舗で購入した場合は、自宅のPCから購入したものとみなしてもよい。ただし、カード機能付スマホで購入した場合には、スマホのそのときの位置情報を利用してもよい。
【0053】
図3下段に示すように、家電通電情報テーブル110には、通電情報として、家電製品の電源オン時刻、オフ時刻、通電時間、消費電力が含まれる。通電情報は、符号111〜114で示すように、日毎に分けられる。通信機能のない家電製品は、家電製品欄に電源タップのコンセント番号が記録される。消費電力は、実測値が取得できない場合は、通電時間と家電製品の定格消費電力から算出される。コンセント番号ごとに消費電力を測定できない電源タップを使用している場合は、電源タップに接続された家電製品全体の消費電力が記録される。これらの通電情報は、時間帯毎に集計される。家庭内の部屋毎に集計できるようにしてもよい。各家電製品の消費電力の合計は、最終的には家庭全体の消費電力となる。スマートメータが設置済みの場合は、家庭全体の消費電力がより正確に取得できる。
【0054】
図4は、ユーザ行動推定フローを示す図である。購入日時、購入場所の情報が含まれた購入履歴から、ユーザのその日の行動をある程度推定することが可能である。ここでは、ユーザ行動推定部15(
図2参照)が、購入履歴テーブル100から、ユーザの行動を推定する際の処理フローについて説明する。
【0055】
ユーザ行動推定部15は、まずステップS10において、購入履歴テーブル100をユーザ行動記録DB16から読み出す。そして、当日の購入情報があれば(ステップS11:Y)、ステップS12以降の処理を行う。当日の購入情報がまったくなければ、ステップS26において、ユーザ行動記録の当日欄にはブランクを記録する。すなわち、購入情報がまったく記録されていない日は、本システムが扱う節電行動の対象とはしない。
【0056】
購入情報の記録がある場合は、ステップS12において、購入先がネットショップであるかどうかがチェックされる。ネットショップである場合は、ステップS13において、当日の家電通電情報テーブル110を読み出し、次にステップS14において、予め指定された自宅のPC(パーソナルコンピュータ)が購入時刻に電源オンになっていたかどうかをチェックする。自宅PCがオンでなければ、ステップS16に移り、外出先でネットショップを利用したものと推定する。ステップS14のチェックで自宅PCがオンであれば、自宅に滞在中にネットショップで購入したものと推定する(ステップS15)。
【0057】
これは、自宅のPCを使って、ネット上でカードを使って買い物をすれば、その購入履歴が残るので、その同じ日に自宅の節電を行えば、特に外出しなくとも節電行動として評価を受けられるようにするためである。その際、自宅PCを予め家電通電情報内に指定しておけば、そのPCの電源オン/オフの状態から自宅での買い物であることが容易に確認できる。もちろん、ユーザが自宅での買い物にスマホ、タブレット端末、モバイルPC等を用いた場合は、GPS等で取得した位置情報を用いて自宅での買い物を推定してもよい。また、自宅での買い物と、外出先での買い物の区別ができれば、特典に差をつけるなどのサービスも可能となる。例えば、外出の多いユーザには、アウトドア商品に有利なポイントを提供し、自宅にいることが多いユーザには、インドア商品に有利なポイントを提供するなどである。
【0058】
ステップS15の処理の後は、ステップS11に戻り、当日の別の購入情報があるかどうかをチェックする。なお、ステップS13〜ステップS15の処理は、ユーザがスマホを利用して購入した場合は、そのスマホの位置情報をカード認証時に購入情報として送信することで、自宅からの購入か、外出先からの購入かを推定することもできる。
【0059】
ステップS17以降は、外出先での購入と推定された場合の処理である。まずステップS17において、当日の購入情報に駐車場の利用又は料金所の利用があるかどうかをチェックする。どちらかの利用があれば、移動手段は、車と判定する(ステップS22)。その際に、利用料金や利用施設の情報から乗用車かオートバイかを区別することも可能である。ユーザが他人の車に便乗して移動する場合は、ユーザのETCカードをその車のETC車載器に装着してもらうか、2枚のETCカードを装着できるETC車載器の場合には、その車の持ち主のETCカードと、自分のETCカードを一緒に搭載して使用しようしてもらえば、ユーザの車での外出を推定することができる(有料料金も割り勘にできる)。
【0060】
移動手段が車であると判定した場合は、ステップS23において、駐車場又は料金所の入所時刻と出所時刻の記録から、車で外出した場合の自宅からの外出時刻、帰宅時刻をある程度推定することができる。例えば、自宅から最寄りの料金所までの予め登録された平均移動時間が15分、往路での入口料金所の入所時刻が9:00、出口料金所での出所時刻が10:00、帰路での料金所の入所時刻が17:15、出所時刻が18:15であったとすると、外出時刻は、8:45頃、帰宅時刻は、18:30頃と推定できる。また、移動時間、移動先での滞在時間も同時に推定できる。
【0061】
移動手段が車でない場合(ステップS17:N)は、ステップS18において、購入情報に公共交通機関の乗車券購入の情報が含まれているかをチェックする。乗車券の購入があれば、ステップS24において、移動手段は電車、バス等の公共交通機関であると判定する。そして、ステップS25において、乗車時刻と下車時刻、及び自宅から乗車駅又はバス停までの平均移動時間から、外出、帰宅時刻を推定する。
【0062】
ステップS18において、移動手段が公共交通機関でもないと判定された場合は、徒歩又は自転車が移動手段であると判定される(ステップS19)。この場合、ステップS20において、商品等の購入場所、購入時刻、自宅からの徒歩での平均移動時間(自転車の利用が駐輪場の利用等で判定できる場合は、自宅から自転車での平均移動時間)から、外出時刻、帰宅時刻を推定する。
【0063】
このように移動場所、移動手段、外出時刻、帰宅時刻が推定された後は、ステップS21において、購入場所である店舗等の滞在時間を推定する。そして、ステップS21に戻り、当日の購入情報が他になければ、ステップS26において、当日のユーザの外出時刻、帰宅時刻、移動手段、移動時間、施設での滞在時間を、次に説明するユーザ行動記録テーブルを作成して記録する。
【0064】
図5は、このようにして作成されたユーザ行動記録テーブルの具体例を示す図である。図示するユーザ行動記録テーブル120は、日付ごとに、推定されたユーザの行動、外出時刻、帰宅時刻、外出時間、移動手段、移動時間、及び施設滞在時間が記録されている。外出がない場合は、行動欄に終日自宅と記録される。ただし、外出のありなしに関わらず、カードの購入記録がない日は、ユーザ行動記録テーブル120にはなにも記録されない。例えば、一日中自宅に居てなにもしなかったような場合、徒歩や自転車で外出したが、カードでなにも購入しなかったような場合である。
【0065】
図6は、ユーザインセンティブ決定フローを示す図である。ユーザインセンティブとは、ユーザが行った節電行動に対して、節電ポイント等の付与などカード会社から付与されるなんらかの特典のことである。図示するフローチャートは、カード会社サーバ10のユーザインセンティブ決定部17が、あるユーザに与えるインセンティブを決定する処理である。
【0066】
ユーザインセンティブ決定部17は、ステップS30において、既に説明した家電通電情報テーブル110、及びユーザ行動記録テーブル120を読み出す。次に、ステップS31において、過去の所定期間(例えば、昨年の同時期の1週間)におけるユーザの家庭での平均電力使用量を基準値として算出する。この抽出した平均電力使用量を基準値にし、評価対象の日の電力使用量の増減を調べるためである。
【0067】
次に、ステップS32において、当日の電力使用量が基準値以下かどうかをチェックする。基準値を超過していれば、ステップS40において、その超過量に応じて節電ポイントをマイナスに設定し、ステップS39に処理を移す。基準値以下であれば(ステップS32:Y)、ステップS33において、ユーザ行動記録テーブル120を参照して、当日にユーザが外出したかどうかをチェックする。ユーザが外出した形跡がなければ、ステップS41に移り、単位時間あたりの平均電力削減量Kmと削減時間Tmから節電ポイントP(Σ(Km×Tm))を算出する。ここで、時間帯を1時間毎とすると、mは24である。Kmは、基準値より低いとプラス、基準値より高いとマイナスとする。
【0068】
次に、ステップS33において、当日にユーザが外出した形跡があれば、ステップS34において、後述する施設ポイントテーブルから当日の外出先毎の施設ポイントKnを求める。施設ポイントとは、具体的には
図7で示すが、外出した先の施設又は場所の電力消費度(省エネ度)を予め定めた数値である。例えば、海や山など自然環境が多い場所ほど施設ポイントは高く、逆に電力を消費する場所が多いほど施設ポイントは低くなるように設定されている。ステップS35において、この施設ポイントKnを単位時間あたりの平均電力削減量Kmと削減時間Tmに掛けて、節電ポイントPを算出する。例えば、P=Σ(KnΣ(Km×Tm))となる。ここで、nは当日訪れた施設の数である。Km,Tmの定義は先の場合と同様である。このようにすることで、外出先の施設や場所自体の省エネ度もユーザの節電行動の一部として加味することができる。節電のため自宅の電化製品の電源をオフにして外出したとしても、その外出先が電気をがんがん使うような場所では、本当の意味の節電とは言えないからである。
【0069】
更に、外出がある場合には、移動手段を加味してもよい。この場合、ステップS36の処理が追加され、後述の移動手段ポイントテーブルから移動手段節電ポイントP2を求め、移動時間を乗じて、先に求めた節電ポイントPに加える。移動手段ポイントテーブルとは、ユーザが買い物に訪れる際の移動手段の省エネ度に応じて予め定められた数値を格納したテーブルである。
【0070】
また、ユーザが節電を行った時間帯が電力会社等から節電要請のあった時間帯であるかどうかも加味してもよい。この場合は、ステップS37において、当日節電要請があったかどうかをチェックする。節電要請があった場合は、ステップS38において、節電要請の時間帯と、ユーザの家庭の電力削減があった時間帯とが比較され、両者の時間帯の合致度、及びその時間帯の電力削減度に応じたポイントが節電ポイントPに付加される。
【0071】
以上のステップが終了すると、ステップS39において、節電ポイントを決定すべき日の購入情報全てについて処理が終わるまで、ステップS32以降の処理を繰り返す。
【0072】
図7は、施設ポイントテーブル及び移動手段ポイントテーブルの具体例を示す図である。
図7上段で示すように、施設ポイントテーブル130には、海、山のように自然環境そのものの施設や場所の場合は、最も施設ポイントが高く設定されている。公園や植物園などもポイントが高く設定され、逆に人工的な電力使用量が多い施設ほどポイントが低くなる。また、プールのように時期により施設ポイントが変化する施設も存在する。夏場のプールは、ほとんど電力を使用しないが、冬場のプールは、水を温めて適温に保つための電力を多く使用するからである。
【0073】
図7下段には、具体的な移動手段ポイントテーブル140を示す。図示するように、徒歩、自転車の移動手段ポイントが最も高く、一人乗りのガソリン車のオードバイが最も移動手段ポイントが低くなるように設定されている。
【0074】
図8は、節電量確認画面の一例を示す図である。ユーザは、自己が行った節電行動の効果を確認するために、専用アプリを立ち上げ、図示するような節電量確認画面をスマホや自宅PCに表示することができる。図では2時間ごとの電力使用量の目標値(基準値)と実際の電力使用量がグラフで示される画面例を示している。目標値と実績値の差が節電量(電力削減量)であり、この節電量に応じて節電ポイントが、既に述べたような手順で算出されユーザに付与される。目標値より実際の電力使用量が高い場合時間帯には節電ポイントはマイナスとなる。
【0075】
また、電力会社等からの節電要請があった場合にはその時間帯が節電要請時間帯として表示され、節電要請時間帯の節電量は、通常よりポイントが高くなるようにしてもよい。
図8の例では、節電量10ごとに節電ポイントが1付与されるようにしているが、節電要請時間帯である12〜18時の時間帯のポイントは、通常の2倍の節電ポイントが設定されるようにしている。
【0076】
また、ここでは図示は省略するが、節電量確認画面には、家電製品のオン/オフ時間とその消費電力を表示してもよい。このことによって、ユーザは、節電効果の高い家電製品を再確認することができ、また、場合によっては、この画面に表示されない消費電力の高い家電製品がないかどうかを確認することができる。
【0077】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。またその様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。