特許第5931907号(P5931907)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シーリー テクノロジー エルエルシーの特許一覧

特許5931907マットレス用インナースプリング挿入体および支持体
<>
  • 特許5931907-マットレス用インナースプリング挿入体および支持体 図000004
  • 特許5931907-マットレス用インナースプリング挿入体および支持体 図000005
  • 特許5931907-マットレス用インナースプリング挿入体および支持体 図000006
  • 特許5931907-マットレス用インナースプリング挿入体および支持体 図000007
  • 特許5931907-マットレス用インナースプリング挿入体および支持体 図000008
  • 特許5931907-マットレス用インナースプリング挿入体および支持体 図000009
  • 特許5931907-マットレス用インナースプリング挿入体および支持体 図000010
  • 特許5931907-マットレス用インナースプリング挿入体および支持体 図000011
  • 特許5931907-マットレス用インナースプリング挿入体および支持体 図000012
  • 特許5931907-マットレス用インナースプリング挿入体および支持体 図000013
  • 特許5931907-マットレス用インナースプリング挿入体および支持体 図000014
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5931907
(24)【登録日】2016年5月13日
(45)【発行日】2016年6月8日
(54)【発明の名称】マットレス用インナースプリング挿入体および支持体
(51)【国際特許分類】
   A47C 23/047 20060101AFI20160526BHJP
   A47C 23/043 20060101ALI20160526BHJP
   A47C 27/04 20060101ALI20160526BHJP
【FI】
   A47C23/047
   A47C23/043
   A47C27/04 Z
【請求項の数】22
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-543205(P2013-543205)
(86)(22)【出願日】2011年11月29日
(65)【公表番号】特表2013-544621(P2013-544621A)
(43)【公表日】2013年12月19日
(86)【国際出願番号】US2011062329
(87)【国際公開番号】WO2012078398
(87)【国際公開日】20120614
【審査請求日】2014年8月14日
(31)【優先権主張番号】13/005,723
(32)【優先日】2011年1月13日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】12/960,735
(32)【優先日】2010年12月6日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502435731
【氏名又は名称】シーリー テクノロジー エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100101683
【弁理士】
【氏名又は名称】奥田 誠司
(72)【発明者】
【氏名】ディビット・エム.・モレット
(72)【発明者】
【氏名】ラリー・ケイ.・デモス
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン・エム.・マヌスザック
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムス・エイ.・ビーモン
【審査官】 佐々木 一浩
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第05469590(US,A)
【文献】 実開昭63−110259(JP,U)
【文献】 国際公開第2009/091945(WO,A1)
【文献】 特表2008−511391(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 23/047
A47C 23/043
A47C 27/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アレイ状につなぎ合わせた複数のスプリングによって形成されたインナースプリングであって、ここで前記スプリングは行および列に配置されており、各スプリングは第1の端部および第2の端部を備えたボディを有し、各スプリングの前記ボディは略円筒状であって縦軸および外径を有しており、前記スプリングは前記行および列において離間して配置されており、各スプリングが前記アレイ内のそれぞれ隣接するスプリングから離れた状態で離間した配置においてつなぎ合わされている、インナースプリングと、
前記インナースプリングのスプリング間の空間において前記インナースプリング内に配置された少なくとも1つのインナースプリング緩和用挿入体であって、前記インナースプリング緩和用挿入体は上部横方向部材、前記上部横方向部材と平行であり間隔があいている下部横方向部材、および前記上部および下部横方向部材の間にあってこれらを二分するように延びる横断部材を有している、インナースプリング緩和用挿入体と、を備え、
前記上部横方向部材は円弧状の上表面を含み、前記下部横方向部材は円弧状の下表面を含み、
前記上部および下部横方向部材は前記インナースプリングの隣接する2つのスプリング間をそれらの内部に向けて延び、かつ、前記隣接する2つのスプリングの縦軸と少なくとも部分的に交差している、マットレス用インナースプリング。
【請求項2】
前記少なくとも1つのインナースプリング緩和用挿入体のそれぞれは、傾斜したあるいは角度のある構成を有している、請求項1に記載のマットレス用インナースプリング。
【請求項3】
前記少なくとも1つのインナースプリング緩和用挿入体は、前記インナースプリングのスプリング間の前記空間内に傾斜した方向に配置される、請求項1に記載のマットレス用インナースプリング。
【請求項4】
前記複数のスプリングのそれぞれはRCH型コイルである、請求項1に記載のマットレス用インナースプリング。
【請求項5】
前記少なくとも1つのインナースプリング緩和用挿入体の高さ寸法は、およそ57mm乃至60mmの範囲である、請求項1に記載のマットレス用インナースプリング。
【請求項6】
前記少なくとも1つのインナースプリング緩和用挿入体の幅寸法は、およそ90.5mm乃至94.2mmの範囲である、請求項1に記載のマットレス用インナースプリング。
【請求項7】
3つのインナースプリング緩和用挿入体が、インナースプリング内に略U字型構成で配置されている、請求項1に記載のマットレス用インナースプリング。
【請求項8】
第1のインナースプリング緩和用挿入体が前記インナースプリングの第1の辺の長さに沿って配置され、第2のインナースプリング緩和用挿入体が前記第1のインナースプリング緩和用挿入体と平行に前記インナースプリングの第2の辺の長さに沿って配置され、さらに、第3のインナースプリング緩和用挿入体が前記第1および第2のインナースプリング緩和用挿入体の両方と垂直に前記インナースプリングの第3の辺の幅に沿って配置される、請求項1に記載のマットレス用インナースプリング。
【請求項9】
前記第1および第2のインナースプリング緩和用挿入体の長さがおよそ57.25インチであり、前記第3のインナースプリング緩和用挿入体の長さがおよそ35インチ乃至57.25インチである、請求項に記載のマットレス用インナースプリング。
【請求項10】
前記インナースプリング内において互いに平行に配置された少なくとも2つのインナースプリング緩和用挿入体を有する、請求項1に記載のマットレス用インナースプリング。
【請求項11】
前記少なくとも2つのインナースプリング緩和用挿入体は前記インナースプリングの対向するエッジの近くに配置される、請求項10に記載のマットレス用インナースプリング。
【請求項12】
前記第1、第2および第3のインナースプリング緩和用挿入体は、前記インナースプリングの3つのエッジ近くに配置される、請求項に記載のマットレス用インナースプリング。
【請求項13】
前記少なくとも1つのインナースプリング緩和用挿入体の断面形状の構成は、前記インナースプリングのスプリングの1つまたはそれ以上の巻きに従う、請求項1に記載のマットレス用インナースプリング。
【請求項14】
アレイ状に相互に接続された複数の螺旋形コイルであって、前記コイルは概ね行および列に配列され、前記コイルのそれぞれは略円筒状のコイルボディを有し、前記コイルボディはワイヤの螺旋巻きによって形成され、前記ワイヤの螺旋巻きの各々の間に開口を有し、前記コイルボディの第1および第2の端部も前記ワイヤによって形成され、前記コイルボディのそれぞれは前記アレイにおいて間隔をあけて配置されている、複数の螺旋形コイルと、
前記インナースプリングの前記コイルのうち2つまたはそれ以上の間に係合して配置され、下部横方向部材と、前記下部横方向材に垂直でありこれを二分する垂直部材と、前記垂直部材の片側から外向きに延びる横方向伸長部とを有する、少なくとも1つのインナースプリング挿入体と、を備え、
前記下部横方向部材は前記インナースプリングの2つの隣接するコイルのボディ間をその内部に向けて延びており、前記横方向伸長部は前記2つの隣接するコイルのうち1つのボディ内部に向けて延びており、前記垂直部材は前記2つの隣接するコイルに接している、マットレス用インナースプリング。
【請求項15】
前記複数の螺旋形コイルは2段構造のRCHコイルである、請求項14に記載のマットレス用インナースプリング。
【請求項16】
前記複数の螺旋形コイルは非対称である、請求項14に記載のマットレス用インナースプリング。
【請求項17】
前記少なくとも1つのインナースプリング挿入体は、幅がおよそ72.5mm乃至77.5mmである、請求項14に記載のマットレス用インナースプリング。
【請求項18】
前記少なくとも1つのインナースプリング挿入体は、長さがおよそ44.5mm乃至49.5mmである、請求項14に記載のマットレス用インナースプリング。
【請求項19】
前記少なくとも1つのインナースプリング挿入体はポリエチレンからなる、請求項14に記載のマットレス用インナースプリング。
【請求項20】
前記少なくとも1つのインナースプリング挿入体の密度はおよそ1.25 lb/ftである、請求項14に記載のマットレス用インナースプリング。
【請求項21】
前記インナースプリング内において、互いに平行に配置された少なくとも2つのインナースプリング挿入体がある、請求項14に記載のマットレス用インナースプリング。
【請求項22】
前記インナースプリング内において、略U字型構成に配置された少なくとも3つのインナースプリング挿入体がある、請求項14に記載のマットレス用インナースプリング。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本願は、2010年12月6日に出願された「姿勢チャネル支持体(Posture Channel Supports)」米国特許出願第12/960,735号の一部継続出願であり、この出願は2008年10月9日に出願された「圧力分散型支持システム(Pressure Dispersion Support System)」米国特許出願第12/248,607号の継続出願であり、この出願は、2008年1月18日に出願された「インナースプリング緩和用挿入体(Innerspring Dampening Inserts)」米国特許出願第12/016,374号の一部継続出願であって、これらすべては全体として本明細書に援用される。
【0002】
本発明は、座ったり寝たりする等、人間のための支持システムを含む反発支持システム、スプリング、およびスプリングシステムの技術分野に関する。
【背景技術】
【0003】
様々なタイプのスプリングおよびスプリングシステムが、着座用反発コアおよび椅子やマットレスなどの支持製品として一般的に用いられている。マットレスおよび何らかの布張りされた家具において用いられる一般的なスプリングシステムは、いわゆる「インナースプリング」であり、一形態において、アレイまたはマトリクス状に相互に接続された同様に或いは全く同様に形成された複数のスプリングであり得る。インナースプリングは、分散型で概ね均質な反発支持システムを提供し、マットレスの睡眠用表面などの拡がる面に対して基礎となる支持を与える。そのような拡がる面にわたる均一なスプリングレートは、相互接続されたスプリングのそれぞれの共通な構成によるものである。インナースプリング全体またはインナースプリングの支持領域のスプリングレートおよび感触を変更する試みは、インナースプリング上に存在するフォーム(発泡体)、織物、および天然繊維などの材料の異なるタイプおよび量を使用することを含む。そのような材料の使用は支持システムの感触や性能を変えるが、もちろん、下にあるまたは内部のインナースプリングのスプリングレートを変えるものではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
インナースプリングは、成形されたスチールワイヤからなり、個々のスプリングまたはコイルを成形した後それらをさらに細いレーシングワイヤまたは他の締結具によって相互に接続するワイヤ形成用機械によって製造される。機械が特定のスプリングまたはコイル構造および相互接続を作製するために一旦セットアップされると、大量生産がなされ、スプリングおよびインナースプリングの形状を変更することは難しい。従って、現在のインナースプリング生産技術を用いると、インナースプリングの異なる領域において変化するまたは一様でないスプリングレートおよび支持特性を有する単一のインナースプリングを生産することは現実的ではない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施例において、アレイ状につなぎ合わせた複数のスプリングを有するインナースプリングと組み合わせて、マットレス用インナースプリング挿入体および支持体が開示される。ここで前記スプリングは行および列に配置されており、各スプリングは第1の端部および第2の端部を有するボディを備え、各スプリングの前記ボディは略円筒状であって縦軸および外径を有しており、前記スプリングは上記行および列において間隔をあけて配置されており、各スプリングが前記アレイ内のそれぞれ隣接するスプリングから離れた状態で離間した配置でつなぎ合わされている。少なくとも1つのインナースプリング挿入体またはインナースプリング緩和用フォーム挿入体が前記インナースプリングのスプリング間の空間において前記インナースプリングと係合しており、前記インナースプリング挿入体または緩和用挿入体は上部横方向部材と、前記上部横方向部材と平行かつ間隔をあけて配置される下部横方向部材と、前記上部および下部横方向部材の間にあってこれらを二分するように延びる横断(transverse)部材を有している。ここで、前記上部横方向部材は円弧状の上表面を含み、上記下部横方向部材は円弧状の下表面を含み、ここで前記上部および下部横方向部材は前記インナースプリングの2つの隣接するスプリングのコイル間およびそれらコイルの内部へ延びている。前記インナースプリング挿入体は、好ましくはフォーム材料からなり、さらに好ましくは、前記インナースプリングに取り付けられると実質的に圧縮された状態となり得、前記インナースプリングにかかる負荷が取り除かれると圧縮される前の構成に素早く戻る独立気泡型ポリウレタンフォームからなる。しかしながら、ここで説明されるインナースプリング挿入体は、いずれかの圧縮可能な反発性材料から形成することができる。
【0006】
本発明の他の態様において、説明されるマットレス用インナースプリングは、アレイ状に相互に接続された複数の螺旋形コイルを有し、これらのコイルは概ね行および列に配列され、前記コイルのそれぞれは略円筒状のコイルボディを有し、前記コイルボディはワイヤの螺旋巻きによって形成され、前記ワイヤの螺旋巻きの各々の間に開口を有し、前記コイルボディの第1及び第2の端部もワイヤによって形成され、前記コイルボディのそれぞれはアレイにおいて離間して配置されている。少なくとも1つのインナースプリング緩和用挿入体が、前記インナースプリングの前記コイルのうち2つまたはそれ以上のコイルの間に係合して配置され、前記少なくとも1つのインナースプリング緩和用挿入体は、下部横方向部材と、前記下部横方向部材に垂直でありこれを二分する垂直部材と、前記垂直部材の片側から外向きに延びる横方向伸長部とを有する。前記下部横方向部材は、前記インナースプリングの2つの隣接するコイルのボディ間をそれらの内部に向けて延びており、横方向伸長部は前記2つの隣接するコイルのうち1つのボディ内に向けて延びており、垂直部材は前記2つの隣接するコイルに接している。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明による第1の実施例のインナースプリング緩和用挿入体の斜視図である。
図2図1の緩和用挿入体を有するインナースプリングの斜視図である。
図3図1の緩和用挿入体を有するインナースプリングにおいて用いることができるインナースプリングコイルの斜視図である。
図4図2のインナースプリングの一部側面図である。
図5図2のインナースプリングの一部端面図である。
図6図1のインナースプリング緩和用挿入体を備えた代表的なインナースプリングの平面図である。
図7】本発明による第2の実施例のインナースプリング緩和用挿入体の斜視図である。
図8図7の緩和用挿入体を備えたインナースプリングの斜視図である。
図9図7に示すインナースプリング緩和用挿入体を備えたインナースプリングにおいて用いられることができるタイプのインナースプリングコイルの斜視図である。
図10図8のインナースプリングの一部側面図である。
図11図7に示すインナースプリング緩和用挿入体を備えた代表的なインナースプリングの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明による上記およびその他の実施態様は添付の図面を参照してここで説明される。
【0009】
図面に示すように、総体的に11で参照されるインナースプリングは、複数のスプリングまたはコイル(ここでは、「コイル」または「スプリング」とも称される)を有する。しかし、本発明の開示は特定のタイプまたは形状のスプリングまたはコイル或いはインナースプリングその他の反発性装置に限定されるものではない。複数のコイルは、縦横の直交するアレイなどのアレイ状に配置され、レーシングワイヤによって相互に接続される。コイルは、一形態においては螺旋形ワイヤであって、隣接するコイルの巻きを編み合わせ、典型的にはインナースプリングの幅に亘って横方向に設けられているが、他の方向に設けられることも可能である。レーシングワイヤはコイルの片端または両端に設けることができる。コイル端はコイルボディの軸方向両端部に形成され、上述したようにインナースプリングの対向する面(上面および下面)に配列される。コイル端はインナースプリングの支持表面を規定する平面に配列される。このタイプの多くのインナースプリングにおいては、コイルの歪み、圧縮、および撓み、並びにコイル同士の接触がない状態での相対的な動きを許容できるようにするために、隣接するコイルボディの間にはオープンスペースがある。
【0010】
本発明の第1の実施態様において、図示されるマットレス用インナースプリングのコイルは、ここでは、「逆コイルヘッドコイル」(以下、「RCH(reverse coil head)コイル」と称される)15と称されるタイプのものである。RCHコイル15は、複数の螺旋形の巻きによって形成される略円筒状のボディ17を有しており、図3に示すように、各コイルのヘッド部または端部は互いに対して180度の方向を向いている。コイル端16、18各々はオフセットを有しており、対向するコイル端はコイルボディ17の同じ側で終わるように互いに対して反転されている。逆コイルヘッドは、下向きの負荷がインナースプリングに印加された時にコイルが横方向に傾くことを防止する。略円筒状のコイルボディ17は、コイル15の螺旋形の巻きそれぞれの半径方向中心にコイルの長さに沿って延びる縦軸を有している。コイルボディ17は、総体的に16で示される第1のコイル端、および総体的に18で示される第2のコイル端と連続している。「第1のコイル端」および「第2のコイル端」という呼び方は、識別および参照のためだけであって、コイル端の位置や向きを規定するものではない。従って、第1のコイル端16または第2のコイル端18のいずれも、ここでは「コイル端」と呼ばれることもある。コイル端16、18のいずれかは、片面型または両面型マットレスにおけるインナースプリングにおいて、コイル15の支持端として働くことができる。コイル端16、18のそれぞれは、コイルボディ17の縦軸に略垂直な各平面に概ね位置している。コイル端16、18は形状が同一であり、コイルボディ17よりも大きな直径を有する。コイル端16、18はそれぞれ、3つのオフセット部と1つの開放端からなる開放端オフセット構成に形成される。コイル端16、18の全体形状は矩形である。オフセット部20および22は、互いにおよそ平行な略直線状のセグメントを有する。第3のオフセット部23は、第1のオフセット部20および第2のオフセット部22の端部の間に延びており、複数の連続するセグメント23a〜23eからなるステップ付きのセグメントを有している。コイル端16および18などのように、1つまたはそれ以上の線形セグメントを有するコイル端は、円状端を有するコイルよりも、インナースプリングアレイにおいてコイル同士をより近くに配置することができ、さらにコイル間に渡すレーシングワイヤに対して線状の経路を提供することができるので有利である。コイルは、一列の中で隣接するコイルのオフセット部が重なるように配置される。さらに、重なったオフセット部の各対は、重なったオフセット部を相互に編み合わせるように複数の列に亘って螺旋形コイルスプリングの第1のセットをスパイラル状に旋回させることによって互いに固定される。
【0011】
コイルは形状が略螺旋状であるので、各コイルの巻きは横方向に整列され、各コイル間、およびインナースプリングのコイルの行および列の間に波形または曲がりくねった空間または開口を共に形成する。これらの空間または開口17は、それぞれのコイルボディの中へ延びている。例えば、図4および図5に示すように、これらの開口は、対向するコイルの螺旋巻きによって形成され、17a、17b、17c、17d、17e、および17fで示される(ここでは同様に「開口部位」または「空間」とも称される)異なった区域または領域または部位を有する。開口部位17a〜17fはそれぞれのコイルボディの中に延びている。開口の数はコイルボディの螺旋巻きの数によって変化する。
【0012】
略H字型のインナースプリング挿入体10(ここでは同様に「インナースプリングフォーム緩和用挿入体」または「フォーム緩和用挿入体」または「インナースプリング緩和用挿入体」または「インナースプリング緩和材」または「インナースプリング挿入体」または「インナースプリング支持体」とも称される)は、上述され図1および図2に示されるように、RCH型コイルのインナースプリング、または相互に接続された複数のスプリングまたはコイルによって形成されるあらゆるタイプのインナースプリングと組み合わせて取り付けられて使用されることができる。インナースプリング挿入体10は、上部12および下部14の平行な横方向部材と、上部12および下部14の横方向部材の間に延びてこれらを二分する横断部材13とを含んでいる。上部および下部の平行な横方向部材12、14はそれぞれ、2つのセグメント12a、12b、14a、14bを有しており、これらは、離間して配置されたコイルの間に形成された間隙または開口17においてインナースプリングのコイルの間に嵌め込まれる。インナースプリング挿入体10は、コイルと係合してコイルとの整合を維持するように、少なくとも2つ以上の開口17内に嵌め込まれるように構成される。各インナースプリング挿入体10は、横方向部材12から第1および第2の対向する方向に延びる2つの上部セグメント12a、12bと、横方向部材14から第1および第2の対向する方向に延びる2つのセグメント14a、14bとを有する。各インナースプリング挿入体10は、独自の傾斜したあるいは角度のある構成を有しており、これによって、取付け機構を使用することなく、横方向セグメントが2つの隣接するコイルの間または隣接するコイル列の間の開口部位に延び、その中にしっかりと嵌め込まれることができる。好ましい実施態様において、横平行部材のそれぞれは、およそ90.5mm乃至94.2mmの幅である。2つの横平行部材12、14の間に延びてそれらを二分する横断部材13は、およそ15.5mm乃至18.5mmの幅である。本実施態様のインナースプリング挿入体10の圧縮されない状態での高さはおよそ55mmから65mmの範囲であり、さらに好ましくは57mmから62mmの範囲である。
【0013】
本開示のH字型インナースプリング挿入体10の代表的な断面形状を図4に示す。ここで、インナースプリング挿入体は、長さ方向に隣接するコイル間の空間内に配置される。インナースプリング挿入体のセクション12aは第1のコイルの開口17a内にはめ込まれ、セクション12bは第2のコイルの開口17b内に配置される。同様に、セクション14aは第1のコイルの開口17c内に配置され、セクション14bは第2のコイルの開口17d内に配置される。H字型インナースプリング挿入体10の断面形状の他の例を図5に示す。この例では、インナースプリング挿入体は、幅方向に隣接するコイルの間の空間内に配置される。インナースプリングのセクション12aは第1のコイルの開口17c内に配置され、セクション12bは第2のコイルの開口17b内に配置される。セクション14aは第1のコイルの開口17e内に配置され、セクション14bは第2のコイルの開口17d内に配置される。図4および図5の好ましい実施態様においては、挿入体はインナースプリングの支持表面近くまたは近傍のコイルの上部に配置されるように示されているが、或いは、下部に配置されることも可能であり、或いは、インナースプリングの支持表面近く、インナースプリングの中央部、またはインナースプリングの底面近くのいずかでコイルの巻きまたは回旋のいずれかに係合することも可能である。インナースプリング内でのインナースプリング挿入体10の縦方向の位置は、マットレスの支持特性および感触を決定する要因である。
【0014】
インナースプリング挿入体10は、フォーム材料からなることが好ましく、さらに好ましくは、インナースプリング内に取り付けられると実質的に圧縮された状態となり得、インナースプリングにかかる負荷が取り除かれると圧縮される前の構成に素早く戻る独立気泡型ポリウレタンフォームからなる。しかしながら、ここで説明するインナースプリング挿入体は、いずれかの圧縮可能な反発性材料からなることができる。
【0015】
図6に示すように、長さの異なるエッジ支持チャネル挿入体10がインナースプリングにおいて略U字型の構成で配置され、通常はインナースプリングの左右の側部エッジおよび底部エッジ近傍に配置されることができる。この配置によればマットレスの外縁部位の安定性を増すことができる。2つの略H字型インナースプリング挿入体10は互いに平行に長手方向に配置され、1つのH字型挿入体10は2つの長手方向に配置された挿入体10の間に横方向に配置され、それらに垂直に延びている。挿入体10の各セクションまたはピースは、他の挿入体10の交差部またはそれらの間にある空間に密接することができる。挿入体10の数、大きさおよび配置によって、他の区域または部位とは異なる支持特性を有するインナースプリングの区域または部位を創出または形成することもできる。従って、これらは、フォームパッド層、織物製および不織素材の層および詰物入の張り地を含む張り地などの材料からなる上方の層と協働して、より強い支持および/または減圧領域または区域など、特定のマットレス用途に対して配置またはデザインされることができる。図6に示すエッジ支持用のU字型構成のためのインナースプリング挿入体10の長さは、マットレスのサイズにより決定される。例えば、各挿入体のおよその長さは、各種標準マットレスサイズに対して以下の表のようになる。
【0016】
【0017】
本発明の第2の実施態様において、図8および図9に示されるマットレス用インナースプリングのコイルは2段構造RCHコイル32である。上述のRCHコイル15と2段構造RCHコイル32との唯一の違いは、2段構造コイルが水平面および垂直面いずれに対しても非対称であることである。ここで用いられる非対称という用語は、コイルボディ33の縦軸Aを通る垂直基準面或いはその軸Aを垂直に横切る水平基準面などの基準面の片側のコイルの構成が、平面の一方側と他方側では異なっている構成を指す。コイル32は、ベースまたはボトム端34とトップまたは支持端35との間に延びる略螺旋形状のコイルボディ33を有する。コイルのベース34およびトップ35は、末端回旋とも呼ばれる。トップまたは支持端に最も近いコイルボディ33の基準面HP側の部分は、コイルボディの上側部位とも称される。ベースまたはボトム端に最も近いコイルボディ33の基準面HP側の部分は、コイルボディの下側部位とも称される。当該技術分野で公知のように、スプリングレートおよびその結果として生じるスプリングの感触を決定する主な要因は、ワイヤのゲージ、コイルの螺旋巻きのサイズ(直径)およびピッチ(またはピッチ角)である。通常、コイルの巻き数が増えると、スプリングレートは低下して、よりソフトな感触と支持が得られる。コイルにおける巻きの直径が大きくなるとスプリングレートが低下し、その結果、よりソフトな感触が得られる。ピッチが大きくなるまたは急峻となると、ワイヤの垂直方向性が増大してスプリングは硬くなる。
【0018】
図9および図10からわかるように、コイルの上側部位の巻きまたは回旋間のピッチ角は、コイルの下側部位の巻きまたは回旋間のピッチ角よりもかなり小さくなっている。図9および図10に示すコイルの上側部位のように、コイルの巻きが互いにより近くに配置されている場合には、コイルの頂部はより柔らかくなる。巻きのそれぞれの直径は、コイルの頂部から2番目の巻き以外は同じである。本実施態様では2番目の巻きがコイルボディの中で一番大きな直径となっている。
【0019】
図7及び図8に示される略T字型のインナースプリング緩和用挿入体30は、上述したように、2段型RCHコイルインナースプリングと組み合わせて使用される。略T字型のインナースプリング挿入体30は、下部横方向部材36と垂直部材37とを有しており、垂直部材37は下部横方向部材36とは垂直であり、それを二分する。垂直部材37は、垂直部材37の片側から外向きに延びる横方向伸長部38をさらに有する。下部横方向部材36は右部分36aおよび左部分36bを有する。これらのインナースプリング挿入体30は、インナースプリングの隣接する列に配置される2つの2段型RCHコイル32の間の空間または開口に嵌め込まれるように設計されている。下部横方向部材の第1の部分36aおよび垂直部材37の横方向伸長部38は、同一スプリングの隣接する2つのコイルの間に嵌め込まれる。下部横方向部材の第2の部分36bは、インナースプリングの一つの隣接する列に配置されたコイルの巻きの間に延びている。好ましい実施態様において、略T字型のインナースプリング挿入体30は、幅がおよそ72.5乃至77.5mmであり、高さがおよそ44.5乃至49.5mmである。垂直部材の幅は、最も大きい箇所で、およそ18.5乃至21.5mmであり、下部横方向部材から横方向伸長部の頂部までの高さは、およそ26.5乃至29.5mmである。
【0020】
本開示におけるT字型インナースプリング挿入体30の代表的な断面形状を図10に示す。開口19a〜19hと称される、2つの隣接する2段構造RCHコイルの間の空間または開口は、T字型挿入体の様々な部分を収容する。例えば、下部横方向部材36の右部分36aは第1のコイルの開口19c内に配置され、左部分36bは第2のコイルの開口19b内に配置される。横方向伸長部38は、第1のコイルの開口19a内に配置される。垂直部材37は、第1および第2のコイル両方に接触している。
【0021】
図11に示すように、複数の略T字型インナースプリング30は、インナースプリングの右側近くにあって且つその長さに沿った2つの列に沿って配置され、インナースプリングの左側近くにあって且つその長さに沿った2つの列に沿って配置され、さらに、マットレスの足側の近くにあって且つインナースプリング挿入体の右側2列および左側2列の間に実質的に延びている1つの水平列に沿って配置されている。以下の図表は、異なるマットレスサイズに対して使用される各種サイズのT字型チャネルの代表的な例を示している。
【0022】


ここでの実施例および図面は、インナースプリングの三辺に沿ったエッジ支持体として働くことができるインナースプリング挿入体を有するインナースプリングを説明するが、インナースプリングのエッジの、或いはエッジ近くのインナースプリングの全四辺に沿うことを含む、あらゆるサイズのあらゆる数のインナースプリング挿入体が、インナースプリングに挿入されることができる。これらの各種構成は全て本発明の範囲内であると考えられる。
【0023】
好ましい実施態様において、上述のH字型およびT字型のインナースプリング挿入体は、密度が約1.25 lb/ft3の100%低密度ポリエチレンフォームからなるが、他の材料や密度も本発明の範囲内である。また、ILDおよびIFD特性などのフォームからなる場合、挿入体の密度または圧縮力は、インナースプリング挿入体とインナースプリングとの組み合わせの変形例における所望の緩和またはスプリングレートの度合いに対して選択されることができる。例えば、比較的低いILDまたはIFD測定値のフォームからなるインナースプリング挿入体は、比較的低いスプリングレートを有するスプリングを備えたインナースプリングと組み合わせることが可能であり、その逆もまた同様である。或いは、比較的高いILDまたはIFD測定値のフォームからなるインナースプリングを有するスプリングを備えたインナースプリングは、比較的高いスプリングレートを有するスプリングを備えたインナースプリングと組み合わせることが可能であり、その逆もまた同様である。また、本発明は比較的高いILDまたはIFDフォームを用いて具現化することが可能であり、そのフォームによって、インナースプリング挿入体は実質的な支持および構造的強度をインナースプリングまたはコアユニットに提供する。
【0024】
広く説明されるように本発明の精神または範囲から逸脱することなく特定の実施態様において示されるように多くの変形及び/または変形例が本発明になされ得ることは当業者には明らかである。したがって、本発明はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の他の特徴および態様は本開示を読んで理解すれば当業者には明らかとなるであろう。報告された結果および実施例のそのような特徴、態様、および期待される変形および変形例は明らかに本発明の範囲内であり、本発明は以下に述べる請求の範囲によってのみ限定される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11