(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
織物からなる表皮材と、前記表皮材の裏面に積層されたポリウレタンフォームシートからなる裏打ち材とを備えてなり、前記織物が以下の要件を満たすことを特徴とする、車両用複合表皮材。
(1)緯方向25.4mm間に存在する経糸の繊度の合計、および、経方向25.4mm間に存在する緯糸の繊度の合計がともに9000〜18000dtexである。
(2)緯方向25.4mm間に存在する経糸の表面抵抗値の合計と、経方向25.4mm間に存在する緯糸の表面抵抗値の合計との和が160N以上である。
経糸および緯糸がともに紡績糸、捲縮糸、異収縮混繊糸からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1または2に記載の車両用複合表皮材。
【背景技術】
【0002】
地球環境への負荷低減に対する関心が高まるなか、車両から排出される二酸化炭素の削減にダイレクトの結びつく車両の軽量化が重要な課題となっている。これに伴い、車両を構成するあらゆる部品において、いっそうの軽量化が求められている。
【0003】
例えば、特許文献1には、車両座席の表皮部材として、適用される部位毎に目付の異なる織物を用いることにより、軽量化を図り得ることが記載されている。具体的には、表皮部材のうち座部や背もたれ部に相当する織物部分には、耐久性、例えば、人の着座の繰り返しに伴う損耗防止の観点から、厚く、400〜700g/m
2の目付のものを用い、かまち部に相当する織物部分には、薄く、200〜350g/m
2の目付のものを用いる。
【0004】
しかしながら、かまち部の表面積は、座席の全表面積に対し20〜30%にすぎず、十分な軽量化が達成されているとは言い難い。また、ほつれ防止のため、織物の裏面に樹脂が塗布されており(「バッキング」と呼ばれる)、風合いが硬くなる傾向にあった。この樹脂の乾燥重量は50〜100g/m
2にも及び(前記目付はこれを含んだ値である)、軽量化を妨げる要因となっていた。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
本発明の車両用複合表皮材は、織物からなる表皮材と、前記表皮材の裏面に積層されたポリウレタンフォームシートからなる裏打ち材とを備えてなる。
【0011】
はじめに、表皮材としての織物について説明する。
織物とは、周知の通り、糸条を経(タテ)と緯(ヨコ)に組み合わせて作った布地である。
【0012】
糸条を構成する繊維(単繊維)の素材は特に限定されるものではなく、例えば、天然繊維、再生繊維、半合成繊維、合成繊維など挙げることができる。なかでも、耐久性、特には機械的強度、耐熱性、耐光性の観点から、合成繊維が好ましく、ポリエステルがより好ましく、ポリエチレンテレフタレート、または、ポリエチレンテレフタレートを一成分とする複合繊維がさらに好ましい。
【0013】
繊維のタイプは、長繊維、短繊維のいずれであってもよい。また、断面形状も特に限定されるものではなく、通常の丸型であっても、扁平型、楕円型、三角形、中空型、Y型、T型、U型などの異型であってもよい。さらには、表面に微細な凹凸(「ミクロクレーター」と呼ばれる)を有するものであってもよい。
【0014】
繊維の繊度(単繊維繊度)は、0.3〜10dtexであることが好ましく、0.3〜5dtexであることがより好ましい。繊度が0.3dtex未満であると、十分な耐久性、特には耐光性が得られない虞がある。繊度が10dtexを超えると、糸条の表面抵抗値が低くなり、十分な耐久性が得られなかったり、風合いが硬くなったりする虞がある。
【0015】
前記繊維より構成される糸条のタイプは、フィラメント糸(長繊維糸)、紡績糸(短繊維糸)のいずれであってもよい。さらに、フィラメント糸、特にマルチフィラメント糸は、必要に応じて撚りをかけてもよいし、仮撚加工や流体撹乱処理(タスラン加工、インターレース加工等)などにより、捲縮性や嵩高性を付与してもよい。
【0016】
糸条の繊度(糸繊度)は、56〜440dtexであることが好ましく、84〜330dtexであることがより好ましい。繊度が56dtex未満であると、十分な耐久性、特には耐摩耗性が得られない虞がある。繊度が440dtexを超えると、十分な軽量化が達成されない虞がある。
【0017】
糸条の表面抵抗値は、0.6〜1.2Nであることが好ましく、0.7〜0.9Nであることがより好ましい。表面抵抗値が0.6N未満であると、経糸と緯糸が滑りやすく、十分な耐久性、特には縫目強度、耐縫目疲労性が得られない虞がある。表面抵抗値が1.2Nを超えると、製織が困難となる虞がある。
【0018】
糸条の表面抵抗値は、以下のように測定される。表面抵抗値が0.7NであるA4台紙上に、長さ25cmの糸条10本を27mm間に等間隔で並べ、その両端をテープで固定し、測定試料とする。
オートグラフAG−1 15KN(株式会社島津製作所製)に前記試料を固定し、底面にジーンズ生地を貼り付けた6cm四方で重さ200gの錘を、前記試料の一端にのせ、100mm/分の速さで錘を動かしたときに錘に掛かる力(N)を読みとり、これを糸条の表面抵抗値とする。
【0019】
表面抵抗値の要件を満たすには、表面積の大きな糸条を用いればよい。例えば、紡績糸、捲縮糸(タスラン加工糸など)、潜在捲縮糸、異捲縮混繊糸、異収縮混繊糸、極細繊維からなる糸条、ミクロクレーター繊維からなる糸条などである。なかでも、耐久性の観点から、紡績糸、捲縮糸、異収縮混繊糸が好ましく、異収縮混繊糸がより好ましい。
【0020】
異収縮混繊糸とは、熱収縮率が好ましくは1.5倍以上、より好ましくは2倍以上異なる繊維同士を、インターレース加工により混ぜ合わせてなる糸条をいう。製織後、熱処理を施すことにより高収縮繊維が収縮することで、低収縮繊維が長さ方向に引き寄せられ、高い嵩高性を発現する。こうして、前記表面抵抗値の要件を容易に満たすことができる。
【0021】
表皮材としての織物は、以上に説明した糸条より構成される。
織物の組織は特に限定されるものではなく、例えば、三元組織である平織、斜文織、朱子織;これら三元組織の変化組織;なし地織などの特別組織;さらにこれらを2種以上組み合わせた混合組織などを挙げることができる。なかでも、軽量化の観点から、平織またはその変化組織が好ましく、耐久性、特には引裂強度の観点から、平織の変化組織であるななこ織がより好ましく、正則ななこ織がさらに好ましい。
【0022】
経糸の密度(緯方向25.4mm間に存在する経糸の本数)、および、緯糸の密度(経方向25.4mm間に存在する緯糸の本数)は、ともに40〜350本/25.4mmであることが好ましく、50〜200本/25.4mmであることがより好ましい。密度が40本/25.4mm未満であると、十分な耐久性、特には引張強度、引裂強度が得られない虞がある。密度が350本/25.4mmを超えると、十分な軽量化が達成されない虞がある。
【0023】
ここで、緯方向25.4mm間に存在する経糸の繊度の合計、および、経方向25.4mm間に存在する緯糸の繊度の合計は、ともに9000〜18000dtexであることが肝要であり、さらには、9900〜11000dtexであることが好ましい。この値が9000dtex未満であると、十分な耐久性、特には引張強度、引裂強度、縫目強度、耐縫目疲労性、耐スナッキング性が得られない。この値が18000dtexを超えると、十分な軽量化が達成されない。
【0024】
また、軽量化の観点から、前記経糸の繊度の合計と、前記緯糸の繊度の合計との和は、28000dtex以下であることが好ましい。
【0025】
前記経糸の繊度の合計は、基本的に、経糸の繊度と、経糸の密度との積により算出される。ただし、経糸として複数種の糸条を用いる場合、例えば経糸1と経糸2を用いる場合には、経糸1の繊度D
1と、緯方向25.4mm間に存在する経糸1の本数N
1との積(D
1×N
1)、および、経糸2の繊度D
2と、緯方向25.4mm間に存在する経糸2の本数N
2との積(D
2×N
2)をそれぞれ算出し、それらを積算する(D
1×N
1+D
2×N
2)。
前記緯糸の繊度の合計についても概ね同様に算出される。
【0026】
また、緯方向25.4mm間に存在する経糸の表面抵抗値の合計と、経方向25.4mm間に存在する緯糸の表面抵抗値の合計との和が、160N以上であることが肝要であり、さらには160〜230Nであることが好ましい。この値が160N未満であると、経糸と緯糸が滑って絡みにくく、十分な耐久性、特には引張強度、引裂強度、縫目強度、耐縫目疲労性、耐スナッキング性が得られない。また、裏打ち材であるポリウレタンフォームシートを積層した場合に、密着性が悪く、十分な耐摩耗性が得られない。
【0027】
前記経糸の表面抵抗値の合計は、基本的に、経糸の表面抵抗値と、経糸の密度との積により算出される。ただし、経糸として複数種の糸条を用いる場合、例えば経糸1と経糸2を用いる場合には、経糸1の表面抵抗値R
1と、緯方向25.4mm間に存在する経糸1の本数N
1との積(R
1×N
1)、および、経糸2の表面抵抗値R
2と、緯方向25.4mm間に存在する経糸2の本数N
2との積(R
2×N
2)をそれぞれ算出し、それらを積算する(R
1×N
1+R
2×N
2)。
前記緯糸の表面抵抗値の合計についても概ね同様に算出される。
【0028】
織物の目付は、100〜200g/m
2であることが好ましく、100〜130g/m
2であることがより好ましい。目付が100g/m
2未満であると、十分な耐久性が得られない虞がある。目付が200g/m
2を超えると、十分な軽量化が達成されない虞がある。
【0029】
本発明の車両用複合表皮材は、以上に説明した織物からなる表皮材の裏面に、ポリウレタンフォームシートからなる裏打ち材を積層し、一体化してなるものである。これにより、バッキングを施さなくてもほつれを防止することができ、風合いが硬くなることもなく、加えて、十分な耐久性、特には、引張強度、引裂強度、縫目強度、耐縫目疲労性、耐スナッキング性を有する車両用複合表皮材となる。
【0030】
ポリウレタンフォームシートは特に限定されるものではなく、車両用表皮材の裏打ち材として一般的に用いられているものを用いることができる。例えば、軟質スラブ発泡により連続的に製造したブロックを長手方向にスライスし、長尺のシート状としたものを挙げることができる。
【0031】
積層一体化の方法は特に限定されるものではなく、例えば、接着剤を用いる方法、フレームラミネートによる方法などを挙げることができる。なかでも、工程負荷や軽量化の観点から、フレームラミネートによる方法が好ましい。
【0032】
かくして、本発明の車両用複合表皮材を得ることができる。
【実施例】
【0033】
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。また、得られた複合表皮材の評価は以下の方法に従った。
【0034】
[引張強度]
幅50mm、長さ250mmの大きさの試験片を、経方向・緯方向からそれぞれ1枚採取した。室温20±2℃、湿度65±5%RHの雰囲気下で、試験片を、引張試験機オートグラフAG−100A(株式会社島津製作所製)のつかみ具に、つかみ幅50mm、つかみ間隔150mmで、たるみのないように取り付けた。試験片を、つかみ具の移動速度200mm/分で試験片が破断するまで引っ張り、荷重(N/50mm)を測定した。試験片が破断したときの荷重(最大荷重)を引張強度の値とし、下記の基準に従って判定した。
合 格:500N/50mm以上
不合格:500N/50mm未満
【0035】
[引裂強度]
幅50mm、長さ200mmの大きさの試験片を、経方向・緯方向からそれぞれ1枚採取し、試験片に上辺が100mm、底辺が150mmの等脚台形のマークを付け、このマークの上辺の中央に辺と垂直に10mmの切り込みを入れた。室温20±2℃、湿度65±5%RHの雰囲気下で、試験片を、引張試験機オートグラフAG−100A(株式会社島津製作所製)のつかみ具に、つかみ幅50mm、つかみ間隔100mmで、たるみのないように取り付けた。試験片を、つかみ具の移動速度200m/分で引き裂き、荷重(N)を測定した。ピーク値の平均値を引裂強度の値とし、下記の基準に従って判定した。
合 格:100N以上
不合格:100N未満
【0036】
[縫目強度]
100mm四方の大きさの試験片を、経方向・緯方向からそれぞれ2枚1組で採取し、2枚の表側を合わせて重ね、1辺の端から6mmの位置をミシン掛けし、経・緯の試験片を作製した。室温20±2℃、湿度65±5%RHの雰囲気下で、試験片を、引張試験機オートグラフAG−100A(株式会社島津製作所製)のつかみ具に、つかみ幅25.4mm、つかみ間隔76.2mmで、たるみのないように取り付けた。試験片を、つかみ具の移動速度200mm/分で試験片が破断するまで引っ張り、荷重(N/25.4mm)を測定した。試験片が破断したときの荷重(最大荷重)を引張強度の値とし、下記の基準に従って判定した。
合 格:300N/25.4mm以上
不合格:300N/25.4mm未満
【0037】
[耐縫目疲労性]
100mm四方の大きさの試験片を、経方向・緯方向からそれぞれ2枚1組で採取し、2枚の表側を合わせて重ね、1辺の端から6mmの位置をミシン掛けし、経・緯の試験片を作製した。試験片を縫目疲労試験機(山口科学産業社製)に取り付けて、試験片の一端に荷重29.4Nを掛け、引っ張り・戻りの動作を2500回繰り返し後に、荷重29.4Nを掛けた状態で、目盛り付きルーペを用いて縫目疲労を測定し、下記の基準に従って判定した。ここで縫目疲労とは、繰り返し疲労によって荷重方向に移動したミシン糸に最も近い生地の糸とミシン糸との距離を指し、0.1mm単位で測定される。
合 格:2.2mm以下
不合格:2.2mm超
【0038】
[耐平面摩耗性]
幅70mm、長さ300mmの大きさの試験片を、経方向・緯方向からそれぞれ1枚採取し、裏面に幅70mm、長さ300mm、厚み10mmの大きさのウレタンフォームシートを添えて、平面摩耗試験機T−TYPE(株式会社大栄科学精器製作所製)に固定した。綿布(綿帆布)をかぶせた摩擦子に荷重9.8Nを掛けて、試験片の表面上140mmの間を60回往復/分の速さで10000回往復摩耗した。この間、摩耗回数2500回往復ごとに綿布を交換した。摩耗後の試験片を観察し、下記の基準に従って判定した。
5級:表面状態に変化がない
4級:やや毛羽立ちがある
3級:毛羽立ちがある
2級:毛羽立ちが多く、糸が細くなっている
1級:糸切れがある
【0039】
[耐テーバ摩耗性]
JIS L 1096 8.17.3 C法(テーバ形法)に準拠して測定した。条件は、摩耗輪CS−10、荷重4.9N、摩耗回数1000回とした。摩耗後の試験片を観察し、下記の基準に従って判定した。
5級:表面状態に変化がない
4級:やや毛羽立ちがある
3級:毛羽立ちがある
2級:毛羽立ちが多く、糸が細くなっている
1級:糸切れがある
【0040】
[耐スクラッチ性]
幅50mm、長さ300mmの大きさの試験片を、経方向・緯方向からそれぞれ2枚1組で採取し、2枚の表側を合わせて重ね、1辺の端から6mmの位置をミシン掛けし、経・緯の試験片を作製した。裏面に幅88mm、長さ300mm、厚み10mmの大きさのウレタンフォームシートを添えて、平面摩耗試験機T−TYPE(株式会社大栄科学精器製作所製)に固定した。
摩擦子の先端に25mm×50mmの大きさの面ファスナー(A8693Y−71:クラレ製)を貼り付け、荷重9.8Nを掛けて、試験片の表面上140mmの間を60回往復/分の速さで5回往復摩耗した。摩耗後の試験片を観察し、下記の基準に従って判定した。
5級:表面状態に変化がない
4級:繊維が組織から引き出されている状態(毛羽立ち)がわずかに認められる
3級:こすった部分がもやもやと毛羽立っているが、糸切れや組織の異常は目立たない
2級:繊維・糸ともに組織から引き出され、毛羽立ちが著しく目立つ
1級:繊維・糸ともに組織から引き出され、組織が波打つ
【0041】
[耐スナッキング性]
JIS L 1058 7.1 ICI形メース試験機法(A法)に準拠して測定した。ドラム回転数は600回とした。試験後の試験片を観察し、ICIの標準見本と比較して、等級判定した。
【0042】
[耐燃焼性]
米国自動車安全基準FMVSS302の試験方法に準拠して評価した。幅100mm、長さ350mmの大きさに裁断した試験片の端部に、ガスバーナーで15秒間接炎させて着火操作を行い、着火した炎が端部から38mmの位置に設けた標線を越えてから消火するまでの距離と時間を測定した。経方向・緯方向でそれぞれ10点ずつ測定した。試験片が燃焼しない、または、標線前に自己消火したものを不燃性、燃焼距離が50mm未満且つ燃焼時間が60秒未満のものを自己消火性とし、不燃性、自己消火性以外のものについては、燃焼速度を算出した。
【0043】
[実施例1]
経糸として、110dtex/24fのポリエチレンテレフタレート仮撚加工糸(表面抵抗値:0.732N)を用い、緯糸として、33dtex/12fのポリエチレンテレフタレート高収縮糸(熱収縮率:19.5%)と66dtex/144fのポリエチレンテレフタレート仮撚加工糸(熱収縮率:3.2%)とをインターレース加工により混ぜ合わせてなる100dtex/156fの異収縮混繊糸(表面抵抗値:0.899N)と、84dtex/36fのポリエチレンテレフタレート糸(表面抵抗値:0.671N)とを交互に用いて、正則ななこ織の組織で製織し、生機を得た。
【0044】
次いで、ヒートセッターにより150℃で2分間熱処理してプレセット(収縮処理を兼ねる)した後、分散染料を用いて130℃で30分間染色し、次いで、ヒートセッターにより150℃で1分間熱処理して乾燥・仕上げセットした。
【0045】
得られた織物の経糸の密度は96本/25.4mm、緯糸の密度は118本/25.4mm、経糸の繊度の合計は10560dtex、緯糸の繊度の合計は10856dtex、経糸の表面抵抗値の合計と緯糸の表面抵抗値の合計との和は162.9N、目付は108g/m
2であった。
【0046】
かかる織物を表皮材とし、その裏面に、裏打ち材として厚さ3mmのポリウレタンフォームシートを、フレームラミネート法により積層し、実施例1の複合表皮材を得た。得られた複合表皮材の目付は192g/m
2であった。
評価結果を表1に示す。
また、ポリウレタンフォームシートを積層しない織物単体について評価した結果を、参考例1として示す。
【0047】
[実施例2]
経糸および緯糸として、ともに110dtex/24fのポリエチレンテレフタレート仮撚加工糸(表面抵抗値:0.732N)を用いて、平二重織の組織で製織し、生機を得た。
【0048】
これ以降は実施例1と同様に処理して、経糸の密度が111本/25.4mm、緯糸の密度が108本/25.4mm、経糸の繊度の合計が12210dtex、緯糸の繊度の合計が11880detx、経糸の表面抵抗値の合計と緯糸の表面抵抗値の合計との和が160.3N、目付が120g/m
2の織物を得た。
【0049】
かかる織物を表皮材とし、その裏面に、裏打ち材として厚さ3mmのポリウレタンフォームシートを、フレームラミネート法により積層し、実施例2の複合表皮材を得た。得られた複合表皮材の目付は210g/m
2であった。
評価結果を表1に示す。
【0050】
[比較例1]
経糸および緯糸として、ともに110dtex/24fのポリエチレンテレフタレート仮撚加工糸(表面抵抗値:0.732N)を用いて、平織の組織で製織して、生機を得た。
【0051】
これ以降は実施例1と同様に処理して、経糸の密度が108本/25.4mm、緯糸の密度が86本/25.4mm、経糸の繊度の合計が11880dtex、緯糸の繊度の合計が9460detx、経糸の表面抵抗値の合計と緯糸の表面抵抗値の合計との和が142.0N、目付が108g/m
2の織物を得た。
【0052】
かかる織物を表皮材とし、その裏面に、裏打ち材として厚さ3mmのポリウレタンフォームシートを、フレームラミネート法により積層し、比較例1の複合表皮材を得た。得られた複合表皮材の目付は208g/m
2であった。
評価結果を表1に示す。
【0053】
【表1】