【課題を解決するための手段】
【0010】
テロメラーゼのアイソフォーム-1の遺伝子は、4015の塩基対(bp)長(NCBI登録番号AF015950)であり、1132のアミノ酸のタンパク質(NCBI登録番号AAC51672.1)をコードする(
図1)。
【0011】
本発明は、ヒトテロメラーゼ逆転写酵素(hTERT)ペプチドをコードするポリヌクレオチドに関する。本発明の特定の実施形態において、コード化ペプチドは、長さが9個のアミノ酸(9量体)または長さが10個のアミノ酸(10量体)であり、ゆえに、ポリヌクレオチドは、27または30のヌクレオチドを有する。一般に、コード化ペプチドは15未満のアミノ酸であり、ポリヌクレオチドは45未満のヌクレオチドを有する。
【0012】
本発明はまた、MHCクラスI分子に制限されたエピトープ、特にHLA-B7に制限された免疫応答を誘発するのに好適であるエピトープであるhTERTペプチドをコードするポリヌクレオチドに関する。本発明のポリヌクレオチドのヌクレオチド配列は、特定の実施形態において、hTERTペプチドをコードする配列に限定される。このようなペプチドは、MPRAPRCRA(p1;1〜9のアミノ酸残基)、APRCRAVRSL(p4;4〜13のアミノ酸残基)、APSFRQVSCL(p68;68〜77のアミノ酸残基)、RPAEEATSL(p277;277〜285のアミノ酸残基)、RPSFLLSSL(p342;342〜350のアミノ酸残基)、RPSLTGARRL(p351;351〜360のアミノ酸残基)、DPRRLVQLL(p444、444〜452のアミノ酸残基)、FVRACLRRL(p464、464〜472のアミノ酸残基)、AGRNMRRKL(p966、966〜974のアミノ酸残基)、LPGTTLTAL(p1107、1107〜1115のアミノ酸残基)、及びLPSPKFTIL(p1123、1123〜1131のアミノ酸残基)からなる群から選択されうる。これらのポリヌクレオチドすべては、HLA-B7制限免疫応答を誘発するために使用されうる。特定の実施形態において、本発明は特に、RPSLTGARRL(p351)、APSFRQVSCL(p68)、APRCRAVRSL(p4)、DPRRLVQLL(p444)、FVRACLRRL(p464)、AGRNMRRKL(p966)、LPGTTLTAL(p1107)、及びhLPSPKFTIL(p1123)からなる群から選択される、HLA-B7制限hTERTエピトープをコードするポリヌクレオチドに関する。
【0013】
本明細書に定義されているように、「エピトープ」は、抗原決定基、すなわち免疫系の細胞(免疫細胞)によって認識されるペプチド部位、特に免疫応答を誘発するのに必要な部位である。用語エピトープは、それに対する連続アミノ酸(特に、9または10)が免疫細胞によって認識される線状エピトープ、及びそれが適切な立体配置または立体配座をとる範囲で免疫細胞がアミノ酸を認識する立体配置的エピトープの両方を含む。その結果、いくつかのエピトープにおいて、立体配座(三次元構造)は、アミノ酸配列(一次構造)と同様に重要である。
【0014】
表現「MHCクラスI制限」とは、クラスIのMHC(主要組織適合性複合体)分子に対して親和性を有する特定のペプチドまたはエピトープに対する能力を表す。同様に、表現「HLA-B7制限」とは、このタイプのHLA分子に対する親和性を有する特定のペプチドまたはエピトープに対する能力を表す。
【0015】
要するに、MHC遺伝子は、外来性ペプチドに結合するだけでなく、過剰発現したまたは自己でないペプチド、あるいは変異型自己ペプチドにも結合しうる細胞表面多型分子をコードして、適切な免疫細胞、特にT細胞による認識を可能にする細胞の細胞表面にそれらを提示する。マウスにおいてH-2及びヒトにおいてHLA(ヒト白血球抗原)と称される前記MHC分子は、クラスI分子(HLA-A、B、またはCと表される)またはクラスII分子(DP、DQ、またはDRと表される)として分類される。
【0016】
従って、MHCクラスI分子は、細胞毒性Tリンパ球上に発現されるCD8分子(TCD8
+とも称される)に特異的に結合するが、一方、MHCクラスII分子は、ヘルパーTリンパ球上に発現されるCD4分子(TCD4
+)に特異的に結合する。
【0017】
MHCクラスI分子は、タンパク分解的に分解されたタンパク質、特に細胞によって内因的に合成されたタンパク質に由来するペプチドに結合する。それによって得られた小型ペプチドは小胞体に輸送され、そこでそれらは新生MHCクラスI分子と結合してから、ゴルジ体を介して輸送されれ、細胞毒性Tリンパ球による認識のために細胞表面に提示される。
【0018】
本発明において、前記同定ペプチドは、一方では高いまたは中程度の親和性でMHCクラスI分子に結合し、他方、MHC/エピトープ複合体として細胞の細胞表面に効率的に輸送されることが示されている。好ましい実施形態において、MHCクラスI分子はHLA-B7上位型ファミリーのMHC対立遺伝子であり;hTERTエピトープは前記HLA-B7上位型制限である。前記ファミリーは、対立遺伝子B0702、B0703、B0704、B0705、B1508、B3501、B3502、B3503、B51、B5301、B5401、B5501、B5502、B5601、B5602、B6701、及びB7801を含み、それらのファミリーからHLA-B0702が好ましい(HLA-B0702制限hTERTエピトープ)。
【0019】
MHC安定化アッセイを用いて、参照として本明細書に組み込まれているFiratら(1999年、Eur. J. of Immunol. 29:3112〜3121頁)に記載されているもの等、特定のHLAクラスI分子に対するペプチドの親和性(相対結合活性)を試験することができる。要するに、MHCクラスI分子でトランスフェクションされた細胞を、
−ペプチドの非存在下(ネガティブコントロール)、
−参照ペプチドの存在下(ポジティブコントロール)、及び
−試験されるペプチド(この場合、hTERTペプチド)の存在下で、
100ng/mlのヒトβ2-ミクログロブリンを補充された無血清培地AIM-V(Invitrogen社、Gibco)中、96ウェルプレート中に2×10
5細胞/ウェルで一晩インキュベーションする。
ペプチドを、0.1〜100μMの範囲の種々の最終濃度で(1μM及び10μMの中間濃度で)インキュベーションする。次いで、トランスフェクションされた細胞を、特定のHLA MHCクラスI分子を認識する抗体の飽和濃度で標識し、次に2回洗浄し、最終的にフローサイトメトリー前に二次抗体で染色する。結果は相対結合活性値として表され、これは、参照ペプチドの値を参照して最大結合の20%に達するのに必要な試験ペプチドの濃度比率である。それゆえ、この値が低くなるほど、結合が強くなる。この方法の後に、RA<1の場合、ペプチドは特定のHLAクラスI分子に対して高い相対親和性を有するといわれる。対照的に、RAが1〜5、好ましくは1〜3である場合、中程度の相対親和性と結論付けられる。
【0020】
hTERT9量体及び10量体、特に前記同定ペプチドの中で、以下のMHCクラスI制限hTERTエピトープ:MPRAPRCRA(p1)、APRCRAVRSL(p4)、及びAPSFRQVSCL(p68)を、MHCクラスI分子に対して高い相対親和性を有するものとして分類することができる。同じ手法を用いて、以下のMHCクラスI制限hTERTエピトープ:RPAEEATSL(p277)、RPSFLLSSL(p342)、及びRPSLTGARRL(p351)を、MHCクラスI分子に対して中程度の相対親和性を有するものとして分類することができる。
【0021】
本発明はまた、MHCクラスI制限エピトープ類似体、すなわち前記のようなクラスI制限hTERTエピトープと比較して少なくとも1つのアミノ酸置換を有するエピトープ、特にHLA-B7制限エピトープ類似体をコードするポリヌクレオチドに関する。
【0022】
本明細書に定義される用語「類似体」とは、その配列が、保存的、半保存的、または非保存的な少なくとも1つのアミノ酸置換により、前記のhTERTペプチドから得られるペプチドに関する。類似体は、そのヌクレオチド及び/またはアミノ酸配列が、いわゆる野生型ペプチドまたはポリヌクレオチドを定義するために、参照の分子として本出願内で考慮される
図1に開示されている参照hTERT遺伝子またはタンパク質に見られないという事実により、エピトープと対立するものである。このような類似体は、前記アミノ酸をコードするコドンにおける1つまたはいくつかの核塩基の対応するヌクレオチド配列の置換により生じ得る。従って、ポリヌクレオチド類似体は、置換されるアミノ酸残基をコードするコドンにおいて少なくとも1つの置換、好ましくは1つ、2つ、または3つの置換により、その野生型対応物(ペプチド類似体が由来する参照配列でhTERTペプチドをコードするポリヌクレオチド)とは異なる。一例として、APRRLVQLLペプチド(p444*と称される)は、最初のアミノ酸残基(D->A)の置換によりp444ペプチドから得られる。
【0023】
HLA-B7制限類似体の特定の類似体は、それが由来するエピトープと同じ長さを有するか、またはそれよりも短い。
【0024】
特定の実施形態として、前記のhTERTエピトープまたはその類似体は、それらの一次構造において、2位にプロリン(P)、及び/または最後のC末端位置に以下のアミノ酸:A、L、I、M、V、F、W、またはYのうちの1つを常に保存する。従って、類似体を含むhTERTペプチドは、以下のコンセンサス配列:X-P-X
6〜7-[ALIMVFWY]を有し、式中、Xは任意のアミノ酸を表し、X
6〜7はアミノ酸数を表し、且つ[ALIMVFWY]はこれらのアミノ酸のうちの1つを表す。
【0025】
従って、エピトープ類似体を提供するために、当該ポリヌクレオチドにおけるアミノ酸置換または対応するコドン置換は、2位(または第2コドン)に位置しない。好ましい実施形態において、たとえ最後のC末端アミノ酸を等価のアミノ酸、すなわちA、L、I、M、V、F、W、またはYで置換できたとしても、C末端位置において置換は行われない。最後に、好ましい実施形態において、置換は1位に位置し、任意のアミノ酸はアラニン(A)で置換される。
【0026】
本発明のさらなる実施形態において、生じた9量体がX-P-X
6〜7-[ALIMVFWY]コンセンサス配列を維持するか、または選択するという条件で、10量体の最後のC末端アミノ酸を欠失させて、9量体を得る。同じ方法で、生じた10量体がX-P-X
6〜7-[ALIMVFWY]コンセンサス配列を維持するか、または選択するという条件で、9量体のC末端にA、L、I、M、V、F、W、及びYの中から選択するアミノ酸を付加させて、10量体を生じさせる。
【0027】
個々にまたは組合せとして選択され、特に前記に説明されたものを含む、置換、欠失、または付加の場合、ペプチド類似体の三次元立体配座は、野生型対応物の1つに対して同じかまたはわずかに改変されたものでなければならず、それにより、当該類似体の正しい折りたたみ及びMHCクラスI分子に対するその正しい結合を確保する。前記のMHC安定化アッセイを用いて、このような制約が満たされることをチェックすることができる。
【0028】
生じた類似体は、特定のMHCクラスI分子、特にHLA-B7分子に対する親和性に関して、その野生型対応物と少なくとも同じ特徴を有し、且つ細胞表面上のエピトープ/MHC複合体と実質的に同じ輸送される能力を有し、及び/または同じ条件で試験された場合、免疫原性応答を誘発する実質的に同じ能力を有する。
【0029】
好ましい実施形態において、開始ペプチドは、中程度の親和性を有するhTERTエピトープであり、生じた類似体は、その野生型対応物よりも高い親和性を有する。別の実施形態において、類似体は、その野生型対応物よりも高い免疫原性を有する。一例として、前記に示されたp444*ペプチド類似体は、それが由来するp444ペプチドと比較して、MHCクラスI分子に対して増大した親和性を有する。
【0030】
本発明の目的は、免疫応答、特にCTL応答(細胞毒性Tリンパ球)を誘発できるhTERTエピトープまたは類似体を提供することである。しかしながら、Tリンパ球は、抗原提示細胞を介して前記リンパ球のみを刺激するために使用される前記類似体を認識しない。本発明の実施形態において、前記の類似体は、その免疫原性挙動を維持し、且つhTERTエピトープを過剰発現する細胞に対する免疫応答、すなわちCTLはエピトープ類似体により刺激されたとしても、野生型エピトープを認識することを誘発できる。特定の実施形態において、本発明のエピトープ類似体により刺激されたリンパ球は、hTERTエピトープを過剰発現しない細胞に対して反応しない。従って、刺激されたリンパ球は、他のエピトープを過剰発現する細胞と反応(交差反応)しないか、または基底レベルとしてのhTERTエピトープを発現する細胞(健常細胞)と反応しない。特定の実施形態において、前記のすべての特徴は、HLA-B7環境内にあり、好ましくは、HLA-B0702関連にある。
【0031】
参照として本明細書に組み込まれているFiratの刊行物(1999年、Eur. J. of Immunol. 29:3112〜3121頁)にあるように、標準的4〜5時間の
51Cr放出アッセイを使用することによって従来の細胞毒性アッセイを実施して、標的細胞に対して反応する刺激されたリンパ球の能力を試験することができる。要するに、CTLを含む細胞懸濁液をin vivoでペプチド(この場合、hTERTペプチドまたは類似体)+自己MHCクラスI分子で活性化する。次いで、あらかじめ
51Crとインキュベーションされた標的細胞(対応するhTERTエピトープを発現しているまたは発現しない)を、活性化リンパ球とともにインキュベーションする。活性化CTLによる標的細胞の認識により、標的細胞のアポトーシス及び
51Crの放出が生じ、前記放出は死滅した標的細胞数に比例する。標的細胞とコントロールペプチドとのインキュベーションを、
51Crの自発的放出を算出するためにネガティブコントロールとして使用する。試験されるペプチドに関して得られた細胞溶解に対してコントロールペプチドで観察された非特異的細胞溶解を差し引くことによって、細胞溶解の具体的なパーセンテージを算出する。そのパーセンテージが高いほど、CTLにより死滅した標的は多い。特異的細胞溶解を、エフェクター(CTL)対標的細胞(E:T)のいくつかの比率で判定する。特定の細胞溶解を、[実験的放出−自発的放出]と[全放出−自発放出]との間の比率として算出する。
【0032】
本発明はまた、ポリエピトープをコードするポリヌクレオチドに関する。ポリエピトープとは、MHCクラスI制限、特に本発明のHLA-B7制限hTERTエピトープ(p1、p4、p68、p277、p342、p351、p444、p464、p966、p1107、及びp1123)及び/またはMHCクラスI制限、特にHLA-B7制限エピトープ類似体の中から選択される少なくとも2つのエピトープを有するポリペプチドとして定義される。本発明のポリヌクレオチドは、前記エピトープまたは類似体をコードする少なくとも2つのポリヌクレオチド単位を含むか、またはそれらからなる。ポリヌクレオチド単位は、本明細書に開示された本発明のエピトープまたは類似体に対するコード配列として定義される。
【0033】
本発明は特に、(a)RPSLTGARRL(p351)、(b)APSFRQVSCL(p68)、(c)APRCRAVRSL(p4)、(d)DPRRLVQLL(p444)、(e)FVRACLRRL(p464)、(f)AGRNMRRKL(p966)、(g)LPGTTLTAL(p1107)、及び(h)LPSPKFTIL(p1123)、または前記に定義されるそれらの類似体の中から選択される少なくとも2つのエピトープを含む、ポリエピトープをコードするポリヌクレオチドに関する。ポリエピトープをコードする別のポリヌクレオチドは、(a)RPSLTGARRL(p351)、(b)APSFRQVSCL(p68)、(c)APRCRAVRSL(p4)、(d)DPRRLVQLL(p444)、(e)FVRACLRRL(p464)、(f)AGRNMRRKL(p966)、(g)LPGTTLTAL(p1107)、及び(h)LPSPKFTIL(p1123)に対応するHLA-B7制限hTERTエピトープ及び/または前記に定義されるそれらの類似体をコードするポリヌクレオチドの群から選択される少なくとも1つのポリヌクレオチド単位、並びに配列MPRAPRCRA(p1)、RPAEEATSL(p277)、またはRPSFLLSSL(p342)、あるいは前記に定義されるそれらの類似体をコードするポリヌクレオチドの群から選択される少なくとも1つのポリヌクレオチド単位を含む。
【0034】
本発明のポリエピトープをコードするポリヌクレオチドのいずれも、全長hTERTのコード配列と一致しない。
【0035】
本発明の特定の実施形態において、調製されたポリエピトープにおけるMHCクラスI制限hTERTエピトープ及び/または類似体の数は、30に制限される。別の実施形態において、HLA-B7制限hTERTエピトープ及び/または類似体の数は、およそ30に制限され、好ましくは2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、または30である。別の実施形態において、HLA-B0702制限hTERTエピトープ及び/または類似体の数は、およそ10に制限され、好ましくは2、3、4、5、6、7、8、9、または10である。
【0036】
従って、ポリエピトープをコードするポリヌクレオチドは、30以下のポリヌクレオチド単位、特に2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、または30、あるいはこの範囲内の任意の数を有する。
【0037】
特定の実施形態において、前記ポリヌクレオチドのポリヌクレオチド単位(ゆえに、エピトープ)は連続的である。
【0038】
本発明のこのような特定の実施形態において、連続的hTERTエピトープまたは類似体をコードする核酸配列のサイズは、3000bp未満であり、好ましくは2000bp、1000bp、500bp、400bp、300bp、200bp、または100bp未満である。
【0039】
特定の実施形態において、複数エピトープ(ポリエピトープ)をコードするポリヌクレオチドは、hTERTタンパク質の切断型または変異型をコードする核酸分子からなる。好ましい実施形態において、hTERTタンパク質の切断型または変異型は、その触媒活性を失い、すなわちテロメア長の維持に関与する染色体の末端における反復単位(T
2AG
3)の合成を方向付けることができない。その触媒活性、すなわち逆転写酵素活性が失われたそのようなhTERTタンパク質は非機能的といわれる。従って、別の特定の実施形態において、hTERTタンパク質の切断型または変異型をコードする核酸分子は、hTERTの触媒活性ドメインを欠失している。特定の実施形態において、hTERTタンパク質の切断型をコードする核酸分子は、少なくとも500の最後のC末端アミノ酸からなるタンパク質をコードする。
【0040】
特定の実施形態において、当該ポリヌクレオチドは、
図1(野生型)のヌクレオチド2654〜2662に対応し、欠失部位を表す
図9のヌクレオチド2658に隣接するヌクレオチド2657を提供するアミノ酸867〜869(VDD配列)を欠失した、あるいは、
図1(野生型)のヌクレオチド2645〜2671に対応し、欠失部位を表す
図10のヌクレオチド2649に隣接するヌクレオチド2648を提供するアミノ酸864〜872を欠失したhTERTタンパク質をコードする。特定の実施形態において、コードされたhTERTタンパク質は、少なくともアミノ酸残基867〜869を含む欠失、すなわち3個のアミノ酸残基(VDD配列)よりも大きい欠失を有する。一例として、前記の864〜872欠失、並びにアミノ酸残基857から出発して879までの22のアミノ酸欠失(
図1によれば)、あるいはVDD配列(ヌクレオチド2639〜2679に対応する、
図1によればアミノ酸862〜アミノ酸874)に対して5個のN末端アミノ酸及び5個のC末端アミノ酸を含む欠失である。特定の実施形態において、本発明は、
図9または
図10に示された核酸配列を含むか、またはそれからなるポリヌクレオチドに関する。
【0041】
本発明の複数エピトープをコードするポリヌクレオチド単位は連続的に配列され得、すなわち第1のポリヌクレオチド単位の3'末端は、第2のポリヌクレオチド単位(など)の5'末端に直接連結し、連続的エピトープのみを含むペプチド配列をコードするポリヌクレオチドを生じる。このようなポリヌクレオチドは、p1、p4、p68、p277、p342、p351、p444、p464、p966、p1107、及びp1123ペプチドを含むか、またはそれらからなるポリエピトープをコードし得る。特定の実施形態において、前記ポリヌクレオチドは、以下のペプチド配列MPRAPRCRAAPRCRAVRSLAPSFRQVSCLRPAEEATSLRPSFLLSSLRPSLTGARRLをコードし、ゆえに6個のMHCクラスI制限、特にHLA-B7制限hTERTエピトープを含む。
【0042】
あるいは、本発明の複数エピトープは、1個のアミノ酸スペーサーまたはペプチドスペーサーによって分離され得る。すなわち、異なるポリヌクレオチド単位は、それぞれ1個またはいくつかのアミノ酸をそれぞれコードする1個またはいくつかのコドンによって分離されることを意味する。複数エピトープのプロセシングを促進するスペーサーとして、C末端位置におけるアルギニン(R)及び他の位置における親水性残基(A、K、D、及び/またはT)を含む4個のアミノ酸ペプチドが好ましい。特にC末端位置における陽電荷残基または酸性残基を有する4個のアミノ酸ペプチドを、他の位置における親水性残基(A、K、D、及び/またはT)に依存して、またはそれらから独立して使用できる。特定の実施形態において、前記スペーサーは、複数エピトープのより良好なプロセシングを可能にし、且つ重複した切断により生じる新たなペプチドのプロセシングを避ける、エンドソームまたはリソソームプロセシング配列等の内在的プロセシング配列である。そのようなスペーサーに依存した分離を用いて、ポリヌクレオチド単位のすべて、またはそれに反して一部、ゆえにエピトープのすべてまたは一部を分離することができる。
【0043】
エピトープが配列される順序は、以下の:いくつかの順序は、ポリヌクレオチドの転写及び/または翻訳を促進し得、特に三次元立体配座がその特性に影響を与える場合、小胞体(ER)においてその生じた発現ポリエピトープの輸送を促進し得、且ついくつかのエピトープまたは類似体におけるポリエピトープのプロセシングを促進して、重複するエピトープのプロセシングを避けることができる;という基準に従って当業者により決定され得る。
【0044】
本発明のポリエピトープは、単一の動物またはヒトにおいて、同時に、ポリエピトープ中に含まれる少なくとも1つ、特にいくつかのエピトープまたは類似体に対するCTL応答の誘発を可能にする。
【0045】
特定の実施形態において、本発明のポリエピトープをコードするポリヌクレオチドは、少なくとも2つのエピトープの最もN末端側のエピトープをコードするポリヌクレオチド単位に作動可能に連結された、標的シグナルをコードするポリヌクレオチドをさらに含む。本明細書に用いられる「作動可能に連結された」とは、標的シグナルを作動可能にでき、すなわちポリエピトープを正しい細胞コンパートメントまたはドメインに標的化できる方法で、標的シグナル(上流配列)をN末端エピトープ(下流配列)に連結させることを意味する。従って、2つの配列間の連結により、各配列が異なる位置及び/または異なる段階でそれ自身の機能を果たす。特定の実施形態において、前記標的シグナルは、小胞体シグナル配列であり、適切なプロセシング及びMHCクラスI分子との結合のために、ポリエピトープをERに方向付けさせる。
【0046】
さらなる実施形態において、翻訳過程が開始コドンを必要とする場合、メチオニン残基をコードするコドンを最もN末端側のエピトープをコードする配列の上流に付加させて、ポリヌクレオチドの正しい翻訳を可能にする。最もN末端側のエピトープがその1位にメチオニン残基を有さない場合にのみ、このようなコドンを付加する。
【0047】
本発明はまた、前記に示した定義に従って、
a. ATGCCGCGCGCTCCCCGCTGCCGAGCC(n1)、
b. GCTCCCCGCTGCCGAGCCGTGCGCTCCCTG(n4)、
c. GCCCCCTCCTTCCGCCAGGTGTCCTGCCTG(n68)、
d. AGACCCGCCGAAGAAGCCACCTCTTTG(n277)、
e. CGGCCCTCCTTCCTACTCAGCTCTCTG(n342)、
f. AGGCCCAGCCTGACTGGCGCTCGGAGGCTC(n351)、
g. GACCCCCGTCGCCTGGTGCAGCTGCTC(n444)、
h. TTCGTGCGGGCCTGCCTGCGCCGGCTG(n464)、
i. GCTGGGAGGAACATGCGTCGCAAACTC(n966)、
j. CTCCCGGGGACGACGCTGACTGCCCTG(n1107)、
k. CTGCCCTCAGACTTCAAGACCATCCTG(n1123)、及び
l. GCCCCCCGTCGCCTGGTGCAGCTGCTC(n444*)
からなる群から選択される少なくとも2つのポリヌクレオチド単位を含むか、またはそれらからなるポリヌクレオチドに関する。
【0048】
以下のポリヌクレオチド:
−a. AGGCCCAGCCTGACTGGCGCTCGGAGGCTC(n351)
b. GCCCCCTCCTTCCGCCAGGTGTCCTGCCTG(n68)、
c. GCTCCCCGCTGCCGAGCCGTGCGCTCCCTG(n4)、
d. GACCCCCGTCGCCTGGTGCAGCTGCTC(n444)、
e. TTCGTGCGGGCCTGCCTGCGCCGGCTG(n464)、
f. GCTGGGAGGAACATGCGTCGCAAACTC(n966)、
g. CTCCCGGGGACGACGCTGACTGCCCTG(n1107)、
h. CTGCCCTCAGACTTCAAGACCATCCTG(n1123)、及び
i. GCCCCCCGTCGCCTGGTGCAGCTGCTC(n444*)、または前記に定義されたそれらの類似体から選択される少なくとも1つのポリヌクレオチド単位、並びに
j. ATGCCGCGCGCTCCCCGCTGCCGAGCC(n1)、
k. AGACCCGCCGAAGAAGCCACCTCTTTG(n277)、
l. CGGCCCTCCTTCCTACTCAGCTCTCTG(n342)、または前記に定義されたそれらの類似体から選択される少なくとも1つのポリヌクレオチド単位を含むポリヌクレオチド、
−a. AGGCCCAGCCTGACTGGCGCTCGGAGGCTC(n351)
b. GCCCCCTCCTTCCGCCAGGTGTCCTGCCTG(n68)、
c. GCTCCCCGCTGCCGAGCCGTGCGCTCCCTG(n4)、
d. GACCCCCGTCGCCTGGTGCAGCTGCTC(n444)、
e. TTCGTGCGGGCCTGCCTGCGCCGGCTG(n464)、
f. GCTGGGAGGAACATGCGTCGCAAACTC(n966)、
g. CTCCCGGGGACGACGCTGACTGCCCTG(n1107)、
h. CTGCCCTCAGACTTCAAGACCATCCTG(n1123)、及び
i. GCCCCCCGTCGCCTGGTGCAGCTGCTC(n444*)、または前記に定義されたそれらの類似体から選択される少なくとも1つのポリヌクレオチド単位を含むポリヌクレオチドもまた、本発明の一部を構成する。
【0049】
遺伝子コードの縮重を考慮すると、本発明のエピトープ、類似体、またはポリエピトープをコードするポリヌクレオチドまたはポリヌクレオチド単位もまた本発明に含まれる。従って、hTERTヌクレオチド参照配列からのコドンによって、または前記アミノ酸をコードする任意のコドンによって各アミノ酸をコードすることができる。
【0050】
本発明はまた、前記群から選択されるこれらのポリヌクレオチド単位またはそれらの類似体の少なくとも2つの任意の組合せを含むか、またはそれらからなるポリヌクレオチドに関するものであって、前記ポリヌクレオチド単位または類似体は、MHCクラスI制限、特にHLA-B7制限hTERTエピトープをコードする。
【0051】
エピトープ、類似体、ポリエピトープ、それらの組合せ、スペーサー、標的シグナル配列等に関して前記に示されたすべての特徴は、本発明の任意のポリペプチド、並びに対応するポリヌクレオチド配列に適用可能である。
【0052】
前記に定義された本発明のポリヌクレオチドを含むか、またはそれからなる組換えベクターもまた、本発明の目的の1つである。前記組換えベクターは、真核生物または原核生物発現用のベクター、例えばプラスミド、細菌導入用のファージ、酵母を形質転換するためのYAC、ウイルスベクター、特にレトロウイルスベクター、または任意の発現ベクターであってよい。本明細書に定義される発現ベクターを選択して、in vitroまたはin vivoのいずれかで、前記に定義されたエピトープまたは類似体またはポリエピトープの産生を可能にする。
【0053】
従って、前記ポリヌクレオチドに加えて、本発明のベクターは、転写制御領域(プロモーター、エンハンサー、リボソーム結合部位(RBS)、ポリAシグナル)、終結シグナル、原核生物もしくは真核生物の複製起点、及び/または選択遺伝子をさらに含むことができる。プロモーターの特徴は、必要とされる発現、すなわち構成的、一過性または誘導性、強いまたは弱い、組織特異的及び/または発生段階特異的プロモーターを考慮して、当業者によって容易に決定され得る。従って、組織特異的プロモーターは、このベクターを含有する組成物が投与される、例えば注入される臓器に応じて、及び必要とされる発現強度に応じて選択され得る。特定の実施形態において、プロモーターはCMVプロモーター(ヒトサイトメガロウイルス)である。前記ベクターはまた、条件付発現を可能にする配列、例えばCre/Loxシステムまたは類似システムの配列等を含むこともできる。
【0054】
本発明の発現ベクターは、ウイルスベクター、特にレトロウイルス由来等のウイルス発現ベクター、特にHIV-、FIV-、またはSIV-由来のベクター等のレンチウイルス由来のベクターであってよい。とりわけ、レンチウイルス由来のベクターは、ヒトレンチウイルス由来のベクター、例えばHIV発現ベクター、特にHIV-1またはHIV-2由来のベクター等である。レトロウイルス由来のベクターは、通常、プラスミド等のDNA構築物中に含まれ、ウイルス粒子中に発現されるレトロウイルスベクターゲノムを含み、前記レトロウイルスベクターゲノムは、逆転写に必要な要素、特に部分的欠失、特にU3領域における欠失を含む変異可能なLTRを含む。いずれの場合にも、レトロウイルス由来のベクターは、全長レトロウイルスタンパク質をコードするすべてのヌクレオチド配列含有することはない。場合により、前記タンパク質またはその機能性断片をコードしないという条件で、それは、1つまたはいくつかの前記ヌクレオチド配列の一部を含有する。前記レトロウイルスベクターゲノムを含む前記DNA構築物は、レトロウイルスヌクレオチド配列で組換えられた対象のDNAをさらに含み、前記対象のDNAは、本発明のポリヌクレオチドを含むか、またはそれからなる。
【0055】
好ましい実施形態において、レトロウイルス由来のベクターゲノムは、下記のようなDNAフラップ及び本発明の少なくとも1つのポリヌクレオチドを含む。好ましい実施形態において、レトロウイルス由来のベクターは、下記のようなDNAフラップ及び本発明の少なくとも1つのポリヌクレオチドを含むHIV発現ベクターである。従って、HIVベクターは、2つのHIV LTRの間に含まれる本発明のポリヌクレオチドを含んだ対象の核酸のみを発現し、ゆえに、5〜6kbまでの大きな配列を収容し得る。本発明の特定の実施形態は、HIV発現ベクター、とりわけHIV-1またはHIV-2発現ベクターであり、HIV-1 LTRまたはHIV-2 LTRはそれぞれ、U3ドメインのプロモーター及びエンハンサーを欠失されている(ΔU3)。この特定の欠失は、特にプロモーターと結合される場合、当該ベクター中に含まれる核酸の発現を増加させることが以前に示されている。別の特定の実施形態において、当該ベクターは、U3ドメインのプロモーター及びエンハンサーを欠失したLTR、CMVまたはEF1αプロモーター等のプロモーター、及び本発明のポリヌクレオチドを含む。
【0056】
別の実施形態において、レトロウイルス由来のベクターに導入された本発明のポリヌクレオチドは、発現カセット中に含まれる。
【0057】
DNAフラップ(またはWO99/55892、WO01/27300及びWO01/27304に開示されたトリプレックス)は、2つの必須領域、すなわちcPPT(セントラルポリプリン配列)及びCTS領域(シス作用終結領域)を含むレトロウイルスまたはレトロウイルス様由来のヌクレオチド配列であって、前記cPPT及びCTS領域は、三本鎖DNA構造を誘導する。本発明に適したDNAフラップは、レトロウイルスまたはレトロウイルス様生物、例えば合成的(化学合成)またはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)等の任意のレトロウイルス核酸からのDNAフラップの増幅により調製されたレトロトランスポゾン等から得ることができる。DNAフラップを得ることができるレトロウイルスは、特にレトロウイルスまたはレンチウイルス、とりわけヒトレトロウイルスまたはレンチウイルスであり、特にHIVレトロウイルス、CAEV(ヤギ関節炎脳炎ウイルス)ウイルス、EIAV(ウマ感染性貧血ウイルス)ウイルス、VISNAウイルス、SIV(サル免疫不全ウイルス)ウイルス、またはFIV(ネコ免疫不全ウイルス)ウイルスである。より好ましい実施形態において、DNAフラップは、HIVレトロウイルス、例えばHIV-1またはHIV-2ウイルス、あるいはこれら2つのタイプの任意の異なる単離株から得られる。前記DNAフラップは、その天然(ウイルスゲノム)ヌクレオチド関連、すなわちレトロウイルス中に天然に含まれるpol遺伝子から単離されて使用されることが注目に値する。従って、本発明において使用されるDNAフラップは、pol遺伝子の不必要な5'及び3'部分を欠失しており、異なる由来の配列で組換えられている。
【0058】
DNAフラップは、ベクターの核内への移入のシス決定基として作用し、組換え並びに非分裂及び分裂細胞の両方への核酸の組込みにとって非常に興味深い。DNAフラップ配列(TRIPベクター)を含む発現レトロウイルス由来のベクター、特にHIV由来のベクターは、DNAフラップを欠失する他のHIVベクターよりも10倍高い効率で、初代B細胞及びT細胞、マクロファージ、樹状細胞等を形質導入することができる。細胞の80〜90%の形質導入を、日常的に得ることができる。
【0059】
好ましい実施形態において、in vivo発現及びワクチン戦略に適したベクターは、レトロウイルスベクター、特にレンチウイルスベクターである(WO 99/55892、WO 01/27300、及びWO 01/27304を参照)。このようなベクターは、それらのゲノムが改変された場合、特に効率的で安全であることが示されている(Firatら、2002年、The Journal of Gene Medicine 4:38〜45頁)。実際、これらのベクターは、治療遺伝子またはレポーター遺伝子を、多種多様な細胞及び組織、例えば造血幹細胞、脳、肝臓、及び網膜等のに効率的かつ安定的に移行させる能力を有する。さらに、この高い形質導入効率は、標的細胞の増殖状態に無関係である。特に、これらのベクターは、in vivoだけでなくex vivoで高い効率で樹状細胞(DC)等の抗原提示細胞を形質導入する能力により、マウスにおけるin vivo及びヒトにおけるex vivoの両方でCD8
+ T細胞応答を効率的に誘発することが示されている(Esslingerら、Hum Gene Ther 2002年;13:1091〜100頁;Breckpotら、J Gene Med 2003年;5:654〜67頁;Esslingerら、J Clin Invest 2003年;111:1673〜81頁)。
【0060】
図7に定義されているベクターは、本発明のエピトープ、類似体、またはポリエピトープのin vitroまたはin vivo発現に使用されている。本発明のベクターの由来となり得るベクターの例は以下のとおりであり、すべてCNCM(Collection Nationale de Culture de Microorgnismes at Institut Pasteur:パスツール研究所にある国立微生物コレクション、パリ、フランス)に寄託されている。
【表1】
【0061】
特許出願WO 01/27304に記載されているベクター、特にTRIPΔU3 Efα1 GFP及びTRIPΔU3 PL CMV GFPもまた、本発明のベクターを得るために使用することができる。
【0062】
本発明の特定のベクターは、2006年7月28日に番号CNCM I-3660の下でCNCM(パスツール研究所(Institut Pasteur)、パリ、フランス)に寄託されたpTRIP-CMV-ΔhTERTベクターである。このベクターを培養するのに適した増殖培地は、場合によってはヒグロマイシンを補充されたTB培地である。本発明の別の発現ベクターは、2006年7月28日に番号CNCM I-3660の下でCNCMに寄託されたpTRIP-CMV-ΔhTERTベクターであり、欠失したhTERT配列は、本発明の任意のポリヌクレオチドによって置換されている。
【0063】
本発明はまた、本発明のポリヌクレオチドまたはポリヌクレオチド単位を含む細胞に関する。
【0064】
一実施形態において、当該細胞は、当業者に周知の方法によって、すなわち化学的トランスフェクション(リン酸カルシウム、リポフェクタミン)、脂質ベース方法(リポソーム)、エレクトロポレーション、光穿孔、ウイルスベクターの使用等によって、本発明のベクターでトランスフェクションされる。別の実施形態において、相同的細胞配列での組換えまたは細胞ゲノム内への挿入のいずれかによって、細胞ゲノム内へのポリヌクレオチドの組込みを可能にする方法で、細胞を本発明のポリヌクレオチドで形質転換または形質導入する。トランスフェクション、感染、または形質導入は、ex vivo、すなわち生体外の人工的環境で生じる得る。
【0065】
ワクチン戦略で特に関心のある細胞としては、免疫系の細胞、特に抗原提示細胞(APC)がある。特定の実施形態において、これらの細胞は、樹状細胞(DC)のようなMHCクラスI認識、あるいはマクロファージまたはBリンパ球等のMHCクラスII認識のいずれかに関与するAPCである。DCとしては、ex vivoで完全に成熟させたDC、すなわちエピトープまたは類似体によってin vitroで成熟されたDCが好ましい。
【0066】
本明細書に用いられている用語「トランスフェクションされた」、「形質転換された」、または「感染された」とは、本発明のベクターを含む細胞(一過性発現)を表し、一方、用語「遺伝的に形質転換された」とは、そのゲノムが、本発明のポリヌクレオチドによって決定的に改変されている細胞(永続的発現)を表す。
【0067】
前記一過的または安定的に形質転換された細胞は、任意の原核生物(細菌)細胞または真核生物(酵母、哺乳動物、特にヒトを含む動物)細胞であってよい。一実施形態において、細胞は非ヒト細胞である。特定の実施形態において、本発明の細胞は、単離されたヒト細胞であり、「単離された」とは、その天然環境の外部を意味する。
【0068】
特定の宿主は、2006年7月28日に番号CNCM I-3660の下でCNCMに寄託された大腸菌(E. coli)株である。
【0069】
本発明はまた、本発明のポリヌクレオチドを記載する際に前記に定義されたエピトープ、類似体、またはポリエピトープ、特に本発明のポリヌクレオチドまたはポリヌクレオチド単位によってコードされた任意のポリペプチドに関する。特定のポリペプチドは:
a. MPRAPRCRA(p1)、
b. APRCRAVRSL(p4)、
c. APSFRQVSCL(p68)、
d. RPAEEATSL(p277)、
e. RPSFLLSSL(p342)、
f. RPSLTGARRL(p351)、
g. DPRRLVQLL(p444)、
h. FVRACLRRL(p464)、
i. AGRNMRRKL(p966)、
j. LPGTTLTAL(p1107)、及び
k. LPSPKFTIL(p1123)
からなる群から選択されるMHCクラスI制限、特にHLA-B7制限hTERTエピトープである。
【0070】
特定のHLA-B7制限hTERTエピトープは:
a. RPSLTGARRL(p351)、
b. APSFRQVSCL(p68)、
c. APRCRAVRSL(p4)、
d. DPRRLVQLL(p444)、
e. FVRACLRRL(p464)、
f. AGRNMRRKL(p966)、
g. LPGTTLTAL(p1107)、
h. LPSPKFTIL(p1123)、及び
i. APRRLVQLL(p444*)
からなる群から選択される。
【0071】
特定の群は、以下のMHCクラスI制限、特にHLA-B7制限hTERTエピトープ:
a. MPRAPRCRA(p1)、
b. APRCRAVRSL(p4)、
c. APSFRQVSCL(p68)、及び
d. RPSLTGARRL(p351)
からなる。
【0072】
別の群は、以下のHLA-B7制限hTERTエピトープ:RPAEEATSL(p277)及びRPSFLLSSL(p342)からなる。これらのエピトープによって標的化される好ましいHLA-B7対立遺伝子は、HLA-B0702である。
【0073】
本発明はまた、前記に開示され、少なくとも1つのアミノ酸置換を有するペプチドの類似体に関する。これらの類似体に関する特徴は、特に前記の頁に記載されている。特定のペプチド類似体は、以下のペプチド配列APRRLVQLLを有するp444*である。
【0074】
最後に、本発明はまた、本明細書に記載されているhTERTエピトープ、類似体、またはポリエピトープをコードする任意のポリヌクレオチドに関する。
【0075】
本発明はまた、前記の少なくとも2つのエピトープ及び/または類似体を含むポリエピトープに関する。本発明のポリエピトープは、全長hTERTタンパク質ではない。前記ポリエピトープのサイズは、15〜1000個、特に50または100〜1000個のアミノ酸であってよく、とりわけ特に約100、200、300、400、500、または1000個のアミノ酸である。このようなエピトープは、2〜30個のエピトープまたは類似体、特に2〜20個または2〜10個のエピトープ及び/または類似体を含むか、またはそれらからなる。特定のポリエピトープは、6個の連続エピトープを含むか、またはそれらからなり、以下の配列:MPRAPRCRAAPRCRAVRSLAPSFRQVSCLRPAEEATSLRPSFLLSSLRPSLTGARRLを有する。別の特定のポリエピトープは、前記p1、p4、p68、p277、p342、及びp351エピトープを含むか、またはそれらからなり、前記エピトープは、得られたポリエピトープにおいて互いに連続的であるか、ペプチドスペーサーによってそれらのすべてもしくは一部は分離されている。
【0076】
本発明の別のポリエピトープは、少なくとも2つのエピトープを含み、少なくとも1つが:
a. RPSLTGARRL(p351)、
b. APSFRQVSCL(p68)、
c. APRCRAVRSL(p4)、
d. DPRRLVQLL(p444)、
e. FVRACLRRL(p464)、
f. AGRNMRRKL(p966)、
g. LPGTTLTAL(p1107)、
h. LPSPKFTIL(p1123)、及び
i. APRRLVQLL(p444*)、
または少なくとも1つのアミノ酸残基の置換によって得られるそれらの類似体からなる群から選択され、且つ少なくとも1つが:
j. MPRAPRCRA(p1)、
k. RPAEEATSL(p277)、
l. RPSFLLSSL(p342)、
または少なくとも1つのアミノ酸残基の置換によって得られるそれらの類似体からなる群から選択され、前記ポリエピトープは、全長hTERTではない。
【0077】
本発明のポリペプチドは、化学的に合成され得るか、あるいは細胞系で対応する核酸配列の発現後にin vitro(無細胞系)またはin vivoで産生され得る。
【0078】
図1に示される全長hTERTタンパク質並びに対応する全長コード配列は、本発明から除外される。RPALLTSRLペプチドも本発明から除外される。これらのペプチドは、HLA-B7認識の関連において特に除外される。
【0079】
本発明はまた、hTERTに対するHLA-B7制限免疫応答を誘発させるか、またはそれを提供することに関与する使用のために、前記に定義されたエピトープ、類似体、ポリエピトープまたはポリヌクレオチド、発現ベクターまたは宿主細胞に関する。
【0080】
本発明はまた、本発明のポリヌクレオチド、ベクター、宿主細胞、及び/またはポリペプチドを含む組成物に関する。特定の実施形態において、前記組成物は、in vivo投与に適しており、すなわち前記組成物は、注入用に調製されるか、またはより一般的には、投与用に生理的に許容され得る溶液または乳濁液とともに調製される。前記組成物は、特に注入によって全身または局所投与のいずれかに使用され得、製薬的に適した賦形剤(水、生理食塩水、デキストロース、グリセロール、エタノール、及びそれらの組合せを含む)、あるいはキャリア及び/またはビヒクルをさらに含むことができる。
【0081】
特定の実施形態において、前記組成物は、エピトープ、類似体をコードするか、または前記のポリエピトープをコードする、本発明のポリヌクレオチドを含む。前記組成物は、HLA-B7のものとは異なるMHCクラスI対立遺伝子に制限された、少なくとも1つのhTERTエピトープまたはその類似体、あるいはポリエピトープをコードする他の核酸分子を含むことができる。種々のHLA上位型または対立遺伝子に制限されたhTERTエピトープの組合せは、単一の上位型または対立遺伝子よりも治療を必要としている患者のより大きな集団を網羅することができる。最後に、HLA-A1、-A2、-A3、及びA24が好ましい。
【0082】
別の実施形態において、当該組成物は、MHCクラスIIに制限された、少なくとも1つのhTERTエピトープまたはその類似体、あるいはポリエピトープをコードする核酸分子を含む。前記組成物は、前記の核酸分子と、本発明の少なくとも1つのHLA-B7制限hTERTエピトープ、類似体、またはポリエピトープとの任意の組合せを含むことができる。核酸分子の組成物において、種々の免疫細胞(クラスIに対するTリンパ球またはNK細胞対クラスIIに対するヘルパーリンパ球)の反応、及び/または種々の免疫応答(液性応答対細胞性応答)の誘発を可能にする、クラスI及びクラスII制限エピトープをコードするポリヌクレオチドの組合せもまた、本発明内に入る。
【0083】
別の実施形態において、当該組成物は、1つの腫瘍特異的抗原(TSA)をコードする少なくとも核酸分子、並びに/あるいは少なくとも1つの腫瘍関連抗原(TAA)、例えば前立腺特異的抗原(PSA)、前立腺特異的膜抗原(PSMA)、または前立腺酸性ホスファターゼ(PAP)等を含む核酸分子を含む(Tartourら、2000年、Immunol Lett Sep 15;74(1):1〜3頁;Tartourら、1996年、Presse Med. Nov 16;25(25):1717〜22頁)。
【0084】
いくつかのタイプの治療用組成物を、本発明のエピトープまたは類似体に対して免疫応答を誘発させるために使用することができる。
【0085】
本発明ポリヌクレオチドを含む組成物は、宿主に投与され、例えば注入され(DNAワクチン接種として知られている)、前記核酸は、本発明の複数エピトープを含むか、またはそれらからなるポリペプチドをin vivoで発現する。このようなDNAワクチン接種は、通常、前記のプラスミドベクターからなる。裸のDNAの送達は、効率に乏しいことが示されており、細胞内へのDNAの送達及び取込みを改善するためにいくつかのキャリアを必要とする。2つのタイプのキャリア:(1)ウイルスキャリア(アデノウイルス、レンチウイルス、麻疹ウイルス)、または(2)非ウイルス性キャリア、例えばポリマー(特にカチオン性ポリマー類)、カプセル化DNA(DNA及びRNA等のポリアニオンとの同時且つ迅速に相互作用するカチオン性脂質を含み、リポソーム/核酸複合体を生じるリポソーム)、または金微粒子に連結されたDNA等が現在までのところ開発されている。さらに、核酸の細胞取込みを補助する薬剤、例えばカルシウムイオン、細菌タンパク質(赤痢菌(Shigella)タンパク質)、ウイルスタンパク質、及び他のトランスフェクション促進剤等を有利に使用することができる。本発明による組成物の別のタイプは、前記のベクターまたはベクターゲノムを含むレンチウイルス擬似粒子を含む組成物である。
【0086】
別のタイプの組成物は、本発明のエピトープ、類似体、またはポリエピトープを含む。このような組成物は免疫原性であり、すなわちそれは、それが投与される宿主に免疫応答を誘発させ得る。しかしながら、本発明のポリペプチドの免疫原性特性を増大させるために、アジュバントを前記ポリペプチドとともに投与して、免疫応答を誘発または改善することができる。アジュバントは、前記アジュバントと混合された抗原の免疫原性を増強する任意の物質として定義される。いくつかのアジュバントは、可溶性抗原を小粒子、例えば水酸化アルミニウムゲル、水中油乳濁液、または免疫刺激複合体(ISCOM)等に変換する。別のクラスのアジュバントは、無菌の細菌成分、例えば細胞壁または多糖、フロイントアジュバント等を含む。最後に、乳化剤またはpH緩衝剤を用いて、前記エピトープまたは類似体の免疫原性挙動を増強することもできる。
【0087】
前記に引用されたすべての組成物を、種々の経路:皮下(s.c.)、皮内(i.d.)、筋内(i.m.)、または静脈内(i.v.)注射、経口投与、及び粘膜投与、特に鼻腔内投与または吸入を介して宿主内に注入することができる。投与される量(投与量)は、患者の病態、個々の免疫系の状態、投与経路、及び宿主のサイズを含む、治療を受ける対象に依存する。好適な投与量は、200μg〜1mgの範囲であり、状況に応じて当業者により変更することができる。
【0088】
本発明の組成物は、hTERTの過剰発現により生じる腫瘍を含む制御できない細胞増殖から生じる患者における悪性状態の予防及び/または治療、並びにこのような悪性状態、例えば癌に伴う有害な結果の治療に有用である。表現「治療」とは、本発明の組成物により達成される治癒効果、及び治療を受けている患者に対する有益な効果を含み、前記効果は、細胞レベルまたは臨床レベルで得られ、その結果として、患者の病態の改善、並びに/あるいは寛解状態または健康状態の回復を含む。特定の実施形態において、本発明の組成物は、腫瘍の予防または治療に有用な付加的な活性化合物、すなわち一般的な化合物または組織特異的な癌において活性があることが証明された化合物をさらに含む。
【0089】
本発明はまた、
a. Tリンパ球を提供する工程;及び
b. 前記Tリンパ球を、本発明の少なくとも1つのエピトープまたはエピトープ類似体、またはポリエピトープとともに、前記リンパ球の活性化を可能にする条件でin vitro培養する工程;
を含む、クラスI制限、特にHLA-B7制限hTERTエピトープに対してTリンパ球を活性化させる方法に関する。
特定の実施形態において、活性化Tリンパ球は、細胞毒性Tリンパ球(CTL)である。Tリンパ球を活性化させる従来の条件は、インターロイキン(IL)2、IL-7、IL-12、及び/またはIL-15を用い、参照として本明細書に組み込まれているMinevら(2000年、PNAS;97(9):4796〜4801頁)に記載されている。
【0090】
本発明はまた、
a. Tリンパ球を、本発明の少なくとも1つのエピトープまたはエピトープ類似体、またはポリエピトープとともに、適切な条件下でin vitro培養することによる、前記Tリンパ球を活性化させる工程;
b.前記活性化リンパ球を、MHCクラスI分子に結合している本発明のhTERTエピトープを細胞表面で発現している標的細胞とともに、好適な条件下でin vitro培養する工程;及び
c. 前記活性化リンパ球が、前記標的細胞に対して反応するかどうかを判定する工程;
を含む、hTERTペプチドの免疫原性挙動を調査する方法に関する。
【0091】
hTERTエピトープの免疫原性挙動を調査するための特定の方法において、個々に、すなわちポリエピトープの形態下ではなく用いられる場合、当該エピトープは、(a)RPSLTGARRL(p351)、(b)APSFRQVSCL(p68)、(c)APRCRAVRSL(p4)、(d)DPRRLVQLL(p444)、(e)FVRACLRRL(p464)、(f)AGRNMRRKL(p966)、(g)LPGTTLTAL(p1107)、及び(h)LPSPKFTIL(p1123)の中から選択され、類似体の例は、前記に定義されたp444*である。
【0092】
hTERTペプチドの免疫原性挙動及びHLA-B7制限性を調査する方法は、
a.前記に記載されたTリンパ球を、MPRAPRCRA(p1)、APRCRAVRSL(p4)、APSFRQVSCL(p68)、RPAEEATSL(p277)、RPSFLLSSL(p342)、RPSLTGARRL(p351)、DPRRLVQLL(p444)、FVRACLRRL(p464)、AGRNMRRKL(p966)、LPGTTLTAL(p1107)、及びLPSPKFTIL(p1123)の中から選択されるエピトープまたはAPRRLVQLL(p444*)等のエピトープ類似体、または前記に定義されたポリエピトープで活性化する工程;
b.前記活性化リンパ球を、HLA-B7分子に結合している本発明のhTERTエピトープを細胞表面で発現している標的細胞とともに、好適な条件下でin vitro培養する工程;及び
c. 前記活性化リンパ球が、前記標的細胞に対して反応するかどうかを判定する工程;を含む。
【0093】
リンパ球の活性化は、抗原提示細胞による前記エピトープまたは類似体の、天然の(活性化されていない)Tリンパ球に対する提示を含む。天然のTリンパ球が本発明のエピトープまたは類似体を認識すると、特定のクラスI HLA分子の関連において、それらは「活性化」といわれ、標的細胞の細胞表面の前記エピトープを認識する状態にある。前記活性化リンパ球(エフェクター細胞)と標的細胞(それによりリンパ球が活性化されたエピトープを発現している)との間の接触により、分子が分泌され、標的細胞が死滅する。リンパ球を活性化させるために用いられたエピトープまたは類似体が、前記活性化リンパ球による前記エピトープを有する標的細胞の効率的な破壊をもたらす場合、前記エピトープは、前記エピトープを発現している細胞に対してin vitroのみならずin vivoでのT細胞反応を可能にするのに十分に免疫原性であるものとして見なされ得る。標的細胞/リンパ球認識に適した条件は、RPMI培地中において37℃で4時間の接触である。
【0094】
本発明はまた、MHCクラスI制限、特にHLA-B7制限hTERTエピトープに対して、細胞、特に抗原提示細胞(APC)、B細胞、T細胞、及び/または樹状細胞をin vitroで成熟させる方法に関する。細胞をin vitroで成熟させるための前記方法は、:
a. 細胞を提供する工程;
b. 少なくとも1つのMHCクラスI制限、特に本発明のHLA-B7制限hTERTエピトープまたはエピトープ類似体、またはポリエピトープを用いて、前記細胞の成熟を可能にする工程;及び
c. 場合によっては、前記成熟細胞の増殖を促進する工程;
を含む。
【0095】
前記のとおり、リンパ球の活性化は、成熟抗原提示細胞によるエピトープの提示を必要とする。本発明の好ましい実施形態において、前記細胞は、少なくとも1つのHLA-B7対立遺伝子を発現する。それらのうちの1つである樹状細胞(DC)は、MHCクラスIに制限された内因性エピトープのTリンパ球に対する提示において特に有効である。前記細胞の成熟の目的の1つは、成熟させた時点での治療を必要としている患者への投与である。前記成熟DCの投与により、患者のリンパ球の活性化、及び前記エピトープ(DCを形質転換している1つ)を発現している細胞に対する迅速な反応をin vivoで生じるあろう。
【0096】
特定の実施形態において、樹状細胞をin vitroで成熟させる方法は、:
a. 樹状細胞を提供する工程;
b. 本発明の少なくとも1つのMHCクラスI制限hTERTエピトープまたはエピトープ類似体、またはポリエピトープを用いて、前記樹状細胞の成熟を可能にする工程;及び
c. 場合によっては、前記成熟樹状細胞の増殖を促進する工程;
を含む。
【0097】
特定の実施形態において、前記樹状細胞は、循環血液または骨髄細胞から単離される。他の実施形態において、樹状細胞は、治療を必要としている患者に対する投与後の拒絶反応を避けるために、前記患者またはHLA適合ドナーから単離される。
【0098】
DCの成熟は、本発明のポリヌクレオチドを用いた前記樹状細胞の遺伝的形質転換によって、本発明のベクターを用いた前記樹状細胞のトランスフェクションによって、または本発明の少なくとも1つのエピトープ、エピトープ類似体、またはポリエピトープとの前記樹状細胞の接触によって達成され得る。遺伝的形質転換は、その効率性、及びDCゲノム内に挿入されたポリヌクレオチドによってコードされたエピトープ、類似体、またはポリエピトープの永続的発現が理由で、好ましい。
【0099】
本発明はまた、癌の予防及び/または治療に使用するための、HLA-B7-制限hTERTエピトープをコードするポリヌクレオチドに関する。特定の実施形態において、癌の予防及び/または治療に使用するための前記ポリヌクレオチドは、HLA-B7-制限hTERTエピトープまたはその類似体、あるいは本出願に記載されている少なくとも1つのHLA-B7-制限hTERTエピトープまたはその類似体を含むポリエピトープをコードする。ポリエピトープをコードするポリヌクレオチドに関する限り、それは全長hTERTのコード配列に一致しない。他方、それは、hTERTの変異型または欠失型に一致し得、前記変異または欠失は、ヒトテロメラーゼの触媒活性を抑制する。特定の実施形態において、前記ポリヌクレオチドは、
a. MPRAPRCRA(p1)、
b. APRCRAVRSL(p4)、
c. APSFRQVSCL(p68)、
d. RPAEEATSL(p277)、
e. RPSFLLSSL(p342)、
f. RPSLTGARRL(p351)
g. DPRRLVQLL(p444)、
h. FVRACLRRL(p464)、
i. AGRNMRRKL(p966)、
j. LPGTTLTAL(p1107)、及び
k. LPSPKFTIL(p1123)、
からなる群から選択されるHLA-B7-制限hTERTエピトープをコードする少なくとも1つのポリヌクレオチド単位、あるいはAPRRLVQLL(p444*)等の前記HLA-B7-制限hTERTの少なくとも1つの類似体、あるいは前記HLA-B7エピトープ及び/または類似体をコードする少なくとも2つのポリヌクレオチド単位を有するポリヌクレオチドを形成する任意の組合せを含む。
【0100】
本発明は、癌の予防及び/または治療に使用するための、HLA-B7 hTERTエピトープ、特にHLA-B0702制限エピトープに関する。本発明はまた、癌の予防及び/または治療に使用するための、本発明のポリヌクレオチド、ベクター、宿主細胞、またはポリペプチドに関する。
【0101】
本発明はまた、癌の予防及び/または治療のための薬剤の製造のための、HLA-B7 hTERTエピトープ、(または対応するポリヌクレオチド)の使用に関する。特定のHLA-B7 hTERTエピトープ(または対応するポリヌクレオチド)は、前記のもの、並びにそれらを含むか、またはそれらからなるベクター、細胞、または組成物である。特定の実施形態において、癌の予防及び/または治療のための薬剤の製造における、本発明のポリエピトープを含むか、またはそれからなるポリヌクレオチド、ベクター、宿主細胞、またはポリペプチドの使用は、前記に定義した少なくとも1つのHLA-B7対立遺伝子、特に少なくとも1つのHLA-B0702対立遺伝子を有する患者に提供されることを意図されている。
【0102】
本明細書に提供された各定義は、それぞれの及び任意のペプチド(エピトープ、類似体、またはポリエピトープ)、並びに個別に選択された(それ自体が)または群に包含されたそれぞれの及び任意のポリヌクレオチドに適用される。