(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
(
筺体(スロットマシン1)の説明)
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。本実施形態に係るスロットマシン1の外観を
図1に示す。スロットマシン1は大きく分けてフロントパネル2側とキャビネット3側にそれぞれ必要な部品、基板が取付けられる。スロットマシン1のフロントパネル2とキャビネット3の各々側面側はヒンジ装置と施錠装置によって接合され、フロントパネル2に設けられた施錠装置に錠前キーが差し込まれ、特定方向に回動操作されることにより施錠装置側を開放状態とすることができる。
【0010】
以下にスロットマシン1のフロントパネル2側の構成要素について解説する。
【0011】
(
フロントパネル2)
フロントパネル2は意匠が施された板部材で構成され、前側(遊技者側)には表示窓4、操作指示ランプ24、ベット数表示ランプ25、クレジット数表示器26、獲得枚数表示器27、操作パネル11、下部パネル5、上部演出ランプ等が設けられ、裏側にはメダルセレクタ34、表示装置32、サブ制御基板ユニット42、各種基板等、設定表示LED(図示しない)が設けられる。
【0012】
(
表示窓4)
表示窓4は上下方向に回転自在に設けられている左リール8a、中リール8b、右リール8cの各リールリム部に固定されるリールテープの外周面に印刷された図柄が表示される。そして、表示窓4からは、リールが停止しているときは、21個の図柄のうち、左リール8a、中リール8b、右リール8cの回転方向に沿って連続する3つの図柄が視認可能となっている。すなわち、表示窓4には、3[図柄]×3[リール]=合計9つの図柄が停止表示される。ここで、左リール8a、中リール8b、右リール8cがそれぞれ3つの図柄を停止表示する停止表示位置のうち、最も上側の停止表示位置を上段、中央の停止表示位置を中段、最も下側の停止表示位置を下段とする。また、リールテープの外周面に印刷された図柄は
図23の通り、各リール16の図柄が付されている。
【0013】
(
入賞ライン)
表示窓4は左リール8a、中リール8b、右リール8cに対向する位置に設けられるとともに、表示窓4から視認できる各図柄の表示位置を横切る位置に入賞ラインが定められている。本実施形態においてこの入賞ラインは、表示窓4において、各リールの中段を通過する入賞ライン(中段水平ライン)によって構成されている。
入賞ラインは、予め定められた複数種類の役(後述する)に対応する図柄組合せを判定する際の基準となるラインであり、リールが停止したときに、1本の入賞ラインのうち、有効とみなされた入賞ライン(以下、有効ラインという)上の停止表示位置に各々停止表示された3つの図柄組合せが、いずれかの役に対応していたときに、その役が成立したことになる。また入賞ラインはスロットマシン1によっては上段、中段、下段、右上がり、右下がりの5本の入賞ライン、すなわち5ラインのスロットマシン1や、一直線でない略山形、略谷型、略L字型などの変則な入賞ラインを有するスロットマシン1や、いずれか任意のラインを有効にしない無効ラインを設けたスロットマシン1などが存在する。また、賭け枚数によって設定されるライン数が異なるように設定したりしてもよい。
【0014】
(
操作指示ランプ24)
表示窓4の周辺には操作指示ランプ24が設けられている。操作指示ランプ24は、左リール8a、中リール8b、右リール8cが回転しているときに、遊技者に対して後述するストップスイッチ13の操作順序を指示するものである。すなわち、左操作指示ランプ24aが点灯したときは左ストップスイッチ13aを、中操作指示ランプ24bが点灯したときは中ストップスイッチ13bを、右操作指示ランプ24cが点灯したときは右ストップスイッチ13cを、各々操作すべきであることを示している。
【0015】
(
ベット数表示ランプ25)
操作パネル11の一部にはベット数(賭け枚数)表示ランプが設けられている。ベット数表示ランプ25は遊技者の操作による賭け枚数を表示する機能を有し、メダルが1枚賭けられると1枚ベット数表示ランプ25が点灯し、メダルが累計で2枚賭けられると2枚ベット数表示ランプ25が点灯し、メダルが累計で3枚賭けられると3枚ベット数表示ランプ25が点灯するようになっている。
【0016】
(
クレジット数表示器26)
操作パネル11の一部にはクレジット数表示器26が設けられている2桁の7セグメント表示器64からなり、スロットマシン1にクレジット(貯留)されている(より具体的には、後述するメインRAM56に記憶されている)メダルの枚数を表示する。また、エラーが発生した時など、通常の遊技が進行できないときにはその旨の表示を行う。
【0017】
(
獲得枚数表示器27)
操作パネル11の一部には獲得枚数表示器27が設けられている。獲得枚数表示器27は、2桁の7セグメント表示器64からなり、スロットマシン1において遊技の結果に応じて遊技者へ払い出されるメダルの枚数を表示する。また、エラーが発生した時など、通常の遊技が進行できないときにはその旨の表示を行う。
【0018】
(
操作パネル11)
フロントパネル2の略中央部には、概略水平の操作パネル11が設けられている。操作パネル11には後述するスタートスイッチ12、ストップスイッチ13、メダル投入口17、複数のベットスイッチ(MAXベット18、1枚ベット19)、サブスイッチ20、サブ十字キースイッチ21、イジェクトスイッチ22、図示しない清算スイッチが設けられている。
【0019】
(
スタートスイッチ12)
スタートスイッチ12は操作パネル11の一部に設けられている。例えば、レバー形状のスイッチであり、規定任意数のメダルが賭けられることにより有効となり、操作されたことでリールの回転を開始させる。
【0020】
(
ストップスイッチ13)
ストップスイッチ13は操作パネル11の一部に設けられており、本実施形態の場合、左リール8aには左ストップスイッチ13a、中リール8bには中ストップスイッチ13b、右リール8cには右ストップスイッチ13cがそれぞれ対応している。また、ストップスイッチ13の操作が可能な時にはストップスイッチ13の本体、又はその周辺のランプ色を変更させることでストップスイッチ13が有効であることを示唆する。例えば、ストップスイッチ13の操作が可能な時には青色で点灯し、操作が不可能な時には赤色で点灯することが挙げられる。
【0021】
(
メダル投入口17)
メダル投入口17は操作パネル11の一部に設けられており、遊技に際して遊技媒体であるメダルを賭ける時にメダルを投入する通路を有し、規格サイズ以上のメダルの挿入を制限する。メダル投入口17は、複数種類のメダルの規格サイズに応じて複数種類製造されているが、操作パネル11に各種メダル投入口17の取り付けを共通で行えるように、各種メダル投入口17の取り付け規格を同一にしている。
【0022】
遊技媒体の投入に関して、遊技媒体は上記メダルの投入によるものに限定されず、例えばパチンコに用いられる遊技球を投入するものや、磁気カードやフラッシュメモリ等電気的記憶媒体に記憶された遊技媒体数情報を遊技機が読み取り、電気的記憶媒体の遊技媒体数情報を賭け数の設定、入賞の払い出しのタイミングで更新保存させるものなどがあり、遊技機ごとに必要に応じて変更され得る。
【0023】
(
ベットスイッチ)
ベットスイッチは操作パネル11の一部に設けられており、クレジットに貯留メダルがあるときにベットスイッチを操作する行為により、メダル投入口17にメダルを投入する行為と同等の賭け枚数の設定処理が行われる(賭け枚数設定手段158)。ただし、クレジットに貯留メダルが無い場合はベットスイッチを操作しても無効となる。また、スロットマシン1毎に設定された最大枚数を賭けることができるMAXベットスイッチ18と、1枚を賭けることができる1ベットスイッチ19で構成されており、1枚ベットスイッチ19は複数回操作することで最大賭け枚数の範囲内において操作回数と同数の枚数を賭けることが可能に構成されている。
【0024】
また、上記のベットスイッチの他に、一度の操作において任意に設定されたn(nは正の整数)枚を賭けることが可能なnベットスイッチを設けることも考えられる。
【0025】
(
サブスイッチ20)
サブスイッチ20は操作パネル11の一部に設けられており、主に後述する表示装置32に表示される指示画面に従って操作するスイッチである。また、入力手段としてサブスイッチ20の他、サブ十字キースイッチ21を設ける。また、サブスイッチ20は後述する携帯端末との連動システムを起動させる契機として機能させることもできる。
【0026】
(
下部パネル5)
下部パネル5はフロントパネル2の下方に設けられており、透明樹脂が2枚合わさって構成され、合わせた樹脂の間にはデザインシートが挟まれ、前記デザインシートはスロットマシン1毎の特色を表す印刷が施される。
【0027】
(
メダル払出口43)
メダル払出口43は下部パネル5の下方に設けられており、後述するホッパ44より払い出されたメダルをスロットマシン1外に放出させる為の出口である。また、後述するメダルセレクタ34から排除されたメダルをスロットマシン1外に放出させる返却口を兼ねている。
【0028】
(
受け皿28)
受け皿28は下部パネル5の下方に設けられており、前記メダル払出口43から放出されたメダルを受止め、貯蔵できるように略凹構造を有しており、貯蔵したメダルを遊技者から確認できるように遊技者側に突出して設けられている。
【0029】
また、前記受け皿28はその他の機能としてタバコ用灰皿29と、組合許諾証シール、特許証紙シール、型式シールが貼り付けられた樹脂シートを収容し、遊技者側に表示する開口部を有したシール収容部30も設ける。
【0030】
(
スピーカS)
スピーカSはフロントパネル2の上方、下方に設けられており、サブ制御基板ユニット42とハーネス(図示しない)で繋がれている。前記スピーカSからは演出に合わせた効果音の他、エラーが発生した事を知らせるエラー音や警告音を出力する。
【0031】
(
表示装置32)
表示装置32はフロントパネル2の上方に設けられており、サブ制御基板ユニット42と電気的に接続され、様々な演出画像のほか、遊技中にストップスイッチ13の押し順などを指示する遊技指示画像、エラー発生時のエラー画像等を表示する。また、機種によっては表示装置32を搭載しないスロットマシン1もある。
【0032】
(
ドットディスプレイ、可動役物などのその他演出装置)
ドットディスプレイ、可動役物などのその他演出装置は表示窓4の周辺、上下パネル部などフロントパネル2の任意の位置に設けられており、サブ制御基板ユニット42と電気的に接続され、様々な演出画像、演出動作のほか、遊技中にストップスイッチ13の押し順などを指示する遊技指示画像や動作、エラー発生時のエラー画像の表示や動作を行う。ドットディスプレイ、可動役物などのその他演出装置は、スロットマシン1の機種に合わせて任意に搭載される。
【0033】
(
メダルセレクタ34)
メダルセレクタ34はフロントパネル2背面の遊技機内部にあり、かつ、メダル投入口17の下方の流下通路に設けられている。遊技者より投入されたメダルの枚数を流下通路上に設けられたセンサでカウントするメダルカウント機能の他、投入された規格外のメダルを流下通路から外れるようガイドし、スロットマシン1外に排除するメダル排除機能を一般的に設ける。その他、フロントパネル2前面に設けたスイッチが操作されることで、メダルセレクタ34内に詰まったメダルを排除するイジェクト機能や、メダル受付け時以外に投入されたメダルを電気的に駆動される阻止部材で流下通路上から排除するブロッカ機能、メダル流路35に侵入した異物を物理的に検知する異物検知機能を有している。メダル受付け時に投入されたメダルが正常な場合は、下流に位置するホッパ44へ排出する。
【0034】
以下にスロットマシン1における、キャビネット3側の構成要素について解説する。
【0035】
(
キャビネット3)
キャビネット3は方形箱形の一面に開口部を有した形状で構成され、内部にはリールユニット6、ホッパ44、補助タンク46、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源装置39、メイン制御基板ユニット41、外部出力端子板47等が設けられる。
【0036】
(
リールユニット6)
リールはキャビネット3中央内部のリールベース7に設けられており、複数のステッピングモータ66によって回転されるホイール状に形成される左リール8a、中リール8b、右リール8c、さらに各リールの外周に固定される帯状に形成された複数の図柄が印刷されているリールテープによって構成される。
【0037】
リールは、遊技者によるスタートスイッチ12の操作により回転を開始し、約80回転/分の速さまで加速を行う(加速処理)。そして、一定速度に到達後、定速回転状態を維持した後(定速回転)、遊技者のストップスイッチ13の操作により、操作タイミングごとに定められた停止位置にリールを停止させるよう減速させ(減速処理)、リールの回転を停止する。
【0038】
(
ホッパ44)
ホッパ44は通常キャビネット3底板に設けられたレール構造によって、ホッパ44を前後にスライド移動が可能に設置される。ホッパ44は大きく分けると前述したメダルセレクタ34から排出されたメダルを受け入れ貯留するとともに、貯留余剰となったメダルを補助タンク46へ誘導する貯留タンク部と、ホッパモータ駆動手段156によりモータを駆動し、回転しながら貯留されたメダルを1枚ずつ抽出する抽出機構、及びメダルをメダル払出口43に向けて放出する放出機構を設けたメダル払出部45によって構成されている。
【0039】
(
補助タンク46)
補助タンク46は前記貯留タンク部から溢れたメダルを受け入れ、貯留を行う開口を有した方形箱形構造となっている。また箱形構造の少なくとも一側面には貫通孔を有し、キャビネット3の貯留タンク設置位置近傍には通常2本の電極が補助タンク46の貫通孔を通して補助タンク46内に侵入するように設けられ、溢れたメダルが一定量以上貯留されると前記2本の電極はメダルを介して通電状態となる。
【0040】
(
設定キースイッチ37)
設定キースイッチ37はスロットマシン1の内部に設けられた開閉扉付きスイッチユニットに設けられており、フロントパネル2を開放後、開閉扉付きスイッチユニットの開閉扉を開放することでアクセスが可能となる。設定キースイッチ37をオンにするには、通常設定キーと呼ばれる鍵を差し込み、回転させることが一般的に使用されている形態である。メダル受付けが可能な時に設定キースイッチ37をオンにすると現在の設定値を確認でき、電源投入時に設定キースイッチ37がオンになっていると後述する設定の変更を行うことができる状態へと移行する。
【0041】
(
電源装置39)
電源装置39はキャビネット3左下方に設けられており、方形箱形状の外装BOXには電源スイッチ40が設けられると共に、内部に電圧を生成する電源基板が設けられ、ハーネス(図示しない)を用いてリール制御基板、サブ制御基板ユニット42へそれぞれ個別に接続されており、リール制御基板を介してハーネスを用いてメイン制御基板ユニット41へ接続される。
【0042】
電源装置39の前面には、電圧の供給をするためのスイッチが設けられており、スイッチがオンの場合、スロットマシン1外部より電力を取込んだ後、それぞれ所定の電圧を生成し、メイン制御基板ユニット41、サブ制御基板ユニット42に対し所定の電圧を取込み、スイッチがオフの場合、スロットマシン1外部より電力を取込まないようにする。
【0043】
以下に、スロットマシン1の制御に用いられる基板等ハードウェアについて説明する。
【0044】
(
メイン制御概要)
メイン制御はメイン制御基板ユニット41で管理しており、構成としてメイン制御基板100が固定されたメイン制御基板ケースカバーをメイン制御基板ケースベースに固定させた後、メイン制御基板ケースブラケットに固定される。
【0045】
なお、店舗に設置される際は基板ケースカバーと基板ケースベース、及び、基板ケースカバーと主基板ケースブラケットはカシメ構造によりそれぞれ封印される。
【0046】
(
メイン制御基板100)
メイン制御基板100はメインCPU105、メインインターフェース回路、メイン入出力バス、メインROM52、メインRAM56、ドア開放検知回路、電圧監視回路110等で構成され、主な機能としてはスタートスイッチ12、ストップスイッチ13、ベットスイッチ、メダル返却スイッチ22、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、打止切換スイッチ60(図示しない)の操作入力を監視し、賭けられたメダルのカウントを行い、スタートスイッチ12が操作されたことにより、後述する役抽選を行い、リールの回転開始、回転停止の制御を行い、遊技者のストップスイッチ13の操作結果に応じて予め設定された有効ライン上に停止表示した図柄組合せに基づきメダルの払い出しを行う。
【0047】
(
メインCPU105)
メインCPU105はメイン制御基板100に実装され、特徴としては8ビットマイクロプロセッサでメインROM52、メインRAM56を内蔵している。通常のCPUが有する性能以外に乱数機能、シリアル通信機能、セキュリティ機能を有する。
【0048】
(
メインインターフェース回路)
メインインターフェース回路はメイン制御基板100に設けられ、後述する入力・出力ポートを介してサブ制御基板1000、リール装置基板、ドア中継端子板との通信を行う。
【0049】
(
メイン入出力バス)
メイン入出力バスはメイン制御基板100に設けられ、大きく分けて入力ポートと出力ポートに分けられる。入出力バスでは、スタートスイッチ12、ストップスイッチ13、ベットスイッチ、メダル返却スイッチ22、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、打止切換スイッチ60の操作入力を監視し、入力ポートより操作入力を受け付ける。入力ポートには払出駆動信号、リール位置検出回路、及び、払出センサ等が接続され、出力ポートにはリール位置検出回路、ホッパ駆動回路、払出完了信号回路、及び、払出数表示器等が接続される。これらメイン制御基板100からの情報の出力、メイン制御基板100への処理完了信号等の入力により、メイン制御基板100はリールの停止制御や、入賞時の遊技媒体の払い出しなど遊技の進行の制御を行う。
【0050】
(
メインROM52)
メインROM52はメインCPU105に内蔵され、スロットマシン1の動作管理、メダルの払い出し割合に関するプログラムやデータが書込まれている。これらのデータとして、図柄識別情報、図柄組合せ、役抽選テーブルなどがある。
【0051】
(
メインRAM56)
メインRAM56はメインCPU105に内蔵され、遊技状態、各フラグ、変数の値等を記憶する。また、電源断が発生した場合はメイン制御基板100外部から供給される電源装置39より、遊技状態、各フラグ、変数の値を次回電源投入時まで記憶、維持を行う。
【0052】
(
外部出力端子板47)
外部出力基板47は一般的にスロットマシン1のキャビネット3内部に取付けられており、メイン制御基板ユニット41から出力された遊技の結果に関する信号を予め定められた形式の信号に変換しスロットマシン1の外部に送信する。遊技の結果の内容として投入枚数、払出枚数、ボーナス回数(ビッグボーナス回数、レギュラーボーナス回数)、ドア開放信号等がある。
【0053】
(
ドア開放検知回路)
ドア開放検知回路はメイン制御基板100に設けられ、リール装置基板を介してドアスイッチに接続されるとともに、ドア開放検知スイッチ48の状態を監視している。ドア開放検知回路がドアの開放を検知した場合、メイン制御基板100は後述するスピーカS制御回路、又は表示装置32へ警告の旨を出力する。
【0054】
(
電圧監視回路110)
電圧監視回路110はメイン制御基板100に設けられ、スロットマシン1の動作電圧が予め定められた値より低くなった事を検知する。また、動作電圧低下の際は電源断用のプログラムが優先的に作動し、次回の電源投入時に必要な遊技状態を再現するためのデータをメインRAM56に退避させる。この件に関し詳しくは後述する。
【0055】
(
サブ制御基板1000)
サブ制御基板1000は、固定されたサブ制御基板ケースベースにサブ制御基板ケースカバーを固定しネジで封止後、キャップ部材でネジを封印し表示装置32ケースに固定する。サブ制御基板1000はサブCPU1005、サブインターフェース回路、サブ入出力バス、サブROM53、サブRAM57、ランプ制御回路、電圧監視回路110等で構成され、主な機能としてはメイン制御基板100から送信されたサブ制御コマンドに基づき、演出パターン、ランプ点灯パターン、サウンド等の出力制御を行う。
【0056】
(
サブCPU1005)
サブCPU1005はサブ制御基板1000に実装され、特徴としては遊技状態とサブ制御コマンドに応じて多数ある演出、効果音、ランプ発光パターンから出力する内容の選択を行う。またスロットマシン1によっては効果音の出力に関するサウンドチップや画像制御に関する画像描写CPUを独立してサブ制御基板ユニット42内に設ける場合もある。
【0057】
(
サブインターフェース回路)
サブインターフェース回路はサブ制御基板1000に設けられており、入力・出力ポートを介してメイン制御基板100との通信を行う。
【0058】
(
サブ入出力バス)
サブ入出力バスはサブ制御基板1000に設けられており、大きく分けて入力ポートと出力ポートに分けられる。入力ポートにはサブ制御コマンド、出力ポートにはランプ制御回路、表示制御回路、スピーカS制御回路が接続される。
【0059】
(
サブROM53)
サブROM53はサブ制御基板1000に実装される。サブROM53はサブ制御基板ユニット42全体をコントロールするサブ制御プログラムデータのほか、画像制御プログラムデータ、画像データ、ランプ制御プログラムデータ、ランプ発光パターンデータ、サウンド制御プログラムデータ、サウンドデータが複数のサブROM53にそれぞれ設けられる。
【0060】
(
ランプ制御回路)
ランプ制御回路は、サブ制御基板1000に設けられており、スロットマシン1に備え付けられているランプの点灯パターンを制御する。ランプ点灯パターンは予め定められており、遊技状態、抽選結果、遊技結果等に基づき、ランプ点灯パターンが記憶されたサブROM53からランプ点灯パターンを読み取り、発光手段に出力する。
【0061】
(
表示制御回路)
表示制御回路はサブ制御基板1000とは別に設けられた画像制御基板1014として独立して設けられ、演出のための画像描写を行う。
【0062】
(
スピーカS制御回路)
スピーカS制御回路は、サブ制御基板1000に設けられており、スロットマシン1から出力される楽曲、効果音を制御する。楽曲、効果音は予め定められており、遊技状態、抽選結果、遊技結果に基づき楽曲、効果音が記憶されたサブROM53より楽曲データ、効果音データを読み取り、スピーカSに出力情報の送信を行う。
【0063】
(
サブRAM57)
サブRAM57はサブ制御基板1000に実装され、遊技状態、各フラグ、変数の値等を記憶する。また電源断が発生した場合はサブ制御基板1000に実装されたバックアップ電源から供給される電力より遊技状態、各フラグ、変数の値を次回電源投入まで維持する。
【0064】
遊技機の遊技を制御するメイン基板の制御について解説する。
(
メインメモリ)
メインCPU105には内蔵されているROMとRAMとがあり、クリア処理に伴ってクリアされる内蔵RAMについて説明する。RAMの記憶領域としては、打止切換スイッチ60のオン/オフ、自動清算スイッチ62のオン/オフの状態を示すスイッチ状態フラグの記憶領域、設定される1〜6の何れかの値を示す設定値情報の記憶領域、複数のRT状態のうち何れのRT状態かを示すRT状態情報の記憶領域、ボーナスなどの特定の条件装置の当選状態を示す特定の条件装置の記憶領域、その他、遊技を進行させるのに必要な情報が記憶される遊技情報の記憶領域、使用されていない未使用の記憶領域、レジスタから退避したデータが格納されるスタックエリアの記憶領域、電源投入時にセットされる仮スタックエリアの記憶領域がある。
【0065】
(
割込み処理)
本実施形態のスロットマシン1では、割込み処理としてノンマスカブル割込みとマスカブル割込みを設ける。ノンマスカブル割込みはメインCPU105の特定の端子(NMI端子)に信号が入力されると発生する割込みであって、マスカブル割込みより優先して実行される。
【0066】
ノンマスカブル割込みが発生すると電源断のための処理を実行する。マスカブル割込みはノンマスカブル割込みと異なり定期的(2.235ミリ秒)に実行される処理であって、マスカブル割込みが発生すると、操作スイッチの入力のチェックやタイマ計測などの処理を実行する。以下の記載において、特に説明がない割込みはマスカブル割込みを示すこととする。
【0067】
(
RAM初期化処理)
RAMを初期化する契機は設定変更手段112による設定変更処理時、電源断復帰処理時と毎遊技の開始時とがあり、それぞれの場合によって初期化するRAMの記憶領域の初期化する範囲は異なる。
【0068】
設定変更処理時において、電源断復帰が正常に行えない場合、又は復帰不可能状態の場合はスイッチ状態フラグの記憶領域を除くRAMエリアにデータ0をセット(初期化)する。つまり設定変更前の状態を引き継ぐものはスイッチ状態フラグしかなく、例えばRT状態や、条件装置フラグなどはクリアされ引き継がない。
【0069】
また、設定変更処理時であって、電源断復帰が正常に行える場合と、又は復帰不可能状態以外の場合のいずれか一方、つまり、正常に設定変更処理を行う場合はスイッチ状態フラグの記憶領域、設定値情報の記憶領域、RT状態情報の記憶領域、特定条件装置の記憶領域が記憶される領域を除くRAMエリアにデータ0をセットする。つまり、設定変更前の遊技状態を維持したまま、設定変更後の設定値で遊技が可能となるようにRT状態、設定値データ、条件装置フラグを引き継ぐ。設定値データは設定変更前の情報を引き継ぎ、その後の設定変更処理において新たな設定値が設定されるため、サブ制御基板1000において、設定変更がされたのかを判定するために用いられる。
【0070】
さらに、電源断復帰処理時、毎遊技の開始時はRAMエリアの未使用の記憶領域と電源断復帰処理時は電源断復帰時RAM初期化時の最大使用領域を除くスタックエリアの記憶領域にデータ0をセットする。
【0071】
(
電源断復帰、電源投入)
本実施形態のスロットマシン1では、電源スイッチ40のオフ操作や、停電などによりスロットマシン1を稼動させるための動作電圧が維持できなくなる電源断が発生するとRAMに記憶されているデータがバックアップ電源により保持される。そして次に電源が投入された時に、メイン制御基板100が、保持されたRAMのデータが正常であるか否かを判定し、正常と判定した場合、つまり電源断時の処理が正常に行われた場合にRAMに記憶されているデータに基づいて電源断前の状態に復帰するように制御する。
【0072】
そして電源投入時において設定変更を伴うと、電源断前の状態に戻さず、一部の情報のみを保持し、別の状態(初期化)として復帰させる。なお、設定変更時において、一部の情報を保持するようにしたが、全ての情報を保持しないようにしてもよい。
【0073】
(
電源断割込み処理)
本実施形態のスロットマシン1では、スロットマシン1の動作電圧が低下した場合、つまり、電源断が発生した際に、電源断が発生する前の遊技状態へ復帰が可能なように電源断割込み処理を実行する。電圧監視回路110が電源断を検知することで電源断信号がメインCPU105のNMI端子に入力され、ノンマスカブル割込みが発生し、ノンマスカブル割込みにより電源断割込み処理が実行される。
【0074】
電源断割込み処理では、処理実行時の状態を保持し、電源が再投入された際に電源断前の状態に復帰させるための処理として、出力ポートのクリア、割込みの停止、レジスタに記憶されているデータの退避を行い、割込み状態及びスタックポインタを保存、RAMチェックサムデータの算出及び保存、RAMの書込み禁止、リセット待ち等の処理を行う。なお、ノンマスカブル割込みを使用せずに、定期的に実行される割込み処理の実行毎に電圧監視回路110からの電源断信号が入力されているか判定し、連続する割込み処理で信号を検知したり、一の割込み処理内で2回信号を検知したりすると電源断が発生したと判定するようにしてもよい。
【0075】
(
復帰不可能エラー処理)
本実施形態のスロットマシン1では復帰不可能エラーが発生すると割込みを禁止し、出力ポートの出力をクリアするなど遊技の進行を制限すると共に、クレジット数表示器26でエラーの種類に応じた表示をするなど復帰不可能状態であることの報知を行う。
【0076】
また、通常のエラーが設定される場合、リセットスイッチ(図示せず)が操作されるとエラーを解除するが、一度復帰不可能エラーが設定されると、リセットスイッチを操作又は、電源を再投入しただけではエラーは解除されずに設定変更処理を行うことでエラーが解除される。仮に電源を再投入しても電源投入処理の一部を実行した後、エラー表示を繰返し実行し以降の遊技処理を実行しないように制御される。
【0077】
復帰不可能エラーとしては、役抽選時に賭け数が規定数以外である場合、設定値エラーチェックにおいて値が正常範囲にない場合、電源断復帰時に電源断処理が正常に行われていないと判定した場合、水晶発振器114の周波数異常が示されるなど乱数異常と判定された場合、入賞判定処理において有効ライン上に当選していない役に対応した図柄組合せが停止されている場合などがある。
【0078】
(
遊技方法、遊技の流れ)
スロットマシン1で遊技を行うために、まずメダル投入口17からメダルを投入するか、予め貯留されているメダルをベット(MAXベットスイッチ18、1ベットスイッチ19)操作することで予め規定されているメダルの賭け枚数を設定する。なお、本実施形態は規定されている枚数として3枚が設定されている。メダルの賭け枚数を設定することで有効ラインが有効に設定され遊技が可能な状態となる。
【0079】
次に、スタートスイッチ12の操作が行われると、操作されたことに基づいて役抽選を行い、役抽選の結果として一の役抽選結果を定めリールの回転を開始する。リールは表示窓4内を上から下方向へ向かって回転し、リールの回転速度が所定速度(約80回転/分)となるまで加速し、その後、速度を維持して回転する(定速回転)。
【0080】
次に、ストップスイッチ13を用いてリールの停止操作が行われると、役抽選結果と停止操作されたタイミングに応じて操作されたストップスイッチ13に対応するリールが停止する。全てのリールが停止すると有効ライン上に停止表示された図柄組合せが役抽選結果で定めた図柄組合せか否かを判定し、判定した結果が役抽選結果で定めた図柄組合せであったときは停止表示した図柄組合せに応じて、メダルの払い出し、クレジットへの加算、リプレイの設定、ボーナスの開始、終了、RT状態の移行などの処理を行う。
【0082】
遊技の進行を所定期間一時停止状態にして遅延させる「フリーズ演出」としては、例えば、遊技媒体の受付け、予めクレジットされた遊技媒体の賭け枚数を定めるためのベットスイッチの操作の受付け、遊技を開始するためのスタートスイッチ12の操作の受付け、又は、リールの停止操作の受付けに関する機能を一時停止状態にすることが挙げられる。
【0083】
フリーズ演出としては、前述した遊技の進行に関わる全ての機能に関して一時停止状態にしてもよいし、一部の機能に関してのみ一時停止状態にしてもよい。
【0084】
遊技の進行を一時停止状態にする態様としては、遊技者の操作に基づく制御処理(通過センサによる遊技媒体の投入検出処理、ベットスイッチの操作に基づいた賭け枚数設定処理、スタートスイッチ12の操作に基づいたリール回転処理または役抽選処理、リール停止スイッチの操作に基づいたリール停止処理)を行わないことが挙げられる。
【0085】
フリーズ演出によって遊技の進行を一時停止している期間中に遊技者の操作に基づいた入力信号が発せられたときは、入力信号に基づく制御処理を行わない、入力信号を受付けない、入力信号の送信を所定期間が経過するまで遅延させるなどの処理を行うことで、フリーズ演出を行わない場合と比べ1回の遊技における終了タイミングが遅延することになる。
【0086】
スタートスイッチ12の操作に基づいて行われるフリーズ演出に関しては、スタートスイッチ12が操作されたときに所定期間はリールの回転を行わずに所定期間の経過後にリールの回転を行う場合や、スタートスイッチ12が操作されたときに所定期間は役抽選とリールの回転を行わずに所定期間の経過後に役抽選とリールの回転を行う場合や、スタートスイッチ12が操作されたときに所定期間は役抽選を行うがリールの回転は行わずに所定期間の経過後にリールの回転を行う場合や、スタートスイッチ12が操作されて役抽選が行われた後に所定期間を設定し所定期間中はリールの回転や停止を行う場合が挙げられる。
【0087】
ストップスイッチ13の操作に基づいて行われるフリーズ演出に関しては、ストップスイッチ13の操作の受付けに基づいて行うフリーズ演出とストップスイッチ13の操作の結果、特定の図柄がリール上に停止表示されたことに基づいて行うフリーズ演出において、フリーズ演出の制御処理が異なる。
【0088】
ストップスイッチ13の操作の受付けに基づいて行うフリーズ演出の制御処理は、回転しているリールの停止制御処理を行わないことが挙げられる。これにより所定期間においては、遊技者が回転しているリールを停止できなくなるが、所定期間が経過したことによりストップスイッチ13の操作の受付け処理より後の停止制御処理を行うので、停止受付けからリール停止までのタイミングを遅延させることができる。
【0089】
ストップスイッチ13の操作の結果、特定の図柄がリール上に停止表示されたことに基づいて行うフリーズ演出の制御処理は、最後のストップスイッチ13以外のストップスイッチ13の操作で特定の図柄がリール上に停止表示されたときは、次に停止するストップスイッチ13の停止制御を行わず、最後のストップスイッチ13の操作で特定の図柄がリール上に停止表示されたときは、次の遊技を開始するベットスイッチの操作に基づいた賭け枚数設定処理、通過センサによる遊技媒体の投入検出処理、または、リプレイが有効ライン上に停止したときに行う自動賭け枚数設定処理に基づく制御処理を行わないことが挙げられる。
【0090】
フリーズ演出を行う所定期間は、遊技者の操作に基づく遊技進行制御を一時停止させるが、遊技の進行に関わらない遊技機動作は実行可能である。例えば、ストップスイッチ13の操作に基づく停止制御処理は行わないが、リールの回転態様は任意に設定することができる。
【0091】
所定期間におけるリールの回転態様として、リールを通常回転とは逆方向に回転すること、リールを所定図柄数回転し特定の図柄組合せを停止すること、複数のリールのうち所定のリールを停止状態にして他のリールを回転状態にすること、リールの回転速度を変化すること、または、遊技者の操作に起因してリールの動作を変化することが挙げられる。
【0092】
フリーズ演出を行う所定期間は、所定の条件(遊技者の操作、抽選等)によって変化させることができる。ここで、所定の条件とは、遊技者による操作(スタートスイッチ12、ベットスイッチ、ストップスイッチ13、清算スイッチ)に基づく信号の検出や抽選による所定の結果が挙げられる。また、変化させることとは一時停止期間を短くすることや長くすることが挙げられる。
【0093】
一時停止期間を短くする制御処理として、一時停止期間を強制終了すること、または、一時停止期間よりも短い期間に書き換えることが挙げられる。そして、一時停止期間を長くする制御処理として、一時停止期間の後に他の期間を追加すること、または、一時停止期間よりも長い期間に書き換えることが挙げられる。また、フリーズ演出に基づく一時停止期間は、最大時間が定められたものでなく、遊技者の操作に基づき一定の結果が得られるまで継続してもよい。
【0094】
フリーズ演出を行う一時停止期間は、ウエイト期間の経過後に設定してもよいし、ウエイト期間を含んで設定してもよい。ウエイト期間を含んだ場合は、ウエイト期間中にフリーズ演出が終了するか否かを判断して、終了する場合は、ウエイト期間後にフリーズ演出期間を設定する態様やフリーズ演出終了後に残りのウエイト期間を再開する態様が挙げられる。または、予めウエイト期間よりも長い期間のフリーズ演出期間を設けることで、このような判断処理を省略することも可能である。
【0095】
フリーズ演出として、あたかも通常の遊技を進行しているかのような疑似遊技フリーズ演出を行うことが挙げられる。疑似遊技フリーズ演出は、スタートスイッチ12が操作されたことに基づいたスタートスイッチ12受付け処理からリール回転開始処理までの間にフリーズ演出期間を定め、フリーズ演出期間中は、通常の遊技のようにスタートスイッチ12の操作に基づいてリール回転制御を行い、ストップスイッチ13の操作に基づいてリール停止制御を行う。但し、スタートスイッチ12の操作に基づく役抽選処理やストップスイッチ13の操作に基づく入賞判定処理または払い出し制御処理は行わない。
【0096】
疑似遊技フリーズ演出では、ストップスイッチ13が操作されたタイミング、特定のリールが回転したタイミング、又は、全てのリールが停止したタイミングで上下に揺動する動きを行ってもよい。これにより、通常の遊技であるか疑似遊技フリーズ演出であるかを示唆することができる。
【0097】
(
設定変更手段112)
設定変更手段112とは、設定変更モードか否かを監視し設定変更モードであるときに1から6の設定値のうち何れかの設定値を決定する手段であり、設定値ごとに役の当選確率が異なる役抽選テーブルを設けている。何れかの設定値を決定した後は、次に設定変更手段112による設定値の変更が行われるまで、決定した設定値に対応する当選確率の役抽選テーブルを設定し続ける。
【0098】
設定変更手段112は、スロットマシン1の電源が投入されていない状態において、管理者により設定変更に用いる設定キーが回転操作され、設定キースイッチ信号がオンになる回転位置に設定キーを保持された状態でスロットマシン1の電源が投入されると、スロットマシン1の電源投入を契機として設定キースイッチ信号をオンにする。
【0099】
設定変更手段112は、設定キースイッチ信号がオンであり、ドア開放信号がオンであり、かつ、設定変更可能フラグがオンであると判定したときは、スロットマシン1の設定値を変更可能な設定変更モードを起動する。
【0100】
設定変更可能フラグは遊技状態に応じてオンとオフを切り替える。例えば、ボーナス遊技やRT遊技を開始したときや、スタートスイッチ12が操作されてメダル受付が不可能な状態になったときは、設定変更可能フラグをオフにして、ボーナス遊技やRT遊技を終了したときや、メダル受付が可能な状態になったときは、設定変更可能フラグをオンにする。
【0101】
本実施形態では、ボーナス遊技開始時に設定変更可能フラグをオフにしたが、これに限らずボーナス遊技開始時でも設定変更可能フラグをオンの状態に維持してもよいし、特定のボーナス遊技が開始したときのみ設定変更可能フラグをオンの状態に維持してもよい。
【0102】
設定変更モードを起動すると、メダルセレクタ34に設けられたブロッカをオフにして、メダル投入による遊技の開始を行うことができないようにする。設定変更モードで変更できる設定値は、「1」、「2」、「3」、「4」、「5」、「6」の6段階あり、設定値が高くなるごとに、遊技者にとって有利な役抽選テーブルを設定する。これにより、設定値の高い方が遊技全体のメダルの賭け枚数に対するメダル払い出し枚数の割合(出率)の高い役抽選テーブルとなるので、遊技者にとって有利な役抽選テーブルとなる。
【0103】
設定変更モードを起動した後は、現在の設定値を判定する。そこで現在の設定値が正常な範囲内にあると判定すると、その設定値をセットし、現在の設定値が正常な範囲外にあると判定すると、設定値として「1」の値をセットする。
【0104】
設定変更モードを起動した後は、設定変更モードであることを報知するために、セグメント表示器64やLEDを点灯する。そして、セットした設定値を表示するための設定値表示データをセットして、スロットマシン1のフロントパネル2前面に配置したクレジット数表示器26と、スロットマシン1のフロントパネル2裏面に配置された設定表示LED(図示しない)を点灯して、設定値を表示する。
【0105】
設定変更モードを起動した後は、スタートスイッチ12センサ信号がオンであるか否かを判定し続け、スタートスイッチ12が操作されたことに基づいてスタートスイッチ12センサ信号がオンになったと判定したときは、設定値を決定し設定表示LEDに現在の設定値を表示する。一方、スタートスイッチ12センサ信号がオンであると判定していない状態で、設定スイッチ信号がオンになったと判定したときは、設定スイッチ立ち上がりデータをクリアして、現在の設定値が最大設定値(設定値「6」)以上であるか否かを判定して、現在の設定値が最大設定値(設定値「6」)以上であると判定したときは設定値のデータをクリアしてからクリアした設定値にインクリメントし、現在の設定値が最大設定値未満(設定値「1」〜「5」)であると判定したときは現在の設定値にインクリメントする。
【0106】
その後、セットした設定値を表示するための設定値表示データを再度セットして、スロットマシン1のフロントパネル2前面に配置したクレジット数表示器26と、スロットマシン1のフロントパネル2裏面に配置した設定表示LEDを点灯して、現在の設定値を表示する。
【0107】
スタートスイッチ12センサ信号がオンであると判定して設定値を決定したときは、設定キーが回転されることにより設定キースイッチ信号がオフになるか否かを判定し続ける。そして、設定キースイッチ信号がオフであると判定したときは、決定した設定値をメインRAM56に保存して獲得枚数表示器27と設定表示LEDを消灯し、メダルセレクタ34に設けられたブロッカをオンにすることで設定変更モードを終了する。
【0108】
設定変更モードを起動した後にスタートスイッチ12センサ信号がオンであると判定していない状態で、設定キーが回転され、設定キースイッチ信号がオフになっても設定変更モードを終了せずに設定変更モードを維持する。この状態でスタートスイッチ12信号がオンであると判定したときは、復帰不可能エラー処理を行う。
【0109】
設定変更モードを起動した後にスタートスイッチ12センサ信号がオンであると判定していない状態で、設定キーが回転され、設定キースイッチ信号がオフになり、この状態で設定スイッチが操作されたときは通常の設定値変更処理を行う。その後スタートスイッチ12信号がオンになる前に設定キーが回転され、設定キースイッチ信号がオンになり、スタートスイッチ12信号がオンになったときは通常の設定変更モード終了処理を行う。
【0110】
また、ドア開放信号がオフであるときに設定キースイッチ信号がオンであると判定したときは、スロットマシン1の不具合や悪意の第三者による不正が行われている可能性があるため、設定値を決定するときに変更操作後の設定値から設定値を「1」に変更して設定値をセットする。つまり、遊技者にとって最も不利な役抽選テーブルを設定するか、復帰不可能エラー処理を行う。
【0111】
最も不利な役抽選テーブルは、設定可能な設定値のうちで最も不利な役抽選テーブルが望ましいが、通常では設定されない特殊な設定値としてもよい。そのときの特殊な設定値の役抽選テーブルには、ボーナスの当選確率を0にする等、有利な状態に移行しない(ボーナス遊技状態に移行しない)役抽選テーブルや、払い出し枚数が通常よりも少ない枚数に設定した役抽選テーブル等が挙げられる。
【0112】
(
役抽選手段120)
役抽選手段120とは、乱数を用いて役抽選テーブルから抽選結果として役またはハズレを決定する役抽選を行う手段である。乱数発生器122で生成した乱数を用いて役抽選を行い、役抽選の抽選結果において決定した役に対応するフラグを立てる。
【0113】
(
役の種類)
スロットマシン1に設ける役の種類は、大別して、ボーナス、小役、リプレイがある。このうち、ボーナスには、BB、RB、MBを含む。
【0114】
ボーナスは、予め定められた場合に作動する役物を意味している。一般的には、表示窓4の有効ライン上に「7・7・7」や「7・7・バー」の図柄組合せを停止表示させたときに作動する。ボーナスに関する役物の作動により、規定数ごとの入賞に係る図柄組合せの数が変化したり、規定数ごとの入賞に係る図柄組合せの条件装置作動確率が変更されたりする。
【0115】
BBはビッグボーナスの略称であり、第一種特別役物連続作動装置とも称される。BBは、小役入賞に係る465枚を超える遊技メダルの払い出しが終了条件として設定され、BB中は小役(後述する)の当選確率を通常役抽選テーブルよりも高く設定したBB中役抽選テーブルを用いて役抽選を行う。なお、BB中はBB中役抽選テーブルを設けなくてもよい。例えば、後述するRB中役抽選テーブルをBBの終了条件を満たすまで連続作動させるものをBB中役抽選テーブルと称してもよい。
【0116】
RBは、レギュラーボーナスの略称であり、第一種特別役物とも称される。RBは、一般的には8回の小役入賞か12回の遊技結果を得ることを終了条件として設定され、RB中は小役の当選確率を通常役抽選テーブルよりも高く設定したRB中役抽選テーブルを用いて役抽選を行う。
【0117】
MBは、ミドルボーナスの略称であり、第二種特別役物連続作動装置とも称される。MBには、小役入賞に係る253枚を超えるメダルの払い出し、RB当選、又はSB(本明細書では省略する)当選を終了条件として設定され、MB中は役抽選の結果に関わらず小役に関するフラグが全て立っているMB中役抽選テーブルを用いて役抽選を行う。また、MB中は予め定めたリールに関して、通常の停止制御とは異なる制御とする。例えば、MB中は左リール8aを75ミリ秒以内で停止制御を行うようにすることが考えられる。なお、MB中はMB中役抽選テーブルを設けなくてもよい。
【0118】
本実施形態におけるBBは、BB中役抽選テーブルを用いて役抽選を行うとしたが、これに限られず、BB中は通常役抽選テーブルと小役の当選確率が同一の確率に設定されているとともにRBの当選確率が上昇したBB一般役抽選テーブルと、小役の当選確率を通常役抽選テーブルよりも高く設定したRB中役抽選テーブルを用いて遊技を行ってもよい。この場合であっても、BBでは、小役入賞に係る465枚のメダルを超える払い出しを終了条件として設定していることに変わりはない。また、これらボーナスに関する制御を司るものを総称して特別遊技制御手段151という。
【0119】
小役は、当選した小役に基づく図柄組合せが有効ライン上に停止表示され、入賞判定手段140(後述する)により入賞と判定したときに、停止表示した図柄組合せに基づくメダルの払い出しを行う役であり、本実施形態では条件装置番号15〜34、36が該当する。また、小役に関する図柄組合せは
図27、28、29、30に記載されており、本実施形態では図柄組合せが表示されたときの最大払い出しますは9枚、最小払い出し枚数を1枚と設定している。
【0120】
リプレイは、当選したリプレイに基づく図柄組合せが有効ライン上に停止表示され、入賞判定手段140により入賞と判定したときに、メダルを投入することなく次の遊技を行うことができる役であり、本実施形態では条件装置番号1〜14、35が該当する。
【0121】
役抽選の抽選結果において、ボーナス、小役、及び、リプレイのいずれの役にも当選しなかったときは、ハズレとなり、後述する入賞処理を行わない。ハズレとなったときは有効ラインにいずれの役にも係らない図柄組合せを停止表示する。
【0122】
役抽選により抽選が行われる役のうち、BB、RB、及び、MBに関して、当選した遊技で図柄組合せが有効ライン上に停止表示されなかったときは、次遊技以降に当選フラグを持越すことができる(特別役持越手段146)。当選フラグ持越し中は、当選フラグ持越し前の役抽選テーブルを用いて役抽選を行ってもよいし、当選フラグに応じた持越中役抽選テーブルを用いて役抽選を行ってもよい。持越中役抽選テーブルを用いているときに、当選したBB、RB、又はMBに基づく図柄組合せが有効ライン上に停止表示した場合は、役抽選テーブルの移行条件を満たすと判断し、持越中役抽選テーブルから当選フラグに対応する役抽選テーブルに移行する。
【0123】
(
乱数発生器122)
何れかの役抽選テーブルを用いて役抽選を行うときに、乱数の値をもとに、役抽選テーブルの値と照合して役抽選を行う。乱数には、ソフトウェアで生成するソフト乱数と、ハードウェアで生成するハード乱数と、チップに組み込まれている内蔵乱数がある。
【0124】
ソフト乱数とは、メインCPU105の処理である割込み処理において発生する乱数であり、割込み処理の乱数更新処理において、カウンタの値をインクリメントする。割込み処理では、スロットマシン1の電源が投入されている間は、2.235ミリ秒ごとに処理を起動し、起動した割込み処理内の乱数更新処理においてカウンタの値にインクリメントする。
【0125】
ハード乱数とは、メインCPU105とは独立して設けられた(メインCPU105の動作とは非同期の)、水晶発振器114からの振動をもとに発生する乱数であり、水晶発振器114からの振動をカウンタICで取得し、取得するごとにカウンタの値にインクリメントする。
【0126】
内蔵乱数とは、0から65535までの値を予めランダムに配置した一の配列から、固有の内蔵乱数更新周期のタイミングにおいて一の配列に定められた値を更新することで発生する乱数であり、チップごとに異なった配列が設定されている。
【0127】
(
乱数抽出手段124)
乱数抽出手段124は、ソフト乱数、ハード乱数、又は、内蔵乱数で発生した乱数値を、遊技者のスタートスイッチ12の操作に基づいたスタートスイッチ受付け信号を受信したタイミングで抽出する手段である。ソフト乱数、ハード乱数に関しては、カウンタを高速で更新するため、抽出したタイミングによって値がランダムに異なるため乱数として用いることができる。
【0128】
ソフト乱数、ハード乱数においてはインクリメントしたカウント値が65535に到達し、65536へインクリメントする場合は、再度0からのインクリメントを開始する。内蔵乱数においては配列の終端である65536個目の乱数値を更新した場合は、再度配列の始端の乱数値から更新を開始する。これらのカウンタ値、又は、乱数値は、スロットマシン1の電源が投入されている間は更新し続ける。
【0129】
(
乱数生成手段126)
乱数生成手段126は、乱数抽出手段124で抽出したカウント値、又は乱数値をもとに、リフレッシュレジスタ(Rレジスタ)の値を加算して、役抽選に用いる乱数を生成する手段である。また内蔵乱数の値にソフト乱数の値を四則演算して新たな乱数を生成することもできる。
【0130】
(
乱数判定手段128)
乱数判定手段128は、乱数生成手段126にて生成された役抽選に用いる乱数値が正常な値であるか否かを判定する。正常であれば生成された乱数値を使用し、異常であればエラーが生じた旨をランプ、スピーカS等にて出力することが挙げられる。
【0131】
(
役抽選テーブル)
役抽選テーブルには、複数種類の役に対する当選確率が定めており、遊技状態に応じて複数種類の役抽選テーブルを設けている。例えば、BB中に使用するBB中役抽選テーブルや、MB中に使用するMB中役抽選テーブル等が該当する。
【0132】
役抽選テーブルには、1種類の図柄組合せが有効ライン上に停止表示可能な単独当選役や、複数の図柄組合せが1または複数の有効ライン上に停止表示可能な重複当選役を役抽選の抽選結果に応じて設定する。
【0133】
重複当選役として設定している複数の図柄組合せは、全ての図柄組合せを操作態様に応じて一の当選役を停止表示可能に設定してもよいし、一部の図柄組合せを停止表示不可能に設定してもよい。この重複当選した役の内、一部の停止表示不可能な図柄組合せに対応する役のことを制御用役と称することもある。
【0134】
制御用役の役割としては、複数の役抽選結果として同一の図柄組合せを有効ラインに停止表示可能な場合であっても、重複当選役として設定している制御用役の種類に応じて停止表示する有効ラインを異ならせるように制御することができる役割を担っている。
【0135】
(
当選フラグ制御手段148)
当選フラグ制御手段148とは、役抽選の抽選結果でいずれかの役が当選したときは、当選した役に対応するフラグをオンにする。そして、遊技者によって全てのストップスイッチ13が操作され、当選した役に係る入賞処理を終了するときに当選した役に対応するフラグをオフにする。
【0136】
また、上述したBB、RB、及び、MBに関しては、当選した遊技でフラグをオンにするが、全てのストップスイッチ13が操作されたときに当選したBB、RB、又はMBの図柄組合せが有効ライン上に停止表示していない場合は、次遊技以降にフラグをオンの状態で持越し、上述した持越中役抽選テーブルを設定し、当選したBB、RB、又はMBの図柄組合せが停止表示して当選役に係る入賞処理を終了したことにより、BB、RB、又はMBに対応するフラグをオフにする。
【0137】
(
RT)
また、役抽選テーブルには、RT役抽選テーブルを設ける。RTとは、役抽選においてリプレイの当選確率が通常役抽選テーブルと比べて異なる遊技状態であり、リプレイタイムの略称である。
【0138】
RTの具体的な使用例として、通常役抽選テーブルのハズレの領域をリプレイに置換えてリプレイの当選確率を増加するようにしてもよいし、通常役抽選テーブルのリプレイの領域をハズレに置き換えてリプレイの当選確率を減少するようにしてもよい。
さらに、通常役抽選テーブルとリプレイの領域は同一であるが、リプレイの領域内で当選するリプレイの種類を異ならせるようにしてもよい。
スロットマシン1では、複数のRT役抽選テーブルを設けており、それぞれ所定の移行条件を満たすと他のRT状態に移行するように構成している。
【0139】
RT役抽選テーブルの移行条件としては、後述する入賞判定手段140により以下の条件を挙げることができる。
1:特定の図柄組合せ(ボーナスに関する図柄組合せ、RT移行図柄組合せ)が停止表示したとき
2:ボーナスが当選したとき
3:ボーナスのうちBB、RB、又はMBが終了したとき
4:特定の図柄組合せ(RT移行図柄組合せ)が停止表示されてから規定回数の遊技を消化したとき
5:BB、RB、又はMBが終了してから規定回数の遊技を消化したとき
これらのRT役抽選テーブルの移行条件は遊技性に応じて適宜設定できる。
【0140】
本実施形態では、RTは全部で5つ(非RTとRT1〜3、ボーナス作動中:
図22参照)である。非RT、RT1、RT2についてはボーナスが持ち越されていない(MBフラグがオフ)状態に滞在可能であり、RT3はボーナスが持ち越されている(MBフラグがオン)状態に滞在可能であり、ボーナス作動中はMBフラグがオンのときでありMBに関する図柄組合せが表示された場合に滞在可能である。以下、非RT、RT1、RT2の状態を非内部中、RT3の状態を内部中、ボーナス作動中の状態をボーナスと記載しているが、これに限らず他の場合を設けても良い。本実施形態では、全回胴停止してから次遊技が開始されるまでの期間でボーナスやRTの状態を変更する処理が記載されているが、これに限らず、遊技中に状態が切り替わるようにしてもよい。つまり、内部中を経由せずに直接ボーナスに移行する場合でもよい。
【0141】
各RT状態は前述した1〜5のいずれかの条件を満たすことで移行が可能となっている。
例えば、非RTとRT2状態でパターン図柄01(
図22の1、
図30)が停止表示されるとRT1へ移行するように制御し、RT1とRT2状態で再遊技05(
図22の2、
図26)が停止表示されると非RTへ移行するように制御し、RT1状態で再遊技06(
図22の3、
図26)が停止表示されるとRT2へ移行するように制御し、非RT、RT1、RT2状態で抽選結果がMBであり、かつ、MBに関する図柄組合せが表示されなかったとき(
図22の4、
図26)はRT3へ移行するように制御し、MBに関する図柄組合せが表示されたとき(
図22の5、
図26)はボーナス作動中へ移行するように制御し、ボーナス作動中状態で所定の払い出し枚数(ここでは、9枚)を超える払い出しが行われたこと(
図22の6)で非RTへ移行するように制御する。
【0142】
また、1〜6の条件だけに限らず、メインメモリに記憶されているMBフラグをオフにすることで非RTへ移行するように制御してもよいし、電源断処理又は設定変更処理時にMBフラグをオフにするようにしてもよいし、これらを組み合わせても良い。
【0143】
(
置数)
役抽選手段120による抽選置数について、
図24について説明する。
抽選置数を変更できる条件として、ベット数が異なる場合、設定値を変更した場合、ボーナス遊技中であるときが挙げられる。ベット数が異なるとは、3枚ベット遊技時と2枚ベット遊技時のことを指しており、ベット数に応じて全ての抽選置数を変更可能である。設定値については、遊技機にはホール管理者が営業の方針で定める総メダル払い出し期待値を設定する値であり、主に1〜6の6段階設けられている。ボーナス遊技中とは、ボーナス遊技中に移行することで抽選置数を変更することができる。なお、
図24のRT2に記載されている(※)については、MBと再遊技−A条件装置が同時当選しているため、本実施形態では(※)と表記しているが、RT2中でもMBの当選確率に変化はない。RT2中はMBと再遊技−A条件装置が同時当選していると記載しているが、これに限らず入賞に関する条件装置(15〜34)いずれかと同時当選するようにしてもよいし、単独当選するようにしても良い。
【0144】
(
リプレイの置数変更)
抽選置数について、上述した1〜5の条件を満たした場合にリプレイに関する抽選置数に限り置数を変更することができる。例えば、非RTとRT1のリプレイ確率1/7.3であるのに対し、RT2とRT3のリプレイ確率は1/1.5と設定されている。これにより、リプレイ確率が高い状態で遊技をすることでメダルの減少を抑制し、遊技性に興趣を与えることができる。
【0145】
(
リール制御手段130)
リール制御手段130は、スタートスイッチ12が操作されたときに、停止しているすべて(3つ)のリールの回転を開始するように制御するもの(回転制御手段132)、又はストップスイッチ13が操作されたときに、回転しているすべてのリールを停止(停止制御手段134)するように制御するものである。さらに、役抽選手段120により抽選結果を決定した後、当該遊技の抽選結果に対応した図柄制御番号を参照して、図柄制御番号に対応する停止テーブルを選択するとともに、ストップスイッチ13の操作タイミングに対応するリールの停止位置を決定してステッピングモータ66を駆動制御することにより、その決定した停止位置に各リールを停止制御する。また、リール制御手段130は、前回遊技のリールの回転開始直前から所定時間(本実施形態では4.1秒)経過する前に当該遊技のスタートスイッチ12が操作されたときは、所定時間の経過後にステッピングモータ66の駆動制御を行うことでリールを回転させる。
【0146】
(
定速回転、停止制御作動時間)
リール制御手段130は、スタートスイッチ12が操作されたときにリールの回転速度を定速にするための加速制御を行い、リールの回転速度を定速に維持するための定速制御を行い、ストップスイッチ13が操作されたときに減速制御を行い、リールを予め決定した停止位置に停止させる。本実施形態では、リールが定速で回転する時間は1分間に80回転と定め、ストップスイッチ13の操作から190ミリ秒以内に該リールを停止させる制御を行う。本実施形態では、ストップスイッチ13の操作受付時に表示窓4領域に存在する図柄を含めて4図柄先までを引き込むことが可能である。例えば、第1メインリールに対応する有効ライン上に3番のリプレイ図柄が表示されている場合は、左ストップボタンが停止操作されたときは3番のリプレイ図柄を含み最大で6番のスイカ図柄を停止させることができる。
【0147】
(
すべり制御、蹴飛ばし、引き込み)
すべり制御とは、ストップスイッチ13が操作されたタイミングで停止しないときに、当選役と操作タイミングに基づいた図柄制御番号に予め定められた停止位置までリールを回転させる制御である。すべり制御には、蹴飛ばし制御と引き込み制御があり、蹴飛ばし制御とはストップスイッチ13の停止受付け時に有効ライン上に当選役に基づかない入賞に伴う図柄がある場合は、当選役に関する図柄と異なりメダルの払い出しを必要とするため、有効ライン上に当選役とは異なる図柄が停止させないようにリールを回転させる制御のことをいう。例えば、左リール8aに付されている図柄の停止表示でのみ入賞が確定する役が存在し当該役に非当選のとき、停止受付位置により有効ライン上で停止受付を行ったときは有効ライン上に当該図柄を停止表示させないように制御することをいう。引き込み制御とは、ストップスイッチ13の停止受付時に有効ライン上に当選役に基づいた入賞に伴う図柄がない場合で、当選役に関する図柄を有効ライン上に停止表示させることが可能であるときは当選役に関する図柄を予め定めた停止位置まで回転させる制御のことをいう。例えば、左リール8aに付されている図柄の停止表示でのみ入賞が確定する役が存在し当該役に当選のとき、表示窓4外に該当選役に関する図柄が存在し、停止受付位置から有効ライン上に停止表示させることが可能であるときは、有効ライン上に停止表示させるように制御する。
【0148】
(
技術介入を必要としない図柄組合せ)
技術介入を必要としない図柄組合せとは、リールが回転している時に任意のタイミングでストップスイッチ13が操作されても、当選している役の図柄組合せを必ず有効ライン上に停止表示することが可能であることを意味する。例えば、引き込み範囲内に常に当選役に関する図柄が存在する場合は、任意のタイミングでストップスイッチ13を操作しても必ず有効ライン上に当選役に関する図柄を停止表示させることができるので、このような当選役に関する図柄からなる図柄組合せは技術介入を必要としない図柄組合せであるといえる。以下、技術介入を必要としない引込率のことをPB=1と称す。例えば、リプレイとベルについては図柄毎に3コマ間隔で配置されていることから、必ず有効ライン上に引き込むことができる
【0149】
PB≠1とは、リールが回転している時に適宜のタイミングでストップスイッチ13が操作された時に、当選している役の図柄組合せを必ず有効ライン上に停止制御することが可能となることを意味する。例えば、引き込み範囲内に当選役に関する図柄が存在しない箇所がある場合は、適宜のタイミングでストップスイッチ13を操作しないと有効ライン上に当選役に関する図柄を停止表示させることができないので、このような当選役に関する図柄の引込率はPB≠1であるといえる。つまり、ストップスイッチ13が操作されてから表示窓4内の当該図柄を含めて最大で4図柄より当選役に関する図柄が離れている場合は引き込むことができない。例えば、スイカやチェリーのような3コマ間隔で配置されていない場合は引き込むことができないため、有効ライン上に停止表示させることができない。
【0150】
(
小役優先制御、ボーナス優先制御)
優先制御とは、当該遊技で複数の条件装置フラグがオン状態であるときに、予め定められた条件装置フラグに関する図柄を優先して有効ライン上に停止表示するように制御することであり、主な種類として、小役優先制御、ボーナス優先制御が挙げられる。
【0151】
小役優先制御とは、特別役持越手段146により、次遊技に持ち越すことが不可能な小役に関する条件装置フラグと次遊技に持ち越すことが可能なボーナスに関する条件装置フラグがオン状態のときに、停止操作タイミングでボーナスに関する図柄と小役に関する図柄の双方を有効ライン上に引き込むことが可能であった場合は、小役に関する図柄を有効ライン上に停止表示するように制御することである。
【0152】
ボーナス優先制御とは、特別役持越手段146により、次遊技に持ち越すことが不可能な小役に関する条件装置フラグと次遊技に持ち越すことが可能なボーナスに関する条件装置フラグがオン状態のときに、停止操作タイミングでボーナスに関する図柄と小役に関する図柄の双方を有効ライン上に引き込むことが可能であった場合は、ボーナスに関する図柄を有効ライン上に停止表示するように制御することである。例えば、PB=1の小役に関する条件装置フラグとPB≠1のボーナスに関する条件装置フラグがオン状態のときには、停止操作タイミングがボーナスに関する図柄を引き込めるタイミングである場合は、ボーナスに関する図柄組合せを有効ライン上に停止表示するように制御する。
【0153】
優先制御には、リプレイと小役、リプレイとボーナス、又は、リプレイと小役とボーナスのそれぞれの条件装置フラグが同時にオン状態となったときは、停止優先度の関係として以下のような定義付けを行うことも可能である。
リプレイ > 小役 ≧ ボーナス (小役優先制御)
リプレイ > ボーナス ≧ 小役 (ボーナス優先制御)
本実施形態では、小役優先制御を採用しているため、ボーナス内部中に小役(入賞−A1〜C6条件装置)が当選した場合は小役に関する図柄組合せを優先して表示するように制御するが、ボーナス内部中に入賞A1‐条件装置に当選した場合であり、最初に左ストップスイッチ13aをベル又はBARを引き込める位置で停止操作をした場合は、小役とボーナスに関する図柄組合せBARを引き込むように制御することで、正解操作順で操作された場合であっても、操作タイミングに応じてボーナス又は入賞役のいずれかを引き込ませることが可能となるため、飽きさせることなく遊技を進行させることができる。これは、ベルを含む図柄組合せとBARを含む図柄組合せの払い出し枚数が同数であることから、小役に関する優先順位は同列となっているためである。
これに限らず、ボーナスと小役が同時当選した場合でも小役に関する図柄組合せを優先して表示するようにしてもよい。
【0154】
(
停止位置決定テーブル)
停止位置決定テーブルとは、役抽選手段120による役抽選の結果で定まる図柄制御番号に対応して設けられており、ストップスイッチ13の操作タイミングに対応したリールの停止位置を予め定めたものである。停止位置決定テーブルには、BB当選時停止位置決定テーブル、RB当選時停止位置決定テーブル、SB停止位置決定テーブル、小役当選時停止位置決定テーブルやリプレイ当選時停止位置決定テーブルが該当する。
【0155】
BB当選時停止位置決定テーブルとは、役抽選の結果でBBに当選しBBに関する条件装置フラグのみがオン状態であるとき、又は当該遊技以前に役抽選の結果でBBに当選しBBに関する条件装置フラグをオン状態で持ち越しているときであって、当該遊技で役抽選の結果非当選であるときに、有効ライン上にBBに関する図柄が停止可能な範囲内でストップスイッチ13が操作された場合は、有効ライン上にBBに関する図柄を停止表示させるように予め停止位置が定められている。そして、有効ライン上にBBに関する図柄が停止表示不可能な範囲内でストップスイッチ13が操作された場合は、BBに当選したことを示唆するような図柄を停止させるように予め停止位置が定められている(BBリーチ目)。また、当該遊技以前に役抽選の結果でBBに当選しBBに関する条件装置フラグをオン状態で持ち越しているときに、当該遊技で役抽選の結果が小役又はリプレイ当選であるときは、小役又はリプレイ優先制御により小役又はリプレイを引き込むが、BB非当選時とは異なる小役又はリプレイ引き込み制御を行うことで、BB当選を示唆する停止出目を停止表示することができる。
【0156】
RB当選時停止位置決定テーブルとは、役抽選の結果でRBに当選しRBに関する条件装置フラグのみがオン状態であるとき、又は当該遊技以前に役抽選の結果でRBに当選しRBに関する条件装置フラグをオン状態で持ち越しているときであって、当該遊技で役抽選の結果非当選であるときに、有効ライン上にRBに関する図柄が停止可能な範囲内でストップスイッチ13が操作された場合は、有効ライン上にRBに関する図柄を停止表示させるように予め停止位置が定められている。そして、有効ライン上にRBに関する図柄が停止表示不可能な範囲内でストップスイッチ13が操作された場合は、RBに当選したことを示唆するような図柄を停止表示させるように予め停止位置が定められている(RBリーチ目)。また、当該遊技以前に役抽選の結果でRBに当選しRBに関する条件装置フラグをオン状態で持ち越しているときに、当該遊技で役抽選の結果が小役又はリプレイ当選であるときは、小役又はリプレイ優先制御により小役又はリプレイを引き込むが、BB非当選時とは異なる小役又はリプレイ引き込み制御を行うことで、RB当選を示唆する停止出目を停止表示することができる。
【0157】
小役当選時停止位置決定テーブルとは、役抽選の結果で小役に当選したときに用いられ、小役に関する図柄を有効ライン上に停止表示させるように予め停止位置が定められている。また、有効ライン上に小役に関する図柄が停止表示不可能である場合には、小役当選したことを示唆するような停止制御(小役こぼし目)を行う。
【0158】
リプレイ当選時停止位置決定テーブルとは、役抽選の結果でリプレイに当選したときに用いられ、リプレイに関する図柄を有効ライン上に停止表示させるように予め停止位置が定められている。
【0159】
(
操作順番検出手段138)
操作順番検出手段138とは、メイン制御基板100で管理をし、遊技者が操作する複数のストップスイッチ13のうち、いずれの操作順番で操作されたかを検出するものであり、メイン制御基板100で検出したストップスイッチ13の操作順番をサブ制御基板1000へ送信することでサブは対応する画像又は音声を出力する。具体的には、所定周期の割込み処理において入力ポートをチェックし、入力ポートのチェック時に所定のストップスイッチ13の操作を検出したときは検出結果をメイン制御基板100又はサブ制御基板1000に送信し、メイン制御基板100又はサブ制御基板1000は操作スイッチに関する検出結果の受信した順番により操作順番を検出する。
【0160】
(
操作順番制御)
操作順番制御とは、当選役に応じて予め定められており、ストップスイッチ13の操作順番に応じて図柄の停止位置を変更し、設定された有効ラインに停止表示する図柄組合せを異ならせるように制御することである。停止操作順番のパターンとしては、3つのストップスイッチ13に対しての操作順番組合せは6通り(左中右、左右中、中左右、中右左、右左中、右中左)ある。当選役と操作順番に応じて停止表示する図柄組合せが異なるように制御することも可能である。後述するが、重複当選した際に、操作順番に応じて有効ライン上に停止表示する図柄組合せを異ならせることもできる(個数優先制御、枚数優先制御)。また、停止操作順番に応じて遊技媒体の払い出し枚数を異ならせることも可能である。
【0161】
(
小役引込優先制御について)
入賞することでメダルを払い出す小役が単独当選しているときに、小役に関する図柄を引き込める場合は、小役に関する図柄を引き込む制御を行う。小役が重複当選している場合は、当選しているすべての入賞役に対応する図柄組合せを、すべて有効ライン上に停止表示させることが可能である場合はすべての入賞役に対応する図柄組合せを引き込むように制御するが、小役とボーナス役が重複当選しているときは、優先制御で上述した小役かボーナス役のいずれかを優先して停止するようにし、双方が同時に有効ライン上に停止表示しないような制御を行う。
(
入賞判定手段140)
入賞判定手段140とは、有効ライン上に役を構成する図柄組合せが停止表示したか否かを判定する手段である。有効ライン上に役を構成する図柄組合せが停止表示したと判定したときは、停止表示した図柄組合せに基づいた入賞処理を行い、有効ライン上に役を構成する図柄組合せが停止表示したと判定しなかったときは、ハズレに基づく処理を行う。
【0162】
入賞処理とは、有効ライン上に停止表示した図柄組合せに基づいて、遊技者に特典を付与する処理である。小役に基づく図柄組合せが停止表示したときの入賞処理としては、停止表示した図柄組合せに基づくメダルの払い出し(払出し手段142)や、停止表示した図柄組合せに基づいて遊技状態を移行する処理であり、リプレイに基づく図柄組合せが停止表示したときの入賞処理としては、リプレイの権利を与えることや、停止表示した図柄組合せに基づいて遊技状態を移行する処理であり、ボーナスに基づく図柄組合せが停止表示したときの入賞処理としては、停止表示した図柄組合せに基づいて遊技状態を移行する処理である。
【0163】
しかし、これに限らず、入賞判定手段140の結果がハズレとなったときには、ハズレに基づく入賞処理を行い、入賞処理の結果として遊技者に特典を付与しないという処理を行ってもよい。また、ハズレに基づく入賞処理として、ハズレとなったときの操作態様に応じて遊技状態を移行してもよい。例えば、ハズレとなったときに予め定めた操作順番に応じて全てのストップスイッチ13が操作されたときは、フリーズ当選確率が異なる遊技状態に移行することが挙げられる。また、小役の取りこぼしによる見た目上のハズレの場合であっても、払い出しを行わずに、RT状態の移行など遊技状態の移行制御を行うなどの入賞処理を行うこともできる。さらに、ボーナスに基づく入賞処理として停止表示した図柄組合せに基づくメダルの払い出し(払出し手段142)やリプレイの権利を与えることを付加してもよい。
【0164】
遊技状態を移行する処理とは、移行する遊技状態に応じた役抽選テーブルを設定すること、移行する遊技状態に応じたリール制御を設定すること、移行する遊技状態に応じたフリーズ当選確率を設定すること、又はこれらの組合せである。
【0165】
入賞判定手段140は、入賞した図柄組合せを判定すると、有効ラインに停止表示された入賞図柄組合せ情報(停止出目情報)、及び、役抽選結果情報をサブ制御基板1000に送信する。一方、サブ制御基板1000はこれらの情報を受信すると、入賞図柄組合せ情報、及び、役抽選結果情報に応じた演出を表示装置32、ランプ、又はスピーカSを用いて出力することができる。
【0166】
(
払出し手段142)
払出し手段142は、入賞判定手段140により小役が入賞したと判定したときに、入賞した小役に応じて予め定められたメダルを払い出す手段である。
【0167】
入賞判定手段140は、全ての有効ラインにおいて入賞の判定を行い、判定の結果、複数の有効ライン上に、重複当選役に基づく図柄組合せが複数停止表示したときは、停止表示した複数の図柄組合せの各々に対して入賞処理を行う。
【0168】
例えば、払い出し枚数として2枚と設定した小役と、払い出し枚数として10枚と設定した小役が、複数の有効ラインに停止表示しているときの入賞処理としては、2枚と設定した小役に基づく払い出し枚数と10枚と設定した小役に基づく払い出し枚数とを合算して、12枚の払い出しを行う。
【0169】
そして、1回の払い出し枚数には上限を設定し、複数の小役に基づく図柄組合せを有効ライン上に停止表示したときに、払い出し枚数の上限値を超えるときは、上限値の枚数を払い出す。
【0170】
例えば、払い出し枚数の上限値を15枚に設定して、払い出し枚数として12枚と設定した小役と、払い出し枚数として10枚と設定した小役が複数の有効ラインに停止表示しているときの入賞処理としては、12枚と設定した小役と10枚と設定した小役の合算値が上限値を超えるときは、上限値である15枚の払い出しを行う。
【0171】
本実施形態では、小役に対してのみメダルを払い出すように設定しているが、リプレイに基づく入賞処理として、賭け枚数分のメダルを払い出してもよいし、ボーナスに基づく入賞処理として予め設定している枚数のメダルを払い出してもよい。
【0172】
(
プログラム開始処理フロー)
メイン制御基板100において実行するプログラム開始処理について
図5のフローチャートを用いて説明する。
【0173】
メイン制御基板100は、電源が投入されると、まず、仮スタックポインタをセットし(S1)、割込みモードとして定期的に実行される割込みをセットする(S2)。割込みモードをセットするとメイン制御基板100のCPUの機能設定を行う(S3)。CPUの機能設定が終わると、電源断復帰データを作成するRAMチェック処理を行う(S4)。電源断復帰データとしては、電源断処理が正常に行われているか否か、保存スタックのアドレスが範囲内か否か、全RAMのチェックサムが正常か否かを含み、3つの条件の全てを満たす場合は電源断復帰データが正常と判定し、1つでも満たさない場合は電源断復帰データが異常と判定する。
【0174】
RAMチェック処理が終わると、自動清算スイッチ62及び打止切換スイッチ60のオン/オフの状態であるスイッチ状態をセットする(S5)。
スイッチ状態をセットすると、設定キースイッチ信号及びドア開放検知スイッチ信号の状態をチェックし、設定キースイッチ37及びドア開放検知スイッチが共にオンか否かを判定する(S6)。
【0175】
設定キースイッチ37及びドア開放検知スイッチがオンである場合は(S6のYES)、次に電源断復帰データが異常、又は復帰不可能状態か否かを判定する(S7)。電源断復帰データが異常、又は復帰不可能状態でない場合は(S7のNO)、次に設定変更が可能な状態か否かを示す設定変更可能フラグがオンか否かを判定する(S8)。設定変更可能フラグがオンである場合(S8のYES)は
図11の設定変更処理へ移行する(S9)。又、電源断復帰データが異常又は復帰不可能状態である場合(S7のYES)も同様に設定変更処理へ移行する。そして、設定変更処理後は
図10の遊技進行メインへ移行する(S13)。
【0176】
設定キースイッチ37及びドア開放検知スイッチがオンでない場合(S6のNO)及び、設定変更可能フラグがオフである場合は(S8のNO)、RAMチェック処理で作成する電源断復帰データが正常か否かを判定する(S10)。電源断復帰データが正常でない場合(S10のNO)は
図7のエラー報知を行いスロットマシン1の遊技の進行を停止する復帰不可能エラー処理へ移行する(S11)。一方、電源断復帰データが正常である場合(S10のYES)は
図9の電源断復帰処理へ移行する(S12)。そして、電源断復帰処理後は
図10の遊技進行メインへ移行する(S14)。なお、電源断復帰処理後は電源断が発生する前の状態から再開されるため遊技進行メインの初めから処理が実行されるとは限らない。
【0177】
(
電源断処理の説明)
メイン制御基板100において実行する電源断割込み処理について
図6のフローチャートを用いて説明する。
【0178】
電源断割込み処理では、出力ポートをクリアし(S101)、定期的に実行されている割込みが発生するのを禁止し(S102)、電源断時の割込み禁止/許可状態を保存する(S103)。次いで、使用レジスタの退避及びスタックポインタを保存する(S104)。保存すると電源断処理を行ったことを示す電源断処理済フラグをセットし(S105)、全RAMエリアのチェックサムデータを算出し保存する(S106)。そしてRAMの書込みを禁止し(S107)、リセット待ちとなる。なお、保存されるスタックポインタのアドレス範囲、電源断処理済フラグの有無、全RAMエリアのチェックサムが正常か否かは、電源投入処理時に電源割込手段144による適切な電源割込処理が行われたかの判定をするためにチェックする。
【0179】
(
復帰不可能エラー処理の説明)
メイン制御基板100において実行する復帰不可能エラー処理について
図7のフローチャートを用いて説明する。
【0180】
復帰不可能エラー処理では、割込みを禁止し(S201)、出力ポートの出力(サブ制御コマンドの出力、ステッピングモータ66への励磁信号の出力など)をクリアする(S202)。そして、獲得枚数表示器27においてエラーの表示(報知)を繰返す(S203)。
【0181】
(
割込みの説明)
メイン制御基板100において定期的に発生する(例えば2.235ミリ秒毎)割込み処理について
図8のフローチャートを用いて説明する。
【0182】
割込み処理を開始すると、各種センサ、操作スイッチの入力を判定する入力ポートの読込みを行い(S301)、各種タイマ(フリーズ期間計測用タイマ、ウエイト期間計測用タイマなど)の計測を行い(S302)、リール駆動管理として、第1リール(左リール8a)、第2リール(中リール8b)、第3リール(右リール8c)のステッピングモータ66への励磁信号の出力パターンの更新を行う(S303)。次いで、ホールコンピュータなど外部のシステムへ出力するボーナス信号、ART信号、セキュリティ信号などの外部信号、メダル投入信号及びメダル払出信号をセット(オン/オフを制御)する外部信号出力を行う(S304)。
【0183】
次に制御コマンド送信処理ではセットされたサブ制御コマンドがある場合、サブ制御基板1000へサブ制御コマンドを出力し(S305)、出力ポートごとに出力するデータ(ステッピングモータ66への励磁信号やホッパの駆動信号など)を作成し出力するポート出力処理を行い(S306)、ソフト乱数の更新を行い(S307)、割込み処理を終了する。
【0184】
また、
図8のフローではS301で入力ポートの読込みを1回のみ行っているが、これに限らず複数回入力ポートの読込みを行って、複数回の入力ポートをチェックした結果に応じて入力ポートの読込み結果を生成してもよい。具体的には、S302のタイマ計測が行われた後に2回目の入力ポートの読込みを行うことが挙げられる。本遊技機においては、メイン制御基板100からサブ制御基板1000へ一方向で信号を送信するので、メイン制御基板100の送信情報をサブ制御基板1000でチェックして、異常と判断してもメイン制御基板100に送信することができない。これにより、メイン制御基板100側で正確な情報を送信するために1回目の入力ポートを読込んでから、タイマ計測処理を挟んで2回目の入力ポートを読込んでいる。タイマ計測処理を挟むことで時間をおいて2回目の入力ポートを読込むことができるので、1回目の入力ポート読込みの直後に2回目の入力ポートを読込むよりも、より正確に2回の入力ポートの情報をチェックすることができる。
【0185】
また、
図8のフローのS306のポート出力のタイミングをS303の直後に行ってもよい。これにより、リール駆動管理で励磁信号の出力パターンを更新し、直後の処理ですぐにポート出力を行うことができるので停止制御に係る処理時間を短縮することができる。
【0186】
(
電源断復帰処理の説明)
メイン制御基板100において実行する電源断復帰処理について
図9のフローチャートを用いて説明する。
【0187】
電源断復帰処理においては、スタックポインタを復帰し(S401)、サブ制御基板1000へ送信するサブ制御コマンドのデータの出力データを復帰する(S402)。その後、設定されている設定値データが正常範囲内か否かを判断する(S403)。判断の結果、異常(値が定められた範囲外)の場合(S403のNO)は
図7の復帰不可能エラー処理に移行する(S404)。一方、正常(値が定められた範囲内)の場合(S403のYES)は、未使用RAM領域を初期化し(S405)、定期的に実行される割込みを起動し(S406)、入力ポートを読み込む(S407)。その後、電源断処理済みフラグのクリア(S408) 、使用レジスタの復帰(S409)、電源断時の割込み禁止/許可状態の復帰を行い(S410)、電源断時に発生したノンマスカブル割込みによる処理から復帰し電源断復帰処理を終了する。なお、電源断復帰処理を終了すると電源断が発生する前の状態に復帰し、復帰しない場合(設定変更時)は遊技進行メインの制御処理を始めから行う。
【0188】
上記実施形態ではS406のタイミングで割込みを起動しているが、プログラム開始直後のS3で割込みを起動してもよい。
【0189】
(
遊技進行メインの説明)
メイン制御基板100において実行する遊技進行メインの制御処理について
図10のフローチャートを用いて説明する。
【0190】
メイン制御基板100は、まず、スタックポインタをセットし(S501)、RAM作業領域を除くRAMエリア(未使用RAM領域)を初期化する範囲として設定し、設定された範囲のRAMエリアを初期化する(S502)。次に遊技を開始するために必要なデータのセットを行う遊技開始セットを行う(S503)。遊技開始セットでは、リール制御に関する情報、押し順に関する情報などの初期化を行う。次に、遊技状態の更新(ボーナスが作動していればボーナスの終了条件までの獲得可能な枚数の更新処理や、リプレイの当選確率を変動するRT移行処理)を行う遊技状態管理を行う(S504)。遊技状態管理では、遊技開始時のサブ制御基板1000へ送信するためのサブ制御コマンド(設定されている設定値を示す設定値情報コマンド、リプレイが作動しているか、ボーナスが作動しているか示す作動状態コマンド、設定されているRT状態を示すRTコマンド)のセットを行い、ボーナス入賞時や終了時などの遅延処理が設定されている場合は、対応する時間が経過するまで待機する。
【0191】
次いで、ボーナス未作動の場合は、設定変更可能フラグをセットし、リプレイが作動している場合は前回の遊技と同じ賭け枚数をベットする自動投入処理及び、自動投入処理により投入されるメダルの枚数を示すサブ制御コマンド(メダル枚数コマンド)をセットするメダル受付開始時の処理を行う(S505)。
【0192】
次にメダルの賭け枚数が設定されているか否かを判定する(S506)。メダルがない場合(S506のNO)はメダル投入待ち時の表示として、設定確認時の設定値の表示、設定変更時の設定値の表示、待機デモ移行時のクレジット表示のクリアなどの表示処理を行い(S507)、次の処理(S508)へ移行する。一方メダルがある場合(S506のYES)は次の処理(S508)へ移行する。S508では作動しているフラグ(リプレイ、ボーナス)をチェックしリプレイ作動時か否かを判定される(S508)。リプレイ作動時でない場合(S508のNO)は投入されるメダル、及び清算処理の管理を行う遊技メダ
ル管理を行う(S509)。
【0193】
遊技メダル管理処理は、具体的に、メダル投入口17からメダルが投入された場合、又はクレジットがある状態でベットスイッチが操作された場合にメダルの投入処理(メダルの枚数を示すサブ制御コマンドをセット)を行い、清算スイッチが操作された場合は賭け枚数が設定されているメダル、又は貯留されているメダルを払い出す処理を行う。また、設定変更可能フラグをオンに設定する。
【0194】
一方、リプレイ作動時である場合(S508のYES)は次の処理(S510)へ移行する。S510では賭け枚数が規定数に達しているかチェックする。規定数と一致(本実施形態では3枚)している場合(S510のYES)はS511へ移行し、規定数と一致していない場合(S510のNO)はS506へ移行する。
【0195】
なお、リプレイ作動時であってもメダル投入が可能な場合は、S508の処理を行わずにS507からS509に移行する。これによりリプレイであってもS509の遊技メダル管理に移行するので、投入されるメダルの管理を行うことができる。
【0196】
S511ではスタートスイッチ12センサ信号がオンか否かを判定する。オンされたと(スタートスイッチ12が操作されたと)判定する場合(S511のYES)は、役抽選を実行する役抽選処理を行う(S512)。詳細は
図12にて説明する。一方、スタートスイッチ12が操作されていない場合(S511のNO)はS506へ移行する。なお、スタートスイッチ12が操作されるまでの期間にソフト乱数の更新を行ってもよい。また、スタートスイッチ12の操作を検出したときに設定変更可能フラグをオフに設定する。
【0197】
役抽選処理が終わると、役抽選処理で行われた演出パターン抽選の結果に基づき、実行する場合はフリーズ演出に応じた遅延時間、又は遅延処理のセットを行い、サブ制御コマンド(フリーズ演出の有無及び種類を示す待機演出コマンド)をセットする回転開始待機管理を行う(S513)。
【0198】
回転開始待機管理処理が終わると、役抽選の結果、作動している条件装置を示すサブ制御コマンド(条件装置コマンド)をセットする条件装置情報セットを行う(S514)。
条件装置情報セット処理が終わると、遊技状態及び条件装置の作動状態に応じた引き込み図柄及び蹴飛ばし図柄をセットする制御図柄セットを行う(S515)。
制御図柄セット処理が終わると、最小遊技時間(4.1秒)が経過したか否かをチェックする(S516)。最小遊技時間が経過していると判定した場合(S516のYES)は新たな最小遊技時間をセットし、リール回転開始時のサブ制御コマンド(リール回転開始コマンド)をセットしリールの回転を開始し(S517)、次の処理(S518)へ移行する。一方、最小遊技時間が経過していない場合(S516のNO)は最小遊技時間が経過するまで待機する。なお、リールの回転を開始してから停止操作受付までの期間にソフト乱数の更新を行ってもよい。
【0199】
リールの回転を開始すると、全てのリールが定速(約80回転/分)となるよう加速処理を行い、全てのリールの回転速度が定速となったか否かチェックする(S518)。全てのリールの回転速度が定速となっている場合(S518のYES)はストップスイッチ13の操作受付を許可し、操作されたタイミングに応じたリール停止受付チェックを実行する(S519)。リール停止受付チェックについては
図14にて説明する。リールの回転速度が定速となっていない場合は(S518のNO)は回転速度が定速となるまでリールの加速処理を繰返す。
【0200】
リール停止制御処理を実行すると、次の処理で全リールが回転を停止しているかチェックする(S520)。全リールが停止している場合(S520のYES)は入賞判定処理(S521)へ移行し、全リールが停止していない場合(S520のNO)は回転中のリールの加速処理を行い定速となったか否かチェックする(S518)。入賞判定処理では有効ラインの上に停止している図柄組合せが予め定められた図柄組合せか否かを判定し(S521)、表示している役の種類及び表示している図柄組合せの種類を示すサブ制御コマンド(表示種類コマンド、図柄組合せ表示コマンド)をセットする(S521)。
【0201】
入賞判定処理の後は入賞判定処理の結果に基づき、メダルの払い出しがある場合はメダルの払い出しを行う(S522)。メダルの払い出しでは、払い出し枚数ごとにサブ制御コマンドをセット(払い出しが発生しない場合は0枚を示すメダル払出開始コマンド)し、払い出しが終了するとメダル払出終了時のサブ制御コマンド(メダル払出終了コマンド)をセットする。具体的には、払出数がセットされていたときは、貯留数が最大であるか否かを判定し、貯留数が最大でなければ、貯留数に1を加算し、貯留数が最大であれば、メダルを1枚払い出す。そして、セットされている払出数に到達するまで、払出処理を繰り返し実行し、セットされている払出数に到達したときは、払出処理を終了する。
【0202】
メダルの払い出しが終わると遊技終了チェックを行う(S523)。遊技終了チェックでは、持越し不可能な条件装置フラグをクリアし、持越し可能な条件装置の図柄組合せが表示された場合(ボーナス入賞)は、持越し可能な条件装置フラグもクリアする。併せてボーナスの開始と終了、RT状態の移行を管理する。そして、ボーナスが開始したときは、設定変更可能フラグをオフに設定して、ボーナスが終了したときは、設定変更可能フラグをオオンに設定する。遊技終了チェックが終了すると1回分の遊技が終了し、再び遊技進行メインの制御処理を最初から実行する。現在のメインの遊技状態がボーナス状態であれば、ボーナス状態の遊技回数が終了回数に達したか否か判定し、終了回数に到達したときは、終了フリーズを行ってから、遊技終了チェック処理を終了する。さらに、現在の遊技状態がRT状態であれば、RT役抽選テーブルの移行条件を満たしたか否かを判定し、RT役抽選テーブルの移行条件を満たしたときは、RT役抽選テーブルとRT遊技回数を更新して、遊技終了チェック処理を終了する。
【0203】
(
設定変更処理)
メイン制御基板100において実行される設定変更処理について
図11のフローチャートを用いて説明する。
【0204】
設定変更モードが起動すると、現在の設定値が正常範囲か否かを判定し、正常範囲内であったときは、現在の設定値を取得し、正常範囲外であったときは、設定値として「1」をセットし、設定値「1」を取得する(S1401〜S1403)。
【0205】
設定値を取得した後は、設定値表示データをセットして(S1404)、設定表示を点灯制御する(S1405)。
【0206】
そして、スタートスイッチ12センサ信号がオンになったか否かを判定し(S1406)、スタートスイッチ12センサ信号がオンでなかったときは、設定スイッチ信号がオンになったか否かを判定する(S1407)。
【0207】
ここで、設定スイッチ信号がオンでなかったときは、再度スタートスイッチ12センサ信号がオンになったか否かを判定し、設定スイッチ信号がオンであったときは、設定スイッチ立ち上がりデータをクリアし(S1408)、設定値が最大設定値以上(設定6)か否かを判定する(S1409)。
【0208】
設定値が最大値以上でなければ、現在の設定値にインクリメントする処理を行い、設定値が最大値以上であれば、データをクリアした設定値(設定0)にインクリメントする処理を行う(S1413、S1414)。設定値をインクリメントした後は、S1404に戻り、更新した設定値を表示する。
【0209】
S1406でスタートスイッチ12センサ信号のオンを検知したときは、設定値の確定処理を行い(S1410)、設定キースイッチ信号がオフになるまで待機し(S1411)、設定キースイッチ信号がオフになったと判定したときには設定値を保存する(S1412)。
【0210】
(
役抽選処理)
メイン制御基板100において実行される役抽選処理について
図12のフローチャートを用いて説明する。
【0211】
スロットマシン1は、スタートスイッチ12センサを検知すると、後に
図13で説明する役抽選前エラーチェック(S601)を行う。
【0212】
そして、役抽選前エラーチェックの結果、異常がなければ、遊技状態に応じたボーナス作動時役抽選アドレステーブルとボーナス作動時役抽選テーブル数をセットし(S602〜S603)、ボーナス作動時(S604)である場合は、ボーナス作動時役抽選アドレステーブルとボーナス作動時役抽選テーブル数をセットし(S605〜S606)ハード乱数とRレジスタの値を読み込み(S607、S608)、役抽選用乱数を生成(S609)する。次に、生成した役抽選用乱数をセットし(S610)、この役抽選乱数を用いて役抽選判定を行う(S611)。
【0213】
役抽選判定を行うと、当選した役に対応するフラグをセットし(S612)、停止制御に用いる図柄制御番号をセット(S613)する。次に、フリーズに関する演出パターン抽選処理を行い、フリーズ演出の実行に当選したときは、当選したフリーズ演出パターン番号を保存して(S614)、役抽選処理を終了する。
【0214】
(
役抽選前エラーチェック)
メイン制御基板100において実行される役抽選前エラーチェックについて
図13のフローチャートを用いて説明する。
【0215】
役抽選前エラーチェックでは、ハード乱数異常チェック(S701)を行い、ハード乱数の異常を検知したときは復帰不可能エラー処理(
図7)に移行し、ハード乱数の異常を検知しなかったときは設定値エラーチェック(S702)に移行する。
【0216】
設定値エラーチェック(S702)では、設定値データが正常範囲でなかったときは復帰不可能エラー処理(
図7)に移行し、設定値が正常範囲であったときは賭け枚数の規定数チェック(S703)に移行する。
【0217】
賭け枚数の規定数チェック(S703)では、賭け枚数と規定数が一致していなかったときは復帰不可能エラー処理(
図7)に移行し、賭け枚数と規定数が一致していたときはメダル投入信号出力回数、リール回転開始受付時の出力要求、及び、サブ制御コマンドを出力ポートにセットする(S704〜S706)。
【0218】
メダル投入信号出力回数、リール回転開始受付時の出力要求、及び、サブ制御コマンドを出力ポートにセットした後は、割込み処理のタイミングで役抽選前エラーチェックに基づく情報をサブに送信する。
【0219】
(
リール停止受付チェック処理)
次に、リールの停止を受付けた場合に停止図柄番号を決定するリール停止受付チェックについて
図14のフローチャートを用いて説明する。
【0220】
回転中のリールがストップスイッチ13の操作に基づいて、停止することが可能か否かを判定する(S801)。停止操作受付可能となる条件としては、スタートスイッチ12センサ信号、清算スイッチ信号、1枚投入スイッチ信号及び3枚投スイッチ信号の全ての信号がオフの時が挙げられる。
【0221】
停止操作受付可能の場合(S801のYES)は、ストップスイッチ13のセンサ信号のオン/オフの判定を行う(S802)、また、このとき、ストップスイッチ13の受付けを同時に検出した時は予め定められた順番で受付けを行う。例えば、左リール8aに対応するストップスイッチ13を最優先とし、次に中リール8bに対応するストップスイッチ13、最後に右回動に対応するストップスイッチ13が挙げられる。
【0222】
ストップスイッチ13のセンサ信号がオンの場合(S802のYES)は、停止図柄番号を生成し(S803)、生成された停止図柄番号に基づいて、図柄組合せ制御処理を行い(S804)、操作されたストップスイッチ13に対応したリールの停止受付時の停止位置に関する出力要求を生成し(S805)、出力要求の終了か否かを判定する(S806)出力要求が終了しなかった場合は出力要求を再生成し(S806のNO)、終了した場合(S806のYES)は、リールの停止受付時の停止位置に関する出力要求をセットする(S807)。
【0223】
ストップスイッチ13のセンサ信号がオフの場合(S802のNO)は、全リールが停止しているか否かを判定し(S808)、全リールが停止していない場合は(S808のNO)再度ストップスイッチ13のセンサ信号を検出する(S802)。
【0224】
(
図柄組合せ制御処理)
次に、回転しているリールを実際に停止表示させる図柄組合せ制御処理について
図15のフローチャートを用いて説明する。
【0225】
図柄組合せ制御処理では、リールを減速開始状態にセットし(S901)、ストップスイッチ13の操作を受付けたタイミングの図柄番号を保存し(S902)、保存した図柄番号に基づいたテーブルをセットし(S903)、当選役に関する図柄を有効ライン上に引き込む、又は有効ライン上にある当選役ではない図柄を停止表示させないために蹴飛ばすコントロール制御を行い(S904)、予め定められた範囲内で停止表示可能となる停止位置を検索し(S905)、停止可能な図柄番号をセットする(S906)。
【0226】
(
停止受付時テーブルセット)
次に、ストップスイッチ13の操作が第1停止の場合と第2停止の場合とでテーブル番号、又はテーブルパターンの選択が異なる処理となる停止受付時テーブルセットについて
図16のフローチャートを用いて説明する。
【0227】
回転中のリールを停止する際に第1リールのみの停止である場合(S1001のYES)は、遊技状態及び当選役に対応した通し番号である図柄制御番号を取得し(S1002)、第1リール停止操作が左リール8aである場合(S1003のYES)は、標準制御(図柄停止に用いる停止制御方法の種類の一つ)を選択し、保存(S1004)し、図柄制御番号と停止制御種類に対応した図柄停止制御データ情報が記憶されているテーブル番号をセットする(S1005)。第1リール停止操作が左リール8aでない場合(S1003のNO)は、中、又は右リール8c第1停止となり、変則制御(図柄停止に用いる停止制御方法の種類の一つ)を選択し、保存(S1006)し、停止テーブル検索テーブルをセット(S1007)し、テーブルパターンを取得し、セット(S1008、S1009)する。第1停止でない場合(S1001のNO)で、かつ、第2停止の場合(S1010のYES)であり、標準制御である場合(S1011のYES)は、図柄制御番号と停止制御種類に対応した図柄停止制御データ情報が記憶されているテーブル番号をセットし(S1012)、標準制御でない場合(S1011のNO)はテーブルパターンの変更を行うための検索を行い、(S1013)該当するテーブルパターンを取得しセットする(フローチャート省略)。
【0228】
(
コントロール制御実行)
次に、遊技状態、停止リール及び停止順番に応じて、引き込み蹴飛ばし制御を行うコントロール制御実行について
図17のフローチャートを用いて説明する。
【0229】
遊技者がストップスイッチ13を停止操作する際に、特定の操作態様を行った場合(S1101のYES)は、特定操作態様に対応する制御テーブルと当選役に関する図柄を有効ライン上に引き込むための引き込み数、又は蹴飛ばし数の制御回数をセットし(S1102、S1103)、当選役に関する図柄を有効ライン上に引込む、又は有効ライン上にある当選役ではない図柄を停止表示させないために蹴飛ばす制御を行うためのデータを更新する図柄組合せ引き込み・蹴飛ばし制御処理を行う(S1102)。
【0230】
特定の操作態様を行わなかった場合(S1101のNO)もしくは引き込む、又は蹴飛ばす制御を行うためのデータを更新しなかった場合は、次の特定の役抽選結果が当選している、特定操作態様、又は特定のテーブルパターンの場合は(S1105のYES)、各々に対応した制御テーブルをセットし(S1103)、図柄組合せ引き込み・蹴飛ばし制御処理を行い(S1102)、更新したデータに基づいて、停止可能位置を作成する(S1106)。
【0231】
(
停止位置検索)
停止位置を検索し、リールに付されている図柄を目的の停止位置まで滑らすためのずらしコマ数をセットする停止位置検索について
図18、19、20のフローチャートを用いて説明する。
【0232】
初めに、
図18の停止位置検索処理について説明をする。停止受付時から当選役に関する図柄を有効ライン上に停止させることが可能な範囲(本実施形態では190ミリ秒、つまり停止受付から4図柄分)のデータをセットし(S1201)、停止受付時に対応するずらしコマ数をセットし(S1202)、5図柄分の範囲内で停止可能な位置がある場合(S1203のYES)は、次に、5図柄先のみが停止可能か否かを判定し(S1204)、5図柄先のみ停止可能の場合(S1204のYES)は、停止可能位置となるまでリールを1図柄分ずつずらす(
図20へ遷移)。5図柄先以外が停止可能位置にある場合(S1204のNO)は、ずらしコマ数制御を行うか否かの判定をする(S1205)。ずらしコマ数制御を行う場合(S1205のYES)は、ずらしコマ数制御を行い、ずらしコマ数制御を行わない場合(S1205のNO)は、ビットテーブル制御を行う(S1205のYES)。
【0233】
次に、
図19のずらしコマ数制御処理について説明する。ずらしコマ数制御は、ストップスイッチ13の操作順番が標準制御で操作された時に使用する制御である。初めに、リール停止受付時の図柄番号を取得し(S1206)、取得した図柄番号に基づくずらしコマ数データをセットする(S1207)。ずらしコマ数データに基づいて停止可能位置を検索し(S1208)、停止可能位置が検索できたときは停止可能位置までのずらしコマ数をセットする(S1209)。セットされたずらしコマ数に基づいて停止可能位置が見つからない場合(S1210)は、再度、停止可能位置を検索するためにずらしコマ数初期値をセットし(S1211)、ずらしコマ数を上限として1コマずつ停止可能位置を判定し、停止可能位置に該当する図柄を停止させる(S1212)。
【0234】
次に、ビットテーブル制御の処理について説明する。ビットテーブル制御は、ストップスイッチ13の操作順番が変則制御で操作された時に使用する制御である。初めに、リール受付時の図柄番号を取得し(S1213)、取得した図柄番号から予め定めたコマ数分の停止位置の範囲内で停止可能位置があるか否かを検索し(S1214)、停止可能位置が見つかった場合は停止可能位置までのずらしコマ数をセット(S1215)し、セットされたずらしコマ数分のずらし制御を行う。停止可能位置が見つからない場合はずらしコマ数初期値をセットし(S1216)、取得した図柄番号からずらしコマ数分の範囲内で停止可能位置を判定し、停止可能位置に該当する図柄を停止させる(S1217、S1218)。
【0235】
(
入賞判定処理)
メイン制御基板100において実行される入賞判定処理について説明を
図21のフローチャートを用いて説明する。
【0236】
入賞判定処理では、入賞判定テーブルと図柄群数をセットし(S1501、S1502)、役抽選処理でオンにした当選した役に対応するフラグと各有効ラインに対して停止図柄データが格納されたアドレスである停止図柄データアドレスを取得する(S1503、S1504)。次に、当選していない条件装置、かつ、全有効ラインの停止図柄を算出し(S1505)、当選していない条件装置に応じた図柄組合せが有効ラインに停止表示しているか否かを判定し(S1506)、判定の結果、当選していない条件装置に応じた図柄組合せが停止表示しているときは、復帰不可能エラー処理に移行する。
【0237】
S1506の判定の結果、当選していない条件装置に応じた図柄組合せが停止表示していないときは(S1506のNO)、次の入賞判定データアドレスをセットし(S1507)、S1502でセットした全図柄群において入賞判定が終了したか否かを判定し(S1508)、全図柄群において入賞判定が終了していなかったときは、S1503に戻って残りの図柄群の入賞判定を行い、全図柄群において入賞判定が終了していたときは、各有効ラインの停止図柄データアドレスと有効ライン数をセットし(S1509、S1510)、各有効ラインでの入賞判定を行う。
【0238】
各有効ラインでの入賞判定では、S1509でセットした停止図柄データアドレスから停止図柄データを取得し(S1511)、一つの有効ラインに関して、1ライン入賞判定を行う(S1512)。
【0239】
1ライン入賞判定では、リプレイ、ボーナス、小役、又はハズレのいずれであるかを判定する。この判定の結果、小役であれば、払い出し処理を行うための払出数をセットする。
【0240】
そして、次の停止図柄データアドレスをセットし(S1513)、全有効ラインにおいて1ライン入賞判定を行ったか否かを判定し(S1514)、全有効ラインにおいて1ライン入賞判定を行っていなかったときは、S1511に戻り、残りの有効ラインにおいて1ライン入賞判定を行い、全有効ラインにおいて1ライン入賞判定を行っていたときは、入賞判定処理を終了する。
【0241】
次に、図面のフローチャートを用いずに、全リール停止時の演出表示処理を説明する。
【0242】
演出表示処理では、役抽選処理で演出パターンがセットされているときは、演出パターンに応じたフリーズ時間をセットして当選した演出パターンを実行する。
【0243】
次に、メダルの投入センサ、払出センサの異常チェック処理を行う。異常チェック処理により、異常と判定したときは、異常である旨を示すサブ制御コマンドをサブ制御基板1000に送信し、異常であることをサブ制御基板1000側の制御(表示装置32、ランプ、又はスピーカSへの出力)で報知し、異常と判定しなかったときは、次の処理に移行する。
【0244】
(
演出)
サブ制御手段1101は、演出制御手段1110等を設けており、演出制御手段1110は上述した表示装置32等を介して演出の出力を制御する。演出制御手段1110は、遊技毎に、スタートスイッチ12の操作を契機に行われる役抽選手段120による役の抽選結果に基づいて、ソフトウェア乱数を用いた抽選によって演出を選択して出力する。また、当選役を契機に、連続演出と呼ばれる複数遊技に跨った関連性のある演出を行う場合もある。
【0245】
演出制御手段1110は、役抽選手段120による役の抽選結果に基づいて演出内容を選択する。本実施形態では、複数種類の演出内容が予め設けられており、演出制御手段1110は、遊技の開始時等に、役抽選手段120による役の抽選が行われた後、ソフトウェア乱数を用いた抽選によって演出内容を選択する。
【0246】
また、演出内容は、役抽選の結果だけでなくフリーズ抽選の結果や遊技状態(RT状態、フリーズ状態)等に応じて、それぞれ複数種類が設けられている。具体的には、ボーナス当選時、小役当選時、リプレイ当選時、非当選時等に対応し、それぞれ複数種類の演出内容が設けられている。
【0247】
演出内容は、遊技の進行に伴って、どのようなタイミングで(スタートスイッチ12の操作時や各ストップスイッチ13の操作時等)、どのような演出を出力するか(ランプをどのように点灯、点滅、又は消灯させるか、スピーカSからどのようなサウンドを出力するか、及び表示装置32にどのような画像を表示させるか等)を定めたものである。
そして、演出制御手段1110は、選択した演出内容に従い、所定のタイミングで演出出力機器から演出を出力するように演出出力制御手段1002が制御する。
また、リールに付されている図柄を見やすくするために図柄の背面からランプを照光する制御を行うBL基板1018a,b,cが設けられている。
【0248】
(
遊技者の操作による演出)
また、演出制御手段1110によって出力される演出の発生を遊技者による操作に応じて行うようにすることも可能である。例えば、メイン制御基板100に操作信号が入力されるスタートスイッチ12、ストップスイッチ13、メダル投入口17、ベットスイッチ(MAXベットスイッチ18、1ベットスイッチ19)、清算スイッチ等の操作信号に応じてメイン制御基板100から送信されるサブ制御コマンドに基づいてサブ制御基板1000の演出制御手段1110により演出を発生させることも考えられるし、サブ制御基板1000に操作信号が入力されるサブスイッチ20、サブ十字キースイッチ21等のサブ入力スイッチ操作手段1008に応じて直接サブ制御基板1000より演出を発生させることも考えられる。
【0249】
(
可動物72)
遊技機には、表示装置32、ランプ、スピーカSによる演出出力の他に可動役物を制御する可動物制御手段1010がある。具体的には、表示装置32の前面にシャッターを配置し、シャッターが稼働することで遊技を盛り上げる役割を担う。他にもランプ又はスピーカSが可動したりすることが挙げられる。
【0250】
(
AT(アシストタイム))
本実施形態では、メダルを増やす契機としてBB、RB、MB、CB、SBといったボーナスの他に、後述するAT(アシストタイム)を設けている。
【0251】
ATとは、サブ制御基板1000が当選役の入賞を促すための報知を行う遊技の状態であり、主に下記の実施形態がある。なお、以下においては、サブ制御基板1000によってATが実行されている遊技をAT遊技と称し、その間のサブ制御基板1000の状態をAT状態と称す。
【0252】
(1)当選役取得におけるAT
本実施形態における役の一部では、当選した役の組合せによって異なる停止制御が行われており、役当選時の遊技者のストップスイッチ13の操作態様によって役の入賞態様を異ならせることで、結果として小役の取得率や小役の払い出し枚数を異ならせることを説明した。
【0253】
当選役取得におけるAT状態とは、これらの役(以下、AT役)の当選時に遊技者にとって有利となる操作手順(操作順又は操作タイミング)を報知するサブ制御基板1000の状態のことであり、サブ制御基板1000が管理する状態に応じて遊技者に対して表示装置32、ランプ、スピーカS等の報知手段1160を介して操作手順の報知を行う。また、遊技者は報知された操作態様にてストップスイッチ13の停止操作を行うことで、AT役を取りこぼさずに取得することや、多い払い出し枚数を獲得することが可能となる。
【0254】
また、前述のRT(リプレイタイム)のように、通常の遊技状態と比較して異なる確率でリプレイを抽選する遊技状態にてATを同時に作動することも可能であり、特に、メイン制御基板100により高い確率でリプレイが抽選されるRT状態に滞在するときに、サブ制御基板1000によりAT役の当選時に遊技者に対して有利な操作態様を報知することで、ボーナス以外の状態において高い出率の遊技状態を作り出すことが可能となる。また、このような状態をRT(リプレイタイム)とAT(アシストタイム)が同時に作動していることから「ART(アシストリプレイタイム)」と称することもある。
【0255】
ART状態では、AT役の抽選確率や払い出し枚数によって、ART状態における出率を自由に設計することが可能であり、ボーナスに準ずる有利な状態として幅広く実施されている。
【0256】
(2)状態移行におけるAT
本実施形態では、所定の停止表示図柄組合せ(例えば、RT移行リプレイ等)によってRT状態の移行を行うようにしているが、前述のように役の当選時における遊技者によるストップスイッチ13の停止操作態様によって役の入賞態様、すなわち、停止表示図柄組合せを異ならせることが可能である。
【0257】
このような場合では、RT状態の移行を行う役の当選時に、停止操作態様によって出現する異なる停止表示図柄組合せの一部に対してRT状態の移行を行うための条件を設定することで、RT状態の移行を行う役が当選した際に、サブ制御基板1000が管理する遊技状態に応じて最適な停止操作態様報知することにより任意のタイミングにてRT状態を移行させることが可能となる。
【0258】
その際に、RT状態の移行を行う役の当選時のストップスイッチ13の停止操作態様によって出現する複数の停止表示図柄組合せのそれぞれに対して別のRT状態への移行条件を設定することで、サブ制御基板1000が管理する遊技状態に基づいて複数のRT状態の中から任意のRT状態へ移行させることも可能となり、これを利用することで、結果として有利度合の異なるRT状態への振り分けを行う遊技性を作り出すことができる。
【0259】
具体的には、リプレイ確率の低い通常状態(以下、通常RT状態)において、RT移行を行う所定の役が当選した遊技において、AT発動抽選によりATの発動条件を満たしている場合(詳しくは後述する)には、遊技状態報知手段1120がリプレイ確率の高い有利状態(以下、有利RT状態)へ移行する図柄組合せ(昇格図柄組合せ)を出現させるストップスイッチ13の操作態様を報知し、遊技者は報知された操作態様にてリール停止操作を行うことで有利RT状態への移行(昇格)を行う使用方法が考えられる。
【0260】
また、別の手段として、有利RT状態に滞在している状態において、RT移行を行うリプレイの当選時に、有利RT状態から通常RT状態への移行を行う図柄組合せ(降格図柄組合せ)を出現させずに、別の図柄組合せ(有利RT状態を維持する図柄組合せ)を出現させる操作態様を報知することで、サブ制御基板1000のAT管理手段1140にて管理されるAT遊技回数の残り遊技回数に到達する前に不利な状態へ転落することを抑制する使用方法も考えられる。
【0261】
また、これらの使用方法は一例にすぎず、例えば、有利RT状態から通常RT状態への移行を行う図柄組合せ(降格図柄組合せ)を出現させる操作態様を報知することや、通常RT状態から有利RT状態への移行を行う図柄組合せ(昇格図柄組合せ)を出現させずに、別の図柄組合せ(通常RT状態を維持する図柄組合せ)を出現させる操作態様を報知することも何ら問題ではなく、遊技性に合わせて適宜採用することが可能となっている。
【0262】
(
AT発動抽選)
サブ制御基板1000におけるATの発動条件としては、主に下記の実施形態がある。
【0263】
(1)役当選
役抽選の結果として、特定の役(以下、AT抽選役)に当選したことを条件に、サブ制御基板1000が設けるAT抽選手段1130にてATの発動抽選を行う。
【0264】
この場合、AT抽選役に当選したことを条件に必ずATを発動することも考えられるし、AT抽選役に当選した遊技において出現する停止表示図柄組合せの結果に応じてATの発動抽選を行うようにしてもよい。
【0265】
(2)遊技回数
遊技が行われた回数に応じて、サブ制御基板1000が設けるAT抽選手段1130にてATの発動抽選を行う。
【0266】
この場合、100回の遊技毎にATの発動抽選を行うようにすることも考えられるし、例えば、100回目の遊技から200回目の遊技までの所定の遊技期間の間でのみATの発動抽選を行うような形態(チャンスゾーン:CZ)も考えられる。
【0267】
また、特定の遊技回数に到達することで必ずATを発動するようにすることも考えられる。この場合、発動するATの種類としてAT役を取得させるためのATだけでなく、特定の遊技回数に到達することでサブ制御基板1000によるRT状態の移行を行うためのATを発動することで通常RTから有利RT状態への移行を促す停止操作態様を報知することも考えられる。また、移行した有利RT状態にて遊技者にとってAT役を取得させるためのATを行うようにすることで特定の遊技回数に到達することが結果的にART遊技を行わせる特典となる。
【0268】
これらの実施形態は、一定遊技期間の間に一度も有利な状態に移行することができない遊技者に対して、特定の遊技回数に到達することで必ず有利な状態へ移行する補償措置としての役割が大きく、このような措置を「天井」と称することがある。
【0269】
(3)AT抽選手段1130による抽選
サブ制御基板1000のAT抽選手段1130により、メイン制御基板100のAT抽選役の抽選結果に関わらず遊技毎に一定の確率に基づいてATの発動抽選を行う。
【0270】
この場合、AT抽選役の抽選結果に関わらず毎遊技においてAT抽選手段1130によるATの発動抽選が行われるようにすることが考えられるが、これに限らず、AT抽選役の当選結果に応じて抽選確率に差をつけるようにすることで、AT発動抽選に関する当選確率が低く設定されたAT抽選役の当選時と、高く設定されたAT抽選役の当選時とで、ATの発動抽選期待度を異ならせるようにすることで、AT(発動抽選)高確状態というゲーム性も提供もできる。
【0271】
本実施形態では、AT抽選手段1130をサブ制御基板1000に設ける実施形態にて説明したが、その他の手段として、メイン制御基板100にAT抽選手段1130を設け、該メイン制御基板100のAT抽選手段1130によってATの発動抽選を行うようにしてもよい。この場合、上記の手法をそのままメイン制御基板100のAT抽選手段1130が担うことも考えられるし、遊技状態に応じて、ATの発動抽選をメイン制御基板100とサブ制御基板1000のどちらで管理するのかを予め定めておくことも可能である。
【0272】
また、ATの発動条件としては上記の手段に限ったものではなく、サブ制御基板1000とメイン制御基板100にて想定できる種々の実施形態を採用したとしても、本発明を実施する上で何ら問題が生じるものではない。
【0273】
(
AT開始)
ATの発動抽選に当選すると、サブ制御基板1000におけるAT制御手段によりATの開始処理が行われ、ATの発動抽選に当選した遊技、もしくは、複数回の遊技を行った後にATを開始させるようにする。
【0274】
ATの発動抽選に当選した後、複数回の遊技を行ってからATを開始させる場合では、予め定めた特定遊技回数(例えば32回)に至るまでの間のいずれかの遊技回数でATを開始させるかを抽選によって決定する。このようにすることでATの発動条件を満たす可能性のある状況が発生(例えばAT抽選役の当選)した後、所定の遊技回数に亘ってATの開始を示唆する演出を行うことでATの当選期待度を煽ることができる。また、このような状態を「前兆」と称することもある。
【0275】
また、その他の方法として、ボーナス役に関する遊技の終了後にATを即開始することや、1遊技毎にATの発動抽選を行う等、ATを開始させるための契機として想定し得る仕様に関しては本発明において適宜採用することが可能である。
【0276】
(
AT管理)
発動したATは、サブ制御基板1000のAT管理手段1140によって管理され、AT管理手段1140は、所定の遊技回数を1セットとして管理することで、1セットの終了に伴って次の1セットを行うかどうかの抽選(継続抽選)、もしくは、サブ制御基板1000のストック記憶領域に記憶された権利(ストック)の個数又は状態を管理する権利制御手段1004に基づいて次の1セットを開始する。
【0277】
ATの実行回数は、サブ制御基板1000のAT遊技回数カウント手段1150にてカウントされ、表示装置32にて遊技者に表示される。そして、ATの残り遊技回数が0に到達すると、AT管理手段1140による継続抽選やストック記憶領域に記憶されたストックに応じて次の1セットを開始し、いずれも継続条件を満たしていないときはATを終了させる。
【0278】
また、AT管理手段1140によるATの継続判定に関しては、AT遊技回数が0になったタイミングで継続判定を行うようにしてもよいが、ATが開始されるタイミングで次回のATセットの継続判定を行うようにすることで、AT遊技中に次回のATセットの継続に関する継続示唆演出を行うことができる。
【0279】
この場合、AT遊技回数のカウントが0に到達した最終遊技にて継続示唆演出を行うことも考えられるが、AT遊技回数のカウントが0に到達した遊技から複数遊技に跨って継続示唆演出を行うようにすることで、よりATの1セットの継続に対する煽りを強調することができる。このとき、継続示唆演出を開始するタイミングにおいてATの残り遊技回数は既に0となっているが、継続示唆演出を行っている間はATを継続して実行することが望ましい。
【0280】
さらに、AT遊技回数のカウントが0に到達する前に継続示唆演出を行うようにしてもよい。この場合、AT遊技回数のカウントが0に到達する複数遊技前から連続した演出を行い、継続に関する結果を最後の遊技で実行することもできるし、AT状態の途中や開始時に継続示唆演出を行うこともできる。
【0281】
また、言うまでもなく、継続示唆演出は、ATの1セットの継続を確定的に表すものや、否定的に表すものであってもよく、特に、継続を確定的に表す演出をAT遊技の途中や開始時に行うことで、遊技者に対して残りのAT遊技を安心して遊技させるようにすることも可能となる。
【0282】
(
AT中演出)
AT遊技中は、サブ制御基板1000の報知手段1160により、ランプ、表示装置32、音声等を介して遊技者へ報知演出が報知出力制御手段1006により出力される。例えば、停止操作順番を報知する場合、表示装置32では「1・2・3」といった演出がなされた場合、遊技者は表示装置32の情報に従って左のストップスイッチ13aを第1停止操作し、中のストップスイッチ13bを第2停止操作し、右のストップスイッチ13cを第3停止操作することで、AT役を取りこぼさずに取得することや、多い払い出し枚数を獲得することが可能となる。
【0283】
具体的にストップスイッチ13の操作態様として停止操作順番を採用する場合、このときの報知形態は、遊技者が停止操作を行うより前に最初に操作されるべき操作順番を「左を押して!」のように音声と表示装置32にて報知し、遊技者によって実際に左のストップスイッチ13aが操作されると、次に操作される操作順番を「中を押して!」のように音声と表示装置32にて報知し、遊技者によって実際に中のストップスイッチ13bが操作されると、最後に操作される操作順番を「右を押して!」のように音声と表示装置32にて報知する。
【0284】
このとき、操作順番に対応して設けられた「左」「中」「右」の操作指示ランプ24では、音声と表示装置32による報知タイミングと同時に発光させることで遊技者に対して次に停止するストップスイッチ13を二重に報知する。ランプを発光させるという点では、台枠ランプを右側、上側、左側と点灯させることで「右」「中」「左」というように指示させるようにすることや、その他スロットマシン1周囲に設けられた役物に別途ランプを設けて光らせることも考えられる。これによれば表示窓4の操作指示ランプ24のスペースを別の構成に利用することができる。
【0285】
また、操作順番ではなく、ストップスイッチ13の操作態様として操作タイミングを採用する場合、このときの報知形態は、遊技者が停止操作を行うより前に「赤7を狙え!」のように音声と表示装置32にて報知する。
【0286】
例えば、操作順番の報知と同様に、狙うべき図柄に対応して設けられた複数の図柄を有する(例えば、「赤7」「青7」)の操作指示ランプ(図示しない)では、音声と表示装置32による報知タイミングと同時に発光させることで遊技者に対してリール上のどの図柄付近を狙って停止表示させるべきかを二重に報知する。
【0287】
このように、音声と表示装置32の情報に応じてストップスイッチ13を操作することで遊技者に対して有利な獲得枚数を獲得させるためだけでなく、有効ライン上に有利となるための図柄組合せ(例えば、RT状態の移行)を停止表示させる仕様も想定できる。
【0288】
(
ペナルティ)
ATの報知により、AT役の当選時に、遊技者にとって有利な入賞態様となる操作態様を報知することができるが、遊技者によるミスにより、報知された操作態様に従った操作を行うことができなかった場合には、AT役の当選時に有利な払い出し入賞態様にて停止表示させることができなくなるだけでなく、場合によってはリプレイ確率が高い有利RT状態から、リプレイ確率の低い通常RT状態へ移行してしまうことも考えられる。
【0289】
このような場合、AT管理手段1140は、通常RT状態においてRTの移行を行う役が当選すると、有利RT状態へ移行する図柄組合せが出現するための停止操作態様を報知し、速やかに有利RT状態へと復帰させるようにすることが望ましいが、場合によってはそのままAT状態を終了することも考えられる。
【0290】
また、このように、報知された停止操作に従った操作が行われないことで通常RT状態へ移行してしまった後、有利RT状態へ復帰するための報知を行う仕様においては、通常RT状態に滞在する間もATの遊技回数を継続してカウントすることで、本来ならば有利RT状態で消化するはずのAT遊技回数の一部を通常RT状態で行うこととなり、結果的にスロットマシン1が意図しないRT状態の移行が行われたことによるペナルティを遊技者に与えるようになっているものもあれば、有利RT状態へ復帰するための役の当選や操作態様に多くのゲーム数を必要とする場合には、復帰するまでカウントをストップするものも考えられる。
【0291】
また、押し順ミスによって有利RT状態から通常RT状態への移行が行われる図柄組合せが出現しなかった場合であっても、スロットマシン1側の意図しない操作が行われたことによるペナルティとして、サブ制御基板1000のAT管理手段1140により、「3遊技間はATの遊技数を増加させる上乗せ抽選(詳しくは後述する)を行わない」等のペナルティ処理を内部的に実行することで、遊技者によって意図的に報知された押し順を無視されることを抑制することができる。
【0292】
このペナルティは、ATが発動されている有利RT状態だけでなく、通常RT状態において適応することも可能である。具体的には、通常RT状態から有利RT状態への移行を行う役に当選した際に右リール8cから停止操作することでのみ通常RT状態から有利RT状態へ移行する図柄組合せが出現するような仕様においては、通常RT状態において遊技者に右リール8cから停止操作されることにより意図しないタイミングで有利RT状態に移行してしまうことを抑制するために、例えば、通常RT状態にて左リール8a以外のリールを第1停止操作されると、「3遊技間はAT抽選役に当選してもATの発動抽選を行わない」等のペナルティ処理を内部的に実行することで不要なRT移行を抑制することができる。
【0293】
また、上記においては、左リール8a以外のリールを第1停止操作されるとペナルティ処理を行う実施例を説明したが、これに限らず、左リール8a以外のリールを第1停止操作され、かつ、AT役やRTの移行を行う図柄組合せが出現したときにペナルティ処理を行うようにしてもよい。また、ペナルティの種類に関しても上記の実施例に限らず一時的に遊技者に不利益を与えるようなものであればいずれの処理を行っても問題ない。
【0294】
(
AT遊技回数の上乗せ)
AT遊技中は、当選した役(以下、上乗せ役)に応じてAT遊技回数を延長する抽選を行う、これを総じて「上乗せ」と称する。
【0295】
上乗せ数の抽選方法としては、上乗せ役に当選することでサブ制御基板1000の上乗せ抽選手段1170が上乗せ抽選テーブルに基づいて上乗せ数を抽選することや、1遊技毎に一定の確率で上乗せ数を抽選することが考えられる。
【0296】
上乗せ抽選手段1170によって上乗せ数が決定されると、上乗せ数が決定された当該遊技、又は上乗せされたことを煽るための演出を複数遊技に跨って行った後に、遊技者に対して決定された上乗せ数の報知を行う。この場合、例えば、「+20」や「+300」のように、単位遊技の回数を基準とした上乗せ数の抽選だけでなく、「+1セット」のように、複数遊技からなる1セットを1つの上乗せ単位の基準として抽選することや「+3回」のようにAT役の報知回数を上乗せすることもでき、これらはスロットマシン1毎の遊技性に合わせて適宜採用することが可能となっている。
【0297】
また、サブ制御基板1000によって管理されるAT状態の管理方法として、遊技数を基準としたものを説明したが、これに限らず、メイン制御基板から送信される賭け枚数と払い出し枚数から算出された「差枚数情報」や、メダルの払い出しを有するAT役等の「当選回数情報」を基準にしてもよい。具体的には、「差枚数情報」では200枚の差枚で1回のART遊技終了、「差枚数情報」では50回のAT役当選で1回のART遊技終了、等の実施形態が考えられ、この場合の上乗せ数の報知は、それぞれ「+300枚」「+30回」等を想定することができる。
【0298】
さらに、実際に決定された上乗せ数を必ずしも遊技者に対して報知する必要もなく、特定のランプを発光させることや、特定の演出音を出力させることによって、上乗せが行われていることのみの情報を示唆する報知を行うことも考えられる。この場合だと、遊技者は上乗せが行われたことは認識できるが、実際にどれほどの上乗せが行われているのか推測することしかできないため、ATの終了時まで実行されているATが何遊技行われるかの期待感を継続させて煽ることができる。
【0299】
(
AT終了)
AT遊技回数カウント手段1150により、ATの残り回数が0になると、AT報知手段1180は特定ATが当選した際の報知を行わないように制御する。これにより、遊技者は有利な払い出し枚数を得ることができなくなるとともに、リプレイの当選確率が高い有利RT状態に滞在し続けるための報知が行われないため、転落図柄組合せが出現する可能性のある役の当選時には、たとえ操作される押し順が通常RT状態へ移行するための図柄組合せが出現する押し順ではないものが選択されて当該遊技でRT状態の移行を避けられたとしても、いずれ近い遊技にて転落図柄組合せが出現する押し順を操作してしまうことは避け難く、転落図柄組合せが表示された時点をもって有利な状態が終了することを意味している。
【0300】
このようにAT報知手段1180によるAT役の入賞を促す報知が行われなくなってから、実際に転落図柄組合せが表示して有利RT状態から通常RT状態への移行が行われなくなるまでの間の遊技では、サブ制御基板1000による演出は、通常RT状態で実行される演出(すなわち、通常の状態を意味する演出)を出力しても良いし、有利RT状態で実行される演出(すなわち、有利なAT状態を意味する演出)を出力しても良い。
【0301】
また、この状態のみ実行される演出を実行し、遊技者に対して近い将来に有利な状態が終わってしまうことを示唆するようにすることも考えられる。
【0302】
(
スロットマシン1と携帯端末との連動システム)
本実施形態におけるスロットマシン1を用いて、遊技者の所有する携帯端末とスロットマシン1とを連動させることでサブ制御基板1000より遊技者特有の演出を出力することや、スロットマシン1内で出力された演出情報を専用のサーバにて管理するといった、スロットマシン1と携帯端末との連動システムを行うことができる。
【0303】
サブ制御基板1000は、遊技者による遊技の進行に応じて所定の演出情報が出力されたことを管理する演出発生フラグや、特定の遊技回数を満たしたことを管理する遊技回数フラグを設け、スロットマシン1で予め管理される各種フラグ情報が遊技者によって満たされた場合にそのフラグ情報を保持し、これらの情報を遊技者による任意のタイミングにて携帯端末で受信できるように出力し、出力された情報をインターネットに接続が可能な携帯端末で受取ることで専用のサーバと通信して各種のフラグ情報をサーバ上で管理する。
【0304】
より具体的には、後述する契機をもとに各種フラグ情報の保持を開始し、例えば、所定の条件として「BBに当選する」「10000回の遊技を行う」「当選した小役と矛盾する小役示唆演出を出現させる」等のスロットマシン1を進行する上で発生する演出や遊技情報に応じて各種の発生フラグをサブ制御基板1000が保持し、遊技者によるサブボタン操作を契機に、スロットマシン1内で保持された各種フラグ情報をQRコード(株式会社デンソーウェーブ登録商標)や赤外線を介して外部に出力し、それを遊技者が携帯端末(スマートフォンを含む携帯電話、モバイルPC等のインターネット接続が可能な電子機器)にて受信することで自動的に専用のサーバとの接続がなされ、サーバに予め登録された遊技者の個人情報に基づいて情報が管理される。
【0305】
遊技者は次回以降に遊技を行う際に、携帯端末によって専用のサーバと接続することで、サーバ上で管理された遊技者個人の情報をパスワードとして携帯端末に発行し、遊技者は次回以降の遊技を始める際に発行されたパスワードをスロットマシン1に入力することで現在までにサーバによって管理された各種フラグ情報をスロットマシン1に反映させる。
【0306】
サブ制御基板1000は、遊技者によってパスワードが入力されたことを契機に各種のフラグ情報の保持を開始し、各種のフラグ情報が出力されたことを契機に保持されたフラグを消去するように制御する。
【0307】
また、遊技者によってスロットマシン1にパスワードを入力する際、特定の情報を含んだパスワードを入力することで、例えばキャラクタの服装を遊技者が選択した任意の服装に変更したり、BB中に出力される音源を変更したりすることが可能となる。
【0308】
また、本実施形態においては、スロットマシン1が各種のフラグを保持する契機として遊技者によるパスワード入力を挙げたが、これに限るものではない。例えば、遊技者が遊技を開始する際にサブボタンを操作することでサブ制御基板1000は一時的に各種フラグを保持するようにし、遊技者が遊技の進行具合によって「特別な演出を見た」等の理由により、発生した各種フラグを管理したい場合、これまでと同様にサブボタンを操作することでスロットマシン1から出力されるQRコード等の情報を携帯端末にて読み取ることでサブ制御基板1000にて保持した各種フラグを消去するような仕様も考えられる。この仕様においては、遊技者が一時的に各種フラグを保持するように設定したもののスロットマシン1から情報を出力しないまま遊技を終えて離席した場合には、各種フラグを次回の電源断処理や設定変更処理が行われるまで保持しておくこともできるし、所定時間遊技が行われなかった場合に自動的に消去するようにすることもできる。
【0309】
また、スロットマシン1より出力される情報として、上記のものだけではなく、例えば遊技の履歴情報を同時に出力することも可能であり、履歴情報としては、遊技者によるパスワード入力(もしくはサブボタン操作による一時的な各種フラグ保持のオン)から、情報の外部出力が行われる等により各種フラグが消去されるまでの間における「遊技回数」「BB・RB回数」「AT・ART回数」「メダルの差枚数」等の情報はもちろん、「(BB終了から)何遊技でBBに当選したか」や「当選した小役の種類や回数や確率」等の情報まで、スロットマシン1で管理される様々な情報を出力することができる。
【0310】
その際、スロットマシン1から出力されるQRコードが1データで足りない場合には複数データに分割して出力することも可能であり、また、通信手段は赤外線やQRコードの発行に限らず、有線や無線LANといった実際に様々な分野にて利用される一般的な通信技術を適宜採用することも可能である。
【0311】
以上までが、本実施形態における基本的な構成説明となっており、以下に具体的な実施形態を記載していく。なお、以下の実施形態で表記されるL、C、Rについては、操作順番を表し、L:左ストップスイッチ13a操作、C:中ストップスイッチ13b操作、R:右ストップスイッチ13c操作を表す。例えば、入賞−A1条件装置(LCR)は左ストップスイッチ13aを第一番目に操作し、中ストップスイッチ13bを第二番目に操作し、右ストップスイッチ13cを第三番目に操作することを示している。
【0312】
次に本実施形態で表示可能となる図柄組合せについて
図25、26、27、28、29、30を用いて説明する。ボーナスに対応する図柄組合せについて、1番はMBに対応する図柄組合せであり、表示されることでMB遊技が開始される。2〜14番はリプレイに対応する図柄組合せであり、再遊技01、02が表示されるとリプレイの結果を遊技者に付与し、再遊技03、04が表示されるとAT抽選を実行し、かつ、リプレイの結果を遊技者に付与し、再遊技05が表示されると非RTへ移行し、かつ、リプレイの結果を遊技者に付与し、再遊技06が表示されるとRT2へ移行し、かつ、リプレイの結果を遊技者に付与し、再遊技11〜14については、本実施形態では表示されないが、操作手順に応じて表示されるようにしてもよい。入賞01は操作順が正解の場合に表示可能であり9枚のメダルを払い出し、入賞02〜04は操作順のうち第一停止が正解の場合に表示可能であり1枚のメダルを払い出し、入賞05〜08は操作順のうち左ストップボタン13a第一停止が不正解の場合に表示可能であり1枚のメダルを払い出し、入賞09〜12は操作順のうち中ストップボタン13b第一停止が不正解の場合に表示可能であり1枚のメダルを払い出し、入賞13〜16は操作順のうち右ストップボタン13c第一停止が不正解の場合に表示可能であり1枚のメダルを払い出し、入賞29は左と中にMBに関する図柄が表示されている場合で、右ストップボタン13cがBAR図柄を引き込めなかった場合に表示可能であり1枚のメダルを払い出し、入賞30は操作タイミングで表示可能であり8枚のメダルを払い出し、さらにAT抽選を行う。入賞31〜36は内部中になった場合にMBが非表示の際に表示可能な図柄組合せであり9枚のメダルを払い出し、入賞37〜39はMBを表示させないように組まれており1枚のメダルを払い出し、パターン図柄01は入賞−A1〜A6当選時の操作手順に基づいて表示可能であり、表示されるとRT1へ移行する。
【0313】
(
再遊技−C1〜C6条件装置)
本実施形態では、非RT、RT1〜3、ボーナス作動中の全5種類のRTが存在し、非RT、RT1とRT2は表示される図柄組合せに応じてRTの状態を変更することができ、RT3についてはボーナス当選したことに応じてRTの状態を変更することができる。こで、RTの状態とはリプレイの当選確率を変更するだけでなく、当選する種類を変更することもできる。再遊技−A又はB条件装置が当選した場合は、前回の賭け枚数と同等の枚数を賭けた状態で次回遊技を行うことができる。再遊技−C1〜C6条件装置が当選した場合は、当選した条件装置毎に対応した操作手順に応じて「ベル−ベル−リプレイ」(再遊技01)若しくは「ベル−チェリー‐リプ」又は「ベル−スイカ‐リプ」(再遊技05)のいずれかが表示可能となる。例えば、再遊技−C1条件装置が当選した場合であり、ストップスイッチの操作手順が(左→中→右)の場合は「ベル−チェリー‐リプ」又は「ベル−スイカ‐リプ」(再遊技05)を表示可能とし、RT2へ移行するように制御し、ストップスイッチの操作手順が(左→中→右)以外の場合は「ベル−ベル‐リプレイ」(再遊技01)を表示可能にし、RT状態を維持するように制御する(
図25参照)。
【0314】
(再遊技−D1〜D6条件装置)
再遊技−D1〜D6条件装置が当選した場合は、当選した条件装置毎に対応した操作手順に応じて「ベル−リプレイ−ベル」(再遊技02)若しくは「ベル−リプレイ‐リプレイ」、「ベル−チェリー‐ベル」又は「ベル−スイカ‐ベル」(再遊技06)のいずれかが表示可能となる。例えば、再遊技−D1条件装置が当選した場合であり、ストップスイッチの操作手順が(左→中→右)の場合は「ベル−リプレイ‐リプレイ」、「ベル−セhリー‐ベル」又は「ベル−スイカ‐ベル」(再遊技06)を表示可能とし、RT2へ移行するように制御し、ストップスイッチの操作手順が(左→中→右)以外の場合は「ベル−リプレイ−ベル」(再遊技02)を表示可能にし、RT状態を維持するように制御する(
図25参照)。
【0315】
(
RT3、ボーナス作動中)
MBに当選しかつ「BAR‐BAR‐BAR」が表示されなかった場合はRT3へ移行し、「BAR‐BAR‐BAR」が表示されるまでRT3を維持する。MB遊技中は9枚を超える払い出しが行われるまでMB遊技を維持し、MB遊技終了後は非RTへ移行するように制御する。
【0316】
(
小役に関する)
次に、小役に関して説明をする。
【0317】
(
非内部中の小役当選)
役抽選手段120の抽選結果により一の抽選結果が定まるが、各態様(RT、持ち越しの有無、押し順、押しタイミングなど)によって抽選結果に定められた図柄組合せの表示態様が異なるようになっている。具体的な内容については
図31〜35を用いて説明する。
【0318】
(
入賞−A1条件装置(LCR)の場合)
小役のうち、入賞A1条件装置については、それぞれに対応する正解押し順でストップスイッチ31を操作されることで「ベル−ベル−ベル」(入賞01)を入賞ライン上に表示させることが可能であり、「ベル−ベル−ベル」が表示されたことで9枚のメダルの払い出しが行われる(枚数優先制御)。これにより、メダルが9枚払い出される確率は100%となる(
図31)。
【0319】
(
入賞−A1条件装置(LRC)の場合)
同様に、左ストップスイッチ13a、右ストップスイッチ13cの順番で操作された場合は左リール8aの入賞ライン上にベル図柄が表示され、右リール8cの入賞ライン上にはスイカ図柄が表示可能となる(表示可能図柄組合せは入賞02)が、他のタイミングで操作した場合にはチェリーが表示可能となる。これは、当選役に対応する押し順に応じて入賞ラインに表示可能な図柄組合せが予め定まっており、右リール8cに対応する図柄の数が最も多いスイカ図柄又はチェリー図柄を引き込むことが可能なように制御している(個数優先制御)。押し順毎で表示される図柄組合せが異なり遊技者に与える結果も異なることで興趣を高めることができることとメダル払い出し枚数の期待値が異なるため、遊技者は操作順を意識した遊技を行うことができる(
図25、31)。
【0320】
「ベル−回転中−スイカ」が表示されている場合で中ストップスイッチ13bが操作された場合はスイカ図柄が表示可能となるため、「ベル−スイカ−スイカ」が入賞ライン上に表示されメダルを1枚払い出されるが、中ストップスイッチ13bがチェリーを引き込むタイミングで操作した場合はチェリー図柄が表示されメダルを1枚払い出しが行われる。
つまり、左ストップスイッチ13を初めに操作した場合はメダルの払い出しが行われる。
これにより、メダルが1枚払い出される確率は100%となる(
図25、31)。
【0321】
(
入賞−A1条件装置(CLR)の場合)
同様に、中ストップスイッチ13bが初めに操作された場合は、個数優先制御により、リプレイ図柄を引き込むように制御する(表示可能図柄組合せは入賞09)。さらに左ストップスイッチ13aが操作された場合はBAR図柄を表示させるようにし、右ストップスイッチ13cが操作された場合はBAR図柄を表示させるようにすることで「BAR−リプレイ−BAR」が表示されることでメダルが1枚払い出されるが、右ストップスイッチ13cが別のタイミングで操作された場合は、スイカ又はチェリー図柄を表示させるように制御する。また、左ストップスイッチ13が別のタイミングで操作されたときも、スイカ又はチェリー図柄を表示させるようにし、右ストップスイッチ13cが操作されたときは青7図柄、ブランクA図柄、赤7図柄、BAR図柄のいずれかを表示させる。これにより、操作タイミングによって、メダルが払い出されない、いわゆる取りこぼし目が表示される。これにより、メダルを1枚払い出す確率は25%(1/4)となる(
図25、31)。
【0322】
(
入賞−A1条件装置(CRL)の場合)
同様に、中ストップスイッチ13bが初めに操作された場合は、個数優先制御により、リプレイ図柄を引き込むように制御する(表示可能図柄組合せは入賞09)。さらに右ストップスイッチ13aが操作された場合はBAR図柄を表示させるようにし、左ストップスイッチ13cが操作された場合はBAR図柄を表示させるようにすることで「BAR−リプレイ−BAR」が表示されることでメダルが1枚払い出されるが、左ストップスイッチ13cが別のタイミングで操作された場合は、スイカ又はチェリー図柄を表示させるように制御する。また、右ストップスイッチ13が別のタイミングで操作されたときも、スイカ又はチェリー図柄を表示させるようにし、左ストップスイッチ13cが操作されたときは青7図柄、ブランクA図柄、赤7図柄、BAR図柄のいずれかを表示させる。これにより、操作タイミングによって、メダルが払い出されない、いわゆる取りこぼし目が表示される。これにより、メダルが1枚払い出される確率は25%(1/4)となる。(
図25、31)
【0323】
(
入賞−A1条件装置(RLC)の場合)
同様に、右ストップスイッチ13cが初めに操作された場合は、個数優先制御により、リプレイ図柄を引き込むように制御する(表示可能図柄組合せは入賞13)。さらに左ストップスイッチ13aが操作された場合はBAR図柄を表示させ、中ストップスイッチ13bが操作された場合はスイカ又はチェリー図柄を表示させることで取りこぼし目を表示させる。中ストップスイッチ13bの操作タイミングが青7図柄を引き込める場合には青7を引き込みメダルが1枚払い出される。左ストップスイッチ13aが操作されたときの操作タイミングによってはスイカ又はチェリー図柄を引き込み、右ストップスイッチ13cが操作された場合は青7図柄、ブランクA図柄、赤7図柄、BAR図柄のいずれかを引き込むことで取りこぼし目を表示させる。これにより、メダルが1枚払い出される確率は25%(1/4)となる(
図25、31)。
【0324】
(
入賞−A1条件装置(RCL)の場合)
同様に、右ストップスイッチ13cが初めに操作された場合は、個数優先制御により、リプレイ図柄を引き込むように制御する(表示可能図柄組合せは入賞13)。さらに中ストップスイッチ13bが操作された場合はBAR図柄を表示させ、左ストップスイッチ13aが操作された場合はスイカ又はチェリー図柄を表示させることで取りこぼし目を表示させる。左ストップスイッチ13aの操作タイミングが青7図柄を引き込める場合には青7を引き込みメダルが1枚払い出される。中ストップスイッチ13bが操作されたときの操作タイミングによってはスイカ又はチェリー図柄を引き込み、左ストップスイッチ13cが操作された場合は青7、ブランクA、赤7、BAR図柄のいずれかを引き込むことで取りこぼし目を表示させる。これにより、メダルを1枚払い出す確率は25%(1/4)となる(
図25、31)。
【0325】
以上より、6択押し順操作時には9枚か1枚か取りこぼしの結果となることで、押し順がない場合は遊技者は任意で押し順を当てることとなるが、押し順が当たる確率は1/6であるため、操作順に関する報知がある場合とない場合とで遊技者が獲得できるメダルの期待値に変化を設けることができる。また、入賞−A2〜A6条件装置でも同様のことが言える。
【0326】
(
入賞−B1条件装置(L)の場合)
小役のうち、入賞B1条件装置については、3択の押し順で入賞01を表示可能となるようになっており、正解押し順(左ストップスイッチ13a)で操作されることで「ベル−ベル−ベル」(入賞01)を入賞ライン上に表示させることが可能であり、「ベル−ベル−ベル」が表示されたことで9枚のメダルの払い出しが行われる(枚数優先制御)。これにより、メダルを9枚払い出す確率は100%となる(
図25、32)。
【0327】
(
入賞−B1条件装置(C)の場合)
同様に、中ストップスイッチ13bが初めに操作された場合は、個数優先制御により、リプレイ図柄を引き込むように制御する(表示可能図柄組合せは入賞09)。さらに左ストップスイッチ13bが操作された場合はBAR図柄を表示させ、右ストップスイッチ13aが操作された場合はBAR図柄を表示させることでメダルが1枚払い出される。左ストップスイッチ13a及び右ストップスイッチ13cの操作タイミングによっては、パタン図柄01を表示させるようにする。パターン図柄01は取りこぼし目であり、かつ、RT1に移行する契機となる図柄組合せである。例えば、RT2滞在中にパタン図柄01が表示されるとRT1へ移行するため、リプレイ確率が下がることで遊技者にとって不利な遊技が行われるため、遊技者はAT中であれば、押し順に従うように遊技すると遊技者にとってメダル獲得の期待値が高く、メダルの減少が少ないリプレイ確率で遊技をすることができる。メダルが1枚払い出される確率は12.5%(1/8)となる(
図25、32)。
【0328】
(
入賞−B1条件装置(R)の場合)
同様に、右ストップスイッチ13cが初めに操作された場合は、個数優先制御により、リプレイ図柄を引き込むように制御する(表示可能図柄組合せは入賞09)。さらに左ストップスイッチ13bが操作された場合はBAR図柄を表示させ、中ストップスイッチ13bが操作された場合はBAR図柄を表示させることでメダルが1枚払い出される。左ストップスイッチ13a及び中ストップスイッチ13cの操作タイミングによっては、パタン図柄01を表示させるようにする。パタン図柄01は取りこぼし目であり、かつ、RT1に移行する契機となる図柄組合せである。例えば、RT2滞在中にパタン図柄01が表示されるとRT1へ移行するため、リプレイ確率が下がることで遊技者にとって不利な遊技が行われるため、遊技者はAT中であれば、押し順に従うように遊技すると遊技者にとってメダル獲得値が高く、メダルの減少が少ないリプレイ確率で遊技をすることができる。メダルが1枚払い出される確率は12.5%(1/8)となる(
図25、32)。
【0329】
以上より、入賞−A1〜A6条件装置は6択の押し順に対して、入賞B1〜B6、C1〜C6条件装置は3択の押し順で入賞01が表示可能となるが、押し順択数の少ない入賞B1〜B6、C1〜C6条件装置については不正解時にRTが移行する可能性があるが、当選置数が少なく、入賞−A1〜A6条件装置の置数が大きいため、遊技者が誤って操作を間違えたとしてもRT移行をする機会が少なくなるため、同じRT状態を滞在する可能性が高くなることで遊技者に安心感を与えることができる。
【0330】
(
内部中での小役当選)
上述では、非内部中での入賞−A1〜C6までの条件装置に関する操作手順について表示される図柄組合せについて説明したが、次に内部中で同様の条件装置が作動した場合について説明する。
図33は入賞−A1〜A6条件装置が当選した図柄組合せであり、
図34は入賞−B1〜B6条件装置が当選した図柄組合せであり、
図35は入賞−C1〜C6条件装置が当選した図柄組合せを表しており、
図34、35は入賞−A1条件装置当選した場合の、操作手順に応じて表示可能となる図柄組合せの遷移を表した図である。
図33,34,35については非内部中に入賞−A1〜C6条件装置に当選した場合とはMB図柄がないのみで他の図柄は同一の図柄組合せである。
【0331】
(
入賞−A1条件装置(LCR)の場合)
小役のうち、入賞‐A1条件装置については、正解操作順でストップスイッチ13を操作されることで「ベル−ベル−ベル」(入賞01)又は「BAR‐リプレイ‐BAR」、「BAR‐青7‐リプレイ」、「BAR‐ブランクA‐ベル」、「BAR‐赤7‐ベル」、「BAR‐BAR‐青7」(入賞09、入賞13、入賞31)、「BAR‐BAR‐BAR」(MB)を入賞ライン上に表示させることが可能となる(
図34)。つまり、操作タイミングに応じて左リール8aにベル図柄かBAR図柄を表示させる。
【0332】
BAR図柄を引き込める範囲(14〜15、0〜1)で左ストップスイッチを初めに停止した場合は、ベル図柄とBAR図柄に関する図柄組合せは表示されると9枚が払い出されるため、同じ枚数の払い出しとなり(枚数優先制御では同じ)、入賞−A1条件装置のうち左リール8aに対応するベル図柄の個数は5個に対してBAR図柄の個数も5個である(個数優先制御では同じ)ため、ボーナスに関する図柄組合せが含まれている図柄を優先して引き込むように制御する。これにより、遊技者はボーナス図柄組合せ若しくは入賞−A1条件装置に関する図柄組合せを表示させることができる。つまり、上述では、小役優先制御≧ボーナス優先制御としているが、小役の優先順位が同列の場合は、ボーナスに関する図柄が含まれているものを優先して引き込むように制御していることから、遊技者は正解押し順で操作したとしてもボーナス図柄が表示される可能性が残るため、興趣を高めることができる(
図34)。
【0333】
(
左⇒中 ベルのみ表示可能)
BAR図柄を引き込めない範囲(1〜13)で左ストップスイッチを初めに停止した場合は、ベル図柄に関する図柄組合せは表示されると9枚が払い出される。これにより、遊技者はストップボタンの操作タイミングに応じて表示される図柄組合せが変化し、さらに、操作タイミングに応じて9枚が払い出される確率を100%にすることをできる(
図35)。
【0334】
(
MB表示可能性あり)
左リール8aにBAR図柄が入賞ライン上に表示されている場合、次に中ストップスイッチを操作した場合について説明する。中ストップスイッチが操作されたタイミングが青7図柄を引き込める範囲(10〜13)で停止した場合は青7図柄若しくはリプレイ図柄のいずれかを引き込むことが可能であるが、予め定められた青7図柄を引き込むように制御する(
図34)。
【0335】
(
左⇒中(青7)⇒右)
最後に右ストップスイッチを任意のタイミングで操作することでリプレイ図柄が表示可能となり1枚が払い出される。中リール8bにリプレイ図柄を表示した場合は、1枚役が払い出されるためにはBAR図柄が引き込める範囲で操作する必要があるため、右ストップスイッチの操作タイミングに応じて表示されるか否かが決定される。予め定められた図柄に応じてメダルの払い出し確率が変化している(
図34)。
【0336】
(
左⇒中(ブランクA,赤7)⇒右)
左リール8aにBAR図柄が入賞ライン上に表示されている場合、次に中ストップスイッチを操作した場合について説明する。中ストップスイッチが操作されたタイミングがブランクA若しくは赤7図柄が引き込める範囲(2〜9)で停止した場合はブランクA若しくは赤7図柄を表示させ、最後に右ストップスイッチを任意のタイミングで操作したことでベル図柄が表示可能となる(9枚が払い出される)(
図34)。
【0337】
(
BAR⇒BAR⇒)
「BAR‐BAR‐回転中」が表示されている場合であり、BARを引き込める範囲で停止操作を行うとBAR図柄が表示され、MB遊技開始となる。青7図柄を引き込める範囲で停止操作を行うと青7図柄が表示され、9枚が払い出される。その他の範囲で停止操作を行うと取りこぼしとなる(
図34)。
【0338】
以上のように、内部中で入賞‐A1条件装置が当選した場合に、停止操作順番かつ停止タイミングに応じて表示可能な図柄が異なることと払い出しが行われるか遊技状態が変化するようになっているため、遊技者に興趣を高めることができる。
【0339】
(
内部中:入賞−B1〜B6条件装置当選時)
次に、内部中であり入賞−B1〜B6条件装置が当選した場合に表示される図柄組合せについて説明する。
【0340】
内部中で、入賞B1〜B6条件装置が当選した場合は、枚数優先制御を採用し、停止操作順番又はタイミングに関わらず、「ベル‐ベル‐ベル」の図柄組合せが表示され、メダルが9枚払い出されるように制御する(枚数優先制御)(
図32)。
【0341】
(
内部中:入賞C1〜C6条件装置当選時)
次に、内部中であり入賞−C1〜C6条件装置が当選した場合に表示される図柄組合せについて説明する。
【0342】
内部中で、入賞‐C1〜C6条件装置が当選した場合は、個数優先制御を採用する。例えば、入賞‐C1条件装置が当選した場合であり、初めに左ストップスイッチが操作された場合はベル図柄を表示させ、その後はチェリー又はスイカのいずれかの図柄組合せを表示させ、メダルを1枚払い出させるように制御する。初めに中又は右ストップスイッチが操作された場合チェリー又はスイカ図柄のいずれかを表示させるように制御し、左ストップスイッチが操作された場合はリプレイ図柄を表示させ、メダルを1枚払い出させるように制御する(
図32)。
【0343】
(
入賞−D、E条件装置)
入賞−D又はE条件装置に当選/表示すると、有効ライン上に図柄組合せが表示されたか否かに関わらず操作手順に関する情報を報知する抽選を実行する。例えば、入賞−D,又はE条件装置に当選した場合はAT報知を実行する権利を付与するか否かを抽選する契機役として定めることも可能であるし、入賞−D又はE条件装置当選後の操作手順に応じて遊技の進行を遅延させるいわゆるフリーズ処理のようなメイン制御基板で管理する処理を実行するようにしても良い。
【0344】
(
置数について)
上述したボーナス、小役、再遊技役はそれぞれ設定値又はRT状態に応じて抽選置数が異なるようになっている(
図24)。例えば、再遊技−C1〜C6条件装置が当選するRT状態はRT1のみとなっており、再遊技‐D1〜D6条件装置はRT1又はRT2でのみ当選可能となっているが、設定値に応じて置数を変更するようにしてもよいし、規定数に応じて置数を変更するようにしても良い。例えば、本実施形態には記載されていないが2枚掛け遊技でのみMBが当選し、3枚掛け遊技ではMBが当選/表示されないと定義されているものであれば、2枚掛けでMBに当選させ、その後は3枚掛けで遊技を行うことでRT3状態で遊技を行うことができ、かつ、MBを表示させることなく遊技を進行することもできる。
【0345】
以上より、ボーナスが持ち越されている遊技で小役(入賞−A1〜A6条件装置)に当選した場合は、「ベル−ベル−ベル」(入賞01)に関する図柄組合せが表示可能となる停止操作手順で操作を行うことで、停止タイミングに応じて入賞01若しくはボーナスに関する図柄組合せのいずれかが表示可能となり、遊技者にどちらを表示させるかを選択させることができ、新たな遊技性を提供することができる。
【0346】
(
外部信号)
また、本実施形態に記載されてはいないが、AT状態となった場合、遊技機外の外部端子装置に現在の遊技状態を示す信号を出力することがあるが、AT状態の権利を持っていたとしてもRT2に滞在していない場合は、AT状態を示す外部信号を出力せず、再遊技05図柄組合せが表示されたことでAT状態を示す外部信号をしてもよい。
【0347】
(
内部中のハズレ)
また、本実施形態に記載されてはいないが、RT3ではボーナス図柄が容易に表示されないようにハズレが出現しないようになっているが、ハズレの結果となる置数を1以上設けてボーナス図柄の表示パターンを複数設けても良い。
【0348】
(
設定変更)
また、本実施形態に記載されてはいないが、RT3に滞在しているときに設定変更を行った場合はRT3状態とボーナス当選情報を維持してもよいし、他のRT状態で設定変更を行った場合は非RTから開始となるように初期化するようにしてもよい。これに限らず、いずれのRTに滞在しているときに設定変更を行った場合は非RTへ設定するようにしてもよい。これに限らず、ボーナス作動中に限り設定変更を行った場合は非RTへ移行するように制御してもよい。
また、設定変更処理を行った場合はAT情報をクリアしても良い。これにより、次の遊技者が遊技する際に公平な遊技を提供することができる。これに限らず設定変更処理を行った場合はAT情報をクリアしないようにしてもよい。また、携帯連動サービスを起動している場合は起動している携帯連動サービスに関する情報はクリア(初期化)しないようにしてもよい。これにより設定変更した場合でもクリアされていないと判断することができる。
【0349】
(
メインで管理するATに関する)
また、従来の遊技機は、メイン制御基板で役抽選に関する情報を管理しサブ制御基板で演出/ATに関する情報を管理しており、メイン制御基板の情報をサブ制御基板に送信する一方向通信である。役抽選情報(条件装置番号)には押し順に関する情報を含んで送信していたため、非AT中であろうとサブ制御基板へ役抽選情報を送信していたことから、情報を不正に取得されうるゴトが発生する恐れがあった。
【0350】
そのため、メイン制御基板から送信する情報に制限を設けるために、メインでAT情報(報知してよいか否か/ゲーム数管理)を管理し、AT情報に基づいてメイン制御基板からサブ制御基板へ送信する情報の内容を変更するようにしてもよい。例えば、役抽選の結果、条件装置番号1が抽選結果となった場合であり、非AT状態であるときは、条件装置番号1を送信せず、条件装置番号35(
図24)を送信することで、サブは押し順情報は不明となるが、再遊技役(条件装置番号1〜14のいずれか)が当選したことを把握することができるため、コマンドゴトの恐れは軽減されることとサブ制御基板側で再遊技役に当選に関する演出示唆を実行することが可能となる。ベルの場合も同様で非AT状態では条件装置番号36を送信するようにしてもよい。
【解決手段】非内部中に入賞−A1条件装置に当選し正解押し順で操作した場合は、入賞−A1条件装置のうち遊技者に最も有利な結果となる図柄組合せが表示され、内部中に入賞−A1条件装置に当選し正解押し順で操作した場合であり、さらに第一の操作タイミングで操作した場合は入賞−A1条件装置のうち遊技者に最も有利な結果となる図柄組合せが表示可能となり、第二の操作タイミングで操作した場合はMBに関する図柄組合せが表示可能となり、入賞−A1条件装置のうち遊技者に最も有利な結果となる図柄組合せが表示されないように制御される。