(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記エンティティオブジェクトのうちの少なくとも1つが、前記物理的なメッセージフローを前記物理的なメッセージフローが実装する前記ビジネスメッセージフローと関連付けるためのフローリンクに対応する、請求項5に記載のコンピュータプログラム。
前記物理的なメッセージフローを表す前記通信エンティティオブジェクトが、前記通信エンティティオブジェクトが前記ビジネスネットワーク内の別の物理的なメッセージフローと通信関与者とを表すドリルダウンオペレーションに関してさらに構成された、請求項5に記載のコンピュータプログラム。
ネットワークエンティティオブジェクトが、前記ビジネスアプリケーション表現でまたは前記情報技術表現で前記関与者および前記通信を示す図を生成するように構成された、請求項1に記載のコンピュータプログラム。
前記ネットワークエンティティオブジェクトが、すべてのユーザに利用可能な統合されたネットワークエンティティ、およびそのそれぞれの作者だけに利用可能な充実ネットワークエンティティのスーパーセットである、請求項8に記載のコンピュータプログラム。
通信エンティティオブジェクトが、少なくとも前記ビジネスネットワーク内の物理的なメッセージフロー、または前記物理的なメッセージフローを使用して実装されたビジネスメッセージフローのうちのいずれかを表すように構成された、請求項11に記載のシステム。
前記物理的なメッセージフローを表す前記通信エンティティオブジェクトが、前記通信エンティティオブジェクトが、前記ビジネスネットワーク内の別の物理的なメッセージフローと通信関与者とを表すドリルダウンオペレーションに関してさらに構成された、請求項15に記載のシステム。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書は、ビジネスネットワークメタモデルの例を説明する。下で説明されるように、ビジネスネットワークメタモデルは、ビジネスネットワークを例示および説明するための対話型ディスプレイを生成するために使用可能である。かかるディスプレイは、異なる観点からビジネスネットワークに重点を置くことができる。例えば、ビジネスアプリケーション表現は、ビジネスネットワーク内の幹部およびその他の経営者が最も精通しており、慣れている可能性のある大局観で、ビジネスの観点からビジネスネットワークを示す。もう1つの例として、IT表現は、IT管理者、システム管理者、開発者、およびプログラマによって選好されうる観点であるITの観点からビジネスネットワークを示す。ディスプレイが対話式であるため、これらの表現は、様々な観点の中で継ぎ目のないナビゲーションおよび「ドリル」を提供し、これは、関連する分野のユーザがネットワークのその側面を判断して理解することを可能にする。
【0007】
メタモデルは、ノードおよびエッジの多次元グラフとして実装可能である。このメタモデルは、ビジネスネットワークの概念を捕捉するように構成される。詳細には、このメタモデルは、複数の関与者によって可能にされたエージェントによって集められたネットワークに関する情報を使用して、個人の観点から末端間の状況が集められて合成されることを円滑にする。
【0008】
いくつかの実装形態では、ビジネスネットワークの特性は、自動発見プロセスを使用して学習される。例えば、エージェント(例えば、ソフトウェアユーティリティ)は、1人または複数のビジネスネットワーク関与者によってアクティブ化される。エージェントによって集められた情報は収集されて、調整および処理され、その特定のビジネスネットワークに関するビジネスネットワークメタモデルのインスタンスを作成する際に使用される。
【0009】
メタモデルが捕捉するビジネスネットワークの概念は、特定の関与者およびそのビジネスネットワーク内の1つまたは複数の関与者に対する特定の取引関係の概念を含む。例えば、これらの関与者は、ある都市の小売店、別の都市の倉庫、および船積み会社を含みうる。船積み会社を経由した倉庫から小売店までの輸送取引に対応する関係によってこれらの関与者を関連付けることが可能である。この場合、メタモデルは、事物のレベル、例えば、実世界に実存するアクティブなエンティティのレベルでビジネスネットワークのセマンティックを捕捉する。このために、情報システムによってサポートされたビジネスネットワークにおけるプロセス統合に関するドメイン特定のオントロジーが定義されうる。データメタモデルは、ビジネスネットワークのセマンティックに整合するように設計され、したがって、それらのセマンティックを反映する情報を捕捉および処理することを可能にする。かかるセマンティックは、例えば、ITの観点から、アプリケーションシステム、統合ミドルウェアシステム、および企業間(B2B)システムを含むことが可能であり、ビジネス観点から、ビジネス文書、ビジネスフロー、および事業関与者など、アプリケーションアーティファクトを含むことが可能である。
【0010】
いくつかの実装形態では、メタモデルは、事物のレベルで、ビジネスネットワーク構成要素の範囲を捕捉する。メタモデルは、これらの構成要素の個々の関係も捕捉および識別する。したがって、メタモデルは、抽象的な役割およびプロセスステップを有するビジネスネットワークのブループリントを超えたセマンティックを捕捉する。すなわち、メタモデル内で捕捉された情報は、個々の関与者同士の間の関係に沿って進行している活動内への可視性を可能にする。かかるメタモデルは、ビジネスネットワークのオンライン探索および解析を可能にする。
【0011】
いくつかの実装形態では、メタモデルは、以下の特徴のうちの少なくともいくつかを提供する。
1.事業関与者、通信関与者、および仲介関与者など、ビジネスネットワーク内のノードを表す関与者の特殊化
2.仲介フロー、P2Pメッセージフロー、ペデストリアン(Pedestrian)フロー、および業務ビジネスフローなど、ビジネスネットワーク内のエッジを表す通信およびフローの特殊化
3.メタモデル内の関与者リンクエンティティおよびフローリンクエンティティに基づくハイパーグラフ機能
4.ビジネスネットワークメタモデルのインスタンスのセグメント化としてのネットワーク空間、ネットワークスナップショット、およびドメイン
5.事業目的に関するプロキシエンティティとしてのビジネスエンティティおよび取引条件
6.企業行動およびアプリケーションアクセスをモデル形成するためのファクトシートおよびデータサービス
7.ビジネスネットワーク内のサービスを説明するための拡張としてのサービスインターフェース、サービスバインディングおよびサービスオペレーション
8.プロセス協力活動としての統合メッセージングパイプラインの可視化
【0012】
第1の態様では、コンピュータ可読記憶デバイス内で有形に実施されたコンピュータプログラム製品は、少なくともビジネスアプリケーション表現と情報技術表現とを含む、ビジネスネットワークの対話型表現を生成するように構成されたエンティティオブジェクトを備えたビジネスネットワークメタモデルを含む。
【0013】
実装形態は、以下の特徴のうちのいずれかまたはすべてを含みうる。エンティティオブジェクトのうちの少なくともいくつかは、それぞれ、ビジネスネットワーク内の関与者および通信に対応する。関与者エンティティオブジェクトは、少なくともビジネスネットワーク内の事業関与者またはビジネスネットワーク内の通信関与者のうちのいずれかを表すように選択的に特殊化されるように構成される。事業関与者を表すように特殊化された関与者エンティティオブジェクトにビジネスセマンティックが割り当てられ、通信関与者を表すように特殊化された関与者エンティティオブジェクトに情報技術セマンティックが割り当てられる。この関与者エンティティオブジェクトは、ビジネスネットワーク内の仲介関与者を表すように選択的に特殊化されるようにも構成される。
【0014】
通信エンティティオブジェクトは、少なくともビジネスネットワーク内の物理的なメッセージフロー、またはその物理的なメッセージフローを使用して実装されたビジネスメッセージフローのうちのいずれかを表すように選択的に特殊化されるように構成される。エンティティオブジェクトのうちの少なくとも1つは、物理的なメッセージフローをその物理的なメッセージフローが実装するビジネスメッセージと関連付けるためのフローリンクに対応する。物理的なメッセージフローを表す通信エンティティオブジェクトは、通信エンティティオブジェクトがビジネスネットワーク内の別の物理的なメッセージフローと通信関与者とを表すドリルダウンオペレーションに関してさらに構成される。
【0015】
ネットワークエンティティオブジェクトは、ビジネスアプリケーション表現でまたは情報技術表現で関与者および通信を示す図を生成するように構成される。このネットワークエンティティオブジェクトは、すべてのユーザに利用可能な統合されたネットワークエンティティ、およびそのそれぞれの作者だけに利用可能な充実ネットワークエンティティのスーパーセットである。エンティティオブジェクトがビジネスネットワーク内の活動レベルアクセス権を割り当てるように構成されたドメイン。
【0016】
第2の態様では、システムは、出力デバイスと、エンティティオブジェクトを備えたビジネスネットワークメタモデルを格納したコンピュータ可読記憶デバイスと、少なくともビジネスアプリケーション表現と情報技術表現とを含むビジネスネットワークメタモデルを使用して、その出力デバイスにおいてビジネスネットワークの対話型表現を生成するように構成されたプロセッサと含む。
【0017】
実装形態は、以下の特徴のうちのいずれかまたはすべてを含みうる。エンティティオブジェクトのうちの少なくともいくつかは、それぞれ、ビジネスネットワーク内の関与者および通信に対応する。関与者エンティティオブジェクトは、少なくともビジネスネットワーク内の事業関与者またはビジネスネットワーク内の通信関与者のうちのいずれかを表すように選択的に特殊化されるように構成される。事業関与者を表すように特殊化された関与者エンティティオブジェクトにビジネスセマンティックが割り当てられ、通信関与者を表すように特殊化された関与者エンティティオブジェクトに情報技術セマンティックが割り当てられる。通信エンティティオブジェクトは、少なくともビジネスネットワーク内の物理的なメッセージフロー、またはその物理的なメッセージフローを使用して実装されたビジネスメッセージフローのうちのいずれかを表すように選択的に特殊化されるように構成される。物理的なメッセージフローを表す通信エンティティオブジェクトは、通信エンティティオブジェクトがビジネスネットワーク内の別の物理的なメッセージフローと通信関与者とを表すドリルダウンオペレーションに関してさらに構成される。
【0018】
第3の態様では、コンピュータプログラム製品は、コンピュータ可読記憶デバイス内で有形に実施される。このコンピュータプログラム製品は、実行されたとき、ディスプレイデバイス領域内にグラフィカルユーザインターフェースを生成する命令を含む。このグラフィカルユーザインターフェースは、ビジネスネットワークのビジネスアプリケーション表現とビジネスネットワークの情報技術表現とを含む。これらの表現は、対話式であり、ビジネスネットワークメタモデルのエンティティオブジェクトを含む。
【0019】
実装形態は、以下の特徴のうちのいずれかまたはすべてを含みうる。エンティティオブジェクトのうちの少なくともいくつかは、それぞれ、ビジネスネットワーク内の関与者および通信に対応し、ネットワークエンティティオブジェクトは、ビジネスアプリケーション表現でまたは情報技術表現で関与者および通信を示す図を生成するように構成される。このネットワークエンティティオブジェクトは、すべてのユーザに利用可能な統合されたネットワークエンティティ、およびそのそれぞれの作者だけに利用可能な充実ネットワークエンティティのスーパーセットである。
【0020】
1つまたは複数の実装形態の詳細が添付の図面および下の明細書に記載される。その他の特徴および利点は、明細書および図面、ならびに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0022】
様々な図面の類似の参照符号は、類似の要素を示す。
【0023】
図1は、ビジネスネットワークメタモデル100の一例を概略的に示す図である。このメタモデルは、適切なエンティティと、エンティティ同士の間の関係とを導入することによって、ビジネスネットワークのインスタンスを説明するように設計される。この場合、メタモデル100内のエンティティオブジェクトは、関与者エンティティオブジェクト110と、通信エンティティオブジェクト120と、サブカンバセーションエンティティオブジェクト130とを含む。エンティティオブジェクト110〜130は、ここでは、幾何学的図形としてグラフィックで示されるが、実際の状況では、これらのオブジェクトは、コード、スクリプト、表、ライブラリ、またはその他のコンピュータ可読構造を使用して実装されることになる。メタモデル100は、コンピュータ可読記憶デバイス内に格納するためのコンピュータプログラム製品として実装可能である。
【0024】
いくつかの実装形態では、メタモデル100は、少なくとも以下の基準を満たすように設計される。
1.関与者タイプとそれらの関与者タイプ同士の間の通信とを記載することが可能である。
2.型付きモデルである。
3.モデルインスタンスの持続性を可能にする。
4.(完全にまたは部分的に)直列化可能である。
5.ユーザ同士の間の協力を可能にする。
6.(例えば、ネットワークセグメントの)グループ化を可能にする。
7.アクセス制御機構を含む。
8.テナント(tenant)特定の分離を可能にする。
【0025】
上記の理由およびその他の理由で、ビジネスネットワークメタモデルを作成するときに、いくつかの設計原理を確立および使用することが可能である。かかる設計原理の例は以下の通りである。
A.メタモデルは、ビジネスネットワークインスタンスを意味的にモデル形成するために必要なすべてのエンティティ、関係、活動、およびシーケンスを提供する。
B.メタモデルは、表現力を失わずに、簡素化のために最小限のモデルエンティティを使用する。
C.モデル表記法は1モデル手法を分割しない。同じ(メタ)モデルがすべてのターゲットユーザによって使用される。
D.メタモデルは、標準のモデリング表記法に基づく。
E.メタモデルは、ソースデータから演算できないモデルのユーザ特定の充実により、持続可能である。
F.メタモデルは、発見および統合された統合ミドルウェアデータから作成可能である。例えば、メタモデルは、SAPネットウィーバープロセスインテグレーション(NetWeaver Process Integration)構成から演算可能である。
G.メタモデルの部分は、変更のために、統合ミドルウェアオブジェクトに変換し戻すことが可能である。
【0026】
以下は、メタモデル100内に含まれることが可能なエンティティオブジェクト、ならびにそのそれぞれの相互作用および特性の例である。ネットワークは、発見エージェントが発見プロセスの間に見出すことが可能なすべての関与者および通信の収集物として生成されうる。このネットワークは、可視化、オペレーション、充実、変更、およびその他のビジネスネットワーク関係の使用事例に関するエントリーポイントとして使用される。関与者は、その他の関与者と通信することが可能であり、これは通信として表現される。しかし、関与者は、現在、通信に参加していない可能性があるが、大抵、接続されることが可能である。
【0027】
関与者は、この場合、2つの主な特殊化を有する。関与者は、事業関与者または通信関与者であってよい。通信関与者は、アプリケーションシステムまたはB2Bサービスエンドポイントなど、IT観点からのエンティティである。これらのビジネスネットワーク特徴は、システムランドスケープオプティマイゼーション(System Landscape Optimization)文書、オンライン分析処理ディレクトリ(Online Analytical Processing directory)、またはプロセス統合構成など、IT関係のソースを読み取ることによって発見されうる。事業関与者は、B2Bパートナー、アプリケーション自体、または通信に関係するアプリケーションアーティファクト、例えば、流通プロセス内の店舗など、ビジネスアプリケーション観点からのエンティティである。事業関与者および通信関与者のさらなる特殊化が使用可能である。いくつかの実装形態では、通信、他のサブカンバセーション、およびメッセージフローを集約するために、BPMNサブカンバセーションが使用される。
【0028】
ドメインは、アクセス制御リストを経由してアクセス権を割り当てるために構築されたネットエンティティのサブセットである。ディレクトリサービス(例えば、アクティブディレクトリ(ActiveDirectory)またはライトウェイトディレクトリアクセスプロトコル(Lightweight Directory Access Protocol))ドメインの構想に従うことは、複数のカテゴリーバリューを関連付けることによって、厳密に階層的に構築されうる。この場合、ドメインはツリーを形成することができる。ドメインに関する典型的な使用事例は、マルチテナント構造である。ドメインは、ビジネスネットワーク管理アドミニストレータによって管理される。
【0029】
ネットワーク空間は、特にそのサブセットを用いて作用するためにユーザによって画定されたネットワークエンティティのサブセットを表す。ユーザは、そのユーザがアクセス権を有するすべてのドメインから任意のエンティティオブジェクトをネットワーク空間に割り当てることができる。ユーザは、そのユーザのネットワーク空間に関するアクセス権を他のユーザに伝搬し、それによって、ネットワーク空間を共有することが可能である。しかし、ドメインベースのアクセス権は、より高い優先権を有する。
【0030】
図2〜5は、関与者および関係を含むビジネスネットワークの一例を示す。
図2では、ネットワーク200は3つのドメイン、すなわち、サブドメインBを有するドメインA、および隔離ドメイン(disjunctive domain)Cに構築される。このとき、ドメインAおよびCに対するアクセス権を有するユーザは、これら両方のドメインから、それを用いて作業するネットワーク空間210を画定する。ドメインBだけに対するアクセス権を有する第2のユーザは、第1のユーザが第2のユーザとネットワーク空間210と共有する場合ですら、ネットワーク空間210を作成することも、その上で第1のユーザと協力することもできない。
【0031】
ネットワーク空間は、ビジネスネットワーク管理におけるユーザのための作業空間である。ネットワーク空間内の変更は、「発表」されると、ネットワークビュー全体においても可視的である。変更を行うために、ユーザは、エンティティを直接的に(全世界的に)修正するか、またはそのコピーを(局所的に)作成する。そのような状況において、モデル内の関与者は、同一の実際のエンティティを指す場合がある。関与者関連性は、この場合、図形に依存しないリンク宣言を可能にする関与者リンクに及ぶ。関与者リンクは、ネットワークビュー内で可視化できないが、オブジェクト属性として可視化できる。
【0032】
メタモデルは、関与者同士の間の相互作用を反映する。
図3は、互いと通信する関与者310を含むネットワーク300を示す。このメタモデルでは、統合フロー320は、特定のグラフィック表記法を用いて特殊化されたメッセージフロー330である。この統合フローは、メッセージを移送する間にミドルウェア機能が使用されることを表示する。仲介を伴わない2地点間接続の場合、標準のメッセージフローエントリーが使用可能である。
【0033】
メッセージフローは、関与者から関与者への1つのメッセージの移送を示す。非同期要求/非同期確認パターンおよび同期要求/同期要求パターンの場合、2つのメッセージフローをそれぞれの方向に関して1つ追加することが可能である。メッセージフローは、いくつかの特殊化を有することが可能であり、例えば、P2Pメッセージフローは、その間に統合がない、2つの関与者間の直接的な通信を表す。Pedflow(すなわち、「ペデストリアンフロー」)は、その間にITがないメッセージフロー、例えば、手紙または電話呼を表示する。
【0034】
統合フローは、今度は、関係するミドルウェア構成要素を関与者として示すメッセージフロー表記法にさらに拡張されうる。
図4は、関与者310間の統合フロー320が関与者410とメッセージフロー420とを含むメッセージフロー400に拡張されているネットワーク300を示す。例えば、グラフィック表現では、統合フロー320をクリックすること(または、そうでない場合、アクティブ化すること)は、統合フロー320を消失させ、代わりに、メッセージフロー400が表示される。
【0035】
最終的に、(接続関与者、P2Pメッセージフロー、統合フローなど)より技術的なエンティティオブジェクトは、いくつかのビジネス関係の処理および通信を実装する。しかし、ビジネス観点は、技術背景に密に拘束されず、異なる構造化に従うことが可能である。例えば、特定のビジネス文書フローは、複数の異なるタイプの技術メッセージフローからなりうる。事業関与者は、今度は、メッセージを送受信する組織エンティティであってよいが、いくつかのアプリケーションシステムでは、単なるアプリケーションアーティファクトであってもよい。これらの理由で、(何らかの特殊化を有する)事業関与者エンティティおよびビジネスフローが使用できる。
【0036】
したがって、ビジネスネットワークをモデル形成するために、様々な種類のリンクが使用可能である。
図5は、事業関与者510が関与者リンク530を経由して通信関与者520にリンクされるネットワーク500を示す。ビジネスフロー540は、今度は、フローリンク550によって他のメッセージフローにリンクされる。
【0037】
通信は、メッセージ自体を送受信しない(すなわち、メッセージフローの宛先または発信源ではない)事業関与者エンティティに関係しうる。例えば、流通プロセス内の店舗は、出荷メッセージの発信源または宛先でなくてよいが、代わりに、トラックを経由して、商品を物理的に受信することになる。出荷メッセージは、店舗の在庫を管理する流通センターアプリケーションサーバによって処理される。この場合、管理される店舗は、関与者である、アプリケーションなしのBPと呼ばれる場合がある。管理関与者とアプリケーションなしのBPとの間の関連性は、1つまたは複数の関与者リンクを用いてモデル形成されうる。通常、アプリケーションなしのBPもビジネスフローも、自動発見プロセス(例えば、ビジネスネットワーク内のエージェントを発表するプロセス)によって発見することは可能でない。しかし、アプリケーションなしのBPまたはビジネスフローは、ユーザがモデル形成されたビジネスネットワークを修正する充実プロセスの一環として作成されうる。
【0038】
図6〜8は、ビジネスネットワーク内の協力の例を示す。いくつかの実装形態では、統合フローは、エンティティ統合プロセスおよび統合活動に拡張されうる。
図6は、統合フローの統合プロセス610が異なるミドルウェア構成要素に関して連続的に実行する統合協力600を示す。例えば、1つのミドルウェアは、アプリケーション値を読み取るために、同期メッセージを別のミドルウェアによってホストされたアダプタに送信する。もう1つの例として、
図7は、協力図の形で表現できる統合フローの統合プロセス710が編成様式で実行する統合協力700を示す。この場合、メッセージフロー720は、統合活動730間の2つのフローとして画定されうる。
【0039】
上記の事例の両方において、関与者は、別の関与者と通信するために統合フローを使用する。統合協力図は、統合活動が可視化されることを可能にする。統合プロセス710は、固定であってよく、または柔軟に画定されてもよい。
【0040】
(ブループリントとしてのまたは実行可能プロセスとしての)ビジネスプロセスおよび統合プロセスの継ぎ目のない組合せは、メタモデルを使用して、ビジネスプロセスモデルをリンクすることによって達成可能である。例えば、
図8は、ビジネスプロセス810がメッセージフロー830によって統合プロセス820にリンクされる統合協力800を示す。統合プロセス820は、メッセージフロー850によって関与者840にリンクされる。
【0041】
図9は、ビジネスネットワーク900内のメッセージングの一例を示す。メッセージ910は、データセットおよび活動を転送するために使用される。関与者920は、サービスデータ構造を記載するサービスインターフェース930と関連付けられることが可能である。間接的に、さらなる関連性によって、関与者920は、サービスオペレーション940と関連付けられることが可能である。サービスオペレーション940は、ある種のメッセージフローを引き起こす、データ上で実行される(1つまたは複数の)活動を記載する。このために、サービスオペレーション940は、メッセージ910にリンクされる。サービスバインディング950は、終点の特殊化として、メッセージ交換のために使用される構成データを定義する。サービスコンポーネントアーキテクチャ(SCA)検知におけるウェブサービス定義言語(web service definition language)(WSDL)またはサービス作成記述言語(service creation description language)(SCDL)は、このエンティティに3回マッピングされうる。いくつかの実装形態では、サービスエンティティは、サービスインターフェース、サービスオペレーション、およびサービスバインディングのエンティティインスタンスを集約するために導入可能である。
【0042】
メッセージは、通信を非同期メッセージ転送に制限しない。メッセージは、(例えば、サービス指向アーキテクチャドメイン内の)同期サービス呼に、(例えば、イベント駆動型アーキテクチャ内の)イベントに、またはアプリケーション間(A2A)通信またはB2B通信に関して使用される任意の種類の非同期メッセージにマッピングされうる。様々なメッセージ交換パターン(例えば、非同期要求肯定応答)を使用することが可能である。
【0043】
サービスインターフェース(構造)、サービスオペレーション(方法)、およびサービス終点(バインディング)の構成は、拡張ポイントパッケージを使用して記載されうる。これは、SCAアーティファクト(例えば、インターフェース、オペレーション、バインディング)をメタモデルに継ぎ目なく統合することを可能にできる。
【0044】
ビジネスユーザと統合専門家との間の隔たりを縮めるために、いくつかの実装形態では、アプリケーション関係のアーティファクトが導入可能である。取引条件は、ビジネスユーザに関連するスカラー値または値のタプルに関する名称である。この値は、具体的なデータ表現(例えば、アプリケーションオブジェクトまたはメッセージ)からランタイム時に抽出可能であり、したがって、この値は、オペレーション管理に関して使用可能である。ある意味で、取引条件は、(例えば、ヘッダ、本体、またはメタデータなど、メッセージのいずれかの部分内で)値に添付可能なタグに類似する。
【0045】
同じ取引条件を異なるデータ表現の異なる形態で使用することが可能である。したがって、異なるデータ表現が同じ実世界オブジェクトを指す場合ですら、それらのデータ表現に関する同じ取引条件に関して異なる値を有することも可能である。システム内に取引条件に関する基準値は存在しない。代わりに、取引条件に関連するマッピングは、あるシステム内のある値の形態を別のシステム内の同じ値の形態にマッピングすることが可能である。
【0046】
技術的に、取引条件は、(データタイプ、スキーマ、メッセージタイプなど)異なる設計時間アーティファクトおよびラインタイムアーティファクト(アプリケーションオブジェクトおよびメッセージ)のこの値を識別するためのロケータを備える。XML中心シナリオでは、かかるロケータは、相対的に言って、設計時間およびランタイムに関する単一のXPath表現のように単純であってよい。
【0047】
取引条件は値のタプルを指す場合があるため、2つ以上のロケータを含んでもよい。また、異なるシステムは、異なる形で同じメッセージタイプを使用することが可能であるため、実際のロケータは、インターフェース依存型であってよい。それぞれのロケータは、ランタイム時にロケータによって識別可能なすべての法定値のドメインである値ドメインを指す。それぞれのロケータに関する値ドメインは、(i)取引条件の異なる表現同士の間の値マッピングに関する基礎である値、および(ii)データサービスによって戻されることが可能な値に関するドメインを含む。これらのロケータは、意味的に充実した取引条件とシステム内で使用および交換されるデータとの間のリンクを形成する。このリンクは、多くの目的、中でも、ビジネス関係のSLAを、次いで監視および行使されうるオペレーショナルSLAに翻訳するために使用可能である。このリンクを決定するために、任意の適切な意味的な統合技術を用いることが可能である。
【0048】
図10〜13は、取引条件、ビジネスエンティティ、関与者、およびメッセージの間の関係の例を示す。例えば、関係1000は、実世界オブジェクト(RWO)の収集物に関するビューのセットを含むビジネスエンティティ1010を含む。それぞれのビューは、異なるシステム内の同じRWOの表現に基づく。それぞれのビューは、RWOに関する比較可能な(または同じ)情報を提供すべきである。特定の役割においてビジネスエンティティとRWOの収集物との間に1対1の関係が存在する。例えば、カスタマエンティティおよびパートナーエンティティは両方とも、同じ企業を含む収集物に関係しうるが、その企業は、異なる役割を担うことになる。
【0049】
技術的に、これらのビューは、取引条件1020の収集物として提示される。したがって、ビジネスエンティティのデータに関する情報は、取引条件に関連するロケータを経由してアクセスされる。ビジネスエンティティは、他のビジネスエンティティに関係してもよい。
【0050】
取引条件は2つ以上のビジネスエンティティ間で共有されうるため、共有される取引条件は、ビジネスエンティティ同士の間の関係を表示し、やはり当該関係を表す1つの方法である。ビジネスエンティティの一部である取引条件のサブセットに関係するビジネスSLAは、そのビジネスエンティティと関連付けられることも可能である。ビジネスSLAは、協力ビジネス活動の予期される動作または結果を評価する論理的な条件および規則(例えば、予期される配送時間は、2営業日を超えてはならない)である。ビジネスSLAは、ビジネスネットワーク内の商取引およびメッセージフローのインスタンスに対して監視および評価されうる。ビジネスエンティティは、ネット内の関与者と関連付けられることが可能である。
【0051】
いくつかの実装形態では、すべての関与者が同じビジネスエンティティを使用する。例えば、
図11は、関与者1110が通信1120を使用して互いと相互に作用し、ビジネスエンティティ1130(例えば、SLAまたは他のビジネス文書)が通信1120と関連付けられるネットワーク1100を示す。もう1つの例として、
図12は、関与者1210がビジネスエンティティ1220と、すべてが1つまたは複数の共通の取引条件1240を使用するメッセージ1230とを使用して互いと相互に作用するネットワーク1200を示す。
【0052】
図13は、データサービス1310を有するネットワーク1300を示す。このデータサービスは、そのライフサイクルが関与者1320によって管理されるデータに対するアクセスを記載する。例えば、統合フロー内の値マッピングに必要とされるアプリケーション特定の識別子を有するデータベース表は、ミドルウェアによって露出および使用されうる。いくつかの実装形態では、このデータサービスは、充実エンティティであり、これは、それらのデータサービスが、自動的に発見されるのではなく、ユーザによってモデル形成されることを意味する。ミドルウェア構成要素が値マッピング集団をサポートする場合、データサービスは、配備可能なエンティティでありうる。
【0053】
例えば、データサービスはデータを管理して、そのデータに対するアクセスを露出するため、データサービス1310は、関与者1320と関連付けられることが可能であり、消費者として取引条件1330と関連付けられることが可能であり、消費者として統合活動と関連付けられることが可能である(例えば、
図6および7を参照されたい)。
【0054】
ファクトシート1340は、ある種のエンティティに関する追加の情報および参考文献を収集するためのデータコンテナである。これらのファクトシートは、1つまたは複数のエンティティに関して特殊化されることが可能であり、複数の区分、例えば、一般的なエンティティ属性、特定のエンティティ属性、オペレーションデータ統合からの技術情報、および連絡情報などの協力データに対する参考文献を有することが可能である。いくつかの実装形態では、グラフィカルユーザインターフェース内に提示されることになるデータの選択は、ユーザ特定でありうる。
【0055】
ページi〜xを含む封入された別表が、参照により本明細書に組み込まれている。この別表は、ネットワーク統合メタモデル(NIMM)と呼ばれる1つの例示的な実装形態におけるエンティティの記載と共に4つの表を含む。
【0056】
図14は、汎用コンピュータシステム1400の概略図である。システム1400は、一実装形態によれば、既に説明されたコンピュータ実装方法のうちのいずれかに関して説明された動作に関して使用可能である。システム1400は、プロセッサ1410と、メモリ1420と、記憶デバイス1430と、入出力デバイス1440とを含む。構成要素1410、1420、1430、および1440のそれぞれは、システムバス1450を使用して相互接続される。プロセッサ1410は、システム1400内での実行のための命令を処理することが可能である。一実装形態では、プロセッサ1410は、シングルスレッドプロセッサである。もう1つの実装形態では、プロセッサ1410は、マルチスレッドプロセッサである。プロセッサ1410は、入出力デバイス1440上のユーザインターフェースに関するグラフィカル情報を表示するために、メモリ1420内または記憶デバイス1430上に格納された命令を処理することが可能である。
【0057】
メモリ1420は、システム1400内に情報を格納する。いくつかの実装形態では、メモリ1420はコンピュータ可読媒体である。メモリ1420は、いくつかの実装形態では、揮発性メモリユニットであり、他の実装形態では、不揮発性メモリユニットである。
【0058】
記憶デバイス1430は、システム1400に大容量記憶を提供することが可能である。一実装形態では、記憶デバイス1430は、コンピュータ可読媒体である。様々な異なる実装形態では、記憶デバイス1430は、フロッピー(登録商標)ディスクデバイス、ハードディスクデバイス、光ディスクデイバス、またはテープデバイスであってよい。
【0059】
入出力デバイス1440は、システム1400に入出力動作を提供する。一実装形態では、入出力デバイス1440は、キーボードおよび/またはポインティングデバイスを含む。もう1つの実装形態では、入出力デバイス1440は、グラフィカルユーザインターフェースを表示するためのディスプレイユニットを含む。
【0060】
説明された特徴は、デジタル電子回路の形で、もしくはコンピュータハードウェア、コンピュータファームウェア、コンピュータソフトウェアの形で、またはそれらの組合せの形で実装可能である。この装置は、プログラマブルプロセッサによる実行のために、情報キャリア内、例えば、機械可読記憶デバイス内で有形に実施されたコンピュータプログラム製品の形で実装可能であり、方法ステップは、入力データに作用して、出力を生成することによって、説明された実装形態の機能を実行するための命令のプログラムを実行しているプログラマブルプロセッサによって実行可能である。説明された特徴は、データ記憶システム、少なくとも1つの入力デバイス、ならびに少なくとも1つの出力デバイスからデータおよび命令を受信して、それらにデータおよび命令を送信するために結合された少なくとも1つのプログラマブルプロセッサを含むプログラマブルシステム上で実行可能な1つまたは複数のコンピュータプログラムによって有利に実装可能である。コンピュータプログラムは、ある種の活動を実行するか、またはある種の結果をもたらすために、コンピュータ内で直接的にもしくは間接的に使用可能な命令のセットである。コンピュータプログラムは、コンパイラ型言語またはインタープリタ型言語を含めて、任意の形態のプログラミング言語で書き込まれることが可能であり、コンピュータプログラムは、独立型プログラムとして、またはモジュール、構成要素、サブルーチン、もしくはコンピューティング環境における使用に適したその他のユニットとして、を含めて、任意の形態で配備可能である。
【0061】
命令のプログラムを実行するのに適したプロセッサは、例として、汎用マイクロプロセッサと専用マイクロプロセッサの両方と、任意の種類のコンピュータの単独のプロセッサまたは複数のプロセッサのうちの1つとを含む。一般に、プロセッサは、読出し専用メモリもしくはランダムアクセスメモリまたはそれらの両方から命令およびデータを受信することになる。コンピュータの必須要素は、命令を実行するためのプロセッサ、ならびに命令およびデータを格納するための1つまたは複数のメモリである。一般に、コンピュータは、データファイルを格納するための1つもしくは複数の大容量記憶デバイスも含むことになるか、または当該大容量記憶デバイスと通信するために動作可能に結合されることにもなり、かかるデバイスは、内部ハードディスクおよび取外し可能ディスクなどの磁気ディスク、光磁気ディスク、および光ディスクを含む。コンピュータプログラム命令およびデータを有形に実施するのに適した記憶デバイスは、例として、EPROM、EEPROM、およびフラッシュメモリデバイスなどの半導体メモリデバイス、内部ハードディスクおよび取外し可能ディスクなどの磁気ディスク、光磁気ディスク、ならびにCD-ROMディスクおよびDVD-ROMディスクを含めて、すべての形態の不揮発性メモリを含む。プロセッサおよびメモリは、ASIC(特定用途向け集積回路)によって補完可能であり、またはASIC内に組込み可能である。
【0062】
ユーザとの相互作用を提供するために、これらの特徴は、情報をユーザに表示するためのCRT(陰極線管)モニタまたはLCD(液晶ディスプレイ)モニタなどのディスプレイデバイス、ならびにキーボード、および、それによって、ユーザがコンピュータに入力を提供できるマウスまたはトラックボールなどのポインティングデバイスを有するコンピュータ上で実装可能である。
【0063】
これらの特徴は、データサーバなどのバックエンド構成要素を含むか、アプリケーションサーバもしくはインターネットサーバなどのミドルウェア構成要素を含むか、またはグラフィカルユーザインターフェースもしくはインターネットブラウザを有するクライアントコンピュータなど、フロントエンド構成要素を含むか、あるいはそれらの組合せを含むコンピュータシステム内で実装可能である。システムの構成要素は、通信ネットワークなど、任意の形態のまたは任意の媒体のデジタルデータ通信によって接続可能である。通信ネットワークの例は、例えば、LAN、WAN、ならびにインターネットを形成するコンピュータおよびネットワークを含む。
【0064】
コンピューティングシステムは、クライアントとサーバとを含みうる。クライアントおよびサーバは、通常、互いから遠隔にあり、典型的には、説明されたネットワークなど、通信ネットワークを介して相互に作用する。クライアントおよびサーバの関係は、それぞれのコンピュータ上で実行しており、互いに対してクライアント・サーバ関係を有するコンピュータプログラムによって生じる。
【0065】
いくつかの実装形態が説明されている。それでもなお、本開示の趣旨および範囲から逸脱せずに、様々な修正を行うことが可能である点を理解されよう。したがって、その他の実装形態は以下の特許請求の範囲内である。