(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5932170
(24)【登録日】2016年5月13日
(45)【発行日】2016年6月8日
(54)【発明の名称】イメージングデバイスのための時空的な誤差拡散
(51)【国際特許分類】
H04N 1/405 20060101AFI20160526BHJP
H04N 7/01 20060101ALI20160526BHJP
【FI】
H04N1/40 B
H04N7/01 Z
【請求項の数】24
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-553804(P2015-553804)
(86)(22)【出願日】2014年1月15日
(65)【公表番号】特表2016-510546(P2016-510546A)
(43)【公表日】2016年4月7日
(86)【国際出願番号】US2014011709
(87)【国際公開番号】WO2014113488
(87)【国際公開日】20140724
【審査請求日】2015年10月5日
(31)【優先権主張番号】13/745,840
(32)【優先日】2013年1月20日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】595020643
【氏名又は名称】クゥアルコム・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100194814
【弁理士】
【氏名又は名称】奥村 元宏
(72)【発明者】
【氏名】ゼン、ファンジャオ
(72)【発明者】
【氏名】マ、ジャン・ジェイ.
【審査官】
豊田 好一
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第07542620(US,B1)
【文献】
米国特許出願公開第2005/0157791(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/405
H04N 7/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像フレームの画像データのビット深度を低減するための方法であって、
イメージングデバイスへの表示のための前記画像フレームを受け取ることと、
1つまたは複数のプロセッサによって、複数の画像サブフレームを生成するために、前記画像フレームのために時間的な誤差拡散を適用することと、
を備え、時間的な誤差拡散を適用することは、
誤差の第1の割り振りを使用して、前記複数の画像サブフレームの各画像サブフレームのための、時間領域と空間領域との間の明度の時間的な誤差を割り振ることと、ここにおいて前記明度の時間的な誤差を割り振ることは、前記複数の画像サブフレームの第1のセットのサブフレームに、前記時間領域における誤差を割り振ること、および前記複数の画像サブフレームの第2のセットのサブフレームに前記空間領域における誤差を割り振ること、を備える、
誤差の第2の割り振りを使用して、前記複数の画像サブフレームの各画像サブフレームのための、前記時間領域と前記空間領域との間のクロミナンスの時間的な誤差を割り振ることと、ここにおいて前記誤差の第2の割り振りは、前記誤差の第1の割り振りとは異なる、
前記時間領域において割り振られた前記誤差に時間的な誤差拡散を適用することと、
前記空間領域に割り振られた前記誤差に空間的な誤差拡散を適用することと、
をさらに備える方法。
【請求項2】
前記クロミナンスの時間的な誤差を割り振ることは、前記複数の画像サブフレームのすべてのサブフレームのための前記クロミナンスの時間的な誤差を累積することを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
時間的な誤差拡散を適用することおよび空間的な誤差拡散を適用することは、空間的な誤差拡散を適用する前に、時間的な誤差拡散を適用することを備える請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記クロミナンスの時間的な誤差を割り振ることは、前記複数の画像サブフレームの第1のセットのサブフレームに、前記時間領域における誤差を割り振ること、および前記複数の画像サブフレームの第2のセットのサブフレームに前記空間領域における誤差を割り振ることを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
イメージングデバイスのための画像フレームの画像データのビット深度を低減するための装置であって、
前記イメージングデバイスへの表示のための前記画像フレームを受け取るための手段と、
複数の画像サブフレームを生成するために、前記画像フレームへ時間的な誤差拡散を適用するための手段と、
を備え、前記時間的な誤差拡散を適用するための手段は、
誤差の第1の割り振りを使用して、前記複数の画像サブフレームの各画像サブフレームのための、時間領域と空間領域との間の明度の時間的な誤差を割り振るための手段と、ここにおいて前記明度の時間的な誤差を割り振るための手段は、前記複数の画像サブフレームの第1のセットのサブフレームに、前記時間領域における誤差を割り振るための手段、および前記複数の画像サブフレームの第2のセットのサブフレームに前記空間領域における誤差を割り振るための手段、を備える、
誤差の第2の割り振りを使用して、前記複数の画像サブフレームの各画像サブフレームのための、前記時間領域と前記空間領域との間のクロミナンスの時間的な誤差を割り振るための手段と、ここにおいて前記誤差の第2の割り振りは、前記誤差の第1の割り振りとは異なる、
前記時間領域において割り振られた前記誤差に時間的な誤差拡散を適用するための手段と、
前記空間領域に割り振られた前記誤差に空間的な誤差拡散を適用するための手段と、をさらに備える装置。
【請求項6】
前記クロミナンスの時間的な誤差を処理するための手段は、前記複数の画像サブフレームのすべてのサブフレームのための前記クロミナンスの時間的な誤差を累積するための手段を備える、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記時間的な誤差拡散を適用するための手段、および前記空間的な誤差拡散を適用するための手段は、空間的な誤差拡散を適用する前に、時間的な誤差拡散を適用するための手段を備える請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記クロミナンスの時間的な誤差を割り振るための手段は、前記複数の画像サブフレームの第1のセットのサブフレームに、前記時間領域における誤差を割り振るための手段、および前記複数の画像サブフレームの第2のセットのサブフレームに前記空間領域における誤差を割り振るための手段を備える請求項5に記載の装置。
【請求項9】
命令を記憶した非一時的なコンピュータ可読媒体であって、前記命令は、実行されるとき、1つまたは複数のプロセッサに対して、
イメージングデバイスへの表示のための画像フレームを受け取ることと、
複数の画像サブフレームを生成するために、前記画像フレームのために時間的な誤差拡散を適用することと、
を行わせ、時間的な誤差拡散を適用するために、前記命令は前記1つまたは複数のプロセッサに対して、
誤差の第1の割り振りを使用して、前記複数の画像サブフレームの各画像サブフレームのための、時間領域と空間領域との間の明度の時間的な誤差を割り振ることと、ここにおいて前記明度の時間的な誤差を割り振るために前記命令は、前記1つまたは複数のプロセッサに対して、前記複数の画像サブフレームの第1のセットのサブフレームに、前記時間領域における誤差を割り振ること、および前記複数の画像サブフレームの第2のセットのサブフレームに前記空間領域における誤差を割り振ること、を行わせる、
誤差の第2の割り振りを使用して、前記複数の画像サブフレームの各画像サブフレームのための、前記時間領域と前記空間領域との間のクロミナンスの時間的な誤差を割り振ることと、ここにおいて前記誤差の第2の割り振りは、前記誤差の第1の割り振りとは異なる、
前記時間領域において割り振られた前記誤差に時間的な誤差拡散を適用することと、
前記空間領域に割り振られた前記誤差に空間的な誤差拡散を適用することと、をさらに行わせる非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項10】
前記クロミナンスの時間的な誤差を割り振るために前記命令は、前記1つまたは複数のプロセッサに対して、前記複数の画像サブフレームのすべてのサブフレームのための前記クロミナンスの時間的な誤差を累積させる、請求項9に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項11】
時間的な誤差拡散を適用するために、および空間的な誤差拡散を適用するために前記命令は、前記1つまたは複数のプロセッサに対して、前記空間的な誤差拡散を適用する前に、前記時間的な誤差拡散を適用させる、請求項9に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項12】
前記クロミナンスの時間的な誤差を割り振るために前記命令は、前記1つまたは複数のプロセッサに対して、前記複数の画像サブフレームの第1のセットのサブフレームに、前記時間領域における誤差を割り振ること、および前記複数の画像サブフレームの第2のセットのサブフレームに前記空間領域における誤差を割り振ることを行わせる、請求項9に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項13】
イメージングデバイスのための画像フレームの画像データのビット深度を低減するための画像処理デバイスであって、
前記イメージングデバイスへの表示のための前記画像フレームを記憶するように構成されたメモリと、
1つまたは複数のプロセッサと、
を備え、前記1つまたは複数のプロセッサは、
前記画像フレームを受け取り、
複数の画像サブフレームを生成するために、前記画像フレームのために時間的な誤差拡散を適用する、
ように構成され、時間的な誤差拡散を適用するために、前記1つまたは複数のプロセッサは、
誤差の第1の割り振りを使用して、前記複数の画像サブフレームの各画像サブフレームのための、時間領域と空間領域との間の明度の時間的な誤差を割り振り、ここにおいて前記明度の時間的な誤差を割り振るために前記1つまたは複数のプロセッサは、前記複数の画像サブフレームの第1のセットのサブフレームに、前記時間領域における誤差を割り振ること、および前記複数の画像サブフレームの第2のセットのサブフレームに前記空間領域における誤差を割り振ること、を行うように構成された、
誤差の第2の割り振りを使用して、前記複数の画像サブフレームの各画像サブフレームのための、前記時間領域と前記空間領域との間のクロミナンスの時間的な誤差を割り振り、ここにおいて前記誤差の第2の割り振りは、前記誤差の第1の割り振りとは異なる、
前記時間領域において割り振られた前記誤差に時間的な誤差拡散を適用し、
前記空間領域に割り振られた前記誤差に空間的な誤差拡散を適用する、
ようにさらに構成された、画像処理デバイス。
【請求項14】
前記クロミナンスの時間的な誤差を割り振るために前記1つまたは複数のプロセッサは、前記複数の画像サブフレームのすべてのサブフレームのための前記クロミナンスの時間的な誤差を累積するように構成された、請求項13に記載の画像処理デバイス。
【請求項15】
時間的な誤差拡散、および空間的な誤差拡散を適用するために前記1つまたは複数のプロセッサは、前記空間的な誤差拡散を適用する前に、前記時間的な誤差拡散を適用するように構成された、請求項13に記載の画像処理デバイス。
【請求項16】
前記クロミナンスの時間的な誤差を割り振るために前記1つまたは複数のプロセッサは、前記複数の画像サブフレームの第1のセットのサブフレームに、前記時間領域における誤差を割り振ること、および前記複数の画像サブフレームの第2のセットのサブフレームに前記空間領域における誤差を割り振るように構成された、請求項13に記載の画像処理デバイス。
【請求項17】
前記第1のセットのサブフレームに、前記時間領域における前記誤差を割り振ることが、前記複数の画像サブフレームのすべての他のサブフレームに、前記時間領域における前記誤差を伝搬することを備えるように、前記第1のセットのサブフレームが前記複数の画像サブフレームにおける前記第2のセットのサブフレームと交代する、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記複数の画像サブフレームは4つの画像サブフレームを備え、前記第2のセットのサブフレームに、前記空間領域における前記誤差を割り振ることは、前記4つの画像サブフレームのうちの2つの画像サブフレームに、前記空間領域における前記誤差を渡すことを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記第1のセットのサブフレームに、前記時間領域における前記誤差を割り振るための手段が、前記複数の画像サブフレームのすべての他のサブフレームに、前記時間領域における前記誤差を伝搬するための手段を備えるように、前記第1のセットのサブフレームが前記複数の画像サブフレームにおける前記第2のセットのサブフレームと交代する、請求項5に記載の装置。
【請求項20】
前記複数の画像サブフレームは4つの画像サブフレームを備え、前記第2のセットのサブフレームに、前記空間領域における前記誤差を割り振るための手段は、前記4つの画像サブフレームのうちの2つの画像サブフレームに、前記空間領域における前記誤差を渡すための手段を備える、請求項5に記載の装置。
【請求項21】
前記第1のセットのサブフレームに、前記時間領域における前記誤差を割り振るために前記命令が、前記1つまたは複数のプロセッサに対して、前記複数の画像サブフレームのすべての他のサブフレームに、前記時間領域における前記誤差を伝搬させるように、前記第1のセットのサブフレームが前記複数の画像サブフレームにおける前記第2のセットのサブフレームと交代する、請求項9に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項22】
前記複数の画像サブフレームは4つの画像サブフレームを備え、前記第2のセットのサブフレームに、前記空間領域における前記誤差を割り振るために前記命令は、前記1つまたは複数のプロセッサに対して、前記4つの画像サブフレームのうちの2つの画像サブフレームに、前記空間領域における前記誤差を渡させる、請求項9に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項23】
前記第1のセットのサブフレームに、前記時間領域における前記誤差を割り振るために前記1つまたは複数のプロセッサが、前記複数の画像サブフレームのすべての他のサブフレームに、前記時間領域における前記誤差を伝搬するように構成されるように、前記第1のセットのサブフレームが前記複数の画像サブフレームにおける前記第2のセットのサブフレームと交代する、請求項13に記載の画像処理デバイス。
【請求項24】
前記複数の画像サブフレームは4つの画像サブフレームを備え、前記第2のセットのサブフレームに、前記空間領域における前記誤差を割り振るために前記1つまたは複数のプロセッサは、前記4つの画像サブフレームのうちの2つの画像サブフレームに、前記空間領域における前記誤差を渡すように構成された、請求項13に記載の画像処理デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示の態様は一般に、ハーフトーンアーティファクトを低減することに関し、さらに詳しくは、異なるサブフレームにおける異なる時間的な誤差伝搬がハーフトーンアーティファクトを低減することを可能にする時空的な誤差拡散方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]イメージングデバイスは、画像を再生するためのビット深度制限を有する。イメージングデバイス(たとえば、ディスプレイまたはプリンタ)のビット深度が、表示されるべき画像データのものよりも低いのであれば、ソース画像データのビット深度が、このデバイスのビット深度に一致するように低減され得る。量子化は、ビット深度低減のための最も単純なアプローチである。しかしながら、画像品質は低下され得る。ハーフトーン化(たとえば、ディザリングまたは誤差拡散)は、データのビット深度を低減するが、それでもなおマクロ強度レベルを維持する方法である。空間的なハーフトーン化は、8ビット/チャネルデータを1ビット/チャネルバイナリデータに変換するために、印刷時に使用されている。分解能が十分に高く、ドット形状が良好に制御されているのであれば、バイナリプリンタは、写真品質の画像を生成でき得る。ディスプレイの分解能は、一般には、より制限されているので、空間的なハーフトーン化からのパターンは目に見え得る。
【0003】
[0003]画像品質を高めるために、時間的なハーフトーン化(または、時間的な変調)が、ビット深度を増加させるために組み込まれ得る。アナログ干渉変調(AiMOD)ディスプレイでは、各ピクセルは、オンまたはオフのみされ得るので、グレースケールは本来生成され得ない。これは、ドットがページ上に配置されるか配置されないかの何れかである印刷に非常に類似している。空間的なディザリング(たとえば、誤差拡散)を適用することは、グレースケール効果をもたらし得るが、ハーフトーンパターンは、解像度制限によって、目に見えることがあり得る。時間的な変調は、典型的に、ビット深度を増加するため、したがって、ハーフトーンアーティファクトを低減するために組み込まれる。空間的なハーフトーン化と時間的なハーフトーン化との間の視覚的なノイズは異なる。ディスプレイの空間分解能が十分に高くないのであれば、ハーフトーンパターンが目に見え、したがって、ノイズが多くなるであろう。リフレッシュレートが人間の目が感じることができるよりも高いディスプレイにおいて実施される場合、時間的なハーフトーン化は、ビジュアルアーティファクトを生成しないことがあり得る。しかしながら、ディスプレイのリフレッシュレートが、時間的な変調のためサブフレームを整えることができるほど十分に高くないのであれば、ちらつき効果が、非常にノイジーになるであろう。AiMODディスプレイのような反射ディスプレイでは、時間的な変調を用いることの別の副作用は、時間的な復調が、より電力を消費することである。
【0004】
[0004]ハーフトーンアーティファクトを低減するという問題を解決するための他の試みがあるが、これらの解決策は、制限または不便さを経験する。たとえば、1つの解決策は、空間ベクトル誤差拡散のみを使用することであったが、この解決策は、潜在的に時間的なちらつきのないことを、貧弱な画像品質と引き換える。別の解決策は、時間的な変調のみを用いることであった。しかしながら、この解決策は、増加されたビット深度を達成し得る一方、バイナリディスプレイデバイスのための十分な強度レベルを生成しない。追加の解決策は、2つよりも多くのレベルに空間的なハーフトーン化を用いることのように、空間的なハーフトーン化および時間的なディザリングを用い、その後、ディザリングマスクを適用して、グレーレベルを生成することであった。しかしながら、この解決策は、バイナリディスプレイのための理想的な選択ではない。さらなる解決策は、時間的な誤差拡散を最大化し、その後、最後のサブフレームからの残余誤差を、空間的なハーフトーン化に割り振ることであるが、この解決策はまた、潜在的な時間的なちらつきを被る。さらに別の解決策は、コンテンツ依存ハーフトーン化を含んでいるが、そのような処理は、複雑化され、かつ信頼性が低い。
【発明の概要】
【0005】
[0005]異なるサブフレームにおける異なる時間的な誤差伝搬がハーフトーンアーティファクトを低減することを可能にする時空的な誤差拡散のための技術が、本明細書に記載されている。
【0006】
[0006]態様では、イメージングデバイスのための画像データのビット深度を低減するための方法は、イメージングデバイスへの表示のための画像フレームを受け取ることを含む。この方法はさらに、複数の画像サブフレームを生成するために、画像フレームのために時間的な誤差拡散を適用することを含み、複数の画像サブフレームのうちの1つのサブフレームにおいて生成された時間的な誤差は、時間的な誤差拡散のために、複数の画像サブフレームのうちの次のサブフレームへ渡される。この方法はまた、画像フレームの時間的な誤差拡散からの残りの時間的な誤差へ、空間的な誤差拡散を適用することを含む。
【0007】
[0007]別の態様では、イメージングデバイスのための画像データのビット深度を低減するための装置は、イメージングデバイスへの表示のための画像フレームを受け取るための手段を含む。この装置はさらに、複数の画像サブフレームを生成するために、画像フレームへ時間的な誤差拡散を適用するための手段を含み、画像フレームのザのうちの1つのサブフレームにおいて生成された時間的な誤差は、時間的な誤差拡散のために、複数の画像サブフレームのうちの次のサブフレームへ渡される。装置はさらに、画像フレームの時間的な誤差拡散からの残りの時間的な誤差へ、空間的な誤差拡散を適用するための手段を含む。
【0008】
[0008]さらなる態様では、コンピュータプログラム製品が、コンピュータ可読媒体を含む。コンピュータ可読媒体は、コンピュータに対して、イメージングデバイスへの表示のための画像フレームを受け取らせるためのコードを含む。コンピュータ可読媒体はさらに、コンピュータに対して、複数の画像サブフレームを生成するために、画像フレームのために時間的な誤差拡散を適用させるためのコードを含み、複数の画像サブフレームのうちの1つのサブフレームにおいて生成された時間的な誤差は、時間的な誤差拡散のために、複数の画像サブフレームのうちの次のサブフレームへ渡される。コンピュータ可読媒体はさらに、コンピュータに対して、画像フレームの時間的な誤差拡散からの残りの時間的な誤差へ、空間的な誤差拡散を適用させるためのコードを含む。
【0009】
[0009]さらなる態様では、イメージングデバイスのための画像データのビット深度を低減するための画像処理デバイスは、少なくとも1つのプロセッサと、この少なくとも1つのプロセッサに結合されたメモリとを含む。少なくとも1つのプロセッサは、イメージングデバイスへの表示のための画像フレームを受け取るように構成されている。少なくとも1つのプロセッサはさらに、複数の画像サブフレームを生成するために、画像フレームのために時間的な誤差拡散を適用するように構成され、複数の画像サブフレームのうちの1つのサブフレームにおいて生成された時間的な誤差は、時間的な誤差拡散のために、複数の画像サブフレームのうちの次のサブフレームへ渡される。少なくとも1つのプロセッサはさらに構成され、画像フレームの時間的な誤差拡散から残りの時間的な誤差へ、空間的な誤差拡散を適用しなさい。
【0010】
[0010]本開示の様々な態様および特徴が、以下にさらに詳細に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】[0011]本開示の態様に従って画像処理デバイスを実現するイメージングデバイスの例を概念的に例示するブロック図。
【
図2】[0012]本開示に従ってイメージングデバイスのための画像データのビット深度を低減するための処理の例示的なブロックを例示する図。
【
図3】[0013]先行技術に従う従来の時空的なベクトル誤差拡散処理の例示的なブロックを例示する図。
【
図4】[0014]時間的な誤差拡散からの照度の誤差が保持され、空間的な誤差拡散のために空間領域へとリダイレクトされ得る時空的なベクトル誤差拡散処理の例示的なブロックを例示する図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0015]添付図面とともに以下に説明する詳細説明は、様々な構成の説明として意図されており、本明細書に記載された概念が実現される唯一の構成を表わすことは意図されていない。この詳細説明は、様々な概念の完全な理解を提供することを目的とした具体的な詳細を含んでいる。しかしながら、これらの概念は、これら具体的な詳細無しで実現され得ることが当業者に明らかになるであろう。いくつかの事例では、周知の構成および構成要素が、そのような概念を曖昧にすることを避けるために、ブロック図形式で示されている。
【0013】
[0016]本開示は、AiMODディスプレイのために3次元ベクトル誤差拡散を使用することによる時間的な変調および空間的なハーフトーン化の新たな方法を提供する。各サブフレームについて最初に時間的な誤差拡散(TED)が実行される一方、最後に空間的な誤差拡散(SED)が実行される。このシーケンスは、いくつかまたはすべてのサブフレームTEDからの照度の誤差が、後続するサブフレームへ伝搬されることを阻止するが、SEDのために累積される。この開示された処理は、時間的な変調からの時間的なちらつきを効果的に低減する。
【0014】
[0017]時間的なディザリング誤差の伝搬は、時間領域と空間領域との両方に広げられ得る。時間的な変調からの誤差の広がりは、ビジュアルアーティファクトを最小化するため、または電力消費を節約するために調節され得る。時間的な変調からの誤差の空間領域への伝搬は、画像品質をさらに最適化するために、輝度チャネルおよびクロミナンスチャネルについて、別方式で調節され得る。
【0015】
[0018]
図1に移って、本明細書において開示された画像処理装置は、いくつかの態様において、画像を遠隔に受け取り、画像を、遠隔のイメージングデバイスの遠隔ディスプレイに表示し得ることが想起される。しかしながら、本明細書において開示された画像処理装置は、他の態様において、イメージングデバイス100のようなイメージングデバイスと統合され得る。そのようなイメージングデバイス100は、スマートフォン、タブレット、テレビ、またはディスプレイを含むユーザインターフェース102を有するその他任意のデバイスであり得る。ディスプレイは、任意のタイプからなり得るが、バイナリディスプレイは、開示された画像処理装置の利点を議論する際に特に興味深いことが想起される。たとえば、ディスプレイは、AiMODディスプレイであり得る。
【0016】
[0019]各原色におけるマルチ強度が色再生のために生成されるその他多くのディスプレイとは異なり、AiMODディスプレイにおける原色は、単にオンまたはオフされるだけであり得る。各色の強度は、時間的な変調および/または空間的なディザリングによって生成される必要がある。制限されたリフレッシュレートのために、時間的な変調は、無限になり得ない。AiMODディスプレイのリフレッシュレートおよび空間分解能の仕様に基づくと、空間的なディザリングと時間的なディザリングとの両方とも適用しなければ、良好な画像品質は可能ではない。したがって、時空的な誤差拡散が、ハーフトーン化のために適用される。
【0017】
[0020]時空的な誤差拡散は、SEDが後続するTEDとして実施され得る。各サブフレーム内のTEDからの誤差が次のサブフレームへと広げられ、最終的には、SEDの空間領域まで広げられる。新たな時空的な変調方法は、照度における時間的な変調を低減するため、したがって、時間的な変調のちらつきを回避するために開発された。
【0018】
[0021]例示的なイメージングデバイス100のさらなる特徴は、任意の適切なデータバスまたはその他の通信媒体によってメモリ106に接続された1つまたは複数のプロセッサ104を含み得る。データバスまたはその他の通信媒体に接続されたさらなるハードウェア構成要素は、ワイヤレスラジオ108、ネットワークインターフェース110、およびカメラ112を含み得る。メモリ106に存在するデータ114およびアプリケーションは、当業者に容易に明白になる方式で、ユーザインターフェース102、ワイヤレスラジオ108、ネットワークインターフェース110、およびカメラ112を操作するための、1つまたは複数のプロセッサ104を構成し得る。たとえば、ネットワーク通信アプリケーション116は、セルラープロトコル(たとえば、LTE、CDMA、TDMA、CoMP等)およびインターネットプロトコル(IP)のような任意の適切なプロトコルに従ってネットワーク通信を達成するためにワイヤレスラジオ108およびネットワークインターフェース110を操作し得る。さらに、ユーザインターフェースアプリケーション118は、データおよびコマンドを受け取るため、およびユーザインターフェース102の出力コンポーンツへ画像、ビデオ、および音をレンダリングするために、入力および出力構成要素102を操作し得る。さらに、画像キャプチャアプリケーション120は、画像をキャプチャし、データ114の中にこの画像を記憶するように、カメラ112を操作し得る。プロセッサ104、メモリ106、データ116、およびアプリケーション114〜120を組み合わせたこれら構成要素の何れも、イメージングデバイス100へ表示するための画像フレームを受け取るための手段として作用し得る。
【0019】
[0022]次に
図2に移って、一般に
図1および
図2に参照するように、メモリ106内に存在する画像処理アプリケーション122が、
図2に例示された時間的な変調および空間的なハーフトーン化処理に従って画像を処理するように、1つまたは複数のプロセッサ104を設定し得る。たとえば、画像処理アプリケーション122は、データ114にアクセスし、メモリ106から画像フレームを取得するように、1つまたは複数のプロセッサ104を設定し得る。したがって、1つまたは複数のプロセッサ104、メモリ106、データ114、および画像処理アプリケーション122は、ブロック200において、イメージングデバイスへ表示するための画像フレームを受け取るための手段を達成し得る。さらに、画像処理アプリケーション122によって設定される処理は、ブロック202において、画像フレームのために時間的な誤差拡散を適用することを含み得る。ブロック202では、以下にさらに説明されるように、画像フレームの1つのサブフレームにおいて生成された時間的な誤差が、時間的な誤差拡散のために、画像フレームの次のサブフレームへ渡され得る。さらに、画像処理アプリケーション122によって設定される処理は、ブロック204において、時間的な誤差拡散によって生成される複数の画像サブフレームからの残りの時間的な誤差へと、空間的な誤差拡散を適用することを含み得る。
【0020】
[0023]ブロック202の処理をより詳細に考慮すると、この処理は、いくつかの運用上のブロックを含み得る。たとえば、ブロック206では、複数の画像サブフレームの各々において生成された時間的な誤差は、照度の時間的な誤差およびクロミナンスの時間的な誤差へ分割され得る。さらに、ブロック208では、クロミナンスの時間的な誤差が、次のサブフレームへと支配的に渡され得る一方、照度の誤差のうちの少なくとも一部が、空間的な誤差拡散のための空間領域へのリダイレクションのために保持され得る。ブロック208では、次のサブフレームへ渡される時間的な誤差は、クロミナンスの時間的な誤差のみを含み得ることが熟考される。あるいは、ブロック208において、次のサブフレームへ渡される時間的な誤差は、クロミナンスの時間的な誤差の一部と、照度の時間的な誤差のわずかな部分とを含み得る。さらに、ブロック210において、この処理は、時間的な誤差拡散によって生成された複数のサブフレームからのクロミナンスの時間的な誤差と照度の時間的な誤差とを、累積誤差へと累積することを含み得る。さらに、ブロック212では、累積誤差が、ブロック204において使用されるために、空間的な誤差拡散処理へ渡され得る。
図2の手順のさらなる詳細は、
図4を参照して以下で説明される。しかしながら、
図4に移る前に、比較の目的のために、先行技術の時空的な誤差拡散処理が記載される。
【0021】
[0024]
図3は、先行技術に従う従来の時空的な誤差拡散処理を例示する。この処理では、i番目のピクセルの色は、300においてC
iと示される。302において、近隣ピクセルから広がった誤差を加えることにより、ブロック304において、色は、C
i+E
0となる。306において、時間ベクトル誤差拡散を用いると、308において、最も近い原色P
1が発見され、残留誤差E
1が、ブロック310において、次のサブフレームへと繰り越される。310および312において、時間的な誤差拡散は、サブフレームの制限に達するまで継続され、ブロック316において、最終的な残留誤差E
nとなる。最後に、最終的な残留誤差E
nが、ブロック318において、空間的な誤差拡散によって近隣ピクセルに広げられ、処理は、ブロック320において、次のピクセルへ進む。当業者であれば、この方法は、最後のサブフレームの終了まで、1つのサブフレームから次のサブフレームへとすべての時間的な誤差拡散を実質的に繰り越すことを容易に認識するであろう。そのため、それは、時間領域内の誤差伝搬を最大化する。
【0022】
[0025]次に
図4に移って、TEDは、時間的なハーフトーンと空間的なハーフトーンとの間で誤差伝搬を調節するように修正される。ブロック400において、近隣ピクセルから広がった追加された誤差を有する色が取得されると、ブロック402において、複数の画像サブフレームの各々において生成された時間的な誤差を、照度の時間的な誤差E
Lおよびクロミナンスの時間的な誤差E
Cへ分割するか否かが判定され得る。ブロック402におけるこの判定はまた、照度の時間的な誤差E
Lのうちの少なくとも一部が、次のサブフレームへ渡されるのではなく、空間的な誤差拡散のための空間領域へのリダイレクションのために保持されることを許可するか否かの判定でもあり得る。ブロック402において、複数の画像サブフレームの各々において生成された時間的な誤差を、照度の時間的な誤差E
Lおよびクロミナンスの時間的な誤差E
Cへ分割しないとの判定がなされると、
図3を参照して前述した手法で、404において、画像処理が実行され得る。そのような判定は、ディスプレイのタイプ、ユーザ設定、画像コンテンツ、ビデオフレームレート、またはその他の任意の基準または基準の組合せに基づいてなされ得る。しかしながら、ブロック402において、複数の画像サブフレームの各々において生成された時間的な誤差を、照度の時間的な誤差E
Lおよびクロミナンスの時間的な誤差E
Cへ分割するとの判定がなされると、それに従って、406において、画像処理が実行され得る。この処理はさらに以下に記載される。
【0023】
[0026]
図4において、E
1=E
L+E
Cである。ここで、E
LおよびE
Cは、照度の誤差およびクロミナンスの誤差である。さらに、E
C=E
a+E
bである。ここで、E
aおよびE
bは、2つのクロミナンスチャネルにおけるクロミナンスの誤差である。さらに、C
iは、i番目のピクセル色、CIELAB色空間であれば、(L
*、a
*、b
*)であり、E
0は、近隣ピクセルから広がったSED誤差である。さらに、E
1は、TEDに渡されたディザ誤差であり、a
*およびb
*からの誤差を含む色の誤差(E
C)と、照度の誤差(E
L)とを含む。またさらに、P
1は、TEDからのハーフトーン色(原色)であり、色の誤差は、すべてのチャネルにおける誤差の組合せである。ハーフトーン化が、CIEL
*a
*b
*色空間において実行されるのであれば、色の誤差は、
【数1】
【0024】
であり、ここで、(L
*i,a
*i,b
*i)は、連続トーン色のL
*a
*b
*値であり、(L
*P,a
*P,b
*P)は、選択されている原色のL
*a
*b
*値である。ピクセルのハーフトーンの誤差E
L*、E
a*、およびE
b*は、時間的な変調のために、後続するサブフレームへ、および/または、空間的なハーフトーン化のために、近隣ピクセルへ繰り越される。
【0025】
[0027]404に図示されるように、時間的な誤差が分割されないのであれば、すべての誤差が次のサブフレームへ繰り越される。この処理は、従来の方法と同じである。対照的に、406において、人間の目は、クロミナンスちらつきよりも、輝度のちらつきにおいてより敏感であるので、ブロック408において、照度の誤差(E
L)が保持され、ブロック410において、TEDのために、クロミナンスの誤差(E
C)だけが次のサブフレームへ渡される。すべてのサブフレームについてのTEDの終了時に、最後のサブフレームからの低減誤差(照度の誤差とクロミナンスの誤差との両方)と、TEDのために渡されていない保持されている照度の誤差(E
L)が、ともに追加され、SEDのために渡される。ちらつきを低減または回避するための必要性に依存して、サブフレームのうちのいくつかまたはすべてからのE
Lが、保持され、最終的に、空間領域に渡され得る。
【0026】
[0028]いくつかの態様では、照度の誤差が伝搬するとの判定は、すべてではないが、いくつかのフレームについて、または、フレームの一部についてなされ得ることが想起される。たとえば、時間的な変調のために4つのフレームが使用され、TEDにおける照度の誤差伝搬を低減するとの判定がなされたのであれば、4つのフレームのうちの2つが、各フレームの誤差全体を次のフレームへ伝搬することが許可され得る一方、他の2つのフレームは、照度の誤差を、空間領域へ渡し得る。いくつかの態様では、TEDからのクロミナンス誤差が、いくつかのサブフレームのために保持され、さらなる時間的な変調のために、空間領域へ渡されることも想起される。
【0027】
[0029]要約すると、3−Dハーフトーン化方法が開示される。ハーフトーン化は、時間的な誤差拡散で始まる。時間的なハーフトーン化誤差は、時間領域と空間領域との間での割り振りを行うためにパラメータ化され、この誤差を分離するためのパラメータが、輝度チャネルとクロミナンスチャネルとの間で独立して制御され得る。時間的な誤差拡散がすべてのサブフレームについて終了した後、空間的なディザリングのために確保された各サブフレームからのハーフトーン誤差と、残りの時間ハーフトーン誤差との合計が、空間的な誤差拡散のために空間領域へと渡される。
【0028】
[0030]当業者であれば、情報および信号は、様々な異なる技術および技法のうちの何れかを用いて表わされ得ることを理解するであろう。たとえば、前述した説明を通じて参照され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁場または磁性粒子、光学場または光学粒子、あるいはこれらの任意の組合せによって表現され得る。
【0029】
[0031]当業者であればさらに、本明細書の開示に関連して記載された様々な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップが、電子工学ハードウェア、コンピュータソフトウェア、あるいはこれらの組合せとして実現されることを理解するであろう。ハードウェアとソフトウェアとの相互置換性を明確に説明するために、様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、およびステップが、これらの機能の観点から一般的に上記で記載された。それら機能がハードウェアとしてまたはソフトウェアとして実現されるかは、特定の用途およびシステム全体に課せられている設計制約に依存する。当業者であれば、各々の特定の用途に応じて変化する方式で、前述した機能を実現し得るが、そのような適用判断は、本開示の範囲からの逸脱をもたらすものと解釈されるべきではない。
【0030】
[0032]本明細書の開示に関連して記述された様々な例示的な論理ブロック、モジュール、および回路は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)あるいはその他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲートあるいはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェア構成要素、または本命最初に記載された機能を実現するために設計された上記何れかの組合せを用いて実現または実施され得る。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであり得るが、代替例では、このプロセッサは、従来式のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、またはステートマシンであり得る。プロセッサは、たとえばDSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、またはその他任意のそのような構成であるコンピューティングデバイスの組合せとしても実現され得る。
【0031】
[0033]本明細書の開示に関連して説明された方法またはアルゴリズムのステップは、ハードウェアで直接的に、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールで、またはこの2つの組合せで実施することができる。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROM(登録商標)メモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD−ROM、あるいは当該技術分野で知られているその他の型式の記憶媒体に存在し得る。典型的な記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み取り、また記憶媒体に情報を書き込むことができるようにプロセッサに結合される。あるいは、この記憶媒体は、プロセッサに統合され得る。このプロセッサと記憶媒体とは、ASIC内に存在し得る。ASICは、ユーザ端末内に存在し得る。あるいは、プロセッサおよび記憶媒体は、ユーザ端末内のディスクリートな構成要素として存在し得る。
【0032】
[0034]1つまたは複数の例示的な設計では、記載された機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、または任意のそれらの組合せに実装される場合がある。ソフトウェアで実現される場合、これら機能は、コンピュータ可読媒体上に記憶されるか、あるいは、コンピュータ可読媒体上の1つまたは複数の命令群またはコードとして送信され得る。コンピュータ可読媒体は、コンピュータプログラムのある場所から別の場所への転送を容易にする任意の媒体を含む通信媒体と、コンピュータ記憶媒体との両方を含む。記憶媒体は、汎用コンピュータまたは特別目的コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であり得る。限定ではなく、一例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROMまたはその他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置またはその他の磁気記憶装置、あるいは、命令またはデータ構造の形式で所望のプログラムコード手段を伝送または記憶するために使用され、かつ、汎用コンピュータまたは特別目的コンピュータ、あるいは、汎用プロセッサまたは特別目的プロセッサによってアクセスされ得るその他任意の媒体を備え得る。さらに、いかなる接続も、コンピュータ可読媒体として適切に称される。同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者線(DSL)、あるいは、たとえば赤外線、無線およびマイクロ波のようなワイヤレス技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、あるいはその他の遠隔ソースからソフトウェアが送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、DSL、あるいは、たとえば赤外線、無線およびマイクロ波のような無線技術が、媒体の定義に含まれる。本明細書で使用されるdiskおよびdiscは、コンパクトディスク(disc)(CD)、レーザーディスク(登録商標)(disc)、光ディスク(disc)、デジタル多用途ディスク(disc)(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク(disc)、およびBlu−ray(登録商標)ディスク(disc)を含む。ここでdiskは、通常、データを磁気的に再生する一方、discは、レーザーを用いてデータを光学的に再生する。前述の組合せもまた、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0033】
[0035]本開示の上記記載は、当業者が、本開示を製造または利用できるように提供される。本開示に対する様々な改変は、当業者に容易に明らかであって、本明細書で定義された一般原理は、本開示の精神または範囲から逸脱することなく、他の変形形態に適用され得る。このように、本開示は、本明細書に記載された例および設計に限定されることは意図されておらず、本明細書で開示された原理および新規な特徴に一致した最も広い範囲に相当するとされている。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1]
イメージングデバイスのための画像データのビット深度を低減するための方法であって、
前記イメージングデバイスへの表示のための画像フレームを受け取ることと、
複数の画像サブフレームを生成するために、前記画像フレームのために時間的な誤差拡散を適用することと、ここにおいて、前記複数の画像サブフレームのうちの1つのサブフレームにおいて生成された時間的な誤差は、時間的な誤差拡散のために、前記複数の画像サブフレームのうちの次のサブフレームへ渡される、
前記画像フレームの前記時間的な誤差拡散から残りの時間的な誤差へ、空間的な誤差拡散を適用することと、を備える方法。
[C2]
前記複数の画像サブフレームの各々において生成された時間的な誤差を、照度の時間的な誤差と、クロミナンスの時間的な誤差とに分割すること、をさらに備えるC1に記載の方法。
[C3]
前記次のサブフレームに渡される時間的な誤差は、前記クロミナンスの時間的な誤差のみを備える、C2に記載の方法。
[C4]
前記次のサブフレームへ渡される時間的な誤差は、前記クロミナンスの時間的な誤差の一部と、前記照度の時間的な誤差のわずかな部分とを備える、C2に記載の方法。
[C5]
前記画像フレームの時間的な誤差拡散からの前記クロミナンスの時間的な誤差と前記照度の時間的な誤差とを、累積誤差に累積すること、をさらに備えるC2に記載の方法。
[C6]
前記画像フレームの前記時間的な誤差拡散の後、前記累積誤差を、前記空間的な誤差拡散へ適用すること、をさらに備えるC5に記載の方法。
[C7]
前記時間的な誤差を分割するか否かを判定することと、
前記時間的な誤差を分割しないとの判定に応じて、前記画像フレームの1つのサブフレームにおいて生成されたすべての時間的な誤差を、時間的な誤差拡散のために、前記画像フレームの次のサブフレームへ渡すことと、をさらに備えるC2に記載の方法。
[C8]
空間的な誤差拡散のための空間領域へのリダイレクションのために、前記照度の誤差のうちの少なくとも一部を保持すること、をさらに備えるC2に記載の方法。
[C9]
さらなる時間的な変調のための空間領域へのリダイレクションのために、前記クロミナンスの誤差フォームのうちの少なくとも一部、前記サブフレームのうちの少なくとも一部を保持すること、をさらに備えるC2に記載の方法。
[C10]
すべてのフレームよりも少ないフレームのために、前記時間的な誤差を分割するか否かを判定することと、
前記時間的な誤差を分割するとの判定に応じて、
前記画像フレームの1つのサブフレームにおいて、そこで生成されたすべての時間的な誤差を、時間的な誤差拡散のために、前記画像フレームの次のサブフレームへ渡すことと、
前記複数の画像サブフレームのうちの別のサブフレームにおいて、空間的な誤差拡散のための空間領域へのリダイレクションのために、前記クロミナンスの誤差または前記照度の誤差のうちの少なくとも1つのうちの少なくとも一部を保持することと、をさらに備えるC2に記載の方法。
[C11]
イメージングデバイスのための画像データのビット深度を低減するための装置であって、
前記イメージングデバイスへの表示のための画像フレームを受け取るための手段と、
複数の画像サブフレームを生成するために、前記画像フレームへ時間的な誤差拡散を適用するための手段と、ここにおいて、前記画像フレームのザのうちの1つのサブフレームにおいて生成された時間的な誤差は、時間的な誤差拡散のために、前記画像フレームの次のサブフレームへ渡される、
前記画像フレームの前記時間的な誤差拡散からの残りの時間的な誤差へ、空間的な誤差拡散を適用するための手段と、を備える装置。
[C12]
前記複数の画像サブフレームの各々において生成された時間的な誤差を、照度の時間的な誤差と、クロミナンスの時間的な誤差とに分割するための手段、をさらに備えるC11に記載の装置。
[C13]
前記次のサブフレームに渡される時間的な誤差は、前記クロミナンスの時間的な誤差のみを備える、C12に記載の装置。
[C14]
前記次のサブフレームへ渡される時間的な誤差は、前記クロミナンスの時間的な誤差の一部と、前記照度の時間的な誤差のわずかな部分とを備える、C12に記載の装置。
[C15]
前記画像フレームの時間的な誤差拡散からの前記クロミナンスの時間的な誤差と前記照度の時間的な誤差とを、累積誤差に累積するための手段、をさらに備えるC12に記載の装置。
[C16]
前記画像フレームの前記時間的な誤差拡散の後、前記累積誤差を、前記空間的な誤差拡散へ適用するための手段、をさらに備えるC15に記載の装置。
[C17]
前記時間的な誤差を分割するか否かを判定するための手段と、
前記時間的な誤差を分割しないとの判定に応じて、前記画像フレームの1つのサブフレームにおいて生成されたすべての時間的な誤差を、時間的な誤差拡散のために、前記画像フレームの次のサブフレームへ渡すための手段と、をさらに備えるC12に記載の装置。
[C18]
空間的な誤差拡散のための空間領域へのリダイレクションのために、前記照度の誤差のうちの少なくとも一部を保持するための手段、をさらに備えるC12に記載の装置。
[C19]
さらなる時間的な変調のための空間領域へのリダイレクションのために、前記クロミナンスの誤差フォームのうちの少なくとも一部、前記サブフレームのうちの少なくとも一部を保持するための手段、をさらに備えるC12に記載の装置。
[C20]
すべてのフレームよりも少ないフレームのために、前記時間的な誤差を分割するか否かを判定するための手段と、
前記時間的な誤差を分割するとの判定に応じて、
前記画像フレームの1つのサブフレームにおいて、そこで生成されたすべての時間的な誤差を、時間的な誤差拡散のために、前記画像フレームの次のサブフレームへ渡し、
前記複数の画像サブフレームのうちの別のサブフレームにおいて、空間的な誤差拡散のための空間領域へのリダイレクションのために、前記照度の誤差または前記クロミナンスの誤差のうちの少なくとも1つのうちの少なくとも一部を保持するための手段と、をさらに備えるC12に記載の装置。
[C21]
コンピュータプログラム製品であって、
コンピュータに対して、イメージングデバイスへの表示のための画像フレームを受け取らせるためのコードと、
複数の画像サブフレームを生成するために、コンピュータに対して、前記画像フレームのために時間的な誤差拡散を適用させるためのコードと、ここにおいて、前記画像サブフレームのうちの1つのサブフレームにおいて生成された時間的な誤差は、時間的な誤差拡散のために、前記画像フレームの次のサブフレームへ渡される、
コンピュータに対して、前記画像フレームの前記時間的な誤差拡散から残りの時間的な誤差へ、空間的な誤差拡散を適用させるためのコードとを備えるコンピュータ可読媒体、を備えるコンピュータプログラム製品。
[C22]
前記コンピュータ可読媒体はさらに、前記複数の画像サブフレームの各々において生成された時間的な誤差を、照度の時間的な誤差と、クロミナンスの時間的な誤差とに分割するためのコードを備える、C21に記載のコンピュータプログラム製品。
[C23]
前記次のサブフレームに渡される時間的な誤差は、前記クロミナンスの時間的な誤差のみを備える、C22に記載のコンピュータプログラム製品。
[C24]
前記次のサブフレームへ渡される時間的な誤差は、前記クロミナンスの時間的な誤差の一部と、前記照度の時間的な誤差のわずかな部分とを備える、C22に記載のコンピュータプログラム製品。
[C25]
前記コンピュータ可読媒体はさらに、前記画像フレームの時間的な誤差拡散からの前記クロミナンスの時間的な誤差と前記照度の時間的な誤差とを、累積誤差に累積するためのコードを備える、C22に記載のコンピュータプログラム製品。
[C26]
前記コンピュータ可読媒体はさらに、前記画像フレームの前記時間的な誤差拡散の後、前記累積誤差を、前記空間的な誤差拡散へ適用するためのコードを備える、C25に記載のコンピュータプログラム製品。
[C27]
前記コンピュータ可読媒体はさらに、
前記時間的な誤差を分割するか否かを判定するためのコードと、
前記時間的な誤差を分割しないとの判定に応じて、前記複数の画像サブフレームの1つのサブフレームにおいて生成されたすべての時間的な誤差を、時間的な誤差拡散のために、前記複数の画像サブフレームのうちの次のサブフレームへ渡すためのコードとを備える、C22に記載のコンピュータプログラム製品。
[C28]
空間的な誤差拡散のための空間領域へのリダイレクションのために、前記照度の誤差のうちの少なくとも一部を保持するためのコード、をさらに備えるC22に記載のコンピュータプログラム製品。
[C29]
さらなる時間的な変調のための空間領域へのリダイレクションのために、前記クロミナンスの誤差フォームのうちの少なくとも一部、前記サブフレームのうちの少なくとも一部を保持するためのコード、をさらに備えるC22に記載のコンピュータプログラム製品。
[C30]
すべてのフレームよりも少ないフレームのために、前記時間的な誤差を分割するか否かを判定するためのコードと、
前記時間的な誤差を分割するとの判定に応じて、
前記画像フレームの1つのサブフレームにおいて、そこで生成されたすべての時間的な誤差を、時間的な誤差拡散のために、前記画像フレームの次のサブフレームへ渡し、
前記画像フレームの別のサブフレームにおいて、空間的な誤差拡散のための空間領域へのリダイレクションのために、前記クロミナンスの誤差または前記照度の誤差のうちの少なくとも1つのうちの少なくとも一部を保持するためのコードと、をさらに備えるC22に記載のコンピュータプログラム製品。
[C31]
イメージングデバイスのための画像データのビット深度を低減するための画像処理デバイスであって、
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサに結合されたメモリとを備え、
前記少なくとも1つのプロセッサはさらに、
前記イメージングデバイスへの表示のための画像フレームを受け取り、
複数の画像サブフレームを生成するために、前記画像フレームのために時間的な誤差拡散を適用し、ここにおいて、前記画像フレームの1つのサブフレームにおいて生成された時間的な誤差は、時間的な誤差拡散のために、前記画像フレームの次のサブフレームへ渡される、
前記画像フレームの前記時間的な誤差拡散から残りの時間的な誤差へ、空間的な誤差拡散を適用するように構成された、画像処理デバイス。
[C32]
前記少なくとも1つのプロセッサはさらに、前記複数の画像サブフレームの各々において生成された時間的な誤差を、照度の時間的な誤差と、クロミナンスの時間的な誤差とに分割するように構成された、C31に記載の画像処理デバイス。
[C33]
前記次のサブフレームに渡される時間的な誤差は、前記クロミナンスの時間的な誤差のみを備える、C32に記載の画像処理デバイス。
[C34]
前記次のサブフレームへ渡される時間的な誤差は、前記クロミナンスの時間的な誤差の一部と、前記照度の時間的な誤差のわずかな部分とを備える、C32に記載の画像処理デバイス。
[C35]
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記画像フレームの時間的な誤差拡散からの前記クロミナンスの時間的な誤差と前記照度の時間的な誤差とを、累積誤差に累積するように構成された、C32に記載の画像処理デバイス。
[C36]
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記画像フレームの前記時間的な誤差拡散の後、前記累積誤差を、前記空間的な誤差拡散へ適用するように構成された、C35に記載の画像処理デバイス。
[C37]
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記時間的な誤差を分割するか否かを判定し、
前記時間的な誤差を分割しないとの判定に応じて、前記画像フレームの1つのサブフレームにおいて生成されたすべての時間的な誤差を、時間的な誤差拡散のために、前記画像フレームの次のサブフレームへ渡すように構成された、C32に記載の画像処理デバイス。
[C38]
前記少なくとも1つのプロセッサは、
空間的な誤差拡散のための空間領域へのリダイレクションのために、前記照度の誤差のうちの少なくとも一部を保持するように構成された、C32に記載の画像処理デバイス。
[C39]
前記少なくとも1つのプロセッサは、
さらなる時間的な変調のための空間領域へのリダイレクションのために、前記クロミナンスの誤差フォームのうちの少なくとも一部、前記サブフレームのうちの少なくとも一部を保持するように構成された、C32に記載の画像処理デバイス。
[C40]
前記少なくとも1つのプロセッサは、
すべてのフレームよりも少ないフレームのために、前記時間的な誤差を分割するか否かを判定し、
前記時間的な誤差を分割するとの判定に応じて、
前記画像フレームの1つのサブフレームにおいて、そこで生成されたすべての時間的な誤差を、時間的な誤差拡散のために、前記画像フレームの次のサブフレームへ渡し、
前記画像フレームの別のサブフレームにおいて、空間的な誤差拡散のための空間領域へのリダイレクションのために、前記クロミナンスの誤差または前記照度の誤差のうちの少なくとも1つのうちの少なくとも一部を保持するように構成された、C32に記載の画像処理デバイス。