(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5931209
(24)【登録日】2016年5月13日
(45)【発行日】2016年6月8日
(54)【発明の名称】スペクトル検知のための方法、デバイス、及びデータフレーム
(51)【国際特許分類】
H04J 3/17 20060101AFI20160526BHJP
H04J 3/00 20060101ALI20160526BHJP
H04W 16/14 20090101ALI20160526BHJP
【FI】
H04J3/17 Z
H04J3/00 B
H04W16/14
【請求項の数】15
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-541528(P2014-541528)
(86)(22)【出願日】2012年11月21日
(65)【公表番号】特表2015-503272(P2015-503272A)
(43)【公表日】2015年1月29日
(86)【国際出願番号】CN2012084926
(87)【国際公開番号】WO2013075617
(87)【国際公開日】20130530
【審査請求日】2014年7月2日
(31)【優先権主張番号】201110370961.8
(32)【優先日】2011年11月21日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】504277388
【氏名又は名称】▲ホア▼▲ウェイ▼技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100146835
【弁理士】
【氏名又は名称】佐伯 義文
(74)【代理人】
【識別番号】100140534
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 敬二
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ 磊
【審査官】
谷岡 佳彦
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2011/003060(WO,A2)
【文献】
国際公開第2011/060376(WO,A1)
【文献】
特開2011−029926(JP,A)
【文献】
Nilesh Khambekar,Utilizing OFDM Guard Interval for Spectrum Sensing,Wireless Communications and Networking Conference, 2007.WCNC 2007. IEEE ,2007年 3月,p.38-42
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04J 3/17
H04J 3/00
H04W 16/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スペクトル検知のための方法であって、
ガードピリオド(GP)におけるスペクトル検知ガードインターバルの構成情報を決定するステップであって、前記スペクトル検知ガードインターバルは、スペクトル検知に対する信号送信によって生じる干渉を防ぐために使用され、前記構成情報は、前記ガードピリオドにおける前記スペクトル検知ガードインターバルの位置を示すために使用され、かつ、前記ガードピリオドは、信号干渉を防ぐために信号送信が停止される期間である、ステップと、
前記スペクトル検知ガードインターバルの前記構成情報に基づいて、前記ガードピリオドにおけるクワイエットピリオドを設定するステップと、
前記クワイエットピリオドにおいて前記スペクトル検知を実行するステップと、
を含み、
前記スペクトル検知ガードインターバルは、前記ガードピリオドのバックエンドにおけるバックガードインターバルを有し、前記スペクトル検知ガードインターバルの前記構成情報は、前記バックガードインターバルの長さを含むスペクトル検知のための方法。
【請求項2】
前記スペクトル検知ガードインターバルは、前記ガードピリオドのフロントエンドにおけるフロントガードインターバルをさらに有する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記スペクトル検知ガードインターバルの前記構成情報は、前記フロントガードインターバルの長さをさらに含み、かつ、
クワイエットピリオドを設定する前記ステップは、前記クワイエットピリオドの開始時間及び長さを設定するステップを有する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記スペクトル検知ガードインターバルは、少なくとも前記フロントガードインターバルを含むとき、前記フロントガードインターバルの前記長さは、次の数式:
【数1】
に基づいて決定され、
T
GI1は、前記フロントガードインターバルの前記長さであり、dは、前記スペクトル検知を実行する基地局と、前記基地局の前記スペクトル検知に対する干渉を生じさせる最も遠い基地局との間
の距離であり、かつ、cは
、電磁波の送信速度である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記バックガードインターバルの前記長さは、次の数式:
【数2】
に基づいて決定され、
T
GI2は、前記バックガードインターバルの前記長さであり、かつ
【数3】
は、アップリンクタイミングアドバンスの差異の最大値である、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
基地局の前記スペクトル検知に対する干渉を生じさせる前記基地局が存在しない、又は、前記生じる干渉が無視できるほど小さいとき、前記スペクトル検知ガードインターバルの前記構成情報は、前記バックガードインターバルの前記構成情報のみを有し、又は、
アップリンク信号のタイミングアドバンスの差異の最大値が、前記ガードピリオドの後のアップリンクタイミングスロットに設定される、又は、前記アップリンク信号の前記干渉が無視できるほど小さいとき、前記スペクトル検知ガードインターバルの前記構成情報は、前記フロントガードインターバルの前記構成情報のみを有する、請求項2〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記構成情報は、前記ガードピリオドにおける前記スペクトル検知ガードインターバルの前記構成情報を基地局から受信することによって決定される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
スペクトル検知のためのデバイスであって、
ガードピリオドGPにおけるスペクトル検知ガードインターバルの構成情報を決定するように構成された決定ユニットであって、前記スペクトル検知ガードインターバルは、スペクトル検知に対する信号送信によって生じる干渉を防ぐために使用され、前記構成情報は、前記ガードピリオドにおける前記スペクトル検知ガードインターバルの位置を示すために使用され、かつ、前記ガードピリオドは、信号干渉を防ぐために信号送信が停止される期間である、前記決定ユニットと、
前記スペクトル検知ガードインターバルの前記構成情報に基づいて、前記ガードピリオドにおけるクワイエットピリオドを設定するように構成された設定ユニットと、
前記クワイエットピリオドにおいて前記スペクトル検知を実行するように構成された検知ユニットと、
を含み、
前記スペクトル検知ガードインターバルは、前記ガードピリオドのバックエンドにおけるバックガードインターバルを有し、前記スペクトル検知ガードインターバルの前記構成情報は、前記バックガードインターバルの長さを含むスペクトル検知のためのデバイス。
【請求項9】
前記スペクトル検知ガードインターバルは、前記ガードピリオドのフロントエンドにおけるフロントガードインターバルをさらに有する請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記スペクトル検知ガードインターバルの前記構成情報は、前記フロントガードインターバルの長さをさらに有し、かつ
前記設定ユニットは特に、前記クワイエットピリオドの開始時間及び長さを設定するように構成される、請求項9に記載のデバイス。
【請求項11】
前記スペクトル検知ガードインターバルは、少なくとも前記フロントガードインターバルを含む場合、前記フロントガードインターバルの前記長さは、以下の数式:
【数4】
に基づいて決定され、
T
GI1は、前記フロントガードインターバルの前記長さであり、dは、前記スペクトル検知を実行する基地局と、前記基地局の前記スペクトル検知に対する干渉を生じさせる最も遠い基地局との間
の距離であり、かつ、cは
、電磁波の送信速度である、請求項10に記載のデバイス。
【請求項12】
前記バックガードインターバルの前記長さは、以下の数式:
【数5】
に基づいて決定され、
T
GI2は、前記バックガードインターバルの前記長さであり、かつ
【数6】
は、アップリンクタイミングアドバンスの差異の最大値である、請求項10に記載のデバイス。
【請求項13】
基地局の前記スペクトル検知に対する干渉を生じさせる前記基地局が存在しない、又は、前記生じる干渉が無視できるほど小さいとき、前記決定ユニットによって決定される前記構成情報は、前記バックガードインターバルの前記構成情報のみを有し、又は、
アップリンク信号のタイミングアドバンスの差異の最大値が、前記ガードピリオドの後のアップリンクタイミングスロットに設定される、又は、前記アップリンク信号の前記干渉が無視できるほど小さいとき、前記決定ユニットによって決定される前記構成情報は、前記フロントガードインターバルの前記構成情報のみを有する、請求項9〜12のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項14】
前記決定ユニットは、前記ガードピリオドにおける前記スペクトル検知ガードインターバルの前記構成情報を基地局から受信することによって、前記構成情報を決定する、請求項8〜13のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項15】
コンピュータ可読記録媒体であって、前記コンピュータ可読記録媒体上に記録されたプログラムを有し、前記プログラムは、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法をコンピュータに実行させる、コンピュータ可読記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信技術に関し、特にスペクトル検知のための方法、デバイス、及びデータフレームに関する。
本願は、2011年11月21日に出願された発明の名称を“METHOD, DEVICE, AND DATA FRAME FOR SPECTRUM SENSING”とする中国特許出願第201110370961.8号の優先権を主張するとともに、参照により、その全体がここに組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
コグニティブ無線(コグニティブ無線, CR)は、現在、スペクトル資源の不足に対処するための最も有望な技術である。前記コグニティブ無線技術を使用することによって、周波数帯域は、主要ユーザ(PU, Primary User)が干渉されないという前提の下で、動的にアクセスされてもよく、その結果、スペクトル利用率が改善される。現在、米国における米国連邦通信委員会は、干渉が生じないという前提の下で、デバイスがテレビ・ホワイト・スペクトル(TVWS, TV white spectrum)へアクセスするための規則を公式にリリースしている。さらに、米国電気電子学会によって策定されたIEEE 802.22のような標準に詳述されているように、前記TVWSは、スペクトル共有のターゲット周波数帯域としての機能を果たす。
【0003】
スペクトル検知は、コグニティブ無線のコア技術の一つであり、その目的は、無線スペクトル検出によって使用されていないアイドルスペクトル(idle spectrum)を見出すことであり、その結果、使用のためにCRシステムにスペクトルを提供する。前記スペクトル検知は、2つのカテゴリを有し、すなわち、帯域内検知及び帯域外検知を有し、前記帯域内検知は、CRシステムによって使用されるスペクトルのための検知について言及しており、かつ、主要ユーザ信号が発生するときにスペクトルを終了することを目的としている。さらに、前記帯域外検知は、前記CRシステムによって使用されないスペクトルのための検知について言及しており、かつ、使用されていないアイドルスペクトルを見出すことを目的としている。CRシステムのデータ送信が、スペクトル検知に対する干渉を引き起こすことを回避するために、前記帯域内検知は、クワイエットピリオド(Quiet Period, QP)において実行される必要がある。前記クワイエットピリオドにおいて、前記CRシステムは、データ送信を実行できず、その結果、干渉を回避することができる。従って、前記クワイエットピリオドの構成は、前記スペクトル検知動作を保証するのみならず、送信干渉に起因するCRシステムにおける影響を考慮する必要もある。
【0004】
前記IEEE 802.22において、帯域内検知は、無線フレームの中に特定のクワイエットピリオドを設定することによって実行される。前記スペクトル検知は、イントラフレーム検知(intraframe sensing)及びインターフレーム検知(interframe sensing)の2つのクワイエットピリオドにおいて実行される。前記クワイエットピリオドの位置と長さは、基地局によって制御され、かつ、端末に送信される。前記クワイエットピリオドにおいて、前記基地局及び前記端末は、全てのデータの受信及び送信を停止し、かつ、スペクトル検知を実行する。しかしながら、このクワイエットピリオド設定方法においては、特に、前記クワイエットピリオドのためにフレーム構造において時間を保有することが必要とされる。もし、前記クワイエットピリオドの設定方法が、既存システム、例えばTD-LTEシステムに導入される場合、既存プロトコルは、大きく変更される必要があり、システム複雑性の著しい増加をもたらす。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の態様は、スペクトル検知のための方法、デバイス、及びデータフレームを提供し、システム複雑性を著しく増加させることなく既存システムのプロトコルと互換性を有する。
【0006】
本発明の態様に基づいて、スペクトル検知のための方法が提供され、前記方法は、
ガードピリオドGPにおけるスペクトル検知ガードインターバルの構成情報を決定するステップであって、前記スペクトル検知ガードインターバルは、スペクトル検知に対する信号送信によって生じる干渉を防ぐために使用され、前記構成情報は、前記ガードピリオドにおける前記スペクトル検知ガードインターバルの位置を示すために使用され、かつ、前記ガードピリオドは、信号干渉を防ぐために信号送信が停止される期間である、ステップと、
前記スペクトル検知ガードインターバルの前記構成情報に基づいて、前記ガードピリオドにおけるクワイエットピリオドを設定するステップと、
前記クワイエットピリオドにおいて前記スペクトル検知を実行するステップと、
を含んでもよい。
【0007】
本発明の別の態様に基づいて、スペクトル検知のためのデバイスが提供され、前記デバイスは、
ガードピリオドGPにおけるスペクトル検知ガードインターバルの構成情報を決定するように構成された決定ユニットであって、前記スペクトル検知ガードインターバルは、スペクトル検知に対する信号送信によって生じる干渉を防ぐために使用され、前記構成情報は、前記ガードピリオドにおける前記スペクトル検知ガードインターバルの位置を示すために使用され、かつ、前記ガードピリオドは、信号干渉を防ぐために信号送信が停止される期間である、前記決定ユニットと、
前記スペクトル検知ガードインターバルの前記構成情報に基づいて、前記ガードピリオドにおけるクワイエットピリオドを設定するように構成された設定ユニットと、
前記クワイエットピリオドにおいて前記スペクトル検知を実行するように構成された検知ユニットと、
を含んでもよい。
【0008】
本発明のさらに別の態様に基づいて、スペクトル検知のためのデータフレームが提供され、
前記データフレームは、信号干渉を防ぐために信号送信が停止されるガードピリオドに記録され、かつ、
前記データフレームは、
スペクトル検知に対する信号送信によって生じる干渉を防ぐために使用されるスペクトル検知ガードインターバルであって、前記ガードピリオドにおける前記スペクトル検知ガードインターバルの位置は、前記スペクトル検知ガードインターバルの構成情報によって示される、前記スペクトル検知ガードインターバルと、
前記スペクトル検知は、クワイエットピリオドにおいて実行され、かつ前記クワイエットピリオドは、前記スペクトル検知ガードインターバルの前記構成情報に基づいて決定される、前記クワイエットピリオドと、
を含むスペクトル検知のためのデータフレーム。
【0009】
本発明の態様に基づく技術的解決策において、送信フレームにおけるガードピリオドが再度使用され、かつクワイエットピリオドが、前記ガードピリオドに設定され、それによって、システム複雑性を著しく増加させることなく既存プロトコルとの互換性を保証することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の実施形態における技術的解決策をより明瞭に説明するために、実施形態又は従来技術を説明するために必要な添付図面を以下に簡潔に紹介する。明らかに、以下の説明における添付図面は、本発明の単なるいくつかの実施形態を示しているに過ぎず、当業者は、創造的努力なしにこれらの添付図面からさらに他の図面を導き出すことができる。
【
図1】本発明の実施形態に基づくスペクトル検知のための方法を示している。
【
図2a】従来技術におけるTD-LTEシステムのスペシャルサブフレームを示している。
【
図2b】本発明の実施形態に基づくガードピリオドにおけるクワイエットピリオドの設定についてのフレーム構造を示している。
【
図3】本発明の実施形態に基づくガードピリオドGPに置かれた隣接基地局間の干渉であり、かつ送信遅延によって生じる干渉を示している。
【
図4】本発明の実施形態に基づくアップリンクタイミングアドバンスの差異によって生じるアップリンク送信の干渉を示している。
【
図5】本発明の実施形態に基づくスペクトル検知のためのデバイスを示している。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施形態における技術的解決策を、本発明の実施形態における添付図面を参照しながら以下に明瞭かつ十分に説明する。明らかに、説明される実施形態は、本発明の全ての実施形態というよりは、単なる一部に過ぎない。
【0012】
本発明の実施形態の技術的解決策は、様々な通信システム、例えば、GSM(登録商標)、符号分割多重アクセス(CDMA, Code Division Multiple Access)システム、広帯域符号分割多重アクセス無線(WCDMA(登録商標), Wideband Code Division Multiple Access Wireless)、汎用パケット無線サービス(GPRS, General Packet Radio Service)、及び時分割ロング・タイム・エボリューション(TD-LTE, Time Division Long Term Evolution)に適用可能であってもよい。
【0013】
ユーザ装置(UE, User Equipment)は、移動端末(Mobile Terminal)、移動ユーザ装置等が参照されてもよく、かつ、無線アクセスネットワーク(例えば、RAN, Radio Access Network)に亘って1又は2以上のコアネットワークと通信してもよい。前記ユーザ装置は、例えば、携帯電話(又は”セルラーフォン”とも言う)、及び移動端末を有するコンピュータである移動端末であってよく、前記移動端末は、無線アクセスネットワークと言語、及び/又はデータを交換する、携帯可能移動デバイス、小型移動デバイス、ハンドヘルド移動デバイス、コンピュータに内蔵された移動デバイス、又は車両搭載型移動デバイスであってもよい。
【0014】
基地局は、GSM(登録商標)又はCDMAにおける基地局 (BTS, Base Transceiver Station)であってもよく、かつ、WCDMA(登録商標)における基地局 (NodeB)であってもよく、かつ、さらにLTE又はLTE-Advancedにおける進化型基地局(eNB又はe-NodeB, evolved Node B)、ホーム基地局(HeNB, Home e-NodeB)、及び前記LTE-Advancedにおける中継ノード(Relay Node, RN)であってもよく、本発明において限定されない。
【0015】
説明を容易にするために、基地局eNB及びユーザ装置UEが、説明のための一実施例として取り上げられる。
【0016】
本発明は、ガードピリオド、すなわち、干渉を防ぐために信号送信が停止されるインターバルが信号送信のときに存在する場合に適用可能であり、例えば、時分割二重を採用している地域無線ネットワーク(Wireless Regional Area Network, WRAN)システム、及び時分割多重技術を採用している放送システムに適用可能である。本発明の実施形態の前記技術的解決策は主に、ガードピリオドが干渉を防ぐために使用されるとともに信号送信において存在すること、又はアイドルインターバルが再度使用され、かつ、信号送信干渉を回避するために使用されるスペクトル検知ガードインターバルが、前記ガードピリオドに設定され、かつ、スペクトル検知のために信号送信が禁止されているクワイエットピリオドが、ガードピリオドに設定されることにある。前記クワイエットピリオドをガードピリオドに設定することによって、既存プロトコルとの互換性が保証されると同時に、システム複雑性は著しく増加しない。前記スペクトル検知ガードインターバルをガードピリオドに設定することによって、前記スペクトル検知に対する信号送信によって生じる干渉が効果的に回避することができ、かつ前記スペクトル検知が、信号送信が影響を受けない状態で実行される。
【0017】
図1は、本発明の実施形態に基づくスペクトル検知のための方法100を示している。前記方法は、通信システムに適用されてもよく、かつ、基地局が前記方法を実行してもよい。
図1に示されるように、前記方法は、次のステップを含む。
【0018】
101: ガードピリオドGPにおけるスペクトル検知ガードインターバルの構成情報を決定する。前記スペクトル検知ガードインターバルは、スペクトル検知に対する信号送信によって生じる干渉を防ぐために使用され、前記構成情報は、前記ガードピリオドにおけるスペクトル検知ガードインターバルの位置を示すために使用され、かつ、前記ガードピリオドは、信号干渉を防ぐために信号送信が停止される期間である。任意に、実施形態として、前記スペクトル検知ガードインターバルが、前記ガードピリオドのフロントエンドにおけるフロントガードインターバルと、前記ガードピリオドのバックエンドにおけるバックガードインターバルとの少なくとも一つを含んでもよい。
【0019】
102: 前記スペクトル検知ガードインターバルの前記構成情報に基づいて、前記ガードピリオドにおいてクワイエットピリオドを設定する。
【0020】
103: 前記クワイエットピリオドにおけるスペクトル検知を実行する。
【0021】
時分割ロング・ターム・エボリューション(Time Division Long Term Evolution, TD-LTE)技術を採用している時分割二重通信システムが、本発明の実施形態に基づくスペクトル検知のための方法100を説明するための実施例として以下に取り上げられるが、本発明は、それに限定されない。
【0022】
前記TD-LTE技術を採用している前記時分割二重通信システムにおいて、同一スペクトルが、アップリンク信号送信及びダウンリンク信号送信によって共有されるので、それらの通信要求を満たすために、前記アップリンク信号送信と、前記ダウンリンク信号送信との間の切替えが一般的に必要とされる。ダウンリンクサブフレームがアップリンクサブフレームに切り換えられることが必要であるとき、かつ、アップリンクとダウンリンクとの間の干渉を防ぐために、スペシャルサブフレームが前記ダウンリンクサブフレームと前記アップリンクサブフレームとの間に挿入される。
【0023】
図2aは、従来技術におけるTD-LTEシステムでのスペシャルサブフレームを示しており、
図2aに示されるように、前記スペシャルサブフレームは、ダウンリンクサブフレームとアップリンクサブフレームとの間に挿入され、前記スペシャルサブフレームは、3つの部分によって形成され、すなわち、ダウンリンクパイロットタイムスロット(Down Link Pilot Time Slot, DwPTS)と、ガードピリオド(ガードピリオド, GP)と、アップリンクパイロットタイムスロット(Up Link Pilot Time Slot, UpPTS)とで形成される。前記ガードピリオドGPにおいて、進化型基地局(evolved Node B, eNB)は、信号送信及び受信を停止する。特に、前記基地局eNBからユーザ装置UEへの信号送信が、前記ダウンリンクサブフレームにおいて実行された後、前記スペシャルサブフレームにおける前記ダウンリンクパイロットタイムスロットDwPTSと、前記ガードピリオドGPと、前記アップリンクパイロットタイムスロットUpPTSとが、順に開始され、かつ、前記UpPTSにおける送信が完了した後、前記ユーザ装置 UEから前記基地局 eNBへのアップリンクサブフレーム送信が開始される。
【0024】
図2bは、本発明の実施形態に基づくスペシャルサブフレームにおける、ガードピリオドの中のクワイエットピリオドの設定についてのフレーム構造を示している。本発明の実施形態に基づいて
図2bに示されるフレーム構造と、
図2aに示されるフレーム構造との違いは、ガードピリオドにあり、かつ、他の部分は、
図2aに示される構造と同一である。従って、前記フレーム構造におけるガードピリオドは、本発明の実施形態において強調して説明される。
図2bに示されたフレーム構造のガードピリオドは、スペクトル検知に対する信号送信によって生じる干渉を防ぐために使用されるスペクトル検知ガードインターバルと、スペクトル検知のために使用されるクワイエットピリオドとを含み、前記クワイエットピリオドは、前記スペクトル検知ガードインターバルの前記構成情報に基づいて設定される。前記スペクトル検知ガードインターバルは、前記ガードピリオドのフロントエンドにおけるフロントガードインターバル、又は、前記ガードピリオドのバックエンドにおけるバックガードインターバルを含み、かつ、前記ガードピリオドのフロントエンドにおける前記フロントガードインターバルと、前記ガードピリオドのバックエンドにおける前記バックガードインターバルとの一つを含んでもよい。前記フロントガードインターバルは任意であり、かつ前記バックガードインターバルもまた任意であり、前記二つの少なくとも一つが存在すればよい。
【0025】
本発明の実施形態に基づくスペクトル検知のための方法100において、前記ガードピリオドにおいて、スペクトル検知ガードインターバルの構成情報を決定するステップ(ステップ101)は、前記ガードピリオドにおけるフロントガードインターバル又はバックガードインターバルの構成情報、又はフロントガードインターバル及びバックガードインターバルの構成情報を決定するステップである。
【0026】
前記フロントガードインターバルの前記構成情報の決定方法と、前記バックガードインターバルの前記構成情報の決定方法とが、
図3及び
図4を参照して詳細に説明される。
【0027】
図3は、本発明の実施形態の実施形態に基づいて、GPに位置する隣接基地局間で、送信遅延によって生じる干渉を示している。
図3に示されるように、eNB 1及びeNB 2は、隣接した周波数内(neighboring intra-frequency)基地局であり、かつ、それらの地理的位置間に、特定の距離が存在する。ダウンリンクサブフレームからアップリンクサブフレームへの切替えが実行されるとき、eNB 1及びeNB 2は、ダウンリンク信号送信を停止すると同時に、前記GPに入る。しかしながら、信号送信は、ある特定の時間が必要であり、つまり、送信遅延が信号送信に存在し、かつそれゆえに、eNB 2が前記GPに入った後の一定期間において、eNB 1のダウンリンク信号もまたeNB 2に達する。その逆も同様である。もし、スペクトル検知が、前記ガードピリオドGPの送信遅延において実行される場合、スペクトル検知の実行は、影響を受けることがある。それゆえに、前記スペクトル検知に対する干渉を防ぐために、前記スペクトル検知は、干渉を引き起こす可能性のある全ての信号が通過した後に実行されることが必要とされる。隣接のeNBの干渉を回避するために使用されるこの一定期間は、本発明の実施形態のフロントガードインターバルである。
【0028】
図3において、かつ、典型例として、前記フロントガードインターバルの開始時間は、前記ガードピリオドGPの開始時間と同一であるが、しかし、本発明の実施形態は、それに限定されない。当業者は、前記フロントガードインターバルの開始時間を、実施要件に基づいて、前記ガードピリオドGPの開始時間よりも一定期間遅くなるようにすることが可能である。前記フロントガードインターバルの開始時間が、前記ガードピリオドGPの開始時間と同一である場合、前記フロントガードインターバルの構成情報は、前記フロントガードインターバルの前記長さである。前記フロントガードインターバルの前記長さ T
GI1は、以下の数式に基づいて決定されてもよい。
【0029】
【数1】
dは、前記スペクトル検知を実行する基地局(例えば、eNB 2)と、前記基地局の前記スペクトル検知に対する干渉を生じさせる最も遠い基地局(例えば、eNB 1)との間の距離であり、cは、電磁波の約3×10
8 m/sの送信速度である。
【0030】
留意すべきは、一実施例として、前記基地局の前記スペクトル検知に対する干渉を引き起こす基地局が存在しないとき、又は、他の基地局によって生じる干渉が無視できるほど小さいとき、前記ガードピリオドにおけるスペクトル検知ガードインターバルは、前記フロントガードインターバルを含まなくてもよいが、前記バックガードインターバルのみは含むということである。
【0031】
図4は、本発明の実施形態に基づくアップリンクタイミングアドバンスの差異によって生じるアップリンク送信の干渉を示している。前記ガードピリオドGPの後、eNBがアップリンク信号受信を開始する。前記ユーザ装置とeNBとの位置の間に特定の距離が存在するので、前記UEの信号は、eNBに到着するためには一定の時間が必要になる。それゆえに、前記eNBが、アップリンク信号をより効率的に受信することが可能にするために、前記UEは、eNBの受信ウィンドウよりも一定期間早く前記アップリンク信号を送信する必要があり、かつ、この一定期間は、タイミングアドバンス(Timinig Advance, TA)として称される。理想の状態においては、全てのUEのアップリンク信号は、前記eNBの受信ウィンドウにおけるeNBに同時に到達する。しかしながら、実際のネットワークにおいて、タイミングアドバンスは、一定の差異を有しており、その結果、前記UEのデータは、前記eNBの受信ウィンドウよりも前に又は後に到達する。
図4に示されるように、もし、前記UEの前記データが前記eNBの受信ウィンドウよりも前に到達する場合、その信号は、GP内に収まり、もし、ついでスペクトル検知が実行される場合、検知動作が影響を受ける。それゆえに、ガードインターバルは、アップリンクサブフレームの前に追加される必要があり、その結果、前記スペクトル検知に対するアップリンク信号の干渉を回避することができ、かつ、同一時間でのアップリンク信号の通常送信が保証され、この一定期間は、バックガードインターバルである。
【0032】
図4において、典型的な実施例として、前記バックガードインターバルの終了時間は、前記ガードピリオドGPの終了時間と同一であり、しかし、本発明の実施形態は、それに限定されない。前記バックガードインターバルの前記終了時間は、前記ガードピリオドGPの終了時間よりも実際の要件基づいて一定期間早くてもよい。前記バックガードインターバルの終了時間が前記ガードピリオドGPの終了時間と同一である場合、前記バックガードインターバルの構成情報は、前記バックガードインターバルの前記長さである。前記バックガードインターバルの長さ T
GI2は、次の数式に基づいて決定されてもよい。
【0034】
【数3】
は、前記アップリンクタイミングアドバンスの差異の最大値である。
【0035】
留意すべきは、前記バックガードインターバルは、任意であるということである。例えば、前記タイミングアドバンスTAの誤りは、制御され、又は、前記タイミングアドバンスTAの誤りの影響は、スペシャルサブフレームにおけるガードピリオドの後のアップリンクパイロットタイムスロットUpPTSにあると考えられ、これにより、前記ガードピリオドにおけるアップリンク信号の干渉は、可能な限り減少し、又は回避されもする。つまり、前記アップリンク信号のタイミングアドバンスの差異
【数4】
の最大値が、前記ガードピリオドの後のアップリンクタイミングスロットに設定され、又は、前記アップリンク信号の干渉が非常に小さくかつ無視できる程であるとき、前記ガードピリオドのスペクトル検知ガードインターバルは、前記バックガードインターバルを含まなくてもよいが、前記フロントガードインターバルのみは含む。
【0036】
同時に、一方向送信放送システムにおいて使用されるガードピリオドに対して、前記バックガードインターバルは、既存でなくてもよく、これにより、前記クワイエットピリオドの構成情報は、前記フロントガードインターバルの構成情報に基づいて決定される。
【0037】
さらに、前記ガードピリオドのスペクトル検知ガードインターバルは、前記フロントガードインターバル及び前記バックガードインターバルを含んでもよい。
【0038】
それゆえに、前記ガードピリオドGPにおける前記スペクトル検知ガードインターバルの前記構成情報101は、本発明の実施形態に基づいて決定され、かつ、前記フロントガードインターバルの開始時間は、前記ガードピリオドの開始時間として設定されてもよく、又は、要件に基づいて前記ガードピリオドの開始時間よりも一定期間遅く設定されてもよい。さらに、前記フロントガードインターバルの前記長さは<数式1>に基づいて決定され、これにより、前記フロントガードインターバルの前記開始時間と、前記長さとを含む構成情報が決定される。前記バックガードインターバルの終了時間は、前記ガードピリオドの終了時間として設定されてもよく、又は、要件に基づいて前記ガードピリオドの終了時間よりも一定期間早く設定されてもよい。また、前記バックガードインターバルの前記長さは、<数式2>に基づいて決定され、その結果、前記バックガードインターバルの前記終了時間と、前記長さとを含む構成情報を決定することができる。
【0039】
前記フロントガードインターバル及び前記バックガードインターバルが決定された後、クワイエットピリオドが、前記フロントガードインターバルの構成情報と、前記バックガードインターバルの構成情報との少なくとも一つに基づいて設定され、これにより、前記スペクトル検知が、前記クワイエットピリオド(step 102)において実行される。特に、前記フロントガードインターバルが存在し、かつ前記バックガードインターバルが存在しないとき、前記クワイエットピリオドは、前記フロントガードインターバルの構成情報に基づいて設定され、前記バックガードインターバルが存在し、かつ前記フロントガードインターバルが存在しないとき、前記クワイエットピリオドは、前記バックガードインターバルの構成情報に基づいて設定される。また、前記フロントガードインターバル及び前記バックガードインターバルの両者が存在するとき、前記クワイエットピリオドは、前記フロントガードインターバルの構成情報と、前記バックガードインターバルの構成情報とに基づいて設定される。
【0040】
図2bを参照すると、本発明の実施形態に基づくクワイエットピリオドは、フロントガードインターバルと、バックガードインターバルとの間に置かれ、かつ前記フロントガードインターバル及び前記バックガードインターバルを除くガードピリオドにおける一定期間を占める。しかし、本発明の実施形態は、それに限定されず、実際の要件に基づいて前記クワイエットピリオドと、前記フロントガードインターバルとの間に一定期間差が存在してもよく、かつ、前記クワイエットピリオドと、前記バックガードインターバルとの間にも一定期間差存在してよい。前記クワイエットピリオドの構成情報は典型的に、前記開始時間と、前記長さとを含み、かつ、一般的には前記フロントガードインターバルと、前記バックガードインターバルの構成情報とに基づいて決定される。しかしながら、本発明の実施形態は、それに限定されず、その構成情報は、前記終了時間及び前記長さであってもよく、又は、前記開始時間及び前記終了時間であってもよく、前記ガードピリオドにおけるそれらの位置が決定されればよい。
【0041】
前記クワイエットピリオドの構成情報を設定する単純な実施例として、前記ガードピリオドが前記フロントガードインターバルのみを有するが、バックガードインターバルを有しないという場合において、もし前記クワイエットピリオドの終了時間が、前記ガードピリオドの終了時間と同一である場合、前記クワイエットピリオドの構成情報は、前記長さのみを含んでよい。同様に、前記バックガードインターバルが存在し、かつ前記フロントガードインターバルが存在しないとき、もし前記クワイエットピリオドの開始時間が前記ガードピリオドの開始時間と同一である場合、前記クワイエットピリオドの構成情報は、前記長さのみを含んでよい。もし、前記フロントガードインターバル及び前記バックガードインターバルの両者が存在する場合、前記クワイエットピリオドの前記開始時間及び前記長さは、前記フロントガードインターバルの終了時間と、前記バックガードインターバルの開始時間とに基づいて決定されてもよい。当業者は、本発明の実施形態を読んだ後、前記ガードピリオドのクワイエットピリオドの位置と長さとが決定されるのであれば、前記クワイエットピリオドの構成情報の組み合わせを選択してもよい。
【0042】
前記クワイエットピリオドが設定された後、前記スペクトル検知が前記クワイエットピリオド(step 103)において実行される。
【0043】
スペクトル検知のための方法が前記基地局によって実行されてもよい。さらに、別の実施形態として、前記ユーザ装置がスペクトル検知のための方法を実行してもよい。特に、前記基地局は、前記スペクトル検知ガードインターバルの前記構成情報を決定してもよく、前記ユーザ装置は、前記基地局から前記構成情報を受信し、かつ前記ユーザ装置は、前記構成情報に基づいてクワイエットピリオドを設定し、その結果、前記スペクトル検知を実行する。
【0044】
図1から
図4を参照しながら、本発明の実施形態に基づくスペクトル検知のための方法から以下のことが得られる。つまり、送信フレームにおける干渉を防ぐために使用されるガードピリオドは、再度使用され、前記クワイエットピリオドは、前記ガードピリオドに設定され、それによって、システム複雑性を著しく増加させることなく既存プロトコルとの互換性を保証することができる。かつ、前記スペクトル検知ガードインターバルは、前記ガードピリオドに設定され、それによって、前記スペクトル検知に対する信号送信により生じる干渉を効果的に回避することができ、前記信号送信の品質は、前記スペクトル検知が実行されるときに影響を受けない。
【0045】
図5は、本発明の実施形態に基づくスペクトル検知のためのデバイス500を示しており、上述したシステムに適用され、かつ、前記デバイス500は、基地局であってもよい。前記デバイス500は、ガードピリオドGPにおいてスペクトル検知ガードインターバルの構成情報を決定するように構成された決定ユニット510であって、前記スペクトル検知ガードインターバルは、スペクトル検知に対する信号送信によって生じる干渉を防ぐために使用され、前記構成情報は、前記ガードピリオドにおけるスペクトル検知ガードインターバルの位置を示すために使用され、かつ、前記ガードピリオドは、信号干渉を防ぐために信号送信が停止される一定期間である、前記決定ユニット510と、前記スペクトル検知ガードインターバルの前記構成情報に基づいて前記ガードピリオドにおいてクワイエットピリオドを設定するように構成された設定ユニット520と、前記クワイエットピリオドにおいて前記スペクトル検知を実行するように構成された検知ユニット530と、を備える。
【0046】
前記決定ユニット510は、前記ガードピリオドのフロントエンドにおけるフロントガードインターバルの構成情報と、前記ガードピリオドのバックエンドにおけるバックガードインターバルの構成情報との少なくとも一つを決定してもよい。前記決定ユニット510は、前記フロントガードインターバルの開始時間を、前記ガードピリオドの開始時間として設定してもよく、又は、要件に基づいて前記ガードピリオドの開始時間よりも一定期間遅く設定してもよい。また、<数式1>に基づいて前記フロントガードインターバルの前記長さを決定し、それによって、前記フロントガードインターバルの構成情報を決定することができる。しかし、一実施例として、前記基地局の前記スペクトル検知に対する干渉を生じさせる基地局が存在しないとき、又は前記生じる干渉が無視できるほど小さいとき、前記フロントガードインターバルの構成情報は、存在しなくてもよい。前記決定ユニット510は、前記バックガードインターバルの終了時間を、前記ガードピリオドの終了時間として設定してもよく、又は、前記ガードピリオドの終了時間よりも一定期間早く設定してもよく、かつ、<数式2>に基づいて前記バックガードインターバルの前記長さを決定し、その結果、前記バックガードインターバルの構成情報を決定することができる。さらに、一実施例として、アップリンク信号のタイミングアドバンスの差異の最大値が、スペシャルサブフレームのアップリンクパイロットタイムスロットに設定されるとき、又は、前記アップリンク信号の前記干渉が無視できるほど小さいとき、前記フロントガードインターバルの構成情報は、存在していなくてもよく、かつ、前記スペクトル検知ガードインターバルの前記構成情報は、前記フロントガードインターバルの前記構成情報のみを含む。
【0047】
前記設定ユニット520は、例えば、前記スペクトル検知ガードインターバルの前記開始情報及び前記長さのような情報に基づいて、前記ガードピリオドにおけるクワイエットピリオドの開始時間及び長さを設定してもよく、その結果、前記ガードピリオドにおけるクワイエットピリオドの位置及び長さを決定することが可能であり、かつ、前記検知ユニット530は、前記クワイエットピリオドにおいてスペクトル検知を実行する。
【0048】
スペクトル検知のためのデバイスは、基地局であってよく、例えば、TD-LTEシステムにおける基地局eNBであってもよい。またその代わりに、スペクトル検知のためのデバイスはユーザ装置であってもよい。特に、前記基地局は、前記スペクトル検知ガードインターバルの前記構成情報を決定する。前記ユーザ装置における決定ユニット510は、特に、前記基地局から前記構成情報を受信するように構成され、これにより、前記設定ユニット520は、前記構成情報に基づくスペクトルを設定する。
【0049】
本発明の実施形態における技術的解決策において、送信フレームにおける干渉を防ぐために使用される前記ガードピリオドが再度使用され、前記クワイエットピリオドは、前記ガードピリオドに設定され、それによって、システム複雑性を著しく増加させることなく既存プロトコルとの互換性を保証する。また、前記スペクトル検知ガードインターバルが、前記ガードピリオドに設定される。それによって、前記スペクトル検知に対する信号送信によって生じる干渉を効果的に回避することができ、かつ、前記スペクトル検知が実行されないとき、前記信号送信の品質は影響を受けない。
【0050】
上述したように、
図2bは、本発明の実施形態に基づくガードピリオドにおけるクワイエットピリオドを設定することについてのフレーム構造又はデータフレームを示しており、前記データフレームは、前記スペクトル検知を実行するために使用されてもよい。従って、本発明の実施形態に基づくスペクトル検知のためのデータフレームが提供され、前記データフレームは、信号干渉を防ぐために信号送信が停止されるガードピリオドに記録され、前記データフレームは、スペクトル検知に対する信号送信によって生じる干渉を防ぐために使用されるスペクトル検知ガードインターバルを含み、前記ガードピリオドにおける前記スペクトル検知ガードインターバルの位置は、前記スペクトル検知ガードインターバルの構成情報によって示される。さらに、前記データフレームは、クワイエットピリオドを含み、前記スペクトル検知は、前記クワイエットピリオドにおいて実行され、かつ前記クワイエットピリオドは、前記スペクトル検知ガードインターバルの前記構成情報に基づいて決定される。追加的な実施形態として、前記スペクトル検知ガードインターバルは、前記ガードピリオドのフロントエンドにおけるフロントガードインターバルと、前記ガードピリオドのバックエンドにおけるバックガードインターバルとを含む。
【0051】
図1から
図4の記載に基づいて前記フロントガードインターバルの開始時間は、前記ガードピリオドの開始時間として設定されてもよく、又は前記ガードピリオドの開始時間よりも一定期間遅く、かつ、前記フロントガードインターバルの前記長さが、<数式1>に基づいて決定されてもよく、これにより、前記フロントガードインターバルの前記開始時間及び前記長さを含む構成情報が決定されてもよい。さらに、前記バックガードインターバルの終了時間は、前記ガードピリオドの終了時間として設定されてもよく、又は、前記ガードピリオドの終了時間よりも一定期間遅く、かつ、前記バックガードインターバルの前記長さは、<数式2>に基づいて決定され、これにより、前記バックガードインターバルの前記終了時間及び前記長さを含む構成情報が決定される。前記クワイエットピリオドの前記開始時間及び前記長さが、前記フロントガードインターバルの構成情報及び/又は前記バックガードインターバルの構成情報に基づいて決定される。前記スペクトル検知ガードインターバルの構成情報と、前記クワイエットピリオドの構成情報が決定された後、スペクトル検知のための前記データフレームが決定される。
【0052】
本発明のデータフレームの実施形態において、本発明の実施形態に基づく上記技術的解決策の効果が実施されてもよく、つまり、前記データフレームのガードピリオドにおいて設定される前記クワイエットピリオドが使用される。それにより、システム複雑性を著しく増加させることなく既存プロトコルとの互換性を保証することができ、かつ、前記データフレームの前記ガードピリオドのスペクトル検知ガードインターバルが使用される。それによって、前記スペクトル検知に対する信号送信によって生じる干渉を効果的に回避することができ、かつ、信号送信が影響を受けないでスペクトル検知が実行される。
【0053】
当業者は、本願明細書に記載された実施形態と組み合わせて説明される様々な例示的な装置及びステップは、電子ハードウェア、又は、コンピュータソフトウェア及び電子ハードウェアの組み合わせにより実施できることを認識することができる。機能がハードウェア又はソフトウェアによって実行されるかどうかは、技術的解決策の特定のアプリケーション及び設計制約条件に依存する。当業者は、各特定のアプリケーションについて説明された機能を実装するために異なる方法を使用することができるが、前記実装は、本発明の範囲を超えていると考えられるべきではない。
【0054】
本願において提供された実施形態において、記載された方法、デバイス、及びデータフレームは、他の方法で実施されてもよいことは理解されるべきである。例えば、前述されたデバイスの実施形態は、単なる実施例である。例えば、装置区分は単なる論理的機能区分であり、かつ、実際の実施において他の区分であってもよい。例えば、複数の装置、又は要素が、組み合わされても、又は別のシステムに統合されてもよく、又はいくつかの特徴が無視できるほど小さくても、又は実行されなくてもよい。
【0055】
独立した部分として説明された装置は、物理的に独立していても、又は独立していなくてもよく、かつ、装置として表示された部分は、物理的装置であっても、又は物理的装置でなくてもよく、つまり、一つの位置に置かれてもよく、又は、複数のネットワーク装置に分散されてもよい。装置の一部又は全体は、実施形態の解決策の目的を達成するために、実際の必要に基づいて選択されてもよい。
【0056】
さらに、本発明の実施形態における機能装置は、一つの処理装置に統合されてもよく、又は、各装置は物理的に単独で存在してもよく、又は、2又は3以上の装置が1つの装置に統合されてもよい。
【0057】
前記機能が、ソフトウェア機能装置の形態で実施され、かつ、独立した製品として販売され、又は使用されるとき、前記機能がコンピュータ可読記録媒体に記憶されてもよい。そのような理解に基づいて、本発明の本質的な技術的解決策は、又は従来技術に寄与する一部、又は技術的解決策の一部が、ソフトウェア製品の形態で実施されてもよい。前記コンピュータソフトウェア製品は記録媒体に記録され、かつコンピュータデバイス(パーソナルコンピュータ、サーバ、及びネットワークデバイス等)に命令する様々な命令を含み、本発明の実施形態に記載された方法のステップの全て又は一部を実行する。記録媒体は、例えば、USBフラッシュディスク、リムーバブルハードディスク、読み取り専用メモリ(ROM, Read-Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM, Random Access Memory)、磁気ディスク、及び光学ディスク等のような、プログラムコードを記録可能な任意の媒体を含む。
【0058】
前述の説明は、本発明の単なる特定の実施形態であるが、本発明の保護範囲を限定するものではない。当業者によって、本発明に開示された技術的範囲内で行われる変更又は置換は、本発明の保護範囲に入るものとする。従って、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に従うものとする。
【符号の説明】
【0059】
500 デバイス
510 決定ユニット
520 設定ユニット
530 検知ユニット