特許第5932400号(P5932400)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5932400
(24)【登録日】2016年5月13日
(45)【発行日】2016年6月8日
(54)【発明の名称】距離センサ及び距離画像センサ
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/481 20060101AFI20160526BHJP
   H04N 5/369 20110101ALI20160526BHJP
   H01L 27/146 20060101ALI20160526BHJP
   H04N 5/341 20110101ALI20160526BHJP
   G01C 3/06 20060101ALI20160526BHJP
   G01S 17/10 20060101ALI20160526BHJP
   G01S 17/89 20060101ALI20160526BHJP
【FI】
   G01S7/481 Z
   H04N5/335 690
   H01L27/14 A
   H04N5/335 410
   G01C3/06 120Q
   G01C3/06 140
   G01S17/10
   G01S17/89
【請求項の数】10
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2012-46844(P2012-46844)
(22)【出願日】2012年3月2日
(65)【公開番号】特開2013-181890(P2013-181890A)
(43)【公開日】2013年9月12日
【審査請求日】2014年11月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000236436
【氏名又は名称】浜松ホトニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124291
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 悟
(72)【発明者】
【氏名】間瀬 光人
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 高志
(72)【発明者】
【氏名】平光 純
【審査官】 中村 説志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−276243(JP,A)
【文献】 特開2011−133464(JP,A)
【文献】 特開2011−112614(JP,A)
【文献】 特開2011−179926(JP,A)
【文献】 特開2011−112382(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0038904(US,A1)
【文献】 特開2004−032682(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/48 − 7/51
G01S17/00 −17/95
G01B11/00 −11/30
G01C 3/00 − 3/32
H01L21/339
H01L27/14 −27/148
H01L29/762
H04N 5/30 − 5/378
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多角形状の画素領域内における角部を除く前記画素領域の各辺まで外縁が延びており、入射光に応じて電荷が発生する電荷発生領域と、
前記画素領域の中心部で且つ前記電荷発生領域に囲まれるように前記電荷発生領域の内側に配置され、前記電荷発生領域からの信号電荷を収集する信号電荷収集領域と、
前記画素領域内における前記角部で且つ前記電荷発生領域の外側に配置され、前記電荷発生領域からの不要電荷を収集する不要電荷収集領域と、
前記電荷発生領域の上に配置されるフォトゲート電極と、
前記信号電荷収集領域と前記電荷発生領域との間に配置され、入力された信号に応じて前記電荷発生領域からの信号電荷を前記信号電荷収集領域に流入させる転送電極と、
前記不要電荷収集領域と前記電荷発生領域との間に配置され、入力された信号に応じて前記電荷発生領域からの不要電荷を前記不要電荷収集領域に流入させる不要電荷収集ゲート電極と、を備えている、距離センサ。
【請求項2】
隣り合う複数の前記画素領域を備えており、
前記複数の画素領域の前記電荷発生領域同士が、一体的に連続して形成され、
前記複数の画素領域の前記フォトゲート電極同士が、一体的に連続して形成されている、請求項1に記載の距離センサ。
【請求項3】
前記複数の画素領域の前記不要電荷収集領域同士が、一体的に形成されている、請求項2に記載の距離センサ。
【請求項4】
前記複数の画素領域の前記転送電極には、異なる位相の電荷転送信号がそれぞれ与えられる、請求項2又は3に記載の距離センサ。
【請求項5】
前記転送電極には、所定のタイミンクで間欠的に位相シフトが与えられた電荷転送信号が与えられる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の距離センサ。
【請求項6】
前記信号電荷収集領域に蓄積された電荷量に対応する信号を読み出す読出回路が配置される領域が、前記画素領域の一辺に沿って前記画素領域の外側に位置している、請求項1〜5のいずれか一項に記載の距離センサ。
【請求項7】
前記信号電荷収集領域に蓄積された電荷量に対応する信号を読み出す読出回路が配置される領域が、前記画素領域の一つの角部に位置している、請求項1〜5のいずれか一項に記載の距離センサ。
【請求項8】
前記信号電荷収集領域は、平面視で矩形状であり、
前記転送電極は、略多角形環状を呈している、請求項1〜7のいずれか一項に記載の距離センサ。
【請求項9】
前記不要電荷収集ゲート電極は、一体的に形成されている前記不要電荷収集領域を囲むように、一体的に形成されている前記不要電荷収集領域の外側に位置している、請求項3に記載の距離センサ。
【請求項10】
一次元状又は二次元状に配置された複数のユニットからなる撮像領域を半導体基板上に備え、前記ユニットから出力される電荷量に基づいて、距離画像を得る距離画像センサであって、
前記ユニットそれぞれが、請求項1〜のいずれか一項に記載の距離センサである、距離画像センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、距離センサ及び距離画像センサに関する。
【背景技術】
【0002】
TOF(Time-Of-Flight)型の距離画像センサ(距離センサ)が知られている(たとえば、非特許文献1参照)。非特許文献1に記載された距離画像センサは、入射光に応じて電荷が発生する電荷発生領域と、電荷発生領域に囲まれるように電荷発生領域の内側に配置された電荷収集領域と、電荷発生領域を囲むように電荷発生領域の外側に配置された電荷排出領域と、電荷発生領域の上に配置され、入力信号に応じて電荷発生領域の電荷を電荷収集領域に流入させる内側ゲート電極と、電荷発生領域の上に配置され、入力信号に応じて電荷発生領域の電荷を電荷排出領域に流入させる外側排出ゲート電極と、を備えている。電荷収集領域は、多角形状の画素領域の中心部に配置されており、電荷排出領域は、画素領域の全周にわたって配置されている。内側ゲート電極と外側排出ゲート電極とに与えられる電位差により、内側ゲート電極及び外側排出ゲート電極の直下の領域にはポテンシャルの勾配が形成される。このポテンシャルの勾配にしたがって、電荷発生領域に発生した電荷は、電荷収集領域又は電荷排出領域に移動する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】T. Y. Lee et al., “A 192×108pixel ToF-3D image sensor with single-tap concentric-gate demodulation pixelsin 0.13 μm technology”, Proceeding of the 2011 IEEE International ElectronDevices Meeting, December 5-8, 2011, pp.8.7.1-8.7.4
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、非特許文献1に記載された距離画像センサは、以下のような問題点を有している。
【0005】
電荷発生領域の外側に位置する電荷排出領域が、多角形状の画素領域の全周にわたって配置されているため、電荷発生領域の面積が狭くならざるを得ない。このため、画素領域の面積に対する電荷発生領域の面積の比である開口率が小さい。
【0006】
電荷発生領域が画素領域の端まで広がっていると、開口率は大きいものの、電荷排出領域を配置することができない。また、電荷の転送時間は、その移動距離に比例するため、電荷発生領域における画素領域の角近くの領域で発生した電荷は、電荷収集領域までの移動距離が長く、転送時間も長くなってしまう。このため、電荷の電荷収集領域への転送効率が悪い。
【0007】
本発明は、開口率と電荷の転送効率とを向上することが可能な距離センサ及び距離画像センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一つの観点では、本発明は、距離センサであって、多角形状の画素領域の角部を除く画素領域の各辺まで外縁が延びており、入射光に応じて電荷が発生する電荷発生領域と、画素領域の中心部で且つ電荷発生領域に囲まれるように電荷発生領域の内側に配置され、電荷発生領域からの信号電荷を収集する信号電荷収集領域と、画素領域の角部で且つ電荷発生領域の外側に配置され、電荷発生領域からの不要電荷を収集する不要電荷収集領域と、電荷発生領域の上に配置されるフォトゲート電極と、信号電荷収集領域と電荷発生領域との間に配置され、入力された信号に応じて電荷発生領域からの信号電荷を信号電荷収集領域に流入させる転送電極と、不要電荷収集領域と電荷発生領域との間に配置され、入力された信号に応じて電荷発生領域からの不要電荷を不要電荷収集領域に流入させる不要電荷収集ゲート電極と、を備えている。
【0009】
本発明では、電荷発生領域の外縁が、多角形状の画素領域の角部を除く画素領域の各辺まで延びているため、電荷発生領域の面積が拡大する。これにより、開口率を向上することができる。
【0010】
ところで、画素領域の角部にまで電荷発生領域が伸びていると、電荷発生領域における画素領域の角部に対応する領域で発生した電荷は、画素領域の中央部に配置されている信号電荷収集領域までの移動距離が長い。このため、上記角部に対応した領域で発生した電荷の信号電荷収集領域への転送時間が長くなり、信号電荷の電荷収集領域への転送効率が悪化する。これに対して、本発明では、上述したように、画素領域の角部には、電荷発生領域が配置されていないので、移動距離が長くなる領域から信号電荷が転送されることはない。このため、信号電荷の電荷収集領域への転送効率が向上する。
【0011】
本発明では、電荷発生領域が配置されない、画素領域の角部に不要電荷収集領域が配置されている。このため、開口率と電荷の転送効率との向上を阻害することなく、不要電荷収集領域を配置することができる。
【0012】
隣り合う複数の画素領域を備えており、複数の画素領域の電荷発生領域同士が、一体的に形成され、複数の画素領域のフォトゲート電極同士が、一体的に形成されていてもよい。また、複数の画素領域の不要電荷収集領域同士が、一体的に形成されていてもよい。いずれの場合でも、センサ面積の利用効率を高めることができる。この結果、空間解像度を向上できる。
【0013】
複数の画素領域の転送電極には、異なる位相の電荷転送信号がそれぞれ与えられていてもよい。この場合、隣り合う複数の画素領域からの出力に基づいて、距離演算が行われる。
【0014】
転送電極には、所定のタイミンクで間欠的に位相シフトが与えられた電荷転送信号が与えられてもよい。この場合、一つの画素領域からの出力に基づいて距離が演算される。このため、複数の画素領域からの出力に基づいて距離を演算する構成に比して、距離演算のばらつきを低減できる。センサ面積の利用効率を高めることができ、空間解像度を向上できる。
【0015】
信号電荷収集領域に蓄積された電荷量に対応する信号を読み出す読出回路が配置される領域が、画素領域の一辺に沿って画素領域の外側に位置していてもよい。また、信号電荷収集領域に蓄積された電荷量に対応する信号を読み出す読出回路が配置される領域が、画素領域の一つの角部に位置していてもよい。いずれの場合でも、開口率と電荷の転送効率との向上を阻害することなく、読出回路を配置することができる。
【0016】
信号電荷収集領域は、平面視で矩形状であり、転送電極は、略多角形環状を呈していてもよい。
【0017】
別の観点では、本発明は、一次元状又は二次元状に配置された複数のユニットからなる撮像領域を半導体基板上に備え、ユニットから出力される電荷量に基づいて、距離画像を得る距離画像センサであって、ユニットそれぞれが、上記距離センサである。
【0018】
本発明では、上述したように、開口率と電荷の転送効率とを向上することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、開口率と電荷の転送効率とを向上することが可能な距離センサ及び距離画像センサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、本実施形態に係る測距装置の構成を示す説明図である。
図2図2は、距離画像センサの断面構成を説明するための図である。
図3図3は、距離画像センサの概略平面図である。
図4図4は、距離画像センサの画素領域の構成を説明するための模式図である。
図5図5は、図4におけるV−V線に沿った断面構成を示す図である。
図6図6は、電荷の蓄積動作を説明するための、ポテンシャル分布を示す図である。
図7図7は、電荷の蓄積動作を説明するための、ポテンシャル分布を示す図である。
図8図8は、電荷の排出動作を説明するための、ポテンシャル分布を示す図である。
図9図9は、画素の構成を説明するための模式図である。
図10図10は、各種信号のタイミングチャートである。
図11図11は、変形例に係る距離画像センサの画素の構成を説明するための模式図である。
図12図12は、各種信号のタイミングチャートである。
図13図13は、変形例に係る距離画像センサの画素の構成を説明するための模式図である。
図14図14は、各種信号のタイミングチャートである。
図15図15は、変形例に係る距離画像センサの画素の構成を説明するための模式図である。
図16図16は、変形例に係る距離画像センサの画素の構成を説明するための模式図である。
図17図17は、変形例に係る距離画像センサの画素の構成を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
図1は、測距装置の構成を示す説明図である。
【0022】
この測距装置は、距離画像センサ1と、近赤外光を出射する光源3と、駆動回路4と、制御回路2と、演算回路5と、を備えている。駆動回路4は、光源3にパルス駆動信号Sを与える。制御回路2は、距離画像センサ1の各画素に含まれる第一及び第二ゲート電極(TX1,TX2:図4参照)に、パルス駆動信号Sに同期した検出用ゲート信号S,Sを与える。演算回路5は、距離画像センサ1の第一〜第二半導体領域(FD1〜FD2:図4参照)から読み出された距離情報を示す信号d’(m,n)から、歩行者などの対象物Hまでの距離を演算する。距離画像センサ1から対象物Hまでの水平方向Dの距離をdとする。制御回路2は、後述する電荷転送信号Sも出力する。
【0023】
制御回路2は、パルス駆動信号Sを駆動回路4のスイッチ4bに入力している。LED又はレーザダイオードからなる投光用の光源3は、スイッチ4bを介して電源4aに接続されている。スイッチ4bにパルス駆動信号Sが入力されると、パルス駆動信号Sと同じ波形の駆動電流が光源3に供給され、光源3からは測距用のプローブ光としてのパルス光Lが出力される。パルス光Lが対象物Hに照射されると、対象物Hによってパルス光が反射される。反射されたパルス光は、パルス光Lとして、距離画像センサ1に入射して、パルス検出信号Sが出力される。
【0024】
距離画像センサ1は、配線基板10上に配置されている。配線基板10上の配線を介して、距離情報を有する信号d’(m,n)が距離画像センサ1の各画素から出力される。
【0025】
パルス駆動信号Sの波形は、周期Tの方形波であり、ハイレベルを「1」、ローレベルを「0」とすると、その電圧V(t)は以下の式で与えられる。
パルス駆動信号S
V(t)=1(但し、0<t<(T/2)の場合)
V(t)=0(但し、(T/2)<t<Tの場合)
V(t+T)=V(t)
【0026】
検出用ゲート信号S、Sの波形は、周期Tの方形波であり、その電圧V(t)は以下の式で与えられる。
検出用ゲート信号S
V(t)=1(但し、0<t<(T/2)の場合)
V(t)=0(但し、(T/2)<t<Tの場合)
V(t+T)=V(t)
検出用ゲート信号S(=Sの反転):
V(t)=0(但し、0<t<(T/2)の場合)
V(t)=1(但し、(T/2)<t<Tの場合)
V(t+T)=V(t)
【0027】
上記パルス信号S,S,S,Sは、全てパルス周期2×Tを有している。検出用ゲート信号S及びパルス検出信号Sが共に「1」のときに距離画像センサ1内で発生する電荷量をQ1とする。検出用ゲート信号S及びパルス検出信号Sが共に「1」のときに距離画像センサ1内で発生する電荷量をQ2とする。
【0028】
検出用ゲート信号Sとパルス検出信号Sの位相差は、検出用ゲート信号Sとパルス検出信号Sが「1」の時の重複期間において、距離画像センサ1において発生した電荷量Q2に比例する。すなわち、電荷量Q2は、検出用ゲート信号Sとパルス検出信号Sの論理積が「1」である期間において発生した電荷量である。1画素内において発生する全電荷量をQ1+Q2とし、パルス駆動信号Sの半周期のパルス幅をTとすると、Δt=T×Q2/(Q1+Q2)の期間だけ、パルス駆動信号Sに対してパルス検出信号Sが遅れている。一つのパルス光の飛行時間Δtは、対象物までの距離をd、光速をcとすると、Δt=2d/cで与えられる。このため、特定の画素からの距離情報を有する信号d’(m,n)として二つの電荷量(Q1,Q2)が出力されると、演算回路5は、入力された電荷量Q1,Q2と、予め判明している半周期パルス幅Tとに基づいて、対象物Hまでの距離d=(c×Δt)/2=c×T×Q2/(2×(Q1+Q2))を演算する。
【0029】
上述のように、電荷量Q1,Q2を分離して読み出せば、演算回路5は、距離dを演算することができる。なお、上述のパルスは繰り返して出射され、その積分値を各電荷量Q1,Q2として出力することができる。
【0030】
電荷量Q1,Q2の全体電荷量に対する比率は、上述の位相差、すなわち、対象物Hまでの距離に対応している。演算回路5は、この位相差に応じて対象物Hまでの距離を演算している。上述のように、位相差に対応する時間差をΔtとすると、距離dは、好適にはd=(c×Δt)/2で与えられるが、適当な補正演算をこれに加えて行ってもよい。たとえば、実際の距離と、演算された距離dとが異なる場合、後者を補正する係数βを予め求めておき、出荷後の製品では演算された距離dに係数βを乗じたものを最終的な演算距離dとしてもよい。外気温度を測定しておき、外気温度に応じて光速cが異なる場合には、光速cを補正する演算を行ってから、距離演算を行うこともできる。演算回路に入力された信号と、実際の距離との関係を予めメモリに記憶しておき、ルックアップテーブル方式によって、距離を演算してもよい。センサ構造によっても演算方法は変更することができ、これには従来から知られている演算方法を用いることができる。
【0031】
図2は、距離画像センサの断面構成を説明するための図である。
【0032】
距離画像センサ1は、表面入射型の距離画像センサであって、半導体基板1Aを備えている。距離画像センサ1には、半導体基板1Aの光入射面1FTからパルス光Lが入射する。距離画像センサ1の光入射面1FTとは逆側の裏面1BKは、接着領域ADを介して配線基板10に接続されている。接着領域ADは、絶縁性の接着剤やフィラーを有している。距離画像センサ1は、所定の位置に開口が形成された遮光層LIを備えている。遮光層LIは、光入射面1FTの前方に配置されている。
【0033】
図3は、距離画像センサの概略平面図である。
【0034】
距離画像センサ1では、半導体基板1Aが、二次元状に配列した複数の画素P(m,n)からなる撮像領域1Bを有している。各画素P(m,n)からは、上述の距離情報を有する信号d’(m,n)として二つの電荷量(Q1,Q2)が出力される。各画素P(m,n)は微小測距センサとして対象物Hまでの距離に応じた信号d’(m,n)を出力する。したがって、対象物Hからの反射光を、撮像領域1Bに結像すれば、対象物H上の各点までの距離情報の集合体としての対象物の距離画像を得ることができる。一つの画素P(m,n)は、一つの距離センサとして機能する。
【0035】
図4は、距離画像センサの画素の構成を説明するための模式図である。図5は、図4におけるV−V線に沿った断面構成を示す図である。
【0036】
距離画像センサ1は、図2にも示されているように、互いに対向する光入射面1FTと裏面1BKとを有する半導体基板1Aを備えている。半導体基板1Aは、裏面1BK側に位置するp型の第一基板領域1Aaと、光入射面1FT側に位置するp型の第二基板領域1Abと、を有する。第二基板領域1Abは、第一基板領域1Aaよりも不純物濃度が低い。半導体基板1Aは、たとえば、p型の半導体基板上に、当該半導体基板よりも不純物濃度が低いp型のエピタキシャル層を成長させることにより得ることができる。
【0037】
距離画像センサ1の各画素P(m,n)において、行方向又は列方向に隣り合う二つの画素領域PA1,PA2を含んでいる。すなわち、距離画像センサ1では、画素領域PA1に配置される第一ユニットと、画素領域PA2に配置される第二ユニットと、が行方向及び列方向に隣り合って配置されている。行方向又は列方向に隣り合って配置された第一及び第二ユニットが一画素P(m,n)を形成している。画素領域PA1,PA2は、平面視で略多角形状を呈している。本実施形態では、第一及び第二半導体領域FD1,FD2は、矩形状(詳細には、正方形状)を呈している。画素領域PA1と画素領域PA2とは、撮像領域1Bにおいて、行方向及び列方向に交互に配置されており、行方向及び列方向に連続している。
【0038】
距離画像センサ1は、画素領域PA1において、フォトゲート電極PG1と、第一ゲート電極TX1と、複数の第三ゲート電極TX3と、第一半導体領域FD1と、複数の第三半導体領域FD3と、を備えている。また、距離画像センサ1は、画素領域PA2において、フォトゲート電極PG2と、第二ゲート電極TX2と、複数の第三ゲート電極TX3と、第二半導体領域FD2と、複数の第三半導体領域FD3と、を備えている。
【0039】
フォトゲート電極PG1,PG2は、光入射面1FT上に絶縁層1Eを介して設けられており、行方向及び列方向に互いに連続して配置されている。第一〜第三ゲート電極TX1,TX2,TX3は、光入射面1FT上において絶縁層1Eを介して設けられており、フォトゲート電極PG1,PG2に隣接している。各第一〜第三半導体領域FD1,FD2,FD3は、対応するゲート電極TX1,TX2,TX3の直下の領域に流れ込む電荷を蓄積する。本実施形態の半導体基板1AはSiからなり、絶縁層1EはSiOからなる。
【0040】
遮光層LIには、画素領域PA1,PA2に対応する領域それぞれにおいて、開口LIaが形成されている。開口LIaは、行方向及び列方向に連続して遮光層LIに形成されている。光(対象物Hからの反射光)は、遮光層LIの開口LIaを通して、半導体基板1Aに入射する。したがって、開口LIaにより、半導体基板1Aには、受光領域が規定される。遮光層LIは、たとえば、アルミニウムなどの金属からなる。
【0041】
フォトゲート電極PG1は、画素領域PA1において、開口LIaに対応して配置されている。フォトゲート電極PG2は、画素領域PA2において、開口LIaに対応して配置されている。フォトゲート電極PG1,PG2は、開口LIaの形状にも対応している。フォトゲート電極PG1,PG2は、画素領域PA1,PA2の角部を除く、画素領域PA1,PA2の各辺まで外縁が延びている。フォトゲート電極PG1,PG2は、それぞれの外縁が画素領域PA1,PA2の各辺まで延びていることにより、行方向及び列方向に連続している。フォトゲート電極PG1,PG2は、各画素領域PA1,PA2において、外側の輪郭形状が略「+」形状を呈し、内側の輪郭形状が略矩形状(詳細には、正方形状)を呈している。フォトゲート電極PG1,PG2はポリシリコンからなるが、他の材料を用いてもよい。
【0042】
第一半導体領域FD1は、フォトゲート電極PG1に囲まれるようにフォトゲート電極PG1の内側に配置されている。第一半導体領域FD1は、フォトゲート電極PG1の直下の領域から空間的に離間して配置されている。すなわち、第一半導体領域FD1は、受光領域に囲まれるように受光領域の内側で且つ受光領域から空間的に離間して配置されている。
【0043】
第二半導体領域FD2は、フォトゲート電極PG2に囲まれるようにフォトゲート電極PG2の内側に配置されている。第二半導体領域FD2は、フォトゲート電極PG2の直下の領域から空間的に離間して配置されている。すなわち、第二半導体領域FD2は、受光領域に囲まれるように受光領域の内側で且つ受光領域から空間的に離間して配置されている。
【0044】
第一及び第二半導体領域FD1,FD2は、平面視で略多角形状を呈している。本実施形態では、第一及び第二半導体領域FD1,FD2は、矩形状(詳細には、正方形状)を呈している。第一及び第二半導体領域FD1,FD2は、信号電荷収集領域として機能する。第一及び第二半導体領域FD1,FD2は高不純物濃度のn型半導体からなる領域であり、フローティング・ディフュージョン領域である。
【0045】
第一ゲート電極TX1は、フォトゲート電極PG1(受光領域)と第一半導体領域FD1との間に配置されている。第一ゲート電極TX1は、第一半導体領域FD1を囲むように第一半導体領域FD1の外側に位置していると共に、フォトゲート電極PG1に囲まれるようにフォトゲート電極PG1の内側に位置している。第一ゲート電極TX1は、フォトゲート電極PG1と第一半導体領域FD1とに挟まれるように、フォトゲート電極PG1及び第一半導体領域FD1から空間的に離間して配置されている。
【0046】
第二ゲート電極TX2は、フォトゲート電極PG2(受光領域)と第二半導体領域FD2との間に配置されている。第二ゲート電極TX2は、第二半導体領域FD2を囲むように第二半導体領域FD2の外側に位置していると共に、フォトゲート電極PG2に囲まれるようにフォトゲート電極PG2の内側に位置している。第二ゲート電極TX2は、フォトゲート電極PG2と第二半導体領域FD2とに挟まれるように、フォトゲート電極PG2及び第二半導体領域FD2から空間的に離間して配置されている。
【0047】
第一及び第二ゲート電極TX1,TX2は、平面視で略多角形環状を呈している。本実施形態では、第一及び第二ゲート電極TX1,TX2は、矩形環状を呈している。第一及び第二ゲート電極TX1,TX2はポリシリコンからなるが、これらは他の材料を用いてもよい。第一及び第二ゲート電極TX1,TX2は、転送電極として機能する。
【0048】
各第三半導体領域FD3は、画素領域PA1,PA2の角部で且つフォトゲート電極PG1,PG2の外側に配置されている。第三半導体領域FD3は、フォトゲート電極PG1,PG2の直下の領域から空間的に離間して配置されている。すなわち、第三半導体領域FD3は、受光領域の外側で且つ受光領域から空間的に離間して配置されている。
【0049】
第三半導体領域FD3は、各画素領域PA1,PA2において、平面視で略多角形状を呈している。本実施形態では、第三半導体領域FD3は、略矩形状(詳細には、正方形状)を呈している。行方向及び列方向に隣り合う第三半導体領域FD3は、一体に形成されている。これにより、行方向及び列方向に隣り合う四つの画素領域PA1,PA2において、これらの画素領域PA1,PA2の中心部に位置する四つの第三半導体領域FD3は、一つの矩形状(詳細には、一つの正方形状)を呈する。第三半導体領域FD3は、不要電荷収集領域として機能する。第三半導体領域FD3は高不純物濃度のn型半導体からなる領域であり、フローティング・ディフュージョン領域である。
【0050】
第三ゲート電極TX3は、フォトゲート電極PG1,PG2(受光領域)と第三半導体領域FD3との間に配置されている。第三ゲート電極TX3は、フォトゲート電極PG1,PG2と第三半導体領域FD3とに挟まれるように、フォトゲート電極PG1,PG2及び第三半導体領域FD3から空間的に離間して配置されている。第三ゲート電極TX3はポリシリコンからなるが、これらは他の材料を用いてもよい。第三ゲート電極TX3は、不要電荷収集ゲート電極として機能する。
【0051】
第三ゲート電極TX3は、各画素領域PA1,PA2において、平面視で「L」字形状を呈している。第三ゲート電極TX3は、それぞれの端部が画素領域PA1,PA2の辺まで延びていることにより、行方向及び列方向に隣り合う第三ゲート電極TX3と連続する。すなわち、行方向及び列方向に隣り合う四つの画素領域PA1,PA2において、これらの画素領域PA1,PA2の中心部に位置する四つの第三ゲート電極TX3は、略矩形環状を呈する。全体で略矩形環状を呈する上記四つの第三ゲート電極TX3は、全体で矩形状を呈する上記四つの第三半導体領域FD3を囲むように当該四つの第三半導体領域FD3の外側に位置している。
【0052】
フォトゲート電極PG1と第一ゲート電極TX1とは、第一半導体領域FD1を中心として、第一半導体領域FD1側から第一ゲート電極TX1、フォトゲート電極PG1の順に同心状に配置されている。フォトゲート電極PG2と第二ゲート電極TX2とは、第二半導体領域FD2を中心として、第二半導体領域FD2側から第二ゲート電極TX2、フォトゲート電極PG2の順に同心状に配置されている。
【0053】
各領域の厚さ/不純物濃度は以下の通りである。
半導体基板1Aの第一基板領域1Aa:厚さ5〜700μm/不純物濃度1×1018〜1020cm−3
半導体基板1Aの第二基板領域1Ab:厚さ3〜50μm/不純物濃度1×1013〜1016cm−3
第一及び第二半導体領域FD1,FD2:厚さ0.1〜0.4μm/不純物濃度1×1018〜1020cm−3
第三半導体領域FD3:厚さ0.1〜0.4μm/不純物濃度1×1018〜1020cm−3
【0054】
絶縁層1Eには、第一〜第三半導体領域FD1,FD2,FD3の表面を露出させるためのコンタクトホール(不図示)が設けられている。コンタクトホール内には、第一〜第三半導体領域FD1,FD2,FD3を外部に接続するための導体(不図示)が配置される。
【0055】
遮光層LIは、半導体基板1Aにおける第一〜第三ゲート電極TX1,TX2,TX3及び第一〜第三半導体領域FD1,FD2,FD3が配置された領域を覆っており、当該領域に光が入射するのを防止している。これにより、上記領域に入射した光による不要電荷の発生を防止することができる。
【0056】
半導体基板1Aにおけるフォトゲート電極PG1,PG2に対応する領域(フォトゲート電極PG1,PG2の直下の領域)は、入射光に応じて電荷が発生する電荷発生領域として機能する。したがって、電荷発生領域は、フォトゲート電極PG1,PG2及び開口LIaの形状に対応している。すなわち、電荷発生領域は、各画素領域PA1,PA2において、画素領域PA1,PA2の角部を除く、画素領域PA1,PA2の各辺まで外縁が延びている。詳細には、電荷発生領域は、各画素領域PA1,PA2において、外側の輪郭形状が略「+」形状を呈し、内側の輪郭形状が略矩形状(詳細には、正方形状)を呈している。電荷発生領域は、それぞれの外縁が画素領域PA1,PA2の各辺まで延びていることにより、行方向及び列方向に連続している。
【0057】
第一ゲート電極TX1に、ハイレベルの信号(正電位)が与えられると、第一ゲート電極TX1の下のポテンシャルが半導体基板1Aにおけるフォトゲート電極PG1,PG2の直下の領域のポテンシャルに対して低くなる。これにより、負の電荷(電子)は、第一ゲート電極TX1の方向に引き込まれ、第一半導体領域FD1によって形成されるポテンシャル井戸内に蓄積される。第一ゲート電極TX1は、入力された信号に応じて、信号電荷を第一半導体領域FD1に流入させる。n型の半導体は、正にイオン化したドナーを含んでおり、正のポテンシャルを有し、電子を引き付ける。第一ゲート電極TX1に、ローレベルの信号(たとえば、グランド電位)が与えられると、第一ゲート電極TX1によるポテンシャル障壁が生じる。したがって、半導体基板1Aで発生した電荷は、第一半導体領域FD1内には引き込まれない。
【0058】
第二ゲート電極TX2に、ハイレベルの信号(正電位)が与えられると、第二ゲート電極TX2の下のポテンシャルが半導体基板1Aにおけるフォトゲート電極PG1,PG2の直下の領域のポテンシャルに対して低くなる。これにより、負の電荷(電子)は、第二ゲート電極TX2の方向に引き込まれ、第二半導体領域FD2によって形成されるポテンシャル井戸内に蓄積される。第二ゲート電極TX2は、入力された信号に応じて、信号電荷を第二半導体領域FD2に流入させる。第二ゲート電極TX2に、ローレベルの信号(たとえば、グランド電位)が与えられると、第二ゲート電極TX2によるポテンシャル障壁が生じる。したがって、半導体基板1Aで発生した電荷は、第二半導体領域FD2内には引き込まれない。
【0059】
第三ゲート電極TX3に、ハイレベルの信号(正電位)が与えられると、第三ゲート電極TX3の直下の領域のポテンシャルが半導体基板1Aにおけるフォトゲート電極PG1,PG2の直下の領域のポテンシャルに対して低くなる。これにより、負の電荷(電子)は第三ゲート電極TX3の方向に引き込まれ、第三半導体領域FD3によって形成されるポテンシャル井戸内に蓄積される。第三ゲート電極TX3に、ローレベルの信号(たとえば、グランド電位)が与えられると、第三ゲート電極TX3によるポテンシャル障壁が生じる。したがって、半導体基板1Aで発生した電荷は、第三半導体領域FD3内には引き込まれない。第三半導体領域FD3は、光の入射に応じて電荷発生領域で発生した電荷のうち一部の電荷を、不要電荷として収集する。
【0060】
距離画像センサ1では、投光用の光の入射に応答して半導体深部で発生した電荷を、光入射面1FT側に設けられたポテンシャル井戸に引き込み、高速で正確な測距が可能としている。
【0061】
半導体基板1Aの光入射面1FTから入射した対象物からのパルス光Lは、半導体基板1Aの表面側に設けられた受光領域(電荷発生領域)に至る。パルス光の入射に伴って半導体基板1A内で発生した電荷は、各電荷発生領域(フォトゲート電極PG1,PG2の直下の各領域)から、対応する電荷発生領域に隣接する第一又は第二ゲート電極TX1,TX2の直下の領域に送られる。すなわち、第一及び第二ゲート電極TX1,TX2に光源のパルス駆動信号Sに同期した検出用ゲート信号S,Sを、配線基板10を介して、交互に与えると、各電荷発生領域で発生した電荷が、それぞれ第一又は第二ゲート電極TX1,TX2の直下の領域に流れ、これらから第一又は第二半導体領域FD1,FD2に流れ込む。
【0062】
第一半導体領域FD1又は第二半導体領域FD2内に蓄積された電荷量Q1,Q2の全体電荷量(Q1+Q2)に対する比率は、パルス駆動信号Sを光源に与えることによって出射された出射パルス光と、対象物Hによって出射パルス光が反射されることによって戻ってきた検出パルス光の位相差に対応する。
【0063】
距離画像センサ1は、図示は省略するが、半導体基板1Aの電位を基準電位に固定するためのバックゲート半導体領域を備えている。
【0064】
図6及び図7は、電荷の蓄積動作を説明するための、半導体基板1Aの光入射面1FT近傍におけるポテンシャル分布を示す図である。図8は、電荷の蓄積動作を説明するための、半導体基板1Aの光入射面1FT近傍におけるポテンシャル分布を示す図である。図6図8では、下向きがポテンシャルの正方向である。図6図8は、図4のV−V線に沿ったポテンシャル分布を示す。
【0065】
光入射時において、フォトゲート電極PG1,PG2に与えられる電位(たとえば、第一及び第二ゲート電極TX1,TX2に与えられる高い方の電位と低い方の電位の中間の電位)により、フォトゲート電極PG1,PG2の直下の領域のポテンシャルφPG1,φPG2は、基板電位よりも若干高く設定されている。各図には、第一ゲート電極TX1の直下の領域のポテンシャルφTX1、第二ゲート電極TX2の直下の領域のポテンシャルφTX2、第三ゲート電極TX3の直下の領域のポテンシャルφTX3、第一半導体領域FD1のポテンシャルφFD1、第二半導体領域FD2のポテンシャルφFD2、及び、第三半導体領域FD3のポテンシャルφFD3が示されている。
【0066】
検出用ゲート信号Sの高電位が、第一ゲート電極TX1に入力されると、図6に示されるように、主としてフォトゲート電極PG1の直下で発生した電荷は、ポテンシャル勾配にしたがって、第一ゲート電極TX1の直下の領域を介して、第一半導体領域FD1のポテンシャル井戸内に蓄積される。第一半導体領域FD1のポテンシャル井戸内には電荷量Q1が蓄積される。第二ゲート電極TX2には、ローレベルの電位(たとえば、グランド電位)が与えられる。このため、第二ゲート電極TX2の直下の領域のポテンシャルφTX2は下がらず、第二半導体領域FD2のポテンシャル井戸内には、電荷は流れ込まない。
【0067】
検出用ゲート信号Sに続いて、検出用ゲート信号Sの高電位が、第二ゲート電極TX2に入力されると、図7に示されるように、主としてフォトゲート電極PG2の直下で発生した電荷は、ポテンシャル勾配にしたがって、第二ゲート電極TX2の直下の領域を介して、第二半導体領域FD2のポテンシャル井戸内に蓄積される。第二半導体領域FD2のポテンシャル井戸内には電荷量Q2が蓄積される。第一ゲート電極TX1には、ローレベルの電位(たとえば、グランド電位)が与えられる。このため、第一ゲート電極TX1の直下の領域のポテンシャルφTX1は下がらず、第一半導体領域FD1のポテンシャル井戸内には、電荷は流れ込まない。
【0068】
第一ゲート電極TX1に検出用ゲート信号Sが印加されている間、及び、第二ゲート電極TX2に検出用ゲート信号Sが印加されている間、第三ゲート電極TX3には、ローレベルの電位(たとえば、グランド電位)が与えられている。このため、第三ゲート電極TX3の直下の領域のポテンシャルφTX3は下がらず、第三半導体領域FD3のポテンシャル井戸内には、電荷は流れ込まない。
【0069】
第三ゲート電極TX3に正の電位が与えられると、図8に示されるように、電荷発生領域(フォトゲート電極PG1,PG2の直下の領域)で発生した電荷は、第三ゲート電極TX3の直下の領域のポテンシャルφTX3が下がることにより、第三半導体領域FD3のポテンシャル井戸内に流れ込む。これにより、電荷発生領域にて発生した電荷が、不要電荷として第三半導体領域FD3のポテンシャル井戸に蓄積される。第三半導体領域FD3のポテンシャル井戸に蓄積された不要電荷は、外部に排出される。第三ゲート電極TX3に正の電位が与えられる間、第一及び第二ゲート電極TX1,TX2には、ローレベルの電位が与えられる。このため、第一及び第二ゲート電極TX1,TX2の直下の領域のポテンシャルφTX1,φTX2は下がらず、第一及び第二半導体領域FD1,FD2のポテンシャル井戸内には、電荷は流れ込まない。
【0070】
図9は、画素の構成を説明するための模式図である。
【0071】
第一ゲート電極TX1には、電荷転送信号として検出用ゲート信号Sが与えられる。第二ゲート電極TX2には、電荷転送信号として検出用ゲート信号Sが与えられる。すなわち、第一ゲート電極TX1と、第二ゲート電極TX2とには、異なる位相の電荷転送信号が与えられる。第三ゲート電極TX3には、電荷転送信号Sが与えられる。
【0072】
電荷発生領域(主としてフォトゲート電極PG1の直下の領域)において発生した電荷は、第一ゲート電極TX1にハイレベルの検出用ゲート信号Sが与えられている場合には、第一半導体領域FD1によって構成されるポテンシャル井戸に信号電荷として流れ込む。第一半導体領域FD1に蓄積された信号電荷は、蓄積された電荷量Qに対応した出力(Vout1)として第一半導体領域FD1から読み出される。電荷発生領域(主としてフォトゲート電極PG2の直下の領域)において発生した電荷は、第二ゲート電極TX2にハイレベルの検出用ゲート信号Sが与えられている場合には、第二半導体領域FD2によって構成されるポテンシャル井戸に信号電荷として流れ込む。第二半導体領域FD2に蓄積された信号電荷は、蓄積された電荷量Qに対応した出力(Vout2)として第二半導体領域FD2から読み出される。これらの出力(Vout1,Vout2)は、上述した信号d’(m,n)に相当する。
【0073】
図10は、実際の各種信号のタイミングチャートである。
【0074】
1フレームの期間は、信号電荷を蓄積する期間(蓄積期間)と、信号電荷を読み出す期間(読み出し期間)と、からなる。一つの画素に着目すると、蓄積期間において、パルス駆動信号Sに基づいた信号が光源に印加され、これに同期して、検出用ゲート信号S第一ゲート電極TX1に印加される。そして、検出用ゲート信号Sが、検出用ゲート信号Sに所定の位相差(たとえば、180度の位相差)で第二ゲート電極TX2に印加される。なお、距離測定に先立って、リセット信号が第一及び第二半導体領域FD1,FD2に印加され、内部に蓄積された電荷が外部に排出される。リセット信号が一瞬ONし、続いてOFFした後、検出用ゲート信号S,Sのパルスが第一及び第二ゲート電極TX1,TX2に逐次印加され、更に、これに同期して電荷転送が逐次的に行われる。そして、第一及び第二半導体領域FD1,FD2内に信号電荷が積算して蓄積される。
【0075】
その後、読み出し期間において、第一及び第二半導体領域FD1,FD2内に蓄積された信号電荷が読み出される。このとき、第三ゲート電極TX3に印加される電荷転送信号Sがハイレベルとなり、第三ゲート電極TX3に正の電位が与えられ、不要電荷が第三半導体領域FD3のポテンシャル井戸に収集される。第一及び第二ゲート電極TX1,TX2に印加される検出用ゲート信号S,Sが共にローレベルの際に、第三ゲート電極TX3に印加される電荷転送信号Sがハイレベルとされる。
【0076】
フォトゲート電極PG1,PG2に与えられる電位VPGは、電位VTX1,VTX2,VTX31,VTX32より低く設定されている。これにより、検出用ゲート信号S,Sがハイレベルとなった際に、ポテンシャルφTX1,φTX2はポテンシャルφPG1,φPG2よりも低くなる。電荷転送信号Sがハイレベルとなった際に、ポテンシャルφTX3はポテンシャルφPG1,φPG2よりも低くなる。
【0077】
電位VPGは、検出用ゲート信号S,S及び電荷転送信号Sがローレベルであるときの電位より高く設定されている。検出用ゲート信号S,Sがローレベルとなった際に、ポテンシャルφTX1,φTX2はポテンシャルφPG1,φPG2よりも高くなる。また、電荷転送信号Sがローレベルとなった際に、ポテンシャルφTX3はポテンシャルφPG1,φPG2よりも高くなる。
【0078】
以上のように、本実施形態では、電荷発生領域(フォトゲート電極PG1,PG2の直下の領域)の外縁が、画素領域PA1,PA2の角部を除く画素領域PA1,PA2の各辺まで延びているため、電荷発生領域の面積が拡大する。これにより、開口率を向上することができる。
【0079】
画素領域PA1,PA2の角部にまで電荷発生領域が伸びていると、電荷発生領域における画素領域PA1,PA2の角部に対応する領域で発生した電荷は、画素領域PA1,PA2の中央部に配置されている第一及び第二半導体領域FD1,FD2までの移動距離が長い。このため、上記角部に対応した領域で発生した電荷の第一及び第二半導体領域FD1,FD2への転送時間が長くなり、信号電荷の第一及び第二半導体領域FD1,FD2への転送効率が悪化する。これに対して、本実施形態では、上述したように、画素領域PA1,PA2の角部には、電荷発生領域が配置されていないので、移動距離が長くなる領域から信号電荷が転送されることはない。このため、信号電荷の第一及び第二半導体領域FD1,FD2への転送効率が向上する。
【0080】
第三半導体領域FD3は、電荷発生領域が配置されない、画素領域PA1,PA2の角部に配置されている。このため、開口率と電荷の転送効率との向上を阻害することなく、第三半導体領域FD3を配置することができる。
【0081】
これらにより、本実施形態に係る距離画像センサ1によれば、距離検出精度を向上できる。
【0082】
ところで、本実施形態では、第一及び第二半導体領域FD1,FD2は、フォトゲート電極PG1,PG2の内側に位置しており、第一及び第二半導体領域FD1,FD2の面積がフォトゲート電極PG1,PG2の面積に比して小さく設定されている。このため、フォトゲート電極PG1,PG2の直下の領域(電荷発生領域)における第一及び第二半導体領域FD1,FD2に電荷を転送可能な領域の面積に対し、第一及び第二半導体領域FD1,FD2の面積が相対的に大きく低減される。第一及び第二半導体領域FD1,FD2に転送されて、蓄積された電荷(電荷量Q1,Q2)は、第一及び第二半導体領域FD1,FD2の静電容量(Cfd)により、下記関係式で示される電圧変化(ΔV)をそれぞれ発生させる。
ΔV=Q1/Cfd
ΔV=Q2/Cfd
したがって、第一及び第二半導体領域FD1,FD2の面積が低減されると、第一及び第二半導体領域FD1,FD2の静電容量(Cfd)も低減され、発生する電圧変化(ΔV)が大きくなる。すなわち、電荷電圧変換ゲインが高くなる。この結果、距離画像センサ1の高感度化を図ることができる。
【0083】
第一ゲート電極TX1は、第一半導体領域FD1の全周を囲んでいる。第二ゲート電極TX2は、第二半導体領域FD2の全周を囲んでいる。このため、信号電荷は、第一及び第二半導体領域FD1,FD2の全方位から第一及び第二半導体領域FD1,FD2に収集される。この結果、撮像領域の面積効率(開口率)を高めることができる。
【0084】
本実施形態では、複数の画素領域PA1,PA2の電荷発生領域同士が、一体的に形成され、複数の画素領域PA1,PA2のフォトゲート電極PG1,PG2同士が、一体的に形成されている。これにより、センサ面積の利用効率を高めることができる。また、複数の画素領域PA1,PA2の第三半導体領域FD3同士が、一体的に形成されている。これによっても、センサ面積の利用効率を高めることができる。
【0085】
続いて、図11図17を参照して、本実施形態の変形例に係る距離画像センサ1の構成を説明する。
【0086】
図11に示された変形例では、一つの画素領域PA1に配置される第一ユニットが一画素P(m,n)を構成している点が、上述した実施形態と相違する。図11は、変形例に係る距離画像センサの画素の構成を説明するための模式図である。
【0087】
本変形例の距離画像センサは、各画素P(m,n)において、フォトゲート電極PG1と、第一ゲート電極TX1と、複数の第三ゲート電極TX3と、第一半導体領域FD1と、第三半導体領域FD3と、を備えている。各画素P(m,n)を構成する一つの画素領域PA1の構成は、上述した実施形態の画素領域PA1の構成と同じである。
【0088】
各画素領域PA1のフォトゲート電極PG1は、それぞれの外縁が画素領域PA1の各辺まで延びていることにより、行方向及び列方向に連続している。各画素領域PA1の第三半導体領域FD3は、行方向及び列方向に隣り合う第三半導体領域FD3同士と一体に形成されている。これにより、行方向及び列方向に隣り合う四つの画素領域PA1において、これらの画素領域PA1の中心部に位置する四つの第三半導体領域FD3は、矩形状(詳細には、正方形状)を呈する。各画素領域PA1の第三ゲート電極TX3は、それぞれの端部が画素領域PA1の辺まで延びていることにより、行方向及び列方向に連続している。行方向及び列方向に隣り合う四つの画素領域PA1において、これらの画素領域PA1の中心部に位置する四つの第三ゲート電極TX3は、略矩形環状を呈する。
【0089】
図12は、図11に示される変形例における、各種信号のタイミングチャートである。図12に示されるように、第一ゲート電極TX1に印加される検出用ゲート信号Sは、所定のタイミンクで間欠的に位相シフトが与えられている。本変形例では、検出用ゲート信号Sは、180度のタイミングで180度の位相シフトが与えられている。検出用ゲート信号Sは、0度のタイミングでパルス駆動信号Sに同期し、180度のタイミングでパルス駆動信号Sに180度の位相差を有している。検出用ゲート信号Sと電荷転送信号Sとは、逆の位相である。
【0090】
本変形例では、0度のタイミングで第一半導体領域FD1に蓄積された信号電荷が、出力(Vout1)として第一半導体領域FD1から読み出され、180度のタイミングで第一半導体領域FD1に蓄積された信号電荷が、出力(Vout2)として第一半導体領域FD1から読み出される。これらの出力(Vout1,Vout2)は、上述した信号d’(m,n)に相当する。フォトゲート電極PG1(フォトゲート電極PG1の直下の電荷発生領域)を含む一つの画素領域PA1が一画素に対応し、同一画素からの出力に基づいて距離が演算される。このため、複数の画素領域PA1,PA2が一画素に対応する構成に比して、距離演算のばらつきを低減できる。また、センサ面積の利用効率を高めることができ、空間解像度を向上できる。
【0091】
検出用ゲート信号Sは、90度のタイミングで90度の位相シフトが与えられ、180度のタイミングで180度の位相シフトが与えられ、270度のタイミングで270度の位相シフトが与えられていてもよい。この場合、0度、90度、180度、及び270度のタイミングで第一半導体領域FD1に蓄積された信号電荷が、出力として第一半導体領域FD1から読み出され、これらの出力に基づいて距離が演算される。
【0092】
図13に示された変形例では、読出回路RCが配置される領域REが設定されている点が、上述した実施形態と相違する。図13は、変形例に係る距離画像センサの画素の構成を説明するための模式図である。
【0093】
読出回路RCが配置される領域REが、画素領域PA1,PA2毎に設定されている。読出回路RCは、対応する画素領域PA1,PA2の第一又は第二半導体領域FD1,FD2に蓄積された電荷量に対応する信号を読み出す。読出回路RCは、フローティングディフュージョンアンプ(FDA:Floating Diffusion Amplifier)などから構成される。領域REは、各画素領域PA1,PA2の一辺に沿って、対応する画素領域PA1,PA2の外側に位置している。本変形例では、領域REは、各画素領域PA1,PA2の行方向に延びる一辺に沿って位置しており、列方向に隣り合う画素領域PA1,PA2の間に位置する。
【0094】
本変形例では、画素領域PA1に配置される第三ゲート電極TX3と、画素領域PA2に配置される第三ゲート電極TX3と、が空間的に離間している。第三ゲート電極TX3には、電荷転送信号S31が与えられ、第三ゲート電極TX3には、電荷転送信号S32が与えられる。
【0095】
図14は、図13に示される変形例における、各種信号のタイミングチャートである。
【0096】
第一ゲート電極TX1に検出用ゲート信号Sが印加されている間、第三ゲート電極TX3には、ローレベルの電位(たとえば、グランド電位)が与えられている。このため、第三ゲート電極TX3の直下の領域のポテンシャルφTX31は下がらず、第三半導体領域FD3のポテンシャル井戸内には、電荷は流れ込まない。第二ゲート電極TX2に検出用ゲート信号Sが印加されている間、第三ゲート電極TX3には、ローレベルの電位(たとえば、グランド電位)が与えられている。このため、第三ゲート電極TX3の直下の領域のポテンシャルφTX32は下がらず、第三半導体領域FD3のポテンシャル井戸内には、電荷は流れ込まない。
【0097】
第三ゲート電極TX3,TX3に印加される電荷転送信号S31,S32がハイレベルとなり、第三ゲート電極TX3,TX3に正の電位が与えられ、不要電荷が第三半導体領域FD3のポテンシャル井戸に収集される。検出用ゲート信号Sと電荷転送信号S31とは、逆の位相である。検出用ゲート信号Sと電荷転送信号S32とは、逆の位相である。
【0098】
本変形例によれば、開口率と電荷の転送効率との向上を阻害することなく、読出回路RCを配置することができる。領域REは、各画素領域PA1,PA2の列方向に延びる一辺に沿って位置していてもよい。この場合、領域REは、行方向に隣り合う画素領域PA1,PA2の間に位置する。
【0099】
図15に示された変形例では、読出回路RCが配置される領域REが設定されている点が、図11に示された変形例と相違する。図15は、変形例に係る距離画像センサの画素の構成を説明するための模式図である。
【0100】
本変形例においても、図13に示された変形例と同じく、領域REは、各画素領域PA1,PA2の行方向に延びる一辺に沿って位置しており、列方向に隣り合う画素領域PA1,PA2の間に位置する。領域REは、各画素領域PA1,PA2の列方向に延びる一辺に沿って位置していてもよい。
【0101】
図16に示された変形例では、領域REの位置が、図13に示された変形例と相違する。図16は、変形例に係る距離画像センサの画素の構成を説明するための模式図である。
【0102】
読出回路RCが配置される領域REが、各画素領域PA1,PA2の一つの角部に位置している。すなわち、領域REが位置する角部には、第三ゲート電極TX3,TX3及び第三半導体領域FD3が配置されない。領域REは、各画素領域PA1,PA2内に設定されている。
【0103】
本変形例によっても、開口率と電荷の転送効率との向上を阻害することなく、読出回路RCを配置することができる。領域REは、各画素領域PA1,PA2の他の角部に位置していてもよい。
【0104】
図17に示された変形例では、領域REの位置が、図15に示された変形例と相違する。図17は、変形例に係る距離画像センサの画素の構成を説明するための模式図である。
【0105】
読出回路RCが配置される領域REが、各画素領域PA1,PA2の一つの角部に位置している。すなわち、領域REが位置する角部には、第三ゲート電極TX3,TX3及び第三半導体領域FD3が配置されない。領域REは、各画素領域PA1,PA2内に設定されている。
【0106】
本変形例によっても、開口率と電荷の転送効率との向上を阻害することなく、読出回路RCを配置することができる。領域REは、各画素領域PA1,PA2の他の角部に位置していてもよい。
【0107】
以上、本発明の好適な実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0108】
画素領域PA1,PA2の形状は、矩形状(正方形状)に限られない。画素領域PA1,PA2の形状は、たとえば、三角形状、又は、五以上の多角形状でもよい。
【0109】
距離画像センサ1は、表面入射型の距離画像センサに限られない。距離画像センサ1は、裏面照射型の距離画像センサであってもよい。
【0110】
入射光に応じて電荷が発生する電荷発生領域をフォトダイオード(たとえば、埋め込み型のフォトダイオードなど)により構成してもよい。距離画像センサ1は、画素P(m,n)が2次元状に配置されたものに限られることなく、画素P(m,n)が1次元状に配置されたものであってもよい。
【0111】
本実施形態に係る距離画像センサ1におけるp型及びn型の各導電型は、上述したものとは逆になるよう入れ替えられていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0112】
本発明は、工場の製造ラインにおける製品モニタ、又は、車両などに搭載される距離センサ及び距離画像センサに利用できる。
【符号の説明】
【0113】
1…距離画像センサ、1A…半導体基板、1B…撮像領域、FD1…第一半導体領域、FD2…第二半導体領域、FD3…第三半導体領域、P…画素、PA1,PA2…画素領域、PG1,PG2…フォトゲート電極、RC…読出回路、RE…読出回路が配置される領域、TX1…第一ゲート電極、TX2…第二ゲート電極、TX3,TX3,TX3…第三ゲート電極。
図1
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