(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【0007】
したがって、上で取り上げた問題およびその他の想定される問題のうちの少なくとも1つを考慮した方法および装置を有することが有利であろう。
【0008】
有利な一実施形態において、装置は、架台、移動システムおよび調整システムを含んでいてもよい。架台は、エンジンを保持するよう構成されていてもよい。移動システムは、架台と結合されており、かつ、架台を移動させるよう構成されていてもよい。調整システムは、移動システムに対して架台の位置を変えるよう構成されていてもよい。
【0009】
別の有利な実施形態において、エンジン搭載機は、架台、移動システムおよび調整システムを含んでいてもよい。架台は、エンジンを保持するよう構成されていてもよい。移動システムは、架台と結合されており、かつ、架台を移動させるよう構成されていてもよい。移動システムは、架台と結合されているプラットフォームと、プラットフォームと結合されている複数の車輪とを含んでいてもよい。調整システムは、移動システムおよび航空機上のエンジンストラットに対して架台の位置を変えるよう構成されていてもよい。調整システムは、アクチュエータシステムおよび空気ベアリングシステムを含んでいてもよい。アクチュエータシステムは、架台と結合されていてもよい。アクチュエータシステムは、架台と結合されているある数のアクチュエータを含んでいてもよい。ある数のアクチュエータにおける各アクチュエータは、油圧アクチュエータ、機械ねじ、ボールねじジャッキおよび望遠鏡ジャッキを含む群から選択されてもよい。ある数の自在継手は、ある数のアクチュエータと結合されていてもよく、かつ、架台と結合されているある数のアクチュエータのある数の端部上に位置していてもよい。ある数の自在継手における各自在継手は、球面軸受けと、球面軸受けを中心に置くよう構成されている圧縮ばねと、長尺部材とを含んでいてもよい。
【0010】
さらに別の有利な実施形態において、エンジンを移動させるための方法を提供してもよい。架台と結合されている移動システムを用いて、航空機上の箇所に対して架台内のエンジンを移動させてもよい。移動システムと結合されている調整システムを用いて、移動システムおよび航空機上の箇所に対して架台の位置を変えてもよい。架台の位置を変えた後、エンジンを箇所に接続してもよい。
【0011】
またさらに別の有利な実施形態において、エンジンを移動させるための方法を提供してもよい。架台と結合されている移動システムを用いて、航空機上のエンジンストラットに対して架台内のエンジンを移動させてもよい。エンジンを航空機上のエンジンストラットを基準とした所望の位置へ移動させるために、移動システムと結合されている調整システムを用いて、移動システムおよび航空機上のエンジンストラットに対して架台の位置を変えてもよい。架台の位置を変える際、エンジンの高さを変えるために、アクチュエータシステムを用いて架台の高さを変えてもよく、かつ、エンジンの位置合わせを調整するために、空気ベアリングシステムを用いて架台の位置合わせを調整してもよい。架台の位置を変えた後、エンジンをエンジンストラットに対する所望の位置にボルト締めしてもよい。架台をエンジンから離間した方向へ移動させるために、移動システムと結合されている調整システムを用いて、移動システムおよび航空機上の箇所に対して架台の位置を変えてもよい。架台をエンジンから離間した方向へ移動させた後、移動システムを航空機上の箇所から離間した方向へ移動させてもよい。架台をエンジンから離間した方向へ移動させた後、移動システムを航空機上の箇所から離間した方向へ移動させてもよい。エンジンを航空機上のエンジンストラットに接続した後、移動システムをエンジンから離間した方向へ移動させてもよい。
【0012】
A1. エンジンを保持するよう構成されている架台と、
架台と結合されており、かつ、架台を移動させるよう構成されている移動システムと、
移動システムに対して架台の位置を変えるよう構成されている調整システムと、
を含む装置。
A2. 移動システムが、
架台と結合されているプラットフォームと、
プラットフォームと結合されている複数の車輪と、
を含む、
A1に記載の装置。
A3. 調整システムが、
架台と結合されているアクチュエータシステム
を含む、
A1に記載の装置。
A4. 調整システムが、
空気ベアリングシステム
をさらに含む、
A3に記載の装置。
A5. アクチュエータシステムが、架台と結合されているある数のアクチュエータを含み、かつ、ある数のアクチュエータにおける各アクチュエータが、油圧アクチュエータ、機械ねじ、ボールねじジャッキおよび望遠鏡ジャッキを含む群から選択される、
A3に記載の装置。
A6. ある数の自在継手が、ある数のアクチュエータと結合されている、
A5に記載の装置。
A7. ある数の自在継手が、架台と結合されているある数のアクチュエータのある数の端部上に位置している、
A6に記載の装置。
A8.ある数の自在継手における各自在継手が、
球面軸受けと、
球面軸受けを中心に置くよう構成されている圧縮ばねと、
長尺部材と
を含む、
A6に記載の装置。
A9. 調整システムが、移動システムおよび航空機上の箇所に対して架台の位置を変えるよう構成されている、
A1に記載の装置。
A10. 航空機上の箇所が、航空機上のエンジンストラットである、
A9に記載の装置。
A11. 架台内のエンジン
をさらに含む、
A1に記載の装置。
A12. エンジンを保持するよう構成されている架台と、
架台と結合されており、かつ、架台を移動させるよう構成されている移動システムであって、
架台と結合されているプラットフォーム、および、
プラットフォームと結合されている複数の車輪
を含む移動システムと、
移動システムおよび航空機上のエンジンストラットに対して架台の位置を変えるよう構成されている調整システムであって、
架台と結合されているアクチュエータシステムであって、アクチュエータシステムが、架台と結合されているある数のアクチュエータを含み、ある数のアクチュエータにおける各アクチュエータが、油圧アクチュエータ、機械ねじ、ボールねじジャッキおよび望遠鏡ジャッキを含む群から選択され、ある数の自在継手が、ある数のアクチュエータと結合され、かつ、架台と結合されているある数のアクチュエータのある数の端部上に位置しており、かつ、ある数の自在継手における各自在継手が、
球面軸受け、
球面軸受けを中心に置くよう構成されている圧縮ばね、および、
長尺部材
を含む、アクチュエータシステムと、
空気ベアリングシステムと、
を含む調整システムと、
を含むエンジン搭載機。
A13. エンジンを移動させるための方法であって、
架台と結合されている移動システムを用いて、航空機上の箇所に対して架台内のエンジンを移動させること、
移動システムと結合されている調整システムを用いて、移動システムおよび航空機上の箇所に対して架台の位置を変えること、および、
架台の位置を変えた後、エンジンを箇所に接続すること
を含む、方法。
A14. 移動システムと結合されている調整システムを用いて、移動システムおよび航空機上の箇所に対して架台の位置を変える工程が、
エンジンの高さを変えるために、アクチュエータシステムを用いて架台の高さを変えること
を含む、
A13に記載の方法。
A15. 移動システムと結合されている調整システムを用いて、移動システムおよび航空機上の箇所に対して架台の位置を変える工程が、
エンジンの位置合わせを調整するために、空気ベアリングシステムを用いて架台の位置合わせを調整すること
を含む、
A13に記載の方法。
A16. 移動システムと結合されている調整システムを用いて、移動システムおよび航空機上の箇所に対して架台の位置を変える工程が、
エンジンを航空機上の箇所を基準とした所望の位置へ移動させるために、移動システムと結合されている調整システムを用いて移動システムおよび航空機上の箇所に対して架台の位置を変えること
を含む、
A13に記載の方法。
A17. 架台の位置を変えた後、エンジンを箇所に接続する工程が、
架台の位置を変えた後、所望の位置にあるエンジンを航空機上の箇所にボルト締めすること
を含む、
A16に記載の方法。
A18. 架台をエンジンから離間した方向へ移動させるために、移動システムと結合されている調整システムを用いて、移動システムおよび航空機上の箇所に対して架台の位置を変えること、および、
架台をエンジンから離間した方向へ移動させた後、移動システムを航空機上の箇所から離間した方向へ移動させること
をさらに含む
A13に記載の方法。
A19. 移動システムを航空機上の箇所へ移動させること、
架台を航空機上の箇所におけるエンジンへ向かって移動させるために、移動システムと結合されている調整システムを用いて、移動システムおよび航空機上の箇所に対して架台の位置を変えること、
エンジンが架台内の所望の位置を有するように、航空機上の箇所からエンジンを切断すること、
エンジンを航空機上の箇所から離間した方向へ移動させるために、移動システムと結合されている調整システムを用いて、移動システムおよび航空機上の箇所に対して架台の位置を変えること、および、
移動システムを航空機上の箇所から離間した方向へ移動させること
をさらに含む
A18に記載の方法。
A20. 箇所が、航空機上のエンジンストラットである、
A13に記載の方法。
A21. エンジンを移動させるための方法であって、
架台と結合されている移動システムを用いて、航空機上のエンジンストラットに対して架台内のエンジンを移動させること、
エンジンを航空機上のエンジンストラットを基準とした所望の位置に移動させるために、移動システムと結合されている調整システムを用いて、移動システムおよび航空機上のエンジンストラットに対して架台の位置を変えることであって、
エンジンの高さを変えるために、アクチュエータシステムを用いて架台の高さを変えることと、
エンジンの位置合わせを調整するために、空気ベアリングシステムを用いて架台の位置合わせを調整することと
を含む、変える工程、
架台の位置を変えた後、所望の位置にあるエンジンをエンジンストラットにボルト締めすること、
架台をエンジンから離間した方向へ移動させるために、移動システムと結合されている調整システムを用いて移動システムおよび航空機上の箇所に対して架台の位置を変えること、
架台をエンジンから離間した方向へ移動させた後、移動システムを航空機上の箇所から離間した方向へ移動させること、および、
エンジンを航空機上のエンジンストラットに接続した後、移動システムをエンジンから離間した方向へ移動させること、
を含む方法。
A22. 移動システムを航空機上のエンジンストラットへ移動させること、
架台を航空機上のエンジンストラットにおけるエンジンへ向かって移動させるために、移動システムと結合されている調整システムを用いて移動システムおよび航空機上のエンジンストラットに対して架台の位置を変えること、
エンジンが架台内の所望の位置を有するように、エンジンを航空機上のエンジンストラットから切断すること、
エンジンを航空機上のエンジンストラットから離間した方向へ移動させるために、移動システムと結合されている調整システムを用いて移動システムおよび航空機上のエンジンストラットに対して架台の位置を変えること、および、
移動システムを航空機上のエンジンストラットから離間した方向へ移動させること
をさらに含む
A21に記載の方法。
【0013】
有利な実施形態の特性と信じられている新規な特徴は、添付の請求項に記載されている。しかしながら、有利な実施形態および好適な使用形態、使用のさらなる目的および利点は、添付の図面とともに解釈すると、以下に示す本開示の有利な実施形態の詳細な説明を参照することにより、もっともよく理解されるだろう。
【発明を実施するための形態】
【0015】
より詳細に図を参照して、
図1に示すような航空機の製造および保守方法100ならびに
図2に示すような航空機200との関連において、本開示の実施形態を説明することができる。まず
図1に注目して、有利な実施形態に係る航空機の製造および保守方法の図を描写する。本生産の前で、航空機の製造および保守方法100は、
図2における航空機200の仕様および設計102ならびに材料調達104を含んでいてもよい。
【0016】
生産の際は、
図2における航空機200の構成部品および部分組立品の製造106ならびにシステム統合108が行われる。その後、
図2における航空機200は、認証および納品110を経て、運航112されてもよい。顧客による運航112中、
図2における航空機200は、定常的整備および保守114を受けることとなり、該定常的整備および保守114は、改修、再構成、修繕およびその他の整備または保守を含んでいてもよい。
【0017】
航空機の製造および保守方法100のプロセスの各々は、システムインテグレータ、第三者および/または操作者により行われるかまたは実施されてもよい。これらの実施例において、操作者は、顧客であってもよい。本件の説明のため、システムインテグレータは、任意の数の航空機製造者および主要なシステム下請け業者に限定されないがこれらを含んでもよい。第三者は、任意の数の取り扱い業者、下請け業者および供給業者に限定されないがこれらを含んでもよい。操作者は、航空会社、リース会社、軍隊、保守組織などであってもよい。
【0018】
ここで
図2を参照して、有利な実施形態を実施可能な航空機の図を描写する。本実施例において、航空機200は、
図1における航空機の製造および保守方法100により製造され、複数のシステム204および内装206とともに機体202を含んでいてもよい。システム204の例としては、推進システム208、エンジンシステム209、電気システム210、油圧システム212および環境システム214のうちの1つ以上が挙げられる。任意の数の他のシステムを含んでもよい。航空宇宙の例が示されているが、種々の有利な実施形態は、自動車産業といった他の産業に適用することもできる。
【0019】
ここで実施されている装置および方法は、
図1における航空機の製造および保守方法100の段階のうちの少なくとも1つの段階中に使用してもよい。ここで用いられているように、「のうちの少なくとも1つ」という句は、項目の一覧とともに用いられる場合、列挙されている項目のうちの1つ以上の種々の組み合わせを用いてもよく、かつ、一覧の各項目のうちの1つしか必要でない可能性があるということを意味する。例えば、「項目A、項目Bおよび項目Cのうちの少なくとも1つ」は、例えば限定はされないが、項目Aまたは項目Aおよび項目Bを含んでもよい。この例はまた、項目A、項目Bおよび項目C、または、項目Bおよび項目Cを含んでもよい。
【0020】
一説明例において、
図1の構成部品および部分組立品の製造106において作られる構成部品または部分組立品は、
図1において航空機200が運航112されている間に作られる構成部品または部分組立品と同様に組立てまたは製造されてもよい。さらに別の実施例として、ある数の装置の実施形態、方法の実施形態またはそれらの組み合わせを、
図1における構成部品および部分組立品の製造106ならびにシステム統合108といった製造段階中に利用してもよい。ある数とは、項目に言及している場合、1つ以上の項目を意味する。例えば、ある数の装置の実施形態は、1つ以上の装置の実施形態であってもよい。
【0021】
ある数の装置の実施形態、方法の実施形態またはそれらの組み合わせを、
図1において航空機200が運航112されている間、および/または、整備および保守114中に利用してもよい。ある数の種々の有利な実施形態の使用は、航空機200の組立てを大幅に早め、かつ/または、航空機200の組立てコストを削減する可能性がある。
【0022】
種々の有利な実施形態は、ある数の種々の留意事項を認識および考慮している。例えば限定はされないが、種々の有利な実施形態は、設置のためにエンジンを移動させ、かつ、航空機からエンジンを除去するための現在利用可能なシステム用の設備が望まれているより大型かつ高価である可能性があることを認識および考慮している。
【0023】
さらに、種々の有利な実施形態は、現在用いられているシステムでは、エンジンが設置のために移動させられる可能性のある各施設において、または、航空機から除去されているときに設備が必要であるかもしれないことを認識および考慮している。種々の有利な実施形態は、設備を存在させ、かつ、これらのシステムを維持することが望まれているより高価である可能性があることを認識および考慮している。さらに、種々の有利な実施形態はまた、エンジンの設置または除去に必要な作業員の数が望まれているより多い可能性があることを認識および考慮している。
【0024】
種々の有利な実施形態は、エンジンを移動させるためのより単純なシステムを有することが望ましい可能性があることを認識および考慮している。例えば限定はされないが、種々の有利な実施形態は、エンジンを航空機に設置する航空機の箇所にはじめから設備が存在していなくてもよい、エンジンとともに出荷可能なシステムを有することが望ましい可能性があることを認識および考慮している。
【0025】
したがって、種々の有利な実施形態は、エンジンを移動させるための方法および装置を提供する。有利な一実施形態において、装置は、架台、移動システムおよび調整システムを含んでいてもよい。架台は、エンジンを保持するよう構成されていてもよい。移動システムは、架台と結合されていてもよく、かつ、架台を移動させるよう構成されていてもよい。調整システムは、移動システムを基準として架台の位置を変えるよう構成されていてもよい。
【0026】
ここで
図3を参照して、有利な実施形態に係るエンジン移動環境の図を描写する。本説明例において、エンジン移動環境300は、航空機304を基準としてエンジン302を移動させるために用いられてもよい。航空機304は、例えば限定はされないが、
図2における航空機200であってもよい。
【0027】
これらの説明例において、エンジン302は、
図1における航空機の製造および保守方法100の種々の段階中に航空機304を基準として移動可能である。例えば限定はされないが、エンジン302は、
図1の航空機の製造および保守方法100におけるシステム統合108中、航空機304にエンジン302を設置するために移動可能である。さらに別の実施例として、エンジン302は、
図1の航空機の製造および保守方法100における整備および保守114中に設置されるか、または、航空機304から除去されてもよい。
【0028】
これらの説明例において、エンジン302は、エンジン移動システム306を用いて航空機304を基準として移動可能である。エンジン移動システム306は、架台308、移動システム310、調整システム312および、場合によっては、本実施例において示されていないその他の構成部品を含んでいてもよい。
【0029】
架台308は、エンジン302を保持するよう構成されていてもよい。移動システム310は、架台308と結合されていてもよい。第1構成部品は、第2構成部品に固定、取り付け、接着、締結および/または装着されることにより、第2構成部品と結合されると考えられてもよい。さらに、第1構成部品は、その他何らかの適切な手法で第2構成部品に接続されることにより、第2構成部品と結合されていてもよい。またさらに、第1構成部品は、第3構成部品を用いることにより第2構成部品と接続することもできる。第1構成部品はまた、第2構成部品の一部および/または延長として形成されることにより、第2構成部品と結合されると考えられてもよい。
【0030】
さらに、移動システム310は、航空機304を基準として架台308を移動させるよう構成されていてもよい。調整システム312は、架台308および/または移動システム310と結合されていてもよい。調整システム312は、移動システム310に対する架台308の位置314を変えるよう構成されていてもよい。
【0031】
本説明例において、移動システム310は、地面316上を移動してもよい。移動システム310は、プラットフォーム318および複数の車輪320を含んでいてもよい。もちろんその他の説明的な実施形態では、複数の車輪320に加えて、または、これらに代えてその他の移動性機構を用いてもよい。例えば限定はされないが、脚部および/または軌道を用いてもよい。
【0032】
これらの説明例において、調整システム312は、アクチュエータシステム322および空気ベアリングシステム324を含んでいてもよい。アクチュエータシステム322は、ある数のアクチュエータ326を含んでいてもよい。ある数のアクチュエータ326は、ある数の種々の形態を取っていてもよい。例えば限定はされないが、ある数のアクチュエータ326は、油圧アクチュエータ、機械ねじ、ボールねじジャッキ、望遠鏡ジャッキおよびその他何らかの適切な種類のアクチュエータのうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。これらの種類のアクチュエータのうちの1つ以上を用いて、ある数のアクチュエータ326におけるあるアクチュエータを実施してもよい。
【0033】
これらの説明例において、アクチュエータシステム322におけるある数のアクチュエータ326は、航空機304を基準として架台308の位置314を変える際に架台308の高さ328を変えてもよい。また、いくつかの説明例において、ある数のアクチュエータ326は、高さ328を変えることに加えて、架台308の縦揺れ330および横揺れ332のうちの一方を調整するために用いられてもよい。言い換えると、これらの説明例では、ある数のアクチュエータ326は、ある数の軸334における架台308の位置314を変えてもよい。さらに、このようにして、ある数のアクチュエータ326はまた、航空機304を基準として架台308におけるエンジン302の位置325を変えてもよい。
【0034】
これらの実施例において描写されているように、エンジン移動システム306はまた、ある数のアクチュエータ326と結合されているある数の自在継手327を含んでいてもよい。ある数の自在継手327により、ある数のアクチュエータ326を架台308に接続可能であってもよい。
【0035】
これらの説明例において、自在継手329は、ある数の自在継手327のうちの1つの例であってもよい。自在継手329は、ある数のアクチュエータ326におけるアクチュエータ333の端部331と結合されていてもよい。端部331は、架台308と結合されているアクチュエータ333の端部とすることができる。アクチュエータ333の端部337は、端部331の反対側であってもよい。端部337は、移動システム310と結合されていてもよい。
【0036】
自在継手329は、長尺部材339、球面軸受け341、圧縮ばね343、取り付け具345および取り付け具335を含んでいてもよい。これらの説明例において、長尺部材339は、移動システム310および架台308と結合されていてもよい。例えば限定はされないが、長尺部材339の端部347は、移動システム310に接続されていてもよい。
【0037】
取り付け具345は、長尺部材339の端部349を架台308に接続してもよい。取り付け具345は、例えば限定はされないが、長尺部材339を架台308に締め付けるよう構成されている締め付け具であってもよい。同様に、取り付け具335は、アクチュエータ333の端部331においてアクチュエータ333を長尺部材339に接続するよう構成されていてもよい。
【0038】
また、圧縮ばね343は、球面軸受け341を中心に置くよう構成されていてもよい。圧縮ばね343は、長尺部材339の屈曲を低減するために球面軸受け341を中心に置いてもよい。言い換えると、圧縮ばね343は、長尺部材339の剛性を増大可能な圧力を印加するために球面軸受け341を中心に置いてもよい。この剛性の増大により、架台308を移動させるときに移動システム310を基準として架台308が安定した状態を維持可能であってもよい。
【0039】
さらに、いくつかの説明例において、エンジン移動システム306は、安全機構351を含んでいてもよい。安全機構351は、自在継手329の長尺部材339が望ましくない様子で伸長および/または後退することを実質的に防ぐよう構成されていてもよい。言い換えると、長尺部材339が、望まれているより多く上向きおよび/または下向きに移動することを実質的に防いでもよい。
【0040】
これらの実施例において描写されているように、空気ベアリングシステム324は、ある数の空気ベアリング336を含んでいてもよい。空気ベアリングシステム324におけるある数の空気ベアリング336は、架台308の位置314を調整するために用いられてもよい。これらの説明例において、位置314は、移動システム310の位置338を調整することにより調整されてもよい。言い換えると、空気ベアリングシステム324は、エンジン移動システム306の位置338を調整してもよい。空気ベアリングシステム324は、調整システム312による地面316に沿った移動システム310の移動中および/または航空機304を基準とした架台308の位置決め中に用いられてもよい。
【0041】
例えば、これらの説明例において、空気ベアリングシステム324は、地面316における凸凹を考慮するためにエンジン移動システム306を引き上げてもよい。さらに、空気ベアリングシステム324は、エンジン移動システム306を回転させるために用いられてもよい。言い換えると、空気ベアリングシステム324は、エンジン移動システム306を浮上させるために用いられてもよい。
【0042】
これらの説明例において、エンジン移動システム306に対する動力340は、ある数の種々の源を介して供給されてもよい。例えば限定はされないが、動力340は、空気源342を用いて供給されてもよい。空気源342は、空気ベアリングシステム324およびアクチュエータシステム322を動作させるための動力340を供給してもよい。その他の説明例において、動力340はまた、アクチュエータシステム322におけるアクチュエータの種類によっては、電池344および/または電気コンセント346を用いて供給することもできる。
【0043】
したがって、種々の有利な実施形態は、現在用いられているような追加の設備なしに航空機304を基準としてエンジン302を移動させる能力を提供する。言い換えると、ブートストラップ、クレーンおよび/またはその他の設備は、必要ない可能性がある。
【0044】
種々の有利な実施形態では、エンジン302の移動は、エンジン移動システム306の一部として提供されてもよい。これらの説明例において、エンジン移動システム306は、航空機304とともにエンジン移動システム306を出荷するのに適切な大きさ348および重量350のうちの少なくとも1つを有していてもよい。言い換えると、エンジン302は、例えば限定はされないが、エンジン移動システム306の架台308内で出荷可能である。その結果、エンジン302の航空機304への取り付けに必要な設備は、出荷中にエンジン302とともに移動可能である。
【0045】
これらの説明例において、エンジン移動システム306は、航空機304上の箇所352に対して架台308を移動させ、かつ、位置決めするよう構成されていてもよい。箇所352は、航空機304上のエンジンストラット354であってもよい。これらの実施例において、架台308は、航空機304上のエンジンストラット354へ移動させて、エンジン302を設置してもよい。エンジン302の設置は、エンジン302のエンジンストラット354への取り付けを含んでいてもよい。
【0046】
例えば限定はされないが、移動システム310をエンジンストラット354へ移動した後、調整システム312は、架台308内のエンジン302をエンジンストラット354を基準とした所望の位置356へ移動させるために、架台308の位置314を変えるよう構成されていてもよい。一旦、エンジン302がエンジンストラット354に対する所望の位置356を有すると、エンジン302をエンジンストラット354に接続可能である。
【0047】
ここで用いられているように、エンジン302のような第1構成部品がエンジンストラット354のような第2構成部品に接続されているとき、第1構成部品は、互いに接続されている2つの構成部品間に何らの追加の構成部品なしに第2構成部品と接続されていてもよい。第1構成部品はまた、1つ以上のその他の構成部品により第2構成部品と接続されていてもよい。さらに、第1構成部品は、第2構成部品に固定、取り付け、接着、締結、ボルト締め、溶接、装着および/またはその他何らかの適切な手法で接続されることにより、第2構成部品に接続されていてもよい。
【0048】
これらの実施例において、架台308をエンジン302から切断し、航空機304上の箇所352から離間した方向へ移動させてもよい。これらの説明例において、エンジン移動システム306はまた、航空機304上の箇所352からエンジン302を除去するために用いられてもよい。
【0049】
図3におけるエンジン移動環境300の説明は、種々の有利な実施形態を実施可能な手法に対する物理的なまたは構造上の限定を暗示するものではない。説明されているものに加えた、かつ/またはそれらの代わりのその他の構成部品を用いてもよい。いくつかの有利な実施形態では、いくつかの構成部品は必要ないかもしれない。また、ブロックは、いくつかの機能的構成部品を説明するために提示されている。種々の有利な実施形態において実施する際に、これらのブロックの1つ以上を組み合わせ、かつ/または、種々のブロックに分割してもよい。
【0050】
例えば、いくつかの有利な実施形態において、エンジン302に加えてその他のエンジンを移動させるために、エンジン移動システム306に加えて追加の移動システムが存在していてもよい。さらにその他の説明例において、エンジン移動システム306は、コンピュータを用いて、人間の操作者を介して、または、これら2つの組み合わせにより動作可能である。
【0051】
いくつかの説明例において、ある数の空気ベアリング336の1つ以上は、説明したものに加えてその他の構成部品および/または工具を用いて引き上げられ、かつ/または、引き下げられてもよい。例えば限定はされないが、ある数の空気ベアリング336の1つ以上を引き上げ、かつ/または、引き下げるために、クランクハンドル(図示せず)を用いてもよい。またさらに、いくつかの説明例では、荷積みコンテナ(図示せず)といったその他の構成部品をエンジン移動システム306に含めてもよい。
【0052】
その他の説明例において、架台308は、架台308と結合された携帯型作業スタンドを含んでいてもよい。これらの携帯型作業スタンドは、架台308をエンジン302に接続するために用いられてもよい。さらにその他の説明例において、ある数の自在継手327のすべてが圧縮ばね343を有していないかもしれない。例えば限定はされないが、自在継手329は、圧縮ばね343を有していないかもしれない一方、ある数の自在継手327におけるその他すべての自在継手は、圧縮ばね343を有している。さらに、自在継手329用の球面軸受け341は、球面軸受け341が架台308に対する回転軸を形成するように固定されていてもよい。このようにして、架台308は、回転軸の回りを約360度回転可能である。
【0053】
いくつかの説明例において、架台308および移動システム310は、現在入手可能なシステムを用いて実施してもよい。現在入手可能なシステムを架台308および移動システム310に用いるとき、調整システム312は、ある数のモジュール式組立品360の形態を取っていてもよい。ある数のモジュール式組立品360の各々は、ある数のアクチュエータ326からのアクチュエータ、ある数の空気ベアリング336からの空気ベアリングおよび/またはその他適切な構成部品を含んでいてもよい。
【0054】
ある数のモジュール式組立品360は、少なくとも1つの架台308および移動システム310に取り付けられて、エンジン移動システム306を形成してもよい。このように、エンジン302を移動させるためにエンジン移動システム306以外の追加の設備は必要ない可能性がある。
【0055】
ここで
図4を参照して、有利な実施形態に係るエンジン移動システムの斜視図を描写する。本説明例において、エンジン移動システム400は、
図3におけるエンジン移動システム306に対する一実施構成の例であってもよい。
【0056】
描写されているように、エンジン移動システム400は、架台402、移動システム404および調整システム406を含んでいてもよい。架台402は、
図3におけるエンジン302といったエンジンを保持するよう構成されている。移動システム404は、架台402と結合されている。
【0057】
説明されているように、移動システム404は、プラットフォーム408と、プラットフォーム408に接続されている車輪410、412、414および416とを含んでいてもよい。とりわけ、車輪410、412、414および416は、エンジン移動システム400の底部411においてプラットフォーム408に接続されていてもよい。車輪410、412、414および416により、移動システム404が
図3における地面316のような表面上を移動可能となってもよい。
【0058】
本説明例において、調整システム406は、移動システム404と結合されていてもよい。さらに、調整システム406は、架台402と結合されていてもよい。調整システム406は、架台402の位置を変えるよう構成されていてもよい。描写されているように、調整システム406は、アクチュエータシステム418および空気ベアリングシステム420を含んでいてもよい。
【0059】
描写されている本実施例において、アクチュエータシステム418は、アクチュエータ422、424、426および428を含んでいてもよい。本説明例において、アクチュエータ422、424、426および428は、機械ねじの形態を取っていてもよい。もちろん、他の説明例では、例えば限定はされないが、油圧アクチュエータといった他の種類のアクチュエータを用いてもよい。
【0060】
アクチュエータ422、424、426および428は、自在継手430、432、434および436とそれぞれ結合されていてもよい。本説明例において、自在継手430、432、434および436は、アクチュエータ422、424、426および428をそれぞれ架台402に接続していてもよい。とりわけ、これらの自在継手は、アクチュエータの移動時に架台402が移動するように、これらのアクチュエータを架台402に接続してもよい。
【0061】
本説明例において、アクチュエータ422、424、426および428の各々は、その他のアクチュエータから独立して移動させられてもよい。このようにして、ある数の軸における架台402の高さおよび/または位置を変えることができる。例えば限定はされないが、移動システム404に対する架台402の位置は、軸425および/または軸427の回りの回転とともに変えることができる。言い換えると、架台402の縦揺れおよび/または横揺れは、アクチュエータ422、424、426および428を用いて変えることができる。
【0062】
また、アクチュエータ422、424、426および428の各々は、選択された負荷を支えるよう構成されていてもよい。これらの実施例において、アクチュエータ422、424、426および428のすべてが同じ負荷を支えるよう構成されていなくともよい。例えば限定はされないが、アクチュエータ422およびアクチュエータ424は、約20トンまでの負荷を支えるよう構成されていてもよい。アクチュエータ426およびアクチュエータ428は、約5トンまでの負荷を支えるよう構成されていてもよい。
【0063】
説明されているように、空気ベアリングシステム420は、空気ベアリング438、440、442および444を含んでいてもよい。空気ベアリング438、440、442および444は、エンジン移動システム400の底部411上にあってもよい。例えば限定はされないが、
図3における空気源342を用いて、空気の形態の動力を空気ベアリング438、440、442および444に供給してもよい。
【0064】
空気ベアリング438、440、442および444は、エンジン移動システム400の移動に対する調整を可能としてもよい。例えば限定はされないが、エンジン移動システム400は、空気ベアリング438、440、442および444を用いて、表面の上方へ引き上げ、浮上させ、位置決めし、回転させ、かつ/または、その他何らかの適切な手法で移動させてもよい。
【0065】
ここで
図5を参照して、有利な実施形態に係るエンジン移動システムの底面図を描写する。本説明例において、
図4からのエンジン移動システム400の底面図は、空気ベアリングシステム420がよりはっきりと見えるように底部411から描写されていてもよい。
【0066】
空気ベアリング438、440、442および444は、実質的に同じ大きさであっても、異なる大きさであってもよい。描写されているように、空気ベアリング438と空気ベアリング440とは、実質的に同じ大きさであってもよい。本説明例において、空気ベアリング438および空気ベアリング440は、直径が約27インチであってもよい。この直径により、これらの空気ベアリングの各々が約12,000ポンドまでの負荷を支えることが可能となってもよい。
【0067】
さらに、空気ベアリング442と空気ベアリング444とは、実質的に同じ大きさであってもよい。本説明例において、空気ベアリング442および空気ベアリング444は、直径が約15インチであってもよい。この直径により、これらの空気ベアリングの各々が約3,500ポンドまでの負荷を支えることが可能となってもよい。
【0068】
ここで
図6を参照して、有利な実施形態に係るエンジン移動システムのある部分の拡大部分想像図を描写する。本説明例において、アクチュエータ426を架台402に接続している自在継手434の拡大部分想像図を描写して、自在継手434のより詳細な図を提供することができる。
【0069】
描写されているように、自在継手434は、長尺部材600、取り付け具602、取り付け具604、ばね組立品606および球面軸受け608を含んでいてもよい。本説明例において、長尺部材600はまた、シャフトと呼ばれてもよい。取り付け具602は、長尺部材600をアクチュエータ426に接続するよう構成されていてもよい。取り付け具604は、長尺部材600を架台402に接続するよう構成されていてもよい。取り付け具604は、本実施例では締め付け具の形態を取っていてもよい。
【0070】
本説明例において、ばね組立品606は、筐体610と筐体610と結合されている圧縮ばね612とを含んでいてもよい。とりわけ、圧縮ばね612は、筐体610の内側に位置していてもよい。さらに、描写されているように、球面軸受け608もまた、筐体610の内側に位置していてもよい。圧縮ばね612は、長尺部材600の屈曲を低減するために、球面軸受け608を中心に置き、かつ、長尺部材600の剛性を増大させるよう構成されていてもよい。
【0071】
これらの説明例では、
図4においてアクチュエータ428を架台402に接続している自在継手436は、自在継手434と実質的に同様に構成されていてもよい。
【0072】
ここで
図7を参照して、有利な実施形態に係るエンジン移動システムのある部分の拡大部分想像図を描写する。本説明例において、アクチュエータ422を架台402に接続している自在継手430の拡大部分想像図を描写して、自在継手430のより詳細な図を提供することができる。
【0073】
描写されているように、自在継手430は、長尺部材700、取り付け具702、取り付け具704、ばね組立品706および球面軸受け708を含んでいてもよい。本説明例において、長尺部材700はまた、シャフトと呼ばれてもよい。取り付け具702は、長尺部材700をアクチュエータ422に接続するよう構成されていてもよい。取り付け具704は、長尺部材700を架台402に接続するよう構成されていてもよい。取り付け具704は、本実施例では締め付け具の形態を取っていてもよい。
【0074】
本説明例において、ばね組立品706は、筐体710と筐体710と結合されている圧縮ばね712とを含んでいてもよい。とりわけ、圧縮ばね712は、筐体710の内側に位置していてもよい。さらに、描写されているように、球面軸受け708もまた、筐体710の内側に位置していてもよい。圧縮ばね712は、長尺部材700の屈曲を低減するために、球面軸受け708を中心に置き、かつ、長尺部材700の剛性を増大させるよう構成されていてもよい。
【0075】
これらの説明例では、
図4においてアクチュエータ424を架台402に接続している自在継手432は、自在継手430と実質的に同様に構成されていてもよい。
【0076】
ここで
図8を参照して、有利な実施形態に係るエンジン移動システム用の架台内のエンジンの図を描写する。本説明例において、エンジン800は、
図4からのエンジン移動システム400用の架台402内にあってもよい。エンジン800は、
図2における航空機200および/または
図3における航空機304といった航空機用のエンジンであってもよい。
【0077】
描写されているように、エンジン移動システム400は、エンジンストラット802における箇所へと移動可能である。本説明例において、エンジンストラット802は、航空機用の翼エンジンストラットであってもよい。エンジン800は、前部804および後部806を有していてもよい。前部804は、後部806と比較してより大型で重くてもよい。本説明例において、
図4におけるアクチュエータ422およびアクチュエータ424(ここでは図示せず)は、前部804のより重い重量を支えるよう構成されている。
【0078】
エンジン移動システム400用の調整システム406は、架台402の位置を変えて、エンジンストラット802における所望の位置へエンジン800を移動させるよう構成されていてもよい。所望の位置において、エンジン800は、エンジンストラット802に取り付けられていてもよい。また、エンジン移動システム400用の調整システム406は、エンジン800がエンジンストラット802から切断されたとき、エンジンストラット802から離間した方向へエンジン800を運ぶよう構成されていてもよい。
【0079】
ここで
図9を参照して、有利な実施形態に係るエンジン移動システムの図を描写する。本説明例において、エンジン移動システム900は、
図3におけるエンジン移動システム306に対する一実施構成の例であってもよい。
【0080】
描写されている本実施例において、エンジン移動システム900は、架台902、移動システム904および調整システム906を含んでいてもよい。架台902および移動システム904は、現在入手可能なシステムの形態を取っていてもよい。説明されているように、調整システム906は、移動システム904および架台902と結合されているモジュール式組立品908、910、912、914、915および917を含んでいてもよい。モジュール式組立品908、910、912、914、915および917は、
図3におけるある数のモジュール式組立品360のうちのモジュール式組立品の実施構成の例であってもよい。
【0081】
モジュール式組立品908、910、912および914は、それぞれアクチュエータ916、918、920および922を含んでいてもよい。さらに、モジュール式組立品908、910、912および914は、それぞれ自在継手924、926、928および930を含んでいてもよい。自在継手924、926、928および930は、それぞれアクチュエータ916、918、920および922を架台902に接続するよう構成されていてもよい。
【0082】
また、モジュール式組立品908、910、912、914、915および917はまた、それぞれ取り付け具932、934、936、938、940および942を含んでいてもよい。これらの取り付け具により、モジュール式組立品が移動システム904に接続可能となってもよい。
【0083】
本説明例において、モジュール式組立品917はまた、空気ベアリング944を含んでいてもよい。モジュール式組立品914はまた、空気ベアリング946を含んでいてもよい。モジュール式組立品915およびモジュール式組立品910は、ここでは図示していない空気ベアリングを含んでいてもよい。
【0084】
モジュール式組立品908、910、912、914、915および917は、エンジンを移動可能なエンジン移動システム900を製造する時間、労力および/またはコストを削減するために、架台902および移動システム904の現在入手可能な形態に取り付けられるよう構成されていてもよい。
【0085】
ここで
図10を参照して、有利な実施形態に係るエンジンを移動させるためのプロセスのフローチャートを描写する。
図10に示されているプロセスは、
図3のエンジン移動環境300におけるエンジン移動システム306を用いて実施可能である。エンジン移動システム306は、例えば限定はされないが、
図3におけるエンジン302を移動させるために用いられてもよい。
【0086】
プロセスは、架台308と結合されている移動システム310を用いて航空機304上の箇所352に対して架台308内のエンジン302を移動させることにより開始してもよい(動作1000)。動作1000は、例えば限定はされないが、移動システム310用の複数の車輪320を用いて行われてもよい。
【0087】
その後、移動システム310と結合されている調整システム312を用いて移動システム310および航空機304上の箇所352に対して架台308の位置314を変えてもよい(動作1002)。動作1002は、エンジン302が箇所352と接続可能なように、架台308内のエンジン302を所望の位置356へ移動させるために行われてもよい。次いで、架台308の位置314を変えた後、エンジン302を箇所352に接続してもよく(動作1004)、その後プロセスは終了する。
【0088】
ここで
図11を参照して、有利な実施形態に係るエンジンをエンジンストラットに取り付けるためのプロセスのフローチャートを描写する。
図11に示されているプロセスは、
図3においてエンジン302をエンジンストラット354に取り付けるためにエンジン移動環境300におけるエンジン移動システム306を用いて実施可能である。
【0089】
プロセスは、エンジン302を架台308に接続することにより開始してもよい(動作1100)。動作1100は、例えば限定はされないが、エンジン302を架台308に締結し、エンジン302を架台308に紐で結びつけ、かつ/または、その他何らかの適切な動作を行うことにより、行ってもよい。
【0090】
次いで、架台308と結合されている移動システム310をエンジンストラット354へ移動させてもよい(動作1102)。移動システム310を基準としたエンジン302の高さを変えるために、アクチュエータシステム322を用いて架台308の高さ328を変えてもよい(動作1104)。エンジンストラット354を基準としたエンジン302の位置325を調整するために、空気ベアリングシステム324を用いてある数の軸334に対する架台308の位置314を調整してもよい(動作1106)。いくつかの説明例において、動作1104と動作1106とを実質的に同時に行ってもよい。
【0091】
本説明例において、エンジン302を所望の位置356へ移動させるために、動作1104と動作1106とを繰り返して、かつ/または、併行して行ってもよい。その後、プロセスは、エンジン302が所望の位置356に来るまで、待機してもよい(動作1108)。
【0092】
エンジン302が所望の位置356にあることに応答して、エンジン302をエンジンストラット354にボルト締めしてもよい(動作1110)。次いで、架台308からエンジン302を切断してもよい(動作1112)。
【0093】
架台308をエンジン302から離間した方向へ移動させるために、調整システム312を用いて架台308の位置314を変えてもよい(動作1114)。その後、移動システム310をエンジンストラット354から離間した方向へ移動させてもよく(動作1116)、その後プロセスは終了する。
【0094】
ここで
図12を参照して、有利な実施形態に係るエンジンをエンジンストラットから切断するためのフローチャートを描写する。
図12に示されているプロセスは、
図3においてエンジン302をエンジンストラット354から切断するためにエンジン移動環境300におけるエンジン移動システム306を用いて実施可能である。
【0095】
プロセスは、架台308と結合されている移動システム310をエンジンストラット354へ移動させることにより開始してもよい(動作1200)。エンジンストラット354に接続されているエンジン302へ向かって架台308を移動させるために、調整システム312を用いて移動システム310およびエンジンストラット354に対して架台308の位置314を変えてもよい(動作1202)。動作1202において、架台308の位置314により架台308がエンジン302を収容可能となるように、架台308を移動させてもよい。
【0096】
次いで、エンジン302が架台308における所望の位置356を有するように、エンジンストラット354からエンジン302を切断してもよい(動作1204)。その後、エンジン302をエンジンストラット354から離間した方向へ移動させるために、調整システム312を用いて移動システム310およびエンジンストラット354に対して架台308の位置314を再度変えてもよい(動作1206)。次いで、移動システム310をエンジンストラット354から離間した方向へ移動させてもよく(動作1208)、その後プロセスは終了する.
【0097】
このようにして、エンジン302をエンジンストラット354から切断して、移動させ、整備、エンジン302交換、検査および/またはその他適切な作業を行うことができる。
【0098】
描写されている種々の実施形態におけるフローチャートおよびブロック図は、種々の有利な実施形態における装置および方法のいくつかの考え得る実施構成のアーキテクチャ、機能性および動作を示している。これに関して、フローチャートまたはブロック図における各ブロックは、モジュール、セグメント、機能、および/または、動作もしくは工程のある部分を表していてもよい。
【0099】
いくつかの代替の実施構成において、ブロック中で示されている1つまたは複数の機能が、図に示すものとは異なる順序で生じてもよい。例えば、関連する機能性次第で、連続して示されている2つのブロックが、場合によっては、実質的に同時に実行されてもよく、または、ブロックが、時として逆の順序で実行されてもよい。また、フローチャートまたはブロック図において示されているブロックに加えて、その他のブロックを追加してもよい。
【0100】
したがって、種々の有利な実施形態は、エンジンを移動させるための方法および装置を提供する。有利な一実施形態において、装置は、架台、移動システムおよび調整システムを含んでいてもよい。架台は、エンジンを保持するよう構成されていてもよい。移動システムは、架台と結合されていてもよく、かつ、架台を移動させるよう構成されていてもよい。調整システムは、移動システムを基準として架台の位置を変えるよう構成されていてもよい。
【0101】
種々の有利な実施形態の説明は、例示および説明の目的で提示したものであり、かつ、網羅的であったり、開示された形の実施形態に限定されたりすることは意図していない。多くの変更および変形例が、当業者にとって明らかであろう。さらに、種々の有利な実施形態は、他の有利な実施形態と比較して異なる利点を提供するかもしれない。選択された一または複数の実施形態は、実施形態の原理、実際の適用をもっともよく説明するため、かつ、考慮された特定の使用に適したものとしてさまざまな変更を有するさまざまな実施形態に対する開示を当該技術分野における通常の技術を有する他者が理解できるようにするために選ばれ、説明されている。