(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記呼の緊急レベルは、前記呼の緊急レベルを評価するシステムを有する音声サーバに対して前記呼を転送することにより決定される、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の1つの目的は、ユーザのモバイル端末を経由してユーザを呼び出すことができないときに、ユーザが、緊急事態について警告されることを可能にする通信システムを提案することにより、上述の欠点を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために、モバイル端末を所有し、発信側ユーザの通信デバイスからモバイル端末に対する呼の受信者であり、また電気通信ネットワークの上でモバイル端末を経由して到達され得ないユーザに連絡を取るための一方法が開示され、前記方法は、通信サーバの内部において、以下のステップ、すなわち、
呼の緊急レベルを決定するステップと、
着信側ユーザと各第三者ユーザ(third party user)との間の社会的関係、着信側ユーザに関連しており、また第三者ユーザに関連している地理的位置情報データ(geolocation data)、および呼の緊急レベルに基づいて、発信側ユーザとの連絡を受ける可能性のある第三者ユーザのリストを決定するステップと、
発信側ユーザとリストの上の少なくとも1人の第三者ユーザとの間で呼を確立するステップとを備える。
【0007】
有利には、発信側ユーザによって行われる呼が、緊急であるときはいつでも、発信側ユーザは、その後に緊急呼に対応するメッセージについて着信側ユーザに通知することができるようになる第三者ユーザと連絡を取ることができる。着信側ユーザは、たとえ着信側ユーザがそのユーザのモバイル端末を経由して到達され得ないときでさえ、第三者ユーザによって連絡を取られて、緊急呼について通知を受けることができる。
【0008】
本発明の別の特徴によれば、リストは、着信側ユーザに地理的に最も近い第三者ユーザについての順序付けされた一覧表を含むことができる。
【0009】
本発明の別の特徴によれば、地理的位置情報データは、着信側ユーザについての、また第三者ユーザの各々についての最後に知られている地理的位置を備えることができる。
【0010】
本発明の別の特徴によれば、着信側ユーザに関連した地理的位置情報データは、着信側ユーザのカレンダーに関連した存在データを備えることができる。
【0011】
本発明の別の特徴によれば、通信サーバは、第三者ユーザと着信側ユーザとの間の社会的関係に基づいて、着信側ユーザと連絡を取るために、場合によっては呼び出されることに合意している第三者ユーザの1つのグループを前もって保存しておくことができる。
【0012】
本発明の別の特徴によれば、通信サーバは、呼の緊急レベルに基づいて、前記グループに属するユーザから初期リストを最初に生成することにより、また次いで、着信側ユーザに関連しており、また前記初期リストの上で見出される第三者ユーザに関連している地理的位置情報データに基づいて前記リストを生成することにより、第三者ユーザについての前記リストを決定することができる。
【0013】
本発明の別の特徴によれば、呼の緊急レベルは、呼の緊急レベルを評価するためのシステムを有する音声サーバに対して呼を転送することにより、決定される場合がある。例えば、緊急レベルは、ユーザによって与えられ、また次いで、分析システムによって自動的にか、または専用のコール・センターを経由して手動的にかのいずれかで認可される。
【0014】
本発明はまた、モバイル端末を所有し、着信側ユーザの通信デバイスからモバイル端末に対する呼の受信者であり、また電気通信ネットワークの上でモバイル端末を経由して到達され得ないユーザと連絡を取るための通信サーバに関連しており、前記通信サーバは、
呼の緊急レベルを決定するための手段と、
着信側ユーザと各第三者ユーザとの間の社会的関係、着信側ユーザに関連しており、また第三者ユーザに関連している地理的位置情報データ、呼の緊急レベルに基づいて、発信側ユーザとの連絡を受ける可能性のある第三者ユーザのリストを決定するための手段と、
着信側ユーザと、リストの上の少なくとも1人の第三者ユーザとの間で呼を確立するための手段とを備える。
【0015】
本発明はまた、サーバの内部に実装可能なコンピュータ・プログラムに関し、前記プログラムは、プログラムが前記サーバの内部で実行されるときはいつでも、本発明の方法によるステップを実行する命令を備える。
【0016】
本発明と、その利点とは、以下の説明を検討するとすぐによりよく理解されるものであり、以下の説明は、添付図面を参照している。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、ユーザのモバイル端末を経由しては到達不可能であるモバイル端末を有する「着信側」ユーザを、「発信側」ユーザが呼び出す通信システムに関する。通信システムにより、発信側ユーザは、着信側ユーザに連絡を取ることができる「第三者」ユーザと連絡を取ることができるようになる。
【0019】
着信側ユーザと、第三者ユーザとは、本発明によるサービスに加入していることが、仮定される。例えば、サービスに加入している各ユーザを、着信側ユーザ、および第三者ユーザとして宣言することができる。
【0020】
図1を参照すると、通信システムは、電気通信ネットワークRTの上で互いに通信することができる、発信側ユーザの通信デバイスDCaと、着信側ユーザのモバイル端末TMと、第三者ユーザの少なくとも1つの通信デバイスDCtと、通信システムSCとを備える。
【0021】
電気通信ネットワークRTは、GSM(「移動通信用グローバル・システム(Global System for Mobile communications)」)やUMTS(「ユニバーサル・モバイル・テレコミュニケーション・システム(Universal Mobile Telecommunications System)」)のデジタル・セルラー方式無線通信ネットワークなどのワイヤレス・ネットワークを備えることができる。電気通信ネットワークRTは、IMS(「IPマルチメディア・サブシステム(IP Multimedia Subsystem)」)パケット・ネットワークに接続されることもある。さらに、電気通信ネットワークRTは、有線ネットワークを備えることもでき、または有線ネットワークと、ワイヤレス・ネットワークとの組合せとすることもできる。
【0022】
一例によれば、発信側ユーザの通信デバイスDCa、着信側ユーザのモバイル端末TM、または第三者ユーザの通信デバイスDCtは、無線通信ネットワークの、例えば、GSMネットワークまたはUMTSネットワークの固定回線ネットワークを備えるアクセス・ネットワークに無線通信チャネルによって接続されたモバイル・セルラー方式無線通信端末である。
【0023】
別の例によれば、着信側ユーザの通信デバイスDCa、着信側ユーザのモバイル端末TM、または第三者ユーザの通信デバイスDCtは、ユーザに専用の電気通信デバイスまたは電子的オブジェクトを備えており、またこれらの電気通信デバイスまたは電子的オブジェクトは、通信する携帯型個人情報端末(personal digital assistant)(PDA)、またはスマートフォンとすることができ、またこれらのPDAまたはスマートフォンは、WLAN(「ワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワーク(Wireless Local Area Network)」)タイプの短距離公衆ワイヤレス・ネットワーク、または802.1x規格に準拠した短距離公衆ワイヤレス・ネットワーク、あるいはWiMAX(「ワールドワイド・インターオペラビリティ・マイクロウェーブ・アクセス(Worldwide Interoperability Microwave Access)」)プロトコルに従った中距離公衆ワイヤレス・ネットワークのアクセス端末に接続されることもある。
【0024】
別の例によれば、発信側ユーザの通信デバイスDCa、または第三者ユーザの通信デバイスDCtは、TDM(「時分割多重化(Time Division Multiplexing)」)固定回線電話、または固定回線のボイス・オーバーIP(「インターネット・プロトコル(Internet Protocol)」)電話、あるいはPOE(「パワー・オーバー・イーサネット(Power Over Ethernet)」固定回線電話である。
【0025】
オプションとして、着信側ユーザの通信デバイスDCa、着信側ユーザのモバイル端末TM、または第三者ユーザの通信デバイスDCtは、Wi−Fiタイプ、またはブルートゥース(Bluetooth)タイプの短距離ワイヤレス接続を経由して通信することができる。
【0026】
さらに、第三者ユーザは、複数の通信デバイスDCtを、例えば、モバイル端末と固定回線電話とを所有することができる。
【0027】
通信サーバSCは、各々が、通信サーバSCの1つまたは複数の機能を提供するサーバの組を備えることができる。通信サーバSCは、例えば、電気通信オペレータによって管理される。
【0028】
通信サーバSCは、呼処理モジュールMTAと、フィルタ・モジュールFILと、選択モジュールSELと、嗜好(preference)管理モジュールGESと、ロケーション・モジュールLOCとを備える。
【0029】
説明の残りにおいて、モジュールという用語は、少なくとも1つの特定のタスクを実行するように構成された、デバイス、ソフトウェア・プログラム、またはコンピュータのハードウェアとソフトウェアとの組合せを指定することができる。
【0030】
呼処理モジュールMTAは、呼が通過しなかったときはいつでも、発信側の通信デバイスDCaからやってくる呼を処理する。例えば、呼処理モジュールMTAは、着信側ユーザのモバイル端末TMが、ある与えられた回数だけ着信を鳴らした後に、またはモバイル端末が、ネットワーク・カバレッジを有さないか、またはスイッチが切られているときはいつでもトリガされる。
【0031】
呼処理モジュールMTAは、下記で説明される原理に従って、フィルタ・モジュールFIL、および選択モジュールSELとともに機能することにより、着信側ユーザに近い第三者ユーザの通信デバイスDCtに対して呼を転送する機能を有する。
【0032】
フィルタ・モジュールFILは、呼の緊急レベルを検証する機能と、通信サーバによって提供されるサービスが、誤用されないことを保証する機能とを有する。
【0033】
例えば、フィルタ・モジュールFILは、呼をコール・センターへと転送し、その結果、担当者は、発信側ユーザと話をすることができ、また呼の緊急レベルを決定することができるようになる。
【0034】
別の例によれば、フィルタ・モジュールFILは、発信側ユーザが、呼の緊急レベルを選択するように、または指定するように勧める音声サーバ機能(voice server functionality)を提供する。
【0035】
一変形においては、フィルタ・モジュールFILは、発信側の音声の自動分析を行い、また一連の質問を行って、例えば、決定木を使用することにより、呼の緊急レベルを推論することができる。
【0036】
オプションとして、呼サーバによって配信されるサービスの使用を制限するために、緊急の程度に基づいて呼が課金される可能性があり、あるいは着信側ユーザの近くにおり、また呼がルーティングされる相手のユーザは、呼の緊急の程度についての意見を提供することができる。
【0037】
呼の緊急レベルは、所定の緊急スケールに基づいて決定されることもあり、またオプションとして、2つのカテゴリへと、すなわち「生死にかかわる」全く極めて緊急の呼についてだけの第1のカテゴリと、「非常に緊急の」または「個人的な」など、他の緊急呼についての第2のカテゴリとへ分割されることもある。
【0038】
一実施形態によれば、ユーザは、呼の緊急レベルを選択するように音声サーバによって勧められることもある。次に、呼の緊急レベルに応じて発信側ユーザとの連絡を受けるようにされる可能性がある第三者ユーザのリストを選択モジュールSELが決定する前に、そのレベルは、一連の質問を通して、またオプションとしては音声分析を通して、システムによって評価される。「ただ緊急というだけの」呼についての第三者ユーザのリストは、「極めて緊急の」呼についての第三者ユーザのリストよりももっと制約が多いこともあり、後者のリストは、着信側ユーザを知らない人々を含んでいる可能性もある。
【0039】
選択モジュールSELは、発信側ユーザとの連絡を受けるようにされる可能性のある第三者ユーザを選択して、第三者ユーザが着信側ユーザと連絡を取ることができるようにする。
【0040】
選択モジュールSELは、フィルタ・モジュールFILおよび呼処理モジュールMTAとともに機能して、呼の緊急レベルを入力データとして採用し、ロケーション・モジュールLOCに問い合わせを行って、場合によっては発信側ユーザとの連絡を受けるようにされる可能性のあるユーザの位置を学習し、また嗜好管理モジュールGESに問い合わせを行って、着信側ユーザと、場合によっては発信側ユーザとの連絡を受けるようにされる可能性がある第三者ユーザとの間の社会的関係、ならびにユーザと第三者ユーザとの嗜好を学習する。
【0041】
選択モジュールSELは、着信側ユーザに対して地理的に近くにおり、またユーザの嗜好が呼の緊急レベルにマッチする人々のリストを生成する。
【0042】
例えば、着信側ユーザを知っており、着信側ユーザに対して地理的に近くにおり、また彼らの嗜好に合意して、低い呼緊急レベルを有する発信側ユーザとの連絡を受けるようにされる人々に、優先順位が与えられる可能性がある。
【0043】
ロケーション・モジュールLOCは、着信側ユーザ、および第三者ユーザについての地理的位置を監視する。ロケーション・モジュールLOCは、ある与えられた精度で、ユーザの地理的位置を決定する。
【0044】
例えば、ユーザのロケーションは、GPS測位システムを含めて、着信側ユーザのモバイル端末、または第三者ユーザの通信デバイスDCtから取り出されるGPS(「全地球測位システム(Global Positioning System」)データを経由して決定されることもある。
【0045】
別の例によれば、ユーザのロケーションは、さらに、ユーザのカレンダーに関連した存在データを用いて決定されることもある。例えば、着信側ユーザは、ある与えられた時間中にそのユーザが歯医者にいることを示して、カレンダーに書き込んでいる可能性がある。
【0046】
ロケーション・モジュールLOCは、それによって、着信側ユーザに関連しており、また場合によっては発信側ユーザとの連絡を受けるようにされる可能性がある第三者ユーザに関連している地理的位置情報データDgを省く。地理的位置情報データDgは、着信側ユーザについての、また場合によっては発信側ユーザとの連絡を受けるようにされる可能性がある第三者ユーザの各々についての最後に知られている地理的位置、ならびに彼らの習慣的な動きを備えることができる。
【0047】
嗜好管理モジュールGESにより、ユーザは、どのようにして、また誰によってユーザが連絡される可能性があるかに関して、彼らの嗜好を指定することができるようになる。
【0048】
着信側ユーザに関して、呼の緊急レベルに応じて、ユーザがユーザのモバイル端末を経由して到達され得ないときはいつでも、ユーザが誰によって連絡を受けることができるかを、ユーザが第三者ユーザに通知する。
【0049】
第三者ユーザは、ソーシャル・ネットワークを経由して、「家族」、「友人」、「その他」などのカテゴリへと分類されることもある。その場合には、着信側ユーザは、社会的関係のカテゴリごとに、カテゴリの内部で分類された第三者ユーザに対して呼をルーティングするために、呼についての最小の緊急レベルを割り当てることができる。例えば、「家族」カテゴリに分類されるユーザは、呼の緊急レベルにかかわらず、呼をルーティングするために選択されることもあるが、「その他」カテゴリに分類される第三者ユーザは、呼の最高の緊急レベルについてだけ呼をルーティングするために選択される可能性がある。
【0050】
第三者ユーザに関して、呼の緊急レベルに応じて、誰のために第三者ユーザが着信側ユーザと連絡を取るために呼び出されることに合意しているかを、第三者ユーザは可能性のある着信側ユーザに通知する。
【0051】
さらに、第三者ユーザが発信側ユーザとの連絡を受けるようにするためのポリシーは、第三者ユーザと着信側ユーザとの間の社会的関係に依存する。例えば、着信側ユーザが友人のメンバーまたは家族のメンバーである場合だけ、第三者ユーザが、発信側ユーザとの連絡を受けるようにされることに合意する可能性がある。さらに、どのような第三者ユーザも、呼の緊急レベルが高い場合には、発信側ユーザとの連絡を受けるようにされることに合意する可能性がある。
【0052】
嗜好管理モジュールGESは、可能性のある着信側ユーザと、可能性のある第三者ユーザとして、ユーザの嗜好を保存し、また着信側ユーザの嗜好と第三者ユーザの嗜好とを比較して、呼の緊急レベルに基づいて発信側ユーザとの連絡を受けるようにされる可能性がある第三者ユーザのグループGpを規定する。
【0053】
例えば、ユーザの嗜好は、ウェブ・インターフェースを経由してユーザによって入力されることもある。
【0054】
図2を参照すると、本発明の一実施形態による、ユーザのモバイル端末を用いて到達され得ない呼ユーザに連絡を取るための一方法は、ステップE1からE5を備えている。
【0055】
あらかじめ、着信側ユーザは、ウェブ・インターフェースに接続して、着信側ユーザと、各第三者ユーザとの間の社会的関係に基づいて、また呼の緊急レベルに基づいて、ユーザがユーザのモバイル端末を経由して到達され得ないときはいつでも、ユーザが誰によって連絡を取られる可能性があるかを第三者ユーザに通知する。
【0056】
さらに、少なくとも幾人かの前記第三者ユーザは、ウェブ・インターフェースに接続して、第三者ユーザと各着信側ユーザとの間の社会的関係に基づいて、また呼の緊急レベルに基づいて、誰のために各第三者ユーザが、着信側ユーザに連絡を取るために呼び出されることに合意しているかを可能性のある着信側ユーザに通知する。
【0057】
通信サーバSCは、ウェブ・インターフェースに提供される前記情報を取り出して、第三者ユーザと各着信側ユーザとの間の社会的関係に基づいて、また呼の緊急レベルに基づいて、場合によっては発信側ユーザとの連絡を受けるようにされているグループGpの第三者ユーザを規定し、またグループGpの第三者ユーザを着信側ユーザに関連づける。例えば、第三者ユーザのグループは、着信側ユーザの識別子とマッチするものとして保存され、また各第三者ユーザは、少なくとも1つの通信デバイスDCtの呼び出し番号とマッチするものとして保存される。
【0058】
ステップE1において、発信側ユーザは、着信側ユーザを呼び出すが、そのユーザに到達することができない。例えば、着信側ユーザのモバイル端末TMが、ある与えられた回数だけ着信を鳴らした後に、通信サーバSCは、電気通信ネットワークRTの中に含まれ、また着信側ユーザのプロファイル情報を、とりわけそのユーザが加入しているサービスを備えるホーム・ロケーション・レジスタHLRによってトリガされ、また発信側ユーザの通信デバイスDCaは、通信サーバSCと連絡を取るようにされる。
【0059】
ステップE2において、フィルタ・モジュールFILは、呼の緊急レベルを決定する。例えば、フィルタ・モジュールFILは、呼の緊急レベルを評価するためのシステムを有する音声サーバに対して呼を転送し、発信側ユーザが呼の緊急レベルを選択するように勧めており、この呼の緊急レベルは、1組の質問を通して、またオプションとしては音声分析を通して、そのシステムによって評価される。呼の緊急レベルは、例えば、テキスト・メッセージの形式で通信サーバに送信されることもある。
【0060】
呼処理モジュールMTAは、フィルタ・モジュールFILによって決定される呼の緊急レベルを取り出し、またそれを選択モジュールSELに対して送信する。
【0061】
呼処理モジュールMTAはまた、着信側ユーザの識別子Idを選択モジュールSELに対して送信する。識別子Idは、例えば、着信側ユーザの呼び出し番号である。
【0062】
ステップE3において、選択モジュールSELは、管理モジュールGESに問い合わせを行って、着信側ユーザの識別子Idを用いて着信側ユーザに関連する第三者ユーザのグループGpを取り出す。
【0063】
選択モジュールSELは、呼の緊急レベルに基づいてグループGpに属する第三者ユーザの初期リストLiを生成する。第三者ユーザが発信側ユーザとの連絡を受けるようにするためのポリシーは、第三者ユーザと、着信側ユーザとの間の社会的関係に依存する。例えば、第三者ユーザは、着信側ユーザが、友人または家族のメンバーである場合だけに、発信側ユーザとの連絡を受けるようにされることに合意する可能性がある。さらに、どのような第三者ユーザも、呼の緊急レベルが高い場合に、発信側ユーザとの連絡を受けるようにされることに合意する可能性がある。
【0064】
したがって、決定された緊急レベルの場合に、発信側ユーザとの連絡を受けるようにされることに合意している第三者ユーザだけが、初期リストLiに属している。
【0065】
ステップE4において、選択モジュールSELは、ロケーション・モジュールLOCに問い合わせを行って、初期リストLiの上の第三者ユーザについての位置を学習する。とりわけ、選択モジュールSELは、例えば、着信側ユーザについての、また第三者ユーザの各々についての、最後の知られている地理的位置を備える、着信側ユーザに関連しており、また第三者ユーザに関連している地理的位置情報データDgを取り出す。
【0066】
選択モジュールSELは、取り出された地理的位置情報データDgに基づいて、初期リストLiから第三者ユーザの最終リストLfを生成する。
【0067】
例えば、最終リストLfは、着信側ユーザに地理的に最も近い第三者ユーザの順序付けられた一覧表を含んでいる。最終リストLfは、例えば、所定のしきい値距離を超えた、着信側ユーザから地理的にあまりにも遠く離れた第三者ユーザの初期リストを取り除いている。
【0068】
一変形においては、ステップE3とE4との順序が、逆にされる。それゆえに、最初に、着信側ユーザに地理的に最も近くにいる第三者ユーザを選択し(E4)、また次いで、呼の緊急レベルに基づいて、これらの第三者ユーザのうちのどれが、着信側ユーザと連絡を取るようにされることに合意するかを検証することが、可能である。
【0069】
ステップE5において、選択モジュールSELは、発信側ユーザの通信デバイスDCaと、最終リストに最初に現れる第三者ユーザの通信デバイスDCtとの間で呼を確立する呼処理モジュールMTAに対して最終リストLfを送信する。
【0070】
呼処理モジュールMTAは、それによって、発信側ユーザの通信デバイスDCaと、第三者ユーザが宣言している、第三者ユーザの通信デバイスDCtの各々との間で呼を確立しようと試みる。
【0071】
第三者ユーザが、到達され得ない場合、呼処理モジュールMTAは、発信側ユーザの通信デバイスDCaと、最終リストの中に順番に現れる第三者ユーザの各々についての通信デバイスDCtとの間で呼を確立する。
【0072】
ここで説明されている本発明は、ユーザのモバイル電話を経由しては到達され得ない着信側ユーザと連絡を取るための方法およびサーバに関する。本発明の一実施形態によれば、本発明の方法のステップは、通信サーバSCなどのサーバの中に組み込まれるコンピュータ・プログラムの命令によって決定される。プログラムは、前記プログラムが、サーバの内部でロードされ、また実行されるときに、本発明の方法のステップを実行するプログラム命令を備える。
【0073】
その結果として、本発明は、本発明を実装するために適したコンピュータ・プログラムにも、とりわけ情報媒体の上の、または情報媒体の内部のコンピュータ・プログラムにも適用される。このプログラムは、任意のプログラミング言語を使用することができ、またソース・コード、オブジェクト・コード、あるいは部分的にコンパイルされた形式や、本発明の方法を実装するために望ましい他の任意の形式など、ソース・コードと、オブジェクト・コードとの間の中間コードの形式のものとすることができる。