(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記受渡装置は、前記基板を載せる載置台と、前記載置台を受取位置と受渡位置との間で移動させる移動ユニットと、前記載置台の移動に連動して前記載置台を昇降させる昇降用カム機構とを有し、
前記昇降用カム機構は、前記載置台を前記受取位置に移動させると前記載置台を持ち上げて前記載置台上に前記基板を受け取り、前記載置台を前記受渡位置に移動させると前記載置台を下降させて前記基板を前記複数の支持部材に渡すよう構成されている、請求項2又は3に記載の搬送システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、基板は収納ケースに収納されており、基板を搬送する場合、この収納ケースから基板を出して受取ってから搬送する。しかし、特許文献1に記載のコンベアは、収納ケースから基板を受取る構成を有していない。また、搬路上に搬送対象物を落として載せるようになっているため基板が損傷することがある。更に、基板を収納ケースに収納することもできない。それ故、特許文献1に記載のコンベアを基板の搬送システムとして採用することができない。
【0006】
また、基板は、搬送後に様々な処理が行われるようになっており、その処理では、基板の位置精度が要求される。特許文献1に記載のコンベアは、搬路上の基板をスクレーパによって押して搬送する構造であるため、基板の位置決めをすることができない。そのため、位置決め装置を別途設けなければならず、システムが大型化してしまう。
【0007】
そこで本発明は、収納ケースから基板を受取って搬送し、且つ位置決めすることができる搬送システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の搬送システムは、複数の基板を上下方向に間隔をあけて収納するための収納ケースと、前記収納ケースを昇降させて前記収納ケース内の前記基板を順に受取位置に位置させる昇降装置と、前記受取位置の前記基板を受取り、受渡位置にて前記基板を渡す受渡装置と、前記受渡位置にて前記基板を受取って搬送する搬送装置とを備え、前記搬送装置は、搬送方向に夫々延在し且つ所定方向に互いに間隔を有して並ぶように設けられている複数の搬送ベルトと、互いに対応付けられて前記複数の搬送ベルトに夫々設けられている複数の支持部材と、前記対応付けられている複数の支持部材が前記搬送方向に一緒に移動するように前記複数の搬送ベルトを駆動する搬送ユニットとを有し、前記複数の搬送ベルトに対応付けられて設けられている前記支持部材は、前記受渡位置にて渡された前記基板の外縁部を支持し且つ当該支持した基板を規定位置へと位置決めするよう構成されているものである。
【0009】
本発明に従えば、昇降装置により収納ケースを上昇又は下降させて受渡装置を動かすことで、基板を順に収納ケースから搬送装置に渡すことができる。また、受渡装置から搬送装置の支持部材に基板を渡すだけで基板を支持部材上の規定位置に位置決めすることができ、搬送ユニットにより搬送ベルトを動かすことで基板を位置決めすることができる。従って、収納ケースから基板を受取って搬送し、且つ搬送しながら位置決めすることができる。
【0010】
上記発明において、前記複数の搬送ベルトのうちの一対の搬送ベルトの前記所定方向の間隔を規制する間隔規制機構を備え、前記一対の搬送ベルトに互いに対応付けられて夫々設けられている前記支持部材は、前記基板の前記所定方向両側の外縁部を夫々支持する支持部と前記基板の所定方向の側面を位置決めするための前記所定方向に対向する位置決め部とを夫々有し、前記間隔規制機構により前記一対の搬送ベルトの前記所定方向の間隔を狭められていない状態で、前記一対の搬送部材の互いに対応付けられた前記支持部材が前記受渡位置にて渡された前記基板の外縁部を支持し、前記間隔規制機構により前記一対の搬送ベルトの前記所定方向の間隔を狭めることで、当該支持した基板を前記規定位置へと位置決めするよう構成されていることが好ましい。
【0011】
上記構成に従えば、受渡位置において、一対の搬送ベルトの前記所定方向の間隔が広げられた状態にあり、一対の支持部材が所定方向に離れている。これにより、位置決め部の間が広くなり、受渡位置にて基板を渡す際の位置ズレの許容範囲を大きくすることができる。それ故、基板を支持部材の上に載せやすくすることができる。
【0012】
他方、受渡位置以外では、間隔規制機構により一対の搬送ベルトの前記所定方向の間隔が狭められ、一対の支持部材が所定方向に近づく。これにより、位置決め部の間が狭まり、搬送しながら基板の位置決めを更に精度よく行うことができる。それ故、位置決め精度を向上するために別の装置により位置決め動作を行わなくてもよくなり、搬送停止時間をなくすことができる。
【0013】
上記発明において、前記支持部材は、前記基板を載置すると前記規定位置に案内するよう前記基板を支持する部分がテーパ状に形成されていることが好ましい。
【0014】
上記構成に従えば、基板を支持部材に載置するだけで基板を位置決めすることができる。
【0015】
上記発明において、前記受渡装置は、前記基板を載せる載置台と、前記載置台を受取位置と受渡位置との間で移動させる移動ユニットと、前記載置台の移動に連動して前記載置台を昇降させる昇降用カム機構とを有し、前記昇降用カム機構は、前記載置台を前記受取位置に移動させると前記載置台を持ち上げて前記載置台上に前記基板を受け取り、前記載置台を前記受渡位置に移動させると前記載置台を下降させて前記基板を前記複数の支持部材に渡すよう構成されていることが好ましい。
【0016】
上記構成に従えば、移動ユニットにより載置台を搬送方向に移動させることで昇降用カム機構により載置台を昇降させることができ、受取位置にて載置台に基板を載せ、また受渡位置にて載置台の基板を搬送装置に渡すことができる。これにより、移動用及び昇降用の駆動装置を兼用することができ、部品点数を低減することができる。
【0017】
上記発明において、前記受取位置と前記受渡位置との間の中間位置に設けられ、前記中間位置にある前記基板をその状態に応じて搬送方向と異なる方向に移送する移送装置と、前記搬送ユニット及び前記移送装置の動きを制御する制御装置とを備え、前記載置台は、前記基板を載置するための第1及び第2領域を有し、前記第1領域は、前記載置台を前記受取位置へと移動させると前記受取位置で渡される前記基板を受取り、前記載置台を前記受渡位置へと移動させると前記載置されている前記基板を前記中間位置に置くよう構成され、前記第2領域は、前記載置台を前記受取位置へと移動させると前記中間位置にある前記基板を受取り、前記載置台を前記受渡位置へと移動させると前記載置されている前記基板を前記対応付けられている複数の支持部材に渡すよう構成され、前記対応付けられている複数の支持部材は、前記搬送ベルトに前記搬送方向に並べて複数組み設けられており、前記制御装置は、前記受渡装置が前記受渡位置に位置した後に前記基板の前記搬送方向の長さだけ前記搬送ユニットにより前記搬送ベルトを送り、前記移送装置により前記基板が移送されると前記受渡装置が前記受渡位置に位置した後でも前記搬送ユニットにより前記搬送ベルトを送らないようになっていることが好ましい。
【0018】
上記構成に従えば、搬送装置では、複数枚の基板を同時に搬送することができる。また、移送装置によって基板が移送された場合に搬送ベルトを送らないようになっているので、搬送装置において複数の基板が詰められた状態で搬送方向に並べられることができる。つまり、間の基板が抜けて歯抜けのような状態になることを防ぐことができる。
【0019】
本発明の搬送システムは、受取った基板を前記受取位置に搬送する搬送装置と、前記受取位置にて前記搬送装置から前記基板を受取り、受渡位置にて前記基板を渡す受渡装置と、前記受渡装置により渡される前記基板を収納するための収納スペースが上下方向に間隔をあけて位置している収納ケースと、前記収納ケースを昇降させて前記収納ケースの前記収納スペースを順に受取位置に位置させる昇降装置とを備え、前記搬送装置は、搬送方向に夫々延在し且つ所定方向に互いに間隔を有して並ぶように設けられている複数の搬送ベルトと、互いに対応付けられて前記複数の搬送ベルトに夫々設けられている複数の支持部材と、前記対応付けられている複数の支持部材が前記搬送方向に一緒に移動するように前記複数の搬送ベルトを駆動する搬送ユニットとを有し、前記複数の搬送ベルトに対応付けて設けられている前記支持部材は、受取った前記基板の外縁部を支持し且つ当該支持した前記基板を規定位置へと位置決めするよう構成されているものである。
【0020】
上記構成に従えば、搬送装置の支持部材に基板を渡すだけで基板を支持部材上の規定位置に位置決めされ、搬送ユニットにより搬送ベルトを動かすことで基板を位置決めされた状態で搬送することができる。そして、受渡装置を動かして収納ケースを上昇又は下降させることで基板を順に収納ケース内に収納することができる。これにより、収納ケースに正確且つ容易に基板を収納することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、収納ケースから基板を受取って搬送し、且つ位置決めすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下では、前述する図面を参照しながら、本件発明の実施形態の搬送システム1について説明する。なお、全ての図を通じて同一又は相当する要素には同じ参照符号を付してその重複する説明を省略する。また、以下の説明において使用する方向の概念は、説明の便宜上で使用するものであって、必ずしもその方向に限定されるものではない。更に、以下に説明する搬送システム1,1Aは、本発明の一つの実施形態に過ぎない。従って、本発明は、実施の形態に限定されず、発明の趣旨を逸脱しない範囲で追加、削除、又は変更が可能である。
【0024】
[搬出用の搬送システム]
搬送システム1は、複数の基板11を収納ケース12から一枚一枚取り出して所定位置まで搬送するための搬出用の搬送システムである。搬送システム1は、
図1及び2に示すように収納ケース12と、昇降装置13と、受渡装置14と、搬送装置15と、移送装置16と、間隔規制機構17を備えている。
【0025】
<収納ケース>
収納ケース12は、
図3に示すように、一対の側壁22,22を有している。一対の側壁22,22は、その内面が対向するように左右両側に位置している。各側壁22の内面には、複数の支持板23が各々対応付けて設けられている。支持板23は、上下方向に等間隔をあけて配置されており、側壁22の内面から他方の側壁22に向かって突出するように延在している。各支持板23の上面は、他方の側壁22の対応している支持板23の上面と略面一となっており、対応付けられている2つの支持板23、つまり一対の支持板23,23によって基板11の両側縁部を支持するようになっている。この一対の側壁22,22の間に基板11を挿入して基板11を一対の支持板23,23に支持させることで、基板11が収納ケース12に収納される。このように基板11が収納されている収納ケース12は、昇降装置13に載置されている。
【0026】
<昇降装置>
昇降装置13は、基台31と、ボールねじ機構32と、駆動モータ33と、昇降台34とを有している。基台31は、大略箱状に形成されており、そこには、上下方向に延在するボールねじ機構32が設けられている。また、基台31内には、駆動モータ33が設けられている。駆動モータ33は、サーボモータであり、ボールねじ機構32のボールねじ(図示せず)を回転駆動してボールねじに設けられたスライダ(図示せず)を昇降するようになっている。このスライダには、昇降台34が設けられている。昇降台34は、水平方向に延在しており、その上に収納ケース12が載置されている。このように構成されている昇降装置13は、駆動モータ33によってボールねじ機構32を駆動して昇降台34に載置されている収納ケース12を昇降するようになっており、下降させることで各基板11を所定の高さにある受取位置まで降ろすように構成されている。このように構成されている昇降装置13の前側には、受渡装置14が配置されている。
【0027】
<受渡装置>
受渡装置14は、昇降装置13によって受取位置まで降ろされた基板11を受取って後述する受渡位置まで移送するように構成されている(
図2の実線及び2点鎖線参照)。受渡装置14は、
図4に示すように、スライダ機構41と、駆動機構42と、カム機構43と、載置台44とを有している。スライダ機構41は、ガイド部材41aと、スライド部材41bとを有している。ガイド部材41aは、前後方向に延在する部材であり、このガイド部材41aには、スライド部材41bが前後方向に摺動可能に設けられている。このように構成されるスライダ機構41には、駆動機構42が設けられている。
【0028】
移動ユニットである駆動機構42は、例えば電動モータとベルトとを有しており、電動モータによりベルトを動かすことでスライド部材41bを前後方向に移動可能に構成されている。なお、駆動機構42は、エアの給排気によってシリンダーを伸縮させてスライド部材41bを移動させるような構成であってもよい。スライド部材41bの上面は、平坦になっており、その上面には、カム機構43が設けられている。
【0029】
カム機構43は、カム43aと、一対のストッパ部材43b,43cと、カムフォロア43dとを有している。カム43aは、スライド部材41bの上面に設けられている。スライド部材41bの上面には、ガイド(図示せず)が設けられており、カム43aは、このガイドによって前後方向に摺動移動可能に構成されている。このように構成されているカム43aは、基本的にスライド部材41bに対して前後方向に相対移動しないようになっている。また、カム43aの前方及び後方には、ストッパ部材43b,43cが設けられている。
【0030】
ストッパ部材43b,43cは、カム43aに当たってカム43aの動きを止め、予め定められた位置より前方又は後方にカム43aが進まないように配置されている。従って、スライド部材41bが前方又は後方に移動している際にカム43aがストッパ部材43b,43cに当たると、カム43aだけがその場に残り、カム43aがスライド部材41bに対してその移動方向と反対方向に相対移動するようになっている。このように動くカム43aは、その上面にカム面43eを有しており、そのカム面43eには、カムフォロア43dが載せられている。
【0031】
カムフォロア43dは、回転しながら前記カム面43e上を前後方向に移動するようになっている。また、カム機構43は、上下方向に延在するアーム45を有しており、カムフォロア43dは、このアーム45の下端部に回転可能に設けられている。アーム45は、スライド部材41bに固定されている支持部46に対して上下方向に移動可能に支持されている。これにより、アーム45は、スライド部材41bに対して前後方向に相対移動不能であって、上下方向に相対移動可能に構成されている。つまり、カムフォロア43dは、スライド部材41bに対して前後方向に相対移動不能になっている。カムフォロア43dは、カム43aに対して前後方向に相対移動可能になっており、相対移動することでカム面43e上を移動してカム面43eの形状に合わせて上下動するようになっている。
【0032】
ここでカム面43eの形状について説明すると、カム面43eは、平坦部43f,43gと、それらより低い凹所43hとを有している。凹所43hは、カム面43eの前後方向中間部分に位置しており、カム43aが前側のストッパ部材43bに当たりスライド部材41bが最も前側の位置まで移動した際にカムフォロア43dが凹所43hに入るようになっている。また、平坦部43f,43gは、カム面43eの凹所43hより前後両側に位置しており、カム43aが後側のストッパ部材43cに当たりスライダ部材43bが最も後側の位置まで移動した際にカムフォロア43dが後側の平坦部43fに乗り上がるようになっている。それ故、スライド部材41bが前後方向に移動してカムフォロア43dがカム面43e上を移動することによって、アーム45が上下動する。アーム45の上端部には、載置台44が設けられている。
【0033】
載置台44は、基部44aと、一対の板状部材44b,44cとを有している(
図5も参照)。基部44aは、大略直方体状に形成されており、アーム45の上端部に設けられている。この基部44aの上面には、一対の板状部材44b,44cが設けられている。一対の板状部材44b,44cは、前後方向に延在する短冊状の板部材である。一対の板状部材44b,44cは、左右に間隔をあけて平行に並べられており、その上に基板11を載せることができるように構成されている。
【0034】
また、各板状部材44b,44cの前後両端部及び中央部分には、突起部材44d,44e,44fが形成されている。突起部材44d,44e,44fは、板状部材44b,44cの上面から上方に突起している。隣接する突起部材44d,44e,44fの間隔が基板11の前後方向の長さより若干長めになっており、板状部材44b,44cの上面において、後側と中央の突起部材44d,44fとの間に後側載置領域47aが形成され、前側と中央の突起部材44e,44fとの間に前側載置領域47bが形成されている。そして、突起部材44d,44e,44fは、後側載置領域47a及び前側載置領域47bに夫々載せられた基板11の前後方向の動きを規制するようになっている。また、後側載置領域47a及び前側載置領域47bには、吸着機構(図示せず)が設けられており、吸着機構は、移動中に後側載置領域47a及び前側載置領域47bから基板11が落ちないように基板11を吸着するようになっている。
【0035】
第1領域である後側載置領域47aは、前述する受取位置にて基板11を受取ることができるようになっている。この受取位置の前方には、検査位置及び受渡位置とが並んでおり、中間位置である検査位置には、一対の支持台48,48が設けられている。一対の支持台48,48は、一対の板状部材44b,44cより左右方向の外側に位置しており、その上面で基板11を支持するようになっている。後側載置領域47aは、スライド部材41bが前後方向に移動することで受取位置と検査位置との間を移動するようになっている。また、第2領域である前側載置領域47bは、後側載置領域47aが受取位置に位置する際に検査位置に位置し、後側載置領域47aが検査位置に位置する際に受取位置に位置するようになっている。つまり、前側載置領域47bは、スライド部材41bが前後方向に移動することで検査位置と受渡位置との間を移動するようになっている。
【0036】
このように構成されている受渡装置14では、スライド部材41bが後方に移動すると載置台44が受取位置に向かって後方に移動する。後側載置領域47aが受取位置に近づくと、カム43aが後側のストッパ部材43cに当たり、カム43aの動きが止まる。この状態からスライド部材41bが更に後方に移動すると、カムフォロア43dがカム面43e上を後方に移動し凹所43hから平坦部43fに上り、載置台44が上昇する。後側載置領域47a及び前側載置領域47bは、カムフォロア43dが凹所に位置する際に受取位置及び検査位置より低い位置にある。そのため、載置台44が上昇することで、後側載置領域47aは、その低い位置から受取位置に向かって上昇し、前側載置領域47bは、その低い位置から検査位置に向かって上昇する(
図4の矢符E参照)。そして、後側載置領域47aが受取位置に到達し、略同時に前側載置領域47bが検査位置に到達する(
図4及び
図5の2点鎖線参照)。
【0037】
受取位置に到達した後側載置領域47aは、その上に受取位置に位置している基板11を載せる。また、検査位置に到達した前側載置領域47bは、その上に一対の支持台48,48にて待機する基板11を載せる。基板11を載せた状態で、スライド部材41bを更に後方に移動させると、後側載置領域47a及び前側載置領域47bが更に上昇し、各々の上に載せた基板11を一対の支持板23,23及び一対の支持台48,48から持ち上げる。このようにして受渡装置14は、受取位置及び検査位置に位置する基板11を受取る。
【0038】
基板11を受取った後、スライド部材41bを前方に移動させると載置台44が前方に移動する。この際、カムフォロア43dが平坦部43f上に位置したまま載置台44が移動し、載置台44は、受取位置及び検査位置より高い位置で水平移動するようになっている。そして、後側載置領域47aが検査位置に近づくと、カム43aが前側のストッパ部材43bに当たり、カム43aの動きが止まる。この状態のままスライド部材41bが更に前方に移動すると、カムフォロア43dが平坦部43fから凹所43hへと下り、載置台44が下降する。これにより、後側載置領域47aが検査位置に向かって下降し、前側載置領域47bが受渡位置に向かって下降する(
図4の矢符F参照)。そして、後側載置領域47aが検査位置に到達し、略同時に前側載置領域47bが受渡位置に到達する(
図4及び
図5の実線参照)。
【0039】
後側載置領域47aが検査位置に到達すると、後側載置領域47aの上に載せている基板11は、一対の支持台48,48に載せられる。また、受渡位置に到達すると、前側載置領域47b上に載せている基板11は、後述する搬送装置15に載せられる。そのまま、スライド部材41bを更に前方に移動させると、後側載置領域47a及び前側載置領域47bが更に下降して基板11から夫々離れる。これにより、基板11が一対の支持台48,48及び搬送装置15に受け渡される。
【0040】
このように、駆動機構42により載置台44を前後方向に移動させることでカム機構43により載置台44を昇降させることができ、受取位置にて載置台44に基板11を載せ、また受渡位置にて載置台44の基板11を搬送装置15に渡すことができる。これにより、移動用及び昇降用の駆動機構を兼用することができ、部品点数を低減することができる。
【0041】
<搬送装置>
搬送装置15は、載置領域47bの上に載せられた基板11を受渡位置にて受取り、その後、基板11を所定位置まで搬送するように構成されている。搬送装置15は、
図1及び
図2に示すように、基本的に一対のベルト51,51と、複数のプーリー52と、駆動モータ53と、複数のプロファイル54とを有している。搬送ベルトである一対のベルト51,51は、無端環状の歯付きベルトであり、互いに左右方向に間隔をあけて前後方向に延在している。各ベルト51の前後部分には、プーリー52が夫々配置されており、ベルト51は、これら前後2つのプーリー52に張架されている。また、前側に配置されている2つのプーリー52は、搬送ユニットである駆動モータ53の出力軸に夫々連結されている。この駆動モータ53を駆動することによってプーリー52が回転し、一対のベルト51,51が同期して動くようになっている。このように同期して動く一対のベルト51,51の各々には、複数のプロファイル54が設けられている。
【0042】
支持部材であるプロファイル54は、基板11の角部分を支持可能に構成されており、
図1に示すようにそれらの中心間距離が所定ピッチLになるように前後方向に等間隔に配置されている。ここで、所定ピッチLは、基板11の前後方向の長さと略一致しており、より詳細には基板11の前後方向の長さより若干長く設定されている。また、各プロファイル54は、他方のベルト51に配置された何れかのプロファイル54に対応付けて配置されており、これら一対のプロファイル54,54同士が互いに対向するように位置している。また、一対のプロファイル54,54は、それらに隣接する前側及び後側に一対のプロファイル54,54と夫々対応付けられている。対応付けられた4つのプロファイル(以下、単に「4つのプロファイル」ともいう)54は、その内側に基板11と略同形状の載置領域を形成し、この載置領域に配置された基板11の四隅を夫々載せて支持するようになっている。一対のベルト51,51には、このような4つのプロファイル54が前後方向に等間隔で複数組み設けられて並んでいる。それ故、この載置領域が一対のベルト51,51の間に等間隔で形成され、上側に位置する全ての載置領域に基板11を載せると、
図1に示すように基板11が前後方向に等間隔で並ぶようになっている。
【0043】
このような機能を有するプロファイル54は、平面視で大略T字状に形成されており、
図6乃至8に示すように基部54aと、一対の係止部54b,54cと、支持部54dとを有している。基部54aは、前後方向に延在する大略矩形状に形成されており、ベルト51に沿ってその上に配置されている。この基部54aの下端面には、一対の係止部54b,54cが設けられている。一対の係止部54b,54cは、ベルト51の左右方向両側に夫々位置しており、ベルト51の左右両側面部に当接している。また、一対の係止部54b,54cは、他方の係止部54b,54cに向かって突出する突起片54eを有しており、各突起片54eがベルト51の下面に当接している。これにより、ベルト51が基部54a及び一対の係止部54b,54cによって囲まれ、プロファイル54がベルト51から外れないようになっている。また、突起片54eは、ベルト51の下面に形成されている歯部(図示せず)に噛合しており、一対の係止部54b、54cがベルト51に対して前後方向に固定されている。なお、この突起片54eは、その先端部が互いに左右に離れており、その間にプーリー52が入れるようになっている。このようにベルト51に固定されている基部54aには、支持部54dが一体的に形成されている。
【0044】
支持部54dは、基部54aの一側部に一体的に設けられた板状の部材である。支持部54dの前後方向の中間部分は、対応付けられているプロファイル54の基部54aに向かって突出している。つまり、支持部54dは、平面視で大略T字状に形成されている。支持部54dは、前後方向中央部分に隆起部分54fを有している。この隆起部分54fは、残余の部分より高く隆起しており、その上面が基部54aの上面と面一状になっている。そして、隆起部分54fの前後両側には、平面視で大略L字状の支持領域55,56が夫々形成されている。支持領域55,56は、その上面で別々の基板11の角部分を夫々支持することができ、対応付けられている他の3つのプロファイル54の支持領域55,56と共に載置領域を形成し、基板11の四隅を夫々支持するようになっている。
【0045】
また、隆起部分54fの前後両側面は、下方に進むに連れて支持領域55,56の方へと拡がるようにテーパ状に形成され、基部54aの一側面もまた下方に進むに連れて支持領域55,56に拡がるようにテーパ状に形成されている。これにより、隆起部分54fの前後両側面及び基部54aの一側面に当たった基板11の角部分は、それらのテーパ面によって支持領域55,56の規定位置に案内される。従って、対応付けられているプロファイル54に載せるだけで、基板11の四隅が位置決めされ、4つのプロファイル54の内側の規定位置に基板11体が位置決めされるようになっている。
【0046】
このように構成される搬送装置15は、駆動モータ53によって一対のベルト51,51を同期して駆動し、4つのプロファイル54を受渡位置に位置させることができるようになっている。受渡位置に位置する4つのプロファイル54は、受渡装置14によって受渡位置に搬送された基板11の四隅と平面視で夫々重なるように位置しており、その四隅を夫々支持するようになっている。つまり、搬送装置15は、受渡装置14によって受渡位置まで搬送された基板11を4つのプロファイル54によって受取ることができるようになっている。また、搬送装置15は、受取った基板11を4つのプロファイル54によって規定位置に案内して位置決めし、受取った基板11を搬送方向である前方に搬送するようになっている。
【0047】
<移送装置>
また、検査位置の上方には、図示しない検査装置が設けられている。検査装置は、基板11の状態、具体的には損傷や欠損等した不良品を検出するようになっている。そして、検査装置の検出結果に基づいて不良品を受取位置から検査位置及び受渡位置を介して搬送装置15の前側にある搬送先まで続く搬送路から取り除くべく移送装置16が設けられている。
【0048】
移送装置16は、
図1に示すように吸着ハンド61(
図1の2点鎖線参照)と、シリンダ機構62(
図1の2点鎖線参照)と、コンベア63とを有している。吸着ハンド61は、検査位置にある基板11の上方の吸着位置に位置し、その基板11の上面を吸着可能に構成されている。吸着ハンド61には、シリンダ機構62が設けられている。シリンダ機構62は、左右方向に伸縮可能であって、伸縮することで吸着ハンド61を吸着位置と解除位置との間で移動させるように構成されている。吸着ハンド61は、解除位置にて基板11の吸着を解除して基板11をその下に落とすようになっている。解除位置の下方には、コンベア63が設けられており、落とされた基板11は、コンベア63によって図示しないシュータに移送される。
【0049】
このように構成される移送装置16は、まず検査位置にある基板11を吸着ハンド61によって吸着して持ち上げる。そして、シリンダ機構62を動かして吸着ハンドを吸着位置から解除位置へと移動させる。そして、吸着ハンド61の吸着を解除して基板11を外し、コンベア63上に落とす。その後、コンベア63によって基板11をシュータに移送する。これにより、移送装置16は、検査位置にある不良品の基板11を搬送方向と異なる方向に移送することができ、不良品の基板11を搬送路から取り除くことができる。
【0050】
<間隔規制機構>
また、搬送装置15の後方の左右両側には、受渡位置より前方に間隔規制機構17が夫々設けられている。間隔規制機構17は、一対のベルト51,51の左右方向の間隔を規制して狭める機構であり、
図1に示すように一対のベルト51,51の外側に夫々1つずつ設けられている。間隔規制機構17は、
図9に示すように、基体71と、規制部72とを有している。基体71は、前後方向に延在する部材であり、ベルト51の左右方向の外側に位置している。基体71のベルト51側の側面は、プロファイル54の外側の係止部54bと対向しており、そこには、規制部72が設けられている。
【0051】
規制部72は、平面視で大略台形状に形成されており、受取位置側の先端部分が前方に進むに従ってベルト51側に近づくように傾斜している。そして、規制部72の中間部分は、ベルト51と平行に延在している。このように形成されている規制部72は、その前を通過するプロファイル54の外側の係止部54bに当接するように配置されており、当接することでプロファイル54を他方のベルト51側へと押すようになっている(
図6も参照)。これにより、一対のベルト51,51の間隔が狭まり、また一対のプロファイル54,54の間隔が狭まる。
【0052】
このように一対のプロファイル54,54の間隔を狭められることで基部54aの一側面同士の間隔が基板11の幅と略同じになるように構成されている。これにより、基板11の側面が位置決め部である左右両側にある基部54aによって挟持されて、左右方向において基板11が位置決めされる。このように規制部72を設けることで、プロファイル54を動かして基板11を搬送しながら基板11の左右方向の位置決めを精度よく行うことができる。それ故、基板11の位置決めをするための停止時間をなくすことができ、搬送及び位置決めに要する時間を短縮することができる。他方、規制部72は、受渡位置まで延在していない。それ故、受渡位置では一対のプロファイル54,54の間隔は広いままであり、基部54aの一側面同士の間隔が基板11の幅よりも若干大きくなっている。これにより、受渡位置にて受渡装置14から搬送装置15に基板11の受渡す際の位置ズレの許容範囲を大きく、基板11を4つのプロファイル54に載せやすくなっている。
【0053】
<制御装置>
このような構成を有する搬送システム1は、
図1に示すように更に制御装置18を有しており、この制御装置18によって昇降装置13、受渡装置14、及び搬送装置15の動作が制御されている。以下では、この制御装置18によって実行される搬送作業について詳述する。
【0054】
<搬送システムの動作>
制御装置18は、昇降装置13の駆動モータ33を駆動して昇降台34を下げ、収納ケース12において最も下に位置する基板11を受取位置まで降ろす。受取位置に達したところで、制御装置18は、駆動モータ33の駆動を停止する。制御装置18は、次に駆動機構42によりスライド部材41bを後方に移動させる。後方に移動させることで、載置台44の後側載置領域47aが受取位置に移動し、受取位置にある基板11を後側載置領域47aの上に載せる。それと同時に、前側載置領域47bもまた検査位置に移動し、一対の支持台48,48に支持されている基板11を前側載置領域47bの上に載せる。載せた後も、制御装置18は、スライド部材41bを更に後方に移動させる。これにより、後側載置領域47a及び前側載置領域47bは、2枚の基板11を支持板23及び支持台47から夫々持ち上げて受取る。
【0055】
持ち上げた後、制御装置18は、駆動機構42によってスライド部材41bを前方に移動させる。これにより、2枚の基板11を載せた載置台44が受取位置及び検査位置より高いところを通って前方に移動する。やがて、後側載置領域47aが検査位置に近づき、また前側載置領域47bが受渡位置に近づくと載置台44が下降し始める。そのまま前方へ移動させ続けると、後側載置領域47aが検査位置に達し、その上に載せられていた基板11を一対の支持台48,48の上に置く。それと同時に前側載置領域47bが受渡位置に達する。
【0056】
搬送装置15では、4つのプロファイル54が受渡位置の四隅に夫々配置されており、前側載置領域47bが受渡位置に達すると前側載置領域47b上の基板11の四隅が4つのプロファイル54の上に夫々載る。載せた後もスライド部材41bを前方に更に移動させることで前側載置領域47bが基板11から離れ、4つのプロファイル54に基板11に受け渡される。同様に、後側載置領域47aの基板11は、一対の支持台48,48に受け渡されて検査位置に置かれる。
【0057】
このようにして検査位置に置かれた基板11は、図示しない検査装置によってその状態が検査され、その検査結果が制御装置18に送信される。制御装置18は、基板11が不良品であると判定すると、不良品である基板11を吸着ハンド11によって吸着させてコンベア63上に移し、コンベア63によってその基板11をシュータに移動させる。不良でないと判定した場合、制御装置18は、移送機構16を駆動させずに検査位置にて基板11を待機させる。
【0058】
また、受渡位置にて搬送装置15に基板11を受け渡した後、制御装置18は、駆動モータ53によって一対のベルト51,51を同期して回転させる。これにより、4つのプロファイル54が前方に移動して基板11が前方に送られる。前方に送られるプロファイル54は、やがてプロファイル54が規制部72に当り、対向する一対のプロファイル54,54の間隔が狭められる。これにより、4つのプロファイル54上に載せられた基板11の左右方向の位置決めが行なわれる。つまり、搬送システム1は、基板11を位置決しながら前方にある所定位置へと搬送することができる。
【0059】
このように各装置13,14,15,16の動きを制御する制御装置18は、昇降装置13及び受渡装置14の動作を前述するように制御し、収納ケース12に収納されている基板11を一枚ずつ受取位置及び検査位置を通過させて受渡位置に移送するようになっている。他方、搬送装置15では、制御装置18が駆動モータ53の動きを制御し、移送されてくる基板11を一枚ずつ4つのプロファイル54に載置させるようになっている。
【0060】
即ち、制御装置18は、4つのプロファイル54に基板11が載置されると、駆動モータ53によって一対のベルト51,51を前方に所定ピッチLだけ移動させる。そうすると、4つのプロファイル54が所定ピッチLだけ前方に進んで基板11が前方に搬送され、次の4つのプロファイル54が受渡位置の四隅に夫々配置される。この次の4つのプロファイル54には、受渡装置14によって移送されてくる次の基板11を受渡され、その載置領域に載置される。そして、制御装置18が、再度駆動モータ53によって一対のベルト51,51を前方に所定ピッチLだけ移動させる。これを繰り返すことで、隣接する載置領域に基板11を連続的に受け渡すことができ、
図1に示すように上側に位置する全ての載置領域に対して抜けをなく基板11を配置することができる。
【0061】
他方、上述するように検査位置にて基板11が不良品であると判定された場合、検査位置にて不良品の基板11がシュータに移送されるので、前述のように基板11を搬送装置15に連続的に受け渡すことができない。この場合、制御装置18は、次に検査位置にて不良品でないと判定されて基板11が受渡位置に移送されてくるまで、一対のベルト51,51に回すことなく4つのプロファイル54を受渡位置に留めておくようになっている。これにより、不良品の基板11が移送装置16によって取り除かれても、前後方向に並んでいる全ての載置領域に一枚ずつ基板11を配置することができ、何れかの載置領域に基板11が載置されずに一対のベルト51,51の間で歯抜けのような状態で複数の基板11が並ぶようなことを防ぐことができる。
【0062】
[収納用の搬送システム]
このように構成される搬送システム1は、半導体処理済の基板11Aを収納ケース12に収納する場合にも使用することができる。以下では、収納用の搬送システム1Aについて説明する。搬送システム1Aは、上述する搬送システム1と構成が基本的に類似しているが、
図10に示すように特に搬送方向と、間隔規制機構17Aの配置位置と、受渡装置14Aの構造が異なる。なお、
図10では、制御装置18の図示を省略している。搬送システム1Aでは、前側に位置する4つのプロファイル54上に基板11Aが載せられ、搬送装置15によって基板11Aが後方(即ち、受渡装置14の方)に搬送されるようになっている。これにより、基板11Aが一枚ずつ受渡位置まで搬送される。
【0063】
また、搬送システム1Aでは、間隔規制機構17Aが受渡装置14A側に位置しており、受渡装置14A側において一対のベルト51,51の間隔を狭めて一対のプロファイル54,54の間隔を狭めるようになっている。これにより、受渡位置に搬送しながら左右方向の位置決めをすることができる。
【0064】
また、受渡装置14Aは、受渡位置にて基板11Aを受取り、受取位置にて基板11Aを収納ケース12に収納できるようになっている。具体的に説明すると、受渡装置14Aは、
図11に示すようにカム43aが前側のストッパ部材に当たった後もスライド部材41bが前方に移動すると、カムフォロア43dがカム43aの凹所43hから前側の平坦部43gに乗り上げるようになっている。これにより、スライド部材41bが前方に移動すると、受渡位置近傍で前側載置領域47bが上昇して受取位置に位置するようになっている(
図11の矢符G参照)。また、この状態でスライド部材41bを後方に移動させると、載置台44が受渡位置、検査位置及び受取位置より高いところで水平移動し、やがてカム43aが後側ストッパ部材に当たる。カム43aが後側ストッパ部材に当たった後もスライド部材41bが後方に移動させると、前側の平坦部43gから凹所43hへと下るようになっている。これにより、スライド部材41bが後方に移動すると、検査位置近傍で前側載置領域47bが下降して検査位置に位置するようになっている(
図11の矢符H参照)。
【0065】
<収納動作>
次に、搬送システム1Aにおいて、基板11Aを収納ケース12に収納する動作について説明する。図示しないロボット等により基板11Aが前側に位置する4つのプロファイル54上に載せられると、制御装置18は、駆動モータ53によって一対のベルト51,51を回転させる。これにより、一対のプロファイル54,54の間隔が狭められながら受渡位置の方へと移動し、基板11Aが受渡位置の方へと搬送されながら左右方向の位置が決めされる。制御装置18は、搬出時と同様に、プロファイル54を所定ピッチL移動する度に一旦停止するようになっている。即ち、制御装置18は、各基板11Aが受渡位置に位置する度に駆動モータ53の駆動を停止する。停止した後、制御装置18は、受渡装置14Aのスライド部材41bを前方に移動させて載置台44の前側載置領域47bを受渡位置に移動させる。これにより、受渡位置にある基板11Aが前側載置領域47b上に載り、受渡装置14が搬送装置15から基板11Aを受取る。この際、検査位置に基板11Aがある場合、その基板11Aは後側載置領域47a上に載置される。
【0066】
受渡位置の基板11Aを載置すると、制御装置18は、スライド部材41bを後方に動かし、前側載置領域47bを検査位置まで移動させる。検査位置近傍では、前側載置流域47bが下降しながら検査位置に向かって移動するため、前側載置領域47bが検査位置することで一対の支持台48,48の上に前側載置領域47bの基板11Aが載せられて受け渡される。
【0067】
また、前側載置領域47bが検査位置まで移動する際、後側載置領域47aは、受取位置へと移動している。受取位置周辺では、前側載置領域47bと同様に、後側載置領域47aが下降しながら受取位置に向かって移動するため、受取位置に達すると、その左右両側に配置された一対の支持板23,23上に基板11の左右両端部が載せられる。載せた後も後側載置領域47aは更に下降し、一対の支持板23,23が基板11Aを受取る。受取った後、制御装置18は、昇降装置13により収納ケース12を上昇させ、基板11Aを受取った一対の支持板23,23の下に位置する次の一対の支持板23,23を受取位置に移動させる。これらの動作を繰り返すことで、搬送装置15に載せられた基板11を次々と正確且つ容易に収納ケース12に収納することができる。
【0068】
なお、検査位置では、図示しない検査装置によって基板11A上の処理に欠陥がないか否かが検査されており、欠陥がある場合、制御装置18が移送装置16を駆動して欠陥のある基板11Aを搬送路から取り除くようになっている。そして、基板11Aが取り除かれた場合、検査位置から受取位置に移動させる基板11Aがないため、制御装置18は、検査後に後側載置領域47aが受取位置に達しても昇降装置13を駆動させずに収納ケース12を待機させるようになっている。これにより、上下方向に並ぶ全ての一対の支持板23,23に対して基板11を支持させて収納することができる。
【0069】
<その他の実施形態>
本実施形態の搬送システム1では、カム機構43により載置台44の上下方向の動きを実現しているが、駆動機構42とは異なる別の駆動機構を設けて上下方向の動きを実現してもよい。また、間隔規制機構17は、一対のベルト51,51の両側に配置されているが、何れか一方のベルト51の外側だけに設けられていてもよい。また、間隔規制機構17は、プロファイル54を介して間接的に一対のベルト51,51の間隔を規制するようになっているが、ベルト51を直接押して一対のベルト51,51の間隔を規制するような構成であってもよい。また、間隔規制機構17は、一対のベルト51,51の間隔を狭めて規制するような構成であるが、受渡位置にて一対のベルト51,51の間隔を広げるような構成であってもよい。