(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照しながら本発明の一実施形態について説明する。なお、以下の説明中の方向は図中の矢印方向を基準としている。
図1に示す車両用シート10は、車両床面に対して直接又は間接的に取り付けられるシートクッション11と、シートクッション11の後部に対して回転可能に接続したシートバック(図示略)とを備えるリクライニングシートである。車両用シート10のシートクッション11の下面の前端部にはオットマン装置が取り付けてある。このオットマン装置は、一部の部品を交換することによりマニュアル式オットマン装置13とパワー式オットマン装置70の二態様で実施可能である。以下の説明では、まずマニュアル式オットマン装置13について説明し、次いでパワー式オットマン装置70について説明する。
【0019】
オットマン装置13は以下に説明する構造である。
オットマン装置13は左右一対の固定部14A、14Bを具備している。左右の固定部14A、14Bに形成した円形孔には、左右方向に延びる円柱形状の連結軸16の両端部がそれぞれ回転可能に嵌合している。連結軸16の2カ所には、断面形状がコ字形状をなす固定部側上部リンク17の左右両側壁に形成した結合用凹部17aがそれぞれ固定状態で嵌合している。また左右の固定部14A、14Bには、左右一対の固定部側下部リンク18の一方の端部が左右方向に伸びる一対の回転接続ピン20によってそれぞれ回転可能に接続している。図示するように固定部側上部リンク17と固定部側下部リンク18は側面視においてほぼ平行であり、側面視における固定部側下部リンク18の長さは固定部側上部リンク17のほぼ半分である。固定部側上部リンク17の両側壁の中間部と左右の固定部側下部リンク18の他方の端部には、固定部側上部リンク17及び固定部側下部リンク18と異なる方向に伸びる左右一対のオットマン側後部リンク21の中間部と一方の端部がそれぞれ、共に左右方向に延びかつ左右一対の回転接続ピン22、23によって回転可能に接続してある。固定部側上部リンク17の両側壁の他方の端部には、オットマン側後部リンク21とほぼ平行なオットマン側前部リンク24の左右両側壁の一方の端部がそれぞれ、左右方向に延びる左右一対の回転接続ピン25によって回転可能に接続してある。
連結軸16、固定部側上部リンク17、固定部側下部リンク18、回転接続ピン20、オットマン側後部リンク21、回転接続ピン22、23、オットマン側前部リンク24、回転接続ピン25がリンク機構からなるオットマン変位機構15の構成要素である(左側の固定部側下部リンク18、オットマン側後部リンク21と右側の固定部側上部リンク17、オットマン側後部リンク21は互いに同期しながら回転する)。オットマン変位機構15は、
図1、
図2に示す短縮状態、
図3、
図4に示す最大展開状態、及び、短縮状態と最大展開状態の間の各状態に変形可能である。
【0020】
オットマン変位機構15の左右のオットマン側後部リンク21及びオットマン側前部リンク24の前端部にはオットマン32が取り付けてある。オットマン32は、左右方向に長い矩形形状のベース板33と、ベース板33の表面及び周面に固着したクッション35(
図1、
図2の仮想線参照)と、を具備している。
ベース板33の左右両側壁には、オットマン側前部リンク24の左右両側壁の端部が左右方向に延びる左右一対の回転接続ピン37によって回転可能に接続してある。またベース板33の左右両側壁には、左右のオットマン側後部リンク21の端部が左右方向に延びる左右一対の回転接続軸39によって回転可能に接続してある。このようにオットマン32はオットマン変位機構15(オットマン側後部リンク21、オットマン側前部リンク24)に回転可能に支持されているので、オットマン変位機構15の短縮動作及び展開動作に連動して固定部14A、14Bに対する前後方向距離を変化させる。即ち、オットマン変位機構15が上記短縮状態にあるときオットマン32は
図1、
図2に示す格納位置に位置し、短縮状態にあるオットマン変位機構15が前方に向かって伸張するとオットマン3
2は使用領域(格納位置より前方の領域)に移動する。そしてオットマン変位機構15が前方に向かって最大限伸張したときに、オットマン32は
図3、
図4、
図6に示す前端位置(使用領域の前端位置)に位置する。
【0021】
右側の固定部14Aの内側面にはロック手段40が取り付けてある。このロック手段40は、シートクッション11とシートバックの回転接続部にも適用可能な周知のものである。そのためロック手段40の詳細な説明は省略するが、その構造を簡単に説明すると、大きな構成要素としてベースプレート41(第1回転部材)、ギヤプレート42(第2回転部材)、回転中心軸43(回転軸)、可動ロック部材44、及び、バネを具備している。円盤状のベースプレート41は、その右側面に形成した凸部を固定部14Aに形成した結合孔14A1に嵌合することにより、固定部14Aに対して固定してある。ベースプレート41の左側面に形成された円形凹部(環状壁によって囲まれた空間)には、ベースプレート41より小径の円盤状部材であるギヤプレート42が相対回転可能に嵌合しており、ベースプレート41及びギヤプレート42の外周部は互いに径方向に対向する径方向対向部41a、42bとなっている。ギヤプレート42の内周面全体には、(数十個又は100個以上の多数のギヤ歯を周方向に並べた構造である)内歯ギヤ42aが形成してある。ベースプレート41とギヤプレート42の中心部には、左右方向に延びかつ該中心部を貫通する回転中心軸43が相対回転可能に支持してある。ベースプレート41の上記円形凹部には、ベースプレート41に対して相対回転不能かつ径方向に相対移動可能な可動ロック部材44が配設してある。可動ロック部材44は外歯ギヤ44a(ギヤプレート42の内歯ギヤ42aより少ない数のギヤ歯を有する)を具備している。可動ロック部材44は、回転中心軸43の回転動作に連動して、外歯ギヤ44aがギヤプレート42の内歯ギヤ42aと噛合するロック位置と、内歯ギヤ42aから内周側に離間するアンロック位置との間を、ベースプレート41に対して径方向に相対移動可能であり、図示を省略したバネの付勢力によってロック位置側に付勢されている。従って、可動ロック部材44がロック位置に位置するときは、ベースプレート41とギヤプレート42は相対回転不能であるが、バネの付勢力に抗して回転中心軸43を一方向に回転させると可動ロック部材44がアンロック位置に移動するので、ベースプレート41とギヤプレート42が相対回転可能になる。
固定部14Aの右側には、その一端部(基端部)を回転中心軸43の右端部に固定した回転レバー45が配設してあり、回転レバー45の他端部(先端部)には操作ワイヤ46の一端が接続している。操作ワイヤ46の他端には図示を省略した操作ノブ(手動操作手段)が取り付けてある。操作ノブを操作しないとき(初期位置に位置するとき)ロック手段40は上記バネの付勢力によってロック状態に保持され(可動ロック部材44がロック位置に位置する)、上記バネの付勢力に抗して操作ノブを操作すると(操作位置に移動させると)ロック手段40はアンロック状態になる(可動ロック部材44がアンロック位置に位置する)。
【0022】
ギヤプレート42の左側面にはロック手段側リンク機構48が連係している。ロック手段側リンク機構48は、ブラケット49(第1リンク50)、第2リンク51、連結ピン52(第1接続部)、第3リンク53(結合用凹部54)、及び、連結ピン55(第2接続部)を具備するものである。
ギヤプレート42の左側面に固定したブラケット49(固定部材)には第1リンク50が一体的に突設してある。
図7に示すように第1リンク50は、ブラケット49に比べて一段右側に位置している。第1リンク50の先端部の右側には、直線的に延びる板状の第2リンク51の一端部が位置しており(第1リンク50と第2リンク51の対向面どうしが回転可能に接触している)、第1リンク50の先端部と第2リンク51の一端部は左右方向に延びる連結ピン52(荷重入力部)によって回転可能に接続してある。
図7に示すように、左右方向(ロック手段側リンク機構48の伸縮方向に対する直交方向。即ち、回転中心軸43の軸線方向)に関して、連結ピン52全体がロック手段40に対してオーバーラップしており(連結ピン52とロック手段40の間には左右方向の位置ズレがなく)、かつ、連結ピン52の一部が径方向対向部41a、42bと左右方向にオーバーラップしている。第2リンク51の他端部の左側には、左右方向位置が第1リンク50と一致している板状の第3リンク53の一端部が位置しており(第3リンク53と第2リンク51の対向面どうしが回転可能に接触している)、第2リンク51の他端部と第3リンク53の一端部は左右方向に延びる連結ピン55によって回転可能に接続してある。第3リンク53には結合用凹部54が凹設してあり、結合用凹部54は連結軸16に嵌合固定してある(
図6参照)。
このようにロック手段側リンク機構48はロック手段40を介して固定部14Aとオットマン変位機構15(連結軸16)を連係しているので、ロック手段側リンク機構48の動きはオットマン変位機構15の動きと連係する。即ち、オットマン変位機構15が
図1、
図2に示す短縮状態にあるときロック手段側リンク機構48は
図2に示す折畳状態となり、オットマン変位機構15が
図3、
図4に示す最大展開状態にあるときロック手段側リンク機構48は
図4に示す最大伸張状態となる。ただし、ロック手段側リンク機構48はオットマン変位機構15の動き(連結軸16の回転)に追従するだけであり、ロック手段側リンク機構48側からオットマン変位機構15(連結軸16)へ回転力を伝達することはない。
またロック手段40がロック状態にあるとき(可動ロック部材44がロック位置に位置するとき)ロック手段側リンク機構48は動作不能となり、ロック手段側リンク機構48と連係しているオットマン変位機構15も動作不能になる。そのためロック手段40をロック状態にすることにより、オットマン変位機構15の状態及びオットマン32の位置を保持できる。
【0023】
左側の固定部14Bの内側面と連結軸16の間には、第1リンク58、連結ピン59、第2リンク60、連結ピン61、第3リンク62、及び、連結ピン64を具備するバネ手段側リンク機構57が設けてある。
板状の第1リンク58の一端部は、左右方向に延びる連結ピン59によって、固定部14Bの内側面に対して回転可能に取り付けてある。第1リンク58の他端部の右側には、板状の第2リンク60の一端部が位置しており、第1リンク58の他端部と第2リンク60の一端部は左右方向に延びる連結ピン61によって回転可能に接続してある。第2リンク60の他端部の左側には、第3リンク53とほぼ同じ形状である第3リンク62の一端部が位置しており、第2リンク60の他端部と第3リンク62の一端部は左右方向に延びる連結ピン64によって回転可能に接続してある。第3リンク62の結合用凹部63は、連結軸16の軸線方向の左端部近傍に嵌合固定してある(
図6参照)。
バネ手段側リンク機構57はロック手段側リンク機構48と実質的に同期しながら動作する。即ち、第1リンク58は第1リンク50と実質的に同期しながら回転し、第2リンク60は第2リンク51と実質的に同期しながら回転し、第3リンク62は第3リンク53と実質的に同期しながら回転する。そのためオットマン変位機構15が
図1、
図2に示す短縮状態にあるときバネ手段側リンク機構57は
図1に示す折畳状態となり、オットマン変位機構15が
図3、
図4に示す最大展開状態にあるときバネ手段側リンク機構57は
図3に示す最大伸張状態となる。
【0024】
固定部14Bの内側面には取付用ブラケット66が固定してあり、取付用ブラケット66にはゼンマイ式(渦巻き状)のバネ手段67(付勢手段)の一端部(内周側端部)が固定してある。さらにバネ手段67の他端部(外周側端部)は連結ピン61の右側端部に固定してある。
図2、
図4に示すようにバネ手段側リンク機構57(及び、オットマン変位機構15、ロック手段側リンク機構48)がいかなる状態にあるときも、側面視において連結ピン59はバネ手段側リンク機構57の中心部に位置する(
図2、
図4参照)。
バネ手段67は自由状態から縮径方向に弾性変形可能であり、縮径方向への弾性変形状態を解除すると自由状態に戻ろうとし、このときに回転付勢力を発生する。バネ手段67が縮径状態から自由状態へ戻ることにより発生する回転付勢力の方向は
図2、
図4の時計方向であるため、ロック手段40がアンロック状態になると(可動ロック部材44がアンロック位置に位置すると)、バネ手段67の回転付勢力によってバネ手段側リンク機構57は最大伸張状態側に変形する。またバネ手段67の弾性変形量(回転付勢力)は、バネ手段側リンク機構57が
図1、
図2に示す折畳状態にあるとき(オットマン変位機構15が短縮状態にあるとき)が最も大きく、オットマン変位機構15が伸張するにつれて徐々に小さくなり、バネ手段側リンク機構57が
図3、
図4に示す最大伸張状態になったとき(オットマン変位機構15が最大展開状態になったとき)に最も小さくなる。
【0025】
バネ手段側リンク機構57が
図1、
図2に示す折畳状態にあるとき、第1リンク58、第2リンク60、及び、第3リンク62の位置関係は
図8に示すようになる。L1は連結ピン59と連結ピン61を結ぶ直線、L2は連結ピン61と連結ピン64を結ぶ直線、L3は連結ピン64と連結軸16を結ぶ直線である。P1は第1リンク58の移動力(L1に直交する方向の回転力)、P2は第2リンク60の移動力(L2の延長方向の移動力)、P3は第3リンク62の移動力(L3に直交する方向の回転力)である。また、このときのL1とL2がなす角度θ1は鋭角であり、L2とL3がなす角度θ2は鋭角である。
バネ手段67の回転付勢力によって第1リンク58が移動力P1を発生すると、P2=P1・cos(90°−θ1)はP1に比べてかなり小さくなる。またP3=P2・cos(90°−θ2)なので、P3はP2に比べてかなり小さくなる。従って、バネ手段67の回転付勢力は、当該回転付勢力より極めて小さい力P3となって第3リンク62に伝わるので、バネ手段側リンク機構57が
図1、
図2に示す折畳状態にあるとき(オットマン32が格納位置に位置するとき)のバネ手段側リンク機構57による当該回転付勢力のオットマン変位機構15(連結軸16)への伝達効率は最も小さくなる。
一方、バネ手段側リンク機構57が
図3、
図4に示す最大伸張状態にあるとき、第1リンク58、第2リンク60、及び、第3リンク62の位置関係は
図9に示すようになる。P1’は第1リンク58の移動力(L1に直交する方向の回転力)、P2’は第2リンク60の移動力(L2の延長方向の移動力)、P3’は第3リンク62の移動力(L3に直交する方向の回転力)である。また、このときのL1とL2がなす角度θ1’は90°より僅かに小さい鋭角であり、L2とL3がなす角度θ2’は90°より僅かに大きい鈍角である。
バネ手段67の回転付勢力によって第1リンク58が移動力P1’を発生すると、P2’=P1’・cos(90°−θ1’)はP1’とほぼ同じ大きさになる(僅かに小さくなる)。またP3’=P2’・cos(90°−θ2’)なので、P3’はP2’とほぼ同じ大きさになる(僅かに小さくなる)。従って、このときバネ手段67の回転付勢力は、当該回転付勢力とほぼ同じ大きさ(僅かに小さい)の力P3となって第3リンク62に伝わる。即ち、バネ手段側リンク機構57による上記回転付勢力のオットマン変位機構15(連結軸16)への伝達効率は、バネ手段側リンク機構57が折畳状態から最大伸張状態に向けて変化するにつれて徐々に大きくなり、バネ手段側リンク機構57が
図3、
図4に示す最大伸張状態になったとき(オットマン32が前端位置に位置するとき)には、バネ手段67の回転付勢力は殆どロスすることなくオットマン変位機構15に伝達される。
【0026】
以上説明した構成のオットマン装置13は、左右の固定部14A、14Bをシートクッション11の下面の前端部に対してボルト等によってそれぞれ固定することにより、車両用シート10に取り付けることが可能である(
図1参照)。
【0027】
続いてオットマン装置13の動作について説明する。
オットマン32が
図1、
図2に示す格納位置に位置し(オットマン変位機構15が短縮状態にあり)、かつ、操作ノブを操作しないとき(操作ノブが上記初期位置に位置し、ロック手段40がロック状態にあるとき)、オットマン32は
図1、
図2に示すように水平方向に対して略直交する状態に保持される。
乗客が手等で操作ノブを操作する(上記操作位置に移動させる)ことによりロック手段40がアンロック状態になると、バネ手段67の回転付勢力によって折畳状態にあったバネ手段側リンク機構57(及びロック手段側リンク機構48)が伸張するので、バネ手段側リンク機構57(及びロック手段側リンク機構48)の動きに連動して、短縮状態にあったオットマン変位機構15が前方に伸張する。そしてオットマン32が所望の位置(使用領域の任意の位置)に到達したときに乗客が操作ノブへの操作力を解除すると(操作ノブが初期位置に戻ると)、ロック手段40の上記バネの付勢力によってロック手段40がロック状態に復帰するので、ロック手段40によってオットマン32が当該所望位置に保持される。
またオットマン32が当該所望位置に移動した後に、操作ノブを操作することによりロック手段40をアンロック状態にした上で、バネ手段67の付勢力に抗してオットマン32を後方に押圧すると、オットマン変位機構15が短縮してオットマン32が格納位置側に移動する。そしてオットマン32が格納位置まで移動したときにロック手段40をロック状態に戻せば、オットマン32を格納位置に保持できる。
【0028】
上記したようにバネ手段67の弾性変形量は、バネ手段側リンク機構57が
図1に示す折畳状態にあるとき(オットマン32が格納位置に位置するとき)に最大となるので、オットマン32が格納位置に位置するときにロック状態にあったロック手段40をアンロック状態に切り換えると、バネ手段67が発生する大きな回転付勢力がバネ手段側リンク機構57(及び、ロック手段側リンク機構48、オットマン変位機構15)に及ぶことになる。しかしオットマン32が格納位置に位置するときのバネ手段側リンク機構57による当該回転付勢力の伝達効率は最も小さいので、格納位置において静止していたオットマン32がバネ手段67の強い付勢力によって急激に使用領域側に移動することはない。
その一方で、バネ手段側リンク機構57は最大伸張状態に近づくにつれて徐々に伝達効率を高めるので、(バネ手段側リンク機構57が最大伸張状態に近づくにつれてバネ手段67の回転付勢力が徐々に低下するものの)オットマン32を前端位置まで円滑に(素早く)移動させることが可能である。
【0029】
次いでパワー式オットマン装置70について説明する。
オットマン装置70は、マニュアル式オットマン装置13から固定部14A、ロック手段40、回転レバー45、操作ワイヤ46、バネ手段側リンク機構57、取付用ブラケット66、及び、バネ手段67を取り除き、代わりに固定部14C、ロック手段71、及び、モータユニット77を取り付けた構造である。
固定部14Cには円弧状をなす3つの結合孔14C1が穿設してある。
ロック手段71は周知技術である所謂タウメル式のロック手段(リクライニングロック装置)であり、その右側面に突設した円弧状の嵌合突部72aを各結合孔14C1に嵌合した状態で固定部14Cに固定した円盤状の外歯歯車72(第1回転部材)と、外歯歯車72の左側においてブラケット49に固定され、かつ外歯歯車72に対して相対回転可能である、外歯歯車72より大径の内歯歯車73と、外歯歯車72及び内歯歯車73の外周部を両者の相対回転を許容した状態で支持するホルダ74と、外歯歯車72及び内歯歯車73の中心部に形成された円形孔を相対回転可能に貫通する左右方向に延びる回転駆動軸75(回転軸)と、回転駆動軸75の周面に固定した回転筒部材76a(第2回転部材)と、回転筒部材76aの周面に相対回転可能に支持した一対の楔部材76b(
図14に一つのみ図示)と、を具備している。回転筒部材76aの外周部の右半部と外歯歯車72の内周部(上記円形孔の内周面)は、互いに回転可能に接触する(径方向に対向する)径方向対向部76a1、72cとなっている。内歯歯車73の内周面全域には、外歯歯車72の外歯ギヤ72bよりもギヤ数の多い(ロック手段40の内歯ギヤ42aとほぼ同数)内歯ギヤ73aが形成してある。回転駆動軸75が自身の軸線回りに回転しないときは、楔部材76bを介して回転駆動軸75(回転筒部材76a)と外歯歯車72が一体化し、かつ、外歯歯車72の外歯ギヤ72bが内歯歯車73の内歯ギヤ73aの一部に噛合するので、ロック手段71は内歯歯車73が外歯歯車72に対して回転不能なロック状態となる。一方、回転駆動軸75が自身の軸線回りに正転又は逆転すると、一方の楔部材76bが回転駆動軸75(回転筒部材76a)及び外歯歯車72に対して相対回転可能な状態になり、外歯歯車72(外歯ギヤ72b)と内歯歯車73(内歯ギヤ73a)が相対回転可能な状態になる。その一方で回転筒部材76aと一緒に回転する他方の楔部材76bの回転力が内歯歯車73に伝わるので、内歯歯車73が外歯歯車72に対して噛合位置を変えながら時計方向又は反時計方向に回転する。
図14に示すように、左右方向(ロック手段側リンク機構48の伸縮方向に対する直交方向。即ち、回転駆動軸75の軸線方向)に関して、連結ピン52全体がロック手段71に対してオーバーラップしており(連結ピン52とロック手段71の間には左右方向の位置ズレがなく)、連結ピン52の一部が径方向対向部76a1、72cと左右方向にオーバーラップしている。
固定部14Bの右側面にはモータユニット77が固定してある。モータユニット77はモータ78(駆動源)を有しており、モータ78の上部には、モータ78の出力回転軸に固定したピニオンと連係するギヤ機構を内蔵するギヤケース79が設けてある。
回転駆動軸75の左半部はギヤケース79に形成した接続孔80に相対回転可能に嵌合しており、モータ78の内部において上記ギヤ機構と連係している。従って、図示を省略したスイッチをON操作(正転操作又は逆転操作)することによりバッテリ(図示略)からモータ78に電力を供給すると、モータ78が正逆両方向に回転し回転駆動軸75が自身の軸線回りに正逆両方向に回転する。一方、該スイッチをOFF操作すると、バッテリからモータ78への電力の供給が遮断されるのでモータ78が回転を停止する。
【0030】
続いてオットマン装置70の動作について説明する。
オットマン32が
図10に示す格納位置に位置し(オットマン変位機構15が短縮状態にあり)、かつ、上記スイッチがOFF位置にあるとき、オットマン装置70がロック状態となるので、オットマン32は
図10に示すように水平方向に対して略直交する状態に保持される。
乗客が上記スイッチをON操作(正転操作)することにより回転駆動軸75が自身の軸線回りに正転すると、内歯歯車73が外歯歯車72に対して正転(
図10、
図11の時計方向に回転)するので、折畳状態にあったロック手段側リンク機構48が伸張し、短縮状態にあったオットマン変位機構15が前方に伸張する。このようにパワー式オットマン装置70のロック手段側リンク機構48は、自身の回転力をオットマン変位機構15(連結軸16)へ伝達して、オットマン変位機構15を伸張(及び短縮)させる機能を有している。そしてオットマン32が所望の位置(使用領域の任意の位置)に到達したときに乗客が上記スイッチをOFF操作すると、ロック手段71がロック状態に復帰するので、オットマン32が当該所望位置に保持される(
図11参照)。
一方、オットマン32が使用領域の任意の位置に位置するときに、上記スイッチをON操作(逆転操作)すると回転駆動軸75が自身の軸線回りに逆転する。すると内歯歯車73が外歯歯車72に対して逆転(
図10、
図11の反時計方向に回転)するのでロック手段側リンク機構48が短縮する。そしてオットマン32が格納位置に復帰すると、バッテリからモータ78への電力供給が遮断されるので、ロック手段71はロック状態となり、オットマン32は格納位置に保持される(
図10参照)。
【0031】
以上説明したように本実施形態のオットマン装置13、70は、ロック手段側リンク機構48の伸縮方向に対する直交方向(左右方向)に関して、連結ピン52全体がロック手段40、71に対してオーバーラップしている。即ち、連結ピン52とロック手段40、71の間には左右方向の位置ズレがないので、乗客がオットマン32に足を載せることによってオットマン変位機構15から連結ピン52に(足の)荷重が伝わった場合に、連結ピン52に伝わった荷重に起因する回転モーメント(ベースプレート41の径方向対向部41aとギヤプレート42の径方向対向部42bの接触部において生じる径方向の力と、左右方向の距離とを掛け合わせた回転モーメント、又は、回転筒部材76aの径方向対向部76a1と外歯歯車72の径方向対向部72cの接触部において生じる径方向の力と、左右方向の距離とを掛け合わせた回転モーメント)がロック手段40(ギヤプレート42)やロック手段71(内歯歯車73)に及ぶことがない。そのためロック手段40、71がロック状態にある場合に乗客が足をオットマン32に載せたときに、ベースプレート41とギヤプレート42の間、及び、外歯歯車72と内歯歯車73の間ががたつき難いので、オットマン32によって足を安定した状態で支持することが可能である。
特に本実施形態では、連結ピン52の一部を径方向対向部41a、42b、72c、76a1と左右方向にオーバーラップさせているので、ベースプレート41とギヤプレート42の間、及び、外歯歯車72と内歯歯車73の間のがたつきを確実に防止できる。
なお、連結ピン52の一部のみをロック手段40、71に対して左右方向にオーバーラップさせて実施してもよく、この場合もほぼ同様の作用効果を得られる。
【0032】
またロック手段40、71をロック手段側リンク機構48を介してオットマン変位機構15に接続しているので、ロック手段40、71をオットマン変位機構15の周辺(側面視においてオットマン変位機構15と重なる部分とは異なる場所)に配置できる。そのため(一般的に狭い空間しか存在しない)オットマン変位機構15と重なる部分にロック手段40、71を配置する場合に比べて、ロック手段40、71を簡単に取り付けることが可能である。
さらにパワー式オットマン装置70の場合にロック手段71をオットマン変位機構15の周辺に配置しているので、ロック手段71と連係するモータユニット77もオットマン変位機構15の周辺に配置することになる。そのためオットマン変位機構15と重なる部分にモータユニット77を配置する場合に比べて、マニュアル式オットマン装置13からパワー式オットマン装置70への設計変更を容易に行うことが可能である。
さらにマニュアル式オットマン装置13の場合は、ロック手段40及びバネ手段67をリンク機構(ロック手段側リンク機構48、バネ手段側リンク機構57)を介してオットマン変位機構15に接続しているので、ロック手段40及びバネ手段67をオットマン変位機構15の周辺(側面視においてオットマン変位機構15と重なる部分とは異なる場所)に配置できる。そのためオットマン変位機構15と重なる部分(狭い空間しか存在しない部分)にロック手段40及びバネ手段67を配置する場合に比べて、ロック手段40及びバネ手段67を簡単に取り付けることができる。
またオットマン装置13は、固定部14Bとバネ手段側リンク機構57の間にバネ手段67を設けているので、固定部14A、14Bを車両用シート10に対して固定するだけで車両用シート10に対して取り付けることが可能である。そのためオットマン32を移動付勢するバネ手段67を具備する構造でありながら、車両用シート10側への取り付けを容易に行うことが可能である。
【0033】
またロック手段側リンク機構48及びバネ手段側リンク機構57を3つのリンク(第1リンク50、第2リンク51、及び、第3リンク53と、第1リンク58、第2リンク60、及び、第3リンク62)によって構成しているので、ロック手段40をロック状態に切り換えたときにオットマン32(及びオットマン変位機構15)を不動状態に維持できるという利点がある。即ち、変形可能なオットマン変位機構15と固定部14A、14Bとを接続するリンク機構は2つのリンクを利用して構成することも可能であるが、2つのリンクによってリンク機構を構成する場合は(相対回転可能に接続した一方のリンクを固定部14A、14B側に接続し、他方のリンクをオットマン変位機構15側に接続する場合は)、一方のリンクに取り付けたピンを、他方のリンクに穿設した長孔に相対移動可能に嵌合することになるので、ロック手段40をロック状態に切り換えたときに、オットマン32(及びオットマン変位機構15)が長孔とピンの隙間分だけガタついてしまう。
【0034】
さらに、ロック手段側リンク機構48を3つのリンク50、51、53によって構成しているものの、第1リンク50及び第3リンク53の右側に第2リンク51を位置させているので、(例えば、第2リンク51を第1リンク50の右側に位置させ、かつ、第3リンク53を第2リンクの右側に位置させる場合に比べて)ロック手段側リンク機構48全体を左右方向に薄型化できる。そのためオットマン装置13、70全体を左右方向に小型化できる。
また、第1リンク50と第2リンク51の対向面の左右方向位置が、第3リンク53と第2リンク51の左右方向位置と一致している(連結ピン52と連結ピン55を左右方向に関してオーバーラップさせている。
図7、
図14参照)ので、ロック手段側リンク機構48が、オットマン32及びオットマン変位機構15からの荷重をロック手段40に伝達する際に、ロック手段側リンク機構48内で回転モーメントが発生しなくなる。そのため第1リンク50、第2リンク51、及び、第3リンク53ががたつき難くなるので、オットマン32による足の支持状態がより安定する。
【0035】
以上、本発明を上記実施形態に基づいて説明したが、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、様々な変形を施しながら実施可能である。
例えば、ロック手段側リンク機構48からブラケット49(第1リンク50)を省略して、第2リンク51の端部を連結ピン52を介してギヤプレート42や内歯歯車73に回転可能に接続してもよい。
また、固定部14A(14C)と固定部14Bを一体化することにより、一つの部材によって固定部を構成してもよい。
【0036】
また、ゼンマイ式のバネ手段67とはタイプの異なるバネ手段(例えばコイルバネ、板バネ等)を固定部とバネ手段側リンク機構の間に設けてもよい(これらのバネ手段の両端部を固定部とバネ手段側リンク機構にそれぞれ接続してもよい)。さらに付勢手段としてガスダンパを利用し、ガスダンパの両端部(シリンダとスライドロッド)を固定部とバネ手段側リンク機構にそれぞれ接続してもよい。
【0037】
図15〜
図18に開示したマニュアル式オットマン装置85は、バネ手段67とはタイプの異なるバネ手段を適用した変形例の一例である。
左側の固定部14Bの内側面と連結軸16の間には、第1リンク87、バネ取付ピン88、第2リンク89、バネ取付ピン90、回転支持ピン91、第3リンク92、連結ピン93、第4リンク94、連結ピン95、連結ピン96、第5リンク97、及び、連結ピン99を具備するバネ手段側リンク機構86が設けてある。
板状の第1リンク87の一端部に形成した貫通孔には左右方向に延びるバネ取付ピン88が嵌合固定してある。第1リンク87の左側には板状かつ第1リンク87と同じ長さの第2リンク89が位置しており、第2リンク89の一端部に形成した貫通孔には左右方向に延びるバネ取付ピン90が嵌合固定してある。第1リンク87及び第2リンク89の長手方向の中央部よりバネ取付ピン88、90と反対側に位置する部分は互いに左右方向に重なっており、第1リンク87及び第2リンク89の当該重なり部分を左右方向に延びる回転支持ピン91が貫通している。回転支持ピン91は第1リンク87及び第2リンク89を相対回転可能に支持しており、回転支持ピン91の左端部は14Bに固定状態で支持してある。第1リンク87の他端部(バネ取付ピン88と反対側の端部)の左側には、板状の第3リンク92の一端部が位置しており、第1リンク87の他端部と第3リンク92の一端部を左右方向に延びる連結ピン93が相対回転可能に接続している。第2リンク89及び第3リンク92の左側には第3リンク92より短い板状の第4リンク94が位置している。第2リンク89の他端部(バネ取付ピン90と反対側の端部)と第4リンク94の一端部を左右方向に延びる連結ピン95が相対回転可能に接続しており、第3リンク92の中間部と第4リンク94の他端部を左右方向に延びる連結ピン96が相対回転可能に接続している。第3リンク92の他端部(連結ピン93と反対側の端部)の右側には、ロック手段側リンク機構48の第3リンク53とほぼ同じ形状である第5リンク97の一端部が位置しており、第3リンク92の他端部と第5リンク97の一端部は左右方向に延びる連結ピン99によって回転可能に接続してある。第5リンク97の結合用凹部98は、連結軸16の軸線方向の左端部近傍に嵌合固定してある(
図18参照)。
バネ取付ピン88から回転支持ピン91までの直線距離とバネ取付ピン90から回転支持ピン91までの直線距離は同じ距離aである。また回転支持ピン91から連結ピン95までの直線距離と回転支持ピン91から連結ピン93までの直線距離は同じ距離bであり、距離bは距離aより短い。さらに連結ピン93から連結ピン96までの直線距離と連結ピン95から連結ピン96までの直線距離は同じである。
バネ手段側リンク機構86はロック手段側リンク機構48と実質的に同期しながら動作する。即ち、オットマン変位機構15が短縮状態にあるときバネ手段側リンク機構86は
図15に示す折畳状態となり、オットマン変位機構15が最大展開状態にあるときバネ手段側リンク機構86は
図16に示す最大伸張状態となる。
【0038】
バネ取付ピン88とバネ取付ピン90には引張バネ100(バネ手段)の両端部がそれぞれ取り付けてある。バネ手段側リンク機構86が
図15に示す折畳状態にあるとき引張バネ100は自由状態から大きく伸張しているため、引張バネ100は第1リンク87と第2リンク89を互いに近づける方向に付勢する。しかしロック手段40がロック状態にあるとき第1リンク87と第2リンク89は
図15に示す位置に保持される。一方、ロック手段40がアンロック状態になると、引張バネ100の付勢力(引張力)によってバネ手段側リンク機構86は最大伸張状態側に変形する。また引張バネ100の弾性変形量(付勢力。引張バネ100の全長)は、バネ手段側リンク機構86が
図15に示す折畳状態にあるとき(オットマン変位機構15が短縮状態にあるとき)が最も大きく、オットマン変位機構15が伸張するにつれて徐々に小さくなり、バネ手段側リンク機構86が
図16に示す最大伸張状態になったとき(オットマン変位機構15が最大展開状態になったとき)に最も小さくなる。
【0039】
以上説明した構成のオットマン装置85は、左右の固定部14A、14Bをシートクッション11の下面の前端部に対してボルト等によってそれぞれ固定することにより、車両用シート10に取り付けることが可能である(
図15参照)。
【0040】
続いてオットマン装置85の動作について説明する。
オットマン32が
図15に示す格納位置に位置し(オットマン変位機構15が短縮状態にあり)、かつ、操作ノブを操作しないとき(操作ノブが上記初期位置に位置し、ロック手段40がロック状態にあるとき)、オットマン32は
図15に示すように水平方向に対して略直交する状態に保持される。
乗客が手等で操作ノブを操作する(上記操作位置に移動させる)ことによりロック手段40がアンロック状態になると、引張バネ100の付勢力によって折畳状態にあったバネ手段側リンク機構86(及びロック手段側リンク機構48)が伸張するので、バネ手段側リンク機構86(及びロック手段側リンク機構48)の動きに連動して、短縮状態にあったオットマン変位機構15が前方に伸張する。そしてオットマン32が所望の位置(使用領域の任意の位置)に到達したときに乗客が操作ノブへの操作力を解除すると(操作ノブが初期位置に戻ると)、ロック手段40の上記バネの付勢力によってロック手段40がロック状態に復帰するので、ロック手段40によってオットマン32が当該所望位置に保持される。
またオットマン32が当該所望位置に移動した後に、操作ノブを操作することによりロック手段40をアンロック状態にした上で、引張バネ100の付勢力に抗してオットマン32を後方に押圧すると、オットマン変位機構15が短縮してオットマン32が格納位置側に移動する。そしてオットマン32が格納位置まで移動したときにロック手段40をロック状態に戻せば、オットマン32を格納位置に保持できる。
【0041】
以上説明したように
図15〜
図18の変形例のオットマン装置85もロック手段側リンク機構48を具備しており、左右方向に関して、連結ピン52全体がロック手段40に対してオーバーラップしているので、オットマン32によって足を安定した状態で支持することが可能である。
【0042】
さらに取付用ブラケット66を省略して、固定部14Bに一体的に形成した突部にバネ手段の一端を係止してもよい。
さらにオットマン変位機構15を、リンクの数や配置或いは各リンクの具体的形状を変更することにより別の構造からなるリンク機構としてもよい。
また、連結軸16や固定部側上部リンク17に、ロック手段側リンク機構48の構成要素である第3リンク53や、付勢手段側リンク機構の構成要素である第3リンク62に相当するリンク(突片)を一体的に成形してもよい。またギヤプレート42に、ロック手段側リンク機構48の構成要素であるブラケット49(第1リンク50)を一体的に形成してもよい。また内歯歯車73に、ロック手段側リンク機構48の構成要素であるブラケット49(第1リンク50)を一体的に形成してもよい。
【0043】
また第3リンク53(結合用凹部54)を、オットマン変位機構15における連結軸16の軸線方向の中央点や中央点よりやや左側に固定してもよい。
さらにパワー式オットマン装置70におけるロック手段側リンク機構48の各リンクの形状を、マニュアル式オットマン装置13におけるロック手段側リンク機構48の各リンクとは別形状としてもよい。
さらに、マニュアル式オットマン装置13の場合に、ギヤプレート42の内歯ギヤ42aの歯数と同じ数の位置にオットマン32を選択的に保持できる上記ロック手段40の代わりに、保持位置が少ないロック手段を利用してもよい。この種のロック手段は、例えば、オットマン変位機構15とオットマン32の一方に形成した複数のロック溝と、他方に設けた各ロック溝に対して選択的に係脱可能なロックピンと、により構成できる。
【0044】
上記実施形態では連結ピン52、55を用いて第1リンク50、第2リンク51、第3リンク53を相対回転可能に接続しているが、隣接する二つのリンクの一方に凸部(第1接続部、第2接続部)を一体的に設けて、他方に該凸部が回転可能に嵌合する凹部又は貫通孔を形成してもよい。