特許第5931197号(P5931197)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5931197ドリル、ドリルカバー及びそれらを採用した自家骨採取用施術器具
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5931197
(24)【登録日】2016年5月13日
(45)【発行日】2016年6月8日
(54)【発明の名称】ドリル、ドリルカバー及びそれらを採用した自家骨採取用施術器具
(51)【国際特許分類】
   A61C 8/00 20060101AFI20160526BHJP
   A61B 17/16 20060101ALI20160526BHJP
【FI】
   A61C8/00 Z
   A61B17/16
【請求項の数】10
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2014-524947(P2014-524947)
(86)(22)【出願日】2012年8月13日
(65)【公表番号】特表2014-527433(P2014-527433A)
(43)【公表日】2014年10月16日
(86)【国際出願番号】KR2012006427
(87)【国際公開番号】WO2013022324
(87)【国際公開日】20130214
【審査請求日】2014年2月7日
(31)【優先権主張番号】10-2011-0080311
(32)【優先日】2011年8月11日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2011-0084813
(32)【優先日】2011年8月24日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】514034113
【氏名又は名称】オステムインプラント カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100085279
【弁理士】
【氏名又は名称】西元 勝一
(72)【発明者】
【氏名】モン ジョン ホン
(72)【発明者】
【氏名】リ テ オク
(72)【発明者】
【氏名】エム テ クワァン
【審査官】 寺澤 忠司
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−118085(JP,A)
【文献】 特開2002−253578(JP,A)
【文献】 特表平11−514905(JP,A)
【文献】 特開平06−304187(JP,A)
【文献】 特開2009−131634(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0008771(US,A1)
【文献】 特開2008−188037(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0210229(US,A1)
【文献】 登録実用新案第3141122(JP,U)
【文献】 特表2010−533539(JP,A)
【文献】 特開昭53−080789(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 1/00 − 19/10
A61B 17/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動装置に連結されるシャフト部と、回転しながら被施術者の骨採取片を採取し且つ断面積が、断面の中心から最外側までの距離を半径とする場合の仮想円面積の10%以上ないし40%以下である切削部と、を具備するドリルと、
前記ドリルに締結されるドリルカバーであって、前記ドリルカバーの内周面と、前記切削部の切断面の外周面との間の空間に、前記骨採取片が収容される収容空間を形成するドリルカバーと、
を含み、
前記ドリルの先端が、前記ドリルカバーから突出自在であり、
前記ドリルカバーは、前記切削部の切断面が通過する収容部を具備し、
前記ドリルカバーには、切開部が螺旋形に形成された
ことを特徴とする自家骨採取用施術器具。
【請求項2】
駆動装置に連結されるシャフト部と、回転しながら被施術者の骨採取片を採取し且つ断面積が、断面の中心から最外側までの距離を半径とする場合の仮想円面積の10%以上ないし40%以下である切削部と、を具備するドリルと、
前記ドリルに締結されるドリルカバーであって、前記ドリルカバーの内周面と、前記切削部の切断面の外周面との間の空間に、前記骨採取片が収容される収容空間を形成するドリルカバーと、
を含み、
前記ドリルは、外周面から突出する係止爪を具備し、
前記ドリルカバーは、前記係止爪にかかって移動が制限され、
前記係止爪の下側に、第1突起が形成され
前記ドリルカバーには、切開部が螺旋形に形成された
ことを特徴とする自家骨採取用施術器具。
【請求項3】
前記第1突起の下側に、第2突起が形成されたことを特徴とする請求項2に記載の自家骨採取用施術器具。
【請求項4】
駆動装置に連結されるシャフト部と、回転しながら被施術者の骨採取片を採取し且つ断面積が、断面の中心から最外側までの距離を半径とする場合の仮想円面積の10%以上ないし40%以下である切削部と、を具備するドリルと、
前記ドリルに締結されるドリルカバーであって、前記ドリルカバーの内周面と、前記切削部の切断面の外周面との間の空間に、前記骨採取片が収容される収容空間を形成するドリルカバーと、
を含み、
前記ドリルカバーの内周面から延長される隔壁部を具備し、
前記隔壁部が、前記切削部の先端方向に移動されるとき、前記隔壁部によって、前記収容空間に保管された骨採取片が、前記先端方向に移動され
前記ドリルカバーには、切開部が螺旋形に形成された
ことを特徴とする自家骨採取用施術器具。
【請求項5】
駆動装置に連結されるシャフト部と、回転しながら被施術者の骨採取片を採取し且つ断面積が、断面の中心から最外側までの距離を半径とする場合の仮想円面積の10%以上ないし40%以下である切削部と、を具備するドリルと、
前記ドリルに締結されるドリルカバーであって、前記ドリルカバーの内周面と、前記切削部の切断面の外周面との間の空間に、前記骨採取片が収容される収容空間を形成するドリルカバーと、
を含み、
前記ドリルカバーの上端部に形成され、前記ドリルカバーの周囲方向に沿って一定間隔に離隔され、上方向に突出する突出片が具備され、
前記突出片の上端部には、内側に曲折されたフック突起が具備され
前記ドリルカバーには、切開部が螺旋形に形成された
ことを特徴とする自家骨採取用施術器具。
【請求項6】
前記切削部の末端は、尖った形状をなすように傾斜面を具備し、前記末端の中心部には、前記傾斜面より大きい傾度を有して突出するポインタが結合されたことを特徴とする請求項1に記載の自家骨採取用施術器具。
【請求項7】
前記切削部は、螺旋形に延長する第1刃と、前記第1刃と同一ピッチで螺旋形に延長する第2刃と、からなることを特徴とする請求項1に記載の自家骨採取用施術器具。
【請求項8】
前記切削部を横に切断した切断面を基準に、前記第1刃または前記第2刃の最外側厚は、その中心部の厚みより厚いことを特徴とする請求項7に記載の自家骨採取用施術器具。
【請求項9】
前記切削部の末端は、互いに異なる傾度を有する2個以上のサブ傾斜面を含むことを特徴とする請求項1に記載の自家骨採取用施術器具。
【請求項10】
前記切削部の厚みは、一定であるか、あるいは前記シャフト部の側に近接するほど、厚みが厚くなることを特徴とする請求項1に記載の自家骨採取用施術器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドリル、ドリルカバー及びそれらを採用した自家骨採取用施術器具に係り、特に、インプラント施術時、骨採取片の採取に使用され、骨採取片の収容量を向上させ、採取された骨採取片を、切削部から容易に分離して、自家骨に侵透する切削部の深さを制御し、ドリルによって採取された骨採取片を、外部に飛散させずにドリルカバーに収容させるドリル、ドリルカバー及びそれらを採用した自家骨採取用施術器具に関する。
【背景技術】
【0002】
インプラント施術時、被施術者の骨採取片を採取して移植する方法が使用されている。骨採取片は、歯科用ハンドピースに装着されるドリルを介して、インプラント被施術者の自家骨から採取される。本出願より先立って出願されて登録された特許文献1には、そのように骨採取片を採取する自家骨粉採取装置が開示されている。
【0003】
しかしながら、前記のところの従来の自家骨粉採取装置は、ドリルを利用して、被施術者の骨採取片を採取するとき、ドリルによって形成される骨の部分に、骨採取片が入り込み、それを一つ一つ収去しなければならないという不都合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】韓国実用新案第20−0406694号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記問題点を解決するために案出されたものであり、骨採取片の収容量を向上させ、採取された骨採取片を切削部から容易に分離することができ、自家骨に侵透する切削部の深さを制御し、ドリルによって採取された骨採取片を、外部に飛散させずにドリルカバーに収容させるドリル、ドリルカバー及びそれらを採用した自家骨採取用施術器具を提供することをその目的にする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記のような課題を解決するための本発明の一実施形態によるドリルは、駆動装置に連結されるシャフト部と、回転しながら被施術者の骨採取片を採取する切削部と、を具備するドリルにおいて、前記切削部の断面積は、その中心から最外側までの距離を半径とするとき、その仮想円面積の10%以上ないし40%以下であることを特徴とする。
【0007】
また、前記切削部の末端は、尖った形状をなすように傾斜面を具備し、前記末端の中心部には、前記傾斜面より大きい傾度を有して突出するポインタが結合されたことが望ましい。
【0008】
また、前記切削部は、螺旋形に延長する第1刃と、前記第1刃と同一のピッチで螺旋形に延長する第2刃と、からなることが望ましい。
【0009】
また、前記切削部を横に切断した切断面を基準に、前記第1刃または前記第2刃の最外側厚は、その中心部の厚さより厚いことが望ましい。
【0010】
また、前記切削部の末端は、互いに異なる傾度を有する2個以上のサブ傾斜面を含むことが望ましい。
【0011】
また、前記切削部の厚みは、一定であるか、あるいは前記シャフト部側に近接するほど、厚みが厚くなることが望ましい。
【0012】
一方、本発明の他実施形態による自家骨採取用施術器具は、駆動装置に連結されるシャフト部と、回転しながら被施術者の骨採取片を採取する切削部と、を具備するドリル;及び前記ドリルに締結され、その内周面と、前記切削部切断面の外周面との間の空間に、前記骨採取片が収容される収容空間を形成するドリルカバー;を含むことが望ましい。
【0013】
また、前記ドリルの先端が、前記ドリルカバーから突出自在であり、前記ドリルカバーは、前記切削部の切断面が通過する収容部を具備することが望ましい。
【0014】
また、前記ドリルは、外周面から突出する係止爪を具備し、前記ドリルカバーは、前記係止爪にかかって移動が制限され、前記係止爪の下側に、第1突起が形成されたことが望ましい。
【0015】
また、前記第1突起の下側に、第2突起が形成されたことが望ましい。
【0016】
また、前記ドリルカバーの内周面から延長される隔壁部を具備し、前記隔壁部が、前記切削部の先端方向に移動されるとき、前記隔壁部によって、前記収容空間に保管された骨採取片が、前記先端方向に移動されることが望ましい。
【0017】
また、前記ドリルカバーの上端部に形成され、その周囲方向に沿って一定間隔に離隔され、上方向に突出する突出片が具備され、前記突出片の上端部には、内側に曲折されたフック突起が具備されたことが望ましい。
【0018】
また、前記ドリルカバーには、外周面と内周面とを貫き、上下方向に切開された長孔が形成されたことが望ましい。
【0019】
一方、本発明のさらに他の実施形態によるドリルカバーは、回転時、被施術者の骨採取片を採取する切削部を有するドリルに締結されるドリルカバーにおいて、上部及び下部が開放され、前記切削部の外側に結合される本体を含み、前記本体は、上端及び下端が近接する方向に圧縮可能であることを特徴とする。
【0020】
また、前記本体には、螺旋形に切開された切開部が形成されたことが望ましい。
【0021】
また、前記切開部のピッチは、一定であることが望ましい。
【0022】
また、前記切開部のピッチは、可変であることが望ましい。
【0023】
また、前記切開部の幅は、一定であることが望ましい。
【0024】
また、前記切開部は、一定の第1切開幅を有する第1切開部と、前記第1切開幅より狭い第2切開幅を有する第2切開部と、からなることが望ましい。
【0025】
また、前記第2切開部は、前記第1切開部の両端部からそれぞれ延長され、前記第2切開部は、その端部に行くほど、幅がだんだんと狭くなることが望ましい。
【0026】
また、前記切開部は、上側から下側に、左旋回または右旋回の一方向に回転して延長することが望ましい。
【0027】
また、前記本体の上端部に形成され、その周囲方向に沿って一定間隔に離隔され、上方向に突出する突出片が具備されたことが望ましい。
【0028】
また、前記本体の内周面から延長される隔壁部を具備し、前記隔壁部は、前記切削部の切断面が通過する収容部を具備することが望ましい。
【0029】
また、前記本体の上端部には、内側に曲折されたフック突起が具備されたことが望ましい。
【0030】
また、前記本体は、チタンまたはステンレススチールからなることが望ましい。
【0031】
一方、本発明のさらに他の実施形態による自家骨採取用施術器具は、駆動装置に連結されるシャフト部と、回転しながら被施術者の骨採取片を採取する切削部と、を具備するドリル;及び上部並びに下部が開放され、前記切削部の外側に結合され、上端及び下端が近接する方向に圧縮可能な本体を有するドリルカバー;を含むことを特徴とする。
【0032】
また、前記本体には、螺旋形に切開された切開部が形成されたことが望ましい。
【0033】
また、前記切開部のピッチは、一定であることが望ましい。
【0034】
また、前記切開部のピッチは、可変であることが望ましい。
【0035】
また、前記切開部の幅は、一定であることが望ましい。
【0036】
また、前記切開部は、一定の第1切開幅を有する第1切開部と、前記第1切開幅より狭い第2切開幅を有する第2切開部と、からなることが望ましい。
【0037】
また、前記第2切開部は、前記第1切開部の両端部からそれぞれ延長され、前記第2切開部は、その端部に行くほど、幅がだんだんと狭くなることが望ましい。
【0038】
また、前記切開部は、上側から下側に、左旋回または右旋回の一方向に回転して延長することが望ましい。
【0039】
また、前記本体の上端部に形成され、その周囲方向に沿って一定間隔に離隔され、上方向に突出する突出片が具備されたことが望ましい。
【0040】
また、前記本体の内周面から延長される隔壁部を具備し、前記隔壁部は、前記切削部の切断面が通過する収容部を具備することが望ましい。
【0041】
また、前記本体の上端部には、内側に曲折されたフック突起が具備されたことが望ましい。
【0042】
また、前記本体は、チタンまたはステンレススチールからなることが望ましい。
【0043】
また、前記切削部の断面積は、その中心 から最外側までの距離を半径とするとき、その仮想円面積の10%以上ないし40%以下であることが望ましい。
【0044】
また、前記切削部は、外周面から突出する係止爪を具備し、前記ドリルカバーは、前記係止爪にかかって移動が制限され、前記係止爪の下側に、第1突起が形成されたことが望ましい。
【0045】
また、前記第1突起の下側に、第2突起が形成されたことが望ましい。
【0046】
また、前記切削部は、螺旋形に延長する第1刃と、前記第1刃と同一のピッチで螺旋形に延長する第2刃と、からなることが望ましい。
【0047】
また、前記切削部の末端は、互いに異なる傾度を有する2個以上のサブ傾斜面を含むことが望ましい。
【0048】
また、前記切削部は、その端部中心から突出するポインタが具備されたことが望ましい。
【0049】
また、前記切削部の厚みは、一定であるか、あるいは前記シャフト部側に近接するほど、厚みが厚くなることが望ましい。
【発明の効果】
【0050】
本発明の実施形態によるドリル、ドリルカバー及びそれらを採用した自家骨採取用施術器具は、骨採取片の収容量を向上させ、採取された骨採取片を切削部から容易に分離して、自家骨に侵透する切削部の深さを制御し、ドリルによって採取された骨採取片を外部に飛散させずにドリルカバーに収容させる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
図1】本発明の一実施形態による自家骨採取用施術器具の正面図である。
図2図1に採用されたドリルの正面図である。
図3図2の底面図である。
図4図2のIV−IV線断面図である。
図5図1に採用されたドリルカバーの正面図である。
図6図5の平面図である。
図7図5の断面図である。
図8図7の「A」部分を抜粋して図示した図面である。
図9】ドリルとドリルカバーとが一次的に結合された状態の図面である。
図10図1のX−X線断面図である。
図11】本発明の他実施形態による自家骨採取用施術器具の正面図である。
図12図11に採用されたドリルカバーの正面図である。
図13図12の平面図である。
図14図13の断面図である。
図15図14の「A」部分を抜粋して図示した図面である。
図16】ドリルとドリルカバーとの一次的結合状態の図面である。
図17図11のC−C線断面図である。
図18】他の実施形態によるドリルの正面図である。
図19】従来の施術器具によって採取された骨採取片を撮影した写真である。
図20】本発明の実施形態による自家骨採取用施術器具によって採取された骨採取片を撮影した写真である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
本発明は、自家骨(autogenous bone)採取施術器具用ドリル、ドリルカバー及びそれらを採用した自家骨採取用施術器具に係り、特に、インプラント施術時、骨採取片を採取するのに使用されるものである。
【0053】
以下、本発明による望ましい実施形態について、添付された図面を参照し、詳細に説明する。
【0054】
図1は、本発明の一実施形態による自家骨採取用施術器具の正面図であり、図2は、図1に採用されたドリルの正面図である。図3は、図2の底面図であり、図4は、図2のIV−IV線断面図である。図5は、図1に採用されたドリルカバーの正面図であり、図6は、図5の平面図であり、図7は、図5の断面図である。図8は、図7の「A」部分を抜粋して図示した図面であり、図9は、ドリルとドリルカバーとが一次的に結合された状態の図面であり、図10は、図1のX−X線断面図である。
【0055】
まず、図1及び図2を参照すれば、本発明の一実施形態によるドリルは、駆動装置に連結されるシャフト部11と、回転しながら被施術者の骨採取片を採取する切削部12と、を具備するドリル10において、前記切削部12の断面積Lは、その中心から最外側までの距離を半径Rとするとき、その仮想円面積の10%以上ないし40%以下に形成される。
【0056】
切削部12の断面積Lを10%未満に加工すれば、切削部の強度が落ち、40%を超えれば、切削部12が占める面積増加によって、採取された骨採取片が収容される収容空間26が減って望ましくない。
【0057】
本実施形態に採用された切削部12の断面積は、その中心から最外側までの距離を半径Rとするとき、その仮想円の面積の20%に形成される。従来の施術器具に使用される切削部の断面積は、切削部の中心から最外側までの距離を半径とするとき、その仮想円面積の50%を超えて形成することが一般的である。
【0058】
前記ドリル10は、駆動装置から動力を伝達されて回転するとき、被施術者の骨採取片を採取するために具備されたものである。
【0059】
前記シャフト部11は、駆動装置に連結され、動力を伝達されて回転し、一方向に延長する。図2を参照すれば、前記シャフト部11の上側に、動力源が連結され、下側に切削部12が配置される。
【0060】
本実施形態で、前記シャフト部11と前記切削部12は、連結部13によって連結される。すなわち、前記連結部13の上側には、シャフト部11が連結され、下側には、前記切削部12が連結される。
【0061】
前記切削部12は、前記シャフト部11と共に回転し、被施術者の自家骨に侵透して骨採取片を採取する。前記切削部12は、前記シャフト部11が延長する方向に螺旋形に延長する。
【0062】
図2を参照すれば、本実施形態で、前記切削部12は、第1刃121と、第2刃122と、を具備する。
【0063】
前記第1刃121及び第2刃122は、前記連結部13から下側に螺旋形に延長され、第1刃121及び第2刃122を同一ピッチで延長させる。前記第1刃121と第2刃122とが螺旋形に延長するときに形成する谷(一見、螺子谷のように形成された部分)は、自家骨から採取された骨採取片が収容される収容空間26を提供する。
【0064】
図3に図示されたように、切削部12の末端には、互いに異なる傾度を有する2個以上のサブ傾斜面が具備される。本実施形態で、前記切削部12の末端、すなわち、前記第1刃121及び第2刃122の先端は、2段のサブ傾斜面を有するように形成される。
【0065】
具体的には、2段のサブ傾斜面は、図3の参照番号121a,121b及び122a,122bで表記した。第1刃121の先端に、傾度が互いに異なるサブ傾斜面121a,121bが具備され、第2刃122の先端に、傾度が互いに異なるサブ傾斜面122a,122bが具備される。前記121aと122aは、同じ傾度を有し、121bと121bは、互いに同じ傾度を有する。121a及び122aのサブ傾斜面の傾度は、121bと121bとのサブ傾斜面の傾度より小さい。
【0066】
図4を参照すれば、切削部12の切断面を図示したものであり、前記第1刃121または第2刃122の最外側厚W1は、その中心部の厚みW2より厚く形成される。
【0067】
すなわち、第1刃121または第2刃122は、切削部12の中心側に行くほど、その厚みが薄くなるように加工されている。このように厚みが薄くなるようにすることにより、第1刃121及び第2刃122が回転して採取された骨採取片が収容される収容空間26を広く確保することができる。
【0068】
図2を参照すれば、前記切削部12の末端は、その中心部が尖った形状をなすように、傾斜面123を具備する。また、前記切削部12の末端の中心部には、前記傾斜面123より大きい傾度を有して突出するポインタ124が結合される。前記ポインタ124は、前記切削部12と一体に加工される。
【0069】
前記ポインタ124は、被施術者の自家骨に切削部12を接触させるとき、接触されなければならない自家骨の位置に切削部12を容易に接近させることを可能にする。
【0070】
また、ポインタ124によって、切削部12が回転するとき、ポインタ124によって、切削部12の揺動を抑制する。すなわち、前記ポインタ124は、骨採取片を採取する正確な位置に切削部12を接近させ、揺動を抑制した状態で施術を可能にする。
【0071】
本実施形態によれば、前記ドリル10は、係止爪14と、第1突起15及び第2突起16とが具備される。
【0072】
前記係止爪14は、ドリル10の外周面から突出する。本実施形態で、前記係止爪14は、前記連結部13の上側部に設けられて外側に突出する。後述するドリルカバー20は、前記係止爪14にかかって移動が制限される。具体的には、前記ドリルカバー20が上側に移動するとき、前記ドリルカバー20は、前記係止爪14にかかって上方向への移動が制限される。
【0073】
前記第1突起15は、前記係止爪14の下側に配置される。本実施形態で、前記第1突起15は、前記連結部13の外周面周囲方向に沿って突出されて形成される。前記第1突起15に、後述するドリルカバー20のフック突起24がかかることになる。
【0074】
前記第2突起16は、第1突起15の下側に形成される。本実施形態で、前記第2突起16は、前記連結部13の外周面周囲方向に沿って形成される。前記第2突起16も、後述するドリルカバーのフック突起24がかかることになる。具体的には、フック突起24は、第2突起16にかかった後、第1突起15にかかる。さらに具体的な作用については、追って説明する。
【0075】
一方、本発明は、前記ドリル10を具備した自家骨採取用施術器具を提供する。本実施形態による自家骨採取用施術器具は、ドリル10及びドリルカバー20を含む。
【0076】
本実施形態で採用された前記ドリル10は、前述の通りであるので、その具体的な説明は省略する。
【0077】
前記ドリルカバー20は、前記ドリル10に締結され、その内周面29と、前記切削部12の切断面lの外周面12aとの間の空間に、骨採取片が収容される収容空間26を形成する。
【0078】
前記ドリル10の先端が、前記ドリルカバー20から突出自在に結合される。前記ドリルカバー20は、前記切削部12の切断面lが通過する収容部22を具備する。
【0079】
すなわち、前記収容部22は、前記切削部12の切断面lの形状に対応する形状からなり、前記ドリルカバー20がドリル10に締結されるとき、前記切削部12は、前記収容部22に嵌め込まれる。
【0080】
具体的には、前記ドリルカバー20は、前記切削部12の外側に配置される。前記ドリルカバー20は、前記切削部12を収容する。前記ドリルカバー20の長さは、前記係止爪14から前記切削部12の端部までの長さより短い。
【0081】
従って、図1に図示されたように、前記ドリルカバー20の上側が、前記連結部13の係止爪14に接触した状態になったとき、前記切削部12は、前記ドリルカバー20の外側に突出する。
【0082】
すなわち、前記切削部12が回転し、前記被施術者の自家骨に侵透して骨採取片を採取するとき、前記切削部12は、前記ドリルカバー20の下側に突出することになる。
【0083】
前記ドリルカバー20は、隔壁部21、突出片23、長孔25を具備する。
【0084】
図6を参照すれば、前記隔壁部21は、前記切削部12の内周面から切削部12の中心部に向けて突出され、前記切削部12の断面形状に対応する収容部22を形成するように延長する。
【0085】
具体的には、隔壁部21は、前記切削部12の内周面から、2個の切片が互いに対面して互いに近くなる方向に延長され、その中心側に、前記切削部12が収容される収容部22が形成される。
【0086】
前記隔壁部21は、前記ドリルカバー20が、前記切削部12に結合された状態で骨採取片を採取した後、ドリルカバー20を、前記切削部12から分離するとき、切削部12に入り込んでいる骨採取片を掻き出し、骨採取片の収集を容易にする。
【0087】
図5を参照すれば、前記突出片23は、前記ドリルカバー20の上端部に形成される。本実施形態で、前記突出片23は、前記ドリルカバー20の上端部において、その周囲方向に沿って一定間隔に離隔され、上方向に突出する。
【0088】
従って、前記突出片23は、前記ドリルカバー20の上端部に複数個具備される。前記突出片23の個数及び間隔は、多様に変更可能であるということは、言うまでもない。すなわち、突出片23は、互いに異なる間隔でも配置される。
【0089】
図7及び図8を参照すれば、前記突出片23の上端部には、内側に曲折されたフック突起24が具備される。前記フック突起24は、前記ドリルカバー20が、前記切削部12に結合されるとき、一次的に第2突起16にかかり、切削部12が動作して回転するとき、ドリルカバー20が上側に移動し、二次的に第1突起15にかかることになる。
【0090】
前記突出片23は、互いに離隔され、複数個が具備されるので、フック突起24が、第1突起15及び第2突起16にかかるとき、それぞれの突出片23が外側に若干弾性変形されて締結を容易にする。
【0091】
前記長孔25は、切削部12が回転して自家骨を採取するときに発生する熱を冷やすために、ドリルカバー20と切削部12との間に水を注入するために設けられる。前記長孔25は、前記ドリルカバー20の外周面と内周面とを貫き、上下方向に長く切開されている。
【0092】
本実施形態によれば、前記長孔25は、前記ドリルカバー20の下端部に近接して上側に延長する。前記長孔25の上端部は、前記隔壁部21の下側に配置される。すなわち、長孔25の一端部は、ドリルカバー20の下端部に近接しており、他端部(上端部)は、上側に延長され、前記隔壁部21の下側に配置されるように長く延長される。
【0093】
以下、前記構成による自家骨採取用施術器具の作用について具体的に説明する。
【0094】
まず、図9を参照すれば、切削部12の末端を、ドリルカバー20の上側(突出片23が位置した部分)に接近させて締結する。前記切削部12は、前記隔壁部21が形成される収容部22を貫いて通過することができるので、切削部12とドリルカバー20とを互いに相対回転させ、フック突起24が第2突起16にかかる位置まで移動させる。このような過程で、切削部12とドリルカバー20との一次的結合がなされる。
【0095】
次に、前記シャフト部11に駆動装置が連結され、動力を印加してシャフト部11を回転させれば、前記ドリルカバー20が切削部12の第1刃121及び第2刃122が形成する谷に沿って上側に移動する。
【0096】
このとき、図1に図示されたように、前記ドリルカバー20は、係止爪14にかかる位置まで上方向に移動し、フック突起24は、第1突起15にかかることにより、前記切削部12と前記ドリルカバー20との相対的位置が決定される。
【0097】
次に、切削部12のポインタ124を、被施術者の自家骨に位置させる。前記ポインタ124は、切削部12の傾斜面123よりさらに大きい傾度を有するので、骨採取片を採取する自家骨の位置に、正確にポインタ124を位置させることができる。
【0098】
次に、シャフト部11を回転させながら、骨採取片を採取する。この過程で、前記切削部12は、前記ドリルカバー20の下側に突出する長さが制限されるので、自家骨に侵透する切削部12の長さは、常に一定に維持されるので、自家骨に侵透する切削部12の深さ制御が可能になる。
【0099】
すなわち、ドリルカバー20の下側に突出する切削部12の長さは、ドリルカバー20の長さを調節すれば可能であるので、所望の長さを有するドリルカバー20を製作し、自家骨に侵透する切削部12の深さを制御することができる。切削部12の回転時、採取される骨採取片は、収容空間26に収容される。
【0100】
骨採取片の採取が完了すれば、ドリルカバー20を切削部12から分離する。前記ドリルカバー20を、前記切削部12に対して相対回転させることにより、前記ドリルカバー20を分離するが、そのとき、前記隔壁部21は、前記切削部12に入り込んでいる骨採取片を掻き出す。
【0101】
すなわち、第1刃121及び第2刃122の間に存在する骨採取片が、隔壁部21によって掻き出され、前記骨採取片は、ドリルカバー20の内部に込められ、自動的に切削部12から分離される。
【0102】
また、施術中に、前記長孔25を介して水を流入させる。前記長孔25は、ドリルカバー20の外側に形成されたものであり、その長さが常に一定であるので、施術中に、一定量の水を安定して供給し、ボーンヒーティング(bone heating)を防止する。
【0103】
このように、本発明の実施形態による自家骨採取用施術器具は、被施術者の自家骨に侵透する切削部12の深さを一定に維持し、切削部12によって採取された骨採取片は、従来より広い収容空間26に収容され、さらに多くの骨採取片を採取する効果を提供する。
【0104】
また、切削部12に入り込んでいる骨採取片を容易に掻き出すことができるという効果を提供する。従って、施術の安定性を向上させ、施術時間を顕著に短縮させるという効果を提供する。
【0105】
また、本発明の実施形態に採用されたドリル10は、その先端に、互いに異なる傾度を有する2以上のサブ傾斜面を具備することにより、切削機能を顕著に向上させる。具体的には、図19及び図20を参照して説明する。図19及び図20は、本発明の実施形態による自家骨採取用施術器具によって採取された骨採取片と、従来の施術器具によって採取された骨採取片とを撮影した写真である。
【0106】
図19及び図20を参照すれば、本発明の実施形態による自家骨採取用施術器具によって採取された骨採取片の大きさは、従来の施術器具によって採取された骨採取片の大きさより顕著に大きい。従って、切削機能の向上によって、さらに大きい骨採取片の採取が可能であり、かような骨採取片は、移植に使用しやすいという長所を提供する。
【0107】
一方、本発明の他の実施形態によるドリル、ドリルカバー及びそれらを採用した自家骨採取用施術器具について、図11ないし図18を参照して説明する。
【0108】
図11は、本発明の他実施形態による自家骨採取用施術器具の正面図であり、図12は、図11に採用されたドリルカバーの正面図である。図13は、図12の平面図であり、図14は、図13の断面図であり、図15は、図14の「A」部分を抜粋して図示した図面である。図16は、ドリルとドリルカバーとの一次的結合状態の図面であり、図17は、図11のC−C線断面図である。
【0109】
まず、図11及び図12を参照すれば、本実施形態によるドリルカバー30は、回転しながら、被施術者の骨採取片を採取する切削部12を有するドリル10に締結される。
【0110】
前記ドリルカバー30は、その内周面39と、前記切削部12の切断面lの外周面12aとの間の空間に、骨採取片が収容される収容空間26を形成する(図17参照)。すなわち、前記ドリルカバー30は、ドリル10によって採取された骨採取片が外部に抜け出さず、前記収容空間26に集めるために具備される。
【0111】
前記ドリルカバー30は、本体37と切開部38とを含む。
【0112】
前記本体37は、上部及び下部が開放され、前記切削部12の外側に結合される。前記本体37の内部でドリル10が貫いて結合される。
【0113】
前記本体37は、チタン(TiN)またはステンレススチール(stainless steel)からなる。前記本体37は、チタンまたはステンレススチールからなるので、反復使用が可能であり、耐久性が向上する。本体37の滅菌時、高温でもその構造が変形されずに維持されるので、持続的使用が可能である。
【0114】
前記本体37の末端は、前記切削部12の端部に近接して位置する。具体的には、前記本体37の末端は、前記切削部12の端部より若干上側に配置される。すなわち、図11に図示されたように、ドリルカバー30がドリル10に締結されれば、切削部12の端部一部が、前記ドリルカバー30の端部外側に若干突出する。
【0115】
前記本体37の末端を、前記切削部12の端部に近接させて配置することにより、前記切削部12が回転する初期に、前記切削部12の回転によって採取された骨採取片が、ドリルカバー30の外側に抜け出ることが防止される。
【0116】
前記切開部38は、前記本体37の上端及び下端が近接する方向に、圧縮自在に具備されたものである。前記切開部38は、前記本体37に螺旋形に切開された部分である。
【0117】
前記切開部38は、上側から下側に、左旋回または右旋回の一方向に回転しながら延長する。従って、前記切開部38は、前記本体37の外周面に螺旋形に切開されることにより、前記ドリルカバー30は、全体的にスプリング構造を有する。
【0118】
図12を参照すれば、本実施形態によれば、前記切開部38のピッチは、一定に形成される。また、図示されていないが、前記切開部38のピッチは、可変でもある。すなわち、前記切開部38のピッチは、一定ではない形態にも製造される。切開部38のピッチを調節し、ドリルカバー30が圧縮されるときに必要な力を調節することができる。すなわち、ドリルカバー30のテンションを調節することができる。
【0119】
例えば、前記切開部38の上端部と下端部とのピッチを同一に形成し、中間部のピッチを、上端部及び下端部のピッチより短くし、前記ドリルカバー30の圧縮時に必要となる力を減らすことができる。ピッチは、多様に変更して製造されもするということは、言うまでもない。
【0120】
本実施形態によれば、前記切開部38は、第1切開部381と第2切開部382とを含む。
【0121】
前記第1切開部381は、一定の第1切開幅W3を有する。前記第2切開部382は、前記第1切開幅W3より狭い第2切開幅W4を有する。前記切開部38は、一定の幅を有するように形成することも可能であるということは、言うまでもない。
【0122】
前記第2切開部382は、前記第1切開部381の両端部からそれぞれ延長され、前記第2切開部382は、その端部に行くほどその幅がだんだんと狭くなる。
【0123】
それは、ドリルカバー30が圧縮されるとき、前記第1切開部381及び第2切開部382の幅が狭まるが、そのとき、前記第2切開部382の端部側でも、圧縮を容易に誘導し、採取された骨採取片がドリルカバー30の外側に抜け出ることを防止する効果を提供する。
【0124】
前記ドリルカバー30は、隔壁部31及び突出片33をさらに具備する。
【0125】
図13を参照すれば、前記隔壁部31は、前記本体37の内周面から延長される。前記隔壁部31は、前記切削部12の切断面lが通過する収容部32を具備する。
【0126】
具体的には、隔壁部31は、前記本体37の内周面から2個の切片が互いに対面し、互いに近くなる方向に延長され、その中心側に前記切削部12が収容される収容部32が形成される。
【0127】
すなわち、前記収容部32は、前記切削部12の切断面lの形状に対応する形状からなり、前記ドリルカバー30がドリル10に締結されるとき、前記切削部12は、前記収容部32に嵌め込まれる。
【0128】
前記隔壁部31は、前記ドリルカバー30が、前記切削部12に結合された状態で、前記ドリル10によって骨採取片を採取した後、ドリルカバー30を、前記切削部12から分離するとき、切削部12の外周面に付いている骨採取片を掻き出し、骨採取片の収集を容易にする。
【0129】
図12及び図13を参照すれば、前記突出片33は、前記ドリルカバー20の上端部に形成される。本実施形態で、前記突出片33は、前記ドリルカバー30の上端部において、その周囲方向に沿って一定間隔に離隔され、上方向に突出する。
【0130】
従って、前記突出片33は、前記ドリルカバー30の上端部に複数個具備される。前記突出片33の個数及び間隔は、多様に変更可能であるということは、言うまでもない。すなわち、突出片33は、互いに異なる間隔でも配置される。
【0131】
図14及び図15を参照すれば、前記突出片33の上端部には、内側に曲折されたフック突起34が具備される。前記フック突起34は、前記ドリルカバー30が、前記切削部12に結合されるとき、一次的に第2突起16にかかり、ドリルカバー30が上側にさらに移動し、二次的に第1突起15にかかる。
【0132】
また、本発明の他の実施形態によれば、前述のドリルカバー30を採用した自家骨採取用施術器具が提供される。前記自家骨採取用施術器具は、駆動装置に連結されるシャフト部11と、回転しながら被施術者の骨採取片を採取する切削部12と、を具備するドリル10;及び上部及び下部が開放され、前記切削部12の外側に結合される本体37と、前記本体37の上端及び下端が近接する方向に圧縮自在に、前記本体に螺旋形に切開された切開部38と、を有するドリルカバー30;を含む。
【0133】
前記自家骨採取用施術器具を構成する前記ドリルカバー30は、前述の通りであるので、その具体的な説明は省略する。
【0134】
また、本実施形態に採用された前記ドリル10は、前述の実施形態によるドリル(図2参照)と同一であり、前記ドリル10は、前述の通りであるので、その具体的な説明は省略する。
【0135】
また、本実施形態で、前記切削部12の最外側厚は、一定に形成される。一方、図18は、ドリルの変形例を図示したものであり、図18に図示されているように、前記切削部12の最外側厚は、シャフト部11側に近接するほど、その厚みが厚くなるように形成されもする(図18のB区間)。
【0136】
以下、ドリルカバーを採用した自家骨採取用施術器具の作用について具体的に説明する。
【0137】
まず、図16を参照すれば、切削部12の末端を、ドリルカバー30の上側(突出片33が位置した部分)で接近させて締結する。前記切削部12は、前記隔壁部31が形成する収容部32を貫いて通過することができるので、切削部12と、ドリルカバー30とを互いに相対回転させ、フック突起34が第2突起16にかかる位置まで移動する。かような過程で、切削部12とドリルカバー30との一次的結合がなされる。
【0138】
次に、シャフト部11をさらに回転させれば、前記ドリルカバー30が、切削部12の第1刃121及び第2刃122が形成する谷に沿って上側に移動する。
【0139】
このとき、図11に図示されているように、前記ドリルカバー30は、係止爪14にかかる位置まで上方向に移動し、フック突起34は、第1突起15にかかることにより、前記切削部12と前記ドリルカバー30との相対的位置が決定される。すなわち、フック突起34は、第2突起16にかかった後、第1突起15にかかる。前記ドリルカバー30のフック突起34が、第1突起15及び第2突起16にかかるとき、それぞれの突出片33が、外側に若干弾性変形されながら締結される。
【0140】
次に、切削部12のポインタ124を、被施術者の自家骨に位置させる。前記ポインタ124は、切削部12の傾斜面123よりさらに大きい傾度を有するので、骨採取片を採取する自家骨の位置に、正確にポインタ124を位置させることができる。
【0141】
次に、シャフト部11に駆動装置を連結し、動力を印加して回転させる。ドリル30を自家骨側に押し当てながら、切削部12が自家骨に侵透する。切削部12が回転する初期に、前記本体38の下端部は、自家骨近辺に位置するので、切削部12が回転する初期に採取された骨採取片が、ドリルカバー30の外側に飛散することが防止される。
【0142】
ドリル10が自家骨側に押し当てられれば、ドリルカバー30の本体38が圧縮される。この過程で、前記切削部12の末端は、本体38の下側からだんだんと突出する。
【0143】
前記切削部12の末端は、前記本体38が最大に圧縮されるまで突出する。すなわち、前記切削部12は、前記ドリルカバー30の下側に突出する長さが制限される。従って、自家骨に侵透する切削部12の長さは、常に一定に維持されるので、自家骨に侵透する切削部12の深さ制御が可能になる。
【0144】
すなわち、ドリルカバー30の下側に突出する切削部12の長さは、ドリルカバー30の本体38の長さを調節することによって可能になる。切削部12の回転時、採取される骨採取片は、収容空間26に収容される。
【0145】
骨採取片の採取が完了すれば、ドリルカバー30を、切削部12から分離する。前記ドリルカバー30を、前記切削部12に対して相対回転させることにより、前記ドリルカバー30を分離するが、そのとき、前記隔壁部31は、前記切削部12の外周面に付いている骨採取片を掻き出す。
【0146】
すなわち、第1刃121及び第2刃122の間に存在する骨採取片が、隔壁部31によって掻き取られ、前記骨採取片は、ドリルカバー30の内部に込められ、自動的に切削部12から分離される。
【0147】
このように、本発明の実施形態によるドリルカバー30は、ドリルカバー30の下端部を、自家骨に隣接して位置させることができるので、切削部12が回転する初期に、骨採取片がドリルカバー30の外に飛び出すことを防止する。
【0148】
また、ドリルカバー30は、スプリング形状に製作されるので、被施術者の自家骨に侵透する切削部12の深さを一定に維持し、施術の安定性を向上させる。
【0149】
また、ドリルカバー30は、チタンまたはステンレススチールによって製作し、耐久性が向上して反復的使用が可能であり、高温の滅菌処理時、その形状が一定に維持されるという効果を提供する。
【0150】
また、ドリルカバー30は、隔壁部31を具備するので、切削部12の外周面に付いている骨採取片を容易に掻き出すことができるという効果を提供する。従って、施術時間を顕著に短縮させるという効果を提供する。
【0151】
一方、本発明の実施形態によるドリルカバーを採用した自家骨採取用施術器具は、切削部12によって採取された骨採取片は、従来より広い収容空間に収容され、さらに多くの骨採取片を採取するという効果を提供する。
【0152】
また、本発明の実施形態に採用されたドリル10は、その先端に互いに異なる傾度を有する2以上のサブ傾斜面を具備することにより、切削機能を顕著に向上させる。具体的には、図19及び図20を参照して説明する。図19及び図20は、本発明の実施形態による自家骨採取用施術器具によって採取された骨採取片と、従来の施術器具によって採取された骨採取片とを撮影した写真である。
【0153】
図19及び図20を参照すれば、本発明の実施形態による自家骨採取用施術器具によって採取された骨採取片の大きさは、従来の施術器具によって採取された骨採取片の大きさより顕著に大きい。従って、切削機能向上によって、さらに大きい骨採取片の採取が可能であり、かような骨採取片は、移植に使用しやすいという長所を提供する。
【0154】
以上、本発明について、望ましい実施形態を挙げて詳細に説明したが、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範疇を外れない範囲内でさまざまな多い変形が提供されるのである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20