(54)【発明の名称】自動車のエンジン用のモータファンユニットおよびラジエータを組み立てるための方法および装置、ならびに得られたモータファンユニットおよびラジエータの組立体
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記支持フレーム(9、11)は、前記モータファンユニット(3)および前記ラジエータ(5)がそれぞれ、それぞれの前記支持フレーム(9、11)に寸法的に納まるように形作られていることを特徴とする、請求項1に記載の組立装置。
前記支持フレーム(9、11)が、前記モータファンユニット(3)および前記ラジエータ(5)のそれぞれの一体部分として形成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の組立装置。
前記支持フレーム(9)の一方が、他方の前記支持フレーム(11)の対応する前記外向き外周縁部(18)を覆うことを目的とした2つの、外周バッフルである長い外側バッフル(13)と、該外側バッフル(13)の背後に配置され、かつ他方の前記支持フレーム(11)の対応する前方外周縁部(17)に対向し、前記前方外周縁部(17)から所定の距離を隔てて配置されることを目的とした内側バッフル(15)とを備えることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組立装置。
前記横方向指標部材が、前記固定位置(19)の部材と一体であり、かつ前記固定位置(19)の他の部材の相補的な面(L5)に対して横方向に当てられ得るヒール(c)を備えることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組立装置。
前記支持フレーム(9、11)の前記組立体をロックするための前記部材が、下部固定位置の部材(19b3)を備え、該部材(19b3)は、該部材(19b3)が対応する前記L字形状のハウジングの前記下部ブランチの前記底部における前記ピン(19b1)の移動を阻止するロック位置と、前記L字形状のハウジングの前記下部ブランチからの前記ピン(19b1)の移動を可能にするアンロック位置との間で移動可能であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組立装置。
前記L字形状のハウジングの前記主ブランチが、第1に前記L字形状のラグ(19b2)の前記主ブランチ(P1)によって、第2に前記ラグ(19b2)と一体であり、かつ前記ラグ(19b2)の前記主ブランチ(P1)に対向する前記支持フレーム(11)の内面(L1)によって形成され、前記内面(L1)は、前記下部固定位置の前記ピン(19b1)がそれぞれ、前記L字形状のハウジングの前記主ブランチ内に挿入されて、前記内面(L1)に当たったときに、前記ピン(19b1)を担持する前記支持フレーム(9)の前記下部(3b)が他方の前記支持フレーム(11)の前記下部から所定の距離だけ離間された状態を維持するように形作られることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組立装置。
前記支持フレーム(9)の一方が、他方の前記支持フレーム(11)の対応する前記外向き外周縁部(18)を覆うことを目的とした2つの、外周バッフルである長い外側バッフル(13)と、該外側バッフル(13)の背後に配置され、かつ他方の前記支持フレーム(11)の対応する前方外周縁部(17)に対向するように配置されることを目的とした内側バッフル(15)とを備える、請求項8に記載の方法であって、
前記ピン(19a1、19b1)が、対応する前記ラグ(19a2、19b2)によって形成された前記U字形状のハウジングおよび前記L字形状のハウジングの前記開口部に面し、前記支持フレーム(9、11)が互いに横方向に指標により位置合わせされ、前記外側バッフル(13)が、他方の前記支持フレーム(11)の前記外向き外周縁部(18)の上部の上方にあり、前記支持フレーム(9)の前記内側バッフル(15)が、前記前方外周縁部(17)から所定の距離を隔てて他方の前記支持フレーム(11)の前記前方外周縁部(17)の上部に対向するように配置されるように、前記バッフル(13、15)を備える前記支持フレーム(9)と他方の前記支持フレーム(11)との前記組立体を事前位置合わせすることと、
前記固定位置の前記ピン(19a1、19b1)のそれぞれが、前記U字形状のハウジングの前記底部まで、対応する前記U字形状のハウジングおよび前記L字形状のハウジングの内部に向けて下方へ摺動し、前記支持フレーム(9)の前記外側バッフル(13)が、他方の前記支持フレーム(11)の前記外向き外周縁部(18)の上部を覆うように、他方の前記支持フレーム(11)と相対的に前記バッフル(13、15)を備える前記支持フレーム(9)を下方へ移動させることと、
前記下部固定位置のそれぞれの前記ピン(19b1)が、前記L字形状のハウジングの前記底部に到達するまで前記L字形状のハウジングの下部ブランチ内を摺動し、このとき、前記外側バッフル(13)が、他方の前記支持フレーム(11)の前記外向き外周縁部(18)の下部を覆うように、他方の前記支持フレーム(11)に向けて前記バッフル(13、15)を備える前記支持フレーム(9)の下部(3b)を移動させることと、
他方の前記支持フレーム(11)対して適切な位置に前記バッフル(13、15)を備える前記支持フレーム(9)をロックすることと
を含む方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、自動車のエンジン用のモータファンユニットおよびラジエータを組み立てるための方法および装置であって、車両の制限された隙間空間におけるラジエータへの/からのモータファンユニットの取り付けおよび取り外しを可能にし、とりわけ、封止バッフルが縁を覆うモータファンユニットおよびラジエータに関して、小さなバッフルの遊びを有する組立体を可能にする方法および装置が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
自動車のモータファンユニットおよびラジエータを組み立てるための装置が提案される。このラジエータは、車両のエンジンを冷却することを目的とした冷却回路または他の車両冷却回路と関連付けられている場合がある。
【0008】
本発明に係る組立装置は、
モータファンユニットを支持することを目的とした第1の外周支持フレームおよびラジエータを支持することを目的した第2の外周支持フレームであって、支持フレームの少なくとも一方に、他方の支持フレームの外向き外周縁部(lateral peripheral edge)を覆うことを目的とした少なくとも1つの外周封止バッフルが取り付けられている第1の外周支持フレームおよび第2の外周支持フレームと、
前記支持フレームのそれぞれと一体の少なくとも2つの上部固定位置および2つの下部固定位置であって、それぞれの固定位置が、ピンおよびハウジングを形成するラグを備え、互いに同時に係合されることによって協働するように配置され、固定位置のピンが、一方の支持フレームと一体であり、対応するラグが、他方の支持フレームと一体である少なくとも2つの上部固定位置および2つの下部固定位置と
を備え、
上部固定位置のラグのそれぞれが、該ラグと一体の支持フレームと共にU字形状のハウジングを形成し、対応するピンが、このU字形状のハウジング内を摺動するように形作られ、上部固定位置のピンおよびラグは、ピンがU字形状のハウジング内に挿入されたときに、支持フレームの上部が、支持フレームの平面に対して垂直な方向において互いに所定の距離を隔てて保持されるように位置合わせされ、配置され、
下部固定位置のラグのそれぞれが、L字形状であり、該ラグと一体の支持フレームと共にL字形状のハウジングを形成し、このハウジングの開口部が、L字形状のラグの主ブランチの一方の端部に配置され、該ハウジングの底部が、支持フレームと一体のラグの他方の端部に配置され、対応するピンが、このL字形状のハウジング内を摺動するように形作られ、下部固定位置のピンおよびラグは、ピンがL字形状のハウジングの主ブランチ内に挿入されたときに、支持フレームの下部が互いに離間されて保持され、ピンがL字形状のハウジングの下部ブランチの底部に挿入されたときに、支持フレームの下部が、支持フレームの平面に対して垂直な方向において互いに所定の距離を隔てて保持されるように位置合わせされ、配置され、
支持フレームの平面に対して平行であり、かつU字形状のハウジングにおけるピンの摺動方向に対して垂直な方向において支持フレームを互いに位置合わせすることのできる少なくとも1つの横方向指標部材と、
支持フレームの互いの組立体をロックするための少なくとも1つの部材と
を備えることを特徴とする。
【0009】
これにより、本発明に係る組立装置は、小さな遊び(例えば、1〜3mm)が支持フレームの周辺の全体にわたって支持フレーム間に得られ得るように、互いに所定の距離を隔てた支持フレームの位置合わせを可能にし、これにより、取り付けクリアランスが確保され、封止および換気効率が最適化される。この正確な位置合わせは、フレームまたは複数のフレームの周辺に1つ以上のバッフルがあるにもかかわらず損傷を与えることなく達成され得る。
【0010】
フレームの上部および下部は、異なる距離も可能ではあるが、より良好な換気効率のために組み立て後に互いに同じ所定の距離を隔てて保持されることが好ましい。
【0011】
支持フレームは、モータファンユニットおよびラジエータがそれぞれ、それぞれの支持フレームに寸法的に納まるように形作られることが好ましい。
【0012】
好適には、支持フレームは、モータファンユニットおよびラジエータのそれぞれの一体部分として形成される。
【0013】
支持フレームの一方(例えば、モータファンユニットのフレーム)は、他方の支持フレーム(例えば、ラジエータの支持フレーム)の対応する外向き外周縁部を覆うことを目的とした2つの、外周バッフルである長い外側バッフルと、外側バッフルの背後に配置され、かつ他方の支持フレームの対応する前方外周縁部に対向し、前記前方外周縁部から所定の距離を隔てて配置されることを目的とした内側バッフルとを備える。
【0014】
これらのバッフルは、フレーム間の、したがって、モータファンユニットとラジエータとの間の二重の周辺封止による障壁を形成することを目的としている。所定の距離を隔てた、とりわけ、小さな遊び(例えば、1〜3mm)を伴うこれらの位置合わせは、換気効率の改善を可能にする。
【0015】
支持フレームの横方向指標部材は、固定位置の部材と一体であり、かつ前記固定位置の他の部材の相補的な面に対して横方向に当てられ得る単純なヒールを備えてもよい。
【0016】
好適には、支持フレームの組立体をロックするための部材は、下部固定位置の部材であって、該下部固定位置の部材が対応するL字形状のハウジングの下部ブランチの底部におけるピンの移動を阻止するロック位置と、L字形状のハウジングの前記下部ブランチからの前記ピンの移動を可能にするアンロック位置との間で移動可能である下部固定位置の部材を備える。
【0017】
このような部材は、支持フレームのロックまたはアンロックのために容易に操作されてもよい。
【0018】
とりわけ、アンロック位置からロック位置への移動が、L字形状のハウジングの内部への下部固定ピンの摺動によってもたらされてもよい。こうして、支持フレームの組み立て、とりわけ、モータファンユニットの支持フレームとラジエータの支持フレームとの組み立て、したがって、モータファンユニットとラジエータとの組み立てには、器具が必要とされず、モータファンユニットは、ラジエータに対して適切な位置に極めて迅速にロックされ得る。
【0019】
好適には、L字形状のハウジングの主ブランチは、第1にL字形状のラグの主ブランチによって、第2に前記ラグと一体であり、かつラグの主ブランチに対向する支持フレームの内面によって形成される。この内面は、下部固定位置のピンがそれぞれ、L字形状のハウジングの主ブランチ内に挿入されて、この内面に当たったときに、ピンを担持する支持フレームの下部が他方の支持フレームの下部から所定の距離だけ離間された状態を維持するように形作られる。
【0020】
これにより、ラジエータの前方の最小の空間における封止バッフルを有するモータファンユニットとラジエータとの組み立ておよび損傷の危険性を伴うことなく組立体の両側における遊びの制御が可能となる。モータファンユニットおよびラジエータの支持フレームがそれぞれモータファンユニットおよびラジエータに取り付けられた状態で、組立装置を実施するための方法は、
ピンが、対応するラグによって形成されたU字形状のハウジングおよびL字形状のハウジングの開口部に面し、支持フレームが互いに横方向に指標により位置合わせされるように一方のまたは第1の支持フレームを配置することによって、他方の支持フレームに対して一方のまたは第1の支持フレームを事前位置合わせする段階と、
固定位置のピンがそれぞれ、U字形状のハウジングの底部までU字形状のハウジングおよびL字形状のハウジングのそれぞれの内部に向けて下方へ摺動するように、他方の支持フレームと相対的に下方へ第1の支持フレームを移動させる段階と、
対応するL字形状のハウジングの下部ブランチの底部まで下部固定位置のピンのそれぞれを移動させるために、他方の支持フレームに向けて第1の支持フレームの下部を押圧する段階と、
L字形状のハウジングの下部ブランチの底部における下部固定位置のピンのそれぞれの係合をロックする段階と
を含む。
【0021】
支持フレームの一方(例えば、モータファンユニットの支持フレーム)が、他方の支持フレームの対応する外向き外周縁部を覆うことを目的とした2つの、外周バッフルである長い外側バッフルと、外側バッフルの背後に配置され、かつ前記他方の支持フレーム(例えば、ラジエータの)の対応する前方外周縁部に対向するように配置されることを目的とした内側バッフルとを備える場合、モータファンユニットおよびラジエータの組み立てのために、以下のステップ、すなわち、
ピンが、対応するラグによって形成されたU字形状のハウジングおよびL字形状のハウジングの開口部に面し、支持フレームが互いに横方向に指標により位置合わせされ、外側バッフルが、他方の支持フレームの外向き外周縁部の上部の上方にあり、支持フレームの内側バッフルが、前記前方外周縁部から所定の距離を隔てて他方の支持フレームの前方外周縁部の上部に対向するように配置されるように、バッフルを備える支持フレームと他方の支持フレームとの組み立ての事前位置合わせを行うステップと、
固定位置のピンのそれぞれが、U字形状のハウジングの底部まで、対応するU字形状のハウジングおよびL字形状のハウジングの内部に向けて下方へ摺動し、支持フレームの外側バッフルが、他方の支持フレームの外向き外周縁部の上部を覆うように、他方の支持フレームに対してバッフルを備える支持フレームを下方へ移動させるステップと、
下部固定位置のそれぞれのピンが、L字形状のハウジングの底部に到達するまで、このハウジングの下部ブランチ内を摺動し、このとき、外側バッフルが、他方の支持フレームの外向き外周縁部の下部を覆うように、他方の支持フレームに向けてバッフルを備える支持フレームの下部を移動させるステップと、
他方の支持フレーム対して適切な位置にバッフルを備える支持フレームをロックするステップと
が実行される。
【0022】
次に、本発明の実施形態が、添付図面を参照しながら例として記載される。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1には、X軸、Y軸、およびZ軸の座標系が示されている。
【0025】
図1に示されているように、冷却組立体1は、互いに連結された、自動車の冷却回路のモータファンユニット3およびラジエータ5を備える。
【0026】
この組立体1は、例えば車両の前方エンジン室に、コンパクトに取り付けられることを目的としている。一般にエンジン(図示せず)の前方に配置されたこのような区画では、モータファンユニット3をラジエータ5に取り付けるために設けられた空間が縮小されている。
【0027】
現在の事例のモータファンユニット3は、同じ平面に互いに隣接して配置された2つのファン7を備え、これらのファンは、ラジエータ5を循環する冷却液を冷却するためにラジエータ5に向けて空気を送風することを目的としている。
【0028】
モータファンユニット3は、ラジエータ5に対向するように配置されている。
【0029】
モータファンユニット3は、矩形の外周支持フレーム9を備え、同様にラジエータ5は、相補的な矩形の外周支持フレーム11を備える。
【0030】
本明細書では、「支持フレーム」または「フレーム」という用語は、「外周支持フレーム」をも意味する。また、フレームは、図面の座標系の平面YZと平行な平面を形成している。
【0031】
モータファンユニット3およびラジエータ5の支持フレーム9、11は一般に、本発明に係る装置によって組み立てられる前に、それぞれモータファンユニット3およびラジエータ5に取り付けられる。
【0032】
支持フレーム9、11は、モータファンユニット3およびラジエータ5がそれぞれ、各支持フレームに取り付けられた後にそれぞれの支持フレームに寸法的に納まるように形作られることが好ましい。言い換えれば、モータファンユニット3およびラジエータ5は、フレーム9、11に取り付けられた後にそれぞれのフレーム9、11からはみ出ない。
【0033】
支持フレーム9、11は、例えば矩形である。
【0034】
また、これらの支持フレーム9、11は、プラスチック材料(例えば、ポリプロピレンまたはポリアミドタイプの)から成形されてもよい。
【0035】
モータファンユニット3の支持フレーム9は、ラジエータ5に向けられた2つの平行なバッフルを備える(
図2、
図3、および
図4)。長い外側バッフル13は、ラジエータ5の支持フレーム11の外向き外周縁部18を覆うことを目的としており、短い内側バッフル15は、ラジエータ5の支持フレーム11の前方外周縁部17に対して垂直に対向することを目的としている(
図2)。
【0036】
外側バッフル13によって覆われる、支持フレーム11の外向き外周縁部18は、支持フレーム11の前方外周縁部17に対して垂直に延在している。この前方外周フレーム17は、支持フレーム11によって形成される平面と平行な、図面の座標系の平面YZと平行である。
【0037】
バッフルは、移動する流体の流れを妨害する装置、例えば、2つの支持フレーム間の外向きの、パルス状の流体のジグザグの通路をもたらす支持フレーム部材である。これらの部材は、一般に、支持フレームの周辺の全体にわたって延在する。
【0038】
外側バッフル13および内側バッフル15は、例えば、図面に示されているように一般に互いに平行に延在する壁である。しかしながら、より複雑な形状(図示せず)を考えることもできる。
【0039】
支持フレーム9、11が、互いに組み立てられたとき、外側バッフル13は、バッフルと平行に延在する、支持フレーム11の外向き外周縁部18を覆うか、または該外向き外周縁部18を包み、一方、内側バッフル15は、前方外周縁部17から所定の距離を隔てて(バッフルを担持する支持フレームの平面に対して垂直な方向において)支持フレーム11の前方外周縁部17に対向するように配置される。このように、内側バッフル15は、X方向において外側バッフル13よりも短い寸法を有し、内側バッフルは、外側バッフルの背後に(バッフルを担持する支持フレームの平面に対して垂直な方向において)配置されるようになっている。
【0040】
また、モータファンユニット3およびラジエータ5の支持フレーム9、11のそれぞれは、それぞれ、モータファンユニット3とラジエータ5との固定位置19、すなわち、
それぞれが2つの支持フレーム9、11のそれぞれの実質的に上方の角に配置され、かつ一般に同一である2つの上部固定位置19a、および
それぞれが支持フレーム9、11のそれぞれの実質的に下方の角に配置され、かつ一般に同一である2つの下部固定位置19b
の部材を用いて互いに取り付けられる。
【0041】
これらの部材19a、19bは、互いに同時に係合されることによって、2つ1組で協働するように配置される。
【0042】
支持フレーム9、11を互いに取り付ける位置において、
2つの上部固定位置19aは、同じ高さであってもよく(Y軸と平行な同じ水平線上にあってもよく)、同様に、2つの下部固定位置19bは、同じ高さであってもよく(Y軸と平行であってもよく)、および/または
支持フレーム9、11の同じ方の側部にある一方の上部固定位置19aおよび一方の下部固定位置19bは、同じ垂直線(Z軸と平行な)上に配置されてもよい。
【0043】
例では、2つの上部固定位置19aの部材は、同一であり、それぞれが、
モータファンユニット3の支持フレーム9と一体のピン19a1と、
ラジエータ5の支持フレーム11と一体のラグ19a2であって、(支持フレーム11と共に)U字形状のハウジングを形成し、その断面の形状がピン19a1の断面と相補的であるラグ19a2と
を備える。
【0044】
ピン19a1のそれぞれは、このU字形状のハウジング内を摺動するように形作られている。
【0045】
より詳細には、ピン19a1は、Y軸と平行に(支持フレーム9の平面と平行に)延在し、ラグ19a2は、平面XZと平行に(支持フレーム11の平面に対して垂直に)延在しており、この場合、ピン19a1のそれぞれが、対応するU字形状のハウジング内をZ軸と平行な摺動方向に従って摺動するようになっている。
【0046】
固定位置のピン19a1の断面は、これらのハウジング内でのピンの摺動を完全に案内するために、固定位置のラグ19a2と支持フレーム11との間に形成されたU字形状のハウジングの通路空間に対応する寸法に形成されている。
【0047】
これらの部材19a1、19a2は、モータファンユニット3の上部3aが、ラジエータ5から所定の距離を隔てて配置される(詳細には、組み立てられた支持フレーム9、11の平面に対して垂直なX軸に沿って)ように、組み立て時に互いに協働するように構成されている。この距離は、支持フレーム9、11間の狭い遊びを維持するために数ミリメートルのオーダー、例えば、1〜3mmのオーダーであってもよい。
【0048】
2つの下部固定位置19bも同様に同一であり、それぞれが、
モータファンユニット3の支持フレーム9と一体のピン19b1と、
ラジエータ5の支持フレーム11と一体のL字形状のラグ19b2であって、支持フレーム11と共にL字形状のハウジングを形成するL字形状のラグ19b2と
を備える(
図5)。このL字形状のハウジングは、ピン19b1の断面と相補的な形状の断面を有する。
【0049】
ピン19b1のそれぞれは、このL字形状のハウジング内を摺動するように形作られている。
【0050】
より詳細には、ピン19b1は、Y方向と平行に延在しており、L字形状のラグ19b2は、Z方向に延在する主ブランチP1およびX方向に延在し、かつ支持フレーム11と一体の下部ブランチP2を備える。
【0051】
したがって、L字形状のハウジングは、
ラグ19b2の主ブランチP1およびこのブランチP1と対向する、支持フレーム11の内面L1によって形成された主ブランチと、
ラグ19b2の下部ブランチP2、このブランチP2に対向する、支持フレーム11の面L3、ならびにブランチP2および面L3に隣接する、支持フレーム11の面L4によって形成された下部ブランチと
を備える。
【0052】
したがって、ピン19b1のそれぞれは、対応するL字形状のハウジングの主ブランチ内をZ軸と平行な摺動方向に従って摺動し、L字形状のハウジングの下部ブランチ内をX軸と平行な摺動方向に従って摺動する。
【0053】
一般に、L字部の「主ブランチ」は、最も長いブランチであり、L字部の「下部ブランチ」は、より短いブランチである。
【0054】
L字形状のハウジングは、ラジエータ5の支持フレーム11の側では、ラグ19b2のこの主ブランチP1と平行に、ラグ19b2の主ブランチP1に対向するように平面YZに配置された内面L1によって形成されている。
【0055】
その上端の側では、内面L1は、ピン19b1のための案内として機能することのできる傾斜面L2によって支持フレーム11の下部とつながっている。
【0056】
その下端の側では、内面L1は、ラグ19b2の下部ブランチP2と平行に延在する面L3と、面L1と平行であり、かつラグ19b2によって形成されたL字形状のハウジングの下部ブランチの底部を形成する面L4とを備える凹ショルダを形成している。
【0057】
内面L1は、支持フレーム11の前方外周縁部17から例えば約14〜15mmだけ離れている。この距離は、ピン19b1のそれぞれがそれぞれのL字形状のハウジングの主ブランチ内を摺動するときに、支持フレーム9、11の下部が互いに接触しないよう十分に離間されるように選択される。
【0058】
したがって、L字形状のハウジングの開口部は、ラグ19b2の主ブランチP1の一端に位置しており、また、このハウジングの底部は、支持フレーム11と一体のラグ19b2の他端に位置している。
【0059】
2つのU字形状のハウジングおよび2つのL字形状のハウジングの開口部は、同じ方向に、すなわち、Z軸に沿ってフレームの上縁の方に向けられている。
【0060】
これらの部材19b1、19b2は、ピン19b1が、L字形状のハウジングの主ブランチの内部に(ラグ19b2の部分P1とフレーム11の内面L1との間に、これらに向けて)挿入されるときにモータファンユニット3の下部3bとラジエータ5とを離間するために、および、ピン19b1がL字形状のハウジングの下部ブランチの底部まで面L4に向けて押圧されるときにX方向においてラジエータ5から所定の距離(例えば、1〜3mm)の位置までモータファンユニット3の下部3bを後ろに移動させるために、組み立て時に互いに協働するように構成されている。
【0061】
ロッキングクリップ19b3は、L字形状のハウジングの下部ブランチの底部において面L4対してピン19b1を固定するために、ラグ19b2の下部ブランチP2に配置されている(
図5および
図6)。図示の例におけるこのクリップ19b3は、弾性の舌状体であり、該弾性の舌状体は、ピン19b1の通路において引っ込み、ピンが舌状体を通過するとすぐにピンをブランチの底部の位置にロックするためにこれに向かって戻るようになっている。
【0062】
モータファンユニット3の下部ピン19b1の一方、例えば、右側のピン19b1(
図1および
図6の右側の部分の)は、その端部にディスクの形態をした横方向案内ヒール(lateral guide heel)cを備え、該横方向案内ヒールcは、面L1の縁に沿って横方向に摺動し、面L5に当接することを目的としている。この摺動は、ヒールcと面L5とのY方向における接触のため、横方向である。この面L5は、面L1に対して垂直に延在しており、面L1と支持フレーム11とをつないでいる。ヒールcは、互いに関する支持フレームの横方向の位置合わせの指標(Y軸に沿った)を維持することを目的としている。
【0063】
他方の支持フレームに関する一方の支持フレームの横方向の指標は、支持フレームが、支持フレームによって形成された平面と平行であり、かつ支持フレームの下縁または上縁と平行である方向(Y軸に沿った)において互いに位置合わせされることを意味している。
【0064】
このような横方向の指標は、2つの下部ピンおよび/または上部ピンの少なくとも1つに設けられてもよい。
【0065】
変形形態として、または組み合わせにおいて、この横方向の指標は、固定位置の少なくとも1つに作製された溝および対応する垂直リブのシステムからなってもよい。
【0066】
固定位置19のラグのそれぞれの上縁は、ラグ19a2、19b2によって形成されたハウジングの内部へのピン19a1、19b1の導入を容易にするために外側に向かって張り出されることが好適である。この張り出された上縁は、
図5においてP3として示されている。
【0067】
次に、組み立て工程について説明する。
【0068】
ラジエータ5が、車両のエンジンのエンジン室に事前に固定された状態で、以下の一連のステップが実行される。
【0069】
最初に、モータファンユニット3とラジエータ5との組み立ての事前位置合わせが実行されて、ピン19a1、19b1が、ラグ19a2、19b2の上方に配置され、U字形状のハウジングおよびL字形状のハウジングの開口部に嵌め込まれる準備がなされる(
図2)。
【0070】
ラグ19a2、19b2のそれぞれの、外側に向かって張り出された上縁P3(
図5において見ることができる)により、ラグ19a2、19b2と支持フレーム11との間のU字形状のハウジングおよびL字形状のハウジング内へのピン19a1、19b1の導入が容易になっている。
【0071】
横方向案内ヒールcが、面L1の縁に当てられ、面L5に当接され、これにより、Y方向における指標による位置合わせが確実になる。
【0072】
次に、外側バッフル13の上縁が、ラジエータ5の支持フレーム11の外向き外周縁部18上に配置され、モータファンユニット3の内側バッフル15の上部が、ラジエータ5の支持フレーム11の前方外周縁部17の上部に対向するように該上部に近付けられる。
【0073】
次に、ラジエータ5に対するモータファンユニット3の下方への移動(Z方向における)が実行される(
図3)が、このとき、横方向案内ヒールcは、面L5に接した状態で摺動し続ける。ピン19a1、19b1のそれぞれは、ピン19a1のためのU字形状のハウジングの底部に到達するか、または、ピン19b1のためのラグ19b2の下部ブランチP2に当たって停止するまで、対応するU字形状のハウジングおよびL字形状のハウジング内に向けて下方に摺動される。
【0074】
したがって、上部固定位置のラグ19a2および下部固定位置のラグ19b2は、ラグ19b2の主ブランチP1に沿った、これらのラグ19b2の下部ブランチP2までのピン19a2の摺動の長さが、ラグ19a2によって形成されたU字形状のハウジングの底部までのピン19a1の摺動の長さと同一となるように構成されることが好ましい。
【0075】
この下方への移動の最中に、
モータファンユニットの上部3aは、ラジエータ5の支持フレーム11の平面に対して垂直なX方向に関してラジエータ5に対して案内され、X方向におけるこの案内のために、このとき狭い遊びを、ラジエータ5とモータファンユニット3との間に維持することが可能であり(例えば、ラジエータ5から1〜3mm)、
下部3bは、ラジエータ5の支持フレーム11の面L1と前方外周縁部17との間に距離があるため、ラジエータ5から離間されて保持され、このとき、モータファンユニット3の外側バッフル13の下部は、この移動の最中、ラジエータ5に接触し、損傷を与える危険性(ラジエータからの漏れの危険性)を伴わずにラジエータ5から隔てて保持される。
【0076】
一般に、支持フレーム9および11の下部は、一方の支持フレームのバッフルが他方の支持フレームまたは他方の支持フレームと一体の部材に接触せず、損傷を与えないだけの所定の距離を置いて互いに離間されて保持される。この距離は、例えば、12〜15mm、好ましくは12mmであってもよい。
【0077】
例えば、上部固定位置のラグ19a2は、支持フレーム11の前方外周縁部17に固定されてもよく(この場合、この外周縁部17は、そのラグと共にU字形状のハウジングを形成する)、下部固定位置の内面L1は、支持フレーム9および11の下部の間隔を形成する所定の距離だけこの前方外周縁部17から離間されてもよい。
【0078】
下方への移動行程(Z方向における)の最後において、外側バッフル13の上部は、ラジエータ5の支持フレーム11の外向き外周縁部18を包むようになり、一方、内側バッフル15の上部は、ラジエータ5の支持フレームの前方外周縁部17からわずかな遊び(例えば、1〜3mm)(X方向における)を有する。
【0079】
下方への移動の最中に、外側バッフル13の下部は、ラジエータ5のフレームの前方外周縁部17の下部に対して変位され、これにより、下方への移動の最後においてラジエータ5のフレーム11の外周縁部18の下部を包むようになる。
【0080】
次に、モータファンユニット3の下部3bは、押圧によって、ラジエータ5に向けてX方向において横方向に移動されてもよく、この場合、下部固定位置のそれぞれのピン19b1は、ラグ19b2の下部ブランチP2を摺動し、行程の最後において面L4に当接するようになる(
図4)。弾性の舌状体のクリップ19b3が、ピン19b1の通路において引っ込み、これに対して戻って、L字形状のハウジングの下部ブランチの底部の適切な位置にピンをX方向においてロックする。次に、外側バッフル13の下部が、ラジエータ5の支持フレーム11の外向き外周縁部18の下部を覆い、外側バッフル13が、ラジエータ5の支持フレーム11の外向き外周縁部18の周辺の全体にわたって適用される。このとき、内側バッフル15は、X方向のわずかな遊び(例えば、1〜3mm)を有する状態で、ラジエータ5の支持フレーム11の前方外周縁部17に対向するように配置される。
【0081】
取り外しは、上述した組み立てと逆の方法で行われる。舌状体を押圧することによってクリップ19b3のロックを外し、次に、ピン19a1、19b1をそれぞれのハウジング内で摺動させ、その下部3bを離間させ続けながら、その下方への移動と反対の方法でラジエータ5に沿ってモータファンユニット3を持ち上げれば十分である。ピンが、ラグの上縁に到達すると、モータファンユニット3は、ラジエータ5から引き出すことができる。
【0082】
このように、本発明に係る装置は、ラジエータに損傷を与える危険性を伴わずにラジエータの前方の最小の空間において、封止バッフルを有するモータファンユニットとラジエータとを組み立てることを可能にする。
【0083】
一般に、バッフルを備える支持フレームは、固定ピンを備える支持フレームである。
【0084】
上述した例では、バッフルを備える支持フレームは、モータファンユニット3の支持フレームである。
【0085】
一般には使用されないが、封止バッフルは、モータファンユニットを包むためにラジエータのフレームに設けられてもよい。
【0086】
固定位置のピンが、ラジエータ(またはその支持フレーム)と一体であり、ラグが、モータファンユニットの部分を形成することも可能であり、この場合、これらのラグは、その開口部が下にくるように半回転させる必要がある。