特許第5932633号(P5932633)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5932633両親媒性物質処理扁平セルロース粉体およびこれを含有する化粧料
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5932633
(24)【登録日】2016年5月13日
(45)【発行日】2016年6月8日
(54)【発明の名称】両親媒性物質処理扁平セルロース粉体およびこれを含有する化粧料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/73 20060101AFI20160526BHJP
   A61K 8/55 20060101ALI20160526BHJP
   A61K 8/68 20060101ALI20160526BHJP
   A61K 8/63 20060101ALI20160526BHJP
   A61Q 1/10 20060101ALI20160526BHJP
   A61Q 1/08 20060101ALI20160526BHJP
   A61Q 1/12 20060101ALI20160526BHJP
【FI】
   A61K8/73
   A61K8/55
   A61K8/68
   A61K8/63
   A61Q1/10
   A61Q1/08
   A61Q1/12
【請求項の数】10
【全頁数】44
(21)【出願番号】特願2012-501875(P2012-501875)
(86)(22)【出願日】2011年2月25日
(86)【国際出願番号】JP2011054252
(87)【国際公開番号】WO2011105535
(87)【国際公開日】20110901
【審査請求日】2014年1月14日
(31)【優先権主張番号】特願2010-54066(P2010-54066)
(32)【優先日】2010年3月11日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2010-40308(P2010-40308)
(32)【優先日】2010年2月25日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】596144724
【氏名又は名称】株式会社オーケン
(73)【特許権者】
【識別番号】000145862
【氏名又は名称】株式会社コーセー
(74)【代理人】
【識別番号】110000590
【氏名又は名称】特許業務法人 小野国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村田 東吾
(72)【発明者】
【氏名】村田 哲雄
(72)【発明者】
【氏名】飯田 亜美
(72)【発明者】
【氏名】増渕 祐二
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 啓二
【審査官】 松本 直子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−146829(JP,A)
【文献】 特開平08−143422(JP,A)
【文献】 特開平11−049634(JP,A)
【文献】 特開昭62−104706(JP,A)
【文献】 特開昭62−190112(JP,A)
【文献】 特開2004−230719(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/026925(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00− 8/99
A61Q 1/00− 90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セルロース系物質と、リン脂質、セラミド、コレステロールまたはその誘導体、フィトステロールまたはその誘導体からなる群から選ばれる両親媒性物質の1種または2種以上とを、前記セルロース系物質100質量部に対し、前記両親媒性物質を0.1〜12質量部使用して機械的に粉砕処理することにより得られる、平均粒径が1〜50μm、平均厚さが0.1〜10μm、かつ扁平度が4〜200である両親媒性物質処理扁平セルロース粉体。
【請求項2】
粉砕処理が乾式粉砕処理である請求項1記載の両親媒性物質処理扁平セルロース粉体。
【請求項3】
セルロース系物質として、粉砕処理の前に乾燥されたものを用いる請求項1または2記載の両親媒性物質処理扁平セルロース粉体。
【請求項4】
機械的な粉砕処理を遊星型ボールミルで行う請求項1ないし3のいずれかに記載の両親媒性物質処理扁平セルロース粉体。
【請求項5】
セルロース系物質が、木材を起源とする繊維状または粉末状の木粉または木材パルプ、綿花を起源とする繊維状または粉末状の木綿またはリンター繊維、それらを精製した繊維状または粉末状のものである請求項1ないし4のいずれかに記載の両親媒性物質処理扁平セルロース粉体。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載の両親媒性物質処理扁平セルロース粉体を含有する化粧料。
【請求項7】
パウダーファンデーション、アイシャドウ、ほほ紅、粉白粉である請求項6記載の化粧料。
【請求項8】
セルロース系物質と、リン脂質、セラミド、コレステロールまたはその誘導体、フィトステロールまたはその誘導体からなる群から選ばれる両親媒性物質の1種または2種以上とを機械的に粉砕処理することを特徴とする両親媒性物質処理扁平セルロース粉体の製造方法。
【請求項9】
セルロース系物質100質量部に対し、両親媒性物質を0.1〜12質量部添加する請求項8記載の両親媒性物質処理扁平セルロース粉体の製造方法。
【請求項10】
機械的な粉砕処理を遊星型ボールミルで行う請求項8または9記載の両親媒性物質処理扁平セルロース粉体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、両親媒性物質処理扁平セルロース粉体およびこれを含有する粉体化粧料に関し、更に詳細には、扁平な形状を有し、かつその表面が両親媒性物質で処理された両親媒性物質処理扁平セルロース粉体およびこれを含有する化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
粉体成分と油性成分等を含む粉体化粧料は、化粧品の分野において広く使用されており、その例として、パウダーファンデーション、アイシャドウ、粉白粉、ほほ紅等が挙げられる。
【0003】
この粉体化粧料は、一般には、体質顔料、顔料等の粉体成分と油性成分との粉体混合物を皿状容器に充填し、プレス成形することにより製造される。
【0004】
この粉体化粧料に使用される粉体成分としては、皮膚の上での伸びやつきがよいために天然物由来で薄板状の雲母片、セリサイト、タルク等やその表面処理物が体質顔料として使用されてきた。また、体質顔料の皮膚上での滑りや感触を向上させるため、球状有機粉体等が上記体質顔料と共に使用されてきた。更に、顔料としては、二酸化チタン等の白色顔料、ベンガラ等の着色顔料、雲母チタン等の光沢顔料が使用されてきた。
【0005】
上記粉体成分のうち、薄片状のものとしては、雲母片、セリサイト、タルク等の無機系粉体が汎用されているが、これらはいずれもアルミノシリケート系の鉱物であり、また産地により性質が若干異なるため、例えば、油の吸収性が低かったり、目的の物性のものが得られないという問題があった。一方、有機物粉体で扁平状のものはあまり報告されておらず、例えば、セルロース系物質と脂肪酸を混合した後、これを機械的に粉砕して得た扁平セルロース粒子が知られている程度である(特許文献1)。
【0006】
しかし、この特許文献1では、扁平セルロース粒子が開示されているものの、その具体的な使用形態は開示されておらず、化粧品への応用もきわめて簡単に開示されているにすぎないものである。
【0007】
一方、結晶セルロースの表面を水添レシチンで処理する技術も知られている(特許文献2)。しかし、この結晶セルロースは、長径と短径の比(L/D)が3以下と、扁平といえるようなものでなく、実際、未処理のものと比較した場合、化粧持ちの良さでは差があるものの、使用感である「取れ」、「のび」、「仕上がり」ではあまり差がないことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2004−230719号公報
【特許文献2】特開2003−146829号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
すでに多くの化粧料粉体が提供されてはいるが、消費者がより良い使用感の化粧料を求めることは自然成り行きであり、本発明はそのような化粧料の提供することのできる化粧料粉体およびこれを用いた化粧料の提供をその課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、平板状の扁平セルロースに着目し、より物性の優れた扁平セルロースおよびその製造法に関し、研究を行っていたところ、特定の両親媒性物質を用い、特定の方法で扁平セルロースを調製することで、今までにない物性の表面処理セルロース粉体が得られることおよびこの表面処理セルロース粉末を利用することで粉体化粧料等化粧料の商品性を極めて高くすることができることを見出し、本発明を完成した。
【0011】
すなわち本発明は、セルロース系物質と、リン脂質、セラミド、コレステロールおよびフィトステロールからなる群から選ばれる両親媒性物質の1種または2種以上とを機械的に粉砕処理することにより得られる両親媒性物質処理扁平セルロース粉体である。
【0012】
また本発明は、前記両親媒性物質処理扁平セルロース粉体を含有することを特徴とする化粧料である。
【0013】
更に本発明は、セルロース系物質と、リン脂質、セラミド、コレステロールおよびフィトステロールからなる群から選ばれる両親媒性物質の1種または2種以上とを機械的に粉砕処理することを特徴とする両親媒性物質処理扁平セルロース粉体の製造方法である。
【発明の効果】
【0014】
本発明の両親媒性物質処理扁平セルロース粉体は、皮膚への付着性が良く、これを配合した化粧料は、塗布時になめらかさがあり、化粧膜の均一性に優れ、しかも化粧持ちの良いものである。
【0015】
従って、本発明の両親媒性物質処理扁平セルロース粉体を利用する化粧料は、パウダーファンデーション、アイシャドウ、粉白粉、ほほ紅等として好適に用いることができる。
【0016】
また、上記両親媒性物質処理扁平セルロース粉体の中でも、処理にリン脂質を用いた粉体は、特に汎用油剤や水への分散性が優れたものになる。そのためリキッドファンデーションなどのメイクアップ化粧料として好適に用いることができる。また、この粉体は付着性が良く、化粧持ちが優れたものとなる。そのため、パウダーファンデーションなどのメイクアップ化粧料としても好適に用いることができる。
【0017】
更に、上記両親媒性物質処理扁平セルロース粉体の中でも、処理にセラミドを用いた粉体は、特に水分保持量や水分蒸散抑制など保湿性に優れたものになる。そのためスキンケア化粧料やメイクアップ化粧料として好適に用いることができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の両親媒性物質処理扁平セルロース粉体は、セルロース系物質と、リン脂質、セラミド、コレステロールまたはその誘導体、フィトステロールまたはその誘導体からなる群から選ばれる両親媒性物質の1種または2種以上とを機械的に粉砕処理することにより製造される。
【0019】
具体的に、両親媒性物質処理扁平セルロース粉体は、セルロース系物質に対して、リン脂質、セラミド、コレステロールまたはその誘導体、フィトステロールまたはその誘導体からなる群から選ばれる両親媒性物質の1種または2種以上を添加し、必要により混合等した後、これを機械的に粉砕処理する方法により製造することができる。この方法は、粉砕助剤を両親媒性物質に変える以外は、基本的に特許文献1の[0020]〜[0041]に記載の方法に従って行うことができる。
【0020】
両親媒性物質処理扁平セルロース粉体の出発原料として用いられるセルロース系物質としては、特に制限されないが、例えば、木材を起源とする繊維状または粉末状の木粉または木材パルプ、綿花を起源とする繊維状または粉末状の木綿またはリンター繊維、それらを精製した繊維状または粉末状のセルロース系物質を用いることが好ましく、また、これらのセルロース系物質は酸加水分解されていてもよい。なお、綿花を起源とするセルロース系物質としては、オーガニック認証をうけた綿花を起源とするものでもよい。また、原料となるセルロース系物質は水分を吸着または吸収し易いため、通常状態で吸着水分を3〜10質量%(以下、単に「%」という)程度有している。効果的に扁平セルロース粉体を得るために、セルロース系物質を粉砕処理する前に熱風乾燥、真空乾燥、減圧乾燥等により予め乾燥することが好ましい。
【0021】
上記セルロース系物質を処理するリン脂質、セラミド、コレステロールおよびフィトステロールは生体内の脂質であるかもしくはそれに近しい構造、すなわち長鎖アルキル構造と親水基を持つという共通の性質を有する両親媒性物質である。
【0022】
上記両親媒性物質のうち、リン脂質は構造中にリン酸エステル部位をもつ脂質の総称である。具体的なリン脂質としては、卵黄レシチン、大豆レシチン等の天然レシチンに水素添加した天然物由来のもの、リゾレシチン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、スフィンゴミエリン等を水素添加したもの等が挙げられる。これらのリン脂質の中でも、水素添加レシチン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、水素添加ホスファチジルグリセロールが好ましい。
【0023】
また、セラミドは分子中に1個以上の長鎖の直鎖および/もしくは分岐アルキルまたはアルケニル基、更に、少なくとも2個以上の水酸基、1個以上のアミド基(及び/またはアミノ基)を有する非イオン系両親媒性物質の総称である。具体的なセラミドとしては、スフィンゴシン、フィトスフィンゴシンの長鎖脂肪酸アミドであるセラミド1、セラミド2、セラミド3、セラミド3B、セラミド4、セラミド5、セラミド6、セラミド6I、セラミド6II等の天然セラミド類等が挙げられる。これらのセラミドの中でも、セラミド2、セラミド3が好ましい。また、これらのセラミドは、天然物由来のものであっても、合成したものであってもよい。
【0024】
更に、コレステロールは動物油脂をけん化した高級アルコール分や魚油から得られる留分を抽出・結晶化・乾燥して精製される白色ないし微黄色の固体であり、その分子式はC2746Oである。また、コレステロースの誘導体としては、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル等が挙げられる。これらコレステロールまたはその誘導体の中でも、コレステロールが好ましい。
【0025】
また更に、フィトステロールは植物から得られるステロール化合物の総称である。具体的なフィトステロールとしては、シトステロール、スチグマステロール、フコステロール、スピナステロール、ブラシカステロール等が挙げられる。また、フィトステロール誘導体としては、ヒドロキシステアリン酸フィトステリル、ポリオキシエチレンフィトステロール、ポリオキシエチレンフィトスタノール等が挙げられる。これらフィトステロールまたはその誘導体の中でもフィトステロールが好ましい。
【0026】
上記した両親媒性物質と、セルロース系物質とを機械的に粉砕する処理は、粉砕による圧力や剪断力が一定時間連続して印可する必要がある。そのため、粉砕処理には振動ボールミル、回転ボールミル、遊星型ボールミル、ロールミル、メディアミル、ディスクミル、高速回転羽根による高速ミキサー、ホモミキサー等の粉砕装置を用いることが好ましく、特に遊星型ボールミルが好ましい。粉砕処理方法は、溶媒を用いない乾式粉砕処理が好ましい。なお、粉砕処理を行う場合に印可する粉砕エネルギーは3〜20G、好ましくは5〜15Gが適している。
【0027】
上記した粉砕処理の際に、両親媒性物質はセルロース系物質100質量部に対して、0.1〜12質量部程度、好ましくは1〜4質量部程度添加すればよい。また、両親媒性物質は1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。更に、両親媒性物質を添加する時期としては、粉砕処理前であればいつでも良く、また、その添加方法も、両親媒性物質をそのままセルロース系物質に添加しても良いし、両親媒性物質を適当な溶媒に溶解した後、セルロース系物質に加えても良い。ここで両親媒性物質の溶解に使用される溶媒としては、例えば、ヘキサン等のアルカン、エタノール等のアルコール、アセトン等のケトン、テトラヒドロフラン等のエーテル、トルエン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。
【0028】
次に本発明の両親媒性物質処理扁平セルロース粉体を得るための好ましい態様を以下に示す。まず、精製した木材パルプ由来のセルロース粉末を30〜50℃で減圧乾燥を行い、吸着水分を0.1%以下まで十分に除去する。このセルロース粉末を、密閉可能なアルミナ製やジルコニア製粉砕容器に、アルミナ製やジルコニア製粉砕ボールとともに投入し、更に、セルロース粉末に対して上記量となるように両親媒性物質を添加する。その後、上記粉砕容器を遊星型ボールミルに設置し、回転数100〜250rpmにて、粉砕処理を行う。粉砕処理は、5〜15分間粉砕−5〜15分間休止を1サイクルとし、連続して2〜72サイクル程度繰り返して行っても良いし、休止を入れずに連続して5〜120分間程度行っても良い。
【0029】
なお、粉砕処理の後は、更に、風乾、熱風乾燥、真空乾燥、減圧乾燥等の公知の乾燥手段により両親媒性物質処理扁平セルロース粉体に付着した水分等を除去させてもよい。
【0030】
上記のようにして得られた両親媒性物質処理扁平セルロース粉体は、例えば、その平均粒径が1〜100μm、好ましくは1〜50μm、平均厚さが0.1〜10μm、好ましくは0.1〜2μmの薄片状のものであり、かつ扁平度が4〜200、好ましくは6〜150、更により好ましくは10〜100のものである。
【0031】
なお、ここで平均粒径とは、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置等の粒度分布測定装置を用い、水中分散状態で測定された扁平セルロース粒子の幅と長さの装置上の平均値(積算体積50%の粒径値)をいう。また、平均厚さとは、走査型電子顕微鏡等の電子顕微鏡にて前記で求められた平均粒径と同等の大きさの粒子を複数選択し、その厚さを測定し、それらを平均した値をいう。更に、扁平度は、前記のようにして求められた平均粒径/平均厚さである。
【0032】
斯くして得られる両親媒性物質処理扁平セルロース粉体は、粉体化粧料、基礎(スキンケア)化粧料、メーキャップ化粧料、頭髪化粧料等の各種化粧料に利用することができる。
【0033】
具体的に、両親媒性物質処理扁平セルロース粉体を利用できる化粧料としては、この両親媒性物質処理扁平セルロース粉体が従来の体質顔料のタルク、セリサイトに比べ、薄い薄片状であり、透明感、ソフト感、伸び、自然な光沢などに優れた特性を持つ他、使用する油剤との親和性が優れたものであるため、特に従来の粉体成分を含む化粧料、特にパウダーファンデーション、アイシャドウ、ほほ紅、粉白粉等の粉体化粧料が挙げられる。
【0034】
本発明の両親媒性物質処理扁平セルロース粉体を粉体化粧料に配合する場合、その配合量は1〜90%、好ましくは5〜90%、特に好ましくは5〜70%である。
【0035】
上記粉体化粧料においては、更に油性成分を配合することが好ましい。粉体化粧料に配合される油性成分としては、特に制約はないが、例えば、パラフィンワックス、セレシンワックス、オゾケライト、マイクロクリスタリンワックス、モンタンワックス、フィッシャトロプスワックス、ポリエチレンワックス、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、ポリイソブチレン、ポリブテン等の炭化水素系類、カルナウバロウ、ミツロウ、ラノリンワックス、キャンデリラ等の天然ロウ類、トリベヘン酸グリセリル、ロジン酸ペンタエリトリットエステル、ホホバ油、セチルイソオクタネート、ミリスチン酸イソプロピル、トリオクタン酸グリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、ジペンタエリトリット脂肪酸エステル等のエステル類、ステアリン酸、ベヘニン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等の脂肪酸類、セタノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、オリーブ油、ヒマシ油、ミンク油、モクロウ等の油脂類、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体類、N−ラウロイルーL−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)等のアミノ酸誘導体類、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン等のフッ素系油剤類等が挙げられる。これらの油性成分は1種または2種以上を用いることができる。本発明の粉体化粧料に、これらの油性成分を配合する場合の配合量は、特に限定されないが、0.1〜25%が好ましい。
【0036】
上記粉体化粧料は、従来の粉体化粧料と同様にして製造することができる。具体的には、従来の粉体成分と油性成分とを含有する化粧料の製造方法において、従来の粉体の一部または全部に換えて両親媒性物質処理扁平セルロース粉体を使用すればよい。また、上記粉体化粧料にタルクなどの無機粉末やナイロンなどの有機粉末を配合する場合には、本発明の両親媒性物質処理扁平セルロース粉体と共にタルクなどの無機粉末やナイロンなどの有機粉末を同時に添加し、分散させ、必要に応じて油分を添加して製造すればよい。
【0037】
なお、上記粉体化粧料には上記両親媒性物質処理扁平セルロース粉末および油性成分の他に、通常化粧量に使用される成分、例えば、界面活性剤、油ゲル化剤、多価アルコール類や保湿剤などの水溶性成分、粉体、紫外線吸収剤、防腐剤、美容成分、香料等を本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合することができる。
【0038】
また、具体的に、両親媒性物質処理扁平セルロース粉体を利用できる化粧料としては、この両親媒性物質処理扁平セルロース粉体が、肌への付着性が高いため、基礎化粧料、メイクアップ化粧料等が挙げられる。
【0039】
なお、両親媒性物質処理扁平セルロース粉体が、セラミド処理扁平セルロース粉体の場合には、特に水分保持量や水分蒸散抑制など保湿性が優れているため、基礎化粧料、特に美容液や乳液、クリームといったスキンケア化粧料に好適に用いることができる。
【0040】
また、両親媒性物質処理扁平セルロース粉体が、リン脂質処理扁平セルロース粉体の場合には、特に汎用油剤や水への分散性が優れたものになるため、リキッドファンデーション等のメイクアップ化粧料として好適に用いることができる。また、この粉体は付着性が良く、化粧持ちに優れるため、パウダーファンデーションなどのメイクアップ化粧料としても好適に用いることができる。
【0041】
本発明の両親媒性物質処理扁平セルロース粉体を基礎化粧料に配合する場合、その配合量は0.1〜10%であり、メイクアップ化粧料に配合する場合、その配合量は0.5〜50%である。
【0042】
上記基礎化粧料は、従来の基礎化粧料と同様にして製造することができる。具体的には、水、油、グリコール、界面活性剤などを用いて、加温もしくは室温にて油分を可溶化もしくは分散、乳化した後、本発明の両親媒性物質処理扁平セルロース粉体を分散させることで製造できる。
【0043】
また、上記メイクアップ化粧料は、従来のメイクアップ化粧料と同様にして製造することができる。具体的には、水、油、グリコール、界面活性剤などを用いて、加温もしくは室温にて油分を可溶化もしくは分散、乳化した後、本発明の両親媒性物質処理扁平セルロース粉体を分散させることで製造できるし、逆に油分に本発明の両親媒性物質処理扁平セルロース粉体を分散させた後、水系成分や界面活性剤を添加し、乳化することでも製造できる。
【実施例】
【0044】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
【0045】
実 施 例 1
リン脂質処理扁平セルロース粉体の製造(1):
原料としては精製した木材パルプ由来のセルロース粉末(W−400G/日本製紙ケミカル社製)を用いた。まず、40℃での減圧乾燥により吸着水分を0.1%以下まで十分に除去したセルロース粉末(48.5g)を、密閉可能なジルコニア製粉砕容器(容積500ml)に、ジルコニア製粉砕ボール(直径20mm)とともに投入し、更に、水添レシチン(レシノールS−10/日光ケミカルズ社製)を1.5g添加し、セルロース粉末に対して水添レシチンが3%になるように調製した。
【0046】
その後、遊星型ボールミル(P−5型/ドイツ・フリッチュ社製:)を用い、回転数200rpm(約10G(重力加速度)の粉砕エネルギー)にて、10分粉砕、10分休止を1サイクルとし、36サイクルを行って、リン脂質処理扁平セルロース粉体(製品1)を得た。
【0047】
レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置(LMS−24型/セイシン社製)を用いてフローセルにて、得られた粉体の水中分散状態での平均粒径(幅と長さの装置上の平均値)を求めた。ここでの平均粒径としては、積算体積50%の粒径値を用いた。
【0048】
粒度分布測定は、得られた粉体の50mgを蒸留水10mlに分散させた懸濁液を、粒度分布測定装置の水を媒体とする試料循環槽に滴下し、適切な濃度になった後に測定した。その結果、粉体の平均粒径は17μmであった。
【0049】
また、得られた粒子の平均厚さは、走査型電子顕微鏡(S−2450/日立製作所社製)を用いて粒子を直接観察し、前記で求めた平均粒径と同等の大きさの粒子を複数選択し、厚さを測定し、それらを平均することにより求めた。
【0050】
走査型電子顕微鏡による観察では、得られた粉体の極少量を走査型電子顕微鏡の試料台に載せ、減圧にて乾燥後、金あるいは白金等の金属を蒸着して検鏡試料とした。この検鏡試料を加速電圧20〜25kVで拡大率500〜10,000倍にて観察して得た画像から、前記で測定した平均粒径と同等の大きさの粒子における厚さを測定し、それらから平均厚さを求めた。その結果、平均厚さは2μmであった。
【0051】
このようにして得られた製品1は、平均粒径が17μmで、平均厚さが2μm、扁平度(平均粒径/平均厚さ)が8.5の扁平なセルロース粒子(リン脂質処理扁平セルロース粉体)であった。
【0052】
また、比較として、扁平セルロース粉体の原料である精製した木材パルプ由来のセルロース粉末(W−400G/日本製紙ケミカル社製(以下、単に「セルロース粉末」という))および麻セルロース粉末(トスコ麻セルロースパウダー/トスコ社製)の平均粒径、平均厚さを測定し、扁平度(平均粒径/平均厚さ)を求めた。セルロース粉末の形状は扁平状ではなく薪状であったが、平均粒径は28μm、平均厚さは10μmであり、扁平度は2.8と求められた。一方、麻セルロース粉末は扁平状でも薪状でもなく粒状であり、平均粒径は7.7μmと測定されたものの、平均厚さと扁平度は求められなかった。
【0053】
実 施 例 2
リン脂質処理扁平セルロース粉体の製造(2):
水添レシチンの量を、0.1%および10%とする以外は実施例1と同様にして、それぞれリン脂質処理扁平セルロース粉体(製品2および製品3)を得た。これらの平均粒径、平均厚さおよび扁平度は、以下の通りであった。
【0054】
【表1】
【0055】
実 施 例 3
リン脂質処理扁平セルロース粉体の製造(3):
リン脂質として、実施例1の水添レシチンに代えて、水添リゾレシチン(日本精化社製:LP−70H)、ホスファチジルエタノールアミン(和光純薬社製)およびスフィンゴミエリン(和光純薬社製)を用い、以下実施例1と同様にして、それぞれリン脂質処理扁平セルロース粉体(製品4〜製品6)を得た。これらの平均粒径、平均厚さおよび扁平度は、以下の通りであった。
【0056】
【表2】
【0057】
実 施 例 4
リン脂質処理扁平セルロース粉体の製造(4):
原料としては精製した木材パルプ由来のセルロース粉末(W−400G/日本製紙ケミカル社製)を用いた。これを密閉可能なアルミナ製粉砕容器に、アルミナ製粉砕ボールとともに投入し、これに水添レシチン(レシノールS−10/日光ケミカルズ社製)をコットンに対して5%になるように添加した。その後、遊星型ボールミル(P−5型/ドイツ・フリッチュ社製)を用い、回転数200rpm(約10G(重力加速度)の粉砕エネルギー)にて、連続して60分間粉砕を行った。得られたリン脂質処理扁平セルロース粉体は、平均粒径20μm、平均厚さ1.2μm、扁平度16.7であった(製品7)。
【0058】
実 施 例 5
リン脂質処理扁平セルロース粉体の製造(5):
原料としてはオーガニックコットン(7番カード糸 生成り/アバンティー社製)を用いた。これを粉砕機(槇野産業製:RC100型)で細かく細断後、密閉可能なアルミナ製粉砕容器に、アルミナ製粉砕ボールとともに投入し、これに水添レシチン(レシノールS−10/日光ケミカルズ社製)をコットンに対して1%になるように添加した。その後、遊星型ボールミル(P−5型/ドイツ・フリッチュ社製)を用い、回転数200rpm(約10G(重力加速度)の粉砕エネルギー)にて、連続して60分間粉砕を行った。得られたリン脂質処理扁平セルロース粉体は、平均粒径20μm、平均厚さ1.6μm、扁平度12.5であった(製品8)。
【0059】
実 施 例 6
リン脂質処理扁平セルロース粉体の製造(6):
原料としては精製した木材パルプ由来のセルロース粉末(W−400G/日本製紙ケミカル社製)これを密閉可能なアルミナ製粉砕容器に、アルミナ製粉砕ボールとともに投入し、これに水添レシチン(レシノールS−10/日光ケミカルズ社製)をコットンに対して2%になるように添加した。その後、遊星型ボールミル(P−5型/ドイツ・フリッチュ社製)を用い、回転数200rpm(約10G(重力加速度)の粉砕エネルギー)にて、連続して50分間粉砕を行った。得られたリン脂質処理扁平セルロース粉体は、平均粒径17.8μm、平均厚さ0.2μm、扁平度89.0であった(製品9)。
【0060】
参 考 例 1
ステアリン酸処理扁平セルロース粉末の製造:
水添レシチンに代えてステアリン酸を使用する以外は、実施例1と同様に処理して、ステアリン酸処理扁平セルロース粉末(比較製品1)を得た。
【0061】
得られたステアリン酸処理扁平セルロース粉末について、実施例1と同様にして粒度分布測定を行ったところ、その平均粒径は16μmであった。
【0062】
また、得られた比較製品1の平均厚さおよび扁平度(平均粒径/平均厚さ)を、実施例1と同様に測定したところ、平均厚さが3μm、扁平度が5.3であった。
【0063】
参 考 例 2
リン脂質処理セリサイトの製造:
セリサイト(エイトパール300S/角八魚燐箔社製)99%を大豆リン脂質(レシチン/味の素社製)1%で被覆処理し、リン脂質処理セリサイト(比較製品2)を得た。
【0064】
参 考 例 3
リン脂質処理セルロース粉末(非扁平)の製造:
木材パルプ由来のセルロース粉末(W−100G/日本製紙ケミカル社製)を、攪拌機に投入し、セルロース粉末に対して3%となる水添レシチン(レシノールS−10/日光ケミカルズ製)をヘキサンに溶解後添加した。この後、回転数40rpmにて5分間攪拌し、減圧乾燥後、粉砕を行って、リン脂質処理セルロース粉末(非扁平)(比較製品3)を得た。
【0065】
実 施 例 7
分散性試験:
実施例1で得たリン脂質処理扁平セルロース粉体(製品1)の種々の溶媒に対する分散性を下記の分散性試験方法により調べた。比較および対照としては、参考例1のステアリン酸処理扁平セルロース(比較製品1)および原料のセルロース粉末(対照品)を用いた。また、分散媒(溶媒)としては、流動パラフィン(KLEAROL)、トリ−(2−エチルヘキサン酸)グリセリド(T.I.O)、シリコ−ンオイル(10cs)(KF−96)および水を用いた。この結果を表3に示す。
【0066】
(試験方法)
6号規格瓶に、各試料0.5gと分散媒24.5gを混合し(2wt%)、超音波にて1時間分散後、沈降管へ移し分散状態を観察する。そして所定時間後の分散体積(粉体がまだ懸濁している部分の体積)を評価し、下式から分散率(%)を求めた。
【0067】
分散率(%)= 分散体積(ml)/総体積(ml)×100
【0068】
【表3】
【0069】
実 施 例 8
付着性試験:
実施例1で得たリン脂質処理扁平セルロース粉体(製品1)の皮膚に対する付着性を、人工皮膚を用いる下記の付着性試験方法により調べた。比較としては、参考例1のステアリン酸処理扁平セルロース(比較製品1)および参考例3のセルロース粉末をリン脂質処理したもの(比較製品3)を用いた。この結果を表4に示す。
【0070】
( 試験方法 )
各試料の60mgをポリウレタン製人工皮膚(25cm)に塗布した後、この塗布した面にアレンコ紙を載せ、油圧プレス機を用いて上から100kgの荷重を10秒間かけた。その後、紙に付着した粉体量を秤量し、粉体の人工皮膚への付着量を算出した。
【0071】
【表4】
【0072】
実 施 例 9
固形粉末型ファンデーション:
常法により、下記表5に示す組成で固形粉末ファンデーションを調製した。得られた固形粉末ファンデーションについて、下記評価方法により、その「化粧膜の均一性」、「化粧持ち」および「使用感(塗布時のなめらかさ)」を評価した。この結果も表5に併せて示す。
【0073】
( 評価方法 )
化粧品評価専門パネル20名に本発明品1〜3及び比較品1〜4の固形粉末型ファンデーションを使用してもらい、「化粧膜の均一性」 「化粧持ち」 「使用感(塗布時のなめらかさ)」について各自が以下の評価基準に従って7段階評価し、サンプル毎に評点を付した。次いで、全パネルの評点の平均点から、以下の判定基準に従って各製品を判定した。
【0074】
評価基準;
(評価) : (内容)
6 : 非常に良い
5 : 良い
4 : やや良い
3 : 普通
2 : やや悪い
1 : 悪い
0 : 非常に悪い
【0075】
判定基準;
(評点の平均点) : (判定)
5.0以上 : ◎(非常に良好)
3.5以上5.0未満 : ○(良好)
1.5以上3.5未満 : △(やや不良)
1.5未満 : ×(不良)
【0076】
結 果;
【表5】
【0077】
実 施 例 10
二層ローション:
以下に示す組成の二層ローションを下記の方法により製造した。
【0078】
【0079】
( 製 法 )
(1)成分1〜3を混合する。
(2)(1)に成分4〜9を添加、均一に攪拌し、二層ローションを得た。
【0080】
得られた二層ローションは粉体分散性に優れ、滑らかな使用感、化粧持続効果に優れた二層ローションであった。
【0081】
実 施 例 11
乳 液 :
以下に示す組成の乳液を下記の方法により製造した。
【0082】
【0083】
( 製 法 )
(1)成分1〜7を80℃にて均一に混合する。
(2)成分8〜14を80℃にて均一に混合する。
(3)(1)に(2)を添加し、乳化する。
(4)(3)を攪拌しながら冷却し、成分15を添加後均一混合し、乳液 を得た。
【0084】
得られた乳液は、乳化安定性に優れ、滑らかな使用感、化粧持続効果に優れた乳液であった。
【0085】
実 施 例 12
クリーム:
以下に示す組成のクリームを下記の方法により製造した。
【0086】
【0087】
( 製 法 )
(1)成分1〜7を80℃にて均一に混合する。
(2)成分8〜13を80℃にて均一に混合する。
(3)(1)に(2)を添加し、乳化する。
(4)(3)を攪拌しながら冷却し、クリームを得た。
【0088】
得られたクリームは乳化安定性に優れ、滑らかな使用感、化粧持続効果に優れたクリームであった。
【0089】
実 施 例 13
美 容 液 :
以下に示す組成の美容液を下記の方法により製造した。
【0090】
【0091】
( 製 法 )
(1)成分1〜10を常温にて混合溶解し、攪拌しながら美容液を得た。
【0092】
得られた美容液は安定性に優れ、滑らかな使用感、化粧持続効果に優れた美容液であった。
【0093】
実 施 例 14
パ ッ ク :
以下に示す組成のパックを下記の方法により製造した。
【0094】
【0095】
( 製 法 )
(1)成分1〜4を80℃にて均一に混合する。
(2)成分5〜12を80℃にて均一に混合する。
(3)(1)に(2)を添加し、乳化する。
(4)(3)を攪拌しながら冷却し、パックを得た。
【0096】
得られたパックは乳化安定性に優れ、滑らかな使用感、化粧持続効果に優れたパックであった。
【0097】
実 施 例 15
洗 顔 料 :
以下に示す組成の洗顔料を下記の方法により製造した。
【0098】
【0099】
( 製 法 )
(1)成分1〜7を80℃にて均一に混合する。
(2)成分8〜11を80℃にて均一に混合する。
(3)(1)に(2)を添加し、中和する。
(4)(3)に成分12を添加し、均一に混合する。
(5)(4)を攪拌しながら冷却し、洗顔料を得た。
【0100】
得られた洗顔料は滑らかな使用感に優れた洗顔料であった。
【0101】
実 施 例 16
クレンジングクリーム:
以下に示す組成のクレンジングクリームを下記の方法により製造した。
【0102】
【0103】
( 製 法 )
(1)成分1〜8を80℃にて均一に混合する。
(2)成分9〜14を80℃にて均一に混合する。
(3)(2)に(1)を添加し、乳化する。
(4)(3)を攪拌しながら冷却し、クレンジングクリームを得た。
【0104】
得られたクレンジングクリームは乳化安定性に優れ、滑らかな使用感に優れたクレンジングクリームであった。
【0105】
実 施 例 17
ヘアワックス:
以下に示す組成のヘアワックスを下記の方法により製造した。
【0106】
【0107】
( 製 法 )
(1)成分1〜3を80℃にて均一に混合する。
(2)成分4〜8を80℃にて均一に混合する。
(3)(1)に(2)を添加し、乳化する。
(4)(3)に成分9〜16を添加後、攪拌しながら冷却し、ヘアワック スを得た。
【0108】
得られたヘアワックスは整髪性に優れ、滑らかな使用感に優れたヘアワックスであった。
【0109】
実 施 例 18
油性アイライナー:
以下に示す組成の油性アイライナーを下記の方法により製造した。
【0110】
【0111】
( 製 法 )
(1)成分1〜4を100℃に加温し、均一混合する。
(2)成分5〜9を80℃に加温し、均一混合する。
(3)(1)に(2)を添加し、均一に混合する。
(4)(3)をローラーにて処理し、油性アイライナーを得た。
【0112】
得られた油性アイライナーは滑らかな使用感、化粧持続効果に優れた油性アイライナーであった。
【0113】
実 施 例 19
水性アイライナー:
以下に示す組成の水性アイライナーを下記の方法により製造した。
【0114】
【0115】
( 製 法 )
(1)成分1〜6をローラーにて均一に分散する。
(2)成分6〜10を均一に混合する。
(3)(2)に(1)を添加、均一に混合し、水性アイライナーを得た。
【0116】
得られた水性アイライナーは滑らかな使用感、化粧持続効果に優れた水性アイライナーであった。
【0117】
実 施 例 20
アイブロウ:
以下に示す組成のアイブロウを下記の方法により製造した。
【0118】
【0119】
( 製 法 )
(1)成分1〜4を均一に混合する。
(2)成分5〜10をローラーにて処理する。
(3)(1)に(2)、成分11、12を添加後、均一に混合し、アイブ ロウを得た。
【0120】
得られたアイブロウは滑らかな使用感、化粧持続効果に優れたアイブロウであった。
【0121】
実 施 例 21
O/W型マスカラ:
以下に示す組成のO/W型マスカラを下記の方法により製造した。
【0122】
【0123】
( 製 法 )
(1)成分1〜8を80℃にて均一に混合し、ローラー処理する。
(2)成分9〜14を80℃にて均一に混合する。
(3)(1)に(2)を添加し、乳化する。
(4)(3)を冷却し、マスカラ(O/W)を得た。
【0124】
得られたO/W型マスカラは粉体分散性に優れ、滑らかな使用感、化粧持続効果に優れたO/W型マスカラであった。
【0125】
実 施 例 22
非水系マスカラ:
以下に示す組成の非水系マスカラを下記の方法により製造した。
【0126】
【0127】
( 製 法 )
(1)成分1〜5を110℃に加温する。
(2)(1)に成分6〜9を添加混合する。
(3)(2)に成分10〜13を添加混合する。
(4)(3)をローラーにて処理し、非水系マスカラを得た。
【0128】
得られた非水系マスカラは滑らかな使用感、化粧持続効果に優れた非水系マスカラであった。
【0129】
実 施 例 23
スティック状口紅:
以下に示す組成のスティック状口紅を下記の方法により製造した。
【0130】
【0131】
( 製 法 )
(1)成分1〜7を100℃にて均一に溶解混合する。
(2)(1)に成分8〜14を添加し、均一に混合する。
(3)(2)を容器に流し込み、冷却してスティック状口紅を得た。
【0132】
得られたスティック状口紅は滑らかな使用感、化粧持続効果に優れた口紅であった。
【0133】
実 施 例 24
リキッドルージュ:
以下に示す組成のリキッドルージュを下記の方法により製造した。
【0134】
【0135】
( 製 法 )
(1)成分1〜5を100℃にて均一に溶解混合する。
(2)(1)に成分6〜13を添加し、均一に混合する。
(3)(2)を容器に流し込み、冷却してリキッドルージュを得た。
【0136】
得られたリキッドルージュは滑らかな使用感、化粧持続効果に優れたリキッドルージュであった。
【0137】
実 施 例 25
O/W型ファンデーション:
以下に示す組成のO/W型ファンデーションを下記の方法により製造した。
【0138】
【0139】
( 製 法 )
(1)成分1〜8をローラーにて均一に分散する。
(2)成分9〜12を均一に混合する。
(3)(2)に(1)を添加し、均一に混合する。
(4)成分13〜19を80℃にて混合溶解する。
(5)(3)に(4)を80℃にて添加し、乳化する。
(6)(5)を冷却し、成分20を添加し、O/W型ファンデーションを 得た。
【0140】
得られたO/W型ファンデーションは粉体分散性に優れ、滑らかな使用感、化粧持続効果に優れたO/W型ファンデーションであった。
【0141】
実 施 例 26
W/O型ファンデーション:
以下に示す組成のW/O型ファンデーションを下記の方法により製造した。
【0142】
【0143】
( 製 法 )
(1)成分1〜3を均一に混合する。
(2)成分4〜11をローラーにて均一に分散する。
(3)(1)に(2)を添加し、均一混合する。
(4)(3)に成分12〜15を添加、乳化し、W/O型ファンデーショ ンを得た。
【0144】
得られたW/O型ファンデーションは粉体分散性に優れ、滑らかな使用感、化粧持続効果に優れたW/O型ファンデーションであった。
【0145】
実 施 例 27
O/W型アイカラー:
以下に示す組成のO/W型アイカラーを下記の方法により製造した。
【0146】
【0147】
( 製 法 )
(1)成分1〜5を80℃にて均一に混合する。
(2)(1)に成分6、7を添加し、乳化する。
(3)成分8〜14をローラーにて均一に分散する。
(4)(2)に(3)、成分15を添加し、O/W型アイカラーを得た。
【0148】
得られたO/W型アイカラーは粉体分散性に優れ、滑らかな使用感、化粧持続効果に優れたO/W型アイカラーであった。
【0149】
実 施 例 28
油性固型ファンデーション:
以下に示す組成の油性固型ファンデーションを下記の方法により製造した。
【0150】
【0151】
( 製 法 )
(1)成分7〜13を90℃にて加熱溶解する。
(2)(1)に成分1〜6を添加し、ローラーにて均一に分散する。
(3)(2)に成分14を添加し、80℃にて溶解後、金皿に充填し、油 性固型ファンデーションを得た。
【0152】
得られた油性固型ファンデーションは粉体分散性に優れ、滑らかな使用感で、化粧持続効果にも優れた油性固型ファンデーションであった。
【0153】
実 施 例 29
スティック状コンシーラー:
以下に示す組成のスティック状コンシーラーを下記の方法により製造した。
【0154】
【0155】
( 製 法 )
(1)成分1〜5を90℃にて加熱溶解する。
(2)(1)に成分6〜12を添加し、ローラーにて均一に分散する。
(3)(2)に成分13を添加し、80℃にて溶解後、容器に充填し、ス ティック状コンシーラーを得た。
【0156】
得られたスティック状コンシーラーは粉体分散性に優れ、滑らかな使用感、化粧持続効果に優れたスティック状コンシーラーであった。
【0157】
実 施 例 30
ボディミルク:
以下に示す組成のボディミルクを下記の方法により製造した。
【0158】
【0159】
( 製 法 )
(1)成分1〜7を80℃にて均一に溶解する。
(2)成分8〜16を80℃にて均一に溶解する。
(3)(2)に(1)を添加し、乳化する。
(4)(3)に成分17を添加、均一混合後、攪拌冷却し、ボディミルク を得た。
【0160】
得られたボディミルクは乳化安定性に優れ、滑らかな使用感、化粧持続効果に優れたボディミルクであった。
【0161】
実 施 例 31
コンディショナー:
以下に示す組成のコンディショナーを下記の方法により製造した。
【0162】
【0163】
( 製 法 )
(1)成分1〜5を80℃にて均一に混合する。
(2)成分6〜9を80℃にて均一に混合する。
(3)(1)に(2)を添加し、乳化する。
(4)(3)に成分10を添加、均一混合後、攪拌冷却し、コンディショ ナーを得た。
【0164】
得られたコンディショナーは乳化安定性に優れ、滑らかな使用感に優れたコンディショナーであった。
【0165】
実 施 例 32
ヘアパック:
以下に示す組成のヘアパックを下記の方法により製造した。
【0166】
【0167】
( 製 法 )
(1)成分1〜6を80℃にて均一に混合する。
(2)成分7〜9を80℃に均一に混合する。
(3)(1)に(2)を添加し、乳化する。
(4)(3)に成分10を添加、均一混合後、攪拌冷却し、ヘアパックを 得た。
【0168】
得られたヘアパックは乳化安定性に優れ、滑らかな使用感に優れたヘアパックであった。
【0169】
実 施 例 33
W/O型日焼け止め料:
以下に示す組成の日焼け止め料を下記の方法により製造した。
【0170】
【0171】
( 製 法 )
(1)成分1〜5をローラーにて均一に分散する。
(2)(1)に成分6〜9を添加し、均一に混合する。
(3)(2)に成分10〜14を添加、乳化し、W/O型日焼け止め料を 得た。
【0172】
得られたW/O型日焼け止め料は粉体分散性に優れ、滑らかな使用感、化粧持続効果に優れた日焼け止め料であった。
【0173】
実 施 例 34
マニキュア:
以下に示す組成のマニキュアを下記の方法により製造した。
【0174】
【0175】
( 製 法 )
(1)成分1〜9を均一に混合し、マニキュアを得た。
【0176】
得られたマニキュアは粉体分散性に優れ、滑らかな使用感、化粧持続効果に優れたマニキュアであった。
【0177】
実 施 例 35
化粧下地:
以下に示す組成の化粧下地を下記の方法により製造した。
【0178】
【0179】
( 製 法 )
(1)成分1〜4を80℃にて均一に溶解する。
(2)成分5〜12を80℃にて均一に溶解する。
(3)(2)に(1)を添加し、乳化する。
(4)(3)に成分13〜14を添加混合、冷却し、化粧下地を得た。
【0180】
得られた化粧下地は乳化安定性に優れ、滑らかな使用感、化粧持続効果に優れた下地であった。
【0181】
実 施 例 36
白 粉 :
以下に示す組成の白粉を下記の方法により製造した。
【0182】
【0183】
( 製 法 )
(1)成分1〜5、成分8〜10を均一に混合する。
(2)(1)に成分6、7を添加し、均一に混合する。
(3)(2)をパルベライザーで粉砕し、白粉を得た。
【0184】
得られた白粉は粉体分散性に優れ、滑らかな使用感、化粧持続効果に優れた白粉であった。
【0185】
実 施 例 37
固形粉末型ファンデーション:
以下に示す組成の固形粉末型ファンデーションを下記の方法により製造した。
【0186】
【0187】
( 製 法 )
(1)成分1〜7、成分11〜13を均一に混合する。
(2)(1)に成分8〜10を添加し、均一に混合する。
(3)(2)をパルベライザーで粉砕する。
(4)(3)を金皿に充填し、固形粉末型ファンデーションを得た。
【0188】
得られた固形粉末型ファンデーションは粉体分散性に優れ、滑らかな使用感、化粧持続効果に優れたファンデーションであった。
【0189】
実 施 例 38
固形粉末型チーク:
以下に示す組成の固形粉末型チークを下記の方法により製造した。
【0190】
【0191】
( 製 法 )
(1)成分1〜4、成分7〜9を均一に混合する。
(2)(1)に成分5、6を添加し、均一に混合する。
(3)(2)をパルベライザーで粉砕する。
(4)(3)を金皿に充填し、固形粉末型チークを得た。
【0192】
得られた固形粉末型チークは粉体分散性に優れ、滑らかな使用感、化粧持続効果に優れたチークであった。
【0193】
実 施 例 39
固形粉末型アイシャドウ:
以下に示す組成の固形粉末型アイシャドウを下記の方法により製造した。
【0194】
【0195】
( 製 法 )
(1)成分1〜6、成分10〜12を均一に混合する。
(2)(1)に成分7〜9を添加し、均一に混合する。
(3)(2)をパルベライザーで粉砕する。
(4)(3)を金皿に充填し、固形粉末型アイシャドウを得た。
【0196】
得られた固形粉末型アイシャドウは粉体分散性に優れ、滑らかな使用感、化粧持続効果に優れたアイシャドウであった。
【0197】
実 施 例 40
セラミド処理扁平セルロース粉体の製造(1):
原料としては精製した木材パルプ由来のセルロース粉末(W−400G/日本製紙ケミカル社製)を用いた。まず、40℃での減圧乾燥により吸着水分を0.1%以下まで十分に除去したセルロース粉末(48g)を、密閉可能なアルミナ製粉砕容器(容積500ml)に、アルミナ製粉砕ボール(直径20mm)とともに投入し、更に、セラミド2(TIC−001/高砂香料社製)をセルロース粉末に対して2%になるように添加した。
【0198】
その後、遊星型ボールミル(P−5型/ドイツ・フリッチュ社製)を用い、回転数200rpm(約10G(重力加速度)の粉砕エネルギー)にて、連続して40分間粉砕を行って、セラミド処理扁平セルロース粉体(製品10)を得た。
【0199】
このセラミド処理扁平セルロース粉体の平均粒径、平均厚さおよび扁平度を実施例1と同様にして測定したところ、平均粒径、平均厚さおよび扁平度はそれぞれ平均粒径は18μm、平均厚さ0.6μm、扁平度30であった。
【0200】
実 施 例 41
セラミド処理扁平セルロース粉体の製造(2):
原料としては精製した木材パルプ由来のセルロース粉末(W−400G/日本製紙ケミカル社製)を用いた。まず、40℃での減圧乾燥により吸着水分を0.1%以下まで十分に除去したセルロース粉末(48g)を、密閉可能なアルミナ製粉砕容器(容積500ml)に、アルミナ製粉砕ボール(直径20mm)とともに投入し、更に、セラミド6(セラミドVI/コスモファーム社製)をセルロース粉末に対して2%になるように添加した。
【0201】
その後、遊星型ボールミル(P−5型/ドイツ・フリッチュ社製)を用い、回転数200rpm(約10G(重力加速度)の粉砕エネルギー)にて、連続して50分間粉砕を行って、セラミド処理扁平セルロース粉体を得た。
【0202】
このセラミド処理扁平セルロース粉体の平均粒径、平均厚さおよび扁平度を実施例1と同様にして測定したところ、平均粒径、平均厚さおよび扁平度はそれぞれ平均粒径は20μm、平均厚さ1.5μm、扁平度13.3であった。
【0203】
実 施 例 42
セラミド処理扁平セルロース粉体の製造(3):
原料としては精製した木材パルプ由来のセルロース粉末(W−400G/日本製紙ケミカル社製)を用いた。まず、40℃での減圧乾燥により吸着水分を0.1%以下まで十分に除去したセルロース粉末(48g)を、密閉可能なアルミナ製粉砕容器(容積500ml)に、アルミナ製粉砕ボール(直径20mm)とともに投入し、更に、セラミド1(セラミドI/
Evonik Goldschmidt GmbH社製)をセルロース粉末に対して1%およびオクチルトリエトキシシラン(オクチルトリエトキシシラン/東京化成工業社製)をセルロース粉末に対して1%になるように添加した。
【0204】
その後、遊星型ボールミル(P−5型/ドイツ・フリッチュ社製)を用い、回転数200rpm(約10G(重力加速度)の粉砕エネルギー)にて、連続して20分間粉砕を行って、セラミド処理扁平セルロース粉体を得た。
【0205】
このセラミド処理扁平セルロース粉体の平均粒径、平均厚さおよび扁平度を実施例1と同様にして測定したところ、平均粒径、平均厚さおよび扁平度はそれぞれ平均粒径は30μm、平均厚さ1.5μm、扁平度20.0であった。
【0206】
実 施 例 43
セラミド処理扁平セルロース粉体の製造(4):
原料としては精製した木材パルプ由来のセルロース粉末(W−400G/日本製紙ケミカル社製)を用いた。まず、40℃での減圧乾燥により吸着水分を0.1%以下まで十分に除去したセルロース粉末(48g)を、密閉可能なアルミナ製粉砕容器(容積500ml)に、アルミナ製粉砕ボール(直径20mm)とともに投入し、更に、セラミド3(セラミドIII
/Evonik Goldschmidt GmbH社製)をセルロース粉末に対して1%および片末端カルボキシル変性シリコーン(X−22−3710/信越化学社製)をセルロース粉末に対して1%になるように添加した。
【0207】
その後、遊星型ボールミル(P−5型/ドイツ・フリッチュ社製)を用い、回転数200rpm(約10G(重力加速度)の粉砕エネルギー)にて、連続して30分間粉砕を行って、セラミド処理扁平セルロース粉体を得た。
【0208】
このセラミド処理扁平セルロース粉体の平均粒径、平均厚さおよび扁平度を実施例1と同様にして測定したところ、平均粒径、平均厚さおよび扁平度はそれぞれ平均粒径は25μm、平均厚さ1.6μm、扁平度15.6であった。
【0209】
実 施 例 44
コレステロール処理扁平セルロース粉体の製造(1):
原料としては精製した木材パルプ由来のセルロース粉末(W−400G/日本製紙ケミカル社製)を用いた。まず、40℃での減圧乾燥により吸着水分を0.1%以下まで十分に除去したセルロース粉末(48g)を、密閉可能なアルミナ製粉砕容器(容積500ml)に、アルミナ製粉砕ボール(直径20mm)とともに投入し、更に、コレステロール(コレステロール/日本精化社製)をセルロース粉末に対して2%になるように添加した。
【0210】
その後、遊星型ボールミル(P−5型/ドイツ・フリッチュ社製)を用い、回転数200rpm(約10G(重力加速度)の粉砕エネルギー)にて、連続して40分間粉砕を行って、コレステロール処理扁平セルロース粉体(製品11)を得た。
【0211】
このコレステロール処理扁平セルロース粉体の平均粒径、平均厚さおよび扁平度を実施例1と同様にして測定したところ、平均粒径、平均厚さおよび扁平度はそれぞれ平均粒径は22μm、平均厚さ0.8μm、扁平度27.5であった。
【0212】
実 施 例 45
コレステロール処理扁平セルロース粉体の製造(2):
原料としては精製した木材パルプ由来のセルロース粉末(W−400G/日本製紙ケミカル社製)を用いた。まず、40℃での減圧乾燥により吸着水分を0.1%以下まで十分に除去したセルロース粉末(48g)を、密閉可能なアルミナ製粉砕容器(容積500ml)に、アルミナ製粉砕ボール(直径20mm)とともに投入し、更に、コレステロール(コレステロール/日本精化社製)をセルロース粉末に対して3%およびパーフルオロアルキルリン酸エステルをセルロース粉末に対して2%になるように添加した。
【0213】
その後、遊星型ボールミル(P−5型/ドイツ・フリッチュ社製)を用い、回転数200rpm(約10G(重力加速度)の粉砕エネルギー)にて、連続して60分間粉砕を行って、コレステロール処理扁平セルロース粉体を得た。
【0214】
このコレステロール処理扁平セルロース粉体の平均粒径、平均厚さおよび扁平度を実施例1と同様にして測定したところ、平均粒径、平均厚さおよび扁平度はそれぞれ平均粒径は27μm、平均厚さ1.8μm、扁平度15.0であった。
【0215】
実 施 例 46
フィトステロール処理扁平セルロース粉体の製造:
原料としては精製した木材パルプ由来のセルロース粉末(W−400G/日本製紙ケミカル社製)を用いた。まず、40℃での減圧乾燥により吸着水分を0.1%以下まで十分に除去したセルロース粉末(48g)を、密閉可能なアルミナ製粉砕容器(容積500ml)に、アルミナ製粉砕ボール(直径20mm)とともに投入し、更に、フィトステロール(フィトステロール/エーザイフードケミカル)をセルロース粉末に対して2%になるように添加した。
【0216】
その後、遊星型ボールミル(P−5型/ドイツ・フリッチュ社)を用い、回転数200rpm(約10G(重力加速度)の粉砕エネルギー)にて、連続して40分間粉砕を行って、フィトステロール処理扁平セルロース粉体(製品12)を得た。
【0217】
このフィトステロール処理扁平セルロース粉体の平均粒径、平均厚さおよび扁平度を実施例1と同様にして測定したところ、平均粒径、平均厚さおよび扁平度はそれぞれ平均粒径は24μm、平均厚さ1.0μm、扁平度24.0であった。
【0218】
参 考 例 4
セラミド処理セリサイトの製造:
セリサイト(エイトパール300S/角八魚燐箔社製)98%をセラミド2(TIC−001/高砂香料社製)2%でミルサー(岩谷産業社製)を用いて被覆処理し、セラミド処理セリサイト(比較製品4)を得た。
【0219】
参 考 例 5
セラミド処理セルロース粉末(非扁平)の調製:
原料としては木材パルプ由来のセルロース粉末(W−100G/日本製紙ケミカル社製)を、攪拌機に投入し、セルロース粉末に対して2%となるセラミド2(TIC−001/高砂香料社製)をヘキサンに溶解後添加した。この後、回転数40rpmにて5分間攪拌し、減圧乾燥後、粉砕を行って、セラミド処理セルロース粉末(非扁平)(比較製品5)を得た。
【0220】
実 施 例 47
付着性試験:
実施例40、44および46で得たセラミド処理扁平セルロース粉体、コレステロール処理扁平セルロース粉体、フィトステロール処理扁平セルロース粉体(製品10〜12)の皮膚に対する付着性を実施例8と同様にして調べた。比較としては、参考例1のステアリン酸処理扁平セルロース(比較製品1)を用いた。これらの結果を表6に示す。
【0221】
【表6】
【0222】
実 施 例 48
固形粉末型ファンデーション:
常法により、下記表7に示す組成で固形粉末ファンデーションを調製した。得られた固形粉末ファンデーションについて、その「化粧膜の均一性」、「化粧持ち」および「使用感(塗布時のなめらかさ)」を実施例9と同様にして評価した。この結果も表7に併せて示す。
【0223】
【表7】
【0224】
なお、セラミド処理扁平セルロース粉体、コレステロール処理扁平セルロース粉体、フィトステロール処理扁平セルロース粉体を使用したファンデーション(本発明品4〜6)は、ステアリン酸処理扁平セルロース粉体に代わった比較品5、セラミド処理セリサイトに代わった比較品6、セルロースとセラミドを別々に配合した比較品7、セラミド処理セルロース粉末に代わった比較品8、セルロースとコレステロールを別々に配合した比較品9、セルロースとフィトステロールを別々に配合した比較品10と比べて時間が経っても化粧膜が維持されており、経時での化粧持ちの点で優れていた。また、本発明品4のファンデーションは、実施例9のリン脂質処理扁平セルロース粉体を使用したファンデーション(本発明品1〜3)と比べて時間が経っても化粧膜のキメ細かさが維持されており、経時での化粧持ちの点でより優れていた。
【0225】
実 施 例 49
乳液:
下記表8に示す組成で乳液を、下記方法により製造した。得られた乳液を肌に塗布後の経時水分量変化(塗布5時間後)を下記方法により調べた。この結果も表8に併せて示す。
【0226】
( 製造方法 )
下記成分(1)〜(10)、(23)を70℃に加熱溶解した後、(11)〜(14)を同様に加熱した後添加し、攪拌する。室温にて放冷後、(14)の一部で膨潤した(15)、(16)を添加混合。更に(17)〜(22)を分散した後、添加混合した。
【0227】
( 試験方法 )
<経時水分量変化>
まず、塗布部位を所定の洗浄料で洗浄し、その後一定条件の環境試験室(温度22℃、相対湿度50%)に入室後20分以上経過してから、IBS社製「SKICON200EX」を用いて4回測定し、その平均値を使用した。各被験者の上腕内側部に2cm四方の枠をマークし、そこに各サンプルを200mlずつ塗布する。その各部位における塗布前および塗布5時間後の水分量を測定し、その対初期値比率を算出した。
<乳化安定性>
各サンプルを50℃で1ヶ月保存した後、発生する結晶析出物の有無を確認し、結晶析出物がない場合を○、ある場合を×として判定した。
【0228】
( 結果 )
【表8】
【0229】
なお、本発明品7のセラミド処理扁平セルロース粉体を使用した乳液は、セラミド処理扁平セルロース粉体が入っていない比較品11、ステアリン酸処理扁平セルロース粉体に代わった比較品12、処理されていないセルロース粉体を使用した比較品13、セルロースとセラミドを別々に配合した比較品14と比べて時間が経っても肌の水分量が維持されており、経時での保湿効果の点でより優れていた。
【0230】
実 施 例 50
ジェル美容液:
下記表9に示す組成でジェル美容液を、下記の方法により製造した。得られたジェル美容液を肌に塗布後の経時水分蒸散量変化(塗布5時間後)を下記方法により調べた。この結果も表9に併せて示す。
【0231】
( 製造方法 )
下記成分(1)〜(4)を均一に溶解した後、(5)〜(10)を同様に均一溶解した後添加し、攪拌する。(18)で膨潤した(16)、(17)を添加混合。更に(11)〜(15)を分散した後、添加混合した。
【0232】
( 試験方法 )
まず、塗布部位を所定の洗浄料で洗浄し、その後一定条件の環境試験室(温度22℃、相対湿度50%)に入室後20分以上経過してから、デルフィン・テクノロジイズ(Delfin Technologies)社製バポメーター(Vapometer)SWL2 タイプを用いて水分蒸散量(TEWL)を4回測定し、その平均値を使用した。各被験者の上腕内側部に2cm四方の枠をマークし、そこに各サンプルを200mlずつ塗布する。各部位における塗布前および塗布5時間後の水分蒸散量を測定し、その対初期値比を算出した。
【0233】
( 結果 )
【表9】
【0234】
なお、本発明品8のセラミド処理扁平セルロース粉体を使用した美容液は、セラミド処理扁平セルロース粉体が入っていない比較品15、処理されていないセルロース粉体を使用した比較品16、ステアリン酸処理扁平セルロース粉体に代わった比較品17と比べて時間が経っても肌の水分蒸散量が抑制されており、経時での保湿効果の点でより優れていた。また、油剤が少なくセラミドの結晶析出抑制が困難な美容液のような剤型であっても、本発明品8のセラミド処理扁平セルロース粉体を使用した美容液は、セラミドの結晶析出を抑制することができ、セラミドを容易に配合することが可能となる点においても優れていた。
【0235】
実 施 例 51
二層ローション:
実施例10の二層ローションにおいて、リン脂質処理扁平セルロース粉体(製品1)を実施例40で製造したセラミド処理扁平セルロース粉体に代える以外は同様にして二層ローションを製造した。
【0236】
得られた二層ローションは滑らかな使用感に優れ、実施例10のものよりも水分蒸散抑制効果に優れた二層ローションであった。
【0237】
実 施 例 52
乳 液 :
実施例11の乳液において、リン脂質処理扁平セルロース粉体(製品1)を実施例41で製造したセラミド処理扁平セルロース粉体1.0%および実施例42で製造したコレステロール処理セルロース粉体1.0%に代える以外は同様にして乳液を製造した。
【0238】
得られた乳液は、乳化安定性に優れ、滑らかな使用感、実施例11のものよりも水分保持・蒸散抑制効果に優れた乳液であった。
【0239】
実 施 例 53
クリーム:
実施例12のクリームにおいて、リン脂質処理扁平セルロース粉体(製品2)を実施例42で製造したセラミド処理扁平セルロース粉体に代える以外は同様にしてクリームを製造した。
【0240】
得られたクリームは乳化安定性に優れ、滑らかな使用感、実施例12のものよりも水分保持・蒸散抑制効果に優れたクリームであった。
【0241】
実 施 例 54
美 容 液 :
実施例13の美容液において、リン脂質処理扁平セルロース粉体(製品3)を実施例46で製造したフィトステロール処理扁平セルロース粉体に代える以外は同様にして美容液を製造した。
【0242】
得られた美容液は安定性に優れ、実施例13のものと同様に滑らかな使用感、化粧持続効果に優れた美容液であった。
【0243】
実 施 例 55
パ ッ ク :
実施例14のパックにおいて、リン脂質処理扁平セルロース粉体(製品5)を実施例43で製造したセラミド処理扁平セルロース粉体に代える以外は同様にしてパックを製造した。
【0244】
得られたパックは乳化安定性に優れ、滑らかな使用感、実施例14のものよりも水分保持・蒸散抑制効果に優れたパックであった。
【0245】
実 施 例 56
洗 顔 料 :
実施例15の洗顔料において、リン脂質処理扁平セルロース粉体(製品6)を実施例45で製造したコレステロール処理扁平セルロース粉体に代える以外は同様にして洗顔料を製造した。
【0246】
得られた洗顔料は実施例15のものと同様に滑らかな使用感に優れた洗顔料であった。
【0247】
実 施 例 57
クレンジングクリーム:
実施例16のクレンジングクリームにおいて、リン脂質処理扁平セルロース粉体(製品1)を実施例42で製造したセラミド処理扁平セルロース粉体に代える以外は同様にしてクレンジングクリームを製造した。
【0248】
得られたクレンジングクリームは乳化安定性に優れ、実施例16のものと同様に滑らかな使用感に優れたクレンジングクリームであった。
【0249】
実 施 例 58
ヘアワックス:
実施例17のヘアワックスにおいて、リン脂質処理扁平セルロース粉体(製品4)を実施例40で製造したセラミド処理扁平セルロース粉体に代える以外は同様にしてヘアワックスを製造した。
【0250】
得られたヘアワックスは整髪性に優れ、実施例17のものと同様に滑らかな使用感に優れたヘアワックスであった。
【0251】
実 施 例 59
油性アイライナー:
実施例18の油性アイライナーにおいて、リン脂質処理扁平セルロース粉体(製品2)を実施例43で製造したセラミド処理扁平セルロース粉体に代える以外は同様にして油性アイライナーを製造した。
【0252】
得られた油性アイライナーは実施例18のものと同様に滑らかな使用感、化粧持続効果に優れた油性アイライナーであった。
【0253】
実 施 例 60
水性アイライナー:
実施例19の水性アイライナーにおいて、リン脂質処理扁平セルロース粉体(製品1)を実施例46で製造したフィトステロール処理扁平セルロース粉体に代える以外は同様にして水性アイライナーを製造した。
【0254】
得られた水性アイライナーは実施例19のものと同様に滑らかな使用感、化粧持続効果に優れた水性アイライナーであった。
【0255】
実 施 例 61
アイブロウ:
実施例20のアイブロウにおいて、リン脂質処理扁平セルロース粉体(製品3)を実施例44で製造したコレステロール処理扁平セルロース粉体に代える以外は同様にしてアイブロウを製造した。
【0256】
得られたアイブロウは実施例20のものと同様に滑らかな使用感、化粧持続効果に優れたアイブロウであった。
【0257】
実 施 例 62
O/W型マスカラ:
実施例21のO/W型マスカラにおいて、リン脂質処理扁平セルロース粉体(製品1)を実施例42で製造したセラミド処理扁平セルロース粉体に代える以外は同様にしてO/W型マスカラを製造した。
【0258】
得られたO/W型マスカラは実施例21のものと同様に付着性に優れ、滑らかな使用感、化粧持続効果に優れたO/W型マスカラであった。
【0259】
実 施 例 63
非水系マスカラ:
実施例22の非水系マスカラにおいて、リン脂質処理扁平セルロース粉体(製品2)を実施例42で製造したセラミド処理扁平セルロース粉体に代える以外は同様にして非水系マスカラを製造した。
【0260】
得られた非水系マスカラは実施例22のものと同様に滑らかな使用感、化粧持続効果に優れた非水系マスカラであった。
【0261】
実 施 例 64
スティック状口紅:
実施例23のスティック状口紅において、リン脂質処理扁平セルロース粉体(製品3)を実施例41で製造したセラミド処理扁平セルロース粉体に代える以外は同様にしてスティック状口紅を製造した。
【0262】
得られたスティック状口紅は実施例23のものと同様に滑らかな使用感、化粧持続効果に優れた口紅であった。
【0263】
実 施 例 65
リキッドルージュ:
実施例24のリキッドルージュにおいて、リン脂質処理扁平セルロース粉体(製品4)を実施例46で製造したフィトステロール処理扁平セルロース粉体0.5%に代える以外は同様にしてリキッドルージュを製造した。
【0264】
得られたリキッドルージュは実施例24のものと同様に滑らかな使用感、化粧持続効果に優れたリキッドルージュであった。
【0265】
実 施 例 66
O/W型ファンデーション:
実施例25のO/W型ファンデーションにおいて、リン脂質処理扁平セルロース粉体(製品5)を実施例43で製造したセラミド処理扁平セルロース粉体に代える以外は同様にしてO/W型ファンデーションを製造した。
【0266】
得られたO/W型ファンデーションは実施例25のものと同様に滑らかな使用感、化粧持続効果に優れたO/W型ファンデーションであった。
【0267】
実 施 例 67
W/O型ファンデーション:
実施例26のW/O型ファンデーションにおいて、リン脂質処理扁平セルロース粉体(製品6)を実施例45で製造したコレステロール処理扁平セルロース粉体3.0%に代える以外は同様にしてW/O型ファンデーションを製造した。
【0268】
得られたW/O型ファンデーションは実施例26のものと同様に滑らかな使用感、化粧持続効果に優れたW/O型ファンデーションであった。
【0269】
実 施 例 68
O/W型アイカラー:
実施例27のO/W型アイカラーにおいて、リン脂質処理扁平セルロース粉体(製品5)を実施例44で製造したコレステロール処理扁平セルロース粉体に代える以外は同様にしてO/W型アイカラーを製造した。
【0270】
得られたO/W型アイカラーは実施例27のものと同様に滑らかな使用感、化粧持続効果に優れたO/W型アイカラーであった。
【0271】
実 施 例 69
油性固型ファンデーション:
実施例28の油性固型ファンデーションにおいて、リン脂質処理扁平セルロース粉体(製品4)を実施例42で製造したセラミド処理扁平セルロース粉体に代える以外は同様にして油性固型ファンデーションを製造した。
【0272】
得られた油性固型ファンデーションは実施例28のものと同様に滑らかな使用感で、化粧持続効果にも優れた油性固型ファンデーションであった。
【0273】
実 施 例 70
スティック状コンシーラー:
実施例29のスティック状コンシーラーにおいて、リン脂質処理扁平セルロース粉体(製品3)を実施例40で製造したセラミド処理扁平セルロース粉体に代える以外は同様にしてスティック状コンシーラーを製造した。
【0274】
得られたスティック状コンシーラーは実施例29のものと同様に滑らかな使用感、化粧持続効果に優れたスティック状コンシーラーであった。
【0275】
実 施 例 71
ボディミルク:
実施例30のボディミルクにおいて、リン脂質処理扁平セルロース粉体(製品2)を実施例45で製造したコレステロール処理扁平セルロース粉体に代える以外は同様にしてボディミルクを製造した。
【0276】
得られたボディミルクは乳化安定性に優れ、実施例30のものと同様に滑らかな使用感、化粧持続効果に優れたボディミルクであった。
【0277】
実 施 例 72
コンディショナー:
実施例31のコンディショナーにおいて、リン脂質処理扁平セルロース粉体(製品1)を実施例41で製造したセラミド処理扁平セルロース粉体に代える以外は同様にしてコンディショナーを製造した。
【0278】
得られたコンディショナーは乳化安定性に優れ、実施例31のものと同様に滑らかな使用感に優れたコンディショナーであった。
【0279】
実 施 例 73
ヘアパック:
実施例32のヘアパックにおいて、リン脂質処理扁平セルロース粉体(製品1)を実施例44で製造したコレステロール処理扁平セルロース粉体に代える以外は同様にしてヘアパックを製造した。
【0280】
得られたヘアパックは乳化安定性に優れ、実施例32のものと同様に滑らかな使用感に優れたヘアパックであった。
【0281】
実 施 例 74
W/O型日焼け止め料:
実施例33のW/O型日焼け止め料において、リン脂質処理扁平セルロース粉体(製品2)を実施例43で製造したセラミド処理扁平セルロース粉体に代える以外は同様にしてW/O型日焼け止め料を製造した。
【0282】
得られたW/O型日焼け止め料は実施例33のものと同様に滑らかな使用感、化粧持続効果に優れた日焼け止め料であった。
【0283】
実 施 例 75
マニキュア:
実施例34のマニキュアにおいて、リン脂質処理扁平セルロース粉体(製品3)を実施例45で製造したコレステロール処理扁平セルロース粉体に代える以外は同様にしてマニキュアを製造した。
【0284】
得られたマニキュアは実施例34のものと同様に滑らかな使用感、化粧持続効果に優れたマニキュアであった。
【0285】
実 施 例 76
化粧下地:
実施例35の化粧下地において、リン脂質処理扁平セルロース粉体(製品4)を実施例46で製造したフィトステロール処理扁平セルロース粉体に代える以外は同様にして化粧下地を製造した。
【0286】
得られた化粧下地は乳化安定性に優れ、実施例35のものと同様に滑らかな使用感、化粧持続効果に優れた下地であった。
【0287】
実 施 例 77
白 粉 :
実施例36の白粉において、リン脂質処理扁平セルロース粉体(製品8)を実施例40で製造したセラミド処理扁平セルロース粉体に代える以外は同様にして白粉を製造した。
【0288】
得られた白粉は実施例36のものと同様に付着性に優れ、滑らかな使用感、化粧持続効果に優れた白粉であった。
【0289】
実 施 例 78
固形粉末型ファンデーション:
実施例37の固形粉末型ファンデーションにおいて、リン脂質処理扁平セルロース粉体(製品9)を実施例41で製造したセラミド処理扁平セルロース粉体に代える以外は同様にして固形粉末型ファンデーションを製造した。
【0290】
得られた固形粉末型ファンデーションは実施例37のものと同様に付着性、滑らかな使用感に優れ、実施例35よりも化粧持続効果に優れたファンデーションであった。
【0291】
実 施 例 79
固形粉末型チーク:
実施例38の固形粉末型チークにおいて、リン脂質処理扁平セルロース粉体(製品3)を実施例46で製造したフィトステロール処理扁平セルロース粉体に代える以外は同様にして固形粉末型チークを製造した。
【0292】
得られた固形粉末型チークは実施例38のものと同様に付着性に優れ、滑らかな使用感、化粧持続効果に優れたチークであった。
【0293】
実 施 例 80
固形粉末型アイシャドウ:
実施例39の固形粉末型アイシャドウにおいて、リン脂質処理扁平セルロース粉体(製品2)を実施例44で製造したコレステロール処理扁平セルロース粉体に代える以外は同様にして固形粉末型アイシャドウを製造した。
【0294】
得られた固形粉末型アイシャドウは実施例39のものと同様に滑らかな使用感、化粧持続効果に優れたアイシャドウであった。
【産業上の利用可能性】
【0295】
本発明の両親媒性物質処理扁平セルロース粉体は、基材のセルロース自体が有機物であり、しかも扁平であるため、従来の扁平な無機物であるタルクやセリサイトと比べ、付着性が高く優れた使用感がある。更に、両親媒性物質処理扁平セルロース粉体は、その表面が両親媒性物質で処理されているので、付着性や化粧料に配合した際に塗布時の滑らかさや化粧膜の均一性に優れ、しかも化粧持続性等が向上するものである。
【0296】
従って、本発明の両親媒性物質処理扁平セルロース粉体は、多くの化粧料に利用できるが、特にその効果が発現しやすい化粧料としては、水分保持量や水分蒸散抑制など保湿性が優れている粉体では、基礎化粧料、特に美容液や乳液、クリームといったスキンケア化粧料に好適に用いることができ、汎用油剤や水への分散性が優れている粉体では、リキッドファンデーション等のメイクアップ化粧料として好適に用いることができる。また、これらの粉体は付着性が良く、化粧持ちに優れるため、パウダーファンデーションなどのメイクアップ化粧料としても好適に用いることができる。