(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5932151
(24)【登録日】2016年5月13日
(45)【発行日】2016年6月8日
(54)【発明の名称】副鼻腔内視鏡
(51)【国際特許分類】
A61B 1/227 20060101AFI20160526BHJP
A61B 1/233 20060101ALI20160526BHJP
G02B 23/24 20060101ALI20160526BHJP
【FI】
A61B1/22
G02B23/24 A
【請求項の数】15
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-521683(P2015-521683)
(86)(22)【出願日】2013年7月8日
(65)【公表番号】特表2015-524289(P2015-524289A)
(43)【公表日】2015年8月24日
(86)【国際出願番号】US2013049563
(87)【国際公開番号】WO2014011538
(87)【国際公開日】20140116
【審査請求日】2015年3月17日
(31)【優先権主張番号】13/544,681
(32)【優先日】2012年7月9日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515008427
【氏名又は名称】ジャイラス・エイシーエムアイ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100186613
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 誠
(72)【発明者】
【氏名】コンストラム,グレゴリー
【審査官】
右▲高▼ 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭63-122419(JP,A)
【文献】
特開平5-269138(JP,A)
【文献】
特表2011-529724(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2007/0249899(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2007/0293726(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0249483(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0171159(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0004057(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00
G02B 23/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鼻孔及び副鼻腔のような小さな体腔への挿入のための内視鏡であって、
ワーキングチャネルポートを画定する部分を有する制御部分と、
前記制御部分から延在する挿入チューブであって、挿入チューブは第1部分と第2部分とを有し、前記第1部分は、長手方向軸と、前記第1部分を通じて延在する第1腔と、を画定し、前記第1部分は、前記制御部分に接続される近位端部を有し、前記第2部分は、前記第2部分の近位端部と遠位端部とを通じて延在する第2腔を画定し、前記第2部分の近位端部は前記第1部分の遠位端部に接続され、前記第2部分は、前記第1部分に対して折り曲げることができ、前記第2腔は前記第1腔と連通する、挿入チューブと、
前記第1腔及び前記第2腔内に配置されるワーキングチャネルチューブであって、前記ワーキングチャネルチューブの近位端部及び遠位端部を通じて延在するワーキング腔を画定し、前記ワーキング腔は前記ワーキングチャネルポートと連通する、ワーキングチャネルチューブと、
前記制御部分に接続されるグリップ部分と、を有し、前記挿入チューブ及び前記制御部分は前記グリップ部分に対して回転可能である、内視鏡。
【請求項2】
請求項1に記載された内視鏡において、
前記挿入チューブ及び前記制御部分は、前記グリップ部分に対して第1の方向にホームポジションから約90度及び第2の方向に前記ホームポジションから約90度回転可能であり、前記第1の方向は前記第2の方向と反対である、内視鏡。
【請求項3】
請求項2に記載された内視鏡において、
前記挿入チューブの前記第1部分は剛性チューブを有し、前記挿入チューブの前記第2部分は可撓性チューブを有する、内視鏡。
【請求項4】
請求項3に記載された内視鏡において、
前記第2部分の前記遠位端部は、前記長手方向軸から第1角度で位置する第1位置から、前記長手方向軸から第2角度で位置する第2の位置へ折り曲げられるように構成され、前記第1角度及び前記第2角度は、前記長手方向軸の反対側に位置し、前記第1角度は少なくとも30度であり且つ前記第2角度は少なくとも110度であり、前記第2部分は前記第1角度と前記第2角度との間の平面に沿って折り曲げることができる、内視鏡。
【請求項5】
請求項4に記載された内視鏡において、
前記第2部分は形状記憶合金から形成される、内視鏡。
【請求項6】
請求項5に記載された内視鏡において、
前記第2部分は予め形成された湾曲形状に予め形成され、前記第2部分の前記遠位端部は、前記予め形成された湾曲形状において前記長手方向軸から少なくとも30度の角度で延在する、内視鏡。
【請求項7】
請求項3に記載された内視鏡において、
前記制御部分を前記挿入チューブに結合する複数のピンを有する、内視鏡。
【請求項8】
請求項7に記載された内視鏡において、
前記ワーキングチャネルチューブは、少なくとも0.4ミリメートルの内径を有する、内視鏡。
【請求項9】
請求項3に記載された内視鏡において、
前記挿入チューブの前記第2部分の前記遠位端部に取り付けられる制御ケーブルであって、前記制御ケーブルは前記第1腔及び前記第2腔を通じて延在し、前記制御ケーブルは引っ張られたときに前記第2部分を折り曲げるように作動する、制御ケーブルと、
前記第1腔及び前記第2腔を通じて延在する照明束と、
前記第1腔及び前記第2腔を通じて延在するイメージング束と、
前記グリップ部分の近位端部に配置されるレンズと、を有する内視鏡。
【請求項10】
請求項9に記載された内視鏡において、
前記挿入チューブの前記第1部分が約160−約170ミリメートルの長さを有し、前記挿入チューブの前記第2部分が約60−約67ミリメートルの長さを有する、内視鏡。
【請求項11】
鼻孔及び副鼻腔のような小さな体腔への挿入のための内視鏡であって、
ワーキングチャネルポートを画定する部分を有する制御部分と、
少なくとも一つの中間ピンにより前記制御部分に接続される中間部分と、
少なくとも一つのシャフトピンにより前記中間部分に接続されるシャフトブッシングと、
前記シャフトブッシングから延在する挿入チューブであって、前記挿入チューブは剛性チューブ部分と可撓性チューブ部分とを有し、前記剛性チューブ部分は、長手方向軸と、前記剛性チューブ部分を通じて延在する第1腔とを画定し、前記剛性チューブ部分は、前記シャフトブッシングに接続される近位端部を有し、前記可撓性チューブ部分は、前記可撓性チューブ部分の近位端部と遠位端部とを通じて延在する可撓性チューブ腔を画定し、前記可撓性チューブ部分の前記近位端部は、前記剛性チューブ部分の遠位端部に接続され、前記可撓性チューブ部分は、前記剛性チューブ部分に対して折り曲げることができ、前記可撓性チューブ腔は前記剛性チューブ腔と連通する、挿入チューブと、
前記可撓性チューブ腔及び前記剛性チューブ腔内に配置されるワーキングチャネルチューブであって、前記ワーキングチャネルチューブは、前記ワーキングチャネルチューブの近位端部及び遠位端部を通じて延在するワーキングチューブ腔を画定し、前記ワーキングチャネルチューブの前記近位端部は前記制御部分に接続され、前記ワーキング腔は前記ワーキングチャネルポートと連通する、ワーキングチャネルチューブと、
前記制御部分に接続されるグリップ部分と、を有し、前記挿入チューブ及び前記制御部分は前記グリップ部分に対して回転可能である、内視鏡。
【請求項12】
請求項11に記載された内視鏡において、
前記可撓性チューブ部分の前記遠位端部は、前記長手方向軸から第1角度で位置する第1位置から、前記長手方向軸から第2角度で位置する第2の位置へ折り曲げられるように構成され、前記第1角度及び前記第2角度は、前記長手方向軸の反対側に位置し、前記第1角度は少なくとも30度であり且つ前記第2角度は少なくとも110度であり、前記可撓性チューブ部分は前記第1角度と前記第2角度との間の平面に沿って折り曲げることができる、内視鏡。
【請求項13】
請求項11に記載された内視鏡において、
前記可撓性チューブ部分は形状記憶合金から形成され、前記可撓性チューブ部分は予め形成された湾曲形状に予め形成され、前記可撓性チューブ部分の前記遠位端部は、前記予め形成された湾曲形状において前記長手方向軸から少なくとも30度の角度で延在する、内視鏡。
【請求項14】
請求項11に記載された内視鏡において、
前記挿入チューブの前記可撓性チューブ部分の前記遠位端部に取り付けられる制御ケーブルであって、前記制御ケーブルは前記剛性チューブ腔及び前記可撓性チューブ腔を通じて延在し、前記制御ケーブルは引っ張られたときに前記可撓性チューブ部分を折り曲げるように作動する、制御ケーブルと、
前記剛性チューブ腔及び前記可撓性チューブ腔を通じて延在する照明束と、
前記剛性チューブ腔及び前記可撓性チューブ腔を通じて延在するイメージング束と、を有する内視鏡。
【請求項15】
請求項13に記載された内視鏡において、
前記挿入チューブ及び前記制御部分は、前記グリップ部分に対して第1の方向にホームポジションから約90度及び第2の方向に前記ホームポジションから約90度回転可能であり、前記第1の方向は前記第2の方向と反対である、内視鏡。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0002]本開示は、医療器具に関し、特に、ワーキングチャネルを有する内視鏡であって、鼻孔又は副鼻腔に挿入されるように構成される内視鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、2012年7月9日に出願された米国特許出願番号13/544,681の継続である。上記出願の開示が参照によりここに組み込まれる。
【0003】
[0003]本節の記載は、単に本開示に関連するバックグラウンドの情報を提供するものであって、従来技術を構成するかどうかは別である。
【0004】
[0004]内視鏡は、様々な診断及び医療処置のための体腔への挿入のために医療専門家により使用される。例えば、副鼻腔を処置するために、内視鏡は鼻孔に挿入され、副鼻腔洞の内部又は近くに進められる。副鼻腔内視鏡が所望の位置に配置されると、副鼻腔内視鏡のワーキングチャネルを通じて副鼻腔内に処置器具が進められ得る。
【0005】
[0005]副鼻腔洞は、副鼻腔洞が到達する鼻孔の開口部に近いので、相対的に短い内視鏡が副鼻腔への挿入に使用される。したがって、内視鏡及び/又は処置器具の遠位端部を回転させるための内視鏡の湾曲又はねじりが問題となり得る。なぜなら、内視鏡は、副鼻腔内視鏡の湾曲及び/又はねじれによって与えられるねじれ負荷に容易に耐えるのに十分に長くないからである。それゆえ、内視鏡への望ましくないねじれ負荷を与えることなく、回転し及び/又は屈折することのできる副鼻腔内視鏡が必要に応じて望まれる。
【発明の概要】
【0006】
[0006]一態様では、本開示は、例えば鼻孔及び副鼻腔のような小さな体腔への挿入のための内視鏡を提供する。内視鏡は、制御部分と、ワーキングチャネルチューブを備えた挿入チューブと、グリップ部分と、を含む。制御部分は、ワーキングチャネルポートを画定する部分を有する。挿入チューブは制御部分から延在し、挿入チューブは第1部分と第2部分とを有する。第1部分は、長手方向軸と、第1部分を通じて延在する第1腔とを画定する。第1部分は、制御部分に接続される近位端部を有する。第2部分は、第2部分の近位端部と遠位端部とを通じて延在する第2腔を画定する。第2部分の近位端部は、第1部分の遠位端部に接続される。第2部分は、第1部分に対して曲げることができる。第2腔は、第1腔と連通する。
【0007】
[0007]ワーキングチャネルチューブは第1腔及び第2腔内に配置され、ワーキングチャネルチューブの近位端部及び遠位端部を通じて延在するワーキング腔を画定する。ワーキング腔はワーキングチャネルポートと連通する。グリップ部分は制御部分に接続され、挿入チューブ及び制御部分はグリップ部分に対して回転可能である。
【0008】
[0008]ここで説明される他の態様と結合され又は分離され得る他の態様では、例えば鼻孔及び副鼻腔のような小さな体腔への挿入のための内視鏡が提供される。内視鏡は、制御部分と、中間部分と、シャフトブッシングと、挿入チューブと、ワーキングチャネルチューブと、グリップ部分と、を含む。制御部分は、ワーキングチャネルポートを画定する部分を有する。中間部分は、少なくとも一つの中間ピンにより制御部分に接続される。シャフトブッシングは、少なくとも一つのシャフトピンにより中間部分に接続される。挿入チューブは、シャフトブッシングから延在する。挿入チューブは、剛性チューブ部分と可撓性チューブ部分とを有する。剛性チューブ部分は、長手方向軸と、剛性チューブ部分を通じて延在する第1腔と、を画定する。剛性チューブ部分は、シャフトブッシングに接続される近位端部を有する。可撓性チューブ部分は、可撓性チューブ部分の近位端部と遠位端部とを通じて延在する可撓性チューブ腔を画定する。可撓性チューブ部分の近位端部は、剛性チューブ部分の遠位端部に接続される。可撓性チューブ部分は、剛性チューブ部分に対して曲げることができる。可撓性チューブ腔は、剛性チューブ腔と連通する。
【0009】
[0009]ワーキングチャネルチューブは可撓性チューブ腔及び剛性チューブ腔内に配置される。ワーキングチャネルチューブは、ワーキングチャネルチューブの近位端部及び遠位端部を通じて延在するワーキングチューブ腔を画定する。ワーキングチャネルチューブの近位端部は、制御部分に接続される。ワーキング腔はワーキングチャネルポートと連通する。グリップ部分は制御部分に接続され、挿入チューブ及び制御部分はグリップ部分に対して回転可能である。
【0010】
[0010]その結果、本発明の一態様にしたがって、鼻孔及び副鼻腔のような小さな体腔への挿入のための内視鏡が熟慮され、内視鏡は、ワーキングチャネルポートを画定する部分を有する制御部分と、制御部分から延在する挿入チューブであって、挿入チューブは第1部分と第2部分とを有し、第1部分は長手方向軸を画定し且つ第1部分を通じて延在する第1腔を画定し、第1部分は制御部分に接続される近位端部を有し、第2部分は第2部分の近位端部と遠位端部とを通じて延在する第2腔を画定し、第2部分の近位端部は第1部分の遠位端部に接続され、第2部分は第1部分に対して折り曲げることができ、第2腔は第1腔と連通する、挿入チューブと、第1腔及び第2腔内に配置されるワーキングチャネルチューブであって、ワーキングチャネルチューブはワーキングチャネルチューブの近位端部と遠位端部とを通じて延在するワーキング腔を画定し、ワーキング腔はワーキングチャネルポートと連通する、ワーキングチャネルチューブと、制御部分に接続されるグリップ部分であって、挿入チューブ及び制御部分はグリップ部分に対して回転可能である、グリップ部分と、のうちの一以上を有する。
【0011】
[0011]その結果、本発明の他の一態様にしたがって、鼻孔及び副鼻腔のような小さな体腔への挿入のための内視鏡が熟慮され、内視鏡は、ワーキングチャネルポートを画定する部分を有する制御部分と、少なくとも一つの中間ピンにより制御部分に接続される中間部分と、少なくとも一つのシャフトピンにより中間部分に接続されるシャフトブッシングと、シャフトブッシングから延在する挿入チューブであって、挿入チューブは、剛性チューブ部分と可撓性チューブ部分とを有し、剛性チューブ部分は長手方向軸を画定し且つ剛性チューブ部分を通じて延在する第1腔を画定し、剛性チューブ部分は、シャフトブッシングに接続される近位端部を有し、可撓性チューブ部分は、可撓性チューブ部分の近位端部と遠位端部とを通じて延在する可撓性チューブ腔を画定し、可撓性チューブ部分の近位端部は、剛性チューブ部分の遠位端部に接続され、可撓性チューブ部分は、剛性チューブ部分に対して折り曲げることができ、可撓性チューブ腔は、剛性チューブ腔と連通する、挿入チューブと、可撓性チューブ腔及び剛性チューブ腔内に配置されるワーキングチャネルチューブであって、ワーキングチャネルチューブはワーキングチャネルチューブの近位端部と遠位端部とを通じて延在するワーキングチューブ腔を画定し、ワーキングチャネルチューブの近位端部は制御部分に接続され、ワーキング腔はワーキングチャネルポートと連通する、ワーキングチャネルチューブと、制御部分に接続されるグリップ部分であって、挿入チューブ及び制御部分はグリップ部分に対して回転可能である、グリップ部分と、のうちの一以上を有する。
【0012】
[0012]本発明は、ここで説明する特徴の一以上の任意の組み合わせによってさらに特徴づけられ得る。即ち、挿入チューブ及び制御部分は、グリップ部分に対して第1の方向にホームポジションから約90度及び第2の方向にホームポジションから約90度回転可能であり、第1の方向は第2の方向と反対であること;挿入チューブの第1部分は剛性チューブを有し、挿入チューブの第2部分は可撓性チューブを有すること;第2部分の遠位端部は、長手方向軸から第1角度で位置する第1位置から、長手方向軸から第2角度で位置する第2の位置へ折り曲げられるように構成され、第1角度及び第2角度は、長手方向軸の両側に位置し、第1角度は少なくとも30度であり且つ第2角度は少なくとも110度であり、第2部分は第1角度と第2角度との間の平面に沿って折り曲げることができること;第2部分は形状記憶合金から形成されること;第2部分は予め形成された湾曲形状に予め形成され、第2部分の遠位端部は、予め形成された湾曲形状において長手方向軸から少なくとも30度の角度で延在すること;複数のピンは、制御部分を挿入チューブに結合すること;ワーキングチャネルチューブは、少なくとも0.4ミリメートルの内径を有すること;挿入チューブの第2部分の遠位端部に取り付けられる制御ケーブルであって、制御ケーブルは、第1腔及び第2腔を通じて延在し、制御ケーブルは、引っ張られたときに第2部分を折り曲げるように作動すること;第1腔及び第2腔を通じて延在する照明束;第1腔及び第2腔を通じて延在するイメージング束;グリップ部分の近位端部に配置されるレンズ;挿入チューブの第1部分が約160−約170ミリメートルの長さを有し、挿入チューブの第2部分が約60−約67ミリメートルの長さを有すること。
【0013】
[0013]更なる態様、利点及び適用可能な分野は、ここに示される説明から明らかになる。説明及び具体的な例は、単に例示の目的を意図としたものであり、本開示の範囲を限定することは意図していないことが理解されるべきである。
【0014】
[0014]ここに記載される図面は、単なる例示目的のためのものであり、決して本開示の範囲を限定することを意図したものではない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】[0015]
図1は、本開示の原理に従った内視鏡の斜視図である。
【
図2】[0016]
図2は、本開示の原理に従った
図1の内視鏡の部分的に切り取られた側面図である。
【
図3】[0017]
図3は、本開示の原理に従った
図1及び
図2の内視鏡の制御部分の部分的に切り取られた詳細な側面図である。
【
図4】[0018]
図4は、本開示の原理に従った
図1−3の内視鏡の制御部分の部分的に切り取られた斜視図(25%が切り取とられている)である。
【
図5】[0019]
図5は、本開示の原理に従った
図2の線5−5に沿って得られた、
図1−4の内視鏡の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[0020]以下の説明は、事実上単なる例示であり、本開示、適用、又は使用を限定することを意図したものではない。
【0017】
[0021]図面に関して、同一の符号は同一の部品を示し、特に
図1に関して、本開示の原理に従った内視鏡の例が示され、全体として10が付されている。内視鏡10は、鼻孔及び/又は副鼻腔のような小さい体腔内での使用を対象としている。しかしながら、代替的な実施形態では、内視鏡10は他の体腔内への挿入のために使用され得る。
【0018】
[0022]内視鏡10は、制御部分12と、挿入チューブ14と、ハンドル又はグリップ部分16とを有する。制御部分12は、円錐部分20に接続される、概して円形の円筒部分18を有するが、任意の形状が使用され得ることが理解されるべきである。例示の実施形態では、円筒部分18は、円錐部分20と一体に形成される。制御部分12は、ワーキングチャネルポート22を備える部分を有する。ワーキングチャネルポート22は、例として、制御部分12のベース部分19に取り付けられる突起21を通じて形成される。ベース部分19は、概して円形の円筒形状を有する。ワーキングチャネルポート22は、制御部分12を通じる概して円形の開口を有するが、他の形状が、本開示の思想及び範囲を超えることなく使用され得る。より具体的には、ワーキングチャネルポート22は、制御部分12のベース部分19から突出する突起21を通じる概して円形の円筒開口である。ワーキングチャネルポート22は、内視鏡10を通過させ、患者の体腔内に器具を挿入するために使用される。この例では、制御部分12は、光源(図示せず)を接続するための光源ポスト24も有する。
【0019】
[0023]挿入チューブ14は、制御部分12に接続され、且つ制御部分12から延在する。本実施形態では、挿入チューブ14は、概して円形の円筒形状を有する。挿入チューブ14は、剛性又は半剛性であり得る第1部分26と、可撓性、折り曲げ可能、及び/又可鍛性であり得る第2部分28と、を含む。
【0020】
[0024]第1部分26は、内視鏡10の長手方向軸Xを画定する。第1部分26は、制御部分12の円錐部分20に接続される近位端部32を有する。第1及び第2部分26,28は、円錐部30にて互いに接続される。円錐部30は任意である。例えば、円錐部30は除外され得る。したがって、第2部分28は、円錐部30を通じて又は直接に、第1部分の遠位端部36に接続される近位端部34を有する。第2部分28は、第1部分26に対して折り曲げ可能である。例示の実施形態では、第2部分28は、第1部分26の外径よりも小さい外径を有する。
【0021】
[0025]第2部分28は、二つの部分、即ちパッシブ屈折部分29と、アクティブ屈折部分31とを有し得る。パッシブ屈折部分29は、円錐部30及びアクティブ屈折部分31に接続され、パッシブ屈折部分29から延在する。したがって、パッシブ屈折部分29は、円錐部30とアクティブ屈折部分31との間を延在する。アクティブ屈折部分31は、パッシブ屈折部分29から第2部分28の遠位端部52へ連続的に延在する。
【0022】
[0026]グリップ部分16は、回転可能接続等によって、制御部分12に接続される。グリップ部分16は、概して円形の円筒形状を有する。内視鏡10を通じて見るための接眼レンズ38が、グリップ部分16の近位端部40に含まれ得る。グリップ部分16は、内視鏡10を保持するための、医療専門家による使用のためのハンドルである。挿入チューブ14及び制御部分12は、グリップ部分16に対して回転可能である。言い換えれば、グリップ部分16は、(例えば、医療専門家の手中において)実質的に動かないままであり得、一方で制御部分12は、グリップ部分16に対して回転される。挿入チューブ14は制御部分12に回転可能に固定され、したがって、挿入チューブ14は、制御部分12が回転されるときに回転する。一実施形態では、挿入チューブ14及び制御部分12は、グリップ部分16に対して、第1の方向Aにホームポジションから約90度、第2の方向Bにホームポジションから約90度、回転可能であり、第1の方向Aは第2の方向Bと反対である。
【0023】
[0027]
図1−4を参照すると、挿入チューブ14がより詳細に説明される。いくつかの図面において、同一の符号は同一の部品を示す。挿入チューブの第1部分26は、自身を通じて延在する第1腔48を画定する。第2部分は、自身を通じて延在する第2腔50を画定する。第1腔48は、第1部分26の近位端部32及び遠位端部36を通じ、第1部分26の長さに沿って延在する。同様に、第2腔50は、第2部分28の近位端部34及び遠位端部52を通じ、第2部分28の長さに沿って延在する。第2腔50は、第1腔48と連通する。
【0024】
[0028]ワーキングチャネルチューブ54は、第1腔48及び第2腔50内に設けられる。ワーキングチャネルチューブ54は、ワーキングチャネルチューブ54の近位端部62及び遠位端部63を通じ、ワーキングチャネルチューブ54の長さに沿って延在する。図示の実施形態では、ワーキングチャネルチューブ54は、制御部分12内に設けられる幅広部58と、幅広部58に接続され且つ連通する幅細部60と、を有する。幅細部60は、制御部分12内部で幅広部58に接続され、幅細部60は挿入チューブ14内に延在し、第1部分26の近位端部32から挿入チューブ14の第2部分28の遠位端部52に延在する。ワーキングチャネルチューブ54の近位端部62は、ワーキングチャネルポート22を形成する制御部分12の部分に接続される。ワーキング腔56は、ワーキングチャネルチューブ54の近位端部62においてワーキングチャネルポート22と連通する。したがって、ワーキングデバイス(図示せず)は、ワーキングチャネルポート22を通じてワーキングチャネルチューブ54内に挿入され得、そのデバイスは、ワーキングチャネルチューブを通じて、挿入チューブ14の第2部分28の遠位端部52から出て前進し得る。
【0025】
[0029]上述したように、挿入チューブ14の第1部分26は剛性チューブを有し、挿入チューブ14の第2部分28は可撓性チューブを有する。第2部分28の遠位端部52は、挿入チューブ14の長手方向軸Xから、例えば角度αで、角度方向に折り曲げられるように構成される。言い換えれば、第2部分28は可撓性を有し、長手方向軸Xから離れるように曲がり得る。第2部分28の遠位端部52は、長手方向軸Xから第1の角度に配置される第1の位置から、長手方向軸Xから第2の角度に配置される第2の位置に折れ曲げられ得、第1の角度及び第2の角度は、例えば、単一平面内において長手方向軸Xの反対側に配置される。一つのバリエーションにおいて、第1の角度は少なくとも30度であり、第2の角度は少なくとも110度である。したがって、第2部分は、約−30°から約110°に渡って曲げられ得る。第2部分28は、例えば、第1の角度と第2の角度との間で、単一平面に沿って折り曲げられる。
【0026】
[0030]第2部分28の遠位端部52を屈折させるために、(
図5に断面で示される)プルケーブル等の一以上の制御ワイヤ又はケーブル64が、第2部分28の遠位端部に取り付けられ、引っ張られ得る。図示の実施形態では、単一の制御ケーブル64が、挿入チューブ14内での追加の制御ケーブルなしに、配置される。
【0027】
[0031]一例では、第2部分28は、(制御ケーブル64を引っ張ることなく)長手方向軸Xに対して通常約−30度曲げられる形状記憶材料などの超弾性材料から形成され得る。形状記憶材料は、例えばニチノール又はチネル(Tinel)などの形状記憶合金を含み得る。形状記憶合金は、屈折した後にその元の位置に戻るように構成され得る。一バリエーションでは、第2部分28は、予め形成された湾曲形状に予め形成され得、第2部分28の遠位端部52は、予め形成された湾曲形状において長手方向軸Xから少なくとも又はおよそ30度の角度で延在する。制御ケーブル64が引っ張られると、遠位端部52は、例えば単一平面に沿って、−30度から0度、及び0度から110度まで引っ張られ得る。
【0028】
[0032]グリップ部分16に配置される屈折制御レバー66は、例えば、制御ケーブル64を引っ張るために使用され得る。屈折制御レバー66は、このバリエーションにおいては、第2部分28のパッシブ屈折部分29ではなくアクティブ屈折部分31を屈折させるために制御ケーブル64を引っ張り又は移動させるアクチュエータであり、またはこのアクチュエータに接続される。したがって、屈折制御レバー66は、ユーザによって移動させられるように構成され、制御ケーブル64のアクティブ屈折部分31を屈折させるために制御ケーブル64を引っ張り又は開放することとなる。アクチュエータは、グリップ部分16に回転可能に接続されるドラム又はプーリであり、或いはアクチュエータは、ロッカーアーム又はノブ等の他の任意の適切な装置であり得る。制御ケーブル64はアクチュエータから制御部分12及び挿入チューブ14を通過し、挿入チューブ14の遠位端部52まで延在する。制御ケーブル64は、遠位端部52に取り付けられる。したがって、制御ケーブル64が引っ張られ又は開放されたとき、制御ケーブルは第2部分30を折り曲げるように動作可能である。
【0029】
[0033]制御ケーブル64は、概して円筒チューブ形状を有するワイヤシース68内で、制御部分12及び挿入チューブ14を通過し得る。ワイヤシース68は、例えばニチノール又はチネル(Tinel)等の形状記憶材料から形成され得る。
【0030】
[0034]
図3−4を参照すると、追加の選択的な制御部分12の詳細が示される。複数の中間ピン70は、制御部分12を挿入チューブ14に結合する。より具体的には、中間ピン70は、アセンブリ10の中間部分であり得る制御部分12の円錐部分20を、挿入チューブ14に固定接続されるシャフトブッシング72に固定する。第1オーリング80は、シャフトブッシング72と円錐部分20との間に配置される。第2オーリング86は、円筒部分18とベース部分19との間に配置される。もう一つのピンのセットであるシャフトピン71が円筒部分18をベース部分19に接続する。中間ピン70及びシャフトピン71は、任意の所望の数のピン70,71、例えば各々3つのピン70,71等を有し得る。中間ピン70及びシャフトピン71は、制御部分12の外周の周囲に間隔を有して配置される。中間ピン70は、円錐部分22及びシャフトブッシング72の一方又は両方に接続され或いは一体に形成されるピン又はピン状の機構であり得る。同様に、シャフトピン71は、円錐部分18及びベース部分19の一方又は両方に接続され或いは一体に形成されるピン又はピン状の機構であり得る。
【0031】
[0035]一組以上のねじ74(例えば3組のねじ74)が、シャフトブッシング72の周囲に間隔を有して配置される。ねじ74は、シャフトブッシング72の周囲にシャシー76を軸方向に締め付け、シャフトブッシング72とシャシー76との間で張力を生成する。ねじ74はシャシー76をシャフトブッシング72の周囲に締めつけるが、シャシー76をシャフトブッシング72に固定しない。代わりに、シャフトブッシング72及び円錐部分20は、シャシー76の軸受表面78上を回転する。
【0032】
[0036]シャシー76は、後部ハウジングねじ82を介してグリップ部分16の拡張部84に接続される。シールド85は、後部ハウジングねじ82に隣接したシャシー76に接続される。制御部分12の円錐部分20、円筒部分18、及びベース部分19は、シャシー76の軸受表面78上を回転する。第3オーリング88が、ベース部分19とグリップ部分16の拡張部84との間に配置される。ねじ先端90は、挿入チューブ14と円錐部分20との間に配置される。ねじ先端90は、シャフトブッシング72のねじ溝にねじ込まれ、円錐部分20と接触する。したがって、シャフトブッシング72、円錐部分20、円筒部分18、ベース部分19、及び挿入チューブ14は、共に固定され、これらの部品はシャシー76上を共に回転する。
【0033】
[0037]したがって、ワーキングチャネルポート22を含む制御部分12は、グリップ部分16に接続されており、制御部分12がシャシー76の周囲を少なくとも180度回転され得るように、シャシー76の周囲を第1の方向Aに少なくとも90度と第2の方向Bに少なくとも90度で回転され得る。
【0034】
[0038]一部のバリエーションでは、ワーキングチャネルチューブ4の幅細部60は、少なくとも0.4mmの内径wdを有する。挿入チューブ14の第2部分28は、例えば、1.8mm以下の外径tdを有し得る。さらに、挿入チューブ14の第1部分26は、例えば160−170mmの範囲の長さを有し得る。第2部分28のパッシブ屈折部分29は、例えば、35−40mmの範囲の長さを有し得る。アクティブ屈折部分31は、例えば、約25−27mmの範囲の長さを有し得る。したがって、第2部分28は、例えば、合計で約60−67mmの長さを有する。副鼻腔内で内視鏡10を使用するときに、そのような寸法が好ましい。
【0035】
[0039]
図5を参照すると、制御ケーブル64とワーキングチャネルチューブ54に加えて、内視鏡10は照明束92も含み得る。照明束92は、例えば、一以上の光ファイバケーブルを含み得る。光源ポスト24は、光源(図示せず)を照明束92に接続する。内視鏡は、イメージング束94も含み得、イメージング束94はイメージング束94を通じて遠位端部52の近くに画像を伝送するためのものであり、例えば、接眼レンズ38を通じてユーザにより観察され得る。照明束92は、挿入チューブ14の第1部分26及び第2部分28の第1腔48及び第2腔50を通じて、制御部分12内へ延在する。イメージング束94は、同様に、挿入チューブ14の第1部分26及び第2部分28の第1腔48及び第2腔50を通じて延在する。
【0036】
[0040]本発明の説明は、事実上単なる例示であり、本発明の主旨から逸脱しないバリエーションが本発明の範囲内であることが意図される。そのようなバリエーションは、本発明の思想及び範囲から逸脱するものとしてみなされるものではない。