特許第5932021号(P5932021)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5932021CMPを使用して平坦でない薄膜を形成する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5932021
(24)【登録日】2016年5月13日
(45)【発行日】2016年6月8日
(54)【発明の名称】CMPを使用して平坦でない薄膜を形成する方法
(51)【国際特許分類】
   B24B 37/00 20120101AFI20160526BHJP
   B81C 99/00 20100101ALI20160526BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20160526BHJP
【FI】
   B24B37/00 Z
   B81C99/00
   H01L21/304 621D
【請求項の数】11
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-505326(P2014-505326)
(86)(22)【出願日】2012年4月13日
(65)【公表番号】特表2014-510647(P2014-510647A)
(43)【公表日】2014年5月1日
(86)【国際出願番号】US2012033471
(87)【国際公開番号】WO2012142381
(87)【国際公開日】20121018
【審査請求日】2015年2月18日
(31)【優先権主張番号】13/232,012
(32)【優先日】2011年9月14日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/475,422
(32)【優先日】2011年4月14日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100146710
【弁理士】
【氏名又は名称】鐘ヶ江 幸男
(72)【発明者】
【氏名】グラハム,アンドリュー・ビー
(72)【発明者】
【氏名】ヤマ,ゲイリー
(72)【発明者】
【氏名】オブライエン,ゲイリー
【審査官】 亀田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−271855(JP,A)
【文献】 特開昭62−083335(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0136759(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B 37/00 − 37/34
H01L 21/304
B81C 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に湾曲した形状を形成する方法であって、
第1の支持層を用意するステップと、
前記第1の支持層上に第1の成形パターンを設けるステップと、
前記第1の成形パターン上に基板を設けるステップと、
前記第1の成形パターン上に配置された前記基板上に第1の化学機械研磨(CMP)プロセスを実行するステップと、
前記第1の成形パターンから1回研磨した前記基板を取り除くステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記基板が、シリコン系基板からなる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記成形パターンが、少なくとも1つの空洞領域を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
第2の支持層を用意するステップと、
前記第2の支持層上に第2の成形パターンを設けるステップと、
前記第2の成形パターン上に前記1回研磨した基板を配置するステップと、
前記第2の成形パターン上に配置された前記1回研磨した基板上に第2のCMPプロセスを実行するステップと、
前記第2の成形パターンから2回研磨した前記基板を取り除くステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記基板の第1の表面が、前記第1のCMPプロセス中に研磨され、
前記基板の第2の表面が、前記第2のCMPプロセス中に研磨される、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記基板上に第1のCMPプロセスを実行するステップが、第1の基板部分から、該第1の基板部分とは異なる部分と比較して、より多くの量の基板材料を取り除くステップを含み、
前記第2の成形パターン上に前記1回研磨した基板を配置するステップが、
前記第2の成形パターンの正の形体と前記第1の基板部分との位置を合わせるステップと、
前記正の形体上に前記第1の基板部分を配置するステップと
を含み、
前記基板上に第2のCMPプロセスを実行するステップが、第2の基板部分から、該第2の基板部分とは異なる部分と比較して、より多くの量の基板材料を取り除くステップであって、前記第2の基板部分が、前記第1の基板部分のちょうど反対側の前記基板の部分上に位置する、ステップを含む、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の成形パターンが、
少なくとも1つの第1の正の形体と、
少なくとも1つの第1の負の形体と
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の成形パターンが、
少なくとも1つの第2の正の形体であって、前記少なくとも1つの第1の正の形体が、前記少なくとも1つの第2の正の形体の形状とは異なる形状を有する、第2の正の形体
を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の成形パターンが、
少なくとも1つの第2の正の形体であって、前記少なくとも1つの第1の正の形体が、前記少なくとも1つの第2の正の形体の厚さとは異なる厚さを有する、第2の正の形体
を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の成形パターンが、
少なくとも1つの第2の負の形体であって、前記少なくとも1つの第1の負の形体が、前記少なくとも1つの第2の負の形体の形状とは異なる形状を有する、第2の負の形体
を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の成形パターンが、
少なくとも1つの第2の負の形体であって、前記少なくとも1つの第1の負の形体が、前記少なくとも1つの第2の負の形体の厚さとは異なる厚さを有する、第2の負の形体
を含む、請求項7に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2011年4月14日出願の米国特許仮出願第61/475,422号の利益を主張するものである。
[0001]本発明は、微小電気機械システム(MEMS)デバイス、マイクロスケール光学デバイス、または半導体デバイスを形成する際に使用される基板などの基板に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]半導体基板は、多種多様な用途において使用される。1つのこのような用途は、微小電気機械システム(MEMS)デバイスの形成においてである。MEMSデバイスの物理的構造の複雑性を高める必要性が増すにつれて、いくつかの異なる成形プロセスが開発されてきている。成形プロセスの3つの主要なカテゴリーは、シリコンのバルク微細加工、表面微細加工、およびディープ反応性イオンエッチング(DRIE)である。これらのプロセスの各々は、固有の利点および能力を有する。例えば、DRIEプロセスにより、デバイスフットプリントを最小化する際に役立つ非常に急峻な側壁がもたらされる。
【0003】
[0003]通常、基板を成形する際に使用するプロセスは、非常に複雑な形状が基板の面内に画定されることを可能にする。例えば、円、正方形、および線は、基板表面上のリソグラフィなどのプロセスによって画定されことが可能であり、その後、エッチングプロセスが、リソグラフィ層によって覆われていない材料を取り除くために使用され得る。切断平面内の基板の形状は、しかしながら、特定の材料除去プロセスによって制約される。このように、DRIEは、実質的に垂直な側壁を形成し、一方で、化学機械研磨(CMP)は、実質的に水平な表面を形成する。
【0004】
[0004]しかしながら、切断平面内の湾曲した形状は、あまり確定的ではない。例えば、エッチングが、湾曲した形状を生成するために使用されることがある。しかしながらエッチングプロセスの制御は、難しい。このように、エッチングプロセスを使用する湾曲した側壁の正確な配置および形状は、問題をはらんでいる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
[0005]必要とされるものは、これゆえ、基板の切断平面内の湾曲した形状を形成するための方法である。切断平面内に正確に配置されかつ寸法を決められた湾曲した形状を形成するために使用されることが可能な方法も、やはり必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[0006]一実施形態においては基板を成形する方法は、第1の支持層を用意するステップと、第1の支持層上に第1の成形パターンを設けるステップと、第1の成形パターン上に基板を設けるステップと、第1の成形パターン上に配置された基板上に第1の化学機械研磨(CMP)プロセスを実行するステップと、第1の成形パターンから1回研磨した基板を取り除くステップとを含む。
【0007】
[0007]さらなる一実施形態では、基板を成形する方法は、第1の支持層上に第1の成形パターンを設けるステップと、第1の成形パターン上に基板を配置するステップと、第1の成形パターン上に配置された基板上に第1の化学機械研磨(CMP)プロセスを実行するステップと、第1の成形パターンの結果として基板の上側表面上の第1の位置のところに第1の圧力を発生させるステップと、第1の成形パターンの結果として基板の上側表面上の第2の位置のところに第2の圧力を発生させるステップであって、第1の圧力が第2の圧力よりも大きい、ステップと、第2の位置と比較して第1の位置からより多くの量の材料を取り除くステップと、第1の成形パターンから1回研磨した基板を取り除くステップとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】[0008]凸状部がその一方の側に形成された基板の横断面図である。
図2】[0009]凸状部が平坦領域によって囲まれているのを示す図1の基板の上平面図である。
図3】[0010]基板上に凸状部または凹状部を成形するために実行可能な手順の流れ図である。
図4】[0011]図3の手順に従って設けられる支持層の垂直横断面図である。
図5】[0012]成形パターン内に2つの負の形体を含む図4の基板上の成形パターンの上平面図である。
図6】[0013]図5の成形パターンおよび支持層上に配置された基板の垂直横断面図である。
図7】[0014]図6の基板の上方に配置された研磨パッドの図である。
図8】[0015]図7の基板内に材料除去量を減少させた領域を設けるために図7の研磨パッドによって曲げられる図7の基板の部分垂直横断面図である。
図9】[0016]CMPが基板内に2つの凸状部を設けるために使用された後の図7の基板の図である。
図10】[0017]図3の手順を使用して基板内に作ることが可能なさまざまな凹状部および凸状部の図である。
図11図3の手順を使用して基板内に作ることが可能なさまざまな凹状部および凸状部の図である。
図12】[0018]基板内に凹状部および凸状部を作るために使用可能なさまざまな正の形体および負の形体を含む支持層上に一体として形成された成形パターンの図である。
図13】[0019]図12の支持層の切断平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[0020]本発明の原理の理解を深める目的で、図面に示され下記の明細書に説明される実施形態をここで参照する。本発明の範囲に対する限定がこれによってないものとすることが、理解される。本発明は、図示した実施形態に対するすべての変更形態および変形形態を含み、本発明に関係する当業者なら普通に思い付くはずであるように本発明の原理のさらに多くの用途を含むことが、さらに理解される。
【0010】
[0021]図1および図2は、この実施形態ではシリコン材料からなる基板100を表す。基板100は、概して平坦である下側表面102と、厚い部分108のまわりに位置する平坦表面部分106を含む上側表面104とを含む。厚い部分108は、断面(図1参照)で見たときに、中心に位置する頂点112を有する連続する湾曲したプロファイルを画定する。
【0011】
[0022]厚い部分108は、図3に表したプロセス130を使用して形成される。プロセス130は、支持層を用意するステップにより始まる(ブロック132)。一実施形態では、支持層は、平坦な表面である。成形パターンが、次に支持層上に配置される(ブロック134)。成形パターン、これはリソグラフィなどの任意の所望のプロセスを使用して支持層上に堆積された成形層である場合があるが、下記により詳細に説明されるように、隣接する領域よりも厚い成形層材料の少なくとも1つの領域によって特徴付けられる。成形される基板が、次に成形層内に画定された成形パターン上に置かれる(ブロック136)。
【0012】
[0023]組み立てられた基板、成形層、および支持層は、次に化学機械研磨(CMP)プロセスを受ける(ブロック138)。CMP中には、支持層の下側表面が、CMP装置によって完全に支持される一方で、圧力がCMP装置の研磨パッドによって基板の上側表面上にかけられる。成形層の厚い材料(正の形体)とCMP研磨パッドとのちょうど間の位置のところの基板の上側表面は、このように高い圧力を受けるが、成形層の薄い部分(負の形体)のちょうど間の位置のところの基板の上側表面は、小さな大きさの圧力を受ける。その結果、CMPが進行するにつれて、より多くの材料が正の形体の真上にある基板の上側表面から取り除かれ、より少ない量の材料が負の形体の真上にある基板の上側表面から取り除かれる。
【0013】
[0024]一旦、所望の量の材料が基板の上側表面から取り除かれると、CMPは終わり(ブロック140)、基板は洗浄され、成形パターンから取り除かれる。より多くの基板が正の形体の真上の位置から取り除かれるという理由で、基板のこれらの部分は、成形層の負の形体の上方の基板の部分よりも薄い。したがって、厚い部分108などの基板の厚い部分は、CMP研磨によって得られることが可能である。ある実施形態では、基板は、成形パターン上に留まることがあり、これによって、画定されたチャンバが基板の薄い部分の下に設置されることが可能になる。
【0014】
[0025]図4図8は、図3のプロセス130に従って成形された基板を表す。図4では、支持層150が用意される(ブロック132)。成形層152が、次に図5に表されたように支持層上に堆積される(ブロック134)。成形層152のパターンは、2つの円154および156を画定し、これを通して支持層150が見える。円154および156は、このように成形層152の負の形体であり、一方で成形層152の残りは、正の形体である。
【0015】
[0026]「正の形体」は、このように、断面で見たときに、成形パターン152の隣接する領域よりも(図6に表されたように)z平面内で厚い厚さを有する成形層152の部分である。「負の形体」は、断面で見たときに、成形パターン152の隣接する領域よりも(図6に表されたように)z平面内で薄い厚さを有する成形層152の部分である。負の形体は、このように、材料の空洞であるまたは隣接する領域よりも単純に薄い成形層152の領域であり得る。必要に応じて、パターンは、1つの成形層の内部でさまざまな厚さを含むことができ、CMPの後でさまざまな基板厚さを与える。したがって、1つの隣接する領域に対して「正」である形体は、別の1つの隣接する領域に対して「負」である場合がある。
【0016】
[0027]成形層152が、図4図8の実施形態では支持層とは別々に設けられるが、ある実施形態では、成形パターンは、支持層を用いて内在的に形成されてもよい。例として、基板は、一体となったパターンを有する支持層を形成するためにエッチングされてもよい。
【0017】
[0028]図6を続けると、一旦、成形層152が支持層150上に設けられると、基板158は、成形層152上に配置される(ブロック136)。CMP装置は、次に基板158の上側面160を研磨するために使用される(ブロック138)。このように、図7に表されたように、研磨スラリー162は、研磨パッド164を使用して上側面160に対して押される。一代替実施形態では、研磨スラリー162が、省略されることがある。
【0018】
[0029]研磨パッド164が圧力を加えるので、基板158の支持されていない領域、すなわち、成形層152の負の形体の真上の部分は、研磨パッド164から遠くなり、一方で、成形層152の正の形体の真上の基板158の部分は、図8に表されたようにパッド164から遠くなることができない。したがって、CMPプロセスが続くので、より多くの材料が、正の形体の真上の基板158の部分のところで基板158から取り除かれ、少ない材料が、基板158の支持されていない領域内で基板158から取り除かれる。
【0019】
[0030]基板158のたわみの大きさは、さまざまな設計パラメータに依存することになる。このようなパラメータは、基板158を形成する際に使用する材料のタイプ、基板の厚さ、プロセスの温度、パッドによって加えられる圧力、等を含む。これらのパラメータは、基板の所望の最終形状に基づいて選択されることが可能である。
【0020】
[0031]一旦、所望の量のCMPが行われると、CMPは終わり(ブロック140)、図9に表された基板構成をもたらす。図9に表されたように基板158は、CMP前の基板158の厚さよりも薄い、薄い平坦部分166内のz軸に沿った厚さを有する。図9に表されたような基板158はまた、CMP前の基板158の厚さよりも薄い、厚い領域166内のz軸に沿った厚さを有する。基板158の支持されていない領域内では、少ない材料しか基板158から取り除かれなかったという理由で、しかしながら、成形層152内の負の形体に対応する場所のところに位置する厚い領域168は、平坦部分166の最大厚さよりも厚いz軸に沿った最大厚さを有する。
【0021】
[0032]正の形体154および負の形体156の形状および厚さの変更によって、多数の違ったように成形された領域が、基板上に形成されてもよい。加えて、基板の両面が、多数の追加の形状を形成するために研磨されてもよい。例えば、図10は、凹状部182、184、および186を含む基板180を表す。基板180は、凸状部188、190、および192をさらに含む。
【0022】
[0033]凹状部182および184ならびに凸状部188は、基板180の上側面194上に実行されるCMPプロセス中に形成されることがあり、凹状部186ならびに凸状部190および192は、基板180の下側面196上に実行される第2のCMPプロセス中に形成されることがある。上側表面194および下側表面196の両方の上に成形された基板180を得る際には、1つの成形パターン上で基板180を単純に反転させることは、典型的には十分ではないことになる。例えば、凹状部182は、凹状部182が形成される位置のところで圧力の増加をもたらす成形層上の正の形体の結果として得られる。基板が反転され、凹状部182が同じ正の形体に位置を合わせられる場合には、正の形体は、凹状部182内に「ぴったりと一致し」、凹状部182を形成するために使用した同じ圧力の増加が生じないことになる。このように、凹状部186を得るために必要な圧力の増加を得るためには、より大きな正の形体が必要である。
【0023】
[0034]基板の両側を成形する能力は、一面を単純に成形するよりももっと複雑であるが、さまざまな構成を実現することを可能にする。図10に表されたように、2つの凹状部182および186が位置を合わせられ、2つの凸状部188および190が位置を合わせられ、凹状部184が凸状部192と位置を合わせられる。さらなる構成が、やはり得られることがある。図11に表されたように、基板200は、凸状部204とはオフセットされた凹状部202を含む。基板200は、凸状部208と位置を合わせられた凹状部206をさらに含む。しかしながら、凸状部208は、凹状部206の半径よりも大きな半径を有する。このように、基板の反対側は、相補的な凸状部と、または相補的な凹状部と対をなす凹状部を有するように成形されることが可能である。反対面上の凹状部および/または凸状部は、同じ直径のものであっても、または異なる直径のものであってもよい。凹状部/凸状部のうちの1つまたは複数は、違ったように成形されてもよい、例えば、細長くてもよい。
【0024】
[0035]ある実施形態では位置を合わせられるが、別の実施形態ではオフセットされる、図10図11に表されたものを含む凹状部および凸状部は、さまざまな方法で形成されることが可能である。例えば、図12図13は、円柱状突物222および232、長方形空洞224および230、ならびに円柱状空洞226および228を含む一体として形成された成形パターンを有する支持基板220を表す。支持基板220内の正の形体および負の形体は、図12に示されるよりも大きな間隔を典型的には有することになる。
【0025】
[0036]支持基板220内のさまざまな正の形体および負の形体の形状および構成は、さまざまな成形能力を与えることになる。円柱状突物232と比較して円柱状突物222の大きな高さは、より深い凹状部をもたらすことになる。円柱状空洞226および228の異なる幅は、異なる半径の凸状部をもたらすことになる。浅い円柱状空洞228は、基板のたわみを制限し、より抑えられた凹状部をもたらすことになる。長方形空洞224および230は、細長い凸状部をもたらすことになる。これらの形状およびその他の形状が、所望の形状に応じて使用されることが可能である。
【0026】
[0037]加えて、図3のプロセスは、後続の基板用の成形層としてその後に使用されることが可能である基板をパターニングするために使用されてもよい。例えば、図13の円柱222などの円柱は、基板内に凹状部を形成するために、パターニングされ使用されることがある。凹状部は、次に、凸状部を形成するために、成形層内の負の形体として使用されることがある。したがって、切断平面内の湾曲している側壁は、最終的な構成としてか、または成形層内の負の形体もしくは正の形体としてかのいずれかで得られることが可能である。
【0027】
[0038]本発明が図面および上述の説明において詳細に図示され記載されてきたが、これ
らは、例示であり、特性を制限するものではないと考えるべきである。好ましい実施形態
だけが、提示されてきており、すべての変更形態、変形形態、および本発明の精神内にな
るさらに多くの適用例が、保護されるべきものであることが理解される。
以下に本明細書が開示する形態のいくつかを記載しておく。
[形態1]
基板を成形する方法であって、
第1の支持層を用意するステップと、
前記第1の支持層上に第1の成形パターンを設けるステップと、
前記第1の成形パターン上に基板を設けるステップと、
前記第1の成形パターン上に配置された前記基板上に第1の化学機械研磨(CMP)プロセスを実行するステップと、
前記第1の成形パターンから前記1回研磨した基板を取り除くステップと
を含む方法。
[形態2]
前記基板が、シリコン系基板からなる、形態1に記載の方法。
[形態3]
前記成形パターンが、少なくとも1つの空洞領域を含む、形態1に記載の方法。
[形態4]
第2の支持層を用意するステップと、
前記第2の支持層上に第2の成形パターンを設けるステップと、
前記第2の成形パターン上に前記1回研磨した基板を配置するステップと、
前記第2の成形パターン上に配置された前記1回研磨した基板上に第2のCMPプロセスを実行するステップと、
前記第2の成形パターンから前記2回研磨した基板を取り除くステップと
をさらに含む、形態1に記載の方法。
[形態5]
前記基板の第1の表面が、前記第1のCMPプロセス中に研磨され、
前記基板の第2の表面が、前記第2のCMPプロセス中に研磨される、
形態4に記載の方法。
[形態6]
前記基板上に第1のCMPプロセスを実行するステップが、第1の基板部分からより多くの量の基板材料を取り除くステップを含み、
前記第2の成形パターン上に前記1回研磨した基板を配置するステップが、
前記第2の成形パターンの正の形体と前記第1の基板部分との位置を合わせるステップと、
前記正の形体上に前記第1の基板部分を配置するステップと
を含み、
前記基板上に第2のCMPプロセスを実行するステップが、第2の基板部分からより多くの量の基板材料を取り除くステップであって、前記第2の基板部分が、前記第1の基板部分のちょうど反対側の前記基板の部分上に位置する、ステップを含む、
形態5に記載の方法。
[形態7]
前記第1の成形パターンが、
少なくとも1つの第1の正の形体と、
少なくとも1つの第1の負の形体と
を含む、形態1に記載の方法。
[形態8]
前記第1の成形パターンが、
少なくとも1つの第2の正の形体であって、前記少なくとも1つの第1の正の形体が、前記少なくとも1つの第2の正の形体の形状とは異なる形状を有する、第2の正の形体
を含む、形態7に記載の方法。
[形態9]
前記第1の成形パターンが、
少なくとも1つの第2の正の形体であって、前記少なくとも1つの第1の正の形体が、前記少なくとも1つの第2の正の形体の厚さとは異なる厚さを有する、第2の正の形体
を含む、形態7に記載の方法。
[形態10]
前記第1の成形パターンが、
少なくとも1つの第2の負の形体であって、前記少なくとも1つの第1の負の形体が、前記少なくとも1つの第2の負の形体の形状とは異なる形状を有する、第2の負の形体
を含む、形態7に記載の方法。
[形態11]
前記第1の成形パターンが、
少なくとも1つの第2の負の形体であって、前記少なくとも1つの第1の負の形体が、前記少なくとも1つの第2の負の形体の厚さとは異なる厚さを有する、第2の負の形体
を含む、形態7に記載の方法。
[形態12]
基板を成形する方法であって、
第1の支持層上に第1の成形パターンを設けるステップと、
前記第1の成形パターン上に基板を配置するステップと、
前記第1の成形パターン上に配置された前記基板上に第1の化学機械研磨(CMP)プロセスを実行するステップと、
前記第1の成形パターンの結果として前記基板の上側表面上の第1の位置のところに第1の圧力を発生させるステップと、
前記第1の成形パターンの結果として前記基板の前記上側表面上の第2の位置のところに第2の圧力を発生させるステップであり、前記第1の圧力が前記第2の圧力よりも大きい、ステップと、
前記第2の位置と比較して前記第1の位置からより多くの量の材料を取り除くステップと、
前記第1の成形パターンから前記1回研磨した基板を取り除くステップと
を含む方法。
[形態13]
前記基板が、シリコン系基板からなる、形態12に記載の方法。
[形態14]
前記第1の成形パターンが、
少なくとも1つの第1の正の形体と、
少なくとも1つの第1の負の形体と
を含む、形態12に記載の方法。
[形態15]
前記第1の成形パターンが、
少なくとも1つの第2の正の形体であって、前記少なくとも1つの第1の正の形体が、前記少なくとも1つの第2の正の形体の形状とは異なる形状を有する、第2の正の形体
を含む、形態14に記載の方法。
[形態16]
前記第1の成形パターンが、
少なくとも1つの第2の正の形体であって、前記少なくとも1つの第1の正の形体が、前記少なくとも1つの第2の正の形体の厚さとは異なる厚さを有する、第2の正の形体
を含む、形態14に記載の方法。
[形態17]
前記第1の成形パターンが、
少なくとも1つの第2の負の形体であって、前記少なくとも1つの第1の負の形体が、前記少なくとも1つの第2の負の形体の形状とは異なる形状を有する、第2の負の形体
を含む、形態14に記載の方法。
[形態18]
前記第1の成形パターンが、
少なくとも1つの第2の負の形体であって、前記少なくとも1つの第1の負の形体が、前記少なくとも1つの第2の負の形体の厚さとは異なる厚さを有する、第2の負の形体
を含む、形態14に記載の方法。
図1
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図13