(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1のワイヤレスデバイスがアクセスポイントを備え、前記第1の間隔が前記アクセスポイントのためのスケジュールされた送信間隔を備える、請求項1に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0022]図面の全体にわたって、同様の参照番号は対応する部分を指す。
【0013】
[0023]本実施形態について、簡単のためにWi−Fi対応デバイス間のデータ交換のコンテキストにおいてのみ以下で説明する。本実施形態は、他の様々なワイヤレス規格またはプロトコルの信号を使用するデータ交換、ならびに1つまたは複数のワイヤード規格またはプロトコル(たとえば、イーサネット(登録商標)および/またはHomePlug/PLC規格)の信号を使用するデータ交換に等しく適用可能であることを理解されたい。本明細書で使用するWLANおよびWi−Fiという用語は、IEEE802.11規格ファミリー、Bluetooth、HiperLAN(主に欧州で使用される、IEEE802.11規格に匹敵するワイヤレス規格のセット)、および比較的短い電波伝播距離を有する他の技術によって支配される通信を含むことができる。さらに、ワイヤレス通信媒体に関して上記で説明したが、本実施形態はワイヤード通信媒体(たとえば、光ファイバーケーブル、ツイストペアケーブル、同軸ケーブルなど)に適用され得る。したがって、本明細書で使用する「媒体アクセス」という用語は、共用通信媒体へのアクセスを獲得および/または制御することを指す。さらに、本明細書で使用する「TMH期間」という用語は、あるデバイスが別のデバイスに媒体アクセスを許可する、送信間隔の一部分を指す。
【0014】
[0024]以下の説明では、本開示の完全な理解を与えるために、特定の構成要素、回路、およびプロセスの例など、多数の具体的な詳細を記載する。本明細書で使用する「結合された」という用語は、直接接続されていること、または1つまたは複数の介在する構成要素もしくは回路を介して接続されていることを意味する。また、以下の説明では、説明のために、本実施形態の完全な理解を与えるために具体的な名称を記載する。ただし、これらの具体的な詳細は、本実施形態を実行するために必要でないことがあることが当業者には明らかであろう。他の事例では、本開示を不明瞭にしないように、よく知られている回路およびデバイスをブロック図の形式で示す。本実施形態は、本明細書で説明する具体的な例に限定されるものと解釈されるべきではなく、むしろ添付の特許請求の範囲によって規定されたすべての実施形態をそれらの範囲内に含む。
【0015】
[0025]
図1は、本実施形態が実装され得るワイヤレスネットワークシステム100のブロック図である。システム100は、3つのワイヤレス局STA1〜STA3と、ワイヤレスアクセスポイント(AP)110と、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)120とを含むように示されている。WLAN120は、IEEE802.11規格ファミリーに従って(または他の好適なワイヤレスプロトコルに従って)動作し得る複数のWi−Fiアクセスポイント(AP)によって形成され得る。したがって、簡単のために、ただ1つのAP110が
図1に示されているが、WLAN120は、AP110など、任意の数のアクセスポイントによって形成され得ることを理解されたい。AP110は、たとえば、アクセスポイントの製造業者によって、その中にプログラムされる一意のMACアドレス(MAC_AP)を割り当てられる。同様に、STA1〜STA3の各々も一意のMACアドレス(それぞれ、MAC1〜MAC3)を割り当てられる。各MACアドレス、それは一般に「バーンドイン(burned-in)アドレス」と呼ばれ得る、組織固有識別子(OUI:organizationally unique identifier)、または基本サービスセットID(BSSID:Basic Service Set ID)は、一実施形態では6バイトのデータを含む。MACアドレスの第1の3バイトは、どの組織がデバイスを製造したかを識別し得、米国電気電子技術者協会(IEEE)によってそのような組織に割り当てられ得る。MACアドレスの第2の3バイト、それはネットワークインターフェースコントローラ(NIC)固有バイトと呼ばれ得る、は、個々のデバイスを一意に識別するために使用され得る。
【0016】
[0026]局STA1〜STA3は、たとえば、セルフォン、携帯情報端末(PDA)、タブレットデバイス、ラップトップコンピュータなどを含む、任意の好適なWi−Fi対応ワイヤレスデバイスであり得る。少なくともいくつかの実施形態では、局STA1〜STA3は、送信機/受信機回路と、1つまたは複数の処理リソースと、1つまたは複数のメモリリソースと、電源(たとえば、バッテリー)とを含み得る。メモリリソースは、
図5に関して以下で説明する動作を実行するための命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体(たとえば、EPROM、EEPROM(登録商標)、フラッシュメモリ、ハードドライブなど、1つまたは複数の不揮発性メモリ要素)を含み得る。
【0017】
[0027]AP110は、1つまたは複数のワイヤレスデバイスが、Wi−Fi、Bluetooth、または他の好適なワイヤレス通信規格を使用してAP110を介してネットワーク(たとえば、LAN、WAN、MAN、および/またはインターネット)に接続することを可能にする、任意の好適なデバイスであり得る。少なくとも1つの実施形態では、AP110は、ネットワークインターフェースと、1つまたは複数の処理リソースと、1つまたは複数のメモリソースとを含み得る。メモリリソースは、
図5に関して以下で説明する動作を実行するための命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体(たとえば、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、ハードドライブなど、1つまたは複数の不揮発性メモリ要素)を含み得る。
【0018】
[0028]
図2に、
図1の局STA1〜STA3のうちの少なくとも1つの一実施形態であるSTA200を示す。STA200は、グローバルナビゲーション衛星システム(GNSS:global navigation satellite system)モジュール210と、送信機/受信機回路220と、プロセッサ230と、メモリ240と、スキャナ250とを含む。送信機/受信機回路220は、AP110に信号を送信し、それから信号を受信するために使用され得る(
図1も参照)。スキャナ250は、それはよく知られており、近くのアクセスポイント(たとえば、STA200のレンジ内のアクセスポイント)を検出し、識別するために、周囲環境を走査するために使用され得る。いくつかの実施形態では、スキャナ250は、MACアドレス要求フレーム(たとえば、プローブ要求)を周期的に送信することによって、近くのアクセスポイントを探索することができる。STA200のレンジ内のAPは、要求のうちの1つまたは複数を受信し、それのMACアドレスをSTA200に送信することによって応答する。STA200が好適な数(たとえば、3つ以上)のナビゲーション衛星との見通し線を有する場合、GNSSモジュール210は、三角測量技法を使用してSTA200の現在ロケーションを判断することができ、次いで、ロケーション情報を、メモリ240に記憶するためにプロセッサ230に与えることができる。
【0019】
[0029]メモリ240は、いくつかのTMHパラメータ、送信スケジュール、タイムスロット、バックオフ期間、ランダムバックオフ数、ならびに/あるいは
図1のWLAN120の共用通信媒体へのアクセスを求めて競合することおよび/またはそのアクセスを制御することに関連する他のパラメータを記憶する、一時的媒体ハンドオーバ(TMH)パラメータテーブル242を含み得る。TMHパラメータは、たとえば、1つまたは複数のTMHトリガの指示、TMH期間の長さ、TMH期間が動的に調整され得るかどうかの指示、競合ホールドオフ(hold-off)期間の持続時間、および/またはTMH期間中に送信され得るデータのタイプの指示を含み得る。
【0020】
[0030]メモリ240はまた、以下のソフトウェアモジュールを記憶することができる非一時的コンピュータ可読媒体(たとえば、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、ハードドライブなど、1つまたは複数の不揮発性メモリ要素)を含み得る。
【0021】
・(たとえば、
図5の動作502Bについて説明するように)AP110および/または1つまたは複数の他のSTAとのいくつかのTMHパラメータのネゴシエーションを可能にするためのTMHネゴシエーションソフトウェアモジュール244、
・(たとえば、
図5の動作510および514について説明するように)様々なフレーム(たとえば、要求フレーム、関連付けフレーム、応答フレーム、管理フレーム、制御フレーム、データフレーム、および/または他の好適なタイプのフレーム)の作成、ならびに/あるいはAP110および/または1つまたは複数の他のSTAとのそれらのフレームの交換を可能にするためのフレーム交換ソフトウェアモジュール246、および
・(たとえば、
図5の動作516および518について説明するように)共用通信媒体へのアクセスを共有および/または制御するためのTMHアクセス制御ソフトウェアモジュール248。
【0022】
各ソフトウェアモジュールは、プロセッサ230によって実行されたとき、対応する機能をSTA200に実行させる命令を含む。したがって、メモリ240の非一時的コンピュータ可読媒体は、
図5の方法のSTA側動作の全部または一部分を実行するための命令を含む。
【0023】
[0031]プロセッサ230は、それは送信機/受信機回路220と、GNSSモジュール210と、メモリ240と、スキャナ250とに結合されており、STA200に(たとえば、メモリ240内に)記憶された1つまたは複数のソフトウェアプログラムのスクリプトまたは命令を実行することが可能な任意の好適なプロセッサであり得る。たとえば、プロセッサ230は、AP110および/または1つまたは複数の他のSTAとのいくつかのTMHパラメータ(ならびにSTA200と近くのAPとの間の関連付け動作中にネゴシエートおよび/または交換される他のパラメータ)のネゴシエーションを可能にするために、TMHネゴシエーションソフトウェアモジュール244を実行することができる。いくつかの実施形態では、TMHパラメータは、WLAN関連付け動作の間または後に交換されるフレーム内でベンダー固有情報要素を使用して交換され得る。プロセッサ230はまた、関連付け要求フレーム、プローブREQフレーム、応答フレーム、管理フレーム、制御フレーム、および/またはデータフレームの作成、ならびに/あるいはAP110および/または1つまたは複数の他のSTAとのそれらのフレームの交換を可能にするために、フレーム交換ソフトウェアモジュール246を実行することができる。プロセッサ230はまた、共用通信媒体へのアクセスを共有および/または制御するために、TMHアクセス制御ソフトウェアモジュール248を実行することができる。
【0024】
[0032]
図3に、
図1のAP110の一実施形態であるAP300を示す。AP300は、ネットワークインターフェース310と、プロセッサ320と、メモリ330とを含む。ネットワークインターフェース310は、
図1のWLAN120に関連するWLANサーバ(簡単のために図示せず)と直接または1つまたは複数の介在ネットワークを介して通信し、信号を送信するために使用され得る。プロセッサ320は、それはネットワークインターフェース310とメモリ330とに結合されており、AP300に(たとえば、メモリ330内に)記憶された1つまたは複数のソフトウェアプログラムのスクリプトまたは命令を実行することが可能な任意の好適なプロセッサであり得る。
【0025】
[0033]メモリ330は、いくつかのTMHパラメータ、送信スケジュール、タイムスロット、バックオフ期間、ランダムバックオフ数、および/または
図1のWLAN120の共用通信媒体へのアクセスを制御することに関連する他のパラメータを記憶する、TMHパラメータテーブル332を含み得る。上述のように、TMHパラメータは、たとえば、1つまたは複数のTMHトリガの指示、TMH期間の長さ、TMH期間が動的に調整され得るかどうかの指示、競合ホールドオフ期間の持続時間、および/またはTMH期間中に送信され得るデータのタイプの指示を含み得る。
【0026】
[0034]いくつかの実施形態では、TMHパラメータテーブル332は、
図1のSTA1〜STA3など、いくつかの他のデバイスのためのいくつかのTMHパラメータと、関連する送信スケジュールと、バックオフ期間とを記憶し得る。そのような実施形態では、TMHパラメータテーブル332は、デバイスID、MACアドレス、および/またはこれらの他のデバイスを識別する他の情報を記憶し得る。
【0027】
[0035]メモリ330はまた、以下のソフトウェアモジュールを記憶することができる非一時的コンピュータ可読媒体(たとえば、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、ハードドライブなど、1つまたは複数の不揮発性メモリ要素)を含む。
【0028】
・(たとえば、
図5の動作502Aについて説明するように)STA200などの1つまたは複数の局および/またはいくつかの他のAPとのいくつかのTMHパラメータのネゴシエーションを可能にするためのTMHネゴシエーションソフトウェアモジュール334、
・(たとえば、
図5の動作506、520、および522について説明するように)様々なフレーム(たとえば、要求フレーム、関連付けフレーム、応答フレーム、管理フレーム、制御フレーム、データフレーム、および/または他の好適なタイプのフレーム)の作成、ならびに/あるいはAP110および/または1つまたは複数の他のSTAとのそれらのフレームの交換を可能にするためのフレーム交換ソフトウェアモジュール336、および
・(たとえば、
図5の動作504、508、524、および526について説明するように)共用通信媒体へのアクセスを共有および/または制御するためのTMHアクセス制御ソフトウェアモジュール338。
【0029】
各ソフトウェアモジュールは、プロセッサ320によって実行されたとき、対応する機能をAP300に実行させる命令を含む。したがって、メモリ330の非一時的コンピュータ可読媒体は、
図5の方法のAP側動作の全部または一部分を実行するための命令を含む。
【0030】
[0036]プロセッサ320は、それはネットワークインターフェース310とメモリ330とに結合されており、AP300に(たとえば、メモリ330内に)記憶された1つまたは複数のソフトウェアプログラムのスクリプトまたは命令を実行することが可能な任意の好適なプロセッサであり得る。たとえば、プロセッサ320は、STA200などの1つまたは複数の局とのおよび/または他のAPとのいくつかのTMHパラメータ(ならびにAP300といくつかのSTAとの間の関連付け動作中にネゴシエートおよび/または交換される他のパラメータ)のネゴシエーションを可能にするために、TMHネゴシエーションソフトウェアモジュール334を実行することができる。上述のように、いくつかの実施形態では、TMHパラメータは、WLAN関連付け動作の間または後に交換されるフレーム内でベンダー固有情報要素を使用して交換され得る。プロセッサ320はまた、関連付け要求フレーム、ビーコンフレーム、応答フレーム、管理フレーム、制御フレーム、および/またはデータフレームの作成、ならびに/あるいはSTA200などの1つまたは複数の局とのおよび/または他のAPとのそれらのフレームの交換を可能にするために、フレーム交換ソフトウェアモジュール336を実行することができる。プロセッサ320はまた、共用通信媒体へのアクセスを共有および/または制御するために、TMHアクセス制御ソフトウェアモジュール338を実行することができる。
【0031】
[0037]
図4Aに、STA200のTMHパラメータテーブル242のためのおよび/またはAP300のTMHパラメータテーブル332のための一実施形態として使用され得るTMHパラメータテーブル400を示す(
図2および
図3も参照)。TMHパラメータテーブル400は、それは任意の好適なルックアップテーブルであり得、対応する局、アクセスポイント、または他のデバイスのための、いくつかのTMHパラメータ、スケジューリング情報、および/またはバックオフ値を記憶するための複数のエントリ402(1)〜402(n)を含む。いくつかの実施形態では、エントリ402(1)〜402(n)のうちの1つまたは複数は省略され得、および/またはエントリ402(1)〜402(n)の各フィールドの1つまたは複数は省略され得る。
【0032】
[0038]TMHパラメータテーブル400の各エントリ402は、デバイスフィールドと、BSSIDフィールドと、TMHトリガタイプフィールドと、TMH持続時間フィールドと、TMH更新フィールドと、TMHデータタイプフィールドと、競合ホールドオフ持続時間フィールドと、送信スケジュールフィールドと、バックオフ期間フィールドとを含むように
図4Aに示されている。デバイスフィールドは、対応するワイヤレスデバイスの名前またはIDを記憶するためのものである。BSSIDフィールドは、対応するワイヤレスデバイスのMACアドレスを記憶するためのものである。
【0033】
[0039]TMHトリガタイプフィールドは、媒体アクセスが他のデバイスに許可またはハンドオーバされたことを他のデバイスにアラートするために、どのタイプのTMHトリガが使用されるべきであるか(たとえば、明示的トリガ信号がデータフレームに埋め込まれるべきであるかどうか、またはデータフレームの送信がTMHトリガとして働くかどうか)を示す値を記憶するためのものである。たとえば、いくつかの動作では、デバイス(たとえば、STA200またはAP300)は、いくつかのタイプのフレームの受信をTMH機会のための暗黙的TMHトリガとして解釈するように構成され得る。これらのいくつかのタイプのフレームは、たとえば、サービス品質(QoS)フレームおよび/またはブロック肯定応答要求(BAR:block acknowledgement request)フレームを含み得る。他の動作では、デバイス(たとえば、STA200またはAP300)は、たとえば、別のデバイスから受信されたデータフレームに埋め込まれた明示的TMHトリガに応答してTMH機会を認識するように構成され得る。
【0034】
[0040]より詳細には、
図4Bに、いくつかの実施形態によるQoSフレーム410を示す。QoSフレーム410は、本実施形態によれば、明示的TMHトリガまたはメッセージを含み得るTMH制御フィールド411を含むように変更される。TMH制御フィールド411はまた、たとえば、対応するトリガが対象とするトラフィックタイプ、TMH機会への最大応答時間の指示、競合期間ホールドアウト(holdout)時間値の指示、およびTMH機会中にSTAが実行すべきフレーム交換の最大数など、追加のTMHトリガ情報を含み得る。少なくとも1つの実施形態では、追加のTMHトリガ情報は2つ以上のTMHトリガに対応し得る。フレーム交換中に、(i)直接ACKまたは暗黙的ブロック肯定応答(BA)要求が設定され(または代替的に、要求が設定されておらず)、(ii)電力状態ビットが設定されていない、QoSフレーム410を受信したデバイス(たとえば、STA200)は、それが媒体の制御を引き継ぐTMH機会を許可されたことを通知され得る。そのような実施形態では、QoSフレーム410を送信するデバイスは、TMH制御フィールド411にTMHトリガを埋め込み得る。他の実施形態では、TMHトリガは、QoSフレーム410の1つまたは複数の他のビットロケーションに埋め込まれ得る。
【0035】
[0041]
図4Cに、いくつかの実施形態によるBARフレーム420を示す。BARフレーム420は、本実施形態によれば、明示的TMHトリガまたはメッセージを含み得るBA TMH制御フィールド421を含むように変更される。TMH制御フィールド421はまた、たとえば、対応するトリガが対象とするトラフィックタイプ、TMH機会への最大応答時間の指示、競合期間ホールドアウト時間値の指示、およびTMH機会中にSTAが実行すべきフレーム交換の最大数など、追加のTMHトリガ情報を含み得る。少なくとも1つの実施形態では、追加のTMHトリガ情報は2つ以上のTMHトリガに対応し得る。フレーム交換中に、BARフレーム420を受信したデバイス(たとえば、STA200)は、それが媒体の制御を引き継ぐTMH機会を許可されたことを通知され得る。そのような実施形態では、BARフレーム420を送信するデバイスは、BA TMH制御フィールド421にTMHトリガを埋め込み得る。他の実施形態では、TMHトリガは、BARフレーム420の1つまたは複数の他のビットロケーションに埋め込まれ得る。
【0036】
[0042]
図4Dに、いくつかの実施形態によるBAR制御フィールド430を示す。BAR制御フィールド430は、本実施形態によれば、予約済みビットB3〜B11のうちの1つまたは複数に記憶された明示的TMHトリガまたはメッセージを含むように変更され得る。フレーム交換中に、BAR制御フィールド430を受信したデバイス(たとえば、STA200)は、それが媒体の制御を引き継ぐTMH機会を許可されたことを通知され得る。他の実施形態では、TMHトリガは、BAR制御フィールド430の1つまたは複数の他のビットロケーションに埋め込まれ得る。
【0037】
[0043]再び
図4Aを参照すると、TMH持続時間フィールドは、TMH期間の持続時間を示す値を記憶するためのものである。TMH更新フィールドは、TMH期間が動的に調整され得るかどうかを示す値を記憶するためのものである。TMHデータタイプフィールドは、TMH期間中にどのタイプのデータフレームが送信され得るかを示す値を記憶するためのものである。競合ホールドオフ持続時間フィールドは、デバイスが、(たとえば、TMH機会に応答して)TMH期間中にデータを送信した後に、媒体アクセスを求めて競合することをどのくらいの時間の間防止されるべきであるかを示す値を記憶するためのものである。送信スケジュールフィールドは、対応するデバイスの送信スケジュール(もしあれば)を示す1つまたは複数の値を記憶するためのものである。バックオフ期間フィールドは、デバイスのバックオフ期間の持続時間を示す値を記憶するためのものである。
【0038】
[0044]通信媒体へのアクセスがアクセスポイント(たとえば、
図1のAP110)とワイヤレス局(たとえば、
図1のSTA1)との間で共有される例示的な動作について、
図5の例示的なフローチャート500に関して以下で説明する。アクセスポイント(AP)および局(STA)のコンテキストにおいて以下で説明するが、
図5のフローチャート500の動作は、アクセスポイントと複数の局との間で媒体アクセスを共有すること、任意の数の局間で媒体アクセスを共有すること、および/または任意の数のアクセスポイント間で媒体アクセスを共有することに適用可能であり得る。
【0039】
[0045]最初に、APとSTAは、
図1のWLAN120に関連する通信媒体へのアクセスを共有するために、いくつかのTMHパラメータをネゴシエートする(502Aおよび502B)。上述のように、TMHパラメータは、TMHトリガタイプ値と、TMH持続時間値と、TMH更新値と、TMHデータタイプ値と、競合ホールドオフ持続時間値と、送信スケジュールと、バックオフ持続時間値とを含み得る。いくつかの実施形態では、TMHパラメータの値がネゴシエートされると、それらは、STAのTMHパラメータテーブル242の対応するフィールド内におよび/またはAPのTMHパラメータテーブル332の対応するフィールド内に記憶され得る。他の実施形態では、TMHパラメータは、あらかじめ決定され、それぞれSTAのテーブル242およびAPのテーブル332に記憶され得る(
図2〜
図3も参照)。
【0040】
[0046]APは、第1の間隔について共用ワイヤレス通信媒体へのアクセスを予約する(504)。いくつかの実施形態では、第1の間隔は、APに割り当てられた送信スケジュールまたは送信タイムスロットに関連し得る。APは、STAにデータフレームを送信し(506)、次いで、第1の間隔の残りについてSTAに媒体アクセスを許可する(508)。上述のように、第1の間隔の残りに対応する持続時間を、本明細書ではTMH期間と呼ぶ。
【0041】
[0047]APは、何らかの好適な様式で、たとえば、TMHパラメータのネゴシエーション中に同意されたように、STAが媒体アクセスを許可されたことをSTAに通知し得る。したがって、いくつかの動作では、APは、STAに送られる(1つまたは複数の)データフレーム内にトリガ信号を埋め込むことによって、STAに媒体アクセス許可を明示的に通知し得、他の動作では、APは、単にSTAにデータフレームを送ることによって、STAに媒体アクセス許可を暗黙的に通知し得る。
【0042】
[0048]上述のように、いくつかの実施形態では、STAは、いくつかのタイプのデータフレームを暗黙的TMHトリガとして解釈するように構成され得る。たとえば、STAは、APから受信されたサービス品質(QoS)データフレームまたはブロック肯定応答要求(BAR)データフレームをTMH機会のトリガリングとして解釈するように構成され得る。他の実施形態では、APによって送信されるデータフレームは1つまたは複数のTMHトリガビットで明示的に符号化され得る。
【0043】
[0049]STAは、APからデータフレームを受信し、APに肯定応答(ACK)フレームを送ることによって、それの受信に肯定応答する(510)。データフレームの受信はまた、STAが共用媒体へのアクセスを(たとえば、明示的にまたは暗黙的に)許可されたことをSTAに通知し得る。512においてテストされるように、STAが(たとえば、APにおよび/または別のデバイスに)送るべきデータフレームを有する場合、STAはデータフレームを送信する(514)。STAがTMH期間中に(たとえば、APのために前に予約された送信スロット中に)データを送信したので、STAが次の競合期間中に媒体アクセスを求めて競合することを防止する(516)。これは、STAがもう一度媒体アクセスを有する前に、(たとえば、APの予約済み送信間隔中にデータを送信しなかった)他のデバイスが媒体へのアクセスを有し、それによって、共用通信媒体に関連するすべてのデバイスに公平な媒体アクセスが与えられ得ることを保証する。
【0044】
[0050]逆に、512においてテストされるように、STAが送るべきデータフレームを有しない場合、STAが次の競合期間中に媒体アクセスを求めて競合することを可能にする(518)。これは、STAが、次の競合期間中に共用通信媒体に関連する他のデバイスと同じ媒体アクセスの機会を有することを保証する。いくつかの実施形態では、STAは、次の競合期間に関連する競合期間ホールドアウト動作を開始し得る。
【0045】
[0051]APは、STAがTMH期間中にデータフレームを送信したかどうかを判断するために共用通信媒体を監視する(520)。それに応答して、媒体アクセスはAPに選択的に返され得る。より詳細には、522においてテストされるように、STAがTMH期間中にデータフレームを送信したとAPが判断した場合、STAの媒体アクセスを維持する(524)。STAの媒体アクセスを維持することは、STAがTMH期間の持続時間の間データフレームを送信し続けることを可能にし得る。逆に、522においてテストされるように、STAがTMH期間中にデータフレームを送信しなかったとAPが判断した場合、APはSTAから媒体アクセスをリクレーム(reclaim)する(526)。TMH期間の残りについて(たとえば、STAが送信すべきデータを有しないので)APに媒体アクセスを返すことは、共用通信媒体上のアイドル期間を回避し、それによって共用通信媒体のスループットを増加させ得る。
【0046】
[0052]
図6Aは、いくつかの実施形態による、アクセスポイント(AP)と局(STA)との間の第1の例示的な一時的媒体ハンドオーバ(TMH)動作を示すタイミング
図600である。他の実施形態では、タイミング
図600によって示された動作は、APと複数のSTAとの間で、複数のSTA間で、および/または複数のAP間で実行され得る。
図6Aの例示的なTMH動作では、通信媒体は、時間t
0から時間t
5までの第1の送信間隔についてAPのために予約されている。
【0047】
[0053]より詳細には、時間t
0において、APはSTAにデータフレーム601を送信する。APによって送信されたデータフレーム601は、第1の間隔の残りについて媒体アクセスがSTAに許可される(たとえば、一時的にハンドオーバされる)ことをSTAに通知するTMHトリガを含んでいるか、またはそのようなTMHトリガとして働き得る。STAは、時間t
1において、データフレーム601および関連するTMHトリガを受信し、ショートフレーム間スペース(SIFS:Short Interframe Space)持続時間の間待ち、次いで、データフレーム601がSTAによって正常に受信されたことをAPに通知するために、時間t
2において肯定応答(ACK)フレームを送信する。TMH期間605として
図6Aに示された第1の間隔の残りは、時間t
2において開始し、時間t
5において終了する。TMH期間605について媒体アクセスがSTAに許可されているので、STAは、TMH期間605中に1つまたは複数の他のデバイスにデータを送信し得る。
【0048】
[0054]時間t
3において、STAはデータフレーム602を送信する。SIFS持続時間は、(局が、フレームを送信する前に媒体が継続的にアイドルであると判断する最小時間期間を示す)DCFフレーム間スペース(DIFS)持続時間よりもはるかに短いので、媒体に関連する他のデバイスは、STAがそれ自体のデータフレーム602を送信するより前に、媒体を求めて競合する可能性を有しないことになることに留意されたい。
【0049】
[0055]時間t
4において、APは、データフレーム602のそれの受信に肯定応答するためにSTAにACKフレームを送り得る。第1の送信間隔は時間t
5において終了し、その後に、APもSTAも媒体を使用してデータを送信しない(時間t
5から時間t
6までの)DIFS持続時間が続く。TMH期間605も時間t
5において終了する。上記で説明したように、(データを送信するためにSTAに割り当てられた時間と、1つまたは複数の応答パケットを送るためにAPに割り当てられた時間とを含む)TMH期間605の持続時間は、関連付け中にAPとSTAとの間でネゴシエートされ得る。
【0050】
[0056]時間t
6においてDIFS持続時間が終了した後に、媒体競合期間607が開始し、時間t
7まで持続する。競合期間607中に、媒体に関連するAPと他のデバイスは、媒体アクセスを求めて競合し得る。本実施形態によれば、APのために予約された前の送信間隔に関連するTMH期間605中にSTAがそれ自体のデータフレーム602を送信したので、STAは、競合期間607中に媒体アクセスを求めて競合することを防止される。このようにして、本実施形態は、TMH期間605中にデータを送信しなかったデバイスが、TMH期間605中にデータを送信したデバイスよりも高い優先度を有することを可能にすることによって、媒体への公平なアクセスを保証する。いくつかの実施形態では、STAは、内部競合期間(CP:contention period)ホールドアウト信号をアサートすることによって、それ自体が競合期間607中に媒体アクセスを求めて競合することを防止し得る。少なくとも1つの実施形態では、CPホールドアウト期間は、2つ以上の競合期間をカバーするように構成され得る。
【0051】
[0057]STAは、(時間t
6と時間t
7との間の)競合期間607中にホールドアウトし、媒体アクセスを求めて競合しないので、APは、(たとえば、ランダムに割り当てられたAPバックオフ時間に等しい持続時間の間待った後に)時間t
7において媒体へのアクセスを回復し、その後、別のデータフレーム603を送信し得る。
【0052】
[0058]
図6Bは、いくつかの実施形態による、APとSTAとの間の第2の例示的なTMH動作を示すタイミング
図610である。他の実施形態では、タイミング
図610によって示された動作は、APと複数のSTAとの間で、複数のSTA間で、および/または複数のAP間で実行され得る。
図6Bの例示的なTMH動作では、通信媒体は、時間t
0から時間t
5までの第1の送信間隔についてAPのために予約されている。
【0053】
[0059]より詳細には、時間t
0において、APはSTAにデータフレーム611を送信する。APによって送信されたデータフレーム611は、第1の間隔の残りについて媒体アクセスがSTAに許可される(たとえば、一時的にハンドオーバされる)ことをSTAに通知するTMHトリガを含んでいるか、またはそのようなTMHトリガとして働き得る。STAは、時間t
1において、データフレーム611および関連するTMHトリガを受信し、SIFS持続時間の間待ち、次いで、データフレーム611がSTAによって正常に受信されたことをAPに通知するために、時間t
2において肯定応答(ACK)フレームを送信する。TMH期間615として
図6Bに示された第1の間隔の残りは、時間t
2において開始し、時間t
4において終了する。TMH期間615について媒体アクセスがSTAに許可されているので、STAは、TMH期間615中に1つまたは複数の他のデバイスにデータを送信し得る。
【0054】
[0060]
図6Bに示された動作では、STAは、TMH期間615中に送信すべきデータを有しない。したがって、TMH期間615中にデータを送信するのではなく、STAは、APによって許可されたTMH期間または機会を無視する。
【0055】
[0061]時間t
4において、APは、媒体が、(たとえば、時間t
3から時間t
4までの)ポイント協調機能(PCF:Point Coordination Function)フレーム間スペース(PIFS:PCF Interframe Space)持続時間に等しい時間の間アイドルであったことを検知し、(時間t
5において終了する)それの第1の送信間隔の残りの部分について媒体へのアクセスをリクレームする。したがって、TMH期間615は、APが媒体へのアクセスをリクレームすることに応答して時間t
4において終了する。その後、APはSTAに別のデータフレーム612を送信する。それに応答して、STAは、データフレーム612の受信に肯定応答するためにAPにACKフレームを送信する。PIFS持続時間はDIFS持続時間よりも短いので、媒体に関連する他のデバイスは、時間t
5における第1の送信間隔の満了より前に、媒体アクセスを求めて競合する機会を有しないことに留意されたい。
【0056】
[0062]第1の送信間隔は時間t
5において終了し、その後に、APもSTAも媒体を使用してデータを送信しない(t
5からt
6までの)DIFS持続時間が続く。時間t
6においてDIFS持続時間が終了した後に、媒体競合期間617が開始し、時間t
8まで持続する。STAは、時間t
2において媒体の一時的制御を与えられたが、STAは、データを送信するためにTMH期間615を使用しなかった。したがって、本実施形態によれば、STAは、(たとえば、時間t
6からt
8までの)競合期間617中に媒体アクセスを求めてAPと競合することを可能にされる。
図6Bの例示的な動作では、(たとえば、時間t
6から時間t
7までの)STAのバックオフ期間は(たとえば、時間t
6から時間t
8までの)APのバックオフ期間よりも短く、したがって、STAは、時間t
7において媒体の制御を得る。その後、STAは、時間t
7においてまたはそれの後にデータフレーム613を送信し得る。上述のように、いくつかの実施形態では、STAは、競合期間607に関連する競合期間ホールドアウト動作を開始し得る。少なくとも1つの実施形態では、競合期間ホールドアウト動作はSTAのために構成可能であり得る。
【0057】
[0063]本実施形態は、APおよび/またはSTAなどのデバイスが、それらが媒体へのアクセスを予約した期間中にワイヤレス通信媒体を共用することを可能にすることによって、WLANシステム(たとえば、
図1のWLAN120)における衝突の数および/または頻度を低減し得る。より詳細には、送信間隔中の媒体アクセスを予約した第1のデバイスが、送信間隔の残りについて第2のデバイスに媒体アクセスを一時的にハンドオーバすることを可能にすることによって、第2のデバイスは、そうでなければ第1のデバイスが使用するために予約されていたであろう間隔中に媒体を使用してデータを送信することが可能になる。このようにして、ワイヤレス媒体のスループットが増加され得る。さらに、第2のデバイスが次の競合期間中に媒体アクセスを求めて競合することを防止することによって(すなわち、第2のデバイスが許可されたTMH期間を利用した場合)、第1のデバイスが媒体への公平なアクセスを与えられることを保証するために、第1のデバイスは競合期間中に第2のデバイスに勝る優先度を有する。さらに、第2のデバイスが次の競合期間中に媒体アクセスを求めて満足させることを防止することはまた、共用ワイヤレス媒体上でのフレーム衝突を低減し得、これにより、共用ワイヤレス媒体のスループットが増加し得る。したがって、本明細書で説明するTMH動作は、共用ワイヤレス媒体上での衝突を低減することによって、そのようなTMH動作をサポートしないデバイスに利益を与え得る。
【0058】
[0064]さらに、本明細書で説明するTMH動作は、第1のデバイスが、第2のデバイスに許可されたTMH期間中に送信すべきデータを第2のデバイスが有するかどうかを検出し、次いで、第2のデバイスがTMH期間中にデータを送信しない場合、媒体を迅速にリクレームすることを可能にすることによって、媒体上のアイドル期間を低減し得る。
【0059】
[0065]本実施形態はまた、媒体上での衝突を低減し、これにより、衝突されたデータフレームを再送信することに関連する媒体上の不要な送信が低減することによって、本明細書で説明するTMH動作を利用するように構成されていないワイヤレスデバイスに利益を与え得る。たとえば、
図6Cは、いくつかの実施形態による、APと2つの局STA1〜STA2との間の第3の例示的なTMH動作を示すタイミング
図620である。他の実施形態では、タイミング
図620によって示された動作は、複数のSTA間でおよび/または複数のAP間で実行され得る。
図6Cの例示的なTMH動作では、通信媒体は、時間t
0から時間t
2までの第1の送信間隔についてAPのために予約されている。
【0060】
[0066]より詳細には、時間t
0において、APはSTA1にデータフレーム621を送信する。APによって送信されたデータフレーム621は、第1の間隔の残りについて媒体アクセスがSTA1に許可される(たとえば、一時的にハンドオーバされる)ことをSTA1に通知するTMHトリガを含んでいるか、またはそのようなTMHトリガとして働き得る。STA1は、データフレーム621および関連するTMHトリガを受信し、SIFS持続時間の間待ち、次いで、データフレーム621がSTA1によって正常に受信されたことをAPに通知するために肯定応答(ACK)フレームを送信する。TMH期間625として
図6Cに示された第1の間隔の残りは、時間t
1において開始し、時間t
2において終了する。TMH期間625について媒体アクセスがSTA1に許可されているので、STA1は、TMH期間625中に1つまたは複数の他のデバイスにデータを送信し得る。STA1からデータフレーム622を受信したことに応答して、APはSTA1にACKフレームを送信する。
【0061】
[0067]時間t
2において、TMH期間625は終了する。DIFS持続時間の満了の後に、競合期間627が、時間t
3において開始し、時間t
5まで持続する。STA1は、TMH期間625中にデータフレーム622を送信したので、STA1は、競合期間627中に媒体アクセスを求めて競合することを防止され、したがって競合期間627中に「ホールドアウト」する。その結果、APおよびSTA2のみが、競合期間627中に媒体アクセスを求めて競合し得る。
図6Cの例示的な動作では、STA2は、時間t
4まで持続するバックオフ期間を有するものとして示されており、APは、時間t
5まで持続するバックオフ期間を有するものとして示されている。したがって、STA2のバックオフ期間はAPのバックオフ期間の前に満了するので、STA2は、時間t
4において媒体の制御を得て、時間t
7まで持続する送信間隔について媒体アクセスを予約する。それに応答して、STA2は、時間t
4のすぐ後にそれ自体のデータフレーム623を送信する。STA2からデータフレーム623を受信すると、APはSTA2にACKフレームを送信する。時間t
6において、STA2は別のデータフレーム624を送信し、APは、対応するACKフレームをSTA2に送ることによって応答する。
【0062】
[0068]
図6Cに示されているように、STA2は、TMH期間625中にデータフレームを送信するように構成されていないが、STA2は本実施形態のTMHプロトコルから恩恵を受け得る。より詳細には、競合期間627中に媒体アクセスを求めて競合するデバイスの数を低減することによって(たとえば、STA1は、競合期間627中に媒体アクセスを求めて競争することを防止される)、媒体上での衝突が低減され、それによって、すべての関連するデバイス(たとえば、AP、STA1、およびSTA2)について媒体の全体的スループットが増加する。これは、すべての3つのデバイス(AP、STA1、およびSTA2)が競合期間627中に媒体アクセスを求めて競争し得る、従来のWLANシステムとは対照的である。
【0063】
[0069]上記の明細書では、本実施形態について、それの特定の例示的な実施形態を参照しながら説明した。しかしながら、添付の特許請求の範囲に記載された本開示のより広い範囲から逸脱することなく、様々な改変および変更がそれに行われ得ることは明らかであろう。したがって、本明細書および図面は、限定的な意味ではなく例示的な意味で考慮されるべきである。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1] ワイヤレスネットワークに関連するワイヤレス通信媒体へのアクセスを共有する方法であって、
第1の間隔について第1のワイヤレスデバイスのために前記媒体へのアクセスを予約することと、
前記第1のワイヤレスデバイスから第1のデータフレームを送信することによって、前記第1の間隔の残りについて第2のワイヤレスデバイスに媒体アクセスを許可することと、
前記許可することの後の所定の時間期間内に前記第2のワイヤレスデバイスから第2のデータフレームが送信されたかどうかを判断することと、
前記判断することに応答して、前記第1の間隔の前記残りについて前記第1のワイヤレスデバイスに媒体アクセスを選択的に返すことと、
前記第2のワイヤレスデバイスが前記第1の間隔中に前記第2のデータフレームを送信した場合、前記第2のワイヤレスデバイスが後続の競合期間中に媒体アクセスを求めて競合することを防止することと、
を備える、方法。
[C2] 前記第1のワイヤレスデバイスがアクセスポイントを備え、前記第1の間隔が前記アクセスポイントのためのスケジュールされた送信間隔を備える、C1に記載の方法。
[C3] 前記第1のワイヤレスデバイスが第1の移動局を備え、前記第2のワイヤレスデバイスが第2の移動局を備える、C1に記載の方法。
[C4] 前記所定の時間期間がポイント協調機能フレーム間スペース(PIFS)持続時間を備える、C1に記載の方法。
[C5] 前記第1のデータフレームが、前記第2のワイヤレスデバイスに前記許可することを通知するための埋込みトリガ信号を含む、C1に記載の方法。
[C6] 前記第1のデータフレームがサービス品質(QoS)フレームを備える、C5に記載の方法。
[C7] 前記第1のデータフレームがブロック肯定応答要求(BAR)フレームを備える、C5に記載の方法。
[C8] 前記選択的に返すことは、
前記第2のワイヤレスデバイスが前記第2のデータフレームを送信した場合、前記第2のワイヤレスデバイスのために媒体アクセスを維持することと、
前記第2のワイヤレスデバイスが前記所定の時間期間内に前記第2のデータフレームを送信しない場合、前記第1のワイヤレスデバイスのために媒体アクセスをリクレームすることと、
を備える、C1に記載の方法。
[C9] ワイヤレスネットワークに関連するワイヤレス通信媒体へのアクセスを共有するためのシステムであって、
第1の間隔について第1のワイヤレスデバイスのために前記媒体へのアクセスを予約するための手段と、
前記第1のワイヤレスデバイスから第1のデータフレームを送信することによって、前記第1の間隔の残りについて第2のワイヤレスデバイスに媒体アクセスを許可するための手段と、
前記許可することの後の所定の時間期間内に前記第2のワイヤレスデバイスから第2のデータフレームが送信されたかどうかを判断するための手段と、
前記判断することに応答して、前記第1の間隔の前記残りについて前記第1のワイヤレスデバイスに媒体アクセスを選択的に返すための手段と、
前記第2のワイヤレスデバイスが前記第1の間隔中に前記第2のデータフレームを送信した場合、前記第2のワイヤレスデバイスが後続の競合期間中に媒体アクセスを求めて競合することを防止するための手段と、
を備える、システム。
[C10] 前記第1のワイヤレスデバイスがアクセスポイントを備え、前記第1の間隔が前記アクセスポイントのためのスケジュールされた送信間隔を備える、C9に記載のシステム。
[C11] 前記第1のワイヤレスデバイスが第1の移動局を備え、前記第2のワイヤレスデバイスが第2の移動局を備える、C9に記載のシステム。
[C12] 前記所定の時間期間がポイント協調機能フレーム間スペース(PIFS)持続時間を備える、C9に記載のシステム。
[C13] 前記第1のデータフレームが、前記第2のワイヤレスデバイスに前記許可することを通知するための埋込みトリガ信号を含む、C9に記載のシステム。
[C14] 前記第1のデータフレームがサービス品質(QoS)フレームを備える、C13に記載のシステム。
[C15] 前記第1のデータフレームがブロック肯定応答要求(BAR)フレームを備える、C13に記載のシステム。
[C16] 選択的に返すための前記手段は、
前記第2のワイヤレスデバイスが前記第2のデータフレームを送信した場合、前記第2のワイヤレスデバイスのために媒体アクセスを維持するための手段と、
前記第2のワイヤレスデバイスが前記所定の時間期間内に前記第2のデータフレームを送信しない場合、前記第1のワイヤレスデバイスのために媒体アクセスをリクレームするための手段と、
を備える、C9に記載のシステム。
[C17] ワイヤレスネットワークに関連する第1のワイヤレスデバイスのプロセッサによって実行されたとき、
第1の間隔について通信媒体へのアクセスを予約することと、
前記第1のワイヤレスデバイスから第1のデータフレームを送信することによって、前記第1の間隔の残りについて第2のワイヤレスデバイスに通信媒体アクセスを許可することと、
前記許可の後の所定の時間期間内に前記第2のワイヤレスデバイスから第2のデータフレームが送信されたかどうかを判断することと、
前記判断することに応答して、前記第1の間隔の前記残りについて前記第1のワイヤレスデバイスに通信媒体アクセスを選択的に返すことと、
前記第2のワイヤレスデバイスが前記第1の間隔中に前記第2のデータフレームを送信した場合、前記第2のワイヤレスデバイスが後続の競合期間中に通信媒体アクセスを求めて競合することを防止することと、
を前記第1のワイヤレスデバイスに行わせるプログラム命令を含んでいるコンピュータ可読媒体。
[C18] 前記第1のワイヤレスデバイスがアクセスポイントを備え、前記第1の間隔が前記アクセスポイントのためのスケジュールされた送信間隔を備える、C17に記載のコンピュータ可読媒体。
[C19] 前記第1のワイヤレスデバイスが第1の移動局を備え、前記第2のワイヤレスデバイスが第2の移動局を備える、C17に記載のコンピュータ可読媒体。
[C20] 前記所定の時間期間がポイント協調機能フレーム間スペース(PIFS)持続時間を備える、C17に記載のコンピュータ可読媒体。
[C21] 前記第1のデータフレームが、前記第2のワイヤレスデバイスに前記許可を通知するための埋込みトリガ信号を含む、C17に記載のコンピュータ可読媒体。
[C22] 前記プログラム命令の実行が、
前記第1のワイヤレスデバイスから前記第2のワイヤレスデバイスにトリガ信号を送信すること、
を前記第1のワイヤレスデバイスにさらに行わせる、C17に記載のコンピュータ可読媒体。
[C23] 前記第1のワイヤレスデバイスは、
前記第2のワイヤレスデバイスが前記第2のデータフレームを送信した場合、前記第2のワイヤレスデバイスのために媒体アクセスを維持することと、
前記第2のワイヤレスデバイスが前記所定の時間期間内に前記第2のデータフレームを送信しない場合、媒体アクセスを前記第1のワイヤレスデバイスに返すことと、
によって媒体アクセスを選択的に返すべきである、C17に記載のコンピュータ可読媒体。
[C24] ワイヤレス通信媒体に関連するワイヤレスデバイスであって、前記ワイヤレスデバイスは下記を備える、
第1のデータフレームを他のワイヤレスデバイスに送信するための送信機と、
前記第1のデータフレームを前記他のワイヤレスデバイスに送信することによって、第1の間隔の残りについて前記他のワイヤレスデバイスに媒体アクセスを許可し、
前記許可の後の所定の時間期間内に前記他のワイヤレスデバイスから第2のデータフレームが送信されたかどうかを判断し、
前記判断することに応答して、前記第1の間隔の前記残りについて前記ワイヤレスデバイスに媒体アクセスを選択的に返し、
前記他のワイヤレスデバイスが前記第1の間隔中に前記第2のデータフレームを送信した場合、前記他のワイヤレスデバイスが後続の競合期間中に媒体アクセスを求めて競合することを防止する、
プロセッサ。
[C25] 前記第1のワイヤレスデバイスがアクセスポイントを備え、前記第1の間隔が前記アクセスポイントのためのスケジュールされた送信間隔を備える、C24に記載のワイヤレスデバイス。
[C26] 前記第1のワイヤレスデバイスが第1の移動局を備え、前記他のワイヤレスデバイスが第2の移動局を備える、C24に記載のワイヤレスデバイス。
[C27] 前記所定の時間期間がポイント協調機能フレーム間スペース(PIFS)持続時間を備える、C24に記載のワイヤレスデバイス。
[C28] 前記プロセッサが、
前記第1のワイヤレスデバイスから前記第2のワイヤレスデバイスにトリガ信号を送信すること
をさらに行うべきである、C24に記載のワイヤレスデバイス。
[C29] 前記プロセッサは、
前記他のワイヤレスデバイスが前記第2のデータフレームを送信した場合、前記他のワイヤレスデバイスのために媒体アクセスを維持することと、
前記他のワイヤレスデバイスが前記所定の時間期間内に前記第2のデータフレームを送信しない場合、前記ワイヤレスデバイスのために媒体アクセスをリクレームすることと、
によって媒体アクセスを選択的に返す、C24に記載のワイヤレスデバイス。