(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような従来の車両の洗車時に踏み台やはしご等を用いる場合には、これらの準備や片付け作業が必要になり、作業者にとってこれらの作業は煩わしい。
【0006】
また、傘等の長い物や、ジャッキ、タイヤチェーン等の重量物は室内に設けられた収容凹部内には収納できないので、室内に置くしかない。このため、車室内を濡らしたり、汚したりしているのが現状である。
【0007】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、傘等の長い物や、ジャッキ、タイヤチェーン等の重量物を収納することができるとともに、作業者を煩わせることなく車高の高い車両のルーフを洗車することができる車両用のステップ兼収納構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明の車両用のステップ兼収納構造は、車両用ドア(実施の形態における左後部ドア10)の外側に設けられ外側に向けて開口する開口部と、開口部を開閉可能な蓋体と、開口部の少なくとも下部に設けられ車両用ドアの幅方向内側へ延びる面部とを備え、面部は、車両用ドア内に配置されて開口部に対向配置された壁部と連続的に繋がって、内部に空間部が形成された収納部を構成し、収納部の下面がステップを構成
し、面部及び壁部を有してなる収納部は一体的に形成され、一体的に形成された収納部は、車両用ドアのアウタパネルに設けられた開口部に対して突出入自在に支持されていることを特徴とする(請求項1)。
【0009】
また本発明の蓋体は、開口部に対してスライド自在に支持されていることを特徴とする(請求項
5)。
【0010】
さらに本発明の蓋体は、開口部に対して一端側が回動自在に支持されて他端側が揺動自在であることを特徴とする(請求項
6)。
【0014】
また
、車両用ドアの外側に設けられ外側に向けて開口する開口部と、開口部を開閉可能な蓋体と、開口部を囲んで車両用ドアの幅方向内側へ延びる面部とを備え、面部は、車両用ドア内に配置されて開口部に対向配置された壁部と連続的に繋がって、内部に空間部が形成された収納部を構成し、収納部の下面がステップを構成し、面部は、車両用ドア内に設けられた骨部材(実施の形態におけるドアビーム15)に支持されていることを特徴とする(請求項
2)。
【0015】
また本発明の骨部材は、車両用ドア内に配設されたドアビーム又はドアビームに接続された支持部材であることを特徴とする(請求項
3)。
【0016】
さらに本発明の面部は、弾性体を介して骨部材に支持されていることを特徴とする(請求項
4)。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように、本発明に係わる車両用のステップ兼収納構造によれば、上記特徴を有することで、傘等の長い物や、ジャッキ、タイヤチェーン等の重量物を収納することができるとともに、作業者を煩わせることなく車高の高い車両のルーフを洗車することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の車両用のステップ兼収納構造の好ましい実施の形態を
図1から
図9に基づいて説明する。先ず、
図1及び
図2を参照して、ステップ兼収納構造が設けられた車両用ドアの概略について説明する。なお、本実施の形態は車両の車幅方向左側に配設された左後部ドアを例にして説明する。
【0021】
左後部ドア10は、
図1(部分側面図)に示すように、車両1のボディ2の左側の前後方向中間部に配設されたセンターピラー4の後端部に車幅方向に揺動自在に取り付けられて、車両1の左側後部に開口する左開口部後5を開閉する。
【0022】
図2は
図1に示す左後部ドア10のI−I矢視に相当する部分の断面図である。左後部ドア10は、
図2に示すように、車幅方向外側に配設されて車両前後方向に延びるアウタパネル11と、アウタパネル11の車幅方向内側に所定の間隙を有して対向配置されてアウタパネル11に沿って車両前後方向に延びるインナパネル13とを有して構成される。
【0023】
アウタパネル11とインナパネル13との間には空間部14が形成されている。この空間部14内には、ウィンドウガラス(図示せず)の上下移動を案内するドアサッシュ、側面衝突時のエネルギを吸収するドアビーム15(
図1参照)、左後部ドア10をボディ2にロックするドアロック機構部20(
図1参照)、本願発明のステップ兼収納構造が設けられている。ドアロック機構部20の詳細については、後述する。ドアビーム15は、左後部ドア10の空間部14内の下部に前後方向に延びるとともに、前側が後側に対して斜め上方へ向くように配設されている。
【0024】
次に、ステップ兼収納構造について、
図2、
図3、
図4を用いて説明する。ステップ兼収納構造は、
図2、
図3、
図4に示すように、左後部ドア10のアウタパネル11に開口する孔部11aに挿着される枠体30と、枠体30の内側に移動自在に設けられた蓋体40と、枠体30の内側からインナパネル側へ延びて内部に空間部56を形成する収納部50とを有してなる。
【0025】
孔部11aは、
図5を更に追加して説明すると、アウタパネル11の下側の前端部から前後方向中間部に延びて側面視において矩形状に開口している。この孔部11aに枠体30の後述する段部36が挿着されている。枠体30は、孔部11aに挿入されて支持されるとともに、アウタパネル11の裏面側に沿って孔部11aよりも左後部ドア10の後部側へ延びて矩形状に形成される。
【0026】
枠体30は、この下部に配置された枠部材下31と、枠体30の上部に配置された枠部材上32と、枠体30の両側に配置された一対の枠部材前33及び枠部材後34を有してなる。枠体30の枠部材下31、枠部材上32、枠部材前33の各アウタパネル側の外側面の前部には孔部11aに嵌合可能な前述した矩形状の段部36が形成されている。この段部36の内側に矩形状の開口部35が開口している。枠体30は、段部36が孔部11aに嵌合され、図示しない締結手段によってアウタパネル11に固定されている。
【0027】
枠体30の枠部材下31及び枠部材上32の各内面には前後方向に延びる溝部31a,32aが形成されている。これの溝部部31a,32a内に蓋体40の上部及び下部が挿入されて、蓋体40は枠体30に対して前後方向に移動自在に支持される。蓋体40の詳細については後述する。
【0028】
枠体30の枠部材下31、枠部材上32、枠部材前33、枠部材後34の各内面には、インナパネル側へ延びる板状の面部51、52、53、54が接続されている。これらの面部51、52、53、54は互いに連接されるとともに開口部35に対向してインナパネル側に配置された壁部55に連接されて、内部に空間部56が形成された箱状の収納部50が枠体30に連続して形成されている。枠体30及び収納部50は合成樹脂材料等で一体的に形成される。
【0029】
枠部材下31に接続された面部51は、少なくとも孔部11a側が略水平方向に延びるように配設されている。このため、詳細は後述するが、孔部11a内に作業者の足が挿入されると、この下側に配置された面部51上に足を載せて、この面部51をステップとして利用することができる。
【0030】
一対の枠部材前33及び枠部材後34に接続された面部53、54及び壁部55は略垂直方向に延び、枠部材上32に接続された面部52は、左後部ドア10の車幅方向内側に進むにしたがって斜め下方に傾斜するように設けられている。この上部に配設された面部52には、収納部50内を照らすとともに、左後部ドア10の外側の地面を照らすランプ58が設けられている。
【0031】
収納部50は、左後部ドア10の前側から開口部35を超えて左後部ドア10の後部側へ延びているので、収納部50内に長尺の傘をそのまま入れることができ、またチェーン等の重量物を収納可能にするため、収納部50に複数のリブが設けられて強度UPが図られている。なお、収納部50の下側に配置された面部51には、収納部50内に溜まる水を排出可能な図示しないドレン孔が設けられている。
【0032】
枠体30に設けられた蓋体40は、
図5に示すように、開口部35よりも大きな矩形状に形成されているので、蓋体40を枠体30に対して前側にスライド移動さると、蓋体40によって開口部35を閉じることができる。また蓋体40を枠体30に対して後側にスライド移動させると、開口部35を開いて収納部50の空間部56と連通することができる。
【0033】
このように、蓋体40をスライド移動させると、開口部35が開口して収納部50の空間部56に連通するので、車両1のルーフを洗車する場合、開口部35を開口させた状態で作業者が開口部35内に足を入れると、枠体30の枠部材下31及び面部51に足を載せて、枠部材下31及び面部51をステップとして利用することができる。従って、車両1の車高が比較的に高い車両の場合、枠部材下31及び面部51をステップとして利用すると、洗車する作業者の手を車両1のルーフに近づけることができ、ルーフの汚れを容易に洗い落とすことができる。
【0034】
また、収納部50は左後部ドア10の下部の前側から後側に延び、重量物も収納可能であるので、蓋体40をスライド移動させて開口部35を開けると、開口部35から傘やチェーン等を収納部50内に収納することができる。また、収納部50にはドレン孔が設けられているので、収納部50に入れた傘が濡れている場合でも、収納部50内に水が溜まる虞はない。このため、収納部50内に濡れた傘を収納することができる。また収納部50の空間部56は開口部35に連通するだけで、車両の室内には連通していない。このため、濡れた傘や汚れたチェーンを収納部50に収納しても、車両の室内が汚れることはない。
【0035】
さて、蓋体40の前端部には、
図3及び
図4に示すように、蓋体40が開口部35を閉じた状態で蓋体40の移動をロックする際に用いられる係合孔41aを有した突起部41が設けられている。この係合孔41aは、詳細は後述するが、左後部ドア10に設けられたドアロック機構部20と連動するロック機構部60のロックピン61によって係止及び係止解除される。
【0036】
ドアロック機構部20は、ドアラッチユニット21とハンドルユニット25とを備え、これらのユニットはドアロック連結部材22及びドア連結部材26を介して接続されている。ドアロック連結部材22及びドア連結部材26は、円筒状に形成された被覆内にワイヤーケーブルが移動自在に通されてなる。ドアラッチユニット21は左後部ドア10の後面部に設けられている。左後部ドア10は、ドアラッチユニット21が車両のサイドシェルとリアピラーとの間を繋ぐボディに設けられたドアストライカ23に係合することで、閉状態が保持される。
【0037】
ハンドルユニット25は、インナパネル13の前部に室内側から取り付けられており、左後部ドア10の開放時に操作されるハンドル部27と、左後部ドア10をロック又はロック解除する際に操作されるロックノブ28とを備える。ハンドル部27及びロックノブ28は、上下方向に延びる軸部を中心として回動自在に支持されている。ハンドル部27とドアラッチユニット21とはドア連結部材26を介して接続され、ハンドル部27の回動操作によって、ドア連結部材26が移動してドアストライカ23に対するドアラッチユニット21のロック状態が解除される。
【0038】
ロックノブ28とドアラッチユニット21とは左後部ドア10内に回動自在に支持されたベルクラッチ63とドアロック連結部材22を介して接続されている。ドアロック連結部材22は、ロックノブ28側に配置されたドアロック連結部材前22aと、ドアラッチユニット21側に配置されたドアロック連結部材後22bの2つの部材からなる。
【0039】
ベルクラッチ63は、左後部ドア10内であってドアラッチユニット21とハンドルユニット25の中間位置に配置され、左後部ドア10の幅方向に延びる軸部64を中心として前後方向に回動自在に支持されている。ベルクラッチ63は、上下方向に延びる板状のクラッチ本体部65を有する。クラッチ本体部65は、その中央部が軸部64に回動自在に支持されて前後方向に回動自在である。クラッチ本体部65の上部の前後両端部には、ドアロック連結部材前22a及びドアロック連結部材後22bが接続される一対のロック接続部65a、65bが設けられ、またクラッチ本体部65の下部には、後述する連動連結部材67が接続される連動接続部65cが設けられている。
【0040】
このクラッチ本体部65の前側のロック接続部65a及びロックノブ28間には、ドアロック連結部材前22aが接続され、クラッチ本体部65の後側のロック接続部65b及びドアラッチユニット21間には、ドアロック連結部材後22bが接続されている。またクラッチ本体部65の連動接続部65c及びロックピン61間には連動連結部材67が接続されている。
【0041】
ロックピン61は、収納部50の前側の面部53に取り付けられた支持部材70に移動自在に支持されている。支持部材70は、収納部50の面部53に沿って延びる基部70aと、基部70aの一端側から屈曲して延びる連結部70bとを有する。基部70aはボルト、ナット等の締結手段を介して収納部50に固定される。連結部70bにはロックピン61を移動自在に通すための孔部が設けられている。
【0042】
ロックピン61はその一端部が連動連結部材67のワイヤーケーブルに接続され、連動連結部材67の一端側の被覆67aが連結部70bに固定されている。このため、連動連結部材67のワイヤーケーブルが連結部70b側へ移動すると、ロックピン61は連結部70bの孔部からさらに突出して蓋体40の係合孔41aに挿入されて蓋体40をロックすることができる。また、ワイヤーケーブルが連結部70bから後退する方向へ移動すると、ロックピン61は係合孔41aから抜脱されて蓋体40のロック状態を解除することができる。なお、ベルクラッチ63、連動連結部材67、ロックピン61を、以下、「ロック機構部60」と記す。
【0043】
このように、ハンドルユニット25及びドアラッチユニット21は、ベルクラッチ63、ドアロック連結部材22、ドア連結部材26を介して連結され、またロックピン61は、連動連結部材67を介してベルクラッチ63に連結されている。このため、ハンドル部27が回動操作されてドア連結部材26が移動すると、このドア連結部材26の移動に応じて、ドアラッチユニット21が左後部ドア10のロック状態を解除する。
【0044】
またロックノブ28が一方側へ回動操作されてドアロック連結部材前22aがベルクラッチ側へ移動すると、ベルクラッチ63が軸部64を中心として時計方向に回動してドアロック連結部材後22bをドアラッチユニット側へ移動させる。このため、ドアラッチユニット21はドアロック連結部材後22bの移動に応じて左後部ドア10をロック状態にする。また、ベルクラッチ63の時計方向への回動に伴って、連動連結部材67が連結部70b側へ移動するので、ロックピン61は支持部材70の連結部70bに対して突出する方向に移動する。このため、ロックピン61は蓋体40の係合孔41aに挿入されて、蓋体40をロックすることができる。
【0045】
一方、ロックノブ28が他方側へ回動操作されてドアロック連結部材前22aがベルクラッチ63から離反する側へ移動すると、ベルクラッチ63は反時計方向に回動して、ドアロック連結部材後22bはドアラッチユニット21から離反する側へ移動する。このため、ドアラッチユニット21は左後部ドア10のロック状態を解除する。また、ベルクラッチ63の反時計方向への回動によって、連動連結部材67を介してロックピン61が後退する方向へ移動する。このため、ロックピン61は蓋体40の係合孔41aから抜脱されて、蓋体40のロック状態を解除することができる。このように、ロック機構部60はドアロック機構部20に連動して、蓋体40をロック及び非ロック状態にすることができる。
【0046】
従って、蓋体40をロック状態にすることで、車両の移動時や停車時に、開口部35が開く虞はなく、収納部50内に収容された物が落下したり、盗まれたりする虞を防止することができる。
【0047】
なお、蓋体40がロックされる時期は、ロックノブ28が回動操作されたときに限るものではなく、車両のイグニッションスイッチ73(
図1参照)がON操作されると、蓋体40がロックされるようにしてもよい。この場合には、ドアラッチユニット21は、イグニッションスイッチ73がON操作されると、ドアロック連結部材後22bがドアラッチユニット21側へ移動するように構成する。従って、イグニッションスイッチ73がON操作されると、ベルクラッチ63が時計方向に回動して連動連結部材67を介してロックピン61が蓋体40の係合孔41aに挿入されて、蓋体40をロック状態にすることができる。
【0048】
また、左後部ドア10が開いているときに、蓋体40をロックするようにしてもよい。この場合には、左後部ドア10が閉じていることを検出するドアセンサー74(
図1参照)を車両のボディ2に設け、このドアセンサー74によって左後部ドア10が閉じた状態にあることが検出されていないときに、ドアラッチユニット21はドアロック連結部材後22bがドアラッチユニット21側へ移動するように構成してもよい。
【0049】
なお、前述した実施の形態では、蓋体40は左後部ドア10の外側の面に沿ってスライド移動自在な構成を示したが、蓋体40の一端側に支点を設け、この支点を中心として蓋体40が左後部ドア10の幅方向に揺動するようにしてもよい。例えば、
図6(a)に示すように、蓋体40の上部に左後部ドア10の前後方向に延びる軸部43を設け、この軸部43を中心として蓋体40が収納部50内へ揺動するようにしてもよい。この場合、蓋体40によって開口部35を閉じる場合、蓋体40の下部がアウタパネル11よりも外側に揺動しないように、枠体30の枠部材下31に上方へ突出する突出部31bを設けて、この突出部31bに蓋体40の下部を突き当てるようにしてもよい。
【0050】
また、
図6(b)に示すように、蓋体40の下部に左後部ドア10の前後方向に延びる軸部44を設け、この軸部44を中心として蓋体40が左後部ドア10の幅方向外側へ揺動するようにしてもよい。この場合、蓋体40によって開口部35を閉じる場合、蓋体40の上部が左後部ドア10内に揺動しないように、枠体30の枠部材上32に下方へ突出する突出部32bを設けて、この突出部32bに蓋体40の上部を突き当ててもよい。
【0051】
このように、蓋体40を左後部ドア10の幅方向に揺動自在に設けた場合、開口部35の前後方向長さを長くしても、蓋体40の揺動が開口部35によって規制されることはない。このため、開口部35の前後方向の長さを長くすることができ、収納部50への物の出し入れがより容易になり、物を出し入れする際の労力を軽減することができる。
【0052】
前述したように、開口部35を開口させると、枠部材下31及び収納部50の下側の面部51をステップとして利用することができるが、枠体30や収納部50は合成樹脂等のプラスチック材料で形成されているので、強度を上げるには限界があり、強度不足が生じる虞がある。
【0053】
そこで、
図7(a)に示すように、ドアビーム15に前後方向に所定間隔を有して下方へ延びる支持部材76を複数設け、これらの支持部材76によって枠体30及び収納部50を支持するようにしてもよい。支持部材76は、上端部がドアビーム15に接続されて下方へ延びる縦部材76aと、縦部材76aの下部に接続されて左後部ドア10のアウタパネル側へ延びる横部材76bとを有してなる。この横部材76b上に枠体30及び収納部50が載置される。
【0054】
このように、枠体30及び収納部50をドアビーム15に接続された支持部材76で支持することで、枠体30及び収納部50をステップとして利用する際に、枠体30及び収納部50に作用する負荷を軽減することができる。このため、枠体30及び収納部50に過負荷が作用して破損する虞を防止することができる。
【0055】
また、
図7(b)に示すように、横部材76bと収納部50及び、横部材76bと枠体30間に弾性体77を設けて、枠体30及び収納部50を支持するようにしてもよい。このようにすると、弾性体が無い場合と比較すると、横部材76bに作用する荷重が小さくなって、横部材76bの撓み変形を小さくすることができる。このため、枠体30及び収納部50をより安定に支持することができる。なお、弾性体77は、例えば、ゴム、板ばね、ネジリコイルばね等を使用することができる。
【0056】
また、
図8に示すように、枠体30及び収納部50が左後部ドア10に対してドア幅方向外側に突出入自在に支持されるようにしてもよい。この場合、左後部ドア10内の下部にドア幅方向に延びるスライドレール79を左後部ドア10の前後方向に所定間隔を有して複数本配設し、これらのスライドレール79上に収納部50の下面を接続する。従って、枠体30及び収納部50は左後部ドア10に対してドア幅方向外側に突出入自在に支持される。
【0057】
このため、車高が高い車両の場合、収納部50を左後部ドア10から外側へ突出させた状態にして収納部50をステップとして利用すると、作業者の体の向きを車体側に傾けた状態にすることができる。したがって、作業者の手をよりルーフの奥側へ持って行くことができ、ルーフ全体の汚れをより容易に落とすことができる。
【0058】
また、左後部ドア10の幅方向寸法が比較的に小さい場合、
図9に示すように、左後部ドア10の外側にガーニッシュ81を設け、このガーニッシュ81の外側面に設けた孔部81aの内側の左後部ドア10内に枠体30及び収納部50を設置してもよい。この場合、ガーニッシュ81の孔部81aに孔部81aを覆う板部材81bを着脱可能に設けると、ガーニッシュ81の外側面に段差が無くなり走行時の空気の流れをスムースにすることができるとともに、装飾効果の低下を防止することができる。
【0059】
なお、前述した実施形態では、枠体30及び収納部50を左後部ドア10に設けた場合を示したが、車両の左前部ドア、右前部ドア、右後部ドア、又はワゴン車両の後部ドアに、枠体30及び収納部50を設けてもよい。