(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記画像制御モジュールが、前記被験者の、前記撮像システムの前記等角点に沿った部分の前記第1の画像データを収集するように動作可能であり、前記ユーザ入力データが、偏心位置で前記被験者の画像データを収集するために、前記被験者の、前記撮像システムの前記等角点から偏心している第2の領域の選択を含む、請求項1に記載のシステム。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0027]以下の説明は、本質的に単なる例示である。図面全体にわたって、一致する参照番号は、同じまたは一致する部分および特徴を示すことを理解されたい。上記のように、本教示は、米国コロラド州ルイビルに営業所を有するMedtronic Navigation,Inc.によって販売されているO−Arm(登録商標)撮像システムなどの撮像デバイスに対する偏心撮像を対象とする。しかし、本教示はC−arm撮像デバイスなどの任意の適当な撮像デバイスに適用できることに留意されたい。さらに、本明細書では、「モジュール」という用語は、演算デバイスによってアクセスできるコンピュータ可読媒体、特定用途向け集積回路(ASIC)、電子回路、1つもしくは複数のソフトウェアもしくはファームウェアプログラムを実行する処理装置(共用、専用、もしくはグループ)およびメモリ、組合せ論理回路、ならびに/または記載の機能性を提供する他の適したソフトウェア、ファームウェアプログラム、もしくは構成要素を指すことができる。
【0011】
[0028]
図1を参照すると、手術室または手術ルーム10内で、ユーザ12などのユーザが、患者14に対して処置を実行することができる。処置を実行する際、ユーザ12は、撮像システム16を使用して、処置を実行するために患者14の画像データを獲得することができる。獲得した患者14の画像データは、本明細書に開示するものを含めて、X線撮像システムを用いて獲得した2次元(2D)投影図を含むことができる。しかし、同じく本明細書に開示するように、体積モデルの2D順方向投影図も生成できることが理解されるであろう。
【0012】
[0029]一例では、獲得した画像データを使用して、モデルを生成することができる。モデルは、本明細書でさらに論じる代数的反復技法を含む様々な技法を使用して獲得した画像データに基づいて生成される3次元(3D)の体積モデルとすることができる。表示される画像データ18は表示デバイス20上に表示することができ、さらに、本明細書でさらに詳細に論じるように、撮像演算システム32に付随する表示デバイス32a上に表示することもできる。表示される画像データ18は、2D画像、3D画像、または時間変化する4次元画像とすることができる。表示される画像データ18はまた、獲得した画像データ、生成した画像データ、それらの両方、または両タイプの画像データをマージしたものを含むことができる。
【0013】
[0030]獲得した患者14の画像データは、たとえばX線撮像システムを用いて2D投影図として獲得できることが理解されるであろう。次いでこれらの2D投影図を使用して、患者14の3D体積画像データを再構築することができる。また、3D体積画像データから、理論上または順方向の2D投影図を生成することもできる。したがって、画像データは、2D投影図と3D体積モデルの一方であっても両方であってもよいことが理解されるであろう。
【0014】
[0031]表示デバイス20は、演算システム22の一部とすることができる。演算システム22は、様々なコンピュータ可読媒体を含むことができる。コンピュータ可読媒体は、演算システム22によってアクセスできる任意の利用可能な媒体とすることができ、揮発性の媒体と不揮発性の媒体、および可換型の媒体と非可換型の媒体をどちらも含むことができる。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体および通信媒体を含むことができる。記憶媒体は、それだけに限定されるものではないが、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ、もしくは他のメモリ技術、CD−ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)、もしくは他の光ディスク記憶、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶、もしくは他の磁気記憶デバイス、または任意の他の媒体を含み、コンピュータ可読命令、ソフトウェア、データ構造、プログラムモジュール、および他のデータを記憶するために使用することができ、また演算システム22によってアクセスすることができる。コンピュータ可読媒体は、直接、またはインターネットなどのネットワークを通じてアクセスすることができる。
【0015】
[0032]一例では、演算システム22は、キーボードなどの入力デバイス24と、演算システム22に統合できる1つまたは複数の処理装置26(1つまたは複数の処理装置は、多重処理コアプロセッサ、マイクロプロセッサなどを含むことができる)とを含むことができる。入力デバイス24は、タッチパッド、タッチペン、タッチスクリーン、キーボード、マウス、ジョイスティック、トラックボール、無線式マウス、可聴式コントロール、またはこれらの組合せなど、ユーザが演算システム22にインターフェース接続することを可能にする任意の適したデバイスを含むことができる。さらに、本明細書では演算システム22について、表示デバイス20とは個別の入力デバイス24を備えると説明および図示するが、演算システム22は、タッチパッドまたはタブレット演算デバイスを備えることもでき、さらに演算システム22は、撮像システム16に付随する撮像演算システム32内に組み込むことができ、または撮像演算システム32の一部とすることができる。
【0016】
[0033]演算システム22と表示デバイス20との間には、表示デバイス20に画像データ18を示すためのデータ通信を行う接続28を設けることができる。
[0034]撮像システム16は、米国コロラド州ルイビルに営業所を有するMedtronic Navigation,Inc.によって販売されているO−Arm(登録商標)撮像システムを含むことができる。O−Arm(登録商標)撮像システム、または選択された処置中に使用される他の適当な撮像システムを含む撮像システム16はまた、参照により本明細書に組み込まれている、2009年5月13日出願の「System And Method For Automatic Registration Between An Image And A Subject」という名称の米国特許出願第12/465,206号に記載されている。O−Arm撮像システムまたは他の適当な撮像システムに関する追加の説明は、それぞれ参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第7,188,998号、第7,108,421号、第7,106,825号、第7,001,045号、および第6,940,941号に見ることができる。
【0017】
[0035]O−Arm(登録商標)撮像システム16は、撮像演算システム32を含む可動式カート30と、撮像ガントリ34とを含むことができ、撮像ガントリ34内にはソースユニット36および検出器38が位置決めされる。
図1を参照すると、本明細書でさらに論じるように、可動式カート30は、1つの手術室または手術ルームから別の手術室または手術ルームへ移動させることができ、ガントリ34は、可動式カート30に対して移動することができる。これにより、撮像システム16を可動式とすることができ、その結果、撮像システム16は、固定の撮像システム専用の資本支出または空間を必要とすることなく、複数の位置で複数の処置によって使用することが可能になる。
【0018】
[0036]
図2を参照すると、ガントリ34は、撮像システム16の等角点を画定することができる。これに関して、ガントリ34を通る中心線C1は、撮像システム16の等角点または中心を画定することができ、L1などのガントリ34を通るあらゆる他の線は、撮像システム16の等角点から外れている、または偏心していると見なすことができる。通常、
図1を参照すると、患者14は、ガントリ34の中心線C1に沿って位置決めすることができ、その結果、患者14の長手方向軸14Lと撮像デバイス16の等角点を位置合わせすることができる。本明細書に論じるように、撮像デバイス16の中心線C1に沿って獲得した画像データは、等角点または中心画像データと見なすことができ、等角点から外れて、または偏心して獲得した画像データは、等角点から外れている、または偏心画像データと見なすことができる。
【0019】
[0037]
図3を参照すると、構成要素の一部またはすべてを本開示の教示とともに使用できる撮像演算システム32の例示的な実施形態を示す図が提供されている。撮像演算システム32は、様々なコンピュータ可読媒体を含むことができる。コンピュータ可読媒体は、撮像演算システム32によってアクセスできる任意の利用可能な媒体とすることができ、揮発性の媒体と不揮発性の媒体、および可換型の媒体と非可換型の媒体をどちらも含む。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体および通信媒体を含むことができる。記憶媒体は、それだけに限定されるものではないが、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ、もしくは他のメモリ技術、CD−ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)、もしくは他の光ディスク記憶、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶、もしくは他の磁気記憶デバイス、または任意の他の媒体を含み、コンピュータ可読命令、ソフトウェア、データ構造、プログラムモジュール、および他のデータを記憶するために使用することができ、また撮像演算システム32によってアクセスすることができる。コンピュータ可読媒体は、直接、またはインターネットなどのネットワークを通じてアクセスすることができる。
【0020】
[0038]一例では、撮像演算システム32は、表示デバイス32aおよびシステムユニット32bを備える。図示のように、表示デバイス32aは、コンピュータビデオスクリーンまたはモニタを含むことができる。撮像演算システム32はまた、少なくとも1つの入力デバイス32cを含むことができる。システムユニット32bは、分解図で100に示すように、処理装置102およびメモリ104を含み、メモリ104は、ソフトウェア106およびデータ108を含むことができる。
【0021】
[0039]この例では、少なくとも1つの入力デバイス32cは、キーボードを含む。しかし、少なくとも1つの入力デバイス32cは、タッチパッド、タッチペン、タッチスクリーン、キーボード、マウス、ジョイスティック、トラックボール、無線式マウス、可聴式コントロール、またはこれらの組合せなど、ユーザが撮像演算システム32にインターフェース接続することを可能にする任意の適したデバイスを含むことができることを理解されたい。さらに、本明細書では撮像演算システム32について、表示デバイス32aを有するシステムユニット32bを備えると説明および図示するが、撮像演算システム32は、タッチパッドもしくはタブレット演算デバイスを備えることができ、または表示装置20を使用することもできる。
【0022】
[0040]
図4〜9に関連して論じるように、撮像演算システム32は、偏心画像制御モジュール110を介して偏心画像データの取得を可能にするように、ソース36、検出器38、および回転子40の移動、位置決め、および調整を独立して制御することができる。偏心画像データはそれぞれ、メモリ104内に記憶することができ、処理装置102によってアクセスすることができる。処理装置102と表示デバイス32aとの間には、表示デバイス32aに画像データ18を示すためのデータ通信を行う接続を設けることができる。
【0023】
[0041]簡単に言えば、
図1および
図2を参照すると、ソースユニット36は、X線を放出して患者14に通すことができ、このX線が検出器38によって検出される。当業者には理解されるように、ソース36によって放出されるX線を円錐形に放出して、検出器38によって検出することができる。ソース36と検出器38はそれぞれ、ガントリ34内で概ね正反対に位置してガントリ34内で患者14の周りを移動できるように、回転子40に結合することができる。したがって、検出器38は、概ね矢印39の方向に患者14の周りを360°の運動で回転移動することができ、ソース36は、検出器38から概ね180°離れた反対の位置を保つように、検出器38とともに移動することができる。
【0024】
[0042]さらに、
図2を参照すると、ソース36は、回転子40に枢動可能に取り付けて、アクチュエータによって制御することができ、その結果、ソース36は、その焦点Pの周りを回転子40および検出器38に対して制御可能に枢動させることができる。ソース36を制御可能に枢動させることによって、ガントリ34に対する患者14の位置を変える必要なく、患者14に対するX線の軌道を傾斜または変更させることができる。さらに、検出器38は、矢印T1およびT2の方向に回転子40に対して弧の周りを移動することができる。一例では、検出器38は、ソース36の焦点Pを中心とする枢動点の周りを枢動することができ、その結果、ソース36と検出器38は同じ角度の周りを枢動することができる。検出器38は、ソース36と同じ角度で枢動できるため、任意の所望の枢動角度でソース36によって放出されるX線を検出することができ、それによって、本明細書でさらに論じるように、偏心画像データの取得を可能にすることができる。回転子40は、所望の画像データ(中心または偏心)を獲得するために、必要に応じてガントリ34の周りを回転することができる。ソース36、検出器38、および回転子40の移動機構に関する追加の詳細は、すでに参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第7,108,421号に開示されている。
【0025】
[0043]
図1を参照すると、ガントリ34は、患者14に対して概ね矢印41の方向に等角に揺動または振動(本明細書では、等角揺動とも呼ぶ)することができ、患者14は、患者支持体または台15上に配置することができる。ガントリ34はまた、矢印42で示すように患者14に対して傾斜することができ、線44に沿って患者14および可動式カート30に対して長手方向に移動することができ、概ね線46に沿って可動式カート30に対して上下に、かつ患者14に対して横方向に移動することができ、また概ね矢印48の方向に患者14に対して垂直に移動することができ、それによって、患者14に対してソース36/検出器38を位置決めすることが可能になる。
【0026】
[0044]O−Arm(登録商標)撮像システム16は、患者14の高精度の画像データを生成するために、患者14に対してソース36および検出器38を移動させるように、撮像演算システム32によって精密に制御することができる。さらに、撮像システム16は、接続50を介して処理装置26と接続することができる。接続50は、有線もしくは無線の接続、または撮像システム16から処理装置26への物理的な媒体の伝達を含むことができる。したがって、撮像システム16を用いて集めた画像データもまた、ナビゲーション、表示、再構築などのために撮像演算システム32から演算システム22へ伝達することができる。
【0027】
[0045]簡単に言えば、引き続き
図1を参照すると、様々な実施形態によれば、撮像システム16は、ナビゲートされない処置でもナビゲートされる処置でも使用することができる。ナビゲートされる処置では、光ローカライザ60と電磁ローカライザ62の一方または両方を含むローカライザを使用して、界を生成することができ、または患者14に対するナビゲーション領域内で信号を受信もしくは送信することができることができる。所望の場合、ナビゲートされる処置の実行に関連する構成要素を、撮像デバイス16内に組み込むことができる。患者14に対するナビゲートされる空間またはナビゲーション領域を画像データ18に位置合わせして、ナビゲーション領域内に画定されるナビゲーション空間と、画像データ18によって画定される画像空間との位置合わせを可能にすることができる。患者追跡装置または動的基準枠64を患者14に接続して、患者14と画像データ18の動的な位置合わせおよび位置合わせの維持を可能にすることができる。
【0028】
[0046]次いで、患者14に対して器具66を追跡して、ナビゲートされる処置を可能にすることができる。器具66は、光ローカライザ60と電磁ローカライザ62の一方または両方を用いて器具66の追跡を可能にするために、光追跡デバイス68および/または電磁追跡デバイス70を含むことができる。器具66は、ナビゲーションインターフェースデバイス74との通信線72を含むことができ、ナビゲーションインターフェースデバイス74は、電磁ローカライザ62および/または光ローカライザ60と通信することができる。次いでナビゲーションインターフェースデバイス74は、通信線72、78をそれぞれ使用して、通信線80を有する処理装置26と通信することができる。接続または通信線28、50、76、78、または80はいずれも、有線、無線、物理的な媒体の伝達もしくは移動、または任意の他の適当な通信とすることができることが理解されるであろう。それでもなお、適当な通信システムは、患者14に対する器具66の追跡を可能にして、処置を実行するための画像データ18に対する器具66の追跡位置を示すことができるように、それぞれのローカライザを備えることができる。
【0029】
[0047]器具66は、介入的な器具および/またはインプラントとすることができることが理解されるであろう。インプラントは、心室または血管のステント、脊椎インプラント、神経のステントなどを含むことができる。器具66は、深部脳もしくは神経刺激装置、切除デバイス、または他の適当な器具などの介入的な器具とすることができる。器具66を追跡することで、患者14内の器具66を直接観察しなくても、位置合わせされた画像データ18を使用して、患者14に対する器具66の位置を観察することが可能になる。たとえば、器具66は、画像データ18上に重ね合わせたアイコンとして図示することができる。
【0030】
[0048]さらに、撮像システム16は、それぞれの光ローカライザ60または電磁ローカライザ62を用いて追跡される光追跡デバイス82または電磁追跡デバイス84などの追跡デバイスを含むことができる。追跡デバイス82、84は、選択された基準枠に対するソース36、検出器38、回転子40、および/またはガントリ34の位置または場所を判定するために、撮像システム16のソース36、検出器38、回転子40、ガントリ34、または他の適当な部品に直接付随することができる。図示のように、追跡デバイス82、84は、ガントリ34の筐体の外部上に位置決めすることができる。したがって、器具66と同様に、患者14に対して撮像システム16を追跡して、画像データ18に対する患者14の最初の位置合わせ、自動の位置合わせ、または連続した位置合わせを可能にすることができる。位置合わせおよびナビゲートされる処置は、上記で組み込まれた米国特許出願第12/465,206号に論じられている。
【0031】
[0049]
図4を参照すると、簡略化されたブロック図を用いて、様々な実施形態による偏心画像制御モジュール110を実施する例示的なシステム114が示されている。一例では、偏心画像制御モジュール110は、撮像システム16の撮像演算システム32によって実施することができる。偏心画像制御モジュール110は、画像制御モジュール116および移動制御モジュール118を含むことができる。
【0032】
[0050]画像制御モジュール116は、入力デバイス32cからユーザ入力データ117を受け取ることができ、表示装置32aへ画像データ18を出力することができる。本明細書では表示装置について、表示デバイス32aを構成すると図示および説明するが、撮像演算システム32は、表示デバイス20へ画像データ18を出力することもできることに留意されたい。本明細書に論じるように、ユーザ入力データ117は、患者14の最初の画像を獲得することを求める要求を含むことができ、また追加の撮像に対する当該選択領域を含むこともできる。ユーザ入力データ117に基づいて、画像制御モジュール116は、移動制御モジュール118への信号119を設定することができる。信号119は、画像データの取得のための患者14上の選択位置を含むことができる。
【0033】
[0051]画像制御モジュール116はまた、ソース36へソース信号120を送ることができる。ソース信号120は、ソース36が少なくとも1つまたは複数のX線パルス122a...122nを出力または放出するための信号を含むことができる。画像制御モジュール116はまた、入力の場合と同様に、検出器信号124を受け取ることができ、検出器信号124は、検出器38によって検出されたX線パルス122a...122nを含むことができる。受け取ったX線パルス122a...122nに基づいて、画像制御モジュール116は、画像データ18を生成することができる。
【0034】
[0052]これに関して、画像制御モジュール116は、患者14の当該領域の最初の3次元モデルの自動的な再構築を実行することができる。3次元モデルの再構築は、最適化のための代数的技法などを使用して、任意の適当な方法で実行することができる。適当な代数的技法には、期待値最大化(EM)、順序部分集合EM(OS−EM)、同時代数的再構築技法(SART)、および全変動最小化が含まれる。2D投影図に基づく3D体積の再構築の実行に適用することで、効率的かつ完全な体積の再構築が可能になる。
【0035】
[0053]通常、代数的技法は、画像データ18として表示するために患者14の再構築を実行する反復処理を含むことができる。たとえば、「理論上」の患者のアトラスまたは様式化モデルに基づくもの、またはそこから生成されたものなど、純粋または理論上の画像データ投影図は、理論上の投影図画像が患者14の獲得済み2D投影図画像データに整合するまで、繰り返し変化させることができる。次いで、様式化モデルは、選択された患者14の獲得済み2D投影図画像データの3D体積再構築モデルとして適当に変更することができ、ナビゲーション、診断、または計画など、外科的介入で使用することができる。これに関して、様式化モデルは、患者14の解剖学的構造に関する追加の詳細を提供することができ、それにより、ユーザは外科的介入をさらに効率的に計画することが可能になる。理論モデルは、理論モデルを構築するための理論上の画像データに関連付けることができる。このようにして、撮像システム16を用いて獲得した患者14の画像データに基づいて、モデルまたは画像データ18を構築することができる。画像制御モジュール116は、画像データ18を表示デバイス32aへ出力することができる。
【0036】
[0054]移動制御モジュール118は、画像制御モジュール116からの信号119を入力として受け取ることができる。画像制御モジュール116からの信号に基づいて、移動制御モジュール118は、回転子40および患者14に対してソース36を移動または枢動させるように、ソース36への移動信号126を設定することができ、偏心画像制御モジュール110はまた、回転子40および患者14に対して検出器38を移動または平行移動させてソース36からのX線ビームを捕獲するように、移動信号128を検出器38へ出力することができる。一例では、移動信号126は、ソース36が枢動するように0度〜15度の角度を含むことができる。同様に、移動信号128は、検出器38がソース36に対して移動、平行移動、または枢動するように0度〜15度を含むことができる。移動制御モジュール118はまた、ガントリ34内で患者14に対して回転子40を移動または回転させるように、回転子40に対する移動信号130を設定することができる。言い換えれば、偏心画像制御モジュール110は、回転子40がガントリ34の周りを回転するにつれて偏心画像データの取得が可能になるように、回転子40に対するソース36および検出器38の位置を制御することができる。通常、回転子40は、ガントリ34内において患者14の長手方向軸14Lの周りでソース36および検出器38を約360°移動させることができる。患者14の周りの検出器38およびソース36の移動は、撮像システム16が患者14に対する複数の選択された位置および向きで画像データを獲得することが可能になるように最適化することができる。
【0037】
[0055]これに関して、
図1、
図2、および
図7〜9に示す画像取得に対するソース36および検出器38の運動プロファイルに示すように、2D投影図画像データは、患者14の周りのソース36および検出器38の実質上環状または360°の指向性の移動によって獲得することができる。回転子40に対するソース36および検出器38の移動プロファイルは、たとえば、回転子角度のシヌソイド関数とすることができる。また、ガントリ34の移動のため、ソース36および検出器38は必ずしも純粋な円形で移動する必要はなく、患者14の周りで、または患者14に対して、螺旋形または他の回転移動で移動することができる。また、この経路は、ガントリ34、ソース36、および検出器38をともに含む撮像システム16の移動に基づいて、実質上非対称および/または非線形とすることができる。言い換えれば、ソース36、検出器38、およびガントリ34は、最適の経路をたどる際に停止、たどってきた方向に後退(たとえば、振動)などができることから、この経路は連続している必要はない。したがって、ガントリ34は傾斜し、または他の形で移動することがあり、またソース36および検出器38は停止してすでに通ってきた方向に後退することがあるため、ソース36および検出器38は、必ずしも患者14の周りで360°完全に進む必要はない。ソース36および検出器38の移動に関するさらなる詳細は、参照により本明細書に組み込まれている、2003年3月18日出願の「Systems and Methods for Imaging Large Field−of−View Objects」という名称の米国特許第7,108,421号に見ることができる。
【0038】
[0056]したがって、移動制御モジュール118は、ソース36、検出器38、および回転子40のそれぞれに対する移動プロファイルを生成することができ、それによって、撮像デバイス16に対する患者14の移動を必要とすることなく、患者14上の特定の解剖学的位置に対する画像データの取得を可能にすることができる。患者14上の位置は、選択された位置が撮像デバイス16の等角点に沿って(または患者14の長手方向軸14Lに沿って)位置するかどうかにかかわらず、ガントリ34内の患者14上で3D体積画像が望まれる任意の選択された位置とすることができる。これにより、毎回患者14の位置を撮像デバイス16の等角点に変える必要なく、複数の位置で患者14の複数の画像の取得を可能にすることができる。
【0039】
[0057]
図5を参照すると、データの流れ図を用いて、偏心画像制御モジュール110内に埋め込むことができる画像制御システムの様々な構成要素が示されている。偏心画像制御モジュール110は、表示デバイス32aおよび/または表示デバイス20上に表示するための画像データ18を生成するように、撮像システム16を制御することができる。本開示による偏心画像制御システムの様々な実施形態は、偏心画像制御モジュール110内に埋め込まれた任意の数のサブモジュールを含むことができる。図示のサブモジュールを組み合わせて、かつ/またはさらに分割して、画像データ18を同様に生成することもできる。さらに、偏心画像制御モジュール110は、処理装置102上で起動する過渡的でない機械可読コード内で実施される1つまたは複数のソフトウェアモジュールを備えることができる。システムへの入力は、入力デバイス32c、入力デバイス24から受け取ることができ、またはさらに演算システム22もしくは撮像演算システム32内の他の制御モジュール(図示せず)から受け取ることができ、かつ/あるいは、偏心画像制御モジュール110(図示せず)内の他のサブモジュール(図示せず)によって判定することができる。
【0040】
[0058]引き続き
図5を参照すると、偏心画像制御モジュール110は、画像制御モジュール116、移動制御モジュール118、ソース制御モジュール132、検出器制御モジュール134、および回転子制御モジュール136を含むことができる。画像制御モジュール116は、ユーザ入力データ117を入力として受け取ることができる。ユーザ入力データ117は、入力デバイス32cまたは入力デバイス24から受け取った入力を含むことができる。ユーザ入力データ117は、撮像システム16が患者14に対する最初の画像データを収集することを求める要求、および/または患者14の特定の位置の3D体積画像を生成することを求める要求を含むことができ、この位置は、長手方向軸14Lから偏心して、または長手方向軸14Lから外れて位置決めすることができる。ユーザ入力データ117に基づいて、画像制御モジュール116は、ソース制御モジュール132に対するソースデータ140を設定することができ、移動制御モジュール118に対する位置データ142を設定することができる。ソースデータ140は、X線パルス122を出力するための信号、または撮像システム16の電源を切断するための信号を含むことができる。位置データ142は、3D体積の再構築のための患者14上の選択された位置を含むことができ、この位置は、撮像デバイス16の等角点に対して偏心して位置することができる。
【0041】
[0059]画像制御モジュール116はまた、検出器データ144を入力として受け取ることができる。検出器データ144は、検出器38が受け取ったX線パルス122からのエネルギーを含むことができる。検出器データ144に基づいて、画像制御モジュール116は、画像データ18を生成することができ、この画像データ18を表示デバイス32aまたは表示デバイス20へ出力することができる。
【0042】
[0060]移動制御モジュール118は、位置データ142を入力として受け取ることができる。位置データ142に基づいて、移動制御モジュール118は、ソース制御モジュール132に対するソース移動データ150、検出器制御モジュール134に対する検出器移動データ152、および回転子制御モジュール136に対する回転子移動データ154を設定することができる。ソース移動データ150は、患者14上の所望の位置で画像データを獲得するようにソース36が回転子40に対して枢動するための所望の角度または程度を含むことができる。検出器移動データ152は、患者14上の所望の位置で画像データを獲得するように検出器38がソース36および回転子40に対して移動または枢動するための所望の角度または程度を含むことができる。回転子移動データ154は、ソース36および検出器38が画像データを獲得することを可能にするように回転子40がガントリ34内を移動するための所望の移動プロファイルを含むことができる。
【0043】
[0061]引き続き
図5を参照すると、ソース制御モジュール132は、画像制御モジュール116からのソースデータ140および移動制御モジュール118からのソース移動データ150を入力として受け取ることができる。ソース移動データ150に基づいて、ソース36は、回転子40に対して所望の角度まで枢動することができる。ソースデータ140に基づいて、ソース36はパルスデータ146を出力することができる。パルスデータ146は、少なくとも1つのX線パルス122を含むことができる。
【0044】
[0062]検出器制御モジュール134は、検出器移動データ152および検出器データ144を入力として受け取ることができる。検出器移動データ152に基づいて、検出器38は、パルスデータ146を検出するために回転子40およびソース36に対して移動、平行移動、または枢動することができる。検出器制御モジュール134は、画像制御モジュール116に対する検出器データ144を設定することができる。
【0045】
[0063]回転子制御モジュール136は、回転子移動データ154を入力として受け取ることができる。回転子移動データ154に基づいて、回転子40は、所望の位置で画像データを獲得するために、ガントリ34内を所望の位置まで移動することができる。
【0046】
[0064]次に
図6を参照すると、流れ図を用いて、偏心画像制御モジュール110によって実行される例示的な方法が示されている。偏心画像制御モジュール110は任意の所望の順序またはユーザが要求する順序で画像データ18を生成することもできるため、本明細書に記載する流れ図は単なる例示であることに留意されたい。引き続き
図5を参照すると、決定ブロック200で、方法は、入力デバイス32cを介して開始要求信号を受け取ったかどうかを判定する。受け取っていない場合、方法はループする。受け取った場合、方法はブロック202へ進む。
【0047】
[0065]ブロック202で、方法は患者14の最初の画像データを獲得する。
図10Aおよび
図10Bに示すように、最初の画像データは、前方−後方(AP)
図300および側方
図302など、患者14の最初の2D画像を含むことができる。再び
図6を参照すると、ブロック204で、方法は、獲得した最初の画像データを表示デバイス32aまたは表示デバイス20上の画像データ18として出力することができる。決定ブロック206で、方法は、3D体積画像データを生成するための患者14上の特定の当該位置を指定するユーザ入力データ117を入力デバイス32cから受け取ったかどうかを判定する。当該位置は、最初の画像データから選択することができ、たとえば、入力デバイス32cを用いて最初の画像データの一部分上で円を描く、またはクリックすることによって選択することができる。たとえば、
図11Aおよび
図11Bを参照すると、当該位置は、グラフィカルアイコン304を画像データ上に重ね合わせることによって示すことができる。当該位置が選択された場合、再び
図6を参照すると、方法はブロック208へ進む。選択されなかった場合、方法はブロック204へ進む。
【0048】
[0066]ブロック208で、方法は、回転子40、ソース36、および検出器38に対する運動プロファイルを判定する。一例では、
図12を参照すると、運動プロファイルは、検出器角度306と回転子角度308の関係を示すグラフを含むことができる。再び
図6を参照すると、ブロック210で、方法は、運動プロファイルに沿って画像データを獲得する。言い換えれば、方法は、ソース36によって出力されて検出器38によって検出されるX線パルス122が患者14上の当該選択位置に対する3D体積画像の再構築に適した画像データを提供するように、ソース36、検出器38、および回転子40の移動を制御する。
【0049】
[0067]画像取得に対する運動プロファイルに沿ったソース36、検出器38、および回転子40の移動の例示的な図は、
図1、
図2、および
図7〜9に示されている。たとえば、
図1に示すように、ソース36および検出器38は、開始位置または第1の位置に配置することができる。
図2、
図7、および
図8は、偏心画像データの生成のためのガントリ34に対するソース36および検出器38の例示的な中間位置を示す。
図9は、偏心画像データの取得に対する例示的な第5の位置または最終位置を示す。
【0050】
[0068]ブロック212で、方法は、運動プロファイルに沿って獲得した画像データに基づいて、3D体積画像データ18を再構築する。当該選択位置に基づいて再構築された例示的な画像310を、
図13Aに示す。比較のため、
図13Bを参照すると、当該位置を選択しないで再構築された画像312が示されている。ブロック214で、方法は、画像データ18を表示デバイス32aまたは表示デバイス20へ出力する。決定ブロック216で、方法は、入力デバイス32cを介してユーザによって追加の画像が要求されているかどうかを判定することができる。追加の画像が要求されている場合、方法は、決定ブロック217へ進むことができる。決定ブロック217で、方法は、患者14の新しい画像データを獲得することを求める要求を受け取ったかどうかを判定することができる。新しい画像データに対する要求を受け取った場合、方法はブロック202へ進む。受け取っていない場合、方法は決定ブロック206へ進む。決定ブロック218で、方法は、入力デバイス32cを介して電源切断要求を受け取ったかどうかを判定することができる。電源切断要求を受け取った場合、方法は終了することができる。受け取っていない場合、方法は決定ブロック216へループすることができる。
【0051】
[0069]したがって、偏心画像制御モジュール110を使用して、ユーザは患者14の画像を獲得することが可能になり、その画像は、撮像デバイス16に対する患者14の位置を変えることなく、撮像デバイス16の等角点からずらすことができる。これにより、ユーザは、毎回患者14を移動させなくても、様々な画像を獲得することが可能になる。患者14を様々な位置へ移動させなくてもよいことで、撮像処置中の患者体験が改善される。
【0052】
[0070]特有の例について本明細書で説明して図面に示したが、本教示の範囲から逸脱することなく、様々な変更を加えることができ、その要素を均等物に置き換えることができることが、当業者には理解されるであろう。さらに、様々な例の間で特徴、要素、および/または機能を混合および整合させることが本明細書で明示的に企図されており、したがって、上記で別途記載していない場合でも、1つの例の特徴、要素、および/または機能を別の例に適宜組み込むことができることが、本教示から当業者には理解されるであろう。さらに、本教示の本質的な範囲から逸脱することなく、特定の状況または材料を本教示に適合させるために、多くの修正を加えることができる。したがって、本教示は、図面に示して本明細書で説明する特定の例に限定されるものではなく、本教示の範囲は、上記の説明の範囲内に入るあらゆる実施形態を含むものとする。