(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載の止水装置は、接地板とレール材とが溶接等により一体化されているため、未使用時の保管にスペースをとるうえ、組立・解体時の取扱いに不便である。また、組立に際しては、第1、第2の各加圧装置を操作する必要があり、組立作業も容易でない。
【0007】
本発明は、上記課題に着目してなされたものであり、短時間かつ容易に設置することができ、確実に防水することができ、さらに、未使用時の保管スペースを広くとらない止水装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の前記目的は、構造物の開放された床面上の空間に設置される止水板と、前記止水板を前記床面に固定するための第1バンドと、前記床面の前記止水板の設置位置近くに取り付けられる少なくとも1つの第1バンド通し具と、を備え、前記止水板には、少なくとも1つの第2バンド通し具が設けられ、前記第1バンドは、前記止水板に対して前記床面への押付力が作用するように前記第1バンド通し具及び前記第2バンド通し具に巻き付けられる止水装置により達成される。
【0009】
上記構成の止水装置において、前記空間の横幅を画定する左右の柱又は壁にそれぞれ取り付けられる第3バンド通し具と、前記止水板を前記柱又は壁に固定するための第2バンドと、をさらに備え、前記止水板には、左右一対の第4バンド通し具が設けられ、前記第2バンドは、前記止水板に対して前記柱又は壁への押付力が作用するように前記第3バンド通し具及び前記第4バンド通し具に巻き付けられることが好ましい。
【0010】
この実施態様では、前記第2バンド通し具は、前記止水板に上下一対設けられ、前記第1バンドは、上下の前記第2バンド通し具の間で略垂直となるように前記第1バンド通し具及び前記第2バンド通し具に巻き付けられることがより好ましく、さらに、前記第1バンド通し具は前記床面の前記止水板の設置位置よりも構造物側に取り付けられ、前記止水板は、前記柱又は壁に、構造物とは反対側の面で支持されることがより好ましい。
【0011】
一方で、上記好ましい実施態様においては、前記止水板には、前記第2バンド通し具の下方に板面から突き出る突起が設けられており、前記第1バンドは、前記突起を乗り越えて前記突起及び前記第1バンド通し具の間で略垂直となるように前記第1バンド通し具及び前記第2バンド通し具に巻き付けられていてもよい。
【0012】
また、上記構成の止水装置において、前記床面と前記止水板との間には、順に緩衝材、コーキング材、パッキン材及びコーキング材が介在することが好ましい。
【0013】
また、上記構成の止水装置において、前記止水板は、複数の板材を連ねてなり、隣接する前記板材の一方の端面には凸部が形成されるとともに他方の端面には前記凸部が係合する凹溝が形成され、隣接する前記板材の境界には、止水テープが貼り付けられていてもよい。また、前記止水板は、複数の板材を枠材を介して連ねてなり、前記枠材は、隣接する前記板材の一方の一側縁が接着層を介して嵌め込まれる第1凹溝と、隣接する前記板材の他方の一側縁が接着層を介して嵌め込まれる第2凹溝とを有し、隣接する前記板材の境界には、止水テープが貼り付けられていてもよい。
【0014】
この実施態様では、前記止水板は、隣接する前記板材に跨る補部材をさらに備え、隣接する前記板材には、前記補強材を支持する受け部が設けられていることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明の止水装置によれば、短時間かつ容易に設置することができ、確実に防水することができる。加えて、未使用時の保管スペースも省スペース化することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
図1及び
図2は、本発明の一実施形態に係る止水装置1を示している。
図1及び
図2において、Sは構造物の開放された床面(設置面)上の空間、例えば、建築物の出入口を示すもので、10は水を堰き止める位置の床面(設置面)を、11,12は水を堰き止める空間(出入口)Sを画定する左右の柱又は壁(以下、「壁等」という。)を、それぞれ示している。なお、
図1及び
図2において、平時に空間(出入口)Sを閉じる扉、戸、シャッター等は図示を省略している。本実施形態の止水装置1は、例えば、建築物の出入口より建築物内に水が流入しないように出入口の所定の位置で水を堰き止めるものであるが、本発明は、建築物の出入口に限らず、地下鉄や地下道の出入口等にも適用することができる。
【0018】
本実施形態の止水装置1は、建築物の出入口Sに設置される止水板2と、止水板2を設置面10に固定するための第1バンド3と、止水板2を壁等11,12に固定するための第2バンド4と、出入口S近くの設置面10に取り付けられる少なくとも1つの第1バンド通し具5と、出入口Sを画定する左右の壁等11,12にそれぞれ取り付けられる第3バンド通し具7とを備える。また、止水板2には、少なくとも1つの第2バンド通し具6が設けられるとともに、左右一対の第4バンド通し具8が設けられている。
【0019】
第1バンド通し具5は、
図2及び
図3に示すように、設置面10の止水板2を設置する箇所の近くに、例えばネジやボルトなどを用いて固定される。第2バンド通し具6は、
図2及び
図4に示すように、止水板2の一方の板面(一方面)に、例えばネジやボルトなどを用いて固定される。第3バンド通し具7は、
図2及び
図3に示すように、左右の壁等11,12の一面(図示例では互いに対向する内面)の止水板2を設置する箇所の近くに、例えばネジやボルトなどを用いて固定される。第4バンド通し具8は、
図2及び
図4に示すように、止水板2の一方面に、例えばネジやボルトなどを用いて固定される。
【0020】
本実施形態では、第1バンド通し具5は、出入口Sよりも後方側(建築物側)の設置面10に、前後方向に間隔をあけて2つ並ぶようにして設けられる。第2バンド通し具6は、止水板2の建築物に面する側の板面に上下一対設けられ、第1バンド3は、上下の第2バンド通し具6の間では略垂直に延びる。第4バンド通し具8は、止水板2の建築物に面する側の板面に、上下方向では一対の第2バンド通し具6の間に位置し、左右方向では一対の第2バンド通し具6の外側に位置するようにして設けられる。第3バンド通し具7は、壁等11,12の内面に、止水板2の第4バンド通し具8よりも下方に位置するようにして設けられる。
【0021】
各バンド通し具5〜8は、例えば金属製であり、各箇所への固定に用いられる平板部と、バンド3,4が通される挿通部とからなる。挿通部は、例えばU字形、コ字形、円形、三角形など、バンド3,4を通す開口を有していればその形状は特に限定されるものではない。このようなバンド通し具5〜8は、市販されているものを用いることができる。なお、図示例では、第1バンド通し具5は、設置面10上に固定されているが、例えば、設置面10に凹所(図示せず)を形成しておき、凹所内に第1バンド通し具5を固定するようにしてもよい。そして、常時はカバー(図示せず)により前記凹所を塞ぐことで第1バンド通し具5を外からは視認できないようにし、使用時に前記カバーを開けて第1バンド通し具5を露出させると、設置面10の外観を良くすることができる。また、第3バンド通し具7についても、壁等11,12の一面に同様に凹所(図示せず)を形成し、凹所内に第3バンド通し具7を固定するようにしてもよい。
【0022】
止水板2は、
図2及び
図4に示すように、本実施形態では横に長い長方形状である。止水板2としては、例えば木材を用いることができるが、軽量化のためには、例えばプラスチック製としかつ内部を中空のものとしてもよい。なお、この場合には、内部及び/又は外部の適所にリブを設けるなどして強度を高めることが望ましい。また、ポリエチレン等の圧縮に強い発泡剤を芯材としかつ芯材の表裏両面に金属製や木製の化粧板を接着剤等により貼着したものを用いることで、止水板2の強度を維持しつつ軽量化してもよい。
【0023】
止水板2は、設置面10に支持されるとともに、壁等11,12の建築物とは反対側の面で支持されている。止水板2は、設置面10との間に、設置面10側から順に、緩衝材13及びパッキン材14が全長にわたり敷設された状態で、設置されている。
【0024】
緩衝材13は、例えば藁などを例示することができ、緩衝材13が止水板2と設置面10との間に介在することで、後述するように第1バンド3で止水板2を設置面10に押し付けたとしても、設置面10が傷つくことなどが防止される。一方で、パッキン材14は、例えばゴムなどの弾性体の他、フェルト類やスポンジ類を例示することができ、パッキン材14が止水板2と設置面10との間に介在することで、第1バンド3で止水板2を設置面10に押し付けることによりパッキン材14が圧縮変形し、これにより止水板2と設置面10との間が水密状態となる。
【0025】
また、緩衝材13及びパッキン材14、さらには、パッキン材14及び止水板2の間には、十分な量のコーキング材15が塗布され、それぞれの間の隙間がコーキング材15により埋められる。これにより、止水板2と設置面10との間をより水密な状態としている。コーキング材15は、市販されている建築用のもの(例えばセメダイン株式会社製の「セメダインポリコーク」)を用いることができる。
【0026】
また、止水板2は、左右の壁等11,12との間にも、壁等11,12側から順に、緩衝材13及びパッキン材14が全長にわたり敷設された状態で、支持されている。緩衝材13及びパッキン材14が止水板2と壁等11,12との間に介在することで、同様に、止水板2を壁等11,12に押し付けたとしても壁等11,12が傷つくことなどが防止され、かつ、止水板2と壁等11,12との間を水密状態とすることができる。また、緩衝材13及びパッキン材14、さらには、パッキン材14及び止水板2の間にも、同様に、十分な量のコーキング材15が塗布され、それぞれの間の隙間がコーキング材15により埋められることで、止水板2と壁等11,12との間をより水密な状態とすることができる。
【0027】
止水板2の大きさとしては、特に限定されるものではなく、出入口の大きさ(縦幅・横幅)に応じて設計することができ、例えば、縦幅を50cm〜90cm、横幅を100cm〜200cmとすることができる。
【0028】
第1バンド3は、
図2に示すように、設置面10の第1バンド通し具5及び止水板2の第2バンド通し具6に巻き付けられる。第1バンド3は、止水板2に対して設置面10への押付力を作用させるものであり、これにより、止水板2は設置面10に密着・固定される。本実施形態では、第2バンド通し具6が止水板2に上下一対設けられ、第1バンド3が上下の第2バンド通し具6の間で略垂直となるように第1バンド通し具5及び第2バンド通し具6に巻き付けられるので、止水板2に対して鉛直下向きの押付力が効果的に作用し、止水板2を設置面10に強く密着・固定することができる。なお、第2バンド通し具6は、止水板2に必ずしも上下一対設けられる必要はなく、1つであっても止水板2に対して鉛直下向きの押付力を作用させることができる。
【0029】
加えて、第1バンド3が、止水板2の後方の第1バンド通し具5に巻き付けられていることから、止水板2には後方の壁等11,12に対しても押付力が作用する。これにより、止水板2は壁11,12にも密着・固定される。そのうえ、第2バンド4が、
図2に示すように、壁等11,12の第3バンド通し具7及び止水板2の第4バンド通し具8に巻き付けられて、第2バンド4が止水板2に対して壁等11,12への押付力を作用させることから、止水板2に対して水平内向きの押付力が効果的に作用し、止水板2を壁等11,12に強く密着・固定することができる。なお、第1バンド通し具5は、設置面10に必ずしも前後一対設けられる必要はなく、1つであっても止水板2に対して鉛直下向き及び水平内向きの押付力を作用させることができる。
【0030】
第1バンド3及び第2バンド4は、ある程度の長さを有する長尺物であれば、紐状であってもよいし、幅のあるベルト状(帯状)であってもよく、また、伸縮性を有していてもよいし、伸縮性を有していなくてもよい。このようなバンド3,4としては、例えば
図5に示す旅行用のスーツケースに巻くためのものとして市販されているスーツケースバンド(スーツケースベルト)を好適に用いることができる。
【0031】
この種のスーツケースバンドは、バンドBの一端部に2枚の四角カン(金具)M1,M2が備えられており、バンドBを、バンドBの他端部から各バンド通し具に通して1巻きし、バンドの他端部を1枚目及び2枚目の四角カンM1,M2の中に通す。そして、バンドBを折り返し、バンドの他端部を1枚目の四角カンM1と2枚目の四角カンM2との間から1枚目の四角カンM1の中に通して、強くバンドBを引くことで、簡単にバンドBの緩みを抑制しながらバンドを各バンド通し具に巻き付けることができる。このとき、折り返したバンドBの他端部を固定するための固定手段をバンドBに設けておくと、バンドBの緩みを確実に防止することができる。
【0032】
次に、上記構成の止水装置1を設置する方法について説明する。まず、
図6に示すように、設置面10の止水板2を設置する箇所に、全長にわたって、藁などの緩衝材13を敷設する。緩衝材13は、両端を例えばガムテープ等で設置面10に貼り付けることで、設置面10に固定できる。また、壁等11,12の止水板2が当たる箇所にも、全長にわたって、藁などの緩衝材13を敷設する。緩衝材13は、同様に両端を例えばガムテープ等で壁等11,12に貼り付けることで、壁等11,12に固定できる。
【0033】
次に、
図7に示すように、設置面10及び壁等11,12の緩衝材13上にコーキング材15を塗布する。コーキング材15は、設置面10と壁等11,12との角の部分に特に十分に塗布することが好ましい。
【0034】
次に、
図8に示すように、コーキング材15が塗布された緩衝材13上に、ゴムシート等のパッキン材14を粘着剤、接着剤、粘着テープ等で貼り付ける。このとき、設置面10と壁等11,12との角の部分に隙間ができるときは、隙間をコーキング材15で埋めることが好ましい。そして、
図9に示すように、パッキン材14上に再度コーキング材15を塗布した後、
図10に示すように、止水板2をコーキング材が塗布されたパッキン材14上に載置する。
【0035】
最後に、第1バンド3を第1バンド通し具5及び第2バンド通し具6に強く巻き付けるとともに、第2バンド4を第3バンド通し具7及び第4バンド通し具8に強く巻き付けることで、止水板2を設置面10及び壁等11,12に固定する。
【0036】
本実施形態の止水装置1によると、止水板2が第1バンド3及び第2バンド4により設置面10及び左右の壁等11,12に対してそれぞれ強く密着・固定されるとともに、中間にコーキング材15及びパッキン材14を介在させているので、止水板2と設置面10との間及び止水板2と壁等11,12との間は水密状態となる。よって、大雨等による洪水時に水が氾濫しても、出入口等の開放された床面上の空間Sより水が構造物内に流入することを良好に防止することができる。また、止水板2に水圧が作用しても、止水板2は壁等11,12により支持されるので、止水板2が設置面10や壁等11,12より離脱するおそれはなく、耐久性にも優れている。
【0037】
また、本実施形態の止水装置1によると、止水板2を第1バンド3及び第2バンド4により設置面10及び左右の壁等11,12に固定することで設置できるので、組立・解体が容易であり、緊急時の迅速な対応が可能であるうえ、止水板2を軽量化することで組立・解体時の取り扱いも便利となる。さらに、止水板2の保管に広いスペースをとることがなく省スペース化できる。
【0038】
また、本実施形態の止水装置1によると、止水板2、各バンド3,4、各バンド通し具5〜8、緩衝材13、パッキン材14及びコーキング材15は、市販されているものを用いることができるので、必要材料を安価かつ簡単に入手することができる。
【0039】
さらに、平時は、設置面10の第1バンド通し具5及び壁等11,12の第3バンド通し具7を隠すように構成すれば、外観上、見栄えが悪くなることも防止できる。
【0040】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。
【0041】
例えば上記実施形態では、止水板2の構造物に面する側の板面に第2バンド通し具6及び第4バンド通し具8が設けられていたが、止水板2の構造物とは反対側の板面に第2バンド通し具6及び第4バンド通し具8が設けられていてもよい。
【0042】
図11は、本発明の他の実施形態に係る止水装置1を示している。なお、
図11に示す実施形態の止水装置1において、基本的な構成は上記実施形態と同様であり、同様の構成については同一の符号を付することで説明を省略する。
【0043】
この実施形態では、まず、第1バンド通し具5は、
図11、
図12及び
図15に示すように、設置面10の止水板2を設置する箇所の近くでありかつ出入口Sよりも前方側(構造物とは反対側)に1つ設けられる。第2バンド通し具6は、
図11、
図13及び
図15に示すように、止水板2の他方面(構造物と面しない側の板面)に1つ設けられる。第3バンド通し具7は、
図11、
図12及び
図15に示すように、左右の壁等11,12の外面の止水板2を設置する箇所の近くに設けられる。第4バンド通し具8は、
図11、
図13及び
図15に示すように、止水板2の他方面に左右方向で第2バンド通し具6の外側に位置するようにして設けられる。なお、第1バンド通し具5及び第3バンド通し具7ともに、上記実施形態と同様に、設置面10や壁等11,12に凹所(図示せず)を形成して凹所内に固定するようにしてもよい。
【0044】
止水板2は、
図11、
図13及び
図15に示すように、上記実施形態と同様に、設置面10に支持されるとともに、壁等11,12の構造物とは反対側の面で支持されるとともに、設置面10や壁等11,12との間に、緩衝材13及びパッキン材14が全長にわたり敷設された状態で、設置される。また、緩衝材13及びパッキン材14、さらには、パッキン材14及び止水板2の間は、十分な量のコーキング材15が塗布され、それぞれの間の隙間がコーキング材15により埋められることで、水密な状態となっている。
【0045】
また、止水板2には、他方面(構造物と面しない側の板面)において第2バンド通し具6の下方に、板面から突き出る突起29が設けられている。この突起29により、第1バンド通し具5及び第2バンド通し具6に巻き付けられる第1バンド3は、突起29及び第1バンド通し具5の間で略垂直となり、止水板2に対して鉛直下向きの押付力を効果的に作用させるので、止水板2を設置面10に強く密着・固定することができる。なお、止水板2の他方面には、第4バンド通し具8の外側にも、板面から突き出る突起30が設けられており、第2バンド4はこの突起30を乗り越えて第3バンド通し具7及び第4バンド通し具8に巻き付けられる。
【0046】
また、第2バンド4が、壁等11,12の第3バンド通し具7及び止水板2の第4バンド通し具8に巻き付けられて、止水板2に対して壁等11,12方向への水平内向きの押付力を作用させることから、止水板2を壁等11,12に密着・固定することができる。
【0047】
本実施形態の止水装置1も上記実施形態と同じ手順で設置することができる。つまりは、設置面10の止水板2を設置する箇所及び壁等11,12の止水板2が当たる箇所に、
図14に示すように、全長にわたって、藁などの緩衝材13を敷設し、次に、緩衝材13上にコーキング材15を塗布し、次に、コーキング材15が塗布された緩衝材13上に、ゴムシート等のパッキン材14を貼り付け、次に、パッキン材14上に再度コーキング材15を塗布した後、
図15に示すように、止水板2をコーキング材が塗布されたパッキン材14上に載置する。そして、第1バンド3を第1バンド通し具5及び第2バンド通し具6に強く巻き付けるとともに、第2バンド4を第3バンド通し具7及び第4バンド通し具8に強く巻き付けることで、止水板2を設置面10及び壁等11,12に固定する。
【0048】
また、本実施形態の止水装置1についても、上記実施形態と同様の作用・効果を奏する。つまりは、大雨等による洪水時に水が氾濫しても、出入口等の開放された床面上の空間Sより水が構造物内に流入することを良好に防止することができるうえ、止水板2に水圧が作用しても、止水板2は壁等11,12により支持されるので、止水板2が設置面10や壁等11,12より離脱するおそれはなく、耐久性にも優れている。さらに、組立・解体が容易であり、緊急時の迅速な対応が可能であるうえ、止水板2を軽量化することで組立・解体時の取り扱いも便利となるうえ、止水板2の保管に広いスペースをとることもなく、省スペース化できる。また、必要材料を安価かつ簡単に入手できる。
【0049】
また、上記したいずれの実施形態においても、止水板2を設置面10に設置する際に、パッキン材14を粘着剤、接着剤、粘着テープ等で設置面10及び壁等11,12(具体的には緩衝材13上)に貼り付けているが、これらのパッキン材14を、間にコーキング材15を介した状態で粘着剤、接着剤、粘着テープ等により予め止水板2の適当な箇所に貼り付けておいてもよい。この場合、設置面10に対応して止水板2に貼り付けられるパッキン材14と、壁等11,12に対応して止水板2に貼り付けられるパッキン材14との間に隙間ができるときは、隙間をコーキング材15で埋めることが好ましい。この実施形態では、設置面10及び壁等11,12に緩衝材13を敷設し、緩衝材13上にコーキング材15を塗布した後、パッキン材14付きの止水板2をコーキング材が塗布された緩衝材13上に載置することになる。
【0050】
また、上記したいずれの実施形態においても、止水板2は伸縮可能に構成されていてもよい。例えば、
図16に示すように、止水板2が、本体部2Aと、本体部2Aの左右の両側縁から出没可能な補助部2Bとを有するように構成されていてもよい。補助部2Bは、本体部2Aの左右の両側縁部に、左右方向にスライド自在に取り付けられることで、本体部2Aの左右の両側縁から突き出たり退避したりして、止水板2が伸縮可能となる。止水板2を
図16に示すように伸長させるとき、本体部2A及び補助部2Bの境界にガムテープ等の止水テープ26を貼り付けることで、本体部2A及び補助部2Bの境界から水が浸入することを防止できる。なお、本体部2Aの左右一方の側縁部にのみ補助部2Bをスライド自在に取り付けることもできる。また、補助部2Bを本体部2Aの左右の側縁部にスライド自在に取り付けられる方法としては、
図17(a)に示すように、本体部2Aの左右の側縁部の端面に形成した凹所2Cに補助部2Bを収納して、凹所2Cから補助部2Bを引き出すように構成してもよいし、
図17(b)に示すように、本体部2Aの左右の側縁部に補助部2Bを重ねて配置して、補助部2Bを引き出すように構成してもよい。
【0051】
また、上記したいずれの実施形態においても、止水板2は1枚の板材より構成されているが、止水板2が複数の板材を連ねて構成されていてもよい。
【0052】
例えば止水板2を2枚の板材20で構成する場合、例えば
図18に示すように、隣接する板材20の一方の端面に凸部21を形成しかつ他方の端面に凸部21が係合する凹溝22を形成し、凸部21を凹溝22に係合させることで、2枚の板材20を、その端面同士を突き合わせて連ねることができる。このとき、一方の板材20の端面及び凸部21の表面にコーキング材15を塗布するとともに、隣接する板材20の境界にガムテープ等の止水テープ26を貼り付けることで、隣接する板材20の境界から水が浸入することを防止できる。なお、2枚以上の板材20で止水板2を構成することもできる。また、板材20を左右に連ねるだけでなく、上下に連ねて止水板2を構成することもできる。
【0053】
また、例えば
図19に示すように、複数(図示例では2枚)の板材20を枠材23を介して連ねることもできる。枠材23は、例えばH鋼などの金属製であり、隣接する板材20の一方の一側縁が嵌め込まれる第1凹溝24と、隣接する板材20の他方の一側縁が嵌め込まれる第2凹溝25とを有する。板材20は、第1凹溝24及び第2凹溝25に接着剤、粘着剤、両面テープなどの接着層31を介して嵌め込まれる。このとき、隣接する板材20の境界にガムテープ等の止水テープ26を貼り付けることで、隣接する板材20の境界から水が浸入することを防止できる。なお、2枚以上の板材20で止水板2を構成することもできる。また、板材20を左右に連ねるだけでなく、上下に連ねて止水板2を構成することもできる。
【0054】
止水板2を複数の板材20で構成する場合には、隣接する板材20に跨るようにして補部材27を設け、補強材27により止水板2の剛性を向上させることが好ましい。補強材27は、例えば木製や金属製の棒状体であり、断面形状は矩形状や円形状など、種々の形状であってよい。板材20には、補強材27を支持するための断面視L字状あるいはコ字状の受け部28が設けられ、補強材27が止水板2を構成する板材20に沿うことで、隣接する板材20が容易に折れ曲がることを防止できるので、耐久性を向上できる。
【解決手段】防水装置1は、止水板2と、止水板2を設置面10に固定するための第1バンド3と、設置面10の止水板2の設置位置近くに取り付けられる第1バンド通し具5と、出入口Sを画定する左右の壁等11,12にそれぞれ取り付けられる第3バンド通し具7と、止水板2を壁等11,12に固定するための第2バンド4とを備える。止水板2には、第2バンド通し具6及び第4バンド通し具8が設けられる。第1バンド3は、止水板2に対して設置面10への押付力が作用するように第1バンド通し具5及び第2バンド通し具6に巻き付けられる。第2バンド4は、止水板2に対して壁等11,12への押付力が作用するように第3バンド通し具7及び第4バンド通し具8に巻き付けられる。