特許第5932038号(P5932038)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ カーハーエス・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツングの特許一覧

特許5932038パック手段のための搬送システム及びこのような搬送システムを備えた、パック手段の処理のための装置
<>
  • 特許5932038-パック手段のための搬送システム及びこのような搬送システムを備えた、パック手段の処理のための装置 図000002
  • 特許5932038-パック手段のための搬送システム及びこのような搬送システムを備えた、パック手段の処理のための装置 図000003
  • 特許5932038-パック手段のための搬送システム及びこのような搬送システムを備えた、パック手段の処理のための装置 図000004
  • 特許5932038-パック手段のための搬送システム及びこのような搬送システムを備えた、パック手段の処理のための装置 図000005
  • 特許5932038-パック手段のための搬送システム及びこのような搬送システムを備えた、パック手段の処理のための装置 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5932038
(24)【登録日】2016年5月13日
(45)【発行日】2016年6月8日
(54)【発明の名称】パック手段のための搬送システム及びこのような搬送システムを備えた、パック手段の処理のための装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 65/00 20060101AFI20160526BHJP
   B65B 61/02 20060101ALI20160526BHJP
【FI】
   B65B65/00
   B65B61/02
【請求項の数】13
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-527508(P2014-527508)
(86)(22)【出願日】2012年6月29日
(65)【公表番号】特表2014-527004(P2014-527004A)
(43)【公表日】2014年10月9日
(86)【国際出願番号】EP2012002742
(87)【国際公開番号】WO2013029710
(87)【国際公開日】20130307
【審査請求日】2014年5月22日
(31)【優先権主張番号】102011112300.1
(32)【優先日】2011年9月2日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】598125028
【氏名又は名称】カーハーエス・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100173521
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100153419
【弁理士】
【氏名又は名称】清田 栄章
(72)【発明者】
【氏名】ヴァルハニオフスキー・ジューラ
【審査官】 二ッ谷 裕子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/038827(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/101007(WO,A1)
【文献】 特表2007−500658(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0169433(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0145901(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 59/00 − 65/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パック手段導入部(3)からパック手段排出部(10)へのパック手段(2)の搬送のための搬送システムであって、循環式に駆動可能な複数の搬送要素(4,6〜8,9)を備え、該搬送要素が前記パック手段(2)の搬送方向において互いに隣接しているとともに前記パック手段導入部(3)と前記パック手段排出部(10)の間のパック手段搬送区間(5)を形成し、該パック手段搬送区間(5)が複数のパック手段保持ユニット及びパック手段心合わせユニットあるいは円盤(11)のための閉じた搬送経路(12)の部分長さであり、前記パック手段保持ユニット及びパック手段心合わせユニットあるいは円盤が前記パック手段導入部(3)における前記各パック手段(2)の把持及び前記パック手段搬送区間(5)に沿った前記パック手段排出部(10)までの前記各パック手段(2)の連行のために形成されており、前記搬送経路(12)の別の部分長さ(12.2)を形成する、各パック手段(2)の開放後に前記パック手段排出部(10)から前記パック手段導入部(3)へ円盤(11)を戻すための円盤−還送−搬送区間を備えた、前記搬送システムにおいて、
前記パック手段搬送区間(5)を形成する前記円盤搬送経路(12)の前記部分長さ(12.1)と、前記円盤−還送−搬送区間を形成する前記円盤搬送経路(12)の前記部分長さ(12.2)とが、垂直方向に互いにずらされた異なる搬送面(TE1,TE2)内に設けられていること、及び前記パック手段搬送区間(5)と前記円盤−還送−搬送区間とが共通の前記搬送要素(4,6〜8,9)のみで形成されていることを特徴とする搬送システム。
【請求項2】
前記パック手段搬送区間(5)を形成する前記円盤搬送経路(12)の前記部分長さが、前記円盤−還送−搬送区間を形成する前記部分長さ(12.2)の下方又は下側の前記搬送面(TE1)において延在していることを特徴とする請求項1記載の搬送システム。
【請求項3】
前記搬送要素(4,6〜8,9)が、前記円盤(11)の収容、保持及び隣接する前記搬送要素(4,6〜8,9)から及びこれらへの引渡しのための手段を有する複数の円盤収容部(13,17)を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の搬送システム。
【請求項4】
前記円盤−還送−搬送区間に対応する前記搬送面(TE2)から前記パック手段搬送区間(5)に対応する前記搬送面(TE1)への前記円盤(11)の戻しのためのパック手段導入部の範囲における第1の搬送要素(4)と、前記パック手段搬送区間に対応する前記搬送面(TE1)から前記円盤−還送−搬送区間に対応する前記搬送面(TE2)への前記円盤(11)の引渡しのための前記パック手段排出部(10)における第2の搬送要素(9)とで特徴付けられた請求項1〜のいずれか1項に記載の搬送システム。
【請求項5】
前記第1の搬送要素(4)と前記第2の搬送要素(9)の間に少なくとも1つの第3の搬送要素(6〜8)設けられていることを特徴とする請求項4に記載の搬送システム。
【請求項6】
前記パック手段導入部(3)に設けられた前記第1の搬送要素及び/又は前記パック手段排出部(10)に設けられた前記第2の搬送要素が複数の円盤収容部(17)を有する導入スター(4,9)で形成されており、前記円盤収容部が、垂直方向の機械軸線周りに周回するよう駆動可能なロータ(16)の周囲においてピッチ間隔をもって設けられているとともに、前記ロータ(16)の回転運動に同期して少なくとも1つの下側及び上側の搬送面(TE1,TE2)の間前記機械軸線に対して平行に制御されつつ移動可能であることを特徴とする請求項又は5に記載の搬送システム。
【請求項7】
前記第1の搬送要素(4)と前記第2の搬送要素(9)の間に配置された少なくとも1つの第3の搬送要素(6〜8)が、垂直方向の機械軸線周りに周回式に駆動可能搬送要素であること、及び前記第3の搬送要素(6〜8)が、少なくとも、少なくとも2つの前記搬送面(TE1,TE2)においてその機械軸線周りに均等な角度間隔をもって分配されて、あるいは同一のピッチ間隔をもって前記円盤収容部(13)を備えていることを特徴とする請求項又は6に記載の搬送システム。
【請求項8】
前記パック手段導入部(3)と前記パック手段排出部(10)の間又は前記第1の搬送手段(4)と前記第3の搬送手段(6)の間及び/又は前記第2の搬送要素(9)と前記第3の搬送要素(8)の間に、それぞれ前記第1及び第2の搬送要素(4,9)の回転方向に互いに連続する2つの引渡し範囲(19,20;21,22)が形成され1つの引渡し範囲(19,22)が一方の搬送面(TE1)に形成され、もう1つの引渡し範囲(20,21)他方の搬送面(TE2)に形成されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の搬送システム。
【請求項9】
前記両搬送面(TE1,TE2)間の前記円盤収容部(17)の移動のための、前記第1及び第2の搬送要素(4,9)の制御手段及びストローク手段によって特徴付けられた、請求項1〜のいずれか1項に記載の搬送システム。
【請求項10】
前記第1及び第2の搬送要素(4,9)の前記円盤収容部(17)並びに少なくとも1つの前記第3の搬送要素(6〜8)の前記円盤収容部(13)がそれぞれ同一のピッチ間隔を備えていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の搬送システム。
【請求項11】
一方の搬送面(TE1)における少なくとも1つの前記第3の搬送要素(6〜8)の前記円盤収容部(13)がそこで延在する前記パック手段搬送区間(5)の前記部分長さ(12.1)の構成要素であるとともに、他の搬送面(TE2)における前記円盤収容部(13)が、そこで延在する前記円盤搬送経路(12)の前記部分長さ(12.2)の構成要素であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の搬送システム。
【請求項12】
当該搬送システムが前記パック手段導入部(3)と前記パック手段排出部(10)の間で前記パック手段搬送区間(5)に設けられ少なくとも1つの処理ステーションを備えた、前記パック手段(2)の処理のための装置の構成要素であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の搬送システム。
【請求項13】
複数のパック手段(2)の処理のための装置であって、前記パック手段(2)をパック手段導入部(3)からパック手段搬送区間(5)に沿ってパック手段排出部(10)へ搬送する搬送システム(1)を備え、前記搬送区間(5)処理ステーションが設けられた前記装置において、前記搬送システム(1)が請求項1〜12のいずれか1項に基づいて形成されていることを特徴とする装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部分に基づく搬送システム及び請求項13の前提部分に基づくパック手段の処理のための装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
請求項1の前提部分の特徴を有する搬送システムが知られている(特許文献1)。この搬送システムの特徴は、パック手段がパック手段導入部からパック手段排出部への搬送全体にわたってそれぞれ1つ又は同一の保持ユニット及び心合わせユニット(円盤)において保持されているとともに、保持ユニット及び心合わせユニットがパック手段排出部において初めて解放されることにある。そして、保持ユニット及び心合わせユニットは、円盤−還送−搬送区間においてパック手段排出部からパック手段導入部へ戻される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】独国特許出願公開第102009043497号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、高い動作安全性において、削減された構造的な手間によってコンパクトな構造において実現可能な冒頭に記載した種類の搬送システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題を解決するために、搬送システムが請求項1に対応して形成される。パック手段の処理のための装置は、請求項13の対象である。
【0006】
本発明による搬送システムは、パック手段搬送区間を形成する搬送要素の少なくとも一部、しかし好ましくはパック手段搬送区間の搬送要素全体が、同時に円盤−還送−搬送区間を形成するか、あるいは該円盤−還送−搬送区間が好ましくはパック手段搬送区間の搬送要素によってのみ形成されていることで卓越している。これにより、閉じた円盤循環部あるいは円盤の閉じた搬送経路、のための必要な搬送要素及び/又は必要な搬送区間の数が削減され、これに伴い搬送システム全体の取付容積も本質的に削減される。
【0007】
「パック手段」は、本発明においては、食料品分野及び特に飲料分野において通常使用され、特に例えばボトル、缶、また例えば板紙及び/又は合成樹脂フィルム及び/又は金属フィルムで製造される柔軟な包装材料である、包装材料又は容器である。
【0008】
「円盤」とは、本発明においてはパック手段のための保持ユニット、心合わせユニット及び整向ユニットと理解され、このユニットにおいては、各パック手段が、保持されつつ搬送システムのパック手段搬送区間を通してパック手段導入部からパック手段排出部へ移動される。ここで、この搬送システムは、好ましくは各パック手段の処理のために、各パック手段の制御された配向を生じさせるものである。ここで、円盤は、モータ式の駆動部を含むことができるか、又は自身が各パック手段のその垂直方向軸線周りの回転のためのモータ式の駆動部の一部である。
【0009】
このとき、個々の保持ユニット及び心合わせユニットは、例えば少なくとも駆動的に電気的なアクチュエータ又は少なくとも1つの機能要素、例えばこのようなアクチュエータのロータに固結されているか、又は搬送要素においてこれと共に連行されるアクチュエータが設けられている。そして、このアクチュエータは、各保持ユニット及び各心合わせユニットの引渡し後にこれに連結される。その結果、アクチュエータによって、パック手段あるいはゼロ位置の整向及び/又は印刷時のその軸線周りのパック手段の回転が行われ得る。回転角度特定あるいは制御のための適当なインクリメンタルエンコーダ、センサ並びに検出装置及びデータ処理装置が知られている。
【0010】
「搬送的に互いに連続する搬送要素又は搬送スター」は、本発明においては、当該搬送要素又は搬送スターが引渡し範囲において円盤を搬送方向において先行する隣接した搬送要素によって収容し、保持し、搬送方向に続く搬送要素へ更に案内するように形成された搬送要素又は搬送スターを意味している。
【0011】
「本質的に」あるいは「ほぼ」という表現は、本発明において、それぞれ正確な値から±10%、好ましくは±5%の偏差及び/又は機能に対して無意味な変更の形態の偏差を意味している。
【0012】
本発明の発展形成、利点及び応用可能性は、以下の実施例の説明及び図面から明らかである。このとき、記載及び/又は図示された全ての特徴は、それ自体に対して又は適宜の組合せにおいて、請求項又はその引用におけるまとめにかかわらず基本的に本発明の対象である。また、請求項の内容は、本明細書の一部である。
【0013】
特に保持ユニット及び心合わせユニットが開示及び請求されており、このユニットにおいては、パック手段、ボトル又は容器を保持するセカンダリ部分が垂直方向軸線周りに回転可能及び駆動可能にプライマリ部分に又はプライマリ部分内に枢支されているとともに、更にモータ式に駆動可能となっている。ここで、好ましい実施形態において、セカンダリ部分が電磁式のダイレクト駆動部のロータを形成し、各パック手段の制御された整向及び/又は回転を行うよう設定することが可能である。このために、好ましくはセカンダリ部分が永久磁石装置を備えており、この永久磁石装置は、電磁式のダイレクト駆動部のステータ又はこのステータを形成する電磁石装置と相互作用する。
【0014】
これに代えて、セカンダリ部分は、無段階に調整可能及び制御可能な電気モータ、特にサーボモータを含むか、又はメイン構成要素においてこのようなモータで構成されている。この場合、プライマリ部分は、メイン構成要素においてモータケーシングを含むか、あるいは無段階に調整可能及び制御可能なモータのモータケーシングで本質的に構成されている。
【0015】
各時点においてロータあるいはパック手段の角度位置である必要があるため、理想的には、セカンダリ部分において、場合によってはプライマリ部分においても、回転角度位置に対する少なくとも1つの符号化が設定されている。この符号化は、各作動位置において適当なセンサ又は読取ユニット、特に1つ又は複数のインクリメンタルセンサと相互作用する。さらに、プライマリ部分に代えて、又はこれに加えて、係合式の収容部、心合わせユニット又は連結要素が設けられ、その結果、セカンダリ部分のプライマリ部分に対する相対的な回転角度位置のみがセンサ、読取ユニットなどで検出可能に形成される必要があることにより、プライマリ部分が、その角度位置について、各処理位置に対して相対的に一義的に特定又は特定可能に構成されることができる。印刷セグメントあるいは印刷ヘッドに対する相対的な位置を、これに基づき導出することが可能である。
【0016】
通常の場合を表す特にPET空容器、PEN空容器、PE空容器又はPP空容器である空のパック手段の印刷時には、好ましくはパック手段がわずかに過圧下に置かれるべきである。このために、保持ユニット及び心合わせユニットにおいては、機械側又は印刷セグメント側に対する対置部材又はカウンタ部材が設けられており、この対置部材又はカウンタ部材は、一種の迅速継手として形成されている。これにより、例えば圧縮空気である蒸気状又は気体状の媒体がここでは円盤の中空の内部空間である内部の配管を通ってパック手段へ案内され得る。この内部の配管の下側の排出部は、理想的には、中央の心合わせ要素又は心合わせ円すい体を形成している。このために、少なくとも1つの搬送ユニット及び処理ユニットは、理想的には蒸気源又は気体源に接続されているか、又は適当なコンプレッサを含んでいる。
【0017】
有利には、連結部の対置要素が逆止弁として形成されているか、又は逆止弁が内部の配管に設けられている。これにより、例えば圧縮空気である蒸気状及び/又は気体状の媒体による付勢後にこの圧力がパック手段搬送区間あるいは印刷区間全体にわたってパック手段において受容される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】概略的な図示における、ボトルの形態のパック手段の処理のための装置の本発明による搬送システムの平面図である。
図2図1の搬送システムを示す簡略化された斜視図である。
図3図1及び図2の搬送システムの円盤の循環経路を示す概略図である。
図4】パック手段導入部を形成する搬送スターを拡大した斜視図である。
図5】パック手段排出部を形成する搬送スターを拡大した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0020】
図面において全般的に1の符号を付して示す搬送システムは、容器又はボトルの形態の複数のパック手段2の処理のための装置の構成部材である。特に、搬送システム1は、例えば好ましくはパック手段2の多色印刷である、例えば少なくとも1つの装飾を各パック手段2へ施すための装置の構成部材である。
【0021】
搬送システム1あるいはこの搬送システムを備えた装置の原理的な動作態様は、処理されるべきパック手段2がパック手段導入部3へ供給され、そこで不図示の装置によって必要な機械間隔へもたらされ、パック手段導入部3を形成する導入スター4を介してパック手段搬送区間5へ引き渡されるように記載される。搬送区間は、図示の実施形態においては、ロータ状に構成された、循環式に駆動されつつ搬送式に互いに接続された3つの搬送要素又は搬送スター6,7,8で形成されている。
【0022】
パック手段搬送区間5ではパック手段2の処理が行われ、これらパック手段は、このために、循環式の搬送要素6〜によって例えば各パック手段2へ多色印刷を施すための印刷ステーション又は印刷ヘッドである不図示の処理ステーションを通過して移動する。この処理の後、パック手段2は導出スター9を介してパック手段排出部10へ至り、このパック手段排出部を介して処理されたパック手段2が別の用途及び/又は処理へ供給される。このとき、パック手段2の具体的な搬送区間5.1すなわちパック手段2の上述の搬送要素に沿った経路は、破線で示唆されている。
【0023】
導入スター4、搬送スター6〜及び導出スターは、それぞれ垂直方向の機械軸線周りに周回するように駆動可能であり、特に、図1のために選択された図示では、時計回りにおける導入スター4が矢印Aに対応し、導入スター4に続く搬送スター6が反時計回りにおいて矢印Bに対応し、搬送スター6に続く搬送スター7が時計回りにおいて矢印Cに対応し、搬送スター7に続く搬送スター8が反時計回りにおいて矢印Dに対応し、搬送スター8に続く導出スター9が時計回りにおいて矢印Eに対応する。
【0024】
搬送システム1の特徴は、パック手段2がパック手段導入部3において、すなわちそこでの導入スター4への引渡し時に、それぞれそのパック手段上側又はパック手段開口部で、パック手段保持ユニット、パック手段心合わせユニット及びパック手段整向ユニットすなわち円盤11へ収容され、1つのあるいはこの円盤11へ懸吊されて保持されつつ搬送システム1全体を通してパック手段導入部3からパック手段導出部10まで移動することにある。まずは、パック手段導出部10において各パック手段2がそれに割り当てられた円盤11から解放される。空の円盤11すなわちパック手段2を有さない円盤は、搬送システム1にわたって、あるいは円盤−還送−搬送区間にわたってパック手段導入部3へ戻る。したがって、図3に対応して、閉鎖された搬送経路12が円盤11(円盤循環部)のために形成され、この搬送経路12では、円盤11は、そこで矢印Fに対応して移動し、特に図示の実施形態においては、下方の水平方向又は本質的に水平方向の搬送面TE1において、破線で示された部分区間12.1に沿って導入スター4から排出スター9へ移動し、上側の同様に水平方向の搬送面TE2において、円盤−還送−搬送区間を形成する部分区間12.2(点線で示す)において導出スター9から導入スター4へ戻る。
【0025】
搬送経路12全体は、図示の実施形態においては、単に導入スター4、搬送スター6〜8及び排出スター9にわたってのみ延びている。このとき、部分区間12.1は、蛇行状に多重に方向転換されたパック手段搬送経路5に相当し、このパック手段搬送経路では、円盤11に保持されたパック手段2がパック手段導入部3からパック手段排出部10へ搬送されるとともに、例えばその垂直方向のパック手段軸線周りの制御された回転又は旋回により心合わせ及び整向されたパック手段である、円盤11によって整向されたパック手段2の処理がなされる。部分区間12.2は、同様に蛇行状に多重に方向転換されているものの、部分区間12.1の延在とは逆になっている。そのほか、部分区間12,2は、図示の実施形態においては、部分区間12.1よりも短いものとなっている。
【0026】
搬送スター6〜8は、図示の実施形態においては、「2階建て」に形成されており、すなわち、これらは、垂直方向に互いにずらされた2つの平面内にある。これら平面は、下側の搬送面TE1あるいは上側の搬送面TE2に対応し、その周囲にはそれぞれ複数の円盤収容部13と共に形成されている。これら円盤収容部は、各円盤11の収容する役割を担うものであるとともに、均等な角度間隔において搬送スター6〜8の機械軸線周りに分配され、この軸線からの同様の径方向の間隔をもって設けられている。円盤収容部13は、把持手段及び/又は保持手段を備えており、特に、円盤1の収容のために、搬送方向に先行する搬送要素(導入スター4、導出スター9又は搬送スター6〜8)から搬送方向へ続く搬送要素への円盤11への円盤11の保持及び受け渡しのために形成されている。
【0027】
したがって、導入スター4、搬送スター6〜8及び導出スター9は、円盤11の閉じた搬送経路12における移動及び円盤に保持されたパック手段3の部分区間12.1での移動のための搬送要素を形成している。図示の実施形態においては、搬送スター6〜8は、同一であるとともに、下側の搬送面TE1の円盤収容部13の各搬送スター6〜8の回転軸線又は機械軸線からの径方向の間隔が上側の搬送面TE2における円盤収容部13の回転軸線又は機械軸線からの間隔と同じ間隔であるよう構成されている。
【0028】
各図に示されているように、搬送スター6〜8は、例えばリングかご状及び/又はスポークホイール状に形成されており、この形成のより簡易な図示のために、単に下側のリング14及び上側のリング15が示されている。これらリングの周囲には、円盤収容部13が設けられている。
【0029】
導入スター4及び導出スター9は、図示の実施形態においては同一に形成されているとともに、特に、当該ロータの周囲において均等な角度間隔で、かつ、回転軸線又は機械軸線から等間隔で配置された複数の収容部17で構成されたそれぞれ垂直方向の軸周りに循環して駆動可能なロータ16で構成されている。これら収容部は、ここでもそれぞれ例えばグリッパである、適当な保持要素、収容要素及び引渡し要素又は保持手段、収容手段及び引渡し手段を円盤11のために備えている。
【0030】
収容部17が導入スター4及び導出スター9において互いに備えるピッチ間隔は、搬送面TE1及びTE2における円盤収容部13が搬送スター6〜8において互いに有するピッチ間隔と同一である。そのため、搬送スター6〜8のいずれかの円盤収容部13が2つの隣接する搬送スター6〜8の間の引渡し範囲18に至ると、同期して駆動される搬送要素(導入スター4、導出スター9及び搬送スター6〜8)においては、常にそこで隣接する搬送スター6〜8の円盤収容部13が円盤11の引渡し及び/又は収用のために提供されていることになる。さらに、導入スター4の2つの円盤収容部17が導入スター4と隣接する搬送スター6の間における両引渡し範囲19及び20に至ったか、又は導出スター9の2つの円盤収容部17が導出スター9と隣接する搬送スター8の間の両引渡し範囲21あるいは22へ至った場合に、常にそれぞれにおいてこの引渡し範囲がそれぞれ円盤11の引渡し又は収容のための円盤収容部13を提供する。引渡し範囲18は、それぞれ対状に設けられており、特に1つの引渡し範囲18が下側の搬送面TE1に設けられ、もう1つの引渡し範囲が上側の搬送面TE2に設けられる。
【0031】
図2に示されているように、導入スター4の複数の円盤収容部17は、制御されつつ垂直方向において搬送面TE1とTE2の間で移動可能であり、特に、導入スター4の回転運動に同期して、例えば制御カムによって制御されつつ、収容部17がパック手段導入部3と引渡し範囲19の間の導入スター4の回転運動の角度範囲で下側搬送面TE1上を移動するように制御される。したがって、パック手段2を包含する円盤11は、引渡し範囲19においてそれぞれ下側の搬送面TE1における搬送スター6の円盤収容部13へ送られる。引渡し範囲19と引渡し範囲20の間の導入スター4の回転運動の角度範囲において、円盤収容部17が上側の搬送面TE2へ持ち上げられる。その結果、円盤収容部は、搬送スター6の上側の搬送面TE2の円盤収容部13を介して戻される円盤11を引渡し範囲20において収容することが可能である。図4には、これにつづいて、引渡し範囲20とパック手段導入部3の間の導入スター4の回転運動の角度範囲においてどのように円盤収容部17が再び下側の搬送面TE1へ下降するかが詳細に示されており、パック手段がないかあるいは空の円盤11.1は、明確化のために上側において点を打ってあるいは灰色で示されている。
【0032】
導出スター9の円盤収容部17は、同様に制御されつつこのスターの回転運動に同期して下側の搬送面TE1と上側の搬送面TE2の間で移動し、特に隣接する搬送スター8からのパック手段2を有する円盤11の収容のため及び下側の搬送面TE1におけるパック手段排出部10への更なる案内のために、円盤収容部は、引渡し範囲22とパック手段排出部10の間での導出スター9の回転運動の角度範囲において下側の搬送面TE1で移動する。パック手段排出部10と引渡し範囲21の間での導出スター9の回転運動の角度範囲においては、円盤収容部17が特に搬送面TE2における搬送スター8の円盤収容部13への円盤の引渡しのために上側の搬送面TE2へ持ち上げられる。引渡し範囲21と引渡し範囲22の間での導出スター9の回転運動の角度範囲においては、円盤収容部17が再び下側の搬送面TE1へ下降する。
【0033】
特に図1からも分かるように、引渡し範囲18〜22は、それぞれ搬送スター6〜8の回転運動の大きい方の角度範囲が下側の搬送面TE1において延在する搬送経路12の一部12.1を形成するように配置されている。この搬送経路上では、パック手段2の処理も行われる。さらに、図示の実施形態においては、導入スター4において下側の搬送面TE1から上側の搬送面TE2への円盤収容部17の持上げが2つの円盤収容部17のピッチ間隔に対応する小さな角度範囲においてなされるとともに、搬送面TE1への円盤収容部17の下降が円盤収容部17の数倍のピッチ間隔に相当する比較的大きな導入スター4の回転運動の角度範囲においてなされる。
【0034】
導出スター9においては、逆に、搬送面TE1への円盤収容部17の下降が2つの円盤収容部17のピッチ間隔に相当する小さな角度範囲においてなされるとともに、円盤収容部17の持上げが円盤収容部17の数倍のピッチ間隔に相当する比較的大きな回転運動の角度範囲においてなされる。
【0035】
円盤11が搬送面TE1においてパック手段2と共に移動するため、搬送面TE1とTE2の間の間隔及びこのとき特にこれら搬送面の間の円盤収容部17の移動ストロークが小さく維持される。これは、引渡し範囲19と20あるいは21と22の間の小さな角度範囲における円盤収容部17の移動ストロークのために少なくとも必要である。
【0036】
本発明は、上述のように1つの実施例において記載された。本発明の基礎をなす発明の思想を離れない限り、変更及びバリエーションが可能であることは自明である。
【符号の説明】
【0037】
1 搬送システム
2 パック手段
3 パック手段導入部
4 導入スター
5 搬送区間
6〜8 搬送スター
9 導出スター
10 パック手段排出部
11 円盤
12 搬送経路
12.1,12.2 搬送経路12の部分長さ
13 円盤収容部
14,15 リング
16 ロータ
17 円盤収容部
18〜22 引渡し範囲
A 導入スター4の回転方向
B〜D 搬送スター6〜8の回転方向
E 導出スター9の回転方向
図1
図2
図3
図4
図5