(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、少なくとも市民に有用な選択肢を提供する患者用インターフェース、または患者用インターフェースの態様を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様では、本発明は、概して、顔に接触する側を含む鼻シールであって、軟質の可撓性材料で形成され、かつ鼻の基底にわたって延在する中央部分、および中央部分の各端部から延出する側部部分を含み、各側部部分は鼻の側面にわたって延在する、鼻シールと、柔軟性があって、内部圧力下で、シールの側部部分において鼻の側面の外表面を含め装着者の鼻の表面に適合する、シールの顔に接触する側と、柔軟性のある内部側面よりも遙かに硬い領域であって、シールの側部部分まで延在する領域を含む外部側面とを含む、患者用インターフェースにあると言い得る。
【0007】
別の態様によれば、シールの側部部分は互いに実質的に平行であり、かつシールの中央部分に実質的に垂直である。
【0008】
別の態様によれば、シールの側部部分の外壁は、それらの向きの間に0度〜30度の角度をなすように位置合わせされる。
【0009】
別の態様によれば、シールは、顔に接触する側に一対の鼻ロケータを含み、シールの顔に接触する側において、シールの、鼻ロケータに直接隣接しかつそれを含む領域が、この領域を取り囲む領域よりも硬い。
【0010】
別の態様によれば、外部側面の顔に接触する側に接合するシールの周辺部分は柔軟性があり、シールの内部側面が外部側面に対して変位できるようにする。
【0011】
別の態様によれば、シールの中央部分の外部側面は、シールの内部に対してガスを通過させるアパーチャを含む。
【0012】
別の態様によれば、シールの柔軟部分は、厚さが0.05mm〜0.5mmのシリコーン材料を含む。
【0013】
別の態様によれば、シールの部分は、厚さが0.1mm〜0.2mmのエラストマーを含む。
【0014】
別の態様によれば、シールの硬い部分は、厚さが2mm〜5mmのシリコーン材料を含む。
【0015】
別の態様によれば、シールの柔軟部分は、厚さが2mm〜3mmのエラストマーを含む。
【0016】
別の態様によれば、鼻ロケータに直接隣接しかつそれを含む領域は、厚さが0.5mm〜2mmのシリコーン材料を含む。
【0017】
別の態様によれば、シールの、一方の側部部分の外表面から他方の側部部分の外表面までの全幅は、30mm〜60mmである。
【0018】
別の態様によれば、シールの、中央部分の外面から各側部部分の末端部に接合するラインまでの全深さは、40mm〜65mmである。
【0019】
別の態様によれば、本体が鼻シールに組み立てられ、本体は、鼻シールよりも剛性の高い材料で形成され、かつ鼻シールと共に、入口開口部と患者用出口開口部とを含む囲いを形成し、入口開口部にはスイベルエルボーが接続される。
【0020】
別の態様によれば、本体へのスイベルエルボーの接続は、本体に対するスイベルエルボーの回転および少なくとも横軸の周りでの本体に対するスイベルエルボーの旋回をもたらす。
【0021】
別の態様によれば、接続は玉継手を含む。
【0022】
別の態様によれば、エルボーは第1の端部、第2の端部、および第1の端部と第2の端部との間の流路を含み、流路は、第1の端部において第1の方向におよび第2の端部において第2の方向に位置合わせされ、第1の方向および第2の方向は、120°〜180°の角度をなす。
【0023】
別の態様によれば、角度は120°〜150°である。
【0024】
別の態様によれば、角度は130°〜140°である。
【0025】
別の態様によれば、エルボーはガス逃がし通気孔(washout vent)を含む。
【0026】
別の態様によれば、ガス逃がし通気孔は、鼻シールおよび本体アセンブリからエルボーへのガス流路と位置合わせされている。
【0027】
別の態様によれば、ガス逃がし通気孔は、エルボーの壁を通る複数の穴を含む。
【0028】
別の態様によれば、患者用インターフェースは、シールに組み立てられた本体と、組み立て済みの本体と鼻シールから延出するループ状のストラップとを含み、ストラップは、一方の端部において、組み立て済みの本体と鼻シールの第1の部分から、および他方の端部において、組み立て済みの本体と鼻シールの第2の部分から出ている。
【0029】
別の態様によれば、ストラップは、装着者の頭部に係合するストラップの長さに沿って単一の非分割バンドを含む。
【0030】
別の態様によれば、ストラップは、両端部で本体に係合する。
【0031】
別の態様によれば、ストラップは、両端部で、取り外し可能なコネクタによって本体に係合する。
【0032】
別の態様によれば、バンドは細く、好ましくは幅が10mm未満である。
【0033】
別の態様によれば、バンドの幅は6mm未満である。
【0034】
別の態様によれば、バンドの硬さは、弛緩状態からの100mmの伸長当たり2N未満である。
【0035】
別の態様によれば、バンドは、高弾性材料のフィラメントおよび遙かに硬い材料のフィラメントを組み込む、編糸または編組糸で形成される。
【0036】
別の態様によれば、患者用インターフェースは、シールおよび本体から垂れ下っているチューブと、チューブに接続され、かつ患者の首または衣類に接続可能なチューブ支持体とを含む。
【0037】
別の態様によれば、チューブ支持体は、装着者の首の周りで締結可能なカラーを含む。
【0038】
別の態様によれば、カラーは第1の端部部分および第2の端部部分を有し、第1の端部部分および第2の端部部分は締結構成を含み、端部部分を、重なる量を選択して締結できるようにする。
【0039】
別の態様によれば、カラーは第3の端部部分、第4の端部部分、および第3の端部部分を第4の端部部分に接続するコネクタを含む。
【0040】
別の態様によれば、コネクタは、解放張力よりも大きい張力をコネクタにかけると第4の端部部分から第3の端部部分を解放するように構成されており、解放張力は10N未満である。
【0041】
別の態様によれば、カラーの幅は30mm〜60mmである。
【0042】
別の態様によれば、カラーは、コア材料と、コア材料を取り囲むカバー材料とを含む。
【0043】
別の態様によれば、コア材料は、寸法安定性、通気性のあるメッシュである。
【0044】
別の態様によれば、カバー材料は、編組されたまたは編まれた天然繊維である。
【0045】
別の態様によれば、チューブ支持体は、カラーから延出するつなぎ部を含み、コネクタは、一方の端部において、チューブに固定されるかまたは固定可能である。
【0046】
別の態様によれば、つなぎ部は外側端部にコネクタを含み、カラーが第2のコネクタを貫通する。
【0047】
別の態様によれば、つなぎ部は第1の端部、第2の端部、および第1の端部と第2の端部を接続するコネクタを含み、コネクタは、解放張力よりも大きい張力をかけると解放するように構成されており、解放張力は10N未満である。
【0048】
別の態様によれば、ストラップのコネクタは第1の部分および第2の部分を含み、係合状態において、第1の部分は第2の部分に対して旋回する。
【0049】
別の態様によれば、チューブと係合するコネクタはリングを含む。
【0050】
別の態様によれば、患者用インターフェースは、シールに接続された本体を含み、本体は、シールの外側に係合する鼻シール係合部分と、入口開口部と、インターフェースを患者に固定するためのループストラップが延出する少なくとも1つのストラップ係合部分とを含む。
【0051】
別の態様によれば、本体は、2つのストラップ係合部分を含み、各ストラップ係合部分は、入口開口部の対向する側から、入口開口部から横方向に離れて延出する。
【0052】
別の態様によれば、各ストラップ係合部分は、ストラップ係合部分がシールの外壁に重なる領域において入口開口部から離れて延出する。
【0053】
別の態様によれば、本体の中央部分が、概して本体の外壁の凸形状に適合する凸形状を画成し、ストラップ係合部分が中央部分の横方向末端部から延出し、ストラップ係合部分は、略凸形状に対して外向きに位置合わせされた角度で中央部分から離れて延出する。
【0054】
別の態様によれば、ストラップ係合部分は、30度超のねじ山の角度をなしてシールの外壁から離れて延出する。
【0055】
別の態様によれば、シールの外壁から分岐する点からのストラップ係合部分が、シールの外壁の相当長さの50%〜150%の長さである。
【0056】
別の態様によれば、患者用インターフェースは、鼻シールと係合した本体を含み、本体は、鼻シールよりも剛性が高く、本体からリップ支持体が垂れ下り、リップ支持体は、シールの縁を越えて延出する。
【0057】
別の態様によれば、リップ支持体は、装着者の上唇部分に係合する1つ以上のパッドを含む。
【0058】
別の態様によれば、リップ支持体は、シールの両横方向領域において間隔をあけて2つの垂下式脚を含み、各脚は、シールの下縁の横方向部分を越えて延出する。
【0059】
別の態様によれば、各脚は、上唇に面を向けるようにしてパッド部分を担持する。
【0060】
別の態様によれば、脚は、それらが接触する装着者の唇部分に平行な軸の周りにおいて、唇の平面に垂直な軸の周りよりも硬さが柔らかくなるように成形される。
【0061】
別の態様では、本発明は、概して、患者用インターフェース用のヘッドギアであって、ヘッドギアが、幅3mm〜6mmの弾性バンド、2N未満の力で150mmの伸長をもたらす硬さ、マスクの第1の横方向部分に接続されるかまたは接続可能な第1の端部、およびマスクの第2の横方向部分に接続されるかまたは接続可能な第2の端部を含む、患者用インターフェース用のヘッドギアにあると言い得る。
【0062】
別の態様によれば、ストラップの長さは、その弛緩長さにおいて350mm〜450mmである。
【0063】
別の態様によれば、ストラップは、1Nの伸長力がかけられると60mm〜110mm長くなる。
【0064】
別の態様によれば、ストラップは、編糸または編組糸から構成され、糸は、第1の材料のフィラメント、および高弾性であるが第1の材料よりも遙かに硬さの柔らかい第2の材料のフィラメントを含む。
【0065】
別の態様によれば、ストラップは第1の端部に第1のコネクタおよび第2の端部に第2のコネクタを含む。
【0066】
別の態様では、本発明は、上記の段落のいずれか1つに記載のストラップを含む患者用インターフェースにある。
【0067】
別の態様では、本発明は、概して、顔に接触する側を含む鼻シールであって、軟質の可撓性材料で形成された鼻シール、鼻シールに組み立てられた本体であって、鼻シールよりも剛性の高い材料で形成され、かつ鼻シールと共に、入口開口部と患者用出口開口部とを有する囲いを形成する本体、および本体から垂れ下がり、かつシールの縁を越えて延在するリップ支持体を含む患者用インターフェースにあると言い得る。
【0068】
別の態様によれば、リップ支持体は、装着者の上唇部分に係合するための1つ以上のパッドを含む。
【0069】
別の態様によれば、リップ支持体は、シールの両横方向領域において相隔たる2つの垂下式脚を含み、各脚は、シールの下縁の横方向部分を越えて延出する。
【0070】
別の態様によれば、各脚は、上唇に面を向けるようにしてパッド部分を担持する。
【0071】
別の態様によれば、脚は、それらが接触する装着者の唇部分に平行な軸の周りにおいて、唇の平面に垂直な軸の周りよりも硬さが柔らかくなるように成形される。
【0072】
別の態様によれば、インターフェースは、本体から垂れ下っているガス供給チューブ、および組み立て済みのフレームと鼻シールから延出する、ループ状のストラップを含み、ストラップは、一方の端部において、組み立て済みの本体と鼻シールの第1の部分、および他方の端部において、組み立て済みの本体と鼻シールの第2の部分から出ている。
【0073】
別の態様では、本発明は、概して、マスクと、マスクから垂れ下っているチューブと、チューブに接続され、かつ装着者の首の周りで締結可能なカラーを含むチューブ支持体とを含む患者用インターフェースにあると言い得る。
【0074】
別の態様によれば、カラーは第1の端部部分および第2の端部部分を有し、第1の端部部分および第2の端部部分は締結構成を含み、端部部分を、重なる量を選択して締結できるようにする。
【0075】
別の態様によれば、カラーは第3の端部部分、第4の端部部分、および第3の端部部分を第4の端部部分に接続するコネクタを含む。
【0076】
別の態様によれば、コネクタは、解放張力よりも大きい張力をコネクタにかけると第4の端部部分から第3の端部部分を解放するように構成されており、解放張力は10N未満である。
【0077】
別の態様によれば、カラーの幅は30mm〜60mmである。
【0078】
別の態様によれば、カラーは、コア材料と、コア材料を取り囲むカバー材料とを含む。
【0079】
別の態様によれば、コア材料は寸法安定性、通気性のあるメッシュである。
【0080】
別の態様によれば、カバー材料は編組されたまたは編まれた天然繊維である。
【0081】
別の態様によれば、チューブ支持体は、カラーから延出するつなぎ部を含み、コネクタは、一方の端部において、チューブに固定されるかまたは固定可能である。
【0082】
別の態様によれば、つなぎ部は外側端部においてコネクタを含み、カラーが第2のコネクタを貫通する。
【0083】
別の態様によれば、つなぎ部は第1の端部、第2の端部、および第1の端部と第2の端部とを接続するコネクタを含み、コネクタは、解放張力よりも大きい張力をかけると解放するように構成されており、解放張力は10N未満である。
【0084】
別の態様によれば、つなぎ部のコネクタは第1の部分および第2の部分を含み、係合状態において、第1の部分は、第2の部分に対して旋回できる。
【0085】
別の態様では、本発明は、概して、顔に接触する側を含む鼻シールであって、軟質の可撓性材料から形成され、かつ鼻の基底にわたって延在する中央部分、および中央部分の各端部から延在する側部部分を含み、各側部部分が鼻の側面にわたって延在する、鼻シールと、シールに接続された本体であって、シールの外側に係合する鼻シール係合部分、入口開口部、少なくとも2つのストラップ係合部分を含み、各ストラップ係合部分が、入口開口部の対向する側から、入口開口部から横方向に離れて延出する本体と、ストラップ係合部分間に延在するストラップと、を含む、患者用インターフェースにあると言い得る。
【0086】
別の態様によれば、各ストラップ係合部分は、ストラップ係合部分がシールの外壁と重なる領域において入口開口部から離れて延出する。
【0087】
別の態様によれば、本体の中央部分が、概して本体の外壁の凸形状に適合する凸形状を画成し、ストラップ係合部分が中央部分の横方向末端部から延出し、ストラップ係合部分が、略凸形状に対して外向きに位置合わせされた角度で中央部分から離れて延出する。
【0088】
別の態様によれば、ストラップ係合部分が、30度超のねじ山の角度をなしてシールの外壁から離れて延出する。
【0089】
別の態様によれば、シールの外壁から分岐する点からストラップ係合部分が、シールの外壁の相当長さの50%〜150%の長さである。
【0090】
用語「含む(comprising)」は、本明細書および特許請求の範囲において、「少なくとも一部からなる」ことを意味して使用される。「含む」を包含する本願明細書および特許請求の範囲における表現を解釈する際には、それ以外の特徴または用語によって述べられる特徴もまた存在し得る。「含む(comprise、comprises)」などの関連語は同じように解釈される。
【0091】
特許明細書、その他の外部文献、または他の情報源を参照する本願明細書において、これは、概して、本発明の特徴を議論するための背景を提供するものである。特に他に明記しない限り、そのような外部文献の参照は、いかなる権限においても、そのような文献、またはそのような情報源が従来技術であるか、または当該技術分野で共通する一般知識の一部をなすと認めるとみなすべきではない。
【0092】
本発明の好ましい形態を、添付の図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【
図1】患者用インターフェースを装着している人の斜視図である。
【
図2】患者を図示しない、
図1の患者用インターフェースの斜視図である。
【
図3】
図2のインターフェースを構成する構成部品を示す分解図である。
【
図4A】異なる角度から、
図2の患者用インターフェースのシール構成部品を示す。外面側から見たシール構成部品を示す。
【
図4B】異なる角度から、
図2の患者用インターフェースのシール構成部品を示す。患者面側から見たシールを示す。
【
図4C】異なる角度から、
図2の患者用インターフェースのシール構成部品を示す。シールの側面図を示す。
【
図5A】シールおよびマスクフレームを一緒にして組み立てる方法を示す、シールおよびマスクフレームの分解図である。
【
図5B】部分的に分解されてエルボーとマスクフレームとの接続を示す、
図2のインターフェースの側面図である。
【
図5C】エルボーにガス逃がし通気孔が存在する、エルボーとマスクフレームとのアセンブリを示す、
図2のインターフェースの斜視前面図である。
【
図6】組み立て済みのシールとマスクフレームの前面図である。
【
図7A】組み立て済みのシールとマスクフレームの上面図である。
【
図7B】
図7Aの、断面でない、シールおよびフレームの側面図である。
【
図7D】線EEに沿って取った断面の、
図7Cのシールの側立面図である。
【
図8】線DDに沿って取った
図7Aのシールおよびマスクフレームの側面図である。
【
図10】膨張性鼻シールおよびフレームを備えるインターフェースの別の実施形態の図を示す。シールは、使用者の鼻を包み込む形状にされている。
【
図11】膨張性鼻シールおよびフレームを備えるインターフェースの別の実施形態の図を示す。シールは、使用者の鼻を包み込む形状にされている。
【
図13】膨張性シールを備えるインターフェースの別の実施形態を示す。インターフェースはシール本体、フレーム、チューブおよび頭部ストラップを含む。
【
図15】
図13のインターフェースのフレームおよびシール本体の斜視図である。
【
図16】
図13のインターフェースのフレームおよびシール本体の前面図である。
【
図17】
図13のインターフェースのフレームおよびシール本体の側面図である。
【
図18】
図17のBBに沿って取ったフレームおよびシール本体の断面図である。
【
図20】
図16のAAに沿って取ったシール本体の断面図である。
【
図21】本発明のインターフェースのシール本体の代替的な実施形態である。
【
図22】本発明のインターフェースのシール本体のさらに別の実施形態である。
【
図23】本発明のインターフェースのシール本体の別の実施形態である。
【
図24】本発明のインターフェースと共に使用し得る頭部ストラップの第1の実施形態を示す。
【
図25】本発明のインターフェースと共に使用し得る頭部ストラップの第2の実施形態を示す。
【
図26】本発明のインターフェースと共に使用し得る頭部ストラップの第3の実施形態を示す。
【
図27】本発明のインターフェースと共に使用し得る頭部ストラップの第4の実施形態を示す。
【
図28】本発明のインターフェースと共に使用し得る頭部ストラップの第5の実施形態を示す。
【
図29】本発明のインターフェースと共に使用し得る頭部ストラップの第6の実施形態を示す。
【
図29a】本発明のインターフェースと共に使用し得る頭部ストラップの第6の実施形態を示す。
【
図30】本発明のインターフェースのシール本体とフレームとの間の接続の第1の実施形態を示す。
【
図31】本発明のインターフェースのシール本体とフレームとの間の接続の第2の実施形態を示す。
【
図32】本発明のインターフェースのシール本体とフレームとの間の接続の第3の実施形態を示す。
【
図33】本発明のインターフェースのシール本体とフレームとの間の接続の第4の実施形態を示す。
【
図34】インターフェースに接続されたチューブを使用者に取り付けるために本発明のインターフェースと共に使用し得る装具の第1の実施形態を示す。
【
図35】インターフェースに接続されたチューブを使用者に取り付けるために本発明のインターフェースと共に使用し得る装具の第2の実施形態を示す。
【
図36】インターフェースに接続されたチューブを使用者に取り付けるために本発明のインターフェースと共に使用し得る装具の第3の実施形態を示す。
【
図37】インターフェースに接続されたチューブを使用者に取り付けるために本発明のインターフェースと共に使用し得る装具の第4の実施形態を示す。
【
図38】インターフェースに接続されたチューブを使用者に取り付けるために本発明のインターフェースと共に使用し得る装具の第5の実施形態を示す。
【
図39】インターフェースに接続されたチューブを使用者に取り付けるために本発明のインターフェースと共に使用し得る装具の第6の実施形態を示す。
【
図40】インターフェースに接続されたチューブを使用者に取り付けるために本発明のインターフェースと共に使用し得る装具の第7の実施形態を示す。
【
図42】
図41の支持カラーを装着している患者の斜視図である。
【
図46】ドーム式締結コネクタを示す、
図41のカラーの部分の上面図である。
【
図47】代替的な締結具を含むカラーの部分の上面図である。
【
図48】代替的な締結具を含むカラーの部分の上面図である。
【
図49】別の代替的な締結具を含むカラーの部分の上面図である。
【
図50A】係合構成において固定クリップを含むカラーの部分の側面図である。
【
図51A】係合解除状態にある代替的な実施形態による固定クリップを含むカラーの部分の側面図である。
【
図52】つなぎ部がクイックディスコネクトコネクタを含み、カラーの部分から垂れ下っているつなぎ部の斜視図である。
【
図53】つなぎ部が、スイベルで回転もし得るクイックディスコネクトコネクタを含む、カラーから垂れ下っているつなぎ部を示す斜視図である。
【
図54B】着脱が容易なコネクタが係合解除されている、
図54Aのつなぎ部の上面図である。
【
図55】支持カラーから導管へのつなぎ部のリングの接続を示す分解図である。
【
図56】患者からの導管を支持する代替的な構成を含むインターフェースの斜視図である。
【
図57】患者で導管を支持する別の代替的な構成を含むインターフェースを装着している患者の斜視図である。
【
図58】フレームおよびシールの側立面図であり、フレームが、本書の別の発明に従って垂下式のリップ安定材を組み込む。
【
図61】
図58のフレームおよびシールを組み込むインターフェースの斜視図である。
【
図62】サンプルストラップ材料の伸長に対して試験された伸長力のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0094】
本願明細書の1つの発明は、柔軟な壁構造を有する膨張性鼻シールを含むインターフェースを提供する。膨張性シールは、使用者の鼻孔に係合する一対の位置決定突起を有する。位置決定突起は、使用者にシール内部からガス流を供給する。シールの患者側には柔軟性があり、寸法および形状が十分であるので、使用者の鼻孔に位置決定突起が係合された状態で使用者の顔に膨張性シールを押し付けても、シールは使用者の顔の表面(特に鼻の側面および上唇)に適合し、封止を提供する。シールの外側に向いた壁はより剛性があり、装着者の鼻の周りを包み込む位置にシールの内壁を支持する。
【0095】
シールは、十分な弾性および降伏強度がある材料から形成され、弾性と降伏強度との組み合わせによって、覆いを柔軟にする。柔軟部分は、支障をきたすことなく、急激な変形を繰り返し行うことができる。使用し得る材料としては、ラテックス、ビニル、シリコーンおよびポリウレタンが含まれる。一般に、シールの柔軟部分の肉厚は0.5mm未満であり、0.2mm未満ともし得る。
【0096】
シール本体は、患者に向いた(患者面)壁から突出する一対の鼻ロケータを含む。好ましくは鼻ロケータはシールと一体式に形成される。各鼻ロケータは、覆いの内側から、インターフェースを装着している使用者までガスを供給するための出口開口部を含む。
【0097】
シール本体は、鼻ロケータのほぼ反対側に入口開口部を含む。
【0098】
シール本体または覆いのかなりの部分は柔軟である。鼻ロケータに隣接しかつそれを含む領域、および入口開口部に隣接しかつそれを含む領域は、遙かに硬い。これらの部位はシールの形状全体を保持し、任意の好適な硬さのあるものとし得る。そのため、それらは、より硬い材料で形成し得るか、または覆いの残りの部分と同じ材料により厚みをつけて形成し得る。
【0099】
シールはマスク本体またはフレームによって支持される。シールの入口開口部はフレームに取り付けられるか、またはフレームを通って延在する導管に直接取り付けられる。
【0100】
フレームは、好ましくは視覚的にほとんど邪魔にならない最小限の設計であり、視界を明瞭にでき、インターフェースを装着中にも使用者が眼鏡をかけることができるようになっている。
【0101】
フレームは、射出成形によって、例えばシリコーンやポリウレタンなどのエラストマー材料から形成し得る。あるいは、より剛性の材料、例えばポリカーボネート、またはポリエステル、ポリスチレンもしくはナイロンなどを使用し得る。
【0102】
好ましいフレームは、フレームにストラップを接続させるための接続点を含む。ストラップアタッチメント点でストラップを固定する。ストラップアタッチメント点でストラップの長さを調節してもよい。
【0103】
他の形態では、鼻シール本体は、一体式のストラップアタッチメント点を含み得る。これらのアタッチメントは、覆いの表面上の接続要素とし得る。しかしながら、それらは、覆いの両側から延出する覆いに形成された一体式のストラップまたはウィングとし得る。
【0104】
インターフェースは、頭部の後ろ側を通る単一のストラップによって支持されることを意図される。ストラップは、弾性またはエラストマー材料から形成し得る。例えば好適なストラップ材料としては、織成弾性条片または発泡体およびファブリックの細い条片、例えばBreathoprene(商標)などを含む。頭部の後ろ側を周って延在するストラップは、マスクに圧力をかけ、使用者の顔にシールを保持するのを助ける。
【0105】
フレキシブルチューブがフレームから延出する。フレキシブルチューブは、呼吸に適したガスを送る。フレキシブルチューブの遠位端部は、CPAP主送給チューブに接続される。
【0106】
チューブとフレームとをコネクタが接続し得る。接続機構は任意の好適な接続とし得る。これは、スナップ嵌め、シリコーンへのフック、キーホールインサート、オーバーモールド、インサート成形、ねじアタッチメントもしくは接着、または任意の組み合わせを含むことができる。
【0107】
コネクタは、インターフェースからガスを逃すために限定された流れの排出口(またはバイアス流れ排出口)を含み得る。排出口は、コネクタの小開口が集合した形態とし得る。コネクタは内部に、通気孔から覆いの口に通じる漏斗または延在部を含み得る。
【0108】
図1および
図2に、本出願で開示する発明を組み込む例示的な患者用インターフェースを示す。明確にするために、
図2では患者用インターフェースを患者から切り離して示し、
図1では患者によって装着された状態で示す。
【0109】
患者用インターフェース101は、概して、マスク103、マスクを患者に固定するためのストラップ104、マスク103と接続される可撓性供給導管107および患者に取り付けられて導管部分107の重さを支持する導管支持構造109を含み、任意の接続された導管はガスを導管部分107の入口端部111に供給する。
【0110】
この患者用インターフェースの特定の態様および各態様での変形例は、他の図面を参照して説明する。インターフェースはいくつかの態様を組み込み得るが、他の態様は組み込まないこともある。例えば、インターフェースはマスクの態様を組み込む一方、使用者へのマスクの固定には異なる構造を使用し得る。インターフェースは異なるマスクを含む一方、使用者へのマスクの固定にはストラップの本発明の態様を使用し得る。インターフェースはマスクの態様を組み込み得るが、患者の体から導管の重さを支持するための類似のまたは任意の構造は利用しない。これらの変形例は全て、この適用の範囲内にあるとみなされる。
【0111】
図1を参照すると、患者の鼻孔にマスク103を着け、マスク103は、鼻の両側に沿って湾曲する横方向部分を含む。これらの横方向部分は、鼻の横腹(flank)の外側に向いている面に周囲シールを形成する。ストラップ105が、使用者の耳の上で単純なループ状で使用者の頭部の周りを通る。
【0112】
導管部分107は、マスク103の前側の中心接続部113から垂れ下っている。中心接続部113は好ましくはスイベルエルボーであるため、患者の顔へのマスクの位置決めに関する導管の経路は、患者が寝るときの位置に適合できる。スイベルエルボーは玉継手の形態とし得るので、エルボーは、マスクとの接続に対して平行および垂直に軸の周りで旋回できる。
【0113】
図示の導管支持体109は、使用者の首の周りでつながれたカラー115を含む。カラーと導管107との間をつなぎ部117が接続する。
【0114】
図3にこの例示的なインターフェースの構成部品を示す。マスク103はシール301、および本体またはフレーム303を含む。シールおよび本体は、
図5Aにより詳細に示す。
図5Aおよび
図8を参照してそれらの係合を詳細に説明する。
【0115】
本体303は受け口305およびコネクタ部分307を含む。受け口305は、エルボー333の係合部分311を受け入れる。エルボー333は、フレキシブルチューブ315の長さ部分の端部に接続される。フレキシブルチューブ315の他方の端部はカフ317で終端する。マスク本体303のコネクタ部分307は、頭部ストラップ105のコネクタ部分321と係合するためのものである。頭部ストラップ105は、伸長可能な材料の単一の長さ部分323を有する。コネクタ部分321は長さ部分323の両側に設けられる。
【0116】
カラー115は、睡眠中に装着しているときに快適であることを意図した材料のバンド325を含む。バンドは、第1の調節可能な接続部327および第2の調節不能な接続部329を含む。調節可能な接続部327では、バンドの自由端が重なり、この重なりの程度を所望の量に変化させ、かつこの所望の量で固定し得る。調節不能な接続部329では、バンドの自由端は、単純に固定されたりまたは解放されたりし得る。調節可能な接続部327を調節したら、カラーは、調節不能な接続部329を分離したり接続したりすることによって、患者に装着するために開放されたりまたは顧客から取り外され、顧客への装着後に固定され得る。調節不能な接続部329は、予め定められた範囲内の張力がかけられると分離する着脱が容易なコネクタとし得る。これにより、なんらかの困難な状況が生じる場合にも、患者を負傷させることなくカラーが外れることを保証する。
【0117】
つなぎ部109は、カラーに取り付けられた第1の部分331と、導管に取り付けられた第2の部分333とを含む。これらの部分は、好ましくは別の着脱が容易なコネクタによって解放可能に係合されており、別の着脱が容易なコネクタは、好ましくは予め定められた範囲内の張力がかけられると分離する。
【0118】
つなぎ部分333は導管315に接続される。つなぎ部分333は、着脱が容易なコネクタの部分と、導管を係合する継手337とを含む。継手337は、開放型のクリップとして、導管の波形またはカフ317の凹部に係合し得るか、または導管のほぼシリンダー形状の周りに、またはカフのシリンダー状部分に係合し得る。あるいは、図示のように、部分337は、導管の一部分またはカフの一部分にぴったりと合うリングを含み得る。図示の実施形態では、リング337はカフ317とスイベル335のコネクタ部分との間に設けられている。リングはカフ317の部分339に適合し、かつ、リングの内径よりも大きい直径を有するスイベル335の端部部分341によって捉えられて保持される。
【0119】
図4A〜
図4Cに好ましいシールの外形を示す。シール301は、概して
図4Bに示す患者面側と、概して
図4Aに示す外側に向いた側とを含む。一対の鼻ロケータ401は患者面側から突出する。概して、患者面側を形成するシールの壁は、鼻ロケータ、鼻ロケータに直接隣接する領域、またはそれら双方を除いて、非常に柔軟性がある。柔軟性の程度について、
図7D、
図8、
図9Aおよび
図9Bに示す断面図を参照して詳細に説明する。
【0120】
全体的な形状としては、シールは、患者面側に鼻ロケータと外面側に開口部403とを含む中央部分を有する。この中央部分407の範囲を
図4Cおよび
図4Aに破線409で大ざっぱに示す。明確にするために、破線409はまた、インターフェースのマスク部分の上面図を示す
図7Aにも含まれる。
【0121】
横方向または側部部分411は中央部分407から延出する。各側部部分は、外方面413、内方面415、内方面部分と外方面部分とを接合する周縁部分417とを含む。周縁部分417は、上縁419、末端縁423および下縁420の周りに延在する。従って、シールの内側から検討すると、側部部分411はポケットに似ている。
【0122】
各側部部分はかなり広範囲にわたる。好ましくは、側部部分は、10mm超(最も好ましくは20mm超)延在するか、各鼻孔ロケータの基底を越えて鼻孔ロケータ401の中心間の距離の少なくとも70%の距離である。
【0123】
各側部部分の少なくとも内壁415および外壁417には非常に柔軟性があるので、使用者の顔の輪郭に、特に、使用者の鼻の側面の外側の輪郭に適合することができる。側部部分の外面壁413の少なくとも一部にも柔軟性があるが、中央部分407の方へ向かうにつれて次第に柔軟性がなくなり得る。
【0124】
シールの中央部分407は開口部403を含んで、マスク本体303に対してガス流を通過させる。開口部403は、本体303のチャネルおよび/またはリップのような特徴に係合するリップおよび/またはチャネルのような特徴を含み得る。開口部403はクリップ部分によって形成し得るか、またはクリップ部分は、開口部403の周囲に取り付けられるかまたはオーバーモールドされて、フレーム303との係合を促進し得る。一般に、開口部403は、シール301の柔軟性のあるシーリング部分よりも実質的に厚くて剛性がある。開口部403は少なくとも供給導管315の内部断面のサイズである必要がある。好ましくは、図示のように、開口部403はマスクの本体303の範囲と同じ大きさであり、この範囲は、インターフェースの一般的な幅と同じであり、かつ意図した装着者の鼻の幅とほぼ同じである。
【0125】
好ましい形態では、インターフェースは小型であることを目指し、マスクの本体部分303は、装着者の上唇の輪郭にほぼ沿うように湾曲しており、シールは、開口部403が平面図においてこの近似曲線に従うように形成されている。
【0126】
シールの中央部分407は、開口部403の上下に延在する。開口部403および鼻孔ロケータ401の上側では、中央部分は、外部面壁431、内面壁433および周囲部分435を含む。少なくとも内面壁部分433および外面部分435は好ましくは薄くて柔軟性がある。
【0127】
開口部403の下側では、中央部分407は、外壁部分441、内壁部分443および周辺部分445を含む。少なくとも内側部分443および周辺部分445は好ましくは薄くて柔軟性がある。
【0128】
使用時、鼻ロケータの上下および両側の、柔軟性のある内壁部分は、(患者用インターフェースに供給されたガスの流れからの)シール内部の圧力によって膨張して装着者の皮膚に押し付けられ、装着者の鼻の外表面の輪郭に、および装着者の鼻の下側面の表面に、鼻のすぐ下側にある装着者の上唇の表面に適合する。シールの柔軟性のある周囲または周辺は、マスク本体が少なくともわずかに移動方向に動くことができるようにしているため、マスク本体が動いてもこのシールは破られない。柔軟性のある周囲はマスク本体の位置から鼻孔ロケータの位置を分離させ、マスク本体が(患者の顔の軸に対して)横方向および垂直の双方に変位することを可能にする。側部部分411は、患者の鼻の側面に係合し、それらに対してある程度の追加的なシールを形成して、マスクの位置を支持する。
【0129】
図5A、
図5Bおよび
図5Cにマスク本体およびシールをより大きく示す。前述のように、シールは、シールをマスク本体に固定させる構成で開口部403を含む。マスク本体は、供給導管に接続するための受け口502と、シールの開口部403と係合するためのシール開口部501とを含む。シール開口部501およびシールの開口部403は、それらを係合させるために相補的な特徴を備える。図示の形態では、シールの開口部403はリップおよびチャネルの構成507を含み、マスク本体のシール開口部501の周辺は、チャネルおよびリップの相補的な構成505を含む。チャネルおよびリップの構成は、シールがマスク本体に適切に適合して、圧力下でガスが供給されるときに、この接合部からの漏れがないことを確実にするように考案される。シールとマスク本体とを接続するための他の多くの方法も考案でき、この構成は例示にすぎない。
【0130】
マスク本体では、シールに対する出口開口部501は、受け口502の開口部のちょうど反対側にあるため、開口部502は中心に配置されている。受け口502の両側は中央側部部分509に延在する。中央側部部分509は、シールの開口部403の一部分を取り囲む平坦な被覆壁とし得る。中央側部部分509は、ガス逃がし通気孔の一部として小開口を含み得る。
【0131】
図示の好ましい実施形態では、シール開口部501の範囲を越えてサイドアーム511が延在し、
図7Aから最もよく分かるように、サイドアーム511は、好ましくはシールの全幅を越えて延在する。各サイドアーム511は、ストラップのコネクタ部分321に接続されるコネクタ部分513を含む。図示の実施形態では、コネクタ部分は、周囲に刻み目のある固定ポストを含む。ストラップは、各端部に形成され、固定ポストに引っ掛けて刻み目に係合する小さなループを有する。このコネクタの形態は単純かつ直感的であるが、他のコネクタ形態を設けてもよく、例えば、各サイドアーム511は、クリップの部分(例えば雄型または雌型部分)を備えることができる。
【0132】
図7Aから最もよく分かるように、サイドアーム511は、例えば30°〜80°の角度713でシールの外壁から出ている。ポスト513に固定されたストラップは、
図7Aの線715で示すように、シールから離れかつ装着者の顔から離れた位置でサイドアームから離れる。これは、インターフェースの中心線719に対するサイドアーム511の先端717の相対的位置によって示されている。中心線からサイドアームの先端までの距離721は、好ましくは25mm〜50mm、最も好ましくは約45mmである。これを、好ましくは5mm〜10mm、最も好ましくは約7mmである中心線719と鼻ロケータの中心軸との間の距離723と比べる。それをまた、シールの中央部分を離れる、シールの側部部分の内壁面の近似位置と比較する。この位置は
図7Aにおいて破線725で示す。好ましくはこの距離727は10mm〜20mm、最も好ましくは約15mmである。さらに比較すると、側部部分の最も外側の範囲を破線729で示す。中心線719からの破線729の距離731は好ましくは15mm〜30mm、最も好ましくは約25mmである。
【0133】
前から後ろ側への方向において、先端717は好ましくは鼻ロケータの基底の後方にあるので、鼻ロケータの基底はマスク本体の中央部分と、先端717を結ぶ線との間にある。
【0134】
さらに
図7Aを参照すると、概して、マスクシールの最も広い外部範囲741は30mm〜60mm、最も好ましくは約50mmとし得る。シールおよびマスクフレームの全深さ743は、好ましくは40mm〜65mm、最も好ましくは約55mmとし得る。この深さ内で、使用時に使用者の鼻を包み込むシールによって規定された内部空間は、好ましくは20mm〜40mm、最も好ましくは約30mmである深さ745を有し得る。
【0135】
図7Aから分かるように、形状全体において、側部部分が互いにほぼ平行となりかつ鼻を収容する空間にわたって対向するように、シールはかなり弓状に湾曲する。側部部分の配向平面は、0°〜45°、好ましくは0°〜25°の角度をなすようにし得る。
図9Aおよび
図9Bに示すように、好ましくは、これは内壁および外壁の双方に当てはまる。好ましくはこれはまた、
図9Aおよび
図9Bに示す異なるレベルによって示すように、シール内に垂直方向に変位された、実質的に全てのレベルに対して真である。
【0136】
図7Aに示すように、シールの全体的な平面形態は、放物線、半楕円形、半長円形またはU字形とみなし得る。全体的にみると、シールの中央部分は、シールの幅を規定し、シールの側部部分は、互いに実質的に平行かつこの幅方向に実質的に垂直な方向に中央部分の外側端から離れて延在する。
【0137】
図5Bおよび
図5Cはまた、マスク本体303へのスイベルエルボー313の接続を示す。スイベルエルボー313はボール部分515および開口部517を含む。ボール部分515の外面は、好ましくは円錐球(frustospherical)面であるが、変形させて形成して、依然として受け口502とのシールをほぼ達成することができる。同様に、受け口502は好ましくは、わずかに入り込むリップのある円錐球面である。これは
図8から最もよく分かり、リップ802が、円錐球面804の残りの部分に対してわずかに入り込んでいる。
【0138】
スイベルエルボー313は、好ましくは導管の流れと、マスクへの接続の流れとの角度を0°〜90°、好ましくは30°〜60°、最も好ましくは約45°に規定する。エルボーは、患者用インターフェース用のガス逃がし通気孔の一部または全てを形成するアパーチャ519を組み込み得る。アパーチャは、好ましくは、エルボーの屈曲部の外側、実質的にマスクから離れるガスの流路のラインに位置する。
【0139】
図5Bおよび
図5Cはまた、マスク本体のポスト513に係合されたストラップのコネクタ部分321を示す。
【0141】
図7Dは、
図7Cのシールの線EEに沿って取った断面である。
図7Dは、シールの垂直中心面におけるシールの部分の厚さを示す。これは、鼻孔ロケータに直接隣接しかつ鼻孔ロケータ間の領域731におけるシールに厚みがつけられていることを示す。断面はまた、出口403の上側のシールの中央部分の外壁部分431にあるシールに厚みがつけられていること、および開口部403の下側の中央部分の外壁部分441に厚みがつけられていることを示す。これらの厚みをつけられたセクションは、好ましくは、それぞれ厚さが約2mm〜4mmの、薄くて柔軟性のある周囲部分435および445から次第に厚くされる。周辺部分435および445ならびに下部内壁部分443および上部内壁部分433である、柔軟性のある壁部分は、好ましくは0.05mm〜0.5mm、最も好ましくは0.1mm〜0.2mmの肉厚を有する。
【0142】
鼻ロケータ間の部分731は、好ましくは2mm〜0.5mm、好ましくは0.8mm〜1mmの厚さを有する。
【0143】
これらの寸法は、約40のショアA硬さを有するシリコーン材料に関して与えられる。シールが、他の材料で形成される場合、同等の代替的な寸法も考えられ得る一方、好ましい柔軟性のある領域に覆いの柔軟性を保持し、かつ覆いに形状をもたらすための領域にはその形態を与えるための十分な硬さを保持する。
【0144】
図8は、
図7Aのマスクシールおよび本体のDDに沿って取った断面である。これは、マスク本体の開口部へのシール開口部の接続を示すために
図7Dを参照して既に説明した、図示の外側に向いた側のシールの中央部分の断面を示す。しかしながら、
図8の断面もまた、鼻ロケータの好ましい断面形態を示す。特に、鼻ロケータの壁806の材料の厚さは、好ましくは0.5mm〜2mm、最も好ましくは0.8mm〜1mmである。
【0145】
鼻ロケータは、ベース部分808と、中心開口部812のあるノズル部分810とを含む。開口部812を含む部分は、使用者の鼻孔の内側に嵌る。ベース部分808は、鼻孔への入口において主要な位置を提供する。
【0146】
図9Aは、シールの
図7Dの線GGに沿って取った断面である。これは、鼻孔ロケータを通過するほぼ水平中心面のシールの断面である。この断面は、鼻孔ロケータの壁部分806、鼻孔ロケータの周囲の外側の直接隣接した領域902、および鼻孔ロケータ間の中心部分731が全て、シールの側部部分の柔軟性のある壁部分415および423と比べて厚みをつけられた壁を有することを示す。特に、鼻ロケータに直接隣接しかつそれを含む領域は、好ましくは0.5mm〜2mm、最も好ましくは0.8mm〜1mmの厚さを有する。
【0147】
シールの側部部分の外壁部分413もまた、鼻孔ロケータに隣接した部分よりも実質的に厚い。これらの部分は、好ましくは2mm〜5mm、最も好ましくは3mm〜5mmの厚さを有する。これらの部分は、次第に厚みが小さくなり、それらが周辺部分423となる部分で柔軟性のある厚さになる。
【0148】
側部部分の外側壁413の厚みをつけられた部分は、好ましくは、側部部分の最も外側の先端の10mm以内にまで及ぶ。
【0149】
これらの外側側部部分413の厚さおよび硬さは、シールに実質的な形態を、および適所でのシールの安定性を与える。側壁は、供給によってシールが圧力下で膨張するときに、シールの側部部分の外側への屈曲に耐える一方、壁部分413は圧力下で外側に屈曲し、かつ十分な反作用の力を有して、装着者の鼻を包み込むシールを保持する。
【0150】
シールの厚みのある領域によって生じる硬さは、複合材料、または部分の組み合わせによってもたらされ得る。例えば、硬さは、シリコーンの補強によって、または硬い材料の可撓性のインサートによって生じ得る。硬い材料のインサートは、マスク本体と一体にし得る。好ましくは、シールの側部部分が、約60°の角度の側部部分の屈曲に対して、硬くされた領域の端部において少なくとも1Nの力の効果的な硬さがあることによって屈曲に耐えるような構成とされる。
【0151】
図9Bは、
図9Aの断面の上方の別の実質的に水平な平面を示す。この断面は
図7Dの線FFに沿って取ったものである。これもまた、内側壁部分415および周囲部分423に対するおよび上部内壁部分433の厚さに対するシールの側部部分の外側壁部分413の厚さを示す。
【0152】
ここでも、側部部分413は好ましくは2mm〜5mm、最も好ましくは5mm〜3mmの厚さを有する。柔軟部分415、423および433は、0.05mm〜0.5mm、最も好ましくは0.1mm〜0.2mmの厚さを有する。
【0153】
図10〜
図12は、このタイプのシールを有するインターフェースの別の例を示す。インターフェースはシール本体1000を含む。シール本体1000はシール覆い1001を含む。シール本体1000の形状は湾曲しており、ヒトの顔の輪郭に適合する。シール本体1000は内面1002および外面1003を有する。内面1002は鼻ロケータ1004、1005を含む。鼻ロケータ1004、1005は各々、出口を有して、ガスが使用者まで伝わるようにする。使用時、内面1002は使用者の顔に押し付けられて、鼻ロケータ1004、1005は使用者の鼻孔まで延在するかまたはその周りに位置する。
【0154】
シール本体1000は使用者の鼻を包み込むような形状にされる。シール本体1000は、使用者の鼻の側面を完全に覆い、また、少なくとも部分的に使用者の頬を覆い得る側部部分またはウィング1006、1007を有する。シール本体1000は湾曲しており、使用者の鼻梁の領域を覆わない。効果的にするため、シール本体には切取領域1008がある。切取領域1008は、使用時に、シール本体が使用者の鼻梁領域に圧力をかけないことを意味する。鼻梁領域は、使用者の鼻梁を覆うインターフェースの使用者に褥瘡が発生する可能性のある一般的な部位である。
【0155】
シール本体1000は、入口開口部またはガス供給アパーチャ1009を含む。入口開口部1009は鼻ロケータの反対側にあり、フレーム1010を受ける。フレーム1010は湾曲してシール本体に適合し、かつシール本体に支持をもたらす。フレーム1010は、使用時に、使用者へ供給するための加圧ガスを収容するチューブ(例えば
図1および
図2に示すチューブ114)に取り付けるコネクタ1011を含む。
【0156】
フレーム1010はプラスチック材料製である。プラスチック材料は可撓性材料とし得るか、またはより剛性のあるタイプの材料とし得る。例えば、フレームはポリカーボネート製とし得る。あるいは、フレームは、シリコーンなどの、より可撓性のある材料製とし得る。
【0157】
使用時、
図10〜
図12のシールには、チューブを経由して、フレーム1010のコネクタ1011を通って加圧ガスが供給される。ガスがシール本体1000を膨張させ、シール本体を使用者の鼻の周りに押し付けるようにする。鼻ロケータ1004、1005は、使用者の鼻孔を閉じ込めるかその周りを封止するようにされ、加圧ガスがロケータ出口1012、1013を通って使用者の鼻孔まで通過する。
【0158】
フレームまたはシール本体は、上述のものと同様の少なくとも2つのストラップコネクタ(図示せず)を含む。コネクタは、頭部ストラップをインターフェース1000に取り付けることができるようにする。頭部ストラップは、使用者の頭部の後部の周りに延在し、インターフェースに追加的な張力を提供して、使用者の顔へのインターフェースの封止を助ける。
【0159】
シール本体は可撓性材料製である。考えられる材料の例としては、ラテックス、ビニル、シリコーンおよびポリウレタンが含まれる。好ましい形態では、シール本体の外壁1003は、断面材料が内面1002よりも厚くなるように形成される。シール本体の厚みのある外壁は、その予め定められた形状を保持する一方、内壁は、屈曲して装着者の顔の表面に一致することができる。
【0160】
図13〜
図20は、包み込み式の膨張シールを備えるインターフェースの別の実施形態を示す。インターフェース1100は、
図10〜
図12の実施形態と同様のシール本体1101およびフレーム1102を含む。フレーム1102は、
図10〜
図12を参照した上述したのと同様にシール本体1101に嵌る。
【0161】
フレーム1102には、ガス供給装置に取り付けられたチューブ1112が取り付けられる。チューブは、マスクフレームおよびシールにガスを供給する。チューブ1112は、細ひも1113によって使用者(インターフェース1100を装着している)につながれていてもよい。使用時、細ひも1113は使用者の首の周りに延在する。細ひも1113は、公知の方法によってチューブに付着されるが、図示のものは、細ひも1113に取り付けられた、チューブを掴むc字状のクリップ1114である。
【0162】
インターフェース1100は、頭部ストラップ1114によって使用者の鼻を覆って適所に保持される。ストラップは、好ましくはシリコーンなどの可撓性タイプの材料またはヘッドギアストラップの分野で周知の積層材料で作製される。ストラップ1114の各端部は、好ましくはシール本体1101に形成されるかまたは取り付けられる対応するアイレット1117に取り付けられるクリップ1116に、取り付けられる。ストラップは、平坦な成形シリコーンストラップ、小型の中空シリコーンチューブ、または当該技術分野で公知の適切な構成とし得る。
【0163】
フレーム1102には複数のバイアス流れ穴1115が形成されて、インターフェースから、使用者が吐き出したガスを排出できるようにし得る。あるいは、バイアス流れ穴はシール本体1101に形成されて、ガスを排出できるようにし得る。
【0164】
シール本体1101はここでも、柔軟性があるかまたは膨張性のシールである。シール本体1101は、形状が湾曲していてヒトの顔の輪郭に適合し、かつ使用者の鼻の周りに延在し、使用者の鼻を包む。シール本体1101は好ましくは使用者の鼻の側面に完全に延在し、使用者の頬にも部分的に延在し得る。シール1101は、内面1103を備える内壁と、外面1104を備える外壁とを含む。内面1103からは、それぞれ出口1107、1108を備える鼻ロケータ1105、1106が突出している。
【0165】
図10〜
図12の実施形態と同様に、シール本体1101は、鼻ロケータ1105、1106の反対側に入口開口部1109を含み、フレーム1102を受け入れる。
【0166】
シール1101は可変の肉厚を有し、シールの突出する部分の周りに剛性があり、鼻ロケータ1105、1106とシールの入口開口部1109の周辺1110との間に可撓性があるようにする。これは、マスクフレーム1102に続いて、鼻ロケータ1105、1106と入口周辺1110との間にデカップリング効果があることを意味する。これは、使用者の鼻孔での鼻ロケータ1105、1106の封止を壊さずに、マスクフレームがいくらか動くことが可能であることを意味する。
【0167】
図18から分かるように、シールへのガス入口1105を規定する入口周辺1110は、実質的に厚みのある断面を有する。これは、入口周辺1110に剛性をもたらす。同様に、鼻ロケータ1105、1106は、実質的に厚みのある断面を有する。しかしながら、鼻ロケータの厚さは、必ずしも、入口周辺1110と同程度に厚くなくてもまたはそこよりも厚くなくてもよい。好ましい形態では、鼻ロケータの厚さは入口周辺の厚さよりも薄い。
【0168】
入口周辺1110と鼻ロケータ1105、1106との間の部位は、好ましくは鼻の位置および入口周辺の双方よりも断面において薄い。例えば、
図18では、XとYとの間のシール1101の長さは、入口周辺または鼻ロケータのいずれかよりも断面において実質的に薄くなるように形成されている。これは、この長さ部分がより可撓性に富み、鼻ロケータ1105、1106をより効果的に動かすことができることを意味する。さらに、外側周辺1111を含むXとYとの間の長さが断面において薄いため、シールは容易に膨張して、使用者の鼻の周りでのシールの封止を支援する。
【0169】
図18から分かるように、好ましくは各鼻ロケータの基底または底部に隣接する覆いの領域1118は、厚みのつけられた断面を有する。図示のように、好ましくは、領域1118と厚みのつけられた入口周辺1110との間のシールの長さまたは領域1119は、入口周辺1110、鼻ロケータ1105、1106または領域1118のいずれかよりも断面において実質的に薄くなるように形成される。
【0170】
代替的な実施形態では、覆いは、鼻ロケータの底部に隣接した厚みのつけられた領域1118を含み、鼻ロケータの断面の厚さは、厚みをつけられていない。例えば、鼻ロケータの断面の厚さは、鼻ロケータに隣接した領域1118と入口周辺1110との間に延在する覆い領域1119の厚さと同様とし得る。鼻ロケータの底部に隣接する厚みのつけられた領域1118は、鼻ロケータのベースが、典型的なCPAP圧力下で過度に変形または膨張しないようにする。しかしながら、この実施形態における鼻ロケータ1105、1106の薄い壁は、CPAP圧力下で膨らみ得る。
【0171】
好ましくは、シール1101は、ショアA硬さ約40のシリコーンから形成される。あるいは、類似の特性を有する他の材料を使用してもよい。ショアA硬さ40のシリコーン、または類似の特性を有する他の材料では、鼻ロケータと入口周辺との間に延在する覆い領域1119の厚さは約0.5mm未満である。好ましくはこの領域1119の厚さは0.1mm〜0.2mmである。あるいは、覆いのこの領域1119は、0.1mm未満、例えば0.05mmの厚さを有し得る。
【0172】
鼻ロケータのベースに隣接する領域1118の厚さは、好ましくは2mm未満の厚さを有する。好ましくは、鼻ロケータのベースに隣接する領域1118の厚さは、約0.8mm〜1.0mmである。あるいは、鼻ロケータのベースに隣接する領域1118の厚さは、0.8mm未満、例えば0.5mmとし得る。
【0173】
入口周辺に隣接する領域の厚さは約3mm〜5mmとし得るが、例えば2mmなど、それよりも薄くすることもできる。
【0174】
鼻ロケータの厚さは2mm未満である。好ましい実施形態では、鼻ロケータの厚さは約0.8mm〜1.0mmである。あるいは鼻ロケータの厚さは0.8mm未満、例えば0.5mmである。
【0175】
上述の代替的な実施形態では、鼻ロケータの厚さは、鼻ロケータと入口周辺との間に延在する覆い領域1119の厚さと同様である。この実施形態では、鼻ロケータは約0.1mm〜0.2mmの好ましい厚さを有する。あるいは鼻ロケータの厚さは0.2mm未満、例えば0.05mmとし得る。
【0176】
好ましくは、シールのある領域から別の領域での厚さの変化は漸次的に生じる。例えば、シールの厚さは、厚みをつけられた部分1118から薄い部分1119まで漸次的に変化する。同様に、シールの厚さは、厚みをつけられた部分1110から薄い部分1119まで漸次的に変化する。
【0177】
ここで
図20を参照すると、
図16のAAに沿って取ったシール1101の断面を示す。この図は、シールの部分の厚さの変動を示すシール1101の代替的な図を示す。特に、入口周辺1110および鼻ロケータ1106、1108は、外側周辺1111と比較して断面において厚みがある。少なくとも横方向において、入口に隣接する厚みのつけられた領域1110は、入口から外周縁1121までの距離の少なくとも半分だけ延在する。上向きの方向では、厚みのつけられた領域は、入口から上周縁1123までの距離の少なくとも半分だけ延在する。下向きの方向では、厚みのつけられた領域は、下面部分1125までの距離の少なくとも半分だけ延在する。鼻ロケータ1106と1107との間の、全体的に1112で示すシールの部位もまた、断面において厚みがあり、これらの部位において鼻ロケータに追加的な安定性をもたらす。
【0178】
図21では、シールの代替的な実施形態を示す。この代替的な実施形態では、1113で示す鼻ロケータ間の部位は、入口周辺1110および鼻ロケータ1106、1108よりも断面において実質的に薄い。この構成は、鼻ロケータ1106と1108との間に追加的な可撓性をもたらす。
【0179】
図22に、本発明のシールのさらに別の実施形態を示す。ここでは、シールは膨張性であるが、シールは、使用時に使用者の口を塞ぐように下方に延在する。このシール1200は、鼻ロケータ1201、1202を含み、上述の実施形態のいずれかで説明したものと同様のフレームに受け入れられる。シール1200は、使用者の口を覆う延出部1203を有し、シールを形成して口からの漏れを減少させる。
【0180】
図23に、本発明のシールの別の実施形態を示す。このシール1300は、
図22のシールと同じ形状であり、鼻ロケータ1301、1302および口を覆う延出部1203を備えるが、使用者の口に向けられた出口1304を含み、使用者の口ならびに鼻ロケータ1301、1302を通って使用者の鼻腔に同時にガスが送られるようにする。
【0181】
図24〜
図29は、本書で説明したインターフェースの実施形態のいずれかと共に使用し得る種々の頭部ストラップを示す。
【0182】
図24は、インターフェースおよび頭部ストラップの分野で公知のいずれかの適切な手段によってインターフェース1400、特に可撓性および膨張性シール1401に取り付けられた単一の頭部ストラップ1402を示す。ストラップ1402は、
図24aに示すような中空チューブ1402または
図24bに示すような中実チューブ1402’とし得る。中空チューブは、例えば、直径3mm〜6mmおよび肉厚0.2mm〜1mmの伸長シリコーンチューブとし得る。
【0183】
図25は、インターフェースおよび頭部ストラップの分野で公知のいずれかの適切な手段によってインターフェース1400、特に可撓性および膨張性シール1401に取り付けられた単一の頭部ストラップ1410を示す。ストラップ1410は、
図25aに示すような細長い中空チューブ1410または
図25bに示すような細長い中実チューブ1410’とし得る。ストラップは、好ましくはシール1401に取り付けられるその端部1411、1412において幅が細く、使用時に使用者の頭部の後ろ側にある中間点において幅が広い。
【0184】
図26は、インターフェース1400に取り付けられた二重頭部ストラップ1420を示す。ストラップ1420は使用者の耳の周りに延在し、シール1401の各側に2つのアタッチメント点を有し、そこでストラップがシール1401に取り付けられる。
【0185】
図27および
図27aは、インターフェース1400に取り付けられた延伸可能な頭部ストラップ1430を示す。ストラップ1430は、ストラップを使用者の頭部に良好に適合させるための伸縮可能な部位1431を有する。
【0186】
図28は、インターフェース1400、特にシール1401に取り付けられた代替的な頭部ストラップ1440を示す。頭部ストラップ1440は、好ましくは剛性部位1442、1443を有するサイドストラップ1441を含み、サイドストラップ1441に追加的な安定性をもたらす。頭部ストラップ1440はまた、好ましくは、それぞれ頭部または頭部の後ろ側に延在する上部ストラップ1444および後部ストラップ1445を含む。この頭部ストラップは、Fisher and Paykel Healthcareの米国特許出願第12/307993号明細書で詳述されており、その内容を参照により本願明細書に援用する。
【0187】
図29および
図29aは、インターフェース1400、特にシール1401に取り付けられた、さらに別の代替的な頭部ストラップ1450を示す。頭部ストラップ1450は湾曲しており、ストラップに追加的な支持または剛性をもたらす隔壁1451を有する。
【0188】
上述の頭部ストラップは、任意の適切な材料、例えば、軟質プラスチック、シリコーン、積層布、または他の適切な材料で形成し得る。
【0189】
図30〜
図33は、インターフェースフレームを膨張性シール本体に取り付け得る種々の方法を示す。
図30では、シール本体1500は、オーバーモールドされたまたはボンドされた硬質プラスチックバーブ1502を含む。バーブ1502は、フレーム1501に形成された対応して付形された凹部1503に留められ、かつフレーム1501とシール係合した状態でシール本体1500を保持する。
【0190】
同様に、
図31では、シール本体1500は、フレーム1501に留められる、オーバーモールドされたまたはボンドされた硬質プラスチックループ状クリップ1503で形成された周辺1502を有する。そのようなクリップ機構の詳細は、Fisher and Paykel Healthcareの米国特許出願第12/502528号明細書で説明されており、その内容を参照により本願明細書に援用する。
【0191】
あるいは、
図32に示すように、シール本体1500は、フレーム1501の周りで伸縮性締り嵌めを有する入口1502を有し得る。フレームは好ましくは溝1503および隆起した縁1504を有し、入口1502がフレームと係合することを可能にする。
【0192】
図33に示すような別の代替的な形態では、シール本体1500は、オーバーモールドまたはボンディングによってフレーム1501に永久的に取り付け得る。
【0193】
図34〜
図40は、インターフェース1100から延出するチューブ(1112、
図13参照)を使用者に固定し得る種々の方法を示す。チューブを使用者に固定することの利点は、チューブの重量をインターフェースから取り除いて、インターフェースが使用者の顔から引張られる可能性を低減させることである。下記の装具の各々は、好ましくはファブリックストラップ製である。ファブリックは通気性のあるタイプの材料であることが好ましいが、他の適切なファブリックも使用し得る。本書で説明する全ての形態において、チューブは、クリップまたはピンによって装具に取り付けられる。
【0194】
図34では、使用時に使用者の頭部および一方の肩の周りに置かれるファブリック製のループ状ストラップから作製された装具1600を示す。
【0195】
図35では、代替的な装具1610を示す。この装具はまた、好ましくは、使用者の胸の中心で交差するように形成されかつ使用者の各腕の周りでしっかりと留められるファブリック製である。
【0196】
図36では、別の代替的な装具1620を示す。ここでは、装具1620は、使用者の胸の中心で交差するストラップを有するが、使用者の首と背中の周りでしっかりと留められている。
【0197】
あるいは、
図37に示すように、装具1630を使用してチューブを使用者に固定でき、装具は、使用者の腕の下側で胸の周りに延在するループ状ストラップから形成される。
【0198】
図38または
図39に示すように、装具1640は、追加的に2つの肩ストラップ1641、1642または単に1つの肩ストラップ1643を含んでもよい。
【0199】
あるいは、
図40に示すように、本発明のインターフェースには、単に使用時に使用者の肩または上腕に適合する単純な装具1650を使用し得る。
【0200】
図41〜
図57を参照して追加的なチューブ支持構成を説明する。
図41〜
図51は、使用者の首の周りに装着するための、つなぎ部によってチューブを支持し得る支持カラーを説明する。
図52〜
図55は、そのようなカラーと共に使用し得る、またはつなぎ部の一方の端部を患者に固定するための他の構成と共に使用し得るつなぎ部の態様を説明する。
図56および
図57は、つなぎ部を患者に固定するための2つのそのような構成を示す。
図34〜
図40は、そのようなつなぎ部を患者に固定するための他の構成を示す。
【0201】
図41〜
図45は、
図1〜
図3に関連して上で大まかに説明したカラーをさらに詳細に示す。カラーは、調節可能な接続部327および二次接続部329を含む。調節可能な接続部は、カラーの第1の端部4100と第2の端部4102との間で動作する。調節可能な接続部327は、設定すべき端部4100および4102の重なる量を使用者が設定できるようにする。
図41〜
図45は、ドーム式締結装置の形態の調節可能な接続部327を示す。ある締結部分4104が第1のストラップ端部4100に取り付けられる。いくつもの相補的な締結部分4106が、第2のストラップ端部4102に沿って間隔をあけて設けられる。一連の締結部分4106の1つに締結具4104を係合することによって、端部4102に対する端部4100の重なりを設定する。締結部分4106は、2cm〜5cm、好ましくは3cm〜4cmの間隔で置かれ得る。これにより、3cm〜4cm単位でカラーの円周に程度の差をもたらす。
【0202】
好ましくは、外側の重なり端部4100は単一のコネクタ部分を含み、内側ストラップ端部は一連の外向きの第2のコネクタ部分を含む。この構成によれば、患者の首の方に向くコネクタ部分はない。従って、カラーの内側面には、邪魔になる突起がない。
【0203】
コネクタ部分は、例えば、公知のタイプのドーム式締結具の部分とし得る。
【0204】
内側端部4102の末端部は、カラーストラップの重なり部分に係合する、外側に突出するループを含み得る。
図43にのみ示すこのループ4302は、カラーのサイズをきつく設定するときに、下にはみ出して重なる端部4102の自由端とカラーの重なり部分とを位置合わせする。
【0205】
図46〜
図49に、調節可能な接続部用の代替的なコネクタをしめす。
図46に、ドーム式締結具の接続を詳細に示す。
【0206】
図47に、係合する磁石を使用する代替的な締結具を示す。外側ストラップ端部4702は、内向きの磁石部分4704を含む。内側ストラップ端部4706は、外向きの磁石部分4708を含む。内向きの磁石部分4704は、好ましくは、内側に向く第1の磁性に磁化されている。外向きの磁石部分4708は、好ましくは、外側に向く相補的な磁性に磁化されている。一連の外向きの磁石4708は、内側ストラップ部分4706の外面に沿って間隔をあけて置かれている。
【0207】
磁石部分はベース部分4710に固定し、ベース部分はストラップに固定し得る。例えば、磁石は、ストラップに縫い合わせることができる基材材料に接着剤で付け得る。あるいは、磁石は、磁石をストラップに直接縫い合わせられるような穴を含むように成形し得る。
【0208】
磁石4704は、磁石自体ではなく、磁石4708によって引きつけられる磁性材料で置き換えることができる。あるいは、磁石4708は、磁性はあるがそれ自体が磁石ではない材料の部分によって置き換えることができる。一例として、磁石はフェライトまたは希土類とする一方、磁性材料は、鋼の小断片とし得る。可塑性ポリマーにボンドされたフェライト粉末は磁石を可塑性にできると同時に、十分な強度を維持してカラーを固定できる。
【0209】
図48は、面ファスナーシステムによって作製されている調節可能な接続部を示す。例えば、外側端部部分4802は、突出するフックを備える材料の短い部分4804を含み得る。内側ストラップ端部4806は、フックが係合および係合解除し得るループで覆われた外向きの部分4808を含み得る。好適な面ファスナー材料はVelcro(登録商標)ブランドで販売されている。
【0210】
外向きのループ材料は、カラーストラップに縫い合わせられるか、またはカラーストラップは、ループを一体式に含む材料から形成し得る。ループ部分4808の長さは、フック部分4804の長さよりも遥かに長く、好ましくはカラーで利用できるよう求められる調節と同等の長さに延在する。例えば、ループファスナー材料はカラーストラップに沿って約15cmの長さを有し得る。
【0211】
図49は、ドーム式締結具と同様の代替的な機械的な締結具を示す。このタイプのドーム式締結具は、雌型部分に小型の受け入れアパーチャ4902、および雄型部分に小型の突出ピン4904を含む。
【0212】
図43〜
図45に戻ると、カラーは、好ましくは第3の端部4302と第4の端部4304との間に第2の解放式接続部329を含む。それゆえ、カラーのリング全体は、2つの別個のストラップセクションに分割される。各ストラップセクションは、一方の端部部分に調節可能な接続部327、および他方の端部部分に第2の接続部329を含む。
【0213】
好ましくはこの第2の接続部は調整不能である。この第2の接続部329は、カラーの使用毎に係合および係合解除するものと意図される。調節可能な接続部は長さを直して設定するように調整でき、第2の接続部329は、カラーを固定および解放するために使用できる。
【0214】
この第2の接続部329は、
図46〜
図49に示す例を含み、または
図50Aおよび
図50Bに示すような普通の取り外し可能な締結クリップを含む(
図50Aは接続した状態および
図50Bは開放状態)任意の好適な手段、または予め定められた範囲の張力がかけられると解放する分離コネクタによって形成し得る。
【0215】
図45に示す接続部329は、ストラップ端部4302に固定された第1の本体部分4502と、第4のストラップ端部4304に固定された第2の本体部分4504とを有する分離コネクタを含む。第1および第2の本体部分は、各々、突出する中子と受け口とを含む。一方の本体の突出する中子は、他方の本体の受け口に相補的である。突出する中子および受け口は、好ましくは締り嵌めを有する。締めの量および受け口から中子を抜くのに必要な力は、分離クリップの解放力を規定する。
【0216】
図51Aおよび
図51Bにこの好ましい分離クリップを詳細に示す。
図51Aでは、クリップを開放した構成で示し、中子5102が各クリップ本体部分から突出し、各中子5102は小型の横方向突起5104を含む。クリップの各本体部分の受け口は横方向アパーチャ5106を含む。中子5102を受け口に押し込むと、突起5104がアパーチャ5106まで及ぶ。アパーチャ5106における突起5104の係合によって締り嵌めがもたらされる。
図51Bにこのコネクタをその係合状態で示す。
【0217】
再び
図41〜
図45を参照すると、つなぎ部がカラーから延出する。つなぎ部4112は一方の端部でカラーに接続され、その自由端でクリップ4114を係合する。係合クリップ4114は、患者用インターフェース用の供給導管と接続するためのものである。
図55に、係合クリップ4114を詳細に示し、導管のカフへの係合クリップの取り付けの拡大図を示す。好ましいコネクタは、カフのスリーブ部分に適合する開放環を含み、カフのフランジ5502と、カフに接続されるスイベル導管のフランジ5504との間の適所に保持される。
【0218】
好ましいつなぎ部は、カラーへの接続部と導管コネクタとの間のその長さに沿っていくつかの位置に分離クリップを含む。分離コネクタは、
図51Aおよび
図51Bを参照して既に述べた形態とし得る。分離コネクタのその形態を
図52、
図54Aおよび
図54Bに示す。
【0219】
あるいは、分離コネクタはまたスイベルを含んで、患者用インターフェースを装着する前にカラーを導管に対して正しい向きにする必要をなくし得る。この場合、分離コネクタは、受け口部分5302および雄型部分5304を含み、雄型部分5304は回転対称とし得る。例えば、雄型部分5304は、拡大した端部5308を有する突出するノブ5306を含み得る。受け口5302は、開放端部に隣接した内側円周に突出部分または環状の突出部分を含み得る。受け口5302は、後で一緒に固定される2部片に作製して、この突出する1つまたは複数のリップを作製する必要があり得る。受け口部分5302は、その他方の端部5310において開放し得るので、コネクタ部分5302を1部片に形成できる。この端部は、つなぎ部のストラップ部分5312の端部を収容し得る。
【0220】
あるいは、スイベルは、つなぎ部に沿って別の位置に含まれ得る。
【0221】
好ましくは、つなぎ部を、カラーに接続するための一端部において摺動式コネクタ5202で形成する。摺動式コネクタ5202は、好ましくは、カラーのウェブの両側に直線部分を含みかつカラーの縁の上下の横断部分によって接合された成形ループを含む。ループは、好ましくは、カラーに適度にぴったりと嵌っているので、ある位置まで動くと、その位置に留まる傾向があるが、十分な力がかけられるとカラーに沿って動くことができる。ループ5202は、カラーのウェブの輪郭を実質的に反映している。つなぎ部分はループ5202から延出し、好ましくはループ5202と一体的に形成されている。好ましくは、つなぎ部分およびループは、シリコーンなどの可撓性の弾性材料から形成される。
【0222】
別のつなぎ部分は、着脱が容易なコネクタから、係合クリップの導管まで延出する。ここでも、これは、任意の好適な材料、好ましくは可撓性のある、好ましくはシリコーン材料から形成し得る。
【0223】
つなぎ部は、固定のまたは調節可能な長さとし得る。好ましくは、つなぎ部は、患者が選択するために複数の長さが与えられ得る。つなぎ部は3cm〜15cmの長さとし得る。約3cmのつなぎ部を
図54A〜
図54Bに示し、つなぎ部は、もしあるならば、限定されたストラップ部分を含む。このつなぎ部は、ほとんど、カラーへのそのループコネクタによって、着脱が容易なコネクタによって、および導管コネクタへのその接続によって作製される。
【0224】
図52および
図53に、接続ループ5202と着脱が容易なコネクタとの間にかなりのストラップ部分を含み、着脱が容易なコネクタと導管コネクタとの間に別のかなりのストラップ部分を含む長いつなぎ部を示す。つなぎ部のこれらの部分は入れ替えることができるので、例えば、つなぎ部のストラップ部分は、分離コネクタの一方の側または他方の側に全て設けることができる。
【0225】
図56は、カラーの使用に対する代替的な支持構成を示す。つなぎ部5602は、カラー用のコネクタで終端する代わりにクリップ5604で終端する。好ましくは洗濯ばさみ(peg)、ワニ口クリップまたは把持顎を有する他の構成のタイプの形態のクリップ5604は、ネックラインまたは患者が着用している衣類の他の便利な部分に取り付けるためのものである。あるいは、つなぎ部は、先に説明したように患者が装着するための装具構造に接続するためのコネクタで終端し得る。
【0226】
つなぎ部は、分離コネクタを含んでも含まなくてもよい。
【0227】
図57は、患者の衣類5702に接続するための別の代替形態を示す。これは、衣類のカラーラインに接続されかつ分離コネクタ5706を含むプッシュクリップ5704を示す。
【0228】
好ましいカラーは、装着者に快適な材料から構成される。最も単純な形態では、カラーは、例えば、全体的なカラーの形状を保持するために十分な硬さ、任意の相当な伸長または引張りに耐える十分な強度を有し、かつ患者に向く内面が快適な柔らかい可撓性材料のストラップとし得る。1つの好適な材料は、例えば、いずれかの面が編地面となっている発泡ウェブを有するBreathopreneのような積層発泡材料とし得る。
【0229】
しかしながら、好ましいカラーは、Breathoprene材料よりも引張りに耐え、Breathoprene材料よりも通気性がある。皮膚に対して快適であるために、カラーは好ましくは織られた、編まれたまたは編組された天然繊維のファブリック面となっている。例えば、綿または竹の糸で編組されたまたは編まれたチューブである。カラーに形状を与えるために、編組されたまたは編まれたチューブは、可撓性のある骨格部を取り囲む。可撓性のある骨格部は、一連のヒンジ式接続のフレーム、または開放式の骨組みで形成された成形された可撓性ストラップを含み得る。好ましくはそれは、プラスチックメッシュの細いストラップを含む。好適なメッシュの例は、ドイツのMullter Texti Group製の3MESHである。開放式の骨組みまたはメッシュ形態は、湿分および熱が容易にカラーを通過できるようにし、長時間カラーを装着している患者の不快感を軽減する。
【0230】
カラーストラップは、好ましくは幅が3cm〜6cmおよび厚さが3mm〜8mmである。
【0231】
図1〜
図3に、好ましい単純な頭部ストラップを示す。これは、両端部においてコネクタで終端する単一の非分岐状ストラップを含む。ストラップは、フレームの両端部に永久的に接続できるが、好ましくは、コネクタは、マスクの本体から取り外し可能なように構成する。
【0232】
単一の非分岐状ストラップは、好ましくは、調整の必要なく、頭部のサイズのかなりの変動に適応する。好ましいストラップの硬さは非常に柔らかく、完全に広げられたが未延伸状態の400mmのキングストラップの、その元の長さの1.3倍の状態への伸長は、4N以下、好ましくは2N以下の力を必要とする。
図62は、4種のサンプルストラップ材料の力対伸長特性を示すグラフである。好ましい材料は、Lycraの撚糸を組み込む編まれたチューブナイロン糸を含む。ナイロン糸は、十分に緩く形成され、きつくならないために必要な範囲を越えて伸長可能である。糸中のLycra撚糸の量は、ストラップの硬さを変えるために変動させ得る。ストラップの全径は、好ましくは10mm未満、最も好ましくは6mm未満である。
【0233】
ストラップの端部コネクタは任意の好適な方法でストラップに取り付け得る。好ましくは、端部コネクタは、ストラップの端部にオーバーモールドされる。
図62に、代替的なストラップ材料の範囲の試験結果を示す。全ての試験結果は、「静止時」の長さが約400mmの被試験材料の長さの伸長に対するものである。
【0234】
線6202は、Lycraフィラメントを組み込むナイロンの編糸の伸長試験結果を示し、編まれたチューブの公称直径は5mmである。これはまた、望ましいものよりも硬い。
【0235】
線6206は、本発明者らによって決定された、仮説上最も好ましい応答を示す。
【0236】
線6209は、肉厚が0.25mm、外径が3mmの伸長シリコーン中空チューブの応答を示す。
【0237】
線6207は、肉厚が0.25mm、外径が6mmの伸長シリコーン中空チューブの応答を示す。
【0238】
これらのシリコーンの伸長の双方とも、満足のいく特性を示す。
【0239】
線6205は、Lycraフィラメントを組み込む好ましいナイロン編糸の応答を示す。この編まれたチューブの公称直径は4mmであった。
【0240】
線6208は、長さ3mmの織成弾性ウェビングの応答を示す。この製品は、好ましい編糸と類似した特性を示したが、弾性ウェビングは、毛を捉えて弾性を失う傾向を示す。
【0241】
図58〜
図61は、実質的に先に述べたようなシールを組み込むが、導管への追加的な支持の必要性をなくすかまたは低減し得る特徴を含む別の患者用インターフェースを示す。この実施形態によれば、マスクの本体は垂下式の安定材6102を含む。垂下式の安定材はマスク本体の各側部に設けられる。各垂下式の安定材は、マスクシールの周囲を越えて延在し、かつ足部6104を含んで装着者の上唇に係合する。好ましくは、安定材はシールの内面を越えては延在しないが、シールの内面から前方に間隔をあけておかれ、足部6104が、使用時に患者に対称的にマスクが装着されるとき、垂下式の安定材の足部6104が装着者と接触しないような位置に配置される。各足部6104は、軟質ポリマーやエラストマー発泡体などの軟質材料のパッド6106または中空シリコーン押出し部分を含み得る。安定材は、フレームではなくシールに一体にされ、例えば、中心開口部に隣接した部分から延在してシールの下縁を越えて突出する成形シリコーン体として一体式に形成される。この場合、マスク本体の形体は、安定材のインボード端部(in board ends)の位置を固定できる。
【0242】
各安定材は、シールの下側の領域まで下向きに延在し、口、鼻および鼻唇溝によって囲まれた部位において患者の上唇の部位に係合するようになっており、好ましくは、患者の頬には係合しない。従って、足部は、この部位に適合するようなプロファイルにされ、位置決めされている。各安定材612およびアーム6108は、マスク本体の横方向中央部分6110から延在する。このアームの形態およびこのアームの材料は、アームが剛性であるか、またはアームが所望の可撓性を有するようにし得る。一般的に、このアームは剛性であるべきである。
【0243】
安定材の目的は、インターフェースが正しく配置されているときに使用者の上唇部分から隙間をあけずに存在させること、および、例えば供給導管の影響を受けてインターフェースが使用者の鼻に対して一方の側または他方の側に揺すられるときに、使用者の上唇領域に接触することである。マスクの中心線から横方向に間隔のあけられている安定材の足部6104に、好ましくはマスクの末端縁部の方に向かって軽く圧力をかけることによって、導管からのこれらの横力に対してマスクを支持し、顔を横切ってマスクが揺れすぎてシールを破ることを止める。
【0244】
さらに、安定材は、マスクの下側に垂れ下り、導管の重量によってマスクが前方に回転する傾向がある場合にマスクを支持する。その場合には、両安定材の脚部6104が使用者の上唇に接触し、マスクの位置を支持する。
【0245】
安定材を、実質的に剛性構成を有するが、可撓性または軟質のパッド6106を備えるものとして、好ましい形態で示す。しかしながら、患者の形状寸法の変動のために、これらの安定材は選択可能な付属物とすることができ、マスクへの接続構成は、異なる形態の安定材で置き換えることを可能にする。あるいは、安定材は、安定材の長さに沿って、またはアームの接合部および足部もしくはその双方において複数の固定位置を可能にするヒンジ部分を提供することなどによって調整できるように作製できる。あるいは、アームは、相当に効果をもたらすことが可能な展性材料で形成できる。これによれば、アームは、材料の効果によって所望の位置に屈曲でき、その位置に留まることができる。
【0246】
アームまたは足部のヒンジを伴う実施形態では、安定材の各々の運動を連結するためにリンケージ構成を設けることができるか、または安定材は、1つまたは複数のバネまたは他の弾性部材によって、ある位置に個別にまたは集合的に支持され得る。
【0247】
安定材を追加することによって、マスクは、導管を追加的に支持する必要なく、患者に十分にしっかりと置かれ得る。同様に、これは、可撓性結合チューブ6120の長さを短くすることを可能にし得る。従って、可撓性結合チューブ6210(一般に主供給導管よりも遙かに可撓性がある)は、長さを5cm〜15cm、好ましくは約10cmに低減できる。加湿ガス供給および加熱主供給導管を含むシステムにおいて、この短い可撓性結合チューブは、通常加熱されない。結合チューブが細ひもまたはカラーによって支持される必要がある場合、最小長が一般的に15cm超となる。カラーの細ひもへの条件が排除される場合、短い結合チューブは、可撓性のためにのみ設けられ、マスクから比較的剛性の供給導管を分離して、装着者が頭部を自由に動かせるようになる。結合チューブは一般に加熱されないので、チューブで運ばれるガスの湿度は、冷たい壁表面にレインアウトすることがあり、最終的には使用者の鼻孔に吹き込まれて不快感を生じ得る水の集まりを形成する。リップ安定材によって可能にされたように短いチューブを提供することは、導管において起こり得るレインアウトを低減させる。