(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
被計量物の目標重量未満の被計量物が、ボリューム投入重量分、供給されることにより、前記被計量物が計量されるとともに、計量後の前記被計量物が排出される大投入計量ホッパと、
前記被計量物の重量が異なる比率重で調整された被計量物がそれぞれ供給されることにより、前記被計量物の重量に基づいた組合せ演算が行われ、前記組合せ演算の結果に基づいて前記被計量物が排出される複数の中投入計量ホッパと、
前記ボリューム投入重量よりも軽い小投入排出重量分の被計量物が排出される小投入計量ホッパと、
検知手段から出力される出力信号を受け取ることができる制御器と、
を備える計量装置であって、
前記制御器は、前記出力信号に基づいて、前記被計量物の計量速度に相関する、前記計量装置の自己診断および自己復帰用の監視項目を導くことができる、計量装置。
前記小投入計量ホッパは、ロスイン計量に用いられ、前記被計量物が、前記小投入排出重量としてのロスイン排出重量分、ロスイン排出されるロスインホッパである、請求項1に記載の計量装置。
【発明を実施するための形態】
【0059】
以下、本発明の実施形態による計量装置の具体的な構成例について、図面を参照しながら説明する。
【0060】
なお、以下では全ての図面を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する場合がある。
【0061】
また、以下の具体的な説明は、上記計量装置の特徴を例示しているに過ぎない。例えば、上記計量装置を特定した用語と同じ用語或いは相当する用語に適宜の参照符号を付して以下の具体例を説明する場合、当該具体的な構成要素は、これに対応する上記計量装置の構成要素の一例である。
【0062】
従って、上記計量装置の特徴は、以下の具体的な説明によって限定されない。
【0063】
(実施形態)
図1は、本発明の実施形態によるパッカースケール(計量装置)の一例を示した図である。
図2は、
図1のパッカースケールを鉛直方向に見た図である。
図2(a)では、
図1(a)のパッカースケール100をIIA−IIA視した図が示されている。
図2(b)では、
図1(b)のパッカースケール100をIIB−IIB視した図が示されている。
【0064】
図1および
図2に示すように、本実施形態のパッカースケール100は、包装機(図示せず)への被計量物(例えば、樹脂ペレット)の大投入(多量投入)が行われる大投入計量部10と、包装機への被計量物の中投入(中量投入)が行われる中投入計量部50と、包装機への被計量物の小投入(少量投入)が行われる小投入計量部30と、を備える。
【0065】
なお、以下の説明の便宜上、
図1において(
図2、
図3および
図4も同じ)、被計量物が、大投入計量部10の途中(鉛直高さH)から中投入計量部50および小投入計量部30に、被計量物が振り分けられる方向を「左右方向」としている。そして、中投入計量部50の主要部が配置されている側を「左」、小投入計量部30が配置されている側を「右」としている。
【0066】
また、重力が作用する方向を鉛直方向(図示せず)として、「上方」(図示せず)から「下方」(図示せず)に重力が作用するものとする。
【0067】
また、上記左右方向および鉛直方向に垂直な方向を前後方向としている。そして、
図1(a)を紙面の手前側を「前」、奥側を「後」として示している。
【0068】
また、
図1(a)では、パッカースケール100の小投入計量部30の構成を理解し易くする趣旨で、パッカースケール100の右側に配置されている中投入計量部50の構成要素(後述の第4中投入計量部50D)の図示が省略されている。
【0069】
また、
図1(b)では、パッカースケール100の大投入計量部10の構成を理解し易くする趣旨で、パッカースケールの100の大投入計量部10の構成のみを図示している。
【0070】
なお、パッカースケール100の左側に配置される中投入計量部50の主要部(後述の第1、第2および第3中投入計量部50A、50B、50C)の構成は、
図3において図示されている。また、パッカースケール100の右側に配置される中投入計量部50の一部(後述の第4中投入計量部50D)および小投入計量部30の構成は、
図4において図示されている。また、パッカースケール100の制御系の一例は、
図5において図示されている。
【0071】
[大投入計量部の構成]
まず、本実施形態のパッカースケール100の大投入計量部10の構成について図面を参照しながら詳しく説明する。
【0072】
図1に示すように、大投入計量部10は、鉛直方向に立設する計量ホッパ本体20と、計量ホッパ本体20の下方に配された大投入計量ホッパ21と、を備える。
【0073】
計量ホッパ本体20は、
図1および
図2に示す如く、パッカースケール100の中央部に配され、上端部11と下端部とを備える箱体となっている。
【0074】
計量ホッパ本体20の上端部11の後寄りの中央部には、
図2(b)に示すように、被計量物供給用の円形の供給口12が形成されている。この供給口12を介して被計量物が、計量ホッパ本体20内に投入される。
【0075】
また、計量ホッパ本体20の上端部11の前側の隅には、
図2(b)に示すように、一対のメッシュ状のエアー抜き部13が設けられている。計量ホッパ本体20の供給口12から被計量物を投入する場合、被計量物がエアーを抱き込むことがある。そこで、本実施形態のパッカースケール100は、計量ホッパ本体20内のエアーを、エアー抜き部13を用いて排気するように構成されている。これにより、計量ホッパ本体20内の被計量物の嵩密度が一定に保たれる。
【0076】
計量ホッパ本体20の下端部には被計量物排出用の排出口(図示せず)が形成されてい
る。これにより、被計量物が、本排出口から計量ホッパ本体20外(ここでは、大投入計量ホッパ21内)に排出される。
【0077】
但し、計量ホッパ本体20の排出口から被計量物を排出しない場合(計量ホッパ本体20内に被計量物を一時保持する場合)、この排出口を、
図1に示すように、一対の大投入カットゲート15A、15Bを用いて塞ぐことができる。
【0078】
大投入カットゲート15A、15Bはそれぞれ、
図1(b)に示す如く、回転軸14A、14Bを中心に前後方向に揺動可能に構成されている。つまり、大投入カットゲート15A、15Bは、上記回転軸14A、14Bがそれぞれ、ACサーボモータ14(
図1(a)、
図2および
図5参照)の駆動力を用いて回転することにより、前後に2分されるように動く。なお、このとき、大投入カットゲート15A、15Bの開度は、
図5に示すように、ロータリエンコーダ70を用いて、大投入計量部制御用の指示制御器71により制御されている。
【0079】
このようにして、計量ホッパ本体20の排出口が、大投入カットゲート15A、15Bを用いて開放され、これにより、計量ホッパ本体20内の所定量の被計量物が、大投入計量ホッパ21内に供給される。なお、
図5に示すように、ACサーボモータ14の駆動は、ACサーボドライバ74を用いて指示制御器71により制御されている。
【0080】
大投入計量ホッパ21は、
図1に示すように、計量ホッパ本体20から供給された被計量物を一時保持し、その下方に配置された集合シュート22へ被計量物を排出するための大投入計量ホッパ本体21Aおよび一対の大投入計量ホッパゲート18A、18Bを備える。
【0081】
また、大投入計量ホッパ21は、4個のロードセルLC1、LC2、LC3、LC4に連結され、これらのロードセルLC1、LC2、LC3、LC4により支持されている。なお、ロードセルLC1、LC2、LC3、LC4は、パッカースケール100の架台に固定されている。
【0082】
そして、
図5に示すように、ロードセルLC1、LC2、LC3、LC4のそれぞれから出力される荷重信号(電気信号)は、周知の信号処理回路(A/D変換器、アンプ、フィルタ等;図示せず)を経て指示制御器71に入力される。
【0083】
大投入計量ホッパ21の下方には、
図1に示すように、集合シュート22が配設されている。大投入計量ホッパ21から排出される被計量物は、集合シュート22上を滑り落ちてその下部の排出口(図示せず)から、例えば、包装機(図示せず)に送られる。
【0084】
大投入計量ホッパゲート18A、18Bはそれぞれ、
図1(a)に示す如く、公知のトグル機構を備えるリンク部を用いて左右にスイング移動可能に構成されている。つまり、大投入計量ホッパゲート18A、18Bは、上記リンク部が、ロータリアクチュエータ17(
図5参照)の駆動力を用いて移動することにより、左右に2分されるように動く。なお、
図5に示すように、ロータリアクチュエータ17の駆動は、指示制御器71により制御されている。
【0085】
以上により、本実施形態のパッカースケール100では、指示制御器71は、大投入計量ホッパ本体21A内の被計量物の重量をロードセルLC1、LC2、LC3、LC4のそれぞれから出力される荷重信号に基づいて計量できる。その後、指示制御器71が、例えば、包装機からの被計量物の排出許可信号を受け取った場合、大投入計量ホッパ21の排出口が、大投入計量ホッパゲート18A、18Bによって開放されると、計量後の被計
量物が、集合シュート22に送られる。
【0086】
[中投入計量部の構成]
以下、本実施形態のパッカースケール100の中投入計量部50の構成について図面を参照しながら詳しく説明する。
【0087】
図1、
図2および
図3に示すように、中投入計量部50は、第1中投入計量部50Aと、第2中投入計量部50Bと、第3中投入計量部50Cと、を備える。また、
図2および
図4に示すように、中投入計量部50は、第4中投入計量部50Dも備える。
【0088】
<第1中投入計量部50Aの構成>
まず、第1中投入計量部50Aの構成について述べる。
【0089】
第1中投入計量部50Aは、
図2および
図3に示す如く、第1中投入シュート61と、第1中投入シュート61の下方に配された第1中投入計量ホッパ64と、を備える。
【0090】
また、第1中投入シュート61は、
図2および
図3に示す如く、パッカースケール100の左側かつ前方側に配されて、上端部と下端部61B(
図3参照)とを備えて鉛直方向に立設する略円筒体となっている。また、第1中投入シュート61の内部(上端部)は、計量ホッパ本体20の左側面に接続される中空構造の中継部60(
図1も参照)と、この中継部60の下端部において前側に分岐する中空構造の第1中投入分岐部60Aと、を用いて、計量ホッパ本体20の内部に連通している。
【0091】
第1中投入シュート61の下端部61Bには被計量物排出用の排出口(図示せず)が形成されている。これにより、被計量物が、本排出口から第1中投入シュート61外(ここでは、第1中投入計量ホッパ64内)に排出される。
【0092】
但し、第1中投入シュート61の排出口から被計量物を排出しない場合(第1中投入シュート61内に被計量物を一時保持する場合)、この排出口を、
図3に示すように、第1中投入カットゲート54を用いて塞ぐことができる。
【0093】
第1中投入カットゲート54は、
図3に示す如く、回転軸51Aを中心に前後方向に揺動可能に構成されている。つまり、第1中投入シュート61の排出口の直下に置かれた第1中投入カットゲート54は、上記回転軸51Aが、ロータリアクチュエータ51(
図1、
図2および
図5参照)の駆動力を用いて回転することにより、後方に後退するように動く。
【0094】
このようにして、第1中投入シュート61の排出口が、第1中投入カットゲート54を用いて開放され、これにより、第1中投入シュート61内の所定量の被計量物が、第1中投入計量ホッパ64内に供給される。なお、
図5に示すように、ロータリアクチュエータ51の駆動は、中投入計量部制御用の指示制御器73により制御されている。
【0095】
第1中投入計量ホッパ64は、
図1および
図3に示すように、第1中投入シュート61から供給された被計量物を一時保持し、その下方に配置された集合シュート22(
図1参照)へ被計量物を排出するための第1中投入計量ホッパ本体64Aおよび第1中投入計量ホッパゲート67を備える。
【0096】
また、第1中投入計量ホッパ64は、
図1および
図5に示すように、ロードセルLC5に連結され、このロードセルLC5により支持されている。なお、ロードセルLC5は、パッカースケール100の架台に固定されている。
【0097】
そして、
図5に示すように、ロードセルLC5から出力される荷重信号(電気信号)は、周知の信号処理回路(A/D変換器、アンプ、フィルタ等;図示せず)を経て指示制御器73に入力される。
【0098】
また、第1中投入計量ホッパ64の下方には、
図1に示すように、集合シュート22が配設されている。第1中投入計量ホッパ64から排出される被計量物は、集合シュート22上を滑り落ちてその下部の排出口(図示せず)から、例えば、包装機(図示せず)に送られる。
【0099】
また、第1中投入計量ホッパゲート67は、
図1(a)に示す如く、公知のトグル機構およびロータリアクチュエータ57(
図5も参照)の駆動力を用いて開閉可能に構成されている。なお、
図5に示すように、ロータリアクチュエータ57の駆動は、指示制御器73により制御されている。また、第1中投入計量ホッパゲート67の駆動装置として、ロータリアクチュエータ57の他にもステッピングモータを用いてもよい。
【0100】
以上により、本実施形態のパッカースケール100では、指示制御器73は、第1中投入計量ホッパ本体64A内の被計量物の重量をロードセルLC5から出力される荷重信号に基づいて計量できる。その後、指示制御器73が、例えば、包装機からの被計量物の排出許可信号を受け取った場合、第1中投入計量ホッパ64の排出口が、第1中投入計量ホッパゲート67によって開放されると、計量後の被計量物が、集合シュート22に送られる。
【0101】
<第2中投入計量部50Bの構成>
次に、第2中投入計量部50Bの構成について述べる。
【0102】
第2中投入計量部50Bは、
図2および
図3に示す如く、第2中投入シュート62と、第2中投入シュート62の下方に配された第2中投入計量ホッパ65と、を備える。
【0103】
また、第2中投入シュート62は、
図2および
図3に示す如く、パッカースケール100の左側かつ中央部に配されて、上端部と下端部62B(
図3参照)とを備えて鉛直方向に立設する略円筒体となっている。また、第2中投入シュート62の内部(上端部)は、計量ホッパ本体20の左側面に接続される中空構造の中継部60(
図1も参照)と、この中継部60の下端部において中央に分岐する中空構造の第2中投入分岐部60Bと、を用いて、計量ホッパ本体20の内部に連通している。
【0104】
第2中投入シュート62の下端部62Bには被計量物排出用の排出口(図示せず)が形成されている。これにより、被計量物が、本排出口から第2中投入シュート62外(ここでは、第2中投入計量ホッパ65内)に排出される。
【0105】
但し、第2中投入シュート62の排出口から被計量物を排出しない場合(第2中投入シュート62内に被計量物を一時保持する場合)、この排出口を、
図3に示すように、第2中投入カットゲート55を用いて塞ぐことができる。
【0106】
第2中投入カットゲート55は、
図3に示す如く、回転軸52Aを中心に前後方向に揺動可能に構成されている。つまり、第2中投入シュート62の排出口の直下に置かれた第2中投入カットゲート55は、上記回転軸52Aが、ロータリアクチュエータ52(
図1、
図2および
図5参照)の駆動力を用いて回転することにより、後方に後退するように動く。
【0107】
このようにして、第2中投入シュート62の排出口が、第2中投入カットゲート55を用いて開放され、これにより、第2中投入シュート62内の所定量の被計量物が、第2中投入計量ホッパ65内に供給される。なお、
図5に示すように、ロータリアクチュエータ52の駆動は、指示制御器73により制御されている。
【0108】
第2中投入計量ホッパ65は、
図1および
図3に示すように、第2中投入シュート62から供給された被計量物を一時保持し、その下方に配置された集合シュート22(
図1参照)へ被計量物を排出するための第2中投入計量ホッパ本体65Aおよび第2中投入計量ホッパゲート68を備える。
【0109】
また、第2中投入計量ホッパ65は、
図1および
図5に示すように、ロードセルLC6に連結され、このロードセルLC6により支持されている。なお、ロードセルLC6は、パッカースケール100の架台に固定されている。
【0110】
そして、
図5に示すように、ロードセルLC6から出力される荷重信号(電気信号)は、周知の信号処理回路(A/D変換器、アンプ、フィルタ等;図示せず)を経て指示制御器73に入力される。
【0111】
また、第2中投入計量ホッパ65の下方には、
図1に示すように、集合シュート22が配設されている。第2中投入計量ホッパ65から排出される被計量物は、集合シュート22上を滑り落ちてその下部の排出口(図示せず)から、例えば、包装機(図示せず)に送られる。
【0112】
また、第2中投入計量ホッパゲート68は、
図1(a)に示す如く、公知のトグル機構およびロータリアクチュエータ58(
図5も参照)の駆動力を用いて開閉可能に構成されている。なお、
図5に示すように、ロータリアクチュエータ58の駆動は、指示制御器73により制御されている。また、第2中投入計量ホッパゲート68の駆動装置として、ロータリアクチュエータ58の他にもステッピングモータを用いてもよい。
【0113】
以上により、本実施形態のパッカースケール100では、指示制御器73は、第2中投入計量ホッパ本体65A内の被計量物の重量をロードセルLC6から出力される荷重信号に基づいて計量できる。その後、指示制御器73が、例えば、包装機からの被計量物の排出許可信号を受け取った場合、第2中投入計量ホッパ65の排出口が、第2中投入計量ホッパゲート68によって開放されると、計量後の被計量物が、集合シュート22に送られる。
【0114】
<第3中投入計量部50Cの構成>
次に、第3中投入計量部50Cの構成について述べる。
【0115】
第3中投入計量部50Cは、
図2および
図3に示す如く、第3中投入シュート63と、第3中投入シュート63の下方に配された第3中投入計量ホッパ66と、を備える。
【0116】
また、第3中投入シュート63は、
図2および
図3に示す如く、パッカースケール100の左側かつ後方側に配されて、上端部と下端部63B(
図3参照)とを備えて鉛直方向に立設する略円筒体となっている。また、第3中投入シュート63の内部(上端部)は、計量ホッパ本体20の左側面に接続される中空構造の中継部60(
図1も参照)と、この中継部60の下端部において後側に分岐する中空構造の第3中投入分岐部60Cと、を用いて、計量ホッパ本体20の内部に連通している。
【0117】
第3中投入シュート63の下端部63Bには被計量物排出用の排出口(図示せず)が形
成されている。これにより、被計量物が、本排出口から第3中投入シュート63外(ここでは、第3中投入計量ホッパ66内)に排出される。
【0118】
但し、第3中投入シュート63の排出口から被計量物を排出しない場合(第3中投入シュート63内に被計量物を一時保持する場合)、この排出口を、
図3に示すように、第3中投入カットゲート56を用いて塞ぐことができる。
【0119】
第3中投入カットゲート56は、
図3に示す如く、回転軸53Aを中心に前後方向に揺動可能に構成されている。つまり、第3中投入シュート63の排出口の直下に置かれた第3中投入カットゲート56は、上記回転軸53Aが、ロータリアクチュエータ53(
図1、
図2および
図5参照)の駆動力を用いて回転することにより、後方に後退するように動く。
【0120】
このようにして、第3中投入シュート63の排出口が、第3中投入カットゲート56を用いて開放され、これにより、第3中投入シュート63内の所定量の被計量物が、第3中投入計量ホッパ66内に供給される。なお、
図5に示すように、ロータリアクチュエータ53の駆動は、指示制御器73により制御されている。
【0121】
第3中投入計量ホッパ66は、
図1および
図3に示すように、第3中投入シュート63から供給された被計量物を一時保持し、その下方に配置された集合シュート22(
図1参照)へ被計量物を排出するための第3中投入計量ホッパ本体66Aおよび第3中投入計量ホッパゲート69を備える。
【0122】
また、第3中投入計量ホッパ66は、
図1および
図5に示すように、ロードセルLC7に連結され、このロードセルLC7により支持されている。なお、ロードセルLC7は、パッカースケール100の架台に固定されている。
【0123】
そして、
図5に示すように、ロードセルLC7から出力される荷重信号(電気信号)は、周知の信号処理回路(A/D変換器、アンプ、フィルタ等;図示せず)を経て指示制御器73に入力される。
【0124】
また、第3中投入計量ホッパ66の下方には、
図1に示すように、集合シュート22が配設されている。第3中投入計量ホッパ66から排出される被計量物は、集合シュート22上を滑り落ちてその下部の排出口(図示せず)から、例えば、包装機(図示せず)に送られる。
【0125】
また、第3中投入計量ホッパゲート69は、
図1(a)に示す如く、公知のトグル機構およびロータリアクチュエータ59(
図5も参照)の駆動力を用いて開閉可能に構成されている。なお、
図5に示すように、ロータリアクチュエータ59の駆動は、指示制御器73により制御されている。また、第3中投入計量ホッパゲート69の駆動装置として、ロータリアクチュエータ59の他にもステッピングモータを用いてもよい。
【0126】
以上により、本実施形態のパッカースケール100では、指示制御器73は、第3中投入計量ホッパ本体66A内の被計量物の重量をロードセルLC7から出力される荷重信号に基づいて計量できる。その後、指示制御器73が、例えば、包装機からの被計量物の排出許可信号を受け取った場合、第3中投入計量ホッパ66の排出口が、第3中投入計量ホッパゲート69によって開放されると、計量後の被計量物が、集合シュート22に送られる。
【0127】
<第4中投入計量部50Dの構成>
次に、第4中投入計量部50Dの構成について述べる。
【0128】
第4中投入計量部50Dは、
図2および
図4に示す如く、第4中投入シュート43と、第4中投入シュート43の下方に配された第4中投入計量ホッパ44と、を備える。
【0129】
また、第4中投入シュート43は、
図2および
図4に示す如く、パッカースケール100の右側かつ前方側に配されて、上端部と下端部43B(
図4参照)とを備えて鉛直方向に立設する略円筒体となっている。また、第4中投入シュート43の内部(上端部)は、計量ホッパ本体20の右側面に接続される中空構造の中継部40(
図1も参照)と、この中継部40の下端部において前方に分岐する中空構造の第4中投入分岐部40Bと、を用いて、計量ホッパ本体20の内部に連通している。
【0130】
第4中投入シュート43の下端部43Bには被計量物排出用の排出口(図示せず)が形成されている。これにより、被計量物が、本排出口から第4中投入シュート43外(ここでは、第4中投入計量ホッパ44内)に排出される。
【0131】
但し、第4中投入シュート43の排出口から被計量物を排出しない場合(第4中投入シュート43内に被計量物を一時保持する場合)、この排出口を、
図4に示すように、第4中投入カットゲート37を用いて塞ぐことができる。
【0132】
第4中投入カットゲート37は、
図4に示す如く、回転軸36Aを中心に左右方向に揺動可能に構成されている。つまり、第4中投入シュート43の排出口の直下に置かれた第4中投入カットゲート37は、上記回転軸36Aが、ロータリアクチュエータ36(
図2および
図5も参照)の駆動力を用いて回転することにより、後退するように動く。
【0133】
このようにして、第4中投入シュート43の排出口が、第4中投入カットゲート37を用いて開放され、これにより、第4中投入シュート43内の所定量の被計量物が、第4中投入計量ホッパ44内に供給される。なお、
図5に示すように、ロータリアクチュエータ36の駆動は、指示制御器73により制御されている。
【0134】
第4中投入計量ホッパ44は、
図4に示すように、第4中投入シュート43から供給された被計量物を一時保持し、その下方に配置された集合シュート22(
図1参照)へ被計量物を排出するための第4中投入計量ホッパ本体44Aおよび第4中投入計量ホッパゲート38を備える。
【0135】
また、第4中投入計量ホッパ44は、ロードセルLC9(
図5参照)に連結され、このロードセルLC9により支持されている。なお、ロードセルLC9は、パッカースケール100の架台に固定されている。
【0136】
そして、
図5に示すように、ロードセルLC9から出力される荷重信号(電気信号)は、周知の信号処理回路(A/D変換器、アンプ、フィルタ等;図示せず)を経て指示制御器73に入力される。
【0137】
また、第4中投入計量ホッパ44の下方には、
図1に示すように、集合シュート22が配設されている。第4中投入計量ホッパ44から排出される被計量物は、集合シュート22上を滑り落ちてその下部の排出口(図示せず)から、例えば、包装機(図示せず)に送られる。
【0138】
また、第4中投入計量ホッパゲート38は、図示しない公知のトグル機構およびロータリアクチュエータ39(
図5参照)の駆動力を用いて開閉可能に構成されている。なお、
図5に示すように、ロータリアクチュエータ39の駆動は、指示制御器73により制御されている。また、第4中投入計量ホッパゲート38の駆動装置として、ロータリアクチュエータ39の他にもステッピングモータを用いてもよい。
【0139】
以上により、本実施形態のパッカースケール100では、指示制御器73は、第4中投入計量ホッパ本体44A内の被計量物の重量をロードセルLC9から出力される荷重信号に基づいて計量できる。その後、指示制御器73が、例えば、包装機からの被計量物の排出許可信号を受け取った場合、第4中投入計量ホッパ44の排出口が、第4中投入計量ホッパゲート38によって開放されると、計量後の被計量物が、集合シュート22に送られる。
【0140】
[小投入計量部の構成]
以下、本実施形態のパッカースケール100の小投入計量部30の構成について図面を参照しながら詳しく説明する。
【0141】
小投入計量部30は、
図1、
図2および
図4に示す如く、ロスイン投入シュート41と、ロスイン投入シュート41の下方に配されたロスインホッパ42と、を備える。
【0142】
ロスイン投入シュート41は、
図1、
図2および
図4に示す如く、パッカースケール100の右側かつ後方側に配されて、上端部と下端部41B(
図4参照)とを備えて鉛直方向に立設する略円筒体となっている。また、ロスイン投入シュート41の内部(上端部)は、計量ホッパ本体20の右側面に接続される中空構造の中継部40(
図1も参照)と、この中継部40の下端部において後方に分岐する中空構造の小投入分岐部40Aと、を用いて、計量ホッパ本体20の内部に連通している。
【0143】
ロスイン投入シュート41の下端部41Bには被計量物排出用の排出口(図示せず)が形成されている。これにより、被計量物が、本排出口からロスイン投入シュート41外(ここでは、ロスインホッパ42内)に排出される。
【0144】
但し、ロスイン投入シュート41の排出口から被計量物を排出しない場合(ロスイン投入シュート41内に被計量物を一時保持する場合)、この排出口を、
図1および
図4に示すように、ロスイン投入ゲート31を用いて塞ぐことができる。
【0145】
ロスイン投入ゲート31は、
図1および
図4に示す如く、回転軸34Aを中心に左右方向に揺動可能に構成されている。つまり、ロスイン投入シュート41の排出口の直下に置かれたロスイン投入ゲート31は、上記回転軸34Aが、ロータリアクチュエータ34(
図2および
図5も参照)の駆動力を用いて回転することにより、右側に後退するように動く(
図1も参照)。
【0146】
このようにして、ロスイン投入シュート41の排出口が、ロスイン投入ゲート31を用いて開放され、これにより、ロスイン投入シュート41内の所定量の被計量物が、ロスインホッパ42内に供給される。なお、
図5に示すように、ロータリアクチュエータ34の駆動は、小投入計量部制御用の指示制御器72により制御されている。
【0147】
ロスインホッパ42は、上記ロスイン投入シュート41と同様、パッカースケール100の右側かつ後方側に配されて、上端部42A(
図4参照)と下端部42B(
図4参照)とを備えて鉛直方向に立設する略円筒体となっている。つまり、ロスイン投入シュート41と、ロスインホッパ42と、は、これらの中心軸(図示せず)を共有して鉛直方向において並んで配されている。
【0148】
ロスインホッパ42の下端部42Bには被計量物排出用の排出口(図示せず)が形成されている。これにより、被計量物が、本排出口からロスインホッパ42外(ここでは、集合シュート22)に排出される。
【0149】
但し、ロスインホッパ42の排出口から被計量物を排出しない場合(ロスインホッパ42内に被計量物を一時保持する場合)、この排出口を、
図1および
図4に示すように、ロスイン排出ゲート32(補助ホッパ)を用いて塞ぐことができる。
【0150】
ロスイン排出ゲート32は、
図1および
図4に示す如く、回転軸35Aを中心に左右方向に揺動可能に構成されている。つまり、ロスインホッパ42の排出口の直下に置かれたロスイン排出ゲート32は、上記回転軸35Aが、ロータリアクチュエータ35(
図5も参照)の駆動力を用いて回転することにより、左側に後退するように動く(
図1も参照)。
【0151】
このようにして、ロスインホッパ42の排出口が、ロスイン排出ゲート32を用いて開放され、これにより、ロスインホッパ42内の被計量物が、集合シュート22に供給される。なお、
図5に示すように、ロータリアクチュエータ35の駆動は、指示制御器72により制御されている。
【0152】
また、ロスインホッパ42は、
図1に示す如く、ロードセルLC8(
図5も参照)に連結され、このロードセルLC8により支持されている。なお、ロードセルLC8は、パッカースケール100の架台に固定されている。
【0153】
そして、
図5に示すように、ロードセルLC8から出力される荷重信号(電気信号)は、周知の信号処理回路(A/D変換器、アンプ、フィルタ等;図示せず)を経て指示制御器72に入力される。
【0154】
以上により、本実施形態のパッカースケール100では、指示制御器72が、例えば、包装機からの被計量物の排出許可信号を受け取った場合、ロスインホッパ42の排出口が、ロスイン排出ゲート32によって開放され、第4中投入計量ホッパ本体44A内の被計量物が、ロードセルLC8から出力される荷重信号に基づいてロスイン排出される。なお、このロスイン排出において被計量物の単位時間の排出量が一定となるよう、被計量物の嵩密度に基づいて、ロスインホッパ42の直径が適宜の値に設定されている。これにより、所定時間内に適量の被計量物を集合シュート22に送ることができる。
【0155】
[パッカースケールの制御系の構成]
以上の指示制御器71、72、73は、例えば、マイクロコントローラ、MPU、PLC(Programmable Logic Controller)、論理回路等からなる演算部(図示せず)と、R
OMやRAM等からなるメモリ部(図示せず)と、重量表示部や様々なメッセージ表示部等からなる表示器(図示せず)と、作業者が様々なデータを入力できるキー入力器(図示せず)と、により構成することができる。
【0156】
また、本実施形態のパッカースケール100では、
図5に示すように、指示制御器71、72、73は、互いに協働して分散する3個の制御器により構成されているが、これに限らない。例えば、指示制御器71、72、73は、集中制御する単独の制御器によって構成されてもよい。
【0157】
指示制御器71は、上述の如く、大投入カットゲート15A、15Bおよび大投入計量ホッパゲート18A、18Bを開閉するためのアクチュエータ(上記ACサーボモータ14およびロータリアクチュエータ17等)の動作を制御する。また、指示制御器71は、
大投入計量ホッパ21を支持するロードセルLC1、LC2、LC3、LC4のそれぞれから出力される荷重信号を受け取り、この荷重信号に基づいて大投入計量ホッパ21に保持されている被計量物の重量を算出する重量算出手段としても機能する。
【0158】
指示制御器72は、上述の如く、ロスイン投入ゲート31およびロスイン排出ゲート32を開閉するためのアクチュエータ(上記ロータリアクチュエータ34、35等)の動作を制御する。また、指示制御器72は、ロスインホッパ42を支持するロードセルLC8から出力される荷重信号を受け取り、この荷重信号に基づいてロスインホッパ42内の被計量物の重量を算出する重量算出手段としても機能する。つまり、本実施形態のパッカースケール100では、指示制御器72は、ロードセルLC8を用いてロスインホッパ42内の被計量物の重量を常時監視している。よって、指示制御器72は、被計量物の排出前の初期重量から丁度設定された重量分だけ、ロスインホッパ42内の被計量物の重量が減少したときに、ロスインホッパ42の排出口を、ロスイン排出ゲート32を用いて閉めることができる。かかる小投入計量部30によるロスイン計量を用いることにより、被計量物の排出量を高精度に調整できる。
【0159】
指示制御器73は、上述の如く、第1、第2、第3および第4中投入カットゲート54、55、56、37および第1、第2、第3および第4中投入計量ホッパゲート67、68、69、38を開閉するためのアクチュエータ(上記ロータリアクチュエータ51、52、53、36、57、58、59、39)の動作を制御する。また、指示制御器73は、第1、第2、第3および第4中投入計量ホッパ64、65、66、44のそれぞれを支持するロードセルLC5、LC6、LC7、LC9のそれぞれから出力される荷重信号を受け取り、これらの荷重信号に基づいて第1、第2、第3および第4中投入計量ホッパ64、65、66、44内のそれぞれの被計量物の重量を算出する重量算出手段としても機能する。
【0160】
更に、指示制御器73は、組合せ処理を行う組合せ手段として機能する。この組合せ処理は、被計量物の重量が異なる比率(詳細は後述)で調整された被計量物が、第1、第2、第3および第4中投入計量ホッパ64、65、66、44内のそれぞれに供給されることにより行われる。つまり、この組合せ処理では、上記異なる比率に調整された4個の被計量物の重量に基づいて組合せ演算を行い、被計量物の重量の合計が、組合せ目標重量(詳細は後述)に最も近くなる第1、第2、第3および第4中投入計量ホッパ64、65、66、44の組合せが求められ、組合せに選ばれた中投入計量ホッパの被計量物が集合シュートに排出される。
【0161】
[パッカースケールによる被計量物の投入動作、計量動作および排出動作]
以下、本実施形態のパッカースケール100による被計量物(例えば、樹脂ペレット)の投入動作、計量動作および排出動作の一例について図面を参照しながら詳しく説明する。
【0162】
図6および
図7は、本発明の実施形態のパッカースケールによる被計量物の投入動作、計量動作および排出動作の一例を示した図である。
図6では、本実施形態のパッカースケール100に用いられる各ゲートの開閉タイミングチャートが示されている。また、
図7(a)では、
図1のパッカースケールによる被計量物の投入および排出のタイミングチャートが示されている。
図7(b)では、
図1のパッカースケールによる被計量物の投入(排出)重量の時間変化の様子が示されている。
【0163】
まず、本実施形態のパッカースケール100による被計量物の投入動作、計量動作および排出動作の準備作業として、作業者が、被計量物を供給口12から計量ホッパ本体20内に投入する。なお、このとき、パッカースケール100に用いられるゲートは全て閉じ
られている。
【0164】
すると、供給口12からの被計量物は、その自重により計量ホッパ本体20の下方に向かって落下し、計量ホッパ本体20内に堆積する。計量ホッパ本体20内の被計量物が、所定の鉛直高さH(
図1(a)、
図3および
図4参照)にまで堆積したとき、被計量物が、左右の中継部40、60のそれぞれにもこれらの開口部40D、60Dを介して自重落下し始める。すると、
図3に示すように、開口部60Dからの被計量物は、中継部60の下端部において中継部60から第1、第2および第3中投入分岐部60A、60B、60Cに振り分けられて自重落下し、その結果、被計量物が、第1、第2および第3中投入シュート61、62、63のそれぞれに堆積する。また、
図4に示すように、開口部40Dからの被計量物は、中継部40の下端部において中継部40から第4中投入分岐部40Bおよび小投入分岐部40Aに振り分けられて自重落下し、その結果、被計量物が、第4中投入シュート43およびロスイン投入シュート41のそれぞれに堆積する。最終的には、計量ホッパ本体20および中継部40、60のそれぞれの内部に被計量物が満たされるよう、供給口12から被計量物を投入するとよい。
【0165】
以上の被計量物の投入動作、計量動作および排出動作の準備作業が完了すると、パッカースケール100の動作開始ボタン(図示せず)が押されることにより、指示制御器71、72、73(以下、単に「制御器」と略す場合がある)が、パッカースケール100の各部の動作を実行するための制御プログラムに基づいて、以下の動作をパッカースケール100の各部を制御しながら実行する。
【0166】
まず、
図6の大投入計量部10では、大投入カットゲート15A、15Bが、計量ホッパ本体20の排出口を開放させるように動く。すると、
図7(a)および
図7(b)に示すように、計量ホッパ本体20内の被計量物が、大投入計量ホッパ21内にボリューム投入(供給)される。
【0167】
このとき、制御器は、大投入カットゲート15A、15Bの開度および計量ホッパ本体20の排出口の開放時間を制御することにより、大投入計量ホッパ21への被計量物のボリューム投入重量MBを被計量物の嵩密度に基づいて被計量物の目標重量MTよりも下回る適量の重量(例えば、目標重量MTの60%〜95%程度)に調整することができる。なお、ボリューム投入重量MBの決定の指針については後述する。つまり、本実施形態のパッカースケール100では、制御器は、大投入計量ホッパ21の真上の大投入カットゲート15A、15Bを用いて、大投入計量ホッパ21に、目標重量MT未満の適量(ボリューム投入重量MB)の被計量物をタイマー充填により供給することができる。そして、ロードセルLC1、LC2、LC3、LC4での計量安定待ち時間T1が経過すると、制御器は、ロードセルLC1、LC2、LC3、LC4のそれぞれから出力される荷重信号に基づいてボリューム投入重量MBを演算できる。これにより、制御器は、目標重量MTの不足重量(目標重量MT−ボリューム投入重量MB)を演算でき、その結果、ロスインホッパ42からの被計量物のロスイン排出重量MRおよび第1、第2、第3および第4中投入計量ホッパ64、65、66、44での組合せ目標重量(
図7(b)参照)を決定して、第1、第2、第3および第4中投入計量ホッパ64、65、66、44での最適な組合せを選択できる。なお、ロスインホッパ42からの被計量物のロスイン排出重量MRおよび第1、第2、第3および第4中投入計量ホッパ64、65、66、44での組合せ目標重量を決定の指針については後述する。
【0168】
その後、
図6に示すように、制御器は、適時に大投入計量ホッパゲート18A、18Bを用いて大投入計量ホッパ21の排出口を開放させ、この排出口から被計量物をボリューム排出(
図7(a)および
図7(b)参照)することができる。
【0169】
また、
図6の第1中投入計量部50Aでは、上記被計量物のボリューム投入が行われている間に、第1中投入カットゲート54を用いて第1中投入シュート61の排出口を開放する。すると、第1中投入シュート61内の被計量物が、第1中投入計量ホッパ64内に中投入(供給)される。
【0170】
このとき、制御器は、第1中投入シュート61の排出口の開放時間を制御することにより、第1中投入計量ホッパ64への被計量物の投入重量S1を被計量物の嵩密度に基づいて所定の比率重に調整することができる。そして、ロードセルLC5での計量安定待ち時間T2が経過すると、制御器は、ロードセルLC5から出力される荷重信号に基づいて被計量物の投入重量S1を演算できる。
【0171】
その後、
図6に示すように、制御器は、第1中投入計量ホッパ64を組合せ演算に基づいて選択した場合は、適時に(例えば、計量安定待ち時間T1の経過直後に)第1中投入計量ホッパゲート67を用いて第1中投入計量ホッパ64の排出口を開放させ、この排出口から被計量物を組合せ選択排出(
図7(a)および
図7(b)参照)することができる。
【0172】
また、
図6の第3中投入計量部50Cでは、上記被計量物のボリューム投入が行われている間に、第3中投入カットゲート56を用いて第3中投入シュート63の排出口を開放する。すると、第3中投入シュート63内の被計量物が、第3中投入計量ホッパ66内に中投入(供給)される。
【0173】
このとき、制御器は、第3中投入シュート63の排出口の開放時間を制御することにより、第3中投入計量ホッパ66への被計量物の投入重量S2を被計量物の嵩密度に基づいて所定の比率重(例えば、上記投入重量S1の2倍)に調整することができる。なお、この場合、第3中投入シュート63の排出口の開放時間は、投入重量S2が投入重量S1の2倍なので、第1中投入シュート61の排出口の開放時間よりも長くなる。そして、ロードセルLC7での計量安定待ち時間T3が経過すると、制御器は、ロードセルLC7から出力される荷重信号に基づいて被計量物の投入重量S2を演算できる。
【0174】
その後、
図6に示すように、制御器は、第3中投入計量ホッパ66を組合せ演算に基づいて選択した場合は、適時に(例えば、計量安定待ち時間T1の経過直後に)第3中投入計量ホッパゲート69を用いて第3中投入計量ホッパ66の排出口を開放させ、この排出口から被計量物を組合せ選択排出(
図7(a)および
図7(b)参照)することができる。
【0175】
また、
図6の第2中投入計量部50Bでは、上記被計量物のボリューム投入が行われている間に、第2中投入カットゲート55を用いて第2中投入シュート62の排出口を開放する。すると、第2中投入シュート62内の被計量物が、第2中投入計量ホッパ65内に中投入(供給)される。
【0176】
このとき、制御器は、第2中投入シュート62の排出口の開放時間を制御することにより、第2中投入計量ホッパ65への被計量物の投入重量S3を被計量物の嵩密度に基づいて所定の比率重(例えば、上記投入重量S1の4倍)に調整することができる。なお、この場合、第2中投入シュート62の排出口の開放時間は、投入重量S3が投入重量S1の4倍なので、第1中投入シュート61の排出口の開放時間および第3中投入シュート63の排出口の開放時間よりも長くなる。そして、ロードセルLC6での計量安定待ち時間T3が経過すると、制御器は、ロードセルLC6から出力される荷重信号に基づいて被計量物の投入重量S2を演算できる。
【0177】
その後、
図6に示すように、制御器は、第2中投入計量ホッパ65を組合せ演算に基づいて選択した場合は、適時に(例えば、計量安定待ち時間T1の経過直後に)第2中投入計量ホッパゲート68を用いて第2中投入計量ホッパ65の排出口を開放させ、この排出口から被計量物を組合せ選択排出(
図7(a)および
図7(b)参照)することができる。
【0178】
また、
図6の第4中投入計量部50Dでは、上記被計量物のボリューム投入が行われている間に、第4中投入カットゲート37を用いて第4中投入シュート43の排出口を開放する。すると、第4中投入シュート43内の被計量物が、第4中投入計量ホッパ44内に中投入(供給)される。
【0179】
このとき、制御器は、第4中投入シュート43の排出口の開放時間を制御することにより、第4中投入計量ホッパ44への被計量物の投入重量S4を被計量物の嵩密度に基づいて所定の比率重(例えば、上記投入重量S1の8倍)に調整することができる。なお、この場合、第4中投入シュート43の排出口の開放時間は、投入重量S4が投入重量S1の8倍なので、第1中投入シュート61の排出口の開放時間および第3中投入シュート63の排出口の開放時間よりも長くなる。そして、ロードセルLC7での計量安定待ち時間T5が経過すると、制御器は、ロードセルLC7から出力される荷重信号に基づいて被計量物の投入重量S4を演算できる。
【0180】
その後、
図6に示すように、制御器は、第4中投入計量ホッパ44を組合せ演算に基づいて選択した場合は、適時に(例えば、計量安定待ち時間T1の経過直後に)第4中投入計量ホッパゲート38を用いて第4中投入計量ホッパ44の排出口を開放させ、この排出口から被計量物を組合せ選択排出(
図7(a)および
図7(b)参照)することができる。
【0181】
また、
図6の小投入計量部30では、ロスイン投入ゲート31を用いてロスイン投入シュート41の排出口を開放する。すると、ロスイン投入シュート41内の被計量物が、ロスインホッパ42内にロスイン投入(供給)される。
【0182】
このとき、制御器は、ロスインホッパ42を支持するロードセルLC8から出力される荷重信号を監視しているので、ロスインホッパ42への被計量物の投入重量が、被計量物の不足重量分(例えば、前回のサイクルで使用した重量分)に達したときに、ロスイン投入ゲート31を用いてロスイン投入シュート41の排出口を閉めることができる。そして、ロスイン投入におけるロードセルLC8での計量安定待ち時間T7が経過すると、制御器は、適時に(例えば、計量安定待ち時間T1の経過直後に)ロスイン排出ゲート32を用いてロスインホッパ42の排出口を開放させ、ロードセルLC8から出力される荷重信号に基づいて被計量物のロスイン計量の演算を行いながら、この排出口から少量(例えば、上記投入重量S1程度)の被計量物をロスイン排出(
図7(a)および
図7(b)参照)することができる。なお、ロスイン排出におけるロードセルLC8での計量安定待ち時間T6が経過すると、再び、ロスイン投入シュート41内の被計量物が、ロスインホッパ42内にロスイン投入(供給)される。
【0183】
このような本実施形態のパッカースケール100は、以下の様々な作用および効果を奏することができる。
【0184】
第1に、大投入計量ホッパ21への被計量物のボリューム投入(タイマー充填)のタイミング、第1、第2、第3および第4中投入計量ホッパ64、65、66、44のそれぞれへの被計量物の中投入のタイミング、および、ロスインホッパ42への被計量物のロスイン投入のタイミングのうちの少なくとも一対の投入タイミングが、オーバーラップして
いる。詳しくは、大投入計量ホッパ21への被計量物のボリューム投入(タイマー充填)のタイミングと、第1、第2、第3および第4中投入計量ホッパ64、65、66、44のそれぞれへの被計量物の中投入のタイミングと、がオーバーラップしている。
【0185】
また、第1、第2、第3および第4中投入カットゲート54、55、56、37はそれぞれ、同時に開くとともに、上記投入重量S1、S2、S3、S4に応じて適時に閉まる。
【0186】
なお、本例では、大投入計量ホッパ21への被計量物のボリューム投入と、第1、第2、第3および第4中投入計量ホッパ64、65、66、44のそれぞれへの被計量物の中投入と、が同時に行われている。
【0187】
以上により、本実施形態のパッカースケール100では、被計量物の計量(投入)速度が向上し、ひいては、パッカースケール100による被計量物の投入、計量および排出の1サイクルの時間を短縮できる。
【0188】
第2に、大投入計量ホッパ21からの被計量物のボリューム排出のタイミングと、第1、第2、第3および第4中投入計量ホッパ64、65、66、44のそれぞれからの被計量物の組合せ選択排出のタイミングと、ロスインホッパ42からの被計量物のロスイン排出のタイミングと、が、オーバーラップしている。
【0189】
また、第1、第2、第3および第4中投入計量ホッパゲート67、68、69、38およびロスイン排出ゲート32はそれぞれ、同時に開き、第1、第2、第3および第4中投入計量ホッパゲート67、68、69、38はそれぞれ、同時に閉まる。
【0190】
なお、本例では、大投入計量ホッパ21からの被計量物のボリューム排出と、第1、第2、第3および第4中投入計量ホッパ64、65、66、44のそれぞれからの被計量物の組合せ選択排出と、が同時に行われている。
【0191】
また、本例では、ロスインホッパ42からの被計量物のロスイン排出についても、上記被計量物のボリューム排出および被計量物の組合せ選択排出と同時に行われているが、これらの被計量物のボリューム排出および被計量物の組合せ選択排出の排出開始時よりも早く、ロスイン排出ゲート32を開き始めても構わない。ロスイン排出ゲート32を開くタイミングを早めると、被計量物の計量速度を向上できる。
【0192】
以上により、本実施形態のパッカースケール100では、被計量物の計量(排出)速度を向上でき、ひいては、パッカースケール100による被計量物の投入、計量および排出の1サイクルの時間を短縮できる。
【0193】
第3に、大投入計量部10の大投入カットゲート15A、15Bによる被計量物のタイマー充填を用いて、適量の(例えば、目標重量MTの60%〜95%程度の)の被計量物を、大投入計量ホッパ21に一気にボリューム投入することができる。
【0194】
以上により、本実施形態のパッカースケール100では、被計量物の計量(投入)速度が向上し、ひいては、パッカースケール100による被計量物の投入、計量および排出の1サイクルの時間を短縮できる。
【0195】
第4に、ロードセルLC1、LC2、LC3、LC4での計量安定待ち時間T1が経過したら、第1、第2、第3および第4中投入計量ホッパゲート67、68、69、38およびロスイン排出ゲート32のそれぞれを即座に開いている。また、第1、第2、第3お
よび第4中投入計量ホッパゲート67、68、69、38のそれぞれを閉めるときに、第1、第2、第3および第4中投入カットゲート54、55、56、37のそれぞれがすでに開き始めている。
【0196】
以上により、本実施形態のパッカースケール100では、被計量物の計量速度が向上し、ひいては、パッカースケール100による被計量物の投入、計量および排出の1サイクルの時間を短縮できる。
【0197】
第5に、被計量物の重量が異なる比率(ここでは、投入重量S1:投入重量S2:投入重量S3:投入重量S4=1:2:4:8の比率重を例示)で調整された被計量物が、第1、第2、第3および第4中投入計量ホッパ64、65、66、44のそれぞれに供給される。これにより、第1、第2、第3および第4中投入計量ホッパ64、65、66、44内のそれぞれの被計量物の重量に基づいた組合せ演算を行うことができる。
【0198】
ここで、大投入計量ホッパ21への被計量物のボリューム投入後、ロードセルLC1、LC2、LC3、LC4での計量安定待ち時間T1を経過すると、制御器は、大投入計量ホッパ21を支持するロードセルLC1、LC2、LC3、LC4のそれぞれから出力される荷重信号に基づいてボリューム投入重量MBを演算できる。このため、上記組合せ演算に用いる組合せ目標重量は、被計量物の目標重量MTと被計量物のボリューム投入重量MBと被計量物のロスイン排出重量MRとに基づいて設定できる。
【0199】
例えば、
図7(b)に示すように、ロスイン排出において好都合なロスイン排出重量MRを予め定め、被計量物の目標重量MTからロスイン排出重量MRを差し引き、この差分重量(MT−MR)と被計量物のボリューム投入重量MBとの差を、上記組合せ目標重量として設定するとよい。
【0200】
なお、大投入計量ホッパ21で計量される被計量物の「ボリューム投入重量MB」とは、パッカースケール100の運転中において、何等かの被計量物の投入法(ここでは、大投入カットゲート15A、15Bを用いたタイマー充填を例示)に基づいて、大投入計量ホッパ21に供給(投入)される被計量物の重量のことを指し、計測する重量値が予め定められた被計量物の重量のことを意味しない。
【0201】
また、第1、第2、第3および第4中投入計量ホッパ64、65、66、44で計量される被計量物の重量とは、パッカースケール100の運転中において、何等かの被計量物の投入法(ここでは、第1、第2、第3および第4中投入カットゲート54、55、56、37を用いたタイマー充填を例示)に基づいて、第1、第2、第3および第4中投入計量ホッパ64、65、66、44に供給(投入)される被計量物の所定の組合せに基づいた重量のことを指し、計測する重量値が予め定められた被計量物の重量のことを意味しない。
【0202】
一方、ロスインホッパ42で計量される被計量物の「ロスイン排出重量MR」とは、パッカースケール100の運転中において、被計量物の「目標重量MT」と、上記「ボリューム投入重量MB」と、上記第1、第2、第3および第4中投入計量ホッパ64、65、66、44で計量される被計量物の重量とによって、パッカースケール100による被計量物の投入、計量および排出の1サイクル毎に決定される被計量物の重量のことを指す。つまり、「ロスイン排出重量MR」は、パッカースケール100による被計量物の投入、計量および排出の1サイクル毎に、計測する重量値が予め定められる被計量物の重量を意味する。
【0203】
このように、本実施形態のパッカースケール100は、計測する重量値が予め定めされ
ていない重量(「ボリューム投入重量MB」、および、第1、第2、第3および第4中投入計量ホッパ64、65、66、44で計量される被計量物の重量)と、計測する重量値が上記1サイクル毎に予め定められた重量(「ロスイン排出重量MR」)と、が混在しているという特徴がある。
【0204】
以上により、本実施形態のパッカースケール100では、被計量物の重量を目標重量MTに最終調整するのに、高精度のロスイン排出を用いることができる。よって、被計量物の計量精度(カットオフ精度)を高精度に維持できる。また、本実施形態のパッカースケール100では、第1、第2、第3および第4中投入計量ホッパ64、65、66、44のそれぞれ内の被計量物の重量の合計が、上記組合せ目標重量に最も近くなる第1、第2、第3および第4中投入計量ホッパ64、65、66、44の組合せが求められ、組合せに選ばれたホッパ内の被計量物が組合せ選択排出される。よって、被計量物の組合せ選択排出に続く、被計量物の重量を最終調整するための被計量物のロスイン排出を適切に行うことができ(つまり、ロスインホッパ42の秤量を少量に設定でき)、ひいては、被計量物の計量速度および計量精度(カットオフ精度)が向上する。
【0205】
また、本実施形態のパッカースケール100では、ボリューム投入重量MB、組合せ目標重量およびロスイン排出重量MRのトータル量が、目標重量MTに等しくなるように制御すべく、これらの重量を所望の量に配分できるので、被計量物の計量速度および計量精度が、ボリューム投入重量MBと、組合せ目標重量と、ロスイン排出重量MRと、によって適切に調整される。つまり、パッカースケール100を、被計量物の計量速度および計量精度の点で適切に設計できる。
【0206】
例えば、ロスイン排出重量MRを減らすことにより、ロスインホッパ42の秤量を少量に設定できる。この場合、本実施形態のパッカースケール100では、ロスイン排出重量MRを減らした減量分を、組合せ目標重量を増やすことにより容易に補うことができるので都合がよい。
【0207】
以上により、本実施形態のパッカースケール100は、被計量物の計量速度および計量精度を向上できる。なお、具体例は、後述のパッカースケール100の仕様設計例で述べる。
【0208】
また、本件発明者等は、ボリューム投入重量MBの多少が被計量物の計量速度に影響を与えると考えている。この場合、本実施形態のパッカースケール100では、ボリューム投入重量MBを減らした減量分を、組合せ目標重量を増やすことにより容易に補うことができるので都合がよい。
【0209】
以上により、本実施形態のパッカースケール100は、被計量物の計量速度を向上できる。なお、具体例は、後述のパッカースケール100の仕様設計例で述べる。
【0210】
[パッカースケールの仕様設計例]
次に、本実施形態のパッカースケール100の仕様設計例について図面を参照しながら詳しく説明する。
【0211】
図8は、本発明の実施形態のパッカースケールの仕様設計例を示したフローチャートである。
【0212】
パッカースケール100の仕様について、机上計算により以下の如く設計できる。
【0213】
まず、被計量物の目標重量MTを決定し(ステップS801)、大投入計量ホッパ21
への被計量物のボリューム投入重量MBを決定する(ステップS802)。例えば、被計量物の目標重量MTが25kgのとき、目標重量MTの97%をボリューム投入重量MBに割り当てる場合、ボリューム投入重量MBは24.250kgと導くことができる。
【0214】
次いで、ボリューム投入重量MBのバラツキ量ΔMBを経験的に予測する(ステップS803)。例えば、被計量物の物性(嵩密度、流動性、付着性など)および装置の構成等により、ボリューム投入重量MBの予測バラツキ量ΔMBを知ることができる。なお、ここでは、便宜上、±ΔMB=±100gと仮定する。
【0215】
次いで、中投入計量ホッパでの組合せ目標重量およびロスイン排出によるロスイン排出重量MRに割り当てる被計量物の重量を特定する(ステップS804)。なお、この場合、被計量物の排出総重量が目標重量MTを下回らず、かつ、被計量物の歩留まりが最小となるよう、上記組合せ目標重量およびロスイン排出重量MRの合計を特定する必要がある。本例では、この値は、(MT−MB)+ΔMB=(25kg−24.250kg)+100g=850gとなる。
【0216】
そして、中投入計量ホッパ(ここでは、第1、第2、第3および第4中投入計量ホッパ64、65、66、44)への被計量物の投入重量S1、S2、S3、S4の比率重を用いて、組合せ目標重量およびロスイン排出重量MRをそれぞれ仮設定する(ステップS805)。具体的には、ロスイン排出重量MRおよび組合せ目標重量は、上記比率重が最小の中投入計量ホッパへの被計量物の投入重量がロスイン排出重量MRと等しくなるように設定するとよい。
【0217】
本例では、第1、第2、第3および第4中投入計量ホッパ64、65、66、44の投入重量S1、S2、S3、S4の比率重は、1:2:4:8なので、ロスイン排出重量MR=投入重量S1=850/(1+2+4+8+1)=53.125gとなる。そして、この場合、組合せ目標重量は、850g−53.125g=796.875gとなる。
【0218】
なお、上記の例と比べて被計量物の計量速度および計量精度を向上させるには、上述のとおり、ロスインホッパ42の秤量を少量化できるよう、ロスイン排出重量MR(=53.125g)を減らし、その減量分を、組合せ目標重量を増やして補うとよい。また、上記の例と比べて被計量物の計量速度を向上させるには、上述のとおり、ボリューム投入重量MB(=24.250kg)を減らし、その減量分を、組合せ目標重量を増やして補うとよい。
【0219】
次いで、ロスイン排出重量MRが、被計量物の目標重量MTの許容重量範囲内か否かが、判断される(ステップS806)。なお、ここでは、便宜上、許容重量範囲を5g以下と仮定する。
【0220】
ここで、仮に、中投入計量ホッパが8個、存在し、これらの中投入計量ホッパの比率重が、1:2:4:8:16:32:64:128の場合を想定すると、上記ロスイン排出重量は、3.3gと導かれる。すると、ステップS806において、ロスイン排出重量MR(=3.3g)は、被計量物の目標重量MTの許容重量範囲内(5g以下)と判断することができる(ステップS806において「Yes」)。この場合、上記比率重が最小の中投入計量ホッパへの被計量物の投入重量(=3.3g)も、必然的に、被計量物の目標重量MTの許容重量範囲内(5g以下)となるので、ロスイン排出重量MRをゼロに設定するとよい(ロスイン排出重量MR=0)(ステップS807)。
【0221】
つまり、パッカースケール100の運転において、ロスイン排出重量MRをゼロとし、組合せ目標重量を(MT−MB)+ΔMB(=850g)として中投入計量ホッパを用い
た被計量物の組合せ演算を行い、組合せに選ばれた中投入計量ホッパおよび大投入計量ホッパ21のみから被計量物を排出しても、被計量物の計量精度を所望の精度に維持できる。これにより、ロスイン排出を行わずに、ボリューム排出および組合せ選択排出のみで、目標重量MTの被計量物を適切に排出できるので、被計量物の計量速度および計量精度を向上できる。
【0222】
なお、この場合、ロスイン排出重量MRはゼロに設定されるので、小投入計量部30(ロスイン投入シュート41やロスインホッパ42等)をパッカースケールに組み込まずに、パッカースケールを設計することもできるし、小投入計量部30をパッカースケールに組み込むようにして、パッカースケールを設計することもできる。
【0223】
小投入計量部30をパッカースケールに組み込む場合は、必要に応じて、小投入計量部30を使用できるので都合がよい場合がある。
【0224】
小投入計量部30をパッカースケールに組み込まない場合は、パッカースケールの部品点数を減らして、パッカースケールを簡易に構成できる。
【0225】
一方、本例では、上述のとおり、ステップS806において、ロスイン排出重量MR(=53.125g)は、被計量物の目標重量MTの許容重量範囲外と判断される(ステップS806において「No」)。この場合、次の判断ステップに進み、上記ロスイン排出重量MR(=53.125g)が、被計量物の目標重量MTの許容重量範囲外において、所定の閾値重量以下か否かが判定される(ステップS808)。なお、この閾値重量は、被計量物の物性値(例えば、嵩密度、流動性、付着性など)に基づいて、被計量物の計量速度を適切に維持できる適宜の値に設定するとよい。
【0226】
ロスイン排出重量MRが、本閾値重量以下の場合(ステップS808において「YES」の場合)、ステップS805の組合せ目標重量およびロスイン排出重量MRをそれぞれ本設定する(ステップS809)。
【0227】
つまり、本例では、パッカースケール100の運転において、ロスイン排出重量MRを53.125gとし、組合せ目標重量を(MT−MB−MR)+ΔMB(=796.875g)として中投入計量ホッパを用いた被計量物の組合せ演算を行い、組合せに選ばれた中投入計量ホッパと大投入計量ホッパ21とロスインホッパ42とから被計量物を排出するとよい。
【0228】
一方、ロスイン排出重量MRが、本閾値重量を超える場合(ステップS808において「NO」の場合)、中投入計量ホッパのホッパ数を見直し(ステップS810)、ステップS805において、組合せ目標重量およびロスイン排出重量MRをそれぞれ再度、仮設定する必要がある。例えば、被計量物の比率重が最大となる「16」の中投入計量ホッパを1個、追加すると、ロスイン排出重量MRをより少量に設定できる。
【0229】
このように、本実施形態のパッカースケール100では、ロスイン排出重量MRおよび組合せ目標重量が、被計量物の目標重量MTと、ボリューム投入重量MBおよびボリューム投入重量MBの予測バラツキ量ΔMBと、パッカースケール100のホッパ状態と、に基づいて設定されている。
【0230】
以上により、本実施形態のパッカースケール100では、ロスインホッパ42でのロスイン排出によるロスイン排出重量MRの少量化(換言すると、ロスインホッパ42の秤量の少量化によるロスイン排出の高精度化およびロスイン排出時間の短縮化)を、パッカースケール100のホッパ状態の制御(ここでは、中投入計量ホッパのホッパ数の変更)に
より、適切に行うことができる。
【0231】
なお、ここでは、パッカースケール100のホッパ状態を、中投入計量ホッパのホッパ数により変更しているが、これに限らない。このホッパ状態を、中投入計量ホッパでの被計量物の比率重で変更してもよい。例えば、中投入計量ホッパでの被計量物の最小の比率重を「1」から「0.5」にすることにより、ロスインホッパ42の秤量を少量に設定でき、ひいては、被計量物の計量速度および計量精度を向上できる。また、上記ホッパ状態を、ロスインホッパ42のホッパ数により変更してもよい。例えば、ロスインホッパ42のホッパ数を1個から2個に増やすことにより、ロスインホッパ42の秤量を少量(つまり、半分の量)に設定でき、ひいては、被計量物の計量速度および計量精度を向上できる。
【0232】
[パッカースケールの他の仕様設計例]
次に、本実施形態のパッカースケール100の他の仕様設計例について図面を参照しながら詳しく説明する。
【0233】
図9は、本発明の実施形態のパッカースケールの他の仕様設計例を示したフローチャートである。
【0234】
パッカースケール100の仕様について、机上計算により以下の如く設計できる。
【0235】
まず、被計量物の目標重量MTを決定し(ステップS901)、大投入計量ホッパ21への被計量物のボリューム投入重量MBを決定する(ステップS902)。次いで、ボリューム投入重量MBのバラツキ量ΔMBを経験的に予測する(ステップS903)。なお、ステップS901、S902、S903は、上記ステップS801、S802、S803と同じである、よって、ステップS901、S902、S903の詳細な説明は省略する。
【0236】
ところで、ステップS903の予測バラツキ量ΔMBは、被計量物の流動性と密接に関連しており、被計量物の流動性が極端に悪い場合、予測バラツキ量ΔMBが、その想定範囲を超えて大きくなる場合がある。
【0237】
よって、
図9に示す如く、予測バラツキ量ΔMBが所定量以内か否かが判断され(ステップS904)、所定量を超える場合(ステップS904において「NO」の場合)、中投入計量ホッパのホッパ数を事前に見直すとよい(ステップS905)。
【0238】
例えば、被計量物の比率重が最大となる「16」の中投入計量ホッパを1個、追加すると、ロスイン排出重量MRをより少量に設定でき、その結果、被計量物の流動性悪化に適切に対応できる。
【0239】
なお、ステップS905において、中投入計量ホッパのホッパ数の見直すことを例示しているが、これに限らない。中投入計量ホッパでの被計量物の比率重を見直してもよい。例えば、中投入計量ホッパでの被計量物の最小の比率重を「1」から「0.5」にすることにより、ロスイン排出重量MRを少量に設定できる。また、ロスインホッパ42のホッパ数を見直してもよい。例えば、ロスインホッパ42のホッパ数を1個から2個に増やすことにより、ロスイン排出重量MRを少量(つまり、半分の量)に設定できる。
【0240】
[大投入計量ホッパへの被計量物のボリューム投入重量のバラツキ制御]
被計量物の物性値(例えば、被計量物の嵩密度、流動性、付着性など)は、周辺環境の変動や被計量物の切り替え等により変化する傾向がある。すると、ボリューム投入重量M
Bのバラツキが顕著になる場合がある(つまり、ボリューム投入重量MBのバラツキ量ΔMBが大きくなる場合がある)。
【0241】
よって、大投入計量ホッパ21への被計量物のボリューム投入重量MBのバラツキ制御の一例について、以下、図面を参照しながら詳しく説明する。
【0242】
図10は、大投入計量ホッパへの被計量物のボリューム投入重量のバラツキ制御の一例を示したフローチャートである。
【0243】
パッカースケール100の納入先への設置後の適時(例えば、パッカースケール100の運転中の所定の期間間隔毎)において、制御器は、パッカースケール100の各部の動作を実行するための制御プログラムに基づいて、以下の動作をパッカースケール100の各部を制御しながら実行する。
【0244】
まず、制御器は、ロードセルLC1、LC2、LC3、LC4のそれぞれから出力される荷重信号を用いて、被計量物の物性値の変化によるボリューム投入重量MBのバラツキを監視する(ステップS1001)。
【0245】
次いで、制御器は、ロードセルLC1、LC2、LC3、LC4のそれぞれから出力される荷重信号を用いて、ボリューム投入重量MBのバラツキ量ΔMBが所定量以内か否かを判定する(ステップS1002)。
【0246】
ボリューム投入重量MBのバラツキ量ΔMBが所定量を超えた場合(ステップS1002において「NO」の場合)、制御器は、本バラツキ量ΔMBが所定量に入るように、中投入計量ホッパへの被計量物の投入流量を調整する(ステップS1003)。例えば、本例では、第1、第2、第3および第4中投入計量ホッパ64、65、66、44の上方の第1、第2、第3および第4中投入カットゲート54、55、56、37の開度を、これらを駆動する駆動装置を用いて調整することにより、ステップS1003の被計量物の投入流量を調整できる。
【0247】
具体的には、ボリューム投入重量MBが減ることにより、上記バラツキ量ΔMBが所定量を超えるときは、第1、第2、第3および第4中投入カットゲート54、55、56、37の開度を広げるとよい。すると、第1、第2、第3および第4中投入シュート61、62、63、43の排出口の開放時間を一定に保ったまま、第1、第2、第3および第4中投入計量ホッパ64、65、66、44への被計量物の投入重量S1、S2、S3、S4を適量にまで増量できる(つまり、第1、第2、第3および第4中投入計量ホッパ64、65、66、44への被計量物の投入流量を大きくできる)。
【0248】
以上により、本実施形態のパッカースケール100では、大投入計量部10での被計量物のボリューム投入重量MBのバラツキ量ΔMB(例えば、ボリューム投入重量MBの減少分)を、中投入計量部50での被計量物の投入流量調整により、適切に相殺できる。
【0249】
なお、本例では、第1、第2、第3および第4中投入カットゲート54、55、56、37をそれぞれ、第1、第2、第3および第4中投入計量ホッパ64、65、66、44への被計量物の投入流量を調整する調整器の調整部材として用いている。しかし、このような調整部材は、カットゲートに限らない。例えば、調整器は、第1、第2、第3および第4中投入計量ホッパ64、65、66、44の上方に配された、スクリューフィーダや電磁フィーダのような被計量物の供給器(図示せず)であってもよい。
【0250】
[ロスインホッパからの被計量物のロスイン排出重量のバラツキ制御]
被計量物の物性値(例えば、被計量物の嵩密度、流動性、付着性など)は、周辺環境の変動や被計量物の切り替え等により変化する傾向がある。すると、ロスイン排出重量MR(ターゲット量)が変化し、その結果、ロスイン排出重量MRの精度を高精度に維持できなくなる場合がある。
【0251】
よって、ロスインホッパ42からの被計量物のロスイン排出重量MRのバラツキ制御の一例について、以下、図面を参照しながら詳しく説明する。
【0252】
図11は、ロスインホッパからの被計量物のロスイン排出重量のバラツキ制御の一例を示したフローチャートである。
【0253】
パッカースケール100の納入先への設置後の適時(例えば、パッカースケール100の運転中の所定の期間間隔毎)において、制御器は、パッカースケール100の各部の動作を実行するための制御プログラムに基づいて、以下の動作をパッカースケール100の各部を制御しながら実行する。
【0254】
まず、制御器が、ロードセルLC8から出力される荷重信号を用いて、被計量物の物性値の変化によるロスイン排出重量MR(ターゲット量)のバラツキを監視する(ステップS1101)。
【0255】
次いで、制御器は、ロードセルLC8から出力される荷重信号を用いて、ロスイン排出重量MRのバラツキ量ΔMRが所定量以内か否かを判定する(ステップS1102)。
【0256】
ロスイン排出重量MRのバラツキ量ΔMRが所定量を超えた場合(ステップS1102において「NO」の場合)、制御器は、本バラツキ量ΔMRが、この所定量以下になるよう、中投入計量ホッパへの被計量物の投入流量を調整する。例えば、本例では、第1、第2、第3および第4中投入計量ホッパ64、65、66、44の上方の第1、第2、第3および第4中投入カットゲート54、55、56、37の開度を、これらを駆動する駆動装置を用いて調整することにより、ステップS1102の被計量物の投入流量を調整できる。
【0257】
具体的には、ロスイン排出重量MRのバラツキ量ΔMRが所定量を超えるときは、第1、第2、第3および第4中投入カットゲート54、55、56、37の開度を調整するとよい。すると、第1、第2、第3および第4中投入シュート61、62、63、43の排出口の開放時間を一定に保ったまま、第1、第2、第3および第4中投入計量ホッパ64、65、66、44への被計量物の投入重量S1、S2、S3、S4を適量にまで増減できる(つまり、第1、第2、第3および第4中投入計量ホッパ64、65、66、44への被計量物の投入流量を調整できる)。
【0258】
以上により、本実施形態のパッカースケール100では、小投入計量部30での被計量物のロスイン排出重量MR(ターゲット量)のバラツキ量ΔMRを、中投入計量部50での被計量物の投入流量により適切に調整できる。
【0259】
なお、本例では、第1、第2、第3および第4中投入カットゲート54、55、56、37をそれぞれ、第1、第2、第3および第4中投入計量ホッパ64、65、66、44への被計量物の投入流量を調整する調整器の調整部材として用いている。しかし、このような調整器の調整部材は、カットゲートに限らない。例えば、調整器は、第1、第2、第3および第4中投入計量ホッパ64、65、66、44の上方に配された、スクリューフィーダや電磁フィーダのような被計量物の供給器(図示せず)であってもよい。
【0260】
(第1変形例)
本実施形態のパッカースケール100では、制御器が、ボリューム投入重量MBおよびロスイン排出重量MRのバラツキを監視する例を述べたが、これに限らない。
【0261】
以下、パッカースケールの様々な自己診断および自己復帰用の監視項目を用いて、パッカースケールの制御システムを構築する例を述べる。
【0262】
なお、以下の監視項目はあくまで例示であり、パッカースケールの構成に合わせて他の監視項目を用いても構わない。
【0263】
<パッカースケール全体の監視項目>
(1)パッカースケールの能力(例えば、計量速度)
本例として、パッカースケールによる単位時間あたりの被計量物袋詰め個数P(例えば、○○パック/h)がある。
【0264】
また、このような被計量物の袋詰め個数の平均P
AV(例えば、袋詰めされた被計量物を10回、排出したときの、単位時間あたりの被計量物の袋詰め個数Pの平均P
AV)がある。
【0265】
なお、制御器は、上記袋詰め個数Pやその平均P
AVを、図示しない検知手段(例えば、被計量物の1サイクル時間を計測する制御器のカウンタ)の出力信号を用いて取得でき、これらの値P、P
AVを監視できる。例えば、制御器が、上記カウンタを用いて袋詰めされた被計量物の排出時間を検知することにより、この排出時間を現時点における単位時間あたりの被計量物を袋詰め個数Pに換算できる。
【0266】
(2)パッカースケールの精度
本例として、例えば、パッカースケールによる被計量物の袋詰め重量のバラツキ量(目標重量MTに対するバラツキ量ΔMT)がある。
【0267】
また、パッカースケールを用いて、例えば、被計量物の袋詰めを5回行ったときの、被計量物の袋詰め重量のバラツキ量の平均ΔMT
AV、および、これらの最大と最小に相当するレンジΔMT
Rがある。例えば、被計量物の袋詰め重量のバラツキ量ΔMTが、ΔMT=1g、2g、−4g、5g、1gの如く、変動した場合、上記平均ΔMT
AVは、ΔMT
AV=(1g+2g+(−4g)+5g+1g)/5=1gとなり、レンジΔMT
Rは、ΔMT
R=5g−(−4g)=9gとなる。
【0268】
なお、制御器は、上記平均ΔMT
AVおよびレンジΔMT
Rを、図示しない検知手段(例えば、ロードセル)の出力信号を用いて取得でき、これらの値ΔMT
AV、ΔMT
Rを監視できる。
【0269】
<大投入計量部10の監視項目>
(1)大投入計量部10の能力(例えば、計量速度)
本例として、大投入カットゲート15A、15Bの開度および計量ホッパ本体20の排出口の開放時間がある。
【0270】
なお、制御器は、このような大投入カットゲート15A、15Bの開度および計量ホッパ本体20の排出口の開放時間を、ロータリエンコーダ70の出力信号を用いて取得でき、これらの値を監視できる。
【0271】
(2)大投入計量部10の精度
本例として、被計量物の袋詰めを複数回(例えば、5回)行ったときの、大投入計量ホッパ21への被計量物のボリューム投入重量MBの平均MB
AVおよびボリューム投入重量MBのレンジMB
Rがある。例えば、ボリューム投入重量MBが、MB=15.650kg、15.000kg、15.150kg、15.350kg、15.450kgの如く、変動した場合、上記平均MB
AVは、MB
AV=(15.650kg+15.000kg+15.150kg+15.350kg+15.450kg)/5=15.300kgとなり、上記レンジMB
Rは、MB
R=15.650kg−15.000kg=650gとなる。
【0272】
なお、制御器は、ボリューム投入重量MBの平均MB
AVおよびレンジMB
Rを、ロードセルLC1、LC2、LC3、LC4の出力信号を用いて取得でき、これらの値MB
AV、MB
Rを監視できる。
【0273】
<中投入計量部50の監視項目>
(1)中投入計量部50の能力(例えば、計量速度)
本例として、第1、第2、第3および第4中投入カットゲート54、55、56、37の開度および第1、第2、第3および第4中投入シュート61、62、63、43の排出口の開放時間がある。
【0274】
また、第1、第2、第3および第4中投入計量ホッパ64、65、66、44のそれぞれの稼働率(つまり、第1、第2、第3および第4中投入計量ホッパ64、65、66、44のそれぞれが組合せに選ばれる割合)がある。
【0275】
なお、制御器は、このような第1、第2、第3および第4中投入カットゲート54、55、56、37の開度および第1、第2、第3および第4中投入シュート61、62、63、43の排出口の開放時間を、図示しない検知手段(例えば、ロータリエンコーダ)の出力信号を用いて取得でき、これらの値を監視できる。また、制御器は、第1、第2、第3および第4中投入計量ホッパ64、65、66、44のそれぞれの稼働率をロードセルLC5、LC6、LC7、LC9の出力信号を用いて取得でき、これらの稼働率を監視できる。
【0276】
(2)中投入計量部50の精度
本例として、第1、第2、第3および第4中投入計量ホッパ64、65、66、44のそれぞれへの被計量物の中投入量の平均およびレンジがある。これらの中投入量の平均およびレンジの意味は、上記大投入計量部10の平均MB
AVおよびレンジMB
Rの具体例を参酌することにより容易に理解できるので、その詳細な説明は省略する。
【0277】
また、第1、第2、第3および第4中投入計量ホッパ64、65、66、44から組合せ選択排出される被計量物の量(つまり、組合せに選ばれたホッパ内の被計量物のトータル重量)がある。
【0278】
なお、制御器は、上記中投入量の平均およびレンジ、並びに、組合せ選択排出される被計量物の量をロードセルLC5、LC6、LC7、LC9の出力信号を用いて取得でき、これらの値を監視できる。
【0279】
<小投入計量部30の監視項目>
(1)小投入計量部30の能力(例えば、計量速度)
本例として、ロスイン排出ゲート32の開度およびロスインホッパ42の排出口の開放時間がある。
【0280】
なお、制御器は、このようなロスイン排出ゲート32の開度およびロスインホッパ42の排出口の開放時間を、図示しない検知手段(例えば、ロータリエンコーダ)の出力信号を用いて取得でき、これらの値を監視できる。
【0281】
(2)小投入計量部30の精度
本例として、ロスインホッパ42から排出されるロスイン排出重量MR、ロスイン排出重量MRの平均MR
AVおよびロスイン排出重量MRのレンジMR
Rがある。ロスイン排出重量MRの平均MR
AVおよびレンジMR
Rの意味は、上記大投入計量部10の平均MB
AVおよびレンジMB
Rの具体例を参酌することにより容易に理解できるので、その詳細な説明は省略する。
【0282】
なお、制御器は、上記ロスイン排出重量MR、ロスイン排出重量MRの平均MR
AVおよびロスイン排出重量MRのレンジMR
Rを、ロードセルLC8の出力信号を用いて取得でき、これらの値を監視できる。
【0283】
以上のとおり、本変形例のパッカースケールでは、制御器が、パッカースケールの検知手段の出力信号に基づいて、パッカースケールの計量速度または計量精度に相関する自己診断および自己復帰用の様々な監視項目を導くことができる。よって、本パッカースケールでは、制御器が、上記監視項目を用いて、パッカースケールを最適に制御できる。
【0284】
例えば、制御器は、ボリューム投入重量MBの平均MB
AVを監視し、この平均MB
AVが、最適範囲に存在するか否かの判定(自己診断)を行う。そして、制御器は、例えば、上記平均MB
AVが、何等かの原因(例えば、被計量物の嵩密度、流動性、付着性などの変動)により上記最適範囲を下回った場合、この減量分を補い、パッカースケールのトータルの排出重量を適量に復帰させることができる。本例では、制御器が、第1、第2、第3および第4中投入カットゲート54、55、56、37の開度を自動的に広げ、第1、第2、第3および第4中投入計量ホッパ64、65、66、44への被計量物の投入流量を大きくできる。これにより、パッカースケールからの被計量物の排出を正常状態に復帰できる。
【0285】
また、制御器は、ボリューム投入重量MBを減量させ、この減量分を補うよう、第1、第2、第3および第4中投入計量ホッパ64、65、66、44のそれぞれの稼働率を監視し、第1、第2、第3および第4中投入計量ホッパ64、65、66、44の稼働率が低いホッパの稼働率を高めることができる。これにより、被計量物の計量速度を向上できる。
【0286】
また、制御器は、ロスイン排出重量MRを所定量(一定の量)に保つよう、中投入計量ホッパのそれぞれの稼働率を監視し、中投入計量ホッパの稼働率を制御することができる。これにより、被計量物の計量速度および被計量物の計量精度をそれぞれ、所望の値に維持できる。
【0287】
また、制御器は、パッカースケール100による単位時間あたりの被計量物袋詰め個数Pを所定量(一定の値)に保つよう、中投入計量ホッパの稼働率を制御することができる。
これにより、被計量物の計量速度を所望の値に維持できる。
【0288】
(第2変形例)
制御器の表示器は、表示器の表示モードの切り替えにより、様々なシステム画面を構成できる。
【0289】
以下、その一例として、制御器が、上記監視項目としてのボリューム投入重量MBの平均MB
AVが最適範囲内に存在するか否かの判定(自己診断)の結果を表示器に表示させるシステム画面について述べる。また、制御器が、ボリューム投入重量MBの平均MB
AVが最適範囲外に存在すると判定した後、パッカースケールからの被計量物の排出が正常状態に復帰したこと(自己復帰したこと)を表示器に表示させるシステム画面についても述べる。
【0290】
制御器は、時々刻々と変動するボリューム投入重量MBの平均MB
AVを、表示器の表示画面上に、横軸を時間の経過に取った折れ線グラフなどを用いて表示させることができる。このとき、制御器は、何等かの原因(例えば、被計量物の嵩密度、流動性、付着性などの変動)により、ボリューム投入重量MBの平均MB
AVが最適範囲の境界に近づいたとき、或いは、最適範囲外に入ったとき、この折れ線グラフを、他のグラフと区別できるように色分け表示(例えば、最適範囲の境界に近づいたときは黄色、最適範囲外に入ったときは赤色)するとよい。
【0291】
これにより、作業者は、ボリューム投入重量MBの平均MB
AVが、最適範囲の境界に近づいたこと、或いは、これが最適範囲外に入ったことを目視で知ることができ、ひいては、パッカースケールからの被計量物の排出が異常状態に陥る可能性を察知できる。
【0292】
また、制御器は、ボリューム投入重量MBの平均MB
AVが最適範囲外に存在すると判定した後、上記平均MB
AVの増減分が、例えば、第1、第2、第3および第4中投入計量ホッパ64、65、66、44への被計量物の投入流量調整などにより自動的に補われ、被計量物のトータルの排出重量が適量に自動的に自己復帰した場合、上記折れ線グラフを、他のグラフと区別できるよう色分け表示(例えば、青色)するとよい。
【0293】
これにより、作業者は、パッカースケールからの被計量物の排出が正常状態に自動的に復帰したことを目視で知ることができる。
【0294】
(第3変形例)
本実施形態のパッカースケール100では、制御器は、ロードセルLC1、LC2、LC3、LC4、LC5、LC6、LC7、LC8、LC9のそれぞれから出力される荷重信号を用いて、ボリューム投入重量MB、第1、第2、第3および第4中投入計量ホッパ64、65、66、44から組合せ選択排出される被計量物の重量(以下、「組合せ排出重量」と略す場合がある)、および、ロスイン排出重量MRをそれぞれ、計量し、これらの計量後の被計量物を集合シュート22に排出している。
【0295】
本変形例では、このようなボリューム投入重量MB、組合せ排出重量およびロスイン排出重量MRについての、ダブルチェック機能を付与したパッカースケールの構成例について述べる。特に、本実施形態のパッカースケール100では、
図2に示す如く、大投入計量部10の周囲を囲むよう、第1、第2、第3および第4中投入計量部50A、50B、50C、50Dおよび小投入計量部30が配されているので、以下のダブルチェック機能付与を容易に構成できるという利点がある。
【0296】
(1)組合せ排出重量のダブルチェック
組合せ排出重量のダブルチェックには、例えば、第1、第2、第3および第4中投入計量ホッパ64、65、66、44の全ての排出口の真下に、大投入計量ホッパ21の供給口が位置するように、パッカースケール100の構成を変更すればよい。
【0297】
以上により、第1、第2、第3および第4中投入計量ホッパから組合せ選択排出される被計量物を大投入計量ホッパ内に入れることができ、その結果、大投入計量ホッパを用い
て組合せ排出重量をダブルチェックできる。
【0298】
(2)ロスイン排出重量MRのダブルチェック
ロスイン排出重量MRのダブルチェックには、例えば、ロスインホッパ42の排出口の真下に、大投入計量ホッパ21の供給口が位置するように、パッカースケール100の構成を変更すればよい。
【0299】
以上により、ロスインホッパからロスイン排出される被計量物を大投入計量ホッパ内に入れることができ、その結果、大投入計量ホッパを用いてロスイン排出重量MRをダブルチェックできる。
【0300】
また、ロスイン排出重量MRのダブルチェックには、例えば、ロスインホッパ42の排出口の真下に、第1、第2、第3および第4中投入計量ホッパ64、65、66、44のいずれかの供給口が位置するように、パッカースケール100の構成を変更してもよい。
【0301】
以上により、ロスインホッパからロスイン排出される被計量物を第1、第2、第3および第4中投入計量ホッパのいずれかの内部に入れることができ、その結果、第1、第2、第3および第4中投入計量ホッパを用いてロスイン排出重量MRをダブルチェックできる。
【0302】
(3)ボリューム投入重量MB、組合せ排出重量およびロスイン排出重量MRのダブルチェック
ボリューム投入重量MB、組合せ排出重量およびロスイン排出重量MRのトータル重量のダブルチェックには、大投入計量ホッパ21の排出口、第1、第2、第3および第4中投入計量ホッパ64、65、66、44の全ての排出口、および、ロスインホッパ42の排出口の真下に、別体の大型計量ホッパ(図示せず)の供給口が位置するように、パッカースケール100の構成を変更すればよい。
【0303】
以上により、大投入計量ホッパからボリューム排出される被計量物、第1、第2、第3および第4中投入計量ホッパから組合せ選択排出される被計量物、および、ロスインホッパからロスイン排出される被計量物を全て、上記大型計量ホッパ内に入れることができ、その結果、この大型計量ホッパを用いてボリューム投入重量MB、組合せ排出重量およびロスイン排出重量MRのトータル重量をダブルチェックできる。
【0304】
(4)ボリューム投入重量MBおよび組合せ排出重量のダブルチェック
ボリューム投入重量MBおよび組合せ排出重量のトータル重量のダブルチェックには、大投入計量ホッパ21の排出口および第1、第2、第3および第4中投入計量ホッパ64、65、66、44の全ての排出口の真下に、別体の大型計量ホッパ(図示せず)の供給口が位置するように、パッカースケール100の構成を変更すればよい。
【0305】
以上により、大投入計量ホッパからボリューム排出される被計量物、および、第1、第2、第3および第4中投入計量ホッパから組合せ選択排出される被計量物を全て、上記大型計量ホッパ内に入れることができ、その結果、この大型計量ホッパを用いてボリューム投入重量MBおよび組合せ排出重量のトータル重量をダブルチェックできる。
【0306】
(5)組合せ排出重量およびロスイン排出重量MRのダブルチェック
組合せ排出重量およびロスイン排出重量MRのトータル重量のダブルチェックには、第1、第2、第3および第4中投入計量ホッパ64、65、66、44の全ての排出口、および、ロスインホッパ42の排出口の真下に、別体の大型計量ホッパ(図示せず)の供給口が位置するように、パッカースケール100の構成を変更すればよい。
【0307】
以上により、第1、第2、第3および第4中投入計量ホッパから組合せ選択排出される被計量物、および、ロスインホッパからロスイン排出される被計量物を全て、上記大型計量ホッパ内に入れることができ、その結果、この大型計量ホッパを用いて組合せ排出重量およびロスイン排出重量MRのトータル重量をダブルチェックできる。
【0308】
(6)ボリューム投入重量MBおよびロスイン排出重量MRのダブルチェック
ボリューム投入重量MBおよびロスイン排出重量MRのトータル重量のダブルチェックには、大投入計量ホッパ21の排出口、および、ロスインホッパ42の排出口の真下に、別体の大型計量ホッパ(図示せず)の供給口が位置するように、パッカースケール100の構成を変更すればよい。
【0309】
以上により、大投入計量ホッパからボリューム排出される被計量物、および、ロスインホッパからロスイン排出される被計量物を全て、上記大型計量ホッパ内に入れることができ、その結果、この大型計量ホッパを用いてボリューム投入重量MBおよびロスイン排出重量MRのトータル重量をダブルチェックできる。
【0310】
(第4変形例)
以上の実施形態および第1、第2、第3変形例では、小投入計量部30が、ロスイン計量に用いられ、被計量物が、ロスイン排出重量MR分、ロスイン排出されるロスインホッパ42を備える例を述べた。かかる構成により、被計量物の計量精度を高精度に維持できるという利点があるが、小投入計量ホッパは、必ずしもロスインホッパ42でなくてもよい。つまり、小投入計量ホッパは、少なくともボリューム投入重量MBおよび組合せ目標重量よりも軽い小投入排出重量(本実施形態では、ロスイン排出重量MRを例示)分の被計量物が排出されるように構成すればよい。
【0311】
例えば、小投入計量部30は、小投入シュート(図示せず)の排出口の下方において、通常の小投入計量ホッパ(図示せず)を備えるとよい。この場合、小投入シュートの排出口を、例えば、カットゲート(図示せず)を用いて開くことにより、本排出口から小投入計量ホッパ内に被計量物が投入(供給)されて、被計量物が小投入計量ホッパを用いて計量される。そして、計量後の被計量物が、小投入計量ホッパの排出口開閉用のホッパゲート(図示せず)を開くことにより集合シュート22に排出される。
【0312】
(第5変形例)
以上の実施形態および第1および第2変形例では、中投入計量部50での被計量物の投入流量調整を用いて、パッカースケール100からの被計量物の排出を正常状態に復帰させる様々な例を述べたが、このようなフィードバック制御の操作量は、必ずしも、中投入計量部50での被計量物の投入流量に限らない。
【0313】
例えば、大投入計量部10での被計量物の投入流量調整を用いて、パッカースケール100からの被計量物の排出を正常状態に復帰させてもよい。
【0314】
この場合、本例では、大投入カットゲート15A、15Bを、大投入計量ホッパ21への被計量物の投入流量を調整する調整器の調整部材として用いることができるが、このような調整部材は、カットゲートに限らない。上述のとおり、かかる調整器は、例えば、大投入計量ホッパ21の上方に配された、スクリューフィーダや電磁フィーダのような被計量物の供給器(図示せず)であってもよい。
【0315】
(第6変形例)
以上の実施形態では、
図2に示す如く、大投入計量部10の周囲を囲むよう、第1、第
2、第3および第4中投入計量部50A、50B、50C、50Dおよび小投入計量部30が配されているが、小投入計量部30の配置構成はこれに限らない。
【0316】
例えば、小投入計量部30のロスインホッパ42の排出口が、大投入計量ホッパ21の供給口の真上に位置するよう、パッカースケールの構成を変更することができる。
【0317】
以上により、パッカースケールをコンパクトに構成できる。
【0318】
また、小投入計量部30のロスインホッパ42の排出口が、第1、第2、第3および第4中投入計量ホッパ64、65、66、44のいずれかの供給口の真上に位置するよう、パッカースケールの構成を変更することができる。
【0319】
以上により、パッカースケールをコンパクトに構成できる。
【0320】
(第7変形例)
以上の実施形態および第1および第2変形例の説明から、当業者は、以下に述べる様々な改良を行うことができる。
【0321】
例えば、パッカースケールは、パッカースケールの能力(計量速度)を向上させる目的で、複数(例えば、2個)の大投入計量ホッパを備えてもよい。
【0322】
また、パッカースケールは、複数の(2個或いは3個など)のロスインホッパを備えてもよい。これにより、ロスインホッパの秤量を少量化できるので、パッカースケールの計量精度を向上できる。
【0323】
また、パッカースケールは、被計量物の物性値(例えば、被計量物の嵩密度、流動性、付着性など)の大幅な変動によるパッカースケールの性能の限界に適切に対応すべく、被計量物の重量が同じ比率重の複数の中投入計量ホッパ(例えば、比率重が0.5の2個の中投入計量ホッパ)を備えてもよい。
【0324】
また、パッカースケールは、被計量物の物性値(例えば、被計量物の嵩密度、流動性、付着性など)の大幅な変動によるパッカースケールの性能の限界に適切に対応すべく、被計量物の重量が極めて近い比率重の複数の中投入計量ホッパ(例えば、比率重が0.4の中投入計量ホッパと比率重が0.5の中投入計量ホッパ)を備えてもよい。