(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る遊技機が適用された弾球遊技機(パチンコ機)1の斜視図である。弾球遊技機1は、上下に長手の略直方体である。弾球遊技機1は、遊技店内に配列された遊技島への取付け(設置)のための略四角枠状の外枠2と、この外枠2に対し片開き可能に取り付けられた前枠3とを含む。外枠2の左右一方、たとえば左側のヒンジ4によって、前枠3はヒンジ4の回動軸まわりに回動可能に保持されている。
【0012】
前枠3の上部分には、遊技盤5(
図2参照)が収容保持されている。前枠3の下部分には、発射装置(図示しない)が収容保持されている。前枠3の手前側には、前扉6が開閉可能に設けられている。また、前枠3の手前側には、前扉6の下方に、下部開閉板7が開閉可能に設けられている。前扉6には、遊技盤5に対向する位置に略円形の開口部8が形成されている。この開口部8には、ガラス板などの透明板9が嵌められていて、前扉6を閉じた状態で、その透明板9を介して、透明板9の奥側の遊技盤5を視認することができるようになっている。前扉6の上部には、左右一対のスピーカ10が配置されている。また、前扉6の下部には、左右一対のランプユニット11が配置されている。
【0013】
下部開閉板7には、遊技に使用する遊技球(パチンコ球)を貯留しておくための上皿12と、上皿12からオーバーフロー路(図示しない)を通して溢れた遊技球を受け止める下皿13とが上下に並んで設けられている。また、下皿13の右側には、遊技球を遊技盤5に打ち出す際に操作されるハンドル14が配置されている。遊技者が、ハンドル14を把持して回転操作することにより、発射装置から遊技盤5に向けて遊技球を発射することができ、また、ハンドル14の回転角度を調整することにより、遊技盤5の前面に向けて発射される遊技球の勢いを調節することができる。
【0014】
図2は、弾球遊技機1に含まれる遊技盤5の構成を示す正面図である。
遊技盤5の盤面には、中央部に略円形の遊技領域Sが設定されている。遊技領域Sの周縁には、発射装置から発射された遊技球を、遊技盤5の上部(左側上部)に導くための略円弧状のガイドレール15と、このガイドレール15に対向して延びる内レール16とが配設されている。内レール16の先端は遊技領域Sの上部まで延びていて、発射装置により発射された遊技球は、ガイドレール15と内レール16との間を通って遊技領域Sの上部へと導かれる。遊技領域Sには、多数本の障害釘17が植設されている。
【0015】
遊技盤5の中央部には、演出装置の一例としての液晶表示ユニット18を含むセンターユニット19が配設されている。液晶表示ユニット18は、弾球遊技機1の遊技中に、変動中または変動停止状態にある演出図柄や所定のメッセージなどを表示するためのものである。
遊技領域Sにおける、センターユニット19の左方の領域、すなわち遊技領域Sの左領域には、第1の普通図柄ゲート(始動領域)20および風車役物21が上側からこの順に配置されている。第1の普通図柄ゲート20を遊技球が通過すると、第2の始動入賞口27を開状態とするか否か(一対の可動羽根28を拡開姿勢にするか否か)を決定するための普通図柄抽選が実行される。風車役物21は、前後方向に延びる回転軸まわりに回転自在に設けられている。
【0016】
また、遊技領域Sの左下部には、内レール16に沿って配置される円弧状のサイドランプユニット22を構成している。サイドランプユニット22は、左右方向に並ぶ第1の普通入賞口23、第2の普通入賞口24および第3の普通入賞口25をユニット化した、3連普通入賞口を有するサイドランプユニットである。各普通入賞口23〜25に遊技球が1球入賞すると、予め定める個数(たとえば3球)の賞球が、賞球払出装置から払い出される。
【0017】
遊技領域Sの下部には、第1の始動入賞口(始動領域)26および第2の始動入賞口(始動領域)27が上下に並置されている。第1および第2の始動入賞口26,27は、それぞれ、遊技盤5の盤面に沿って流下する遊技球が入球可能に設けられている。第1の始動入賞口26は、開閉手段等を有しない非作動式の入賞口であり、上方に向けて開口している。これに対し、第2の始動入賞口27は、一対の可動羽根28を含む開閉式の電動チューリップ役物29によって開閉される可変式の入賞口であり、上方に向けて開口している。
【0018】
電動チューリップ役物29は、通常、各可動羽根28の先端部が互いに接近する状態に窄められた姿勢(以下「狭窄姿勢」という。)に窄められている。一対の可動羽根28が狭窄姿勢であると、遊技球の第2の始動入賞口27への入球が、第1の始動入賞口26の入球役物30により阻止され、第2の始動入賞口27が閉塞される。各可動羽根28が狭窄姿勢から拡開して、
図1に示すような、一対の可動羽根28が互いに離間するように拡開された姿勢(以下「拡開姿勢」という。)になると、第1の始動入賞口26の入球役物30の左右両側に、第2の始動入賞口27に向かう通路が形成され、この通路を通って第2の始動入賞口27に遊技球が入球可能になる。したがって、一対の可動羽根28が狭窄姿勢にあれば第2の始動入賞口27への遊技球の入球はないが、一対の可動羽根28が拡開姿勢にあると、比較的高い確率で遊技球が第2の始動入賞口27に入球する。第1および第2の始動入賞口26,27ならびに電動チューリップ役物29はユニット化されて、1つの始動入賞口ユニット31を構成している。
【0019】
第1または第2の始動入賞口26,27に遊技球が入ると、予め定める個数(第1の始動入賞口26への遊技球入球に対してはたとえば5球、または第2の始動入賞口27への遊技球入球に対してはたとえば3球)の賞球が、賞球払出装置(図示しない)から払い出される。また、第1または第2の始動入賞口26,27への遊技球の入球に伴って、特別利益状態を実行するか否かを決定するための大当り抽選が実行される。
【0020】
遊技領域Sにおける、センターユニット19の右方の領域、すなわち遊技領域Sの右領域には、第2の普通図柄ゲート(始動領域)32が配置されている。第2の普通図柄ゲート32を遊技球が通過すると、第2の始動入賞口27を開状態とするか否か(一対の可動羽根28を拡開姿勢にするか否か)を決定するための普通図柄抽選が実行される。
遊技領域Sの右下部(より具体的には、左右方向に関し第2の普通図柄ゲート32と始動入賞口26,27との略中間位置)には、左右に長い平面視長方形状をなす可変入賞口33が配設されている。可変入賞口33は、左右方向に関して、複数個(たとえば3〜4個)の遊技球が同時に入球可能なサイズに形成されている。
【0021】
可変入賞口33に関連して、可変入賞口33を開閉可能な可変入賞役物34が設けられている。可変入賞役物34は、遊技盤5の盤面に沿った状態で可変入賞口33を閉塞して、可変入賞口33に遊技球が入るのを阻止することができる一方、この状態から可変入賞口33の下端縁に沿って配置された揺動軸(図示しない)を中心に手前側に傾倒することにより、可変入賞口33を開放して、可変入賞口33に流下してくる遊技球を可変入賞口33内に導き入れることができる。可変入賞口33に遊技球が入球すると、予め定める個数(たとえば、可変入賞口33への遊技球1球入球に対して10球)の賞球が、賞球払出装置から払い出される。可変入賞口33は、遊技盤5の盤面の右下端部に配置された右下ユニット35に設けられている。
【0022】
遊技盤5の盤面におけるガイドレール15の外側領域の左下部には、第1特別図柄表示手段36、第2特別図柄表示手段37および普通図柄表示手段38が配置されている。
第1特別図柄表示手段36は、第1の始動入賞口26に遊技球が入球することを条件に、第1特別図柄を所定時間変動表示して、第1の始動入賞口26への遊技球の入球時に取得された大当り判定乱数値が予め定められた大当り判定値と一致する場合には所定の大当り態様で、それ以外の場合には外れ態様で停止する。
【0023】
第2特別図柄表示手段37は、第2の始動入賞口27に遊技球が入球することを条件に、第2特別図柄を所定時間変動表示して、第2の始動入賞口27への遊技球の入球時に取得された大当り判定乱数値が予め定められた大当り判定値と一致する場合には所定の大当り態様で、それ以外の場合には外れ態様で停止する。
普通図柄表示手段38は、第1または第2の普通図柄ゲート20,32に遊技球が通過することを条件に普通図柄を所定時間変動表示して、第1または第2の普通図柄ゲート20,32に対する遊技球の通過時に取得された当り判定乱数値が予め定められた当り判定値と一致する場合には所定の当り態様で、一致しない場合には所定の外れ態様で停止させるようになっている。
【0024】
遊技者のハンドル14(
図1参照)の操作により、発射装置(図示しない)から適度の勢いで発射された遊技球は、遊技領域Sの左上部分から右斜め上方に向けて(ガイドレール15および内レール16に沿って)放たれる。遊技領域Sの左上部分から放たれた遊技球は、遊技領域Sの左部分(含:左領域、左下領域)に植設された障害釘17の間を流下する。また、遊技球のうち幾つかの遊技球は、前後に延びる所定の回転軸まわりに回転自在に設けられている風車役物21に衝突し、当該風車役物21の回転により、その衝突した遊技球が風車役物21の左側または右側に振り分けられながら、障害釘17の間を流下する。遊技領域Sの左部分(左領域および左下領域)を流下する遊技球は、第1の普通図柄ゲート20を通過可能であり、または、第1〜第3の普通入賞口23,24,25、第1もしくは第2の始動入賞口26,27に入球可能である。
【0025】
また、この弾球遊技機1では、いわゆる右打ち(遊技領域Sの右部分(含:右領域、
右下領域)に向けて遊技球を発射させる遊技)を行うことができるようになっている。具体的には、ハンドル14(
図1参照)の回転角度を極めて大きくすると、非常に強い勢いで遊技球が発射される。そして、遊技領域Sの左上部分から右斜め上方に向けて(ガイドレール15および内レール16に沿って)、遊技球が勢い良く放たれる。遊技領域Sの左上部分から放たれた遊技球は、遊技領域Sの上部で、ガイドレール15とセンターユニット19の周縁とによって区画される上通路39を通って、遊技領域Sの右部分へと達し、その右部分において下方に向けて放たれ、障害釘17の間を流下する。遊技領域Sの右部分(含:右領域、右下領域)を流下する遊技球は、第2の普通図柄ゲート32を通過可能であり、または可変入賞口33、第1もしくは第2の始動入賞口26,27に入球可能である。
【0026】
遊技領域Sを流下する遊技球のうち、第1ないし第2の始動入賞口26,27、可変入賞口33、または第1〜第3の普通入賞口23,24,25のいずれにも入球しなかった遊技球(アウト球)は、遊技領域Sの下部に形成されたアウト口40から機内に入り、球回収部(図示しない)に回収される。
センターユニット19は、液晶表示ユニット18と、開口41を有し、液晶表示ユニット18の外側を取り囲む装飾枠42と、装飾枠42に取り付けられて、装飾枠42の開口41におけるステージ46の後ろ側の領域(すなわち開口41の一部分)を覆う進入防止部材43とを含む。
【0027】
装飾枠42は、遊技盤5の盤面において、遊技領域Sと開口41の後方に設定される演出領域(図示しない)とを前後に仕切るためのものである。装飾枠42は、略円形のフレーム枠(図示しない)と、フレーム枠の下辺部の前面に配置されて、上面を遊技球が転動するステージ46と、フレーム枠の左辺部の前面に配置されて、遊技領域S(装飾枠42の外側)を流下する遊技球を取り込んでステージ46に案内するワープ通路(図示しない)が内部に形成されたワープ通路役物47と、フレーム枠の前面ならびにステージ46およびワープ通路役物47の前面を覆う多数の飾り48とを含む。フレーム枠の前面には、飾り48の他に、蝶の腹部を象った正面形状を有する点灯表示手段49が配置されている。点灯表示手段49は、正面視で、ステージ46の右隣に配置されている。点灯表示手段49は、その表示面が前方に向く鉛直姿勢で配置されている。
【0028】
点灯表示手段49は、個別に点灯/消灯可能な点灯表示部50を4つ有する第1の保留球数表示領域51と、点灯表示部50を4つ有する第2の保留球数表示領域52と、点灯表示部50を3つ有する演出表示領域53とを含む。
第1の保留球数表示領域51は、点灯表示される点灯表示部50の個数によって、第1特別図柄の変動動作の有効保留数(すなわち、保留用として記憶されている第1特別図柄用の始動記憶の数)を表示するものである。第1の保留球数表示領域51では、4つの点灯表示部50が、正面視で、右方に向かうに従って上方に向かうような傾斜直線状に並んでいる。4つの点灯表示部50のうち左下側から右上側の順に、消化の早い順に並べられる。第1の始動入賞口26への遊技球の入賞毎に、点灯状態の点灯表示部50が左下側から順に1つずつ増え、第1特別図柄の変動動作の開始に伴って、点灯状態の点灯表示部50が右上側から順に1つずつ減少する(消灯状態の点灯表示部50が増える)。
【0029】
第2の保留球数表示領域52は、点灯表示される点灯表示部50の個数によって、第2特別図柄の変動動作の有効保留球数(すなわち、保留用として記憶されている第2特別図柄用の始動記憶の数)を表示するものである。第2の保留球数表示領域52では、4つの点灯表示部50が、正面視で、右方に向かうに従って上方に向かうような傾斜直線状に並んでいる。4つの点灯表示部50のうち左下側から右上側の順に、消化の早い順に並べられる。第2の始動入賞口27への遊技球の入賞毎に、点灯状態の点灯表示部50が左下側から順に1つずつ増え、第2特別図柄の変動動作の開始に伴って、点灯状態の点灯表示部50が右上側から順に1つずつ減少する(消灯状態の点灯表示部50が増える)。第2の保留球数表示領域52の各点灯表示部50は、第1の保留球数表示領域51の各点灯表示部50よりもやや小径に設けられている。
【0030】
図3は、
図2に示す点灯表示手段49の分解斜視図である。
図4は、点灯表示手段49を、
図3の切断面線IV−IVから見た断面図である。
図3に示すように、点灯表示手段49は、複数(点灯表示部50の数と同数)のLED(発光体)54と、複数のLED54が前面(視認方向側の主面)55Aに実装されたLED基板(発光体基板)55と、複数のLED54の前方側(視認方向側)に跨って配置された1パーツのレンズ(レンズ手段)56と、レンズ56とLED基板55との間に介装された導光部材(導光手段)57と、レンズ56の前方側において、レンズ56を覆うように配置されたカバー(カバー手段)58とを含む。
図3において、レンズ56、導光部材57およびカバー58は、図示の関係上それぞれ一部分のみ図示している。
図3において、レンズ56は、最も右上の第1のLED54A(
図2参照)に対応するレンズ部60、および左下側から数えて2番目の第2のLED54B(
図2参照)に対応するレンズ部60を含む部分のみを示すが、LED基板55に配置された全てのLED54を覆うだけの面積を有している。また
図3において、導光部材57は、最も右上の第1のLED54A(
図2参照)に対応する筒状部63、および左下側から数えて2番目の第2のLED54B(
図2参照)に対応する筒状部63を含む部分のみを示すが、LED基板55に配置された全てのLED54を覆うだけの面積を有している。また
図3において、カバー58は、最も右上の第1のLED54A(
図2参照)に対応する収容枠66、および左下側から数えて2番目の第2のLED54B(
図2参照)に対応する収容枠66を含む部分のみを示すが、カバー58は、点灯表示手段49の前面(
図1参照)を構成する部材であり、そのため、点灯表示手段49の平面視形状に整合する形状を有している。また、カバー58に対し後方側(視認方向と反対方向側)に配置されるレンズ56や導光部材57の全域をそれぞれ覆うだけの面積を有している。
【0031】
前述のように、点灯表示手段49は、その表示面が前方に向く鉛直姿勢で配置されているので、
図3に示すように、LED基板55は、実装面である前面55Aを前方に向けた鉛直姿勢で配置されている。LED基板55の前面55Aには、複数(
図3では、たとえば11個)のLED54が実装されている。この実施形態では、複数のLED54は、第1の保留球数表示領域51の点灯表示部50の表示用の4つの第1のLED54Aと、第2の保留球数表示領域52の点灯表示部50の表示用の4つの第2のLED54Bと、演出表示領域53の点灯表示部50の表示用の3つの第3のLED54Cとを含む。LED基板55には弾球遊技機1の演出制御を司る演出基板(図示しない)が接続されていおり、演出制御基板によってLED基板55に実行されているLED54が発光制御されている。第1〜第3のLED54は、たとえば、互いに同一の規格のものが採用されている。なお、発光体として、LED54以外のものを採用してもよい。
【0032】
レンズ56は、板状のレンズ基部59と、レンズ基部59の前面(視認方向側の主面)59Aから前方に向けて膨出したカップ状の複数(点灯表示部50の数と同数)のレンズ部60とを一体に有し、透光性を有する樹脂材料(たとえば、ポリカーボネートやABS樹脂、アクリル樹脂)を用いて形成されている。レンズ基部59は、LED基板55と平行に配置されている。複数のレンズ部60は、互いに、レンズ基部59に沿う方向に間隔を隔てて配置されている。レンズ部60の後端面(後端部)は、周方向全域でレンズ基部59に接続している。レンズ部60は、LED54と1対1対応で設けられている。各レンズ部60は、対応するLED54の前方を覆っている。たとえば、レンズ部60は、LED54からの光を散乱させながら、前方へと導く。
【0033】
導光部材57は、LED基板55とレンズ56との間に挟まれる導光板61を含む。
図4に示すように、導光板61は、その前面61Aがレンズ56のレンズ基部59の後面59Bに接していると共に、当該後面59Bが、LED基板55の前面55Aに所定の微小間隔を隔てて配置されている。導光板61には、LED54を前方側に露出させるための露出穴62が形成されている。露出穴62は、たとえば円形をなし、点灯表示部50の数と同数設けられている。また、導光部材57は、各露出穴62の周縁から前方に向けて突出するたとえば円筒状の筒状部63を含む。筒状部63は、点灯表示部50の数と同数設けられており、LED54およびレンズ56と1対1対応で設けられている。複数の筒状部63は、導光板61と一体的に形成されている。導光板61および筒状部63を含む導光部材57は、不透光性を有する樹脂材料(たとえば、ポリカーボネートやABS樹脂)を用いて形成されいる。各筒状部63は、対応するレンズ部60に内嵌されると共に、対応するLED54の周囲を取り囲む。そして、対応するLED54からの光を筒状部63の内周面で反射させて、当該光を、対応するレンズ部60へと導く。筒状部63の高さ(突出量)は、筒状部63の前端面(筒状部の、視認方向側の端部)63Aが、前後方向に関し、レンズ基部59の前面59Aよりも前方に突出するように設定されている。
【0034】
カバー58は、前面64Aに装飾(図示しない)が施された前面板64を含む。前面板64は、不透光性を有する樹脂材料(たとえば、ポリカーボネートやABS樹脂)を用いて形成されている。前面板64には、LED54からレンズ部60を介した光を透過させるための透光窓65が設けられている。透光窓65は、点灯表示部50の数と同数設けられており、LED54およびレンズ部60と1対1対応で設けられている。この実施形態では、透光窓65は、前面板64を前後に貫通する貫通穴によって形成されている。各透光窓65の周縁からは、円筒状の収容枠66が後方に向けて突出している。各収容枠66の後方に、対応するLED54が配置される。各収容枠66の後端面(カバーの、視認方向と反対方向側の端部)66Aは、レンズ56のレンズ基部59の前面59Aに当接している。換言すると、カバー58の各収容枠66の後端面66Aが、前後方向に関し、筒状部63の前端面63Aよりも後方に突出している。
【0035】
各LED54の発光状態では、LED54から発せられた光がレンズ部60および透光窓65を介して前方側へと放出されることにより、遊技者は、レンズ部60の点灯状態を視認できる。この状態は、対応する点灯表示部50の点灯状態である。また、各LED54の非発光状態では、遊技者は、レンズ部60の消灯状態を視認できる。この状態は、対応する点灯表示部50の消灯状態である。
【0036】
LED54は、比較的強い指向性を有するものの、一般的に、120°程度の指向角を有しているとされる。そのため、LED54からは、光源の中心軸方向(この実施形態では前方)だけでなく、側方(この実施形態では、前方に対し鋭角傾斜する方向)にも光が発せられる。
以下、便宜上、
図4の左側の点灯表示部50のLED54、筒状部63およびレンズ部60を、それぞれ左LED154、左筒状部163および左レンズ部160といい、右側の点灯表示部50のLED54、筒状部63およびレンズ部60を、それぞれ右LED254、右筒状部263および右レンズ部260といい、
図4の2つの点灯表示部50について、左側の点灯表示部50に着目して検討する。
【0037】
左筒状部163を設けない場合を仮に想定すると、左LED154の発光状態では、左LED154から発せられた光が左レンズ部160だけでなくレンズ基部59にも与えられる。そして、左LED154からの光が、透光性を有するレンズ基部59の内部を伝って右レンズ部260に導かれるおそれがある。この場合、右LED254が非発光であるにも拘らず、左レンズ部160から漏れた光によって、右レンズ部260が弱く光って見える。左レンズ部160からの光漏れ度合いによっては、右レンズ部260が点灯状態にあるのかあるいは消灯状態にあるのかを、遊技者が見分けることができない。
【0038】
これに対し、本実施形態では、LED54の周囲を、導光部材57の筒状部63によって取り囲む。しかも、筒状部63がカップ状のレンズ部60に内嵌されている。さらには、筒状部63の前端面63Aが、レンズ基部59の前面59Aよりも前方に突出しているので、LED54から発せられた光がレンズ基部59に入射し難い。そのため、LED54の発光状態において、対応するレンズ部60からの光漏れを抑制できる。
【0039】
前記の例では、左LED154の発光状態において、左レンズ部160からの光漏れが抑制される。これにより、右レンズ部260の発光を抑制できる。したがって、右LED254が非発光状態である場合には右レンズ部260が暗い状態のまま保たれるために、右側の点灯表示部50を点灯状態と誤認するおそれはない。ゆえに、レンズ部60からの光漏れを抑制または防止しながら、レンズ部60の点灯(点灯表示部50の点灯)等により演出の向上を図ることができる。
【0040】
とくにこの実施形態に係る点灯表示手段49では、点灯状態にある点灯表示部50の個数、すなわち点灯状態にあるレンズ部60の個数で保留球の有効保留数を表している。遊技者にとって重要な情報である有効保留数を表示する保留数表示手段として点灯表示手段49を用いるので、レンズ部60からの光漏れを抑制または防止できる結果、保留球の有効保留数を遊技者が誤って認識することを確実に防止できる。
【0041】
また、筒状部63を対応するレンズ部60に内嵌させなくても、レンズ部60を各筒状部63の前端面63Aよりも前方に配置する構成を採用すれば、レンズ部60からの光漏れを抑制できることが考えられる。しかしながら、この場合、LED54とレンズ部60との間の間隔が広くなり過ぎてしまい、その結果、レンズ部60を透過する光の量が弱くなるおそれがある。
【0042】
これに対し、この実施形態では、筒状部63を対応するレンズ部60に内嵌させるために、LED54とレンズ部60との間の間隔が狭くすることができる。これにより、レンズ部60発せられる光量を強く確保することができる。したがって、レンズ部60から発せられる光量を強く確保しながら、レンズ部60からの光漏れを抑制または防止を図ることができる。
【0043】
また、不透光性を有するカバー58の各収容枠66の後端面66Aが、前後方向に関し、筒状部63の前端面63Aよりも後方に突出しているので、筒状部63の前端から発せられた光は、収容枠66が邪魔になって、レンズ基部59に入射できない。これにより、レンズ部60の点灯状態において、当該レンズ部60からの光漏れをより一層防止できる。
【0044】
以上、この発明の一実施形態について説明したが、本発明は他の形態で実施することもできる。
たとえば、点灯表示手段49に含まれる複数の点灯表示部50によって、第1特別図柄の変動動作の有効保留球数の表示、第2特別図柄の変動動作の有効保留球数の表示および演出表示の3種類の表示を行うものとして説明したが、これら全ての表示を行わずに、これらの少なくとも1種類の表示を行うものであればよい。
【0045】
また、前述の実施形態では、点灯表示手段49を、点灯状態にある点灯表示部50の個数で保留球の有効保留数を表すものとして説明したが、点灯表示手段49の少なくとも一部の領域を、特別図柄表示手段または普通図柄表示表示手段として用いることもできる。
点灯表示手段49の少なくとも一部の領域を、特別図柄表示手段として用いる場合、第1または第2の始動入賞口26,27に遊技球が入賞することに基づいて、LED54の点灯状態/消灯状態によって特別図柄の変動動作を行うとともに、LED54の点灯状態/消灯状態によって、その後に停止表示される特別図柄の種別を表す。たとえば、2つのLED54によって特別図柄表示手段を構成する場合、点灯状態にあるLEDを2つのLED54の間で交互に高速で切り換えることにより特別図柄の変動動作を表す。そして、図柄の変動動作の後、大当り抽選の結果が大当りである場合には、2つのLED54のうち一方のLED54を点灯させ、大当り抽選の結果が外れである場合には、2つのLED54のうち他方のLED54を点灯させる。また、たとえば、1つのLED54によって特別図柄表示手段を構成する場合、LED54を、点灯状態と消灯状態との間を高速で切り換えることにより特別図柄の変動動作を表す。そして、図柄の変動動作の後、大当り抽選の結果が大当りである場合には、LED54をたとえば点灯状態とさせ、大当り抽選の結果が外れである場合には、LED54をたとえば消灯状態とさせる。なお、特別図柄表示手段として点灯表示手段49を用いる場合、特別図柄表示手段36,37を廃止してもよい。
【0046】
点灯表示手段49の少なくとも一部の領域を、普通図柄表示手段として用いる場合、第1または第2の普通図柄ゲート20,32を遊技球が通過することに基づいて、LED54の点灯状態/消灯状態によって普通図柄の変動動作を行うとともに、LED54の点灯状態/消灯状態によって、その後に停止表示される普通図柄の種別を表す。たとえば、2つのLED54によって普通図柄表示手段を構成する場合、点灯状態にあるLEDを2つのLED54の間で交互に高速で切り換えることにより普通図柄の変動動作を表す。そして、図柄の変動動作の後、普通図柄抽選の結果が当りである場合には、2つのLED54のうち一方のLED54を点灯させ、普通図柄抽選の結果が外れである場合には、2つのLED54のうち他方のLED54を点灯させる。また、たとえば、1つのLED54によって普通図柄表示手段を構成する場合、LED54を、点灯状態と消灯状態との間を高速で切り換えることにより普通図柄の変動動作を表す。そして、図柄の変動動作の後、普通図柄の結果が当りである場合には、LED54をたとえば点灯状態とさせ、普通図柄抽選の結果が外れである場合には、LED54をたとえば消灯状態とさせる。なお、普通図柄表示手段として点灯表示手段49を用いる場合、普通図柄表示手段38を廃止してもよい。
【0047】
この場合、特別図柄表示手段および/または普通図柄表示手段として点灯表示手段49を用いるので、レンズ部60からの光漏れを抑制または防止できる結果、停止表示されている特別図柄および/または停止表示されている普通図柄の種別を遊技者が誤って認識することを確実に防止できる。
また、3つの表示領域51,52,53用のLED54の全て(たとえば11つ)の前方を1パーツのレンズ56で覆うものと説明したが、複数パーツのレンズでLED54の前方を覆うようにしてもよい。この場合、複数のパーツのうちの少なくとも1つのレンズパーツが、複数のLED54の前方を跨って覆っていればよい。
【0048】
また、前述の説明において、LED54がレンズ部60と1対1対応で設けられているとして説明したが、複数のLED54が1つのレンズ部60に対応付けられていてもよい。
また、各収容枠66の後端面66Aがレンズ基部59の前面59Aに当接しているとして説明したが、各収容枠66の後端面66Aがレンズ基部59の前面59Aに対し前方に所定間隔を隔てて設けられていてもよい。この場合、各収容枠66の後端面66Aが、筒状部63の前端面63Aよりも後方に突出していることが望ましいが、筒状部63の前端面63Aと前後方向に同等か、あるいは前端面63Aよりも前方に退避していることが望ましい。
【0049】
また、透光窓65が、前面板64を前後に貫通する貫通穴によって形成されているとして説明したが、透光部材によって透光窓を構成してもよい。
また、前述の実施形態では、LED基板55が、その前面55Aが前方に向く鉛直姿勢で配置されているとして説明したが、LED基板55の姿勢は、上下方向に傾斜していても、あるいは左右方向に傾斜していてもよい。この場合、視認方向は、前方ではなく、前方に対して所定の鋭角傾斜する方向である。
【0050】
また、発光体としてLEDを採用したが、LED以外の光源(たとえば白熱電球や放電電球)を用いてもよい。
また、始動入賞口として、第1および第2の始動入賞口26,27の2つを設ける構成を例に挙げて説明したが、この構成に限られず、1つの始動入賞口のみを設けるようにしてもよい。
【0051】
また、普通図柄ゲートとして、第1および第2の普通図柄ゲート20,32の2つを設ける構成を例に挙げて説明したが、この構成に限られず、1つの普通図柄ゲートのみを設けるようにしてもよい。
また、前述の説明では、遊技機として弾球遊技機1を例に挙げて説明したが、この発明は弾球遊技機に限られず、スロットマシンに代表される回胴式遊技機などの他の遊技機にも適用できる。
【0052】
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【解決手段】点灯表示手段49は、前面55Aに複数のLED54を有するLED基板55と、板状のレンズ基部59と複数のカップ状のレンズ部60とを有し、複数のLED54の前方を跨るように配置されたレンズ56と、レンズ56の前方に配置されたカバー58と、LED基板55とレンズ56との間に配置される導光部材57とを含む。導光部材57は、各レンズ部60に1対1対応で設けられた筒状部63を有している。各筒状部63は、対応するレンズ部60に内嵌されると共に当該レンズ部60に対応するLED54の周囲を取り囲む。各筒状部63の前端面63Aが、前後方向に関し、レンズ基部59の前面59Aよりも前方に突出している。