(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5931210
(24)【登録日】2016年5月13日
(45)【発行日】2016年6月8日
(54)【発明の名称】広帯域アンテナ
(51)【国際特許分類】
H01Q 9/16 20060101AFI20160526BHJP
H01Q 9/26 20060101ALI20160526BHJP
H01Q 19/24 20060101ALI20160526BHJP
H01Q 21/26 20060101ALI20160526BHJP
【FI】
H01Q9/16
H01Q9/26
H01Q19/24
H01Q21/26
【請求項の数】14
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-541556(P2014-541556)
(86)(22)【出願日】2012年11月5日
(65)【公表番号】特表2015-507382(P2015-507382A)
(43)【公表日】2015年3月5日
(86)【国際出願番号】EP2012004607
(87)【国際公開番号】WO2013072023
(87)【国際公開日】20130523
【審査請求日】2014年7月14日
(31)【優先権主張番号】11360051.4
(32)【優先日】2011年11月15日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】391030332
【氏名又は名称】アルカテル−ルーセント
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100170601
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 孝
(72)【発明者】
【氏名】コキノス,ティトス
【審査官】
岩井 一央
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2009/0207092(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2007/0210976(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0231528(US,A1)
【文献】
特開2005−203971(JP,A)
【文献】
特開2009−118368(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/00−1/10
H01Q 1/27−11/20
H01Q 15/00−25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
接地平面によって受け取られる少なくとも1つのダイポール・アーム基部であって、各々がダイポール・アーム・フィードによって給電され、各々がダイポール・フィンガに接続された第1および第2のダイポール・アームを支持し、前記接地平面と前記ダイポール・アームとの間に4分の1波長未満の離隔を設けるように寸法が合わされ、前記接地平面と前記ダイポール・アーム・フィードとの間に4分の1波長実効電気長を与えるための開口を有する、前記少なくとも1つのダイポール・アーム基部
を含み、
各ダイポール・アームが導電性平板を含み、前記ダイポール・フィンガが、前記導電性平板の縁部の方に結合された細長い導電性ロッドを含む、
広帯域アンテナ。
【請求項2】
前記開口が、前記接地平面と前記ダイポール・アーム・フィードとの間に設けられる、
請求項1に記載の広帯域アンテナ。
【請求項3】
前記開口が、前記ダイポール・アーム基部中に延びるスロットによって画定される、請求項1または2に記載の広帯域アンテナ。
【請求項4】
複数の隣接するダイポール・アーム基部のアセンブリを含み、各ダイポール・アーム基部が、前記アセンブリの内部に隣接して位置づけられた前記開口を有する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の広帯域アンテナ。
【請求項5】
前記ダイポール・フィンガの各々が前記ダイポール・アームと直角の方向に配向され、各ダイポール・アームおよびダイポール・フィンガが一緒に4分の1波長実効電気長を与える、ダイポール
を含む、請求項1に記載の広帯域アンテナ。
【請求項6】
各ダイポール・アームが前記接地平面に平行に延び、前記ダイポール・フィンガが前記接地平面の方に延びるように配向される、請求項5に記載の広帯域アンテナ。
【請求項7】
各ダイポール・アームによって生成される近接場に平行におよび近接場中に位置づけられた導電性プレートを有する隣接する複数の前記ダイポール・アーム基部のアセンブリを含む、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の広帯域アンテナ。
【請求項8】
前記導電性プレートが対称である、請求項7に記載の広帯域アンテナ。
【請求項9】
前記導電性プレートが中央開口を画定する、請求項8に記載の広帯域アンテナ。
【請求項10】
隣接する少なくとも1対の前記広帯域アンテナであって、それらの間に設置された導電性壁によって離間され、前記導電性壁が前記接地平面から立ち上がる第1の構成要素を含み、第2の構成要素が前記第1の構成要素から直角に延びる、隣接する少なくとも1対の前記広帯域アンテナ
を含む、請求項1に記載の広帯域アンテナ。
【請求項11】
前記第2の構成要素が前記第1および第2のダイポール・アームに対して平行に配向され、前記第1の構成要素が、前記第1および第2のダイポール・アームの方に延び、前記第1および第2のダイポール・アームに対して直角に配向される、請求項10に記載の広帯域アンテナ。
【請求項12】
前記導電性壁が、各広帯域アンテナのまわりを延び、各広帯域アンテナの隣接するダイポール・アーム間で第2の開口を画定する、請求項10または11に記載の広帯域アンテナ。
【請求項13】
請求項1乃至12のいずれか1項に記載の広帯域アンテナをプリント回路基板上に組み立てるステップ
を含む方法。
【請求項14】
前記組み立てるステップが、隣接する複数の前記ダイポール・アーム基部のアセンブリを組み立てるステップを含み、各ダイポール・アーム基部が、前記アセンブリの内部に隣接して位置づけられた前記開口を有する、
請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広帯域アンテナ、広帯域アンテナ・アセンブリ、および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
広帯域アンテナが知られている。一般に、そのようなアンテナはセルラ基地局アンテナ・パネルで使用され、所望の帯域幅および利得を与えるように最適化される。これらのアンテナは適切な性能および特性を与えることができるが、依然として期待に対しては不足している。
【0003】
したがって、改善された広帯域アンテナを提供することが望まれる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1の態様によれば、接地平面によって受け取られ、ダイポール・アーム・フィードによって給電される少なくとも1つのダイポール・アームを支持する少なくとも1つのダイポール・アーム基部であって、接地平面とダイポール・アームとの間に4分の1波長未満の離隔を設けるように寸法が合わされ、接地平面とダイポール・アーム・フィードとの間に4分の1波長実効電気長を与えるための開口を有する、少なくとも1つのダイポール・アーム基部を含む広帯域アンテナが提供される。
【0005】
第1の態様により、広帯域アンテナに提起される物理的制約条件が増加していることが認識される。特に、重量、構造装荷、および光学的最小化の理由でアンテナ・アレイの全体的なサイズを減少させるために、広帯域アンテナによって占められる空間が減少されることが望まれる。しかし、第1の態様により、アンテナの高さ(またはプロファイル)は、一般に、アンテナ・ダイポールと接地平面との間に実効電気長を与える必要性によって決定されることが認識される。これは、必要な実効電気長を達成するのに、ダイポールと接地平面との間に設けられるダイポール基部の高さが所定の長さに固定される必要があり、それがダイポール基部の高さを減少させるのを妨げる原因となっている。特に、最適化されたアンテナ利得およびアンテナ整合性能を提供するには、アンテナの4分の1波長の高さが一般に必要とされる。さらに、引用される4分の1波長は、一般に動作周波数バンドの中央の波長の値の4分の1に対応する。したがって、4分の1波長未満の接地平面とダイポール・アームとの間の離隔を設けるように寸法を合わされたダイポール・アーム基部が提供される。ダイポール・アーム基部の高さの減少を補償するために、実効電気長を変更して4分の1波長に戻す開口が設けられる。この手法により、実効電気長を増加させるためにスロットを設けることによって、正しい動作を依然として維持しながら、アンテナの高さを減少させることができることが分かる。特に、実効4分の1波長電気長を確立するためにダイポール・アーム基部のスリットを使用すると、整合性能は最適化されるが、アンテナ利得問題は完全に回復されるとは限らず、そのため、アンテナは完全な高さのアンテナよりもわずかに小さい利得を示すことになるが、非常に小さいプロファイルを有することができる。1つの実施形態では、開口は、接地平面とダイポール・アーム・フィードとの間に設けられる。したがって、開口を接地平面とダイポール・アーム・フィードとの間に設置して、これらの2点間の実効電気長を増加させることができる。
【0006】
1つの実施形態では、開口は、ダイポール・アーム基部中に延びるスロットによって画定される。スロットは、製造中にダイポール・アーム基部中に容易に組み込むことができる特に都合のよい形状を備える。
【0007】
1つの実施形態では、広帯域アンテナは複数の隣接するダイポール・アーム基部のアセンブリを含み、各ダイポール・アーム基部は、アセンブリの内部に隣接して位置づけられた開口を有する。したがって、完全なアンテナのダイポール基部は個々のダイポール・アーム基部から組み立てることができ、個々のダイポール・アーム基部の各々はその中に設けられた開口を有する。このようにダイポール基部を組み立てることによって、内部開口を有するダイポール基部の製造は著しく簡単化される。
【0008】
第2の態様によれば、ダイポール・フィンガに結合されたダイポール・アームを有するダイポールであって、ダイポール・フィンガがダイポール・アームと直角の方向に配向され、ダイポール・アームおよびダイポール・フィンガが一緒に4分の1波長実効電気長を与える、ダイポールを含む広帯域アンテナが提供される。
【0009】
第2の態様により、既存のアンテナに関する問題は、広帯域アンテナに提起される物理的制約条件が増加していることであることが認識される。特に、重量、構造装荷、および光学的最小化の理由でアンテナ・アレイの全体的なサイズを減少させるために、広帯域アンテナによって占められる空間が減少されることが望まれる。しかし、第2の態様により、アンテナの占有面積は、一般に、ダイポールの実効電気長を与える必要性によって決定されることが認識される。特に、第2の態様により、ダイポールに所定の実効電気長を与える必要性が、アンテナが占めることができる最小サイズの占有面積を制限することが認識される。
【0010】
したがって、ダイポール・フィンガを有することができるダイポール・アームが提供される。ダイポール・フィンガは、ダイポール・アームに対して直角に配向されることができる。組み合わされたダイポール・アームおよびダイポール・フィンガの実効電気長は4分の1波長とすることができる。ダイポール・アームの面から延びるダイポール・フィンガを設けることによって、広帯域アンテナによって占められる占有面積は減少させることができる。占有面積のサイズが減少しても、ダイポールの共振特性は、ダイポール・アームおよびダイポール・フィンガが必要な実効電気長を依然として備えているので、維持することができる。
【0011】
1つの実施形態では、ダイポール・アームは接地平面に平行に延び、ダイポール・フィンガは接地平面の方に延びるように配向される。このことから、ダイポール・フィンガは、ダイポール・アームまたは接地平面に平行以外の方向に配向されることができる。直交性の程度が大きくなるほど、達成することができる占有面積低減の程度が大きくなることが理解されよう。
【0012】
1つの実施形態では、ダイポール・アームは導電性平板を含み、ダイポール・フィンガは、導電性平板の縁部の方に結合された細長い導電性ロッドを含む。したがって、ダイポール・フィンガは板である必要がなく、ダイポール・アームの1つの端部の方に向けて設置することができる。占有面積の減少は、ダイポール・アームの外側端にダイポール・フィンガを設置することによって最大にされることが理解されよう。
【0013】
実施形態により、上述の構成に関する問題は、広帯域アンテナの放射抵抗が影響される可能性があることであることが認識される。
【0014】
1つの実施形態では、広帯域アンテナは、各ダイポール・アームによって生成される近接場に平行におよび近接場中に位置づけられた導電性プレートを有する隣接する複数のダイポール・アーム基部のアセンブリを含む。したがって、各ダイポール・アームによって生成される近接場中に設置することができる導電性プレートを設けることができる。そのような導電性プレートを使用して、アンテナの放射抵抗を十分なレベルに回復させることができる。
【0015】
1つの実施形態では、導電性プレートは対称である。対称なプレートを設けると、放射抵抗の一様な変化が各ダイポールに生じ、いかなるアーティファクトの導入も最小にするのに役立つことが保証される。
【0016】
1つの実施形態では、導電性プレートは中央開口を画定する。中央開口を設けるのは、アンテナの重量を減少させるのに役立つ。
【0017】
第3の態様によれば、隣接する少なくとも1対の前記広帯域アンテナであって、それらの間に設置された導電性壁によって離間され、導電性壁が接地平面から立ち上がる第1の構成要素を含み、第2の構成要素が第1の構成要素から直角に延びる、隣接する少なくとも1対の前記広帯域アンテナを含む広帯域アンテナ・アセンブリが提供される。
【0018】
第3の態様により、既存のアンテナに関する問題は、広帯域アンテナに提起される物理的制約条件が増加していることであることが認識される。特に、重量、構造装荷、および光学的最小化の理由でアンテナ・アレイの全体的なサイズを減少させるために、広帯域アンテナによって占められる空間が減少されることが望まれる。しかし、第3の態様により、アンテナがアンテナ・アレイ中に近接して組み込まれるとき、隣接するアンテナ間の結合が生じることがあることが認識される。
【0019】
したがって、導電性壁が、隣接する対のアンテナ間に設けられる。すなわち、導電性壁が、あるアンテナと、別の隣接するアンテナとの間に設けられる。導電性壁は、第1の構成要素および第2の構成要素を有することができる。第1の構成要素は接地平面から立ち上がることができ、第2の構成要素は第1の構成要素から直角に延びることができる。第2の構成要素を設けると、最小限の導電性壁構造体で、接近して設置されたアンテナの間に有効な減結合が与えられる。これは、普通なら生じる結合を最小重量の構造体により減少させるのに役立つ。
【0020】
1つの実施形態では、第2の構成要素は関連するダイポール・アームに対して平行に配向され、第1の構成要素は、関連するダイポール・アームの方に延び、関連するダイポール・アームに対して直角に配向される。
【0021】
1つの実施形態では、導電性壁は、各広帯域アンテナのまわりを延び、各広帯域アンテナの隣接するダイポール・アーム間で開口を画定する。壁に開口または間隙を設けるのは、アンテナ内の隣接するダイポール間のいかなる結合も最小にするのに役立つ。
【0022】
第1、第2、および第3の態様の特徴は互いに組み合わせることができることが理解されよう。特に、ダイポール・アーム基部の特徴、導電性プレートの特徴、ダイポール・アームの特徴、および/または導電性壁の特徴は、広帯域アンテナを提供するために単独でまたは互いに組み合わせて提供できることが理解されよう。
【0023】
第4の態様によれば、第1、第2、または第3の態様の広帯域アンテナをプリント回路基板上に組み立てるステップを含む方法が提供される。広帯域アンテナをプリント回路基板上に組み立てると、任意の関連する電子装置をプリント回路基板に設置することもできるので、特にコンパクトな構成が可能になる。さらに、プリント回路基板は、アンテナの構造体を回路基板上に容易に設置することができるので、アセンブリを簡単にするために使用することができる。
【0024】
1つの実施形態では、組み立てるステップは、隣接する複数のダイポール基部のアセンブリを組み立てるステップを含み、各ダイポール基部は、アセンブリの内部に隣接して位置づけられた開口を有する。
【0025】
さらなる特定のおよび好ましい態様は、添付の独立請求項および従属請求項に述べられている。従属請求項の特徴は、適宜独立請求項の特徴と組み合わせることができ、特許請求の範囲で明確に述べられたもの以外の組合せとすることができる。
【0026】
装置機構が機能を提供するように動作可能であると説明されている場合、これは、その機能を提供するか、またはその機能を提供するように適応もしくは構成される装置機構を含むことが理解されよう。
【0027】
次に、本発明の実施形態が、添付図面を参照しながらさらに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】1つの実施形態によるアンテナによる断面図である。
【
図2】1つの実施形態によるアンテナによる断面図である。
【
図3】
図1および2に示された導電性パッドの配置をより詳細に示す図である。
【
図5A】
図2のアンテナのモデルの様々な図である。
【
図5B】
図2のアンテナのモデルの様々な図である。
【
図5C】
図2のアンテナのモデルの様々な図である。
【
図6】
図5Aから5Cに示されたアンテナのシミュレーションしたSパラメータを示す図である。
【
図7】
図5Aから5Cのアンテナの製造されたプロトタイプを示す図である。
【
図8】
図5Aから5Cのアンテナの製造されたプロトタイプを示す図である。
【
図9】1つの実施形態による囲壁構造体の備えつけを示す図である。
【
図10】1つの実施形態による囲壁構造体の備えつけを示す図である。
【
図11】AWS−1バンドでの動作のために最適化されたコンパクトな2素子アレイを示す図である。
【
図12】
図11のアレイ構成のシミュレーションしたSパラメータを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
概略
実施形態を詳細に説明する前に、最初に概略が提供される。実施形態は、所望の帯域幅と減少したサイズのビーム幅とを達成するコンパクトで、広帯域で、指向性のあるアンテナに関する。従来のセルラ基地局アンテナ・パネルでは、アンテナ・アレイを形成する個々の放射器(またはアンテナ)によって占められる体積またはサイズは、一般に、全体的なパネル体積が、主として、各アンテナ・パネルで使用される放射器の数と、任意の隣接する放射器間の離隔(アレイ周期)とによって決定されることのために、従来、アンテナ・パネルの全体的な体積またはサイズにとって重要であると見なされていなかった。アンテナ・パネルは、通常、帯域幅に関して最適化された性能を示すように設計されることから、個々の共振器は、伝統的に、必要な帯域幅を示すのに十分な大きさとなるように設計され、大きいアレイ・ファクタ利得を達成するように互いに十分離して配置される。
【0030】
これらの放射器は、一般に、直交デュアル・リニア偏波放射器を形成するように、互いに対して直交して配置された2つのダイポールから構成される。これらのダイポールは指向性パターンを放射するように接地平面に対抗して給電される。一般に、放射器は、形状が正方形であり、対称2×2アレイを形成するように互いに対して位置合わせされた4つの導電性の(金属の)より小さい正方形パッチから構成される。欠陥部をダイポール・アームに挿入することが可能であり、例えば、アームに1つもしくは複数の孔を設けてよく、またはアームにランダム形状の孔を設けてもよい。これらの正方形パッチの各々は、ダイポールの各々の2つのアームのうちの1つ(ダイポール当たり2つのアーム、放射器当たり2つのダイポール)を構成し、一方、対角線上に配置された正方形パッチの各対はダイポール全体を構成する。特に、2つの完全に反対側のパッチは−45°軸に位置合わせされた第1のダイポールを構成し、一方、他の2つのパッチは+45°軸に位置合わせされた第2のダイポールを構成する。
【0031】
4つのダイポール・アームはすべて導電性円形基部に取り付けられ、導電性円形基部は、ダイポール・アームをすべて同じ構造体に一緒に組み立てたままにし、ダイポール・アームと、ダイポールがそれに対抗して給電される接地平面との間に離隔を固定するのに利用される。ダイポール・アームは、一般に、形状が正方形であり、放射器基部は、一般に、円形であるが、ダイポール・アームおよびダイポール基部の両方は任意の形状(正方形、円形、三角形など)とすることができる。
【0032】
4つのパッチによって形成されるダイポールに給電するために、各ダイポール・アームが無線周波数(RF)信号の2つの偏波の一方に接続されるように差動RF信号がダイポール・アームの対の各々に給電される。一般に、同軸伝送線は放射器のダイポール基部に埋め込まれ、ダイポール基部の底部からダイポール・アームの最上部まで延びる。伝送線が埋め込まれたダイポール・アームの最上部で、同軸ケーブルのシールディング(接地)が、このダイポール・アームに電気的に接続され、一方、同軸伝送線のコア(信号)が、同じダイポールの第1のアームから対角線上に設置された同じダイポールの第2のアームに電気的に接続される。同様の機構が放射器の第2のダイポールで使用される。このように、同じダイポールの2つのアームは差動的に給電される。ダイポール・アームに適切にはんだ付けされた既製の半可撓性または半剛性同軸ケーブルを使用することができる。代替として、放射器の基部を通して孔をドリル加工することができ、導電性ダイポール基部それ自体を同軸伝送線のシールディングとして使用することができる。湾曲ワイヤ(bent wire)を同軸ケーブルのコアとして使用することができ、一方、円筒状誘電体材料を、同軸コアと同軸シールディングとの間に固定離隔を維持する同軸ケーブル誘電体として使用することができる。
【0033】
ダイポール・アームの寸法は、結果として生じる放射器の動作周波数を決定する。ダイポールの各々の自己共振が、各ダイポール・アームの対角線長さに関連する周波数で生じる。特に、共振は、ダイポール・アームの対角線長さが共振周波数のほぼ4分の1波長に対応する周波数で生じる。そのような放射器の典型的な高さは、やはり、動作周波数(一般に動作バンドの中央に設定される)の波長の約4分の1波長程度とすべきである。この高さは、一般に、ダイポール・アームの放射抵抗の許容レベルを維持するために、およびダイポール基部の下部表面(ダイポール基部を受け取る接地平面に短絡される)がダイポール・アームへの給電点のダイポール・リアクタンスに影響しないことを確実にするために必要とされる。この構成により、接地平面との接触部で短絡された4分の1波長の長さのダイポール基部は、ダイポール・アームが給電される給電ポイントで完全な開放状態(perfect open)として現れることになる。
【0034】
そのような放射器は、一般に、多数の周波数バンドにわたって同時に使用することができるブロードバンドまたは広帯域放射器として使用される。この性能は、ダイポール・アームの形状と、さらに放射器の基部の帯域整合性能への影響との両方に帰せられる。
【0035】
既存の放射器は妥当な性能を達成できるが、それらはやはりかなり大きく、それらの性能は、約2分の1波長のアレイ間隔を有するコンパクトなアレイを形成するのに使用されると著しく低下する。
【0036】
したがって、よりコンパクトなアンテナを生成する構成が提供される。特に、アンテナの性能を維持しながら、アンテナ占有面積(ダイポール・アームの長さ)およびアンテナ・プロファイル(ダイポール基部の高さ)であるダイポールの2つの寸法を減少している。これは、任意の特定の面の導体の長さよりも長い実効電気長を与える非平面導体を設けることによって達成される。特に、ダイポール・アームの長さは、ダイポール・アームまで異なる面で延びる、ダイポール・アームに結合されたダイポール・フィンガを設けることにより減少され、それにより、組み合わせて、指定された動作周波数で必要な実効電気長が与えられる。ダイポール基部の高さは、やはり、高さの減少を補償し、ダイポール基部の2点間の必要な実効電気長を回復する開口をダイポール基部に設けることにより減少される。さらには、アンテナの放射抵抗は、ダイポール・アームによって生成される近接場に結合される導電性パッドを設けることにより改善することができる。そのようなパッドは、アンテナのサイズを低減することによって引き起こされる放射抵抗のいかなる減少も改善する。さらには、各アンテナは、いかなる交差結合も最小にしながらコンパクトなアンテナのアレイを可能にする導電性囲壁を備えることができる。
【0037】
減少した長さのダイポール・アーム
図1は、1つの実施形態によるアンテナ(全体的に10A)による断面図である。本実施形態は、アンテナ占有面積(平面図で見たときの面積)を減少させる減少した長さのダイポール・アームを組み込む。特に、各ダイポール・アーム20は、コーナーに位置づけられ、それぞれのダイポール・フィード30、40から離れているダイポール・フィンガ50を有する。ダイポール・フィンガ50は、この実施形態では、垂直方向に細長いように示されている。ダイポール・フィンガは長さd
fを有する。ダイポール・アームは、ダイポール・フィード30、40とダイポール・フィンガ50との間の長さd
a(同様に
図4に示される)を有する。ダイポール・アーム20およびダイポール・フィンガ50のサイズは、d
a+d
f≒λ/4であるように選択され、ここで、λはミッドバンド波長である。すなわち、ダイポールの第1の共振は、近似的に、ダイポール・フィンガ50(この場合、垂直ピン)の長さに加えた各ダイポール・アーム20の対角線長さを合計して4分の1波長になる場合に達成される。
【0038】
この手法を使用して、ダイポール・フィンガ50の正確な長さを、必要とされる小型化の程度に応じて選ぶことができる。しかし、垂直ダイポール・フィンガ50の長さd
fを延ばすことによって水平ダイポール・アーム20の対角線長さd
aを減少させると、水平ダイポール・アーム20によって主として与えられるダイポールの放射抵抗の放射の減少が引き起こされる。放射抵抗のいかなる減少も、以下でより詳細に説明するように、オプションの導電性パッド60を設けることによって補償することができる。
【0039】
アンテナ10Aの放射抵抗を大幅に減少させることなしに20〜30%の占有面積の減少を達成できることが見いだされた。しかし、万一にも放射抵抗を増加させる必要があれば、以下でより詳細に説明するように、ダイポール・アーム20から離間され、近接場内でスペーサ70によって距離gに位置づけられるオプションの導電性パッド60を設けることができる。
【0040】
図1で分かるように、ダイポール・アーム20は、接地平面80によって受け取られるダイポール基部90によって支持される。ダイポール基部90は、差動RF信号が送信される同軸ケーブルを受け取る。同軸ケーブルは、関連するダイポールの共振を引き起こすダイポール・フィード30、40に結合する。アンテナ10Aは、以下でより詳細に説明するように、多数の構成要素から組み立てられ、プリント回路基板(PCB)に装着されうる。
【0041】
上記のように、ダイポール・アーム20の形状は正方形パッド以外とすることができることが理解されよう。さらには、ダイポール・フィンガ50をダイポール・フィード30、40から最も遠い点でダイポール・アーム20に配置すると、最大の占有面積低減が可能になるが、ダイポール・フィンガ50は他のところに設置できることが理解されよう。さらに、ダイポール・フィンガ50をダイポール・アーム20に対して90°の角度で配置すると、最大の占有面積低減が可能になるが、ダイポール・フィンガ50は他の角度で延びることができる。加えて、この例では、ダイポール・フィンガ50は細長い正方形ピンであるが、ダイポール・フィンガ50は異なる形状とすることができることが理解されよう。さらには、1つの配向のダイポールのダイポール・アーム20およびダイポール・フィンガ50の組合せ長さは、異なる配向のダイポールの組合せ長さと異なることができることが理解されよう。アンテナ10Aは、以下で述べる壁構造体と組み合わせて利用できることも理解されよう。
【0042】
変更されたダイポール基部
図2は、1つの実施形態によるアンテナ(全体的に10B)を示す。このアンテナ10Bは、アンテナ10Bの高さhを低減できるようにする変更されたダイポール基部90Aを含む。特に、変更されたダイポール基部90Aにより、アンテナ10Aの高さhは4分の1波長未満に減少されうる。
【0043】
そのような高さの減少はダイポール・アーム20と接地平面80との間の離隔を減少させ、それは放射抵抗をさらに低減させることがある。さらに、ダイポール基部90Aの高さhを低減することは、ダイポールの給電点30、40が接地平面80に電気的により近づくことを意味する。その結果、ダイポール給電点30、40が見るリアクタンスは変えられる。放射抵抗のいかなる減少も、以下でより詳細に説明するように、オプションの導電性パッド60を設けることによって補償することができる。
【0044】
接地平面80とダイポール給電点30、40との間の実効電気長を回復して4分の1波長に戻すために、ダイポール基部90Aの給電点110と給電点30、40との間の全体の電流経路を効果的に長くする一連の開口100が設けられて、給電点30、40で開路が維持される。言い換えれば、開口100を設けると、給電点110と給電点30または40との間の実効電気長が4分の1波長に回復される。
【0045】
この実施形態では、開口100は水平スロットであるが、開口100は所望の電気長を設けるために任意の好適な数、形状、または配置とすることができることが理解されよう。しかし、以下でより詳細に説明するように、水平スロットを設けると、個々のダイポールの製造が非常に達成しやすくなる。アンテナ10Bは、以下でより詳細に説明するように、多数の構成要素から組み立てられ、プリント回路基板(PCB)に装着されうる。
【0046】
アンテナ10Bはダイポール・フィンガ50を含んでいるが、これらは省略することができ、アンテナ10Bは、以下に述べる壁構造体と組み合わせて利用することができるが理解されよう。
【0047】
導電性パッド
図3は、
図1および2に示した導電性パッド60の配置をより詳細に示す。上記のように、アンテナの放射抵抗のいかなる減少も導電性パッド60を設けることにより補償することができる。特に、水平な金属導電性パッド60は、ダイポール・アーム20のすぐ近くに、しかしダイポール・アーム20に電気的に接触せずに設けられる。導電性パッド60(一般に、サブ波長寸法とすべきである)は、全体の放射抵抗を制御する有効な手段を提供する。そのような制御は、正確な寸法Xと、さらにダイポール・アーム20からの距離gとを設定することによって達成される。特に、導電性プレート60は、ダイポール・アーム20の近接場への静電結合を確実にするために寸法gが4分の1波長よりも非常に小さくなるようにダイポール・アームのすぐ近くにあるべきである。この例では、誘電体(例えば、ナイロン)スペーサ70を使用して、導電性パッド60とダイポール・アーム20との間に必要な離隔を維持し、導電性パッド60を機械的に支持する。
【0048】
この例では、導電性パッドは正方形であるが、ダイポールの両方に同等に結合し、ダイポール間の交差偏波(結合)性能を悪化させないように導電性パッドがダイポールの2つの主軸に関して対称であるならば、形状は変更することができる。
【0049】
図4は、導電性(装荷)パッド60Aの別の可能な形状を示す。この構成では、導電性パッド60Aは中央に開口62を有する。これは、導電性パッド60Aに流れる電流の大部分は最も外側の周辺65で生じ、電流は中央でほとんど流れないために可能である。このタイプの導電性パッド60Aは、放射抵抗を調節するために十分に働き、より少ない材料から構成されるのでより軽くなり、ダイポールの給電ワイヤ(そのインピーダンスはその周囲環境に非常に敏感な傾向がある)とのいかなる結合も減少させる。
【0050】
アンテナ・アセンブリ
図5Aから5Cは、構成部品のアセンブリである、AWS−1バンドで動作するように設計された
図2のアンテナのモデルの様々な図を示す。見て分かるように、各ダイポール基部、ダイポール・アーム、およびダイポール・フィンガは、射出成形またはダイカスト・プロセスを使用して単一の構造体120として成型される。その時、構造体120は、必要とされれば、導電層で被覆することができる。その時、水平スロット100を成形中に形成することができ、それは製造プロセスを著しく簡単にする。
【0051】
図示の実施形態は4つの部品から組み立てられているが、同じプロセスを使用して、2つの部品からなるデバイスを実現することができることが理解されよう。2つの部品からなるデバイスの場合、各部品は、2つの隣接するダイポール・アームと、それらのダイポール・フィンガ(これらのアームは2つの異なる直交偏波ダイポールに属することになる)と、ダイポール基部の半分とを含む。4つの部品からなるデバイスの場合、各構造体120は、単一のダイポール・アームと、そのダイポール・フィンガと、ダイポール基部の4分の1とから構成される。
【0052】
両方の場合において、アンテナ全体を形成するために部品が正確に確実に一緒に組み立てられることが重要である。これを容易にするために、部品は、接地平面80を備えたプリント回路基板(PCB)に装着することができる。部品の装着は、ダイポール基部の底部に設置されたピンと、プリント回路基板の対応する開口とを使用して達成することができる。このようにして、構造体120は、部品の水平スロットが整列し、ダイポール基部の内部に設けられるようにプリント回路基板上で配向される。
【0053】
より小さい部品のアンテナを製造し、その後、それらをプリント回路基板上に組み立てるのは潜在的に高価なプロセスであることから、水平スロットを使用するのは、高さの減少が非常に重要である用途のみに備えて使わずに残しておくことができることが理解されよう。
【0054】
図6は、
図5Aから5Cに示したアンテナのシミュレーションしたSパラメータを示す。
【0055】
図7および8は、
図5Aから5Cのアンテナの製造されたプロトタイプを示す。
【0056】
囲壁
図9および10は、1つの実施形態による囲壁構造体の備えつけを示す。
【0057】
図9は、コンパクトなアンテナ・アレイを形成するのに使用される場合に隣接するアンテナ間の結合を減少させるために使用される垂直部分および水平部分から構成された囲壁と一緒の
図2のアンテナの側面図である。
【0058】
図10は
図9のアンテナの上面図である。囲壁は、アンテナの交差偏波性能に著しく影響しないように、4つの別個の部品(単一のダイポール・アームを囲むものの各々)から構成される。
【0059】
囲壁構造体は、上記したアンテナのまわりに配置することができる。既に説明したように、それらのアンテナは、以前に実現されているものよりも小さい占有面積および小さいプロファイルを有する。アンテナは既存のアンテナよりも小さいが、依然として多数のバンドをサポートすることができる。コンパクトなサイズは、コンパクトなアンテナ・アレイ(約2分の1波長に設定されるアレイ周期)で使用される場合、帯域幅と、隣接する素子間の交差偏波結合および共偏波結合とに関してこれらのアンテナの性能が著しく劣化しないことを意味する。
【0060】
しかし、アンテナの性能は、コンパクトなアンテナ・アレイを形成する場合、さらに改善されうる。この改善は、いかなる隣接するアンテナ間の結合もさらに抑制する囲壁を取り付けることによって、動作帯域幅または交差結合性能に著しく影響することなしに行われる。囲壁は導電性である。
【0061】
この実施形態では、囲壁の垂直部分130は、上記の接地平面80を備える同じPCBに装着される。壁の水平部分140は、垂直部分130の上部表面に設置される。囲壁の高さは、水平ダイポール・アーム20によって主として与えられるアンテナの放射の性質に影響しないように低くとどまるべきである。したがって、囲壁の水平部分140と水平ダイポール・アーム20との間の十分な離隔が維持されるべきである。囲壁の高さは、一般に、接地平面90とダイポール・アーム20との間の距離の半分未満に設定される。
【0062】
そのような構成では、隣接するアレイ素子間の結合が、近隣のダイポール・アーム間でサポートされる水平電界により生じるので、囲壁は、コンパクトなアンテナ・アレイの隣接するダイポール間に減結合機構を与える。壁の水平部分140が存在すると、いくつかの電気ラインが、ダイポール・アーム20から水平な壁に結合され、それにより、隣接する放射器に直接結合する電界の強度が減少される。
【0063】
そのような囲壁の取付けが引き起こす主な問題は、各ダイポールの交差偏波性能の劣化である。この問題を緩和するために、囲壁は、4つの部品(4つのコーナーとして配列された)によって形成され、アンテナのダイポール・アームのまわりに対称的に設置される。この構成は、交差偏波性能の劣化を防止する、囲壁のセクション間の間隙150を可能にする。
【0064】
図11は、AWS−1バンドでの動作のために最適化されたコンパクトな2素子アレイを示す。素子間間隔は90mmである(1.7GHzにおいて、この間隔はほぼ2分の1波長に対応する)。
【0065】
図12は、
図11のアレイ構成のシミュレーションしたSパラメータを示す。1.7GHzにおいて、素子間の共偏波結合は−20dB未満である。減結合囲壁がない状態では、結合は4〜5dB高いことになる。
【0066】
実施形態は、4Gセルラ・システムで必要とされる立体角などの大きい立体角にわたりビーム走査要件を満たすように設計されたコンパクトなアンテナ・アレイで使用できることが理解されよう。実施形態は、コンパクトな占有面積と、コンパクトなアレイで使用されるときの結合の減少と、多数の周波数バンドにわたり同時使用を可能にする大きいパッチング帯域幅とをもつアンテナを提供する。上記の実施形態は低コストであり、しかも、3D形状が金属化プラスチックで製作され、プリント回路基板に装着される完全に自動化されたプロセスを使用して製作することができる。実施形態は、コンパクトなアンテナ・アレイを形成するのに必要とされうる大きい範囲の占有面積縮小係数(footprint miniaturisation factor)を達成することができるアンテナを可能にする。縮小を達成するのに使用された機構は、コンパクトなアレイの素子間の結合低減も可能にする。実施形態は、大きい帯域幅(40%比帯域幅など)にわたり整合することができるアンテナを提供する。それ故に、実施形態は、ブロードバンドであり、サイズがコンパクトであり、重量が軽く、高い放射効率値を与えることができ、低コスト材料を使用して製作することができるアンテナを提供する。
【0067】
当業者は、様々な上述の方法のステップを、プログラムされたコンピュータで実行することができることを直ちに認識されよう。本明細書では、いくつかの実施形態は、プログラム記憶デバイス、例えば、デジタル・データ記憶媒体を含むことも意図されており、プログラム記憶デバイスは機械可読またはコンピュータ可読であり、命令の機械実行可能またはコンピュータ実行可能プログラムを符号化し、前記命令は前記上述の方法のステップの一部またはすべてを実行する。プログラム記憶デバイスは、例えば、デジタル・メモリ、磁気ディスクおよび磁気テープなどの磁気記憶媒体、ハード・ドライブ、または光学的可読デジタル・データ記憶媒体とすることができる。実施形態は、上述の方法の前記ステップを実行するようにプログラムされたコンピュータを含むことも意図される。
【0068】
「プロセッサ」または「論理」としてラベル付けされた任意の機能ブロックを含む図に示された様々な要素の機能は、専用ハードウェアならびに適切なソフトウェアに関連するソフトウェアを実行することができるハードウェアの使用により提供されうる。プロセッサによって提供される場合、機能は、単一の専用プロセッサによって、単一の共有プロセッサによって、またはいくつかを共有することができる複数の個々のプロセッサによって提供されうる。さらに、「プロセッサ」または「コントローラ」または「論理」という用語の明示的な使用は、ソフトウェアを実行することができるハードウェアだけを排他的に指すものと解釈されるべきでなく、暗黙に、限定はしないが、デジタル信号プロセッサ(DSP)ハードウェア、ネットワーク・プロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、ソフトウェアを記憶するための読取り専用メモリ(ROM)、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、および不揮発性記憶装置を含むことができる。従来型および/またはカスタム型の他のハードウェアを含めることもできる。同様に、図に示されたいかなるスイッチも概念的なものにすぎない。それらの機能は、プログラム論理の動作により、専用論理により、プログラム制御および専用論理の対話により、またはさらに手動で実施することができ、文脈からより具体的に理解されるように、実施者は特定の技法を選択することができる。
【0069】
本明細書のいかなるブロック図も本発明の原理を具現化する例示的な回路の概念図を表していることを当業者は理解されたい。同様に、任意のフロー・チャート、流れ図、状態遷移図、擬似コードなどは、コンピュータ可読媒体で実質的に表され、そのようなコンピュータまたはプロセッサが明示的に示されているかどうかに関わらず、そのようにコンピュータまたはプロセッサで実行されうる様々なプロセスを表すことが理解されよう。
【0070】
説明および図面は、単に本発明の原理を示すにすぎない。したがって、本明細書に明示的に説明または示されていないが、本発明の原理を具現化し、本発明の趣旨および範囲内に含まれる様々な構成を当業者は考案できるであろうことが理解されよう。さらには、本明細書に挙げられたすべての例は、主として、本発明の原理と、当技術分野の促進のために発明者が寄与する概念とを理解する際に読者を支援する教育的目的のみを明白に意図しており、そのような具体的に挙げられた例および条件に限定されないとして解釈されるべきである。さらに、本発明の原理、態様、および実施形態を挙げた本明細書のすべての記述、ならびにそれらの具体的な例は、それらの均等物を包含するものである。