(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5931915
(24)【登録日】2016年5月13日
(45)【発行日】2016年6月8日
(54)【発明の名称】耐摩耗部材を備えた入口を有する遠心分離装置と、耐摩耗部材を備えた供給領域部材
(51)【国際特許分類】
B04B 11/02 20060101AFI20160526BHJP
B04B 1/20 20060101ALI20160526BHJP
【FI】
B04B11/02
B04B1/20
【請求項の数】23
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2013-546714(P2013-546714)
(86)(22)【出願日】2011年12月29日
(65)【公表番号】特表2014-501173(P2014-501173A)
(43)【公表日】2014年1月20日
(86)【国際出願番号】EP2011074258
(87)【国際公開番号】WO2012089824
(87)【国際公開日】20120705
【審査請求日】2013年10月9日
(31)【優先権主張番号】PA201070592
(32)【優先日】2010年12月30日
(33)【優先権主張国】DK
(73)【特許権者】
【識別番号】502305917
【氏名又は名称】アルファ・ラバル・コーポレイト・エービー
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100088683
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100095441
【弁理士】
【氏名又は名称】白根 俊郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100119976
【弁理士】
【氏名又は名称】幸長 保次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100124394
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 立志
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志
(74)【代理人】
【識別番号】100111073
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 美保子
(74)【代理人】
【識別番号】100134290
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 将訓
(72)【発明者】
【氏名】レイフ、ヘンリク
(72)【発明者】
【氏名】タンドルプ、エゴン
【審査官】
原 賢一
(56)【参考文献】
【文献】
特表2005−519735(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B04B 1/00−15/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸(4、204,304)沿って一端から他端へと延びており、回転軸(4、204,304)を中心として回転方向(6)に使用時に回転する回転体(2)を具備しており、この回転軸は、前記回転体(2)の長軸方向に延びており、前記回転体(2)は、容器(8)と、この容器(8)中で同軸的に配設されている螺旋形のコンベヤ(10)とを有し、前記回転軸(4)を中心として使用時に回転し、前記螺旋形のコンベヤ(10)は、少なくとも1つの螺旋形の巻き部材(14)を支持している中央本体(12)を有しており、入口チャンバ(42、342)が、前記中央本体(12)の中に設けられており、分離チャンバ(28)が、前記容器(8)によって径方向外方に、また、前記中央本体(12)の外周面(26)によって径方向内方が夫々規定されており、前記入口チャンバ(42、342)は、前記回転軸と夫々交差するように延び、回転軸の一端側に位置する第1のクロス壁(36、236、336)と他端側に位置する第2のクロス壁(38、238、338)とを有し、少なくとも2つの長軸方向の壁(40、340)が、前記第1のクロス壁(36、236、336)と前記第2のクロス壁(38、238、338)との間で長軸方向に延びており、前記第1のクロス壁(36、236、336)は、前記入口チャンバ(42、342)への供給材料の入口のための中央の開口部(41、341)を有し、前記入口チャンバ(42、342)から前記分離チャンバ(28)中への供給材料を供給するための供給ポート(44)は、隣接した長軸方向の壁(40)間にあり、前記第1及び第2のクロス壁(36、236,336、38、238,338)と前記長軸方向の壁(40)とは、前記中央本体(12)の前記外周面(26)内に内面(36a、38a、40a)を有しており、前記内面(36a、38a、40a)は、前記入口チャンバ(42)に面しており、供給路が、前記中央の開口部(41)から、前記入口チャンバ(42、342)と前記供給ポート(44)とを通って延びている、遠心分離装置において、
前記供給ポート(44)から挿入可能な複数の耐摩耗部材(46、54、68、246,254,268,346,354,368)が、前記第2のクロス壁(38、238,338)と前記少なくとも2つの長軸方向の壁(40、140、240、340)との夫々の内面(38a、40a)を、前記供給路から全体に渡って遮蔽することと、
前記複数の耐摩耗部材の各々は、各長軸方向の壁の所で長尺の壁部材(46、246,346)を有しており、これら長尺の壁部材(46、246,346)の各々は、長尺の湾曲部分(48)と第1のフランジ部分(52、152,252,352)とを有しており、前記長尺の湾曲部分(48)の各々は、前記長尺の壁(40)の前記内面(40a)の一部を遮蔽し、前記第1のフランジ部分(52、152,252,352)は、前記第2のクロス壁(38、238,338)の一部を遮蔽し、前記長尺の湾曲部分(48)は、前記回転軸(4)に直交する面内で前記供給ポート方向に突出するように湾曲されていることを特徴とする、遠心分離装置。
【請求項2】
前記複数の耐摩耗部材は、前記第2クロス壁(38、238,338)の所に、中央部材(54、154,254,354)を有しており、前記回転軸(4、204,304)は、前記中央部材(54、154,254,354)の中心を通って延びていることを特徴とする、請求項1に記載の遠心分離装置。
【請求項3】
前記複数の耐摩耗部材は、前記供給路から前記第1のクロス壁の前記内面(36a)を遮蔽することを特徴とする請求項1又は2に記載の遠心分離装置。
【請求項4】
前記長尺の壁部材の前記湾曲した長尺の湾曲部分(48)は、前記長尺の壁(40)の前記内面(48a)を遮蔽することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1に記載の遠心分離装置。
【請求項5】
前記長尺の壁部材(46)は、前記第1のクロス壁(36)を遮蔽する第2のフランジ部分(50)を有していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1に記載の遠心分離装置。
【請求項6】
隣接した長尺の壁部材(46a、46b、46c)の夫々の前記第1のフランジ部分は、互いに係合していることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1に記載の遠心分離装置。
【請求項7】
隣接した長尺の壁部材(46a、46b、46c)の夫々の前記第2のフランジ部分は、互いに係合していることを特徴とする請求項5に記載の遠心分離装置。
【請求項8】
前記複数の耐摩耗部材は、前記隣接した長尺の壁部材(346)間に位置されている第1のクロス壁部材(396)を有しており、前記第1のクロス壁部材(396)は、前記隣接した長尺の壁部材(346)の前記フランジ部分(350、352)と係合し、前記第2のクロス壁(338)をフランジ部分と共に入口チャンバ(342)から遮蔽していることを特徴とする請求項1に記載の遠心分離装置。
【請求項9】
前記複数の耐摩耗部材は、前記隣接した長尺の壁部材(346)間に位置されている第2のクロス壁部材(394)を有しており、前記第2のクロス壁部材(396)は、前記隣接した長尺の壁部材(346)の前記第2のフランジ部分(350)と係合していることを特徴とする請求項5に記載の遠心分離装置。
【請求項10】
前記複数の耐摩耗部材は、前記第2のクロス壁の所で中央部材(54、154、254,354)を有しており、前記回転軸(4)は、前記中央部材(54、154、254,354)の中心を通って延びており、前記中央部材は、隣接した前記第1のフランジ部分に係合していることを特徴とする、請求項6に記載の遠心分離装置。
【請求項11】
前記複数の耐摩耗部材は、前記第2のクロス壁の所で中央部材(354)を有しており、前記回転軸(304)は、前記中央部材(354)の中心を通って延びており、前記中央部材は、隣接した前記第1のクロス壁部材(396)に係合していることを特徴とする、請求項8に記載の遠心分離装置。
【請求項12】
中央管状部材(68)が、前記中央の開口部を通って延びており、前記中央管状部材(68)は、前記入口チャンバ(42)の内側の一体のフランジ(70)と、前記入口チャンバ(42)の外側のブロック部材(72)とを支持しており、前記中央管状部材(68)は、前記近接した耐摩耗部材の位置をロックしていることを特徴とする請求項10又は11に記載の遠心分離装置。
【請求項13】
前記複数の長尺の壁部材(246)の各々は、前記第2のクロス壁(238)の一部分を遮蔽する前記第1のフランジ部分(252)と、隣接した長軸方向の壁(240)の内面の湾曲した部分を遮蔽するように互いに対向し、前記内面の湾曲と相補的に湾曲した2つの長尺の部分(248’、248’’)とを有し、
前記複数の長軸方向の壁(240)の各々の内面は、2つの隣接した耐摩耗部材のどちらかの相補的に湾曲した長尺の部分(248’、248’’)により前記供給路から遮蔽されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1に記載の遠心分離装置。
【請求項14】
前記中央部材(54、254,354)に隣接した耐摩耗部材の位置が、中央部材(54)との係合によってロックされていることを特徴とする請求項2に記載の遠心分離装置。
【請求項15】
前記中央部材(254,354)の位置が、ブロック部材によってロックされていることを特徴とする請求項14に記載の遠心分離装置。
【請求項16】
隣接した前記長尺の壁部材相互の接続部分間が、耐摩耗の充填剤によって充填されて、壁部材相互が接続されていることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1に記載の遠心分離装置。
【請求項17】
前記第2のクロス壁及び前記長軸方向の壁の内面と、前記内面を遮蔽した前記耐摩耗部材との間の間隙が、充填剤で充填されていることを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1に記載の遠心分離装置。
【請求項18】
前記第1のクロス壁及び前記長軸方向の壁の内面と、前記内面を遮蔽した前記耐摩耗部材との間の間隙が、充填剤で充填されていることを特徴とする請求項3に記載の遠心分離装置。
【請求項19】
前記充填剤は、接着剤であることを特徴とする請求項17又は18に記載の遠心分離装置。
【請求項20】
前記複数の耐摩耗部材の各々は、端部を有し、隣接した耐摩耗部材の端部は、互いに重なっていることを特徴とする請求項1乃至19のいずれか1に記載の遠心分離装置。
【請求項21】
請求項1乃至20のいずれか1に記載の遠心分離装置は、デカンタ遠心分離装置である。
【請求項22】
前記回転軸(4、204,304)は、水平に延びている請求項1乃至21のいずれか1に記載の遠心分離装置。
【請求項23】
遠心分離装置の螺旋形のコンベヤ(10)の中央本体(12)に設けられ、この中央本体の一部を構成する供給領域部材であって、
遠心分離装置は、回転軸(4、204,304)沿って一端から他端へと延びており、回転軸(4、204,304)を中心として回転方向(6)に使用時に回転する回転体(2)を具備しており、この回転軸は、前記回転体(2)の長軸方向に延びており、前記回転体(2)は、容器(8)と、この容器(8)中で同軸的に配設されている前記螺旋形のコンベヤ(10)とを有し、前記回転軸(4)を中心として使用時に回転し、前記螺旋形のコンベヤ(10)は、少なくとも1つの螺旋形の巻き部材(14)を支持している前記中央本体(12)を有しており、分離チャンバ(28)が、前記容器(8)によって径方向外方が規定されており、また、前記中央本体(12)の外周面(26)によって径方向内方が規定されており、
前記供給領域部材は、入口チャンバ(42、342)を有し、
前記入口チャンバ(42、342)は、供給領域部材によって設けられており、前記入口チャンバ(42)は、前記回転軸と夫々交差するように延び、回転軸の一端側に位置された第1のクロス壁(36、236、336)と他端側に位置された第2のクロス壁(38、238、338)とを有し、少なくとも2つの長尺の壁(40、340)が、前記第1のクロス壁(36、236、336)と前記第2のクロス壁(38、238、338)との間で長軸方向に延びており、前記第1のクロス壁(36、236、336)は、前記入口チャンバ(42、342)への供給材料の入口のための中央の開口部(41)を有し、前記入口チャンバ(42)から前記分離チャンバ(28)中への供給材料を供給するための供給ポート(44)は、隣接した長尺の壁(40、140、240、340)間にあり、前記第1及び第2のクロス壁と前記長尺の壁とは、前記中央本体(12)の前記外周面(26)内に内面(36a、38a、40a)を有しており、前記内面(36a、38a、40a)は、前記入口チャンバ(42)に面しており、供給路が、前記中央の開口部(41)から、前記入口チャンバ(42)と前記供給ポート(44)とを通って延びている、供給領域部材において、
前記供給ポート(44)から挿入可能な複数の耐摩耗部材(46、54、68)が、前記第2のクロス壁(38、238、338)と前記少なくとも2つの長尺の壁(40、340)との夫々の内面(38a、40a、340a)を、前記供給路から全体に渡って遮蔽することと、前記耐摩耗部材は、各長尺の壁(40)の所の長尺の壁部材(46)を有しており、これら長尺の壁部材(46)の各々は、前記長尺の壁(40)の前記内面(48a)の一部を遮蔽する湾曲した長尺の湾曲部分(48)と、第1のフランジ部分(52、152,252,352)とを有しており、前記第1のフランジ部分(52)は、前記第2のクロス壁(38)の一部を遮蔽し、前記長尺の湾曲部分(48)は、前記回転軸(4)に直交する面内で前記供給ポート方向に突出するように湾曲されていることを特徴とする、供給領域部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、好ましくは水平の回転軸を中心として回転方向に使用時に回転する回転体を具備しており、この回転軸は、前記回転体の長軸方向に延びており、前記回転体は、容器と、この容器中で同軸的に配設されている螺旋形のコンベヤとを有し、前記回転軸を中心として使用時に回転し、前記螺旋形のコンベヤは、少なくとも1つの螺旋形の巻き部材を支持している中央本体を有しており、入口チャンバが、前記中央本体に設けられており、分離チャンバが、前記容器によって径方向外方が規定されており、また、前記中央本体の外周面によって径方向内方が規定されており、前記入口チャンバは、2つのクロス壁、即ち基端のクロス壁と先端のクロス壁とを有し、少なくとも2つの長軸方向の壁が、前記基端のクロス壁と先端のクロス壁との間で長軸方向に延びており、前記基端のクロス壁は、前記入口チャンバへの供給材料の入口のための中央の開口部と、隣接した長軸方向の壁間にあり、供給材料を前記入口チャンバから前記分離チャンバ中に挿入するための供給ポートと、を有しており、前記クロス壁と前記長軸方向の壁とは、前記中央本体の前記外周面内に内面を有しており、前記内面は、前記入口チャンバに面しており、供給路が、前記中央の開口部から、前記入口チャンバと前記供給ポートとを通って延びている、遠心分離装置、特にデカンタ遠心分離装置に関わる。
【0002】
本発明は、遠心分離装置の螺旋形のコンベヤの中央本体に取り付けるための供給領域部材に、更に関わる。
【背景技術】
【0003】
特許文献1は、遠心分離装置の動作時に入口チャンバから分離チャンバへと供給材料が通って流れる端部を保護するために、摩耗補強、即ち耐摩耗部材が設けられている、上述の技術のデカンタ遠心分離装置を開示している。
【0004】
特許文献2は、一緒にボルトで留められている部品によって形成されている螺旋形のコンベヤを有するデカンタ遠心分離装置を開示している。このような部品は、入口チャンバを構成している単体の挿入体であり、複数のブッシングが、前記螺旋形のコンベヤと容器との間で、前記インサートもしくは入口チャンバから前記分離チャンバへと導くダクトを設けている。前記インサートと前記ブッシングとは、好ましくは無心焼き入れに適したスチールのような耐摩耗材料によって形成されている。前記インサートと前記ブッシングとは、一緒にボルト留めされた螺旋形のコンベヤを取り外すことによって摩耗された場合、比較的容易に交換される。
【0005】
特許文献3は、入口チャンバと、この入口チャンバと分離チャンバとの間に長軸方向の開口部を有している、螺旋形のコンベヤを備えたデカンタ遠心分離装置を開示している。
【0006】
この入口チャンバは、隔壁即ちパーテーションによって入口領域と排出領域とに分けられている。前記入口領域(と前記排出領域と)の内側では、「傾斜した偏平な構成部材」が、前記入口チャンバ内で材料が溶着するのを防ぐために、設けられている。前記「傾斜した偏平な構成部材」は、耐摩耗材料によって形成され得るか、もしくはこれの内面が、耐摩耗材料の層を有し得る。前記入口領域の端部の壁が、耐摩耗プレートによって覆われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】WO-A-03/076078
【特許文献2】US-A-3 568 920
【特許文献3】JP-A-9 239291
【発明の概要】
【0008】
本発明者は、所定の供給材料を有するデカンタ遠心分離装置の動作時に、摩耗が、入口チャンバの全体にわたって生じ得ることに、着目している。
【0009】
本発明の目的は、この問題を回避するか、最小限にすることである。
【0010】
本発明の目的は、冒頭で述べられたようなデカンタ遠心分離装置によって、果たされる。このデカンタ遠心分離装置は、供給ポートから挿入可能な耐摩耗部材が、先端のクロス壁と長軸方向の壁との内面を、供給路から充分に遮蔽することと、前記耐摩耗部材は、各長軸方向の壁に長軸方向の壁部材を有しており、この長軸方向の壁部材は、前記先端のクロス壁の内面の少なくとも一部を遮蔽する湾曲した長軸方向の部分と、前記先端のクロス壁の一部分を遮蔽する少なくとも1つのフランジ部分とを有していることと、を特徴とする。湾曲した長軸方向の部分の湾曲部が、全体にわたって湾曲しており、湾曲した部分に加えて直線の部分も有し得ることが、理解されるべきである。好ましくは、前記耐摩耗部材はまた、基端のクロス壁の内面を、前記供給路から充分に遮蔽する。本発明の適用による入口チャンバは、螺旋形のコンベヤの耐用年数の間中、表面の摩耗のためのメンテナンスを必要としないことが、予見される。
【0011】
前記耐摩耗部材は、前記供給ポートから挿入可能であるように、前記供給ポートからの挿入を可能にするディメンションを有している。
【0012】
好ましくは、前記長軸方向の部材の前記湾曲した長軸方向の部分は、前記長軸方向の壁の内面を遮蔽し、好ましくは、前記長軸方向の壁部材は、前記基端のクロス壁の一部を遮蔽する他のフランジ部分を有している。
【0013】
一実施形態では、隣接した長軸方向の壁部材のフランジ部分が、互いに係合している。このことによって、複数の長軸方向の壁に対応した複数の類似した耐摩耗部材が、前記入口チャンバの内面全体(例外として、前記クロス壁の中央の領域も可能)を実質的に覆うように使用され得ることが、可能となる。
【0014】
他の実施形態では、耐摩耗部材が、隣接した長軸方向の壁部材間に配置されており前記隣接した長軸方向の壁部材のフランジ部分と各々係合したクロス壁部材を有している。このことによって、個々の耐摩耗部材が、小型化し、小型化によってこれらの製造が容易になる。
【0015】
前記耐摩耗部材は、前記クロス壁の少なくとも1つに中央部材を好ましくは有しており、この中央部材を通って回転軸が中央に延びており、前記中央部材は、前記隣接したフランジ部分もしくはクロス壁部材と係合している。これによって、前記長軸方向の壁とクロス壁とを前記クロス壁の中央部近くで覆っている耐摩耗部材相互の対称性が、与えられる。
【0016】
好ましい実施形態では、中央管状部材が、中心の開口部を通って延びており、この中央管状部材は、前記入口チャンバ中で、一体のフランジを支持し、前記入口チャンバの外で、ブロック部材を支持している。前記耐摩耗部材の位置がこれら耐摩耗部材間の相互の係合によってロックされている実施形態では、前記中央管状部材は、最後の頼みとして使用され得、前記中央管状部材によって支持されているブロック部材が、かくして、耐摩耗部材のすべてが外れないようにし得る。
【0017】
他の実施形態では、耐摩耗部材は、クロス壁の一部を遮蔽するクロス壁部分と、隣接した長軸方向の壁の相補的な部分を遮蔽する2つの湾曲した長軸方向の部分とを、有している。
【0018】
好ましくは、前記耐摩耗部材の位置は、耐摩耗部材間の相互の係合によってロックされており、好ましくは、少なくとも1つの耐摩耗部材の位置は、ブロッキング部材によってロックされている。このことによって、前記耐摩耗部材の機械的な、もしくは幾何学的なロックが、果たされる。
【0019】
好ましくは、隣接した耐摩耗部材間の接続部分が、耐摩耗充填剤によって充填される。このことによって、摩耗を与える材料が前記耐摩耗部材間で前記入口チャンバの内面に浸透することが、防がれる。
【0020】
好ましくは、一方では、前記クロス壁と前記長軸方向の壁との内面間の間隙が、他方では、前記耐摩耗部材が、接着剤のような充填剤によって、充填される。このことによって、前記耐摩耗部材は、更に固定され、騒音が防がれる。
【0021】
好ましくは、相互に係合している耐摩耗部材の隣接した端部が、互いに重なっている。このことによって、前記耐摩耗部材の幾何学的なロックと、摩耗を与える材料が隣接した耐摩耗部材間に浸透するのを防ぐこととが、容易となる。
【0022】
前記耐摩耗部材は、好ましくは、炭化タングステンのような、耐摩耗部材から成る。
【0023】
前記目的は、本発明に従えば、遠心分離装置、特にデカンタ遠心分離装置の螺旋形のコンベヤの中央本体に取り付けるための供給領域部材によって、果たされる。この遠心分離装置は、好ましくは水平の回転軸を中心として回転方向に使用時に回転する回転体を具備しており、この回転軸は、前記回転体の長軸方向に延びており、前記回転体は、容器と、この容器中で同軸的に配設されている螺旋形のコンベヤとを有し、前記回転軸を中心として使用時に回転し、前記螺旋形のコンベヤは、少なくとも1つの螺旋形の巻き部材を支持している中央本体を有しており、分離チャンバが、前記容器によって径方向外方が規定されており、また、前記中央本体の外周面によって径方向内方が規定されており、前記入口チャンバは、供給領域部材によって設けられており、前記入口チャンバは、2つのクロス壁、即ち基端のクロス壁と先端のクロス壁とを有し、少なくとも2つの長軸方向の壁が、前記基端のクロス壁と前記先端のクロス壁との間で長軸方向に延びており、前記基端のクロス壁は、前記入口チャンバへの供給材料の入口のための中央の開口部と、隣接した長軸方向の壁間にあり、供給材料を前記入口チャンバから前記分離チャンバ中に挿入するための供給ポートと、を有しており、前記クロス壁と前記長軸方向の壁とは、前記中央本体の前記外周面内に内面を有しており、前記内面は、前記入口チャンバに面しており、供給路が、前記中央の開口部から、前記入口チャンバと前記供給ポートとを通って延びている、遠心分離装置、特に、デカンタ遠心分離装置において、前記供給ポートから挿入可能な前記耐摩耗部材が、前記先端のクロス壁と前記長軸方向の壁との内面を、前記供給路から充分に遮蔽することと、前記耐摩耗部材は、各長軸方向の壁の所の長軸方向の壁部材を有しており、この長軸方向の壁部材は、前記長軸方向の壁の内面の少なくとも一部を遮蔽する湾曲した長軸方向の部分を有しており、少なくとも1つのフランジ部分が、前記先端のクロス壁の一部を遮蔽する。このような供給領域部材は、既存の遠心分離装置中で、改良され得る。
【0024】
以下では、本発明が、添付の概略図を参照にして、実施形態の例によって、更に詳しく説明される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】
図1は、デカンタ遠心分離装置の一部を示している図である。
【
図2】
図2は、
図1に示されている螺旋形のコンベヤの断面図である。
【
図3】
図3は、
図1のIII−III線に沿った前記螺旋形のコンベヤの断面図である。
【
図6】
図6は、前記耐摩耗部材の他の斜視図である。
【
図8】
図8は、前記遠位中心部材の他の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1及び
図2は、回転方向6(
図3参照)に回転軸4を中心として使用時に回転する回転体2を有している遠心分離装置、即ちデカンタ遠心分離装置を示している。この回転体2は、容器8と螺旋形のコンベヤ10とを有しており、この螺旋形のコンベヤ10は、螺旋形の巻き部材14を支持している中央本体12を有している。この中央本体12は、入口領域16と排出領域18とを備えた供給領域部材を有しており、この供給領域部材は、管状の部分20、22に取着されている。前記排出領域18は、外側の入口パイプ24に取着されている。前記回転体2は、前記容器8の内壁面8aと、前記中央本体12の外周面26との間に、分離チャンバ28を有している。前記排出領域18は、排出開口部32を備えた排出チャンバ30を有しており、この排出開口部32は、前記排出チャンバ30と前記分離チャンバ28との間の流体接続を果たしている。固定の内側の入口パイプ34が、前記回転体2の外側から、前記外側の入口パイプ24と、前記排出チャンバ30の一部とを通って、延びている。前記入口領域と前記排出領域との機能は、以下に説明される。
【0027】
図3及び
図4にも示されている前記入口領域16は、2つのクロス壁、即ち基端のクロス壁36及び先端のクロス壁38と、複数の長軸方向の壁40とにより形成されている(これら長軸方向の壁40の数は、本実施形態では、
図3に示されているように、3つである)。前記クロス壁36、38に付されている「基端」及び「先端」という用語は、前記排出チャンバ30内の前記内側の入口パイプ34の端部に対してである。この端部は、動作時に前記分離チャンバ28中で処理される供給材料の供給源を構成している。中央の開口部41が、前記基端のクロス壁36に設けられている。
【0028】
前記両クロス壁36、38と前記長軸方向の壁40との間には、入口チャンバ42が、前記中央本体12の外周面26内に設けられている。前記中央の開口部41は、前記排出チャンバ30と前記入口チャンバ42との間の流体接続を果たしている。隣接した長軸方向の壁40間には、供給ポート44が、前記入口チャンバ42と前記分離チャンバ28との間の流体接続を果たしている。前記入口チャンバ42の内側では、前記クロス壁36、38と、前記長軸方向の壁40とが、内面36a、38a、40aをそれぞれ有している。
【0029】
使用時に、供給材料は、前記内側の入口パイプ34を通って中央に案内され、供給材料は、前記中央の開口部41から前記入口チャンバ42中へ、また前記供給ポート44から前記分離チャンバ28への通路を通る。前記内側の入口パイプ34の端部からこぼれるいかなる供給材料も、前記入口チャンバに達するのでもこの入口チャンバからはね返るのでもなく、前記排出チャンバ30によって受けられ、前記排出開口部32を通って前記分離チャンバ28に出ていく。
【0030】
本発明に従えば、少なくとも前記先端のクロス壁38の前記内面38aと前記長軸方向の壁40の前記内面40aとが、摩耗を与え得る材料との接触によるこれら面の浸食を防ぐように、前記入口チャンバ42中の前記供給材料の通路、即ち流れから遮蔽される、即ち保護される。本実施形態では、前記基端のクロス壁36の内面36aもまた、保護される。
【0031】
このため、耐摩耗部材を遮蔽する、即ち保護することが、以下のようにしてなされる。
【0032】
図3乃至
図6に示されている長軸方向の壁部材46の各々が、前記長軸方向の壁40の1つの前記内面40a全体に沿って延びてこれを遮蔽する湾曲した長軸方向の部分48と、前記基端のクロス壁36の前記内面36aと前記先端のクロス壁38の前記内面38aとの部分的に沿って延びておりこれらを部分的に遮蔽する、2つのフランジ部分、即ち基端のフランジ部分50と先端のフランジ部分52とを有している。本実施形態では、前記湾曲した長軸方向の部分48は、2つ湾曲したセクション48a、48bと中間の直線のセクション48cとを有している。
【0033】
前記両フランジ部分50、52は、同様に湾曲した端部セクション50a、50b、52a、52bをそれぞれ有しており、1つの前記長軸方向の壁部材46aの凹に湾曲した端部セクション52aが、第1の隣接した長軸方向の壁部材46bの凸に湾曲した端部セクション52bと係合するように、また、1つの前記長軸方向の壁部材46aの凸に湾曲した端部セクション52bが、前記第2の隣接した長軸方向の壁部材46cの凹に湾曲した端部セクション52aと係合するように、3つの長軸方向の壁部材46は、
図3、4に示されている構成で、組み合わせられ得る。この結果、図示されていないが、1つの前記長軸方向の壁部材46aの前記凹に湾曲した端部セクション50aは、前記第1の隣接した長軸方向の壁部材46bの前記凸に湾曲した端部セクション50bと係合し、1つの前記長軸方向の壁部材46aの前記凸に湾曲した端部セクション50bは、前記第2の隣接した長軸方向の壁部材46cの前記凹に湾曲した端部セクション50aと係合する。
【0034】
前記湾曲した端部セクション50a、50b、52a、52bが、
図3に示されているようにそれぞれ係合している湾曲した端部セクションが互いに重なるように、階段形状を有していることが、
図5及び
図6に示されている。
【0035】
図3に示されているように、ほぼ三角形状の中央領域が、前記長軸方向の壁部材46a、46b、46cの間で、これら壁部材によって、覆われていない。この三角形状の中央領域の残りの領域を覆うために、前記耐摩耗部材は、前記回転軸4に対して対称である先端の中央部材54を有している。この先端の中央部材54は、
図4に示されているように前記先端のクロス壁38の凹部中に収容されている偏平であり且つ円筒形状の部分56と、側面が前記長軸方向の壁部材46のそれぞれの前記湾曲した端部セクション52aに対応し且つこれに係合している第1のほぼ三角形状の部分58と、前記入口チャンバ42へと延びている中央の突出部62を備えたほぼ三角形状の広い部分60とを、有している。前記偏平であり且つ円筒形状の部分56は、前記耐摩耗部材が
図3に示されているように組み合わせられる時、前記先端の中央部材54の外れを防ぐように設定されたサイズの直径を有している。前記ほぼ三角形状の広い部分60は、前記第1の三角形状の部分58と前記長軸方向の壁部材46a、46b、46cとの間の接続部分を覆うように設定されたサイズを有している。
【0036】
前記長軸方向の壁部材46の前記湾曲した端部セクション50a、50b、52a、52bの方向付けと曲率とが、これら長軸方向の壁部材46が
図3で示されている位置へと矢印64によって示されているように前記中央本体12の外側から摺動され得るように、設定されている。前記長軸方向の壁部材46が
図3に示されている位置へと摺動される前に前記先端のクロス壁の凹部中に収容されている前記円筒形状の部分56を備えた前記先端の中央部材54を配置することによって、前記先端の中央部材54は、幾何学的にロックされた状態で取り付けられる。
【0037】
前記基端のフランジ部分50は、前記湾曲した端部セクション50a、50b間に、円形に湾曲した凹部66を有している。この凹部66は、前記長軸方向の壁部材46が
図3及び
図4に示されている組み合わせられた状態である時に、前記基端のクロス壁36の前記中央の開口部41と一直線上にある開口を形成する。
図4に示されているように、一体のフランジ70を有している中央管状部材68が、前記凹部66と前記中央の開口部41とによって形成されている開口に配置される。この中央管状部材68は、前記入口チャンバ42から挿入される。
図4に示されているように位置されている時、前記中央管状部材68は、図示されているように環状の溝中にはめられている支持リング72によって一側でロックされており、他側では、前記一体のフランジ70によってロックされている。前記凹部66での前記基端のフランジ部分50との係合によって、前記中央管状部材68は、前記矢印64で示されている方向とは反対方向の前記長軸方向の壁部材46の摺動を防ぎ、かくして、
図3に示されている位置からの、前記長軸方向の壁部材46の外れを防ぐ。
【0038】
かくして、前記先端の中央部材54と前記長軸方向の壁部材46との位置が、耐摩耗部材間の相互の係合によって、ロックされる。これに対して、前記中央管状部材68の位置は、ブロック部材、即ち前記支持リング72によってロックされる。
【0039】
図3に示されているように、前記長軸方向の壁部材46と前記入口チャンバの内面との間に、特に、前記湾曲した長軸方向の部分48と前記長軸方向の壁40の内面40aとの間に、間隙74が、存在している。例えばエポキシを含む2つの成分からなる接着剤のような充填材料を前記間隙74に注入するために、チャンネル76が、長軸方向の壁40を貫通して、設けられている。このような充填材料は、図示されている位置に前記耐摩耗部材を支持するのを援助し、前記耐摩耗部材のガタツキを防ぐ。
【0040】
好ましくは、前記耐摩耗部材間の、特に長軸方向の壁部材46間の接続部分が、耐摩耗の粒子もしくは微粒子を含んだエポキシをベースとした充填剤のような耐摩耗充填剤によって、充填されている。このような充填剤は、周知であり、軟化溶融状態で用いられ、この後に、硬い状態へと硬化する。
【0041】
図3及び
図4に示されている実施形態の前記耐摩耗部材、即ち前記長軸方向の壁部材46が、前記入口チャンバ42より少し外に出て延びている。
【0042】
前記耐摩耗部材46、54、68の材料は、好ましくは、炭化タングステン、もしくは対応する耐摩耗の特性を備えた材料である。
【0043】
前記長軸方向の壁40が中実ように
図3に示されているが、これら長軸方向の壁40は、例えば前記チャンネル76の両側で前記長軸方向の壁の軸方向の長さだけ延びている凹部を例えば有することによって、中空であり得ることが、理解されるべきである。
【0044】
図9は、図示されている断面で円弧の内面140aを有する5つの長軸方向の壁140を有する、
図3に対応する変形例の断面図を示している。
図3乃至
図8の実施形態の特徴もしくは要素に対応する
図9の実施形態の特徴もしくは要素には、対応する参照符号の前に1を付けた符号が、付されている。先端の中央部材154は、この実施形態では、
図3、4、7、8の実施形態のような三角形の部分ではなく、円形の広い部分160を有している。前記先端の中央部材154によって保護されている小さい中央領域のほかに、長軸方向の壁部材146の先端のフランジ部分152が、先端のクロス壁を一緒に保護している。かくして、前記先端のクロス壁は、前記先端のフランジ部分152と前記先端の中央部材154との後ろに隠れているので、
図9に示されていない。前記先端のフランジ部分152は、湾曲した端部セクション152a及び152bを有しており、1つの長軸方向の壁部材の湾曲したセクション152aは、図示されているように、隣接した長軸方向の壁部材の湾曲したセクション152bに係合し、且つこれに重なっている。前記長軸方向の壁部材146は、対応した形状の基端のフランジ部分を有することが、理解されるべきである。
図3乃至
図6の実施形態の機能と同様に、前記湾曲した端部セクションの形状は、前記長軸方向の壁部材146が、
図9に示されている位置へと、及びこのような位置から、矢印164によって示されているように摺動することを可能とする。同様に、中央管状部材が、図示されていないが、前記長軸方向の壁部材146の状態をロックする。前記内面140aの円弧形状と、これに対応して前記長軸方向の壁部材146の円弧形状とによって、2つの長軸方向の壁部材が、1つのブランクから大体において旋盤を使用して製造され得る、という生産効果が与えられる。
【0045】
図10及び
図11は、耐摩耗部材が、クロス壁の一部分を遮蔽するクロス壁部分と、隣接した長軸方向の壁の相補的な部分を遮蔽する2つの湾曲した長軸方向の部分とを有している実施形態を示している。
図3乃至
図8の実施形態の特徴もしくは要素に対応する
図10及び
図11の実施形態の特徴もしくは要素には、対応する参照符号の前に2を付けた符号が、付されている。かくして、
図10及び
図11の実施形態は、排出開口部232を有する排出チャンバ230と、供給ポート244を有する入口チャンバ242と、前記排出チャンバ230と前記入口チャンバ242との間の基端のクロス壁236と、前記基端のクロス壁236の反対側の先端のクロス壁238と、前記基端のクロス壁236と前記先端のクロス壁238との間に延びている長軸方向の壁240とを有している。前記排出チャンバ230と前記入口チャンバ242とを有している螺旋形のコンベヤが、回転軸204を有している。
【0046】
この実施形態の耐摩耗部材は、先端のフランジ部分252と基端のフランジ部分250とを有する長軸方向の壁部材246から成る。これらフランジ部分は、
図10及び
図11に示されている取り付けられた状態では、回転軸204に近い領域から離れた同様の外形を有している。前記基端のフランジ部分と前記先端のフランジ部分との間には、2つの相補的な湾曲した長軸方向の壁部分248’、248’’が、隣接した長軸方向の壁240の一部分をそれぞれ保護するように延びており、2つの隣接した長軸方向の壁部材246の相補的な湾曲した長軸方向の壁部分248’、248’’は、かくして、前記入口チャンバ242を通る供給材料の流れもしくは通路から前記長軸方向の壁240を一緒に保護し、2つの湾曲した長軸方向の壁部分248’、248’’は、前記長軸方向の壁240の相補的な部分を保護している。
【0047】
前記耐摩耗部材は、更に、先端の中央部材254と中央管状部材268とから成る。
【0048】
前記中央管状部材268は、一体のフランジ270を有しており、この一体のフランジ270は、前記基端のクロス壁236に当接し、且つ前記基端のフランジ部分250の近接した端部に重なっている。この実施形態の前記耐摩耗部材の取り付けの間に、前記中央管状部材268は、前記長軸方向の壁部材246より前に、例えば前記基端のクロス壁236の中央の開口部241中に貫通されることによって、取り付けられる。
【0049】
前記先端の中央部材254は、前記入口チャンバ242中に延びている中央の突出部262を有する円形の偏平な部分260を有している。前記中央の突出部262の反対側には、前記円形の偏平な部分260は、
図11に示されているように取り付けられている時に前記先端のフランジ部分252の環状の溝282中に延びている環状の突出部280を有している。前記先端のフランジ部分252の各々は、前記環状の溝の領域を有している。前記先端の中央部材254は、前記中央の突出部262の反対側に開口している中央のねじ切り孔286を更に有している。
【0050】
各長軸方向の壁部材246の前記先端のフランジ部分252は、同様に凸形の湾曲部を有する湾曲した端部セクション252aと、凹形の湾曲部を有する湾曲した端部セクション252bをそれぞれ有している。これら湾曲部は、前記先端のクロス壁238の外周面226まで延びている。前記湾曲部は、
図10に示されている実施形態では、円弧形状である。前記基端のフランジ部分250は、前記先端のフランジ部分252の前記湾曲した端部セクションと同様の、湾曲した端部セクションを有している。中央部では、即ち、回転軸204の付近と、これと同軸の部分とでは、前記中央管状部材268と、図示されていない締め付け部材とにそれぞれ空間を与えるように、円形に湾曲した凹部266、284が、前記基端のフランジ部分250と前記先端のフランジ部分252とに設けられている。前記円形に湾曲した凹部266の直径が、前記円形に湾曲した凹部284の直径よりずっと大きい。
【0051】
図10及び
図11に示されている実施形態の前記耐摩耗部材の取り付け時に、前記中央管状部材268が、前述のとおり最初に取り付けられ、この後に、前記長軸方向の壁部材246は、
図10に示されている位置へと、矢印264で示されているように、挿入される。最後に、前記先端の中央部材254が、環状の突出部280を前記環状の溝282中に収容するように、前記入口チャンバ242を通って挿入される。この後に、前記先端の中央部材254は、前記先端のクロス壁238の中央の孔288を通って前記円形に湾曲された凹部284の領域から前記先端の中央部材254の前記ねじ切り孔286に挿入されるねじによって、取着される。前記環状の突出部280と前記環状の溝282との間の係合が、前記長軸方向の壁部材246を取着する。かくして、前記中央管状部材268と前記長軸方向の壁部材240とは、耐摩耗部材間の係合によって、これらの位置でロックされる。前記先端の中央部材254の位置は、前記ねじ切り孔286中に挿入されブロック部材として機能するねじによって、ロックされる。
【0052】
前記長軸方向の壁の各々にねじ切り孔を設け、このねじ切り孔からねじを挿入し、このねじの端部を前記湾曲した長軸方向の部分248’の後面に、矢印290で示されているように当接させることによって、前記長軸方向の壁部材246を更に取着させることが、可能である。
【0053】
この実施形態では、比較的大きな間隙即ち閉じられた中空の空間292が、前記長軸方向の壁240と前記湾曲した長軸方向の部分248’との間にある。このような中空の空間は、前記耐摩耗部材間に浸透する供給材料によって充填されることを防ぐために、フォーム材によって好ましくは充填されている。概して、前記耐摩耗部材と、前記クロス壁及び長軸方向の壁との間の間隙と、前記耐摩耗部材間の接続部分とは、
図3乃至
図8に示されている実施形態に関連して説明されるように、好ましくは充填される。
【0054】
図12及び
図13は、前記耐摩耗部材が、隣接した長軸方向の部材間に配置されており隣接した長軸方向の壁部材の前記フランジ部分と係合したクロス壁部材を有している実施形態を、示している。
図3乃至
図8の実施形態の特徴もしくは要素に対応する
図12及び
図13の実施形態の特徴もしくは要素には、対応する参照符号の前に3を付けた符号が、付されている。
【0055】
図9に示されている実施形態のように、
図12及び
図13に示されている実施形態は、
図12に示されているクロスセクションの円弧形状の部分をたどる内面340aを有する5つの長軸方向の壁340を有している。排出領域が、
図12及び
図13から省かれており、これらの図は、基端のクロス壁336と、先端のクロス壁338と、前記長軸方向の壁340とによって規定されている入口チャンバ342を示している。供給ポート344が、隣接した長軸方向の壁340間にある。前記基端のクロス壁336は、
図2に示されているように、図示されていない入口パイプから前記入口チャンバ342への、供給材料の入口のために、回転軸304と同軸の中央の開口部341を有している。
【0056】
前述の実施形態のように、供給材料の、前記中央開口部341から前記入口チャンバ342中に流れる流れ、前記チャンバを通る流れ、前記供給ポート344から出ていく流れ、もしくは通路から、前記入口チャンバ342の内面を保護するように、耐摩耗部材が設けられている。この実施形態では、前記耐摩耗部材は、湾曲した長軸方向の部分348と、この湾曲した長軸方向の部分348のそれぞれの端部に比較的小さな同様の基端及び先端のフランジ部分350、352とを備えた長軸方向の壁部材346から成る。前述の実施形態と同様に、前記湾曲した長軸方向の部分348は、前記フランジ部分350、352間で、前記長軸方向の壁340に沿って、前記回転軸304の軸方向に、ほぼ直線に延びている。
【0057】
前記基端及び先端のクロス壁336、338には、
図13に示されているように、前記基端及び先端のフランジ部分350、352をそれぞれ収容するための凹部が、設けられている。
【0058】
前記長軸方向の壁部材346間には、前記基端及び先端のクロス壁336、338をそれぞれ保護するように、基端及び先端のクロス壁部材394、396が、設けられている。前記クロス壁部材394、396は、直線の端面398に沿って互いに係合している偏平な耐摩耗部材である(前記先端の壁部材396のみ示している
図12参照)。前記直線の端面398は、階段形状を有しており、前記クロス壁部材394、396は、前記直線の端面398に沿って、互いに重なっている接続部分を形成している。
【0059】
前記クロス壁部材は、中央の円形の凹部から、前記先端及び基端のクロス壁338、336の外周面326を少し超えた位置に、径方向に延びている。このように径方向外側に延びる理由が、以下に説明される。
【0060】
前記先端のクロス壁部材396は、中央の凹部400から延びている。偏平な円筒形の部分358と、中央の突出部362を有する実質的に広い部分360と、前記偏平な円筒形の部分358に開口しているねじ切り孔386とを有する先端の中央部材354が、前記中央の凹部400の周りの領域を覆うように、設けられている。かくして、
図12及び
図13に示されているように、前記耐摩耗部材が取り付けられている時、前記偏平な円筒形の部分362が、前記中央の凹部400中に収容される。前記先端のクロス壁336は、中央の孔388を有している。
【0061】
前記先端のクロス壁部材396は、前記中央の凹部400より大きな直径を有しており前記中央の開口部341と一致する中央の凹部402から延びている。一体のフランジ370を有する中央管状部材368が、前記中央の凹部402と前記中央の開口部341とを通って延び、
図3乃至
図8の実施形態のように、支持リング372によってロックされる。
【0062】
前記クロス壁部材394、396は、それぞれのフランジ部分350、352に重なるように、長軸方向の壁部材346の前記湾曲した長軸方向の部分348まで延びている。
【0063】
前記クロス壁部材394、396は、前記回転軸304から径方向外側に、前記湾曲した長軸方向の部分348の対応する径方向の延びを超えて延び、前記クロス壁部材394、396は、前記長軸方向の壁340を中心とした前記長軸方向の壁部材346の回転を防ぐように、前記湾曲した長軸方向の部分348に沿って周方向に少しの距離だけ径方向外側に延びている周方向の突出部404を、有している。前記周方向の突出部に代わって、もしくはこれに対して補完的に、前記クロス壁部材の端部は、前記長軸方向の壁部材のそれぞれの前記フランジ部分350、352の隣接した端部を軸方向に超えて延びるように、曲げられ得る。
【0064】
この実施形態の前記耐摩耗部材を取り付けている時、前記長軸方向の壁部材346は、最初に、前記長軸方向の壁340のそれぞれの周りで、これらの内面340aに沿って回転可能に摺動されることによって、
図12及び
図13に示されている位置へと、移動される。その後、前記基端及び先端のクロス壁部材394、396が、挿入される。前記基端のクロス壁部材396は、前記入口チャンバ342から前記中央の凹部402と前記中央の開口部341とに挿入される前記中央管状部材368によって、取着される。この挿入の後に、前記中央管状部材368が、取り付けられる前記支持リング372によって、取着される。前記先端のクロス壁部材396は、前記先端のクロス壁338に当接している偏平な円筒形状の部分358を前記中央の凹部400中に収容するように、前記入口チャンバ342から挿入される前記先端の中央部材354によって、取着される。前記先端の中央部材354は、前記中央の孔388から前記ねじ切り孔386中に挿入される、図示されていないねじによって、取着される。前記クロス壁部材394、396は、前記長軸方向の壁340と前記長軸方向の壁部材346とによって、径方向外側の方向に、取着される。前記クロス壁部材394、396は、前記中央管状部材368の前記一体のフランジ370によって、及び、前記先端の中央部材354によって、軸方向に支持される。好ましくは、前記耐摩耗部材と、前記クロス壁及び前記長軸方向の壁の内面との間の間隙が、前記耐摩耗部材を更に取着する接着剤によって充填され、好ましくは前記摩耗部材間の接続部分が、
図3乃至
図8に係る実施形態のように耐摩耗の充填剤によって、充填される。