特許第5932015号(P5932015)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5932015
(24)【登録日】2016年5月13日
(45)【発行日】2016年6月8日
(54)【発明の名称】電柱用危険標示帯
(51)【国際特許分類】
   H02G 1/02 20060101AFI20160526BHJP
【FI】
   H02G1/02
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-259790(P2014-259790)
(22)【出願日】2014年12月24日
【審査請求日】2015年3月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126561
【弁理士】
【氏名又は名称】原嶋 成時郎
(72)【発明者】
【氏名】領野 昌治
(72)【発明者】
【氏名】石田 英雄
(72)【発明者】
【氏名】梅木 達也
【審査官】 神田 太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開平4−178104(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業者が電柱に昇り過ぎるのを防止するために、前記電柱に巻き付けて着脱自在に取り付けられる電柱用危険標示帯であって、
帯状で変形自在な帯本体と、
変形自在で前記帯本体の端部に設けられ、前記電柱に配設されたステップを挿入自在なポケットと、
前記ポケットに前記ステップを挿入して前記帯本体を前記電柱に巻き付けた状態で、該巻き付け状態を保持する保持手段と、
を備えることを特徴とする電柱用危険標示帯。
【請求項2】
前記ポケットが前記帯本体の両端部に設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の電柱用危険標示帯。
【請求項3】
前記保持手段は、前記帯本体の両端部側に設けられた面ファスナによって構成されている、
ことを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の電柱用危険標示帯。
【請求項4】
前記ポケットに前記ステップを挿入しないで前記帯本体を前記電柱に巻き付けた状態で、該巻き付け状態を保持する第2の保持手段を備える、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の電柱用危険標示帯。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、作業者が電柱に昇り過ぎて接近限界距離(危険エリア)に立ち入るのを防止・抑制するための電柱用危険標示帯に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、配電作業において電柱に昇って間接活線作業を行う場合、作業者が誤って昇り過ぎて身体が高圧活線接近限界距離に立ち入るのを防止するために、危険標示帯を電柱に巻き付けている。この危険標示帯は、帯状で、表面に「高圧接近注意」などの注意喚起メッセージが記載・標示され、電柱に巻き付けて取り付けられるようになっている。そして、作業者は、この危険標示帯を見て、これ以上昇ってはいけないと認識するものである。
【0003】
また、感電災害から作業者を守ることができ、かつ、簡易に取り付けることができる、という接近防止器具が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この接近防止器具は、表面に「高圧接近危険」が記載された板状の危険表示部の裏面に、開口部を有する環状の把持環が配設され、開口部から把持環を電柱に押し込んで取り付けるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−262123号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、間接活線作業などを行っている作業者は、作業全般にわたって作業対象を主に見て作業に集中している。一方、危険標示帯は、帯状で電柱に巻かれているだけであり、目視のみで注意を喚起するものある。このため、作業者が作業に夢中になったり目線が危険標示帯よりも上になったりして、危険標示帯を見逃してしまい、危険標示帯よりも上に昇ってしまうおそれがある。
【0006】
また、特許文献1の接近防止器具は、板状の危険表示部と環状の把持環とを備え、立体的で大きな構造となっている。このため、携帯性が悪く、作業帯の物入れ(ポケット)などに入れて持ち運ぶことができず、電柱の上に運ぶには、ロープなどで電柱上に持ち上げなければならず、多大な時間と労力とを有し、作業者の負担も大きい。
【0007】
そこでこの発明は、作業者が電柱に昇り過ぎるのをより確実に防止・抑制することが可能で、しかも、携帯性がよい電柱用危険標示帯を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、作業者が電柱に昇り過ぎるのを防止するために、前記電柱に巻き付けて着脱自在に取り付けられる電柱用危険標示帯であって、帯状で変形自在な帯本体と、変形自在で前記帯本体の端部に設けられ、前記電柱に配設されたステップを挿入自在なポケットと、前記ポケットに前記ステップを挿入して前記帯本体を前記電柱に巻き付けた状態で、該巻き付け状態を保持する保持手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、ポケットにステップが挿入され、帯本体が電柱に巻き付けられた状態が、保持手段によって保持される。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1に記載の電柱用危険標示帯において、前記ポケットが前記帯本体の両端部に設けられている、ことを特徴とする。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載の電柱用危険標示帯において、前記保持手段は、前記帯本体の両端部側に設けられた面ファスナによって構成されている、ことを特徴とする。
【0012】
請求項4の発明は、請求項1から3に記載の電柱用危険標示帯において、前記ポケットに前記ステップを挿入しないで前記帯本体を前記電柱に巻き付けた状態で、該巻き付け状態を保持する第2の保持手段を備える、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明によれば、帯本体が電柱に巻き付けられるため、作業者は視覚によって、この電柱用危険標示帯よりも上に昇ってはいけないことを認識することができる。さらに、作業者が電柱用危険標示帯よりも上に昇ろうとしてステップに手を掛けると、ステップがポケットに挿入されているため、作業者は手の握り感覚(触覚)によって、この電柱用危険標示帯よりも上に昇ってはいけないことを認識することができる。このように、作業者は、視覚と触覚の両方によって、電柱用危険標示帯よりも上に昇ってはいけないことを認識することができ、作業者が電柱に昇り過ぎるのをより確実・効果的に防止・抑制することが可能となり、安全性が向上する。
【0014】
しかも、帯本体とポケットとが変形自在なため、折り畳んで作業帯の物入れなどに入れて持ち運ぶことが可能となり、携帯性がよい。つまり、持ち運びや取り扱いが楽で、作業者への負担を軽減することができる。
【0015】
請求項2の発明によれば、ポケットが帯本体の両端部に設けられているため、帯本体を逆さまにすることなく、左右どちらのステップもポケットに挿入することができる。この結果、帯本体の表面に注意喚起メッセージなどが記載されている場合でも、このメッセージなどが逆さまにならず、適切に注意喚起することができる。このように、1つの電柱用危険標示帯で左右どちらのステップにも適用・対応して、適切に注意喚起することができる。
【0016】
請求項3の発明によれば、保持手段が面ファスナで構成されているだけであるため、構成が簡易であるとともに、全体を軽量化・小型化することができる。さらに、着脱操作が容易で、作業者への負担をより軽減することができる。
【0017】
請求項4の発明によれば、ポケットにステップを挿入しないで場合でも、帯本体を電柱に巻き付けて第2の保持手段で保持することができるため、ステップがない箇所にも電柱用危険標示帯を取り付けて、作業者に対して注意喚起することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】この発明の実施の形態に係る電柱用危険標示帯の取付状態を示す斜視図である。
図2図1の電柱用危険標示帯の正面図(a)と背面図(b)である。
図3図1の電柱用危険標示帯のポケットとステップとの関係を示す正面図である。
図4図1の電柱用危険標示帯のポケットに電柱のステップを挿入した状態を示す斜視図である。
図5図1の電柱用危険標示帯をステップがない箇所に取り付けた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
【0020】
図1は、この発明の実施の形態に係る電柱用危険標示帯1の取付状態を示す斜視図である。この電柱用危険標示帯1は、作業者が電柱100に昇り過ぎるのを防止するために、電柱100に巻き付けて着脱自在に取り付けられる帯体であり、図2に示すように、主として、帯本体2と、ポケット3、4と、面ファスナ(保持手段、第2の保持手段)5〜8と、を備えている。ここで、電柱100には、電力柱や通信柱を含み、所定の間隔で左右交互に、棒状のステップ(足場)101が水平に延びて配設されている。
【0021】
帯本体2は、帯状で変形自在なものである。すなわち、電気絶縁性の樹脂シートで構成され、図2に示すように、長尺の長方形状で、その長さLは、後述するようにして、ステップ101を覆った状態で電柱100に巻き付けられるように設定されている。また、幅Wは、作業者や地上の作業管理者などが目視確認しやすく、かつ、携帯しやすい大きさに設定されている。
【0022】
この帯本体2は、全面がオレンジ色に着色され、表面の中央部に2つのメッセージシート21が横並びに貼り付けられている。このメッセージシート21は、帯本体2と同様に、帯状で変形自在な絶縁シートであり、全面が赤色に着色されている。また、中央部には、「作業範囲上限」という注意喚起メッセージが記載・標示され、その上には、細く黄色い蛍光帯22が配設されている。
【0023】
ポケット3、4は、変形自在で帯本体2の端部2a、2bに設けられ、電柱100に配設されたステップ101を挿入自在なものである。すなわち、ポケット3、4は、帯本体2と同様に、変形自在な長方形状の絶縁シートであり、幅Wが帯本体2とほぼ同寸法に設定され、全面が赤色に着色され、帯本体2の裏面・背面の両端部2a、2bに配設されている。
【0024】
具体的には、左ポケット3は、帯本体2の裏面の左端部2aに配置され、メッセージシート21側の一辺31を除く3辺において帯本体2の左端部2aと接合されている。これにより、左ポケット3と左端部2aとで袋が形成され、一辺31からステップ101を挿入できるようになっている。
【0025】
同様に、右ポケット4は、帯本体2の裏面の右端部2bに配置され、メッセージシート21側の一辺41を除く3辺において帯本体2の右端部2bと接合されている。これにより、右ポケット4と右端部2bとで袋が形成され、図3に示すように、一辺41からステップ101を挿入できるようになっている。ここで、ステップ101の形状、大きさは複数種存在し、ポケット3、4の大きさは、想定される複数種のステップ101を挿入できるように設定されている。
【0026】
第1の面ファスナ5および第2の面ファスナ6は、一方のポケット3、4にステップ101を挿入して帯本体2を電柱100に巻き付けた状態で、この巻き付け状態を保持するとともに保持を解除可能なファスナであり、帯本体2の両端部2a、2b側に設けられている。
【0027】
すなわち、第1の面ファスナ5は、フックタイプの面ファスナで長方形状に形成され、1つの第1の面ファスナ5が、帯本体2の裏面の左ポケット3の一辺31側から(一部が左ポケット3内に位置して)メッセージシート21側にわたって配設されている。また、2つの第1の面ファスナ5が、左ポケット3の表面(帯本体2の裏面と面一の面)に横並びに、左ポケット3の全表面をほぼ覆うように配設されている。
【0028】
同様に、第2の面ファスナ6は、ループタイプの面ファスナで長方形状に形成され、1つの第2の面ファスナ6が、帯本体2の裏面の右ポケット4の一辺41側から(一部が右ポケット4内に位置して)メッセージシート21側にわたって配設されている。また、2つの第2の面ファスナ6が、右ポケット4の表面(帯本体2の裏面と面一の面)に横並びに、右ポケット4の全表面をほぼ覆うように配設されている。
【0029】
このように、ポケット3、4に2つの面ファスナ5、6を分けて配設しているのは、電柱用危険標示帯1を小さく折り畳みやすくするためである。そして、後述するように、一方のポケット3、4にステップ101を挿入して帯本体2を電柱100に巻き付けた状態で、第1の面ファスナ5と第2の面ファスナ6とを接続・接合させることで、この巻き付け状態が保持され、電柱用危険標示帯1が電柱100に取り付けられる。また、第1の面ファスナ5と第2の面ファスナ6とを引き離すことで、電柱用危険標示帯1を電柱100から取り外せるものである。
【0030】
第3の面ファスナ7および第4の面ファスナ8は、ポケット3、4にステップ101を挿入しないで帯本体2を電柱100に巻き付けた状態で、この巻き付け状態を保持するとともに保持を解除可能なファスナであり、帯本体2の両端部2a、2b側に設けられている。
【0031】
すなわち、第3の面ファスナ7は、フックタイプの面ファスナで長方形状に形成され、2つの第3の面ファスナ7が、帯本体2の表面の右端(裏面の左端部2aの端縁)近くからメッセージシート21に至って、横並びに配設されている。同様に、第4の面ファスナ8は、ループタイプの面ファスナで長方形状に形成され、2つの第4の面ファスナ8が、帯本体2の表面の左端(裏面の右端部2bの端縁)近くからメッセージシート21に至って、横並びに配設されている。
【0032】
このように、2つの面ファスナ7、8を分けて配設しているのは、電柱用危険標示帯1を小さく折り畳みやすくするためであり、分け位置は、面ファスナ5、6の分け位置とほぼ重なるように設定されている。そして、後述するように、ポケット3、4にステップ101を挿入しないで帯本体2を電柱100に巻き付けた状態で、第2の面ファスナ6と第3の面ファスナ7または第1の面ファスナ5と第4の面ファスナ8を接続・接合させることで、この巻き付け状態が保持され、電柱用危険標示帯1が電柱100に取り付けられる。また、第2の面ファスナ6と第3の面ファスナ7または第1の面ファスナ5と第4の面ファスナ8を引き離すことで、電柱用危険標示帯1を電柱100から取り外せるものである。
【0033】
このように、この実施の形態では、第1の面ファスナ5と第2の面ファスナ6とが保持手段を構成し、すべての面ファスナ5〜8が第2の保持手段を構成する。また、すべての面ファスナ5〜8は、シート状で変形自在となっている。
【0034】
次に、このような構成の電柱用危険標示帯1の作用や使用方法などについて説明する。
【0035】
まず、作業者が、電柱用危険標示帯1を折り畳んで作業帯の物入れ(ポケット)などに入れて持ち運び、電柱100に昇って所定の箇所に電柱用危険標示帯1を取り付ける。このとき、周辺にステップ101がある場合には、ステップ101を覆うようにして電柱用危険標示帯1を取り付ける。
【0036】
すなわち、電柱100の昇り方向に対して左側にステップ101がある場合、図4に示すように、一辺31からステップ101を左ポケット3に挿入し、帯本体2を電柱100に巻き付けて、図1に示すように、第1の面ファスナ5に第2の面ファスナ6を接続させる。これにより、ステップ101が左ポケット3に挿入された状態で、帯本体2が電柱100に抱き付き、電柱用危険標示帯1が電柱100に取り付けられる。
【0037】
同様に、電柱100の昇り方向に対して右側にステップ101がある場合、一辺41からステップ101を右ポケット4に挿入し、帯本体2を電柱100に巻き付けて、第2の面ファスナ6に第1の面ファスナ5を接続させる。そして、作業を終えて電柱用危険標示帯1を撤去する場合には、第1の面ファスナ5と第2の面ファスナ6とを引き離して、電柱用危険標示帯1を電柱100から取り外す。
【0038】
一方、周辺にステップ101がない場合には、ステップ101を覆わないで電柱用危険標示帯1を取り付ける。すなわち、図5に示すように、ポケット3、4にステップ101を挿入しないで帯本体2を電柱100に巻き付け、第2の面ファスナ6と第3の面ファスナ7または第1の面ファスナ5と第4の面ファスナ8を接続させて、電柱用危険標示帯1を電柱100に取り付ける。そして、作業を終えて電柱用危険標示帯1を撤去する場合には、第2の面ファスナ6と第3の面ファスナ7または第1の面ファスナ5と第4の面ファスナ8を引き離して、電柱用危険標示帯1を電柱100から取り外すものである。
【0039】
以上のように、本電柱用危険標示帯1によれば、帯本体2が電柱100に巻き付けられるため、作業者は視覚によって、この電柱用危険標示帯1よりも上に昇ってはいけないことを認識することができる。しかも、帯本体2がオレンジ色に着色され、赤色に着色されたメッセージシート21に注意喚起メッセージが標示されているため、視認によって効果的に注意喚起することができる。また、地上の作業管理者などからも、電柱用危険標示帯1が取り付けられていることやその位置を、確実かつ容易に目視確認することができる。しかも、黄色い蛍光帯22が配設されているため、夜間などでも注意喚起等することができる。
【0040】
さらに、作業者が電柱用危険標示帯1よりも上に昇ろうとしてステップ101に手を掛けると、ステップ101がポケット3、4に挿入されているため、作業者は手の握り感覚(触覚)によって、この電柱用危険標示帯1よりも上に昇ってはいけないことを認識することができる。つまり、作業者は、無意識に昇ろうとしても、ポケット3、4(帯本体2)を握ることで違和感を覚え、これ以上昇ってはいけないことを認識することができる。
【0041】
このように、作業者は、視覚と触覚の両方によって、電柱用危険標示帯1よりも上に昇ってはいけないことを認識することができ、作業者が電柱100に昇り過ぎるのをより確実・効果的に防止・抑制することが可能となる。この結果、身体が高圧活線接近限界距離に立ち入ることが防止され、安全性が向上する。
【0042】
しかも、帯本体2やポケット3、4などが変形自在なため、電柱用危険標示帯1全体を折り畳んで作業帯の物入れなどに入れて持ち運ぶことができ、携帯性がよい。つまり、持ち運びや取り扱いが楽で、作業者への負担を軽減することができる。
【0043】
また、ポケット3、4が帯本体2の両端部2a、2bに設けられているため、帯本体2を逆さまにすることなく、左右どちらのステップ101もポケット3、4に挿入することができる。この結果、帯本体2の表面に標記された注意喚起メッセージが逆さまにならず、適切に注意喚起することができる。このように、1つの電柱用危険標示帯1で左右どちらのステップ101にも適用・対応して、適切に注意喚起することができる。
【0044】
さらに、保持手段や第2の保持手段が面ファスナ5〜8で構成されているだけであるため、構成が簡易であるとともに、全体を軽量化・小型化することができる。さらに、着脱操作が容易で、作業者への負担をより軽減することができる。
【0045】
一方、ポケット3、4にステップ101を挿入しないで場合でも、帯本体2を電柱100に巻き付けて保持することができるため、ステップ101がない箇所にも電柱用危険標示帯1を取り付けて、作業者に対して注意喚起することができる。このように、多様な使用態様が可能となり、使い勝手がよい。
【0046】
以上、この発明の実施の形態について説明したが、具体的な構成は、上記の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、ポケット3、4と帯本体2の端部2a、2bとで袋を形成しているが、帯本体2の端部(端縁)に袋状のポケットを接続・配設するようにしてもよい。また、フックタイプの面ファスナ5、7とループタイプの面ファスナ6、8とを区別して配設しているが、フックとループの区別がないタイプの面ファスナで全面ファスナ5〜8を構成してもよい。
【符号の説明】
【0047】
1 電柱用危険標示帯
2 帯本体
2a 左端部
2b 右端部
3、4 ポケット
5〜8 面ファスナ(保持手段、第2の保持手段)
100 電柱
101 ステップ
【要約】
【課題】 作業者が電柱に昇り過ぎるのをより確実に防止・抑制することが可能で、しかも、携帯性がよい電柱用危険標示帯を提供する。
【解決手段】 帯状で変形自在な帯本体2と、変形自在で帯本体2の端部2a、2bに設けられ、電柱100に配設されたステップ101を挿入自在なポケット3、4と、一方のポケット3、4にステップ100を挿入して帯本体2を電柱100に巻き付けた状態で、該巻き付け状態を保持する面ファスナ5〜8と、を備える。
【選択図】 図1
図1
図2
図3
図4
図5