(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
互いに隣り合う領域における外形が六角形の前記キューブコーナー型再帰反射素子は、シートに垂直な軸を中心として、互いに60度の奇数倍回転していることを特徴とする請求項7に記載のキューブコーナー型再帰反射シート。
互いに隣り合う領域における外形が六角形の前記キューブコーナー型再帰反射素子は、シートに垂直な軸を中心として、互いに180度の回転していることを特徴とする請求項9に記載のキューブコーナー型再帰反射シート。
前記四角形の反射側面の少なくとも一つは、前記四角形の反射側面における2つの前記反射側面のみで共有する頂点をそれぞれ結ぶ線分により、上部副反射側面及び下部副反射側面に分割されており、
前記上部副反射側面と前記下部副反射側面とが、互いに同一平面上にない
ことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載のキューブコーナー型再帰反射シート。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上記特許文献1〜4に記載の六角形キューブコーナー型再帰反射シートの製造方法において製造される六角形キューブコーナー型再帰反射シートは、六角形キューブコーナー型再帰反射シート全体にわたって、六角形キューブコーナー型再帰反射素子が、同じ方位とされるため、回転角特性が改善されない。
【0013】
一方、特許文献5〜7に記載の六角形キューブコーナー型再帰反射シートにおいては、互いに方位が180度異なる六角形キューブコーナー型再帰反射素子が形成されるそれぞれの領域の境界が目立ってしまう。これは、境界に隣接する再帰反射素子が形成されていなかったり、境界に隣接する反射素子が再帰反射能を有していないためである。例えば、特許文献5に記載の六角形キューブコーナー型再帰反射シートにおいては、境界の一方側においては再帰反射素子が、境界に接しているが、境界の他方側においては、再帰反射を生じるような反射素子が、境界に接していない。また、特許文献6,7においては、領域同士の境界には、再帰反射を生じるような反射素子が全く接していない。従って、領域同士の境界の近傍において、適切な再帰反射光を得ることできず、境界近傍における輝度が低下してしまう。こうして、特許文献5〜7に記載の六角形キューブコーナー型再帰反射シートにおいては、それぞれの領域の境界が目立ってしまい、回転角の改善はされるものの、意匠性に劣るという問題がある。
【0014】
そこで、本発明は、優れた回転角特性を有しつつ、優れた意匠性とすることができるキューブコーナー型再帰反射シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明者らは、優れた再帰反射特性を有する六角形キューブコーナー型再帰反射素子のみを用いて、それぞれの領域の境界を目立たなくさせる方法を検討した。しかし、互いに方位の異なる六角形キューブコーナー型再帰反射素子のみが形成された領域同士の境界においては、再帰反射しない素子が形成されてしまい、境界を目立たなくさせることができないことが分かった。そこで、本発明者は、さらに鋭意検討を行い本発明の六角形キューブコーナー型再帰反射素子を用いたキューブコーナー型再帰反射シートをするに至った。
【0016】
すなわち、本発明のキューブコーナー型再帰反射シートは、キューブコーナー型再帰反射素子が最密充填された複数の領域を有するキューブコーナー型再帰反射シートであって、互いに隣接する少なくとも2つの領域におけるそれぞれの前記キューブコーナー型再帰反射素子は、シートに垂直な軸を中心として互いに回転しており、それぞれの前記領域の境界と接しないキューブコーナー型再帰反射素子は、互いに垂直な3つの四角形の反射側面が、それぞれの1つの頂点を共有し、かつ、互いに隣り合う前記反射側面同士が1本の辺を共有することで、3本の稜線を有すると共に、それぞれの前記反射側面における隣り合う前記反射側面同士により共有されない辺により、外形が六角形とされるキューブコーナー型再帰反射素子であり、それぞれの前記領域における前記境界と接するキューブコーナー型再帰反射素子は、外形が六角形の前記キューブコーナー型再帰反射素子における1つまたは2つの前記反射側面の一部が切り取られた形状を含むキューブコーナー型再帰反射素子であって、一部が切り取られた前記反射側面が前記境界に接することを特徴とするものである。
【0017】
このような六角形キューブコーナー型再帰反射シートによれば、それぞれの領域に形成されるキューブコーナー型再帰反射素子は、優れた反射特性を有する六角形キューブコーナー型再帰反射素子とされる。そして、互いに隣り合う少なくとも2つの領域におけるキューブコーナー型再帰反射素子は、シートに垂直な軸を中心として互いに回転した関係であるため、それぞれの領域において、異なる回転角特性を有している。従って、キューブコーナー型再帰反射シート全体として、回転角特性を改善することができる。
【0018】
また、それぞれの領域の境界に接するキューブコーナー型再帰反射素子は、六角形キューブコーナー型再帰反射素子の1つまたは2つの反射側面の一部が切り取られた形状を含み、この一部が切り取られた反射側面が境界に接する。このようなキューブコーナー型再帰反射素子が、上述の六角形キューブコーナー型再帰反射素子と共に最密充填されているため、境界においてキューブコーナー型再帰反射素子を最密充填することができる。そして、境界に接しているキューブコーナー型再帰反射素子は、反射側面の一部が切り取られているものの、3つの反射側面を有している。従って、光がそれぞれの領域同士の境界の近傍に入射する場合においても、光は、境界と接するキューブコーナー型再帰反射素子の3つの反射側面で反射されて、再帰反射光として出射される。このように光が複数の領域に跨って入射する場合においても、境界に再帰反射素子が接しているため、境界付近の輝度が低下することを抑制することができ、当該境界を目立たなくすることができる。こうして、本発明のキューブコーナー型再帰反射シートによれば、優れた意匠性を実現することができるのである。
【0019】
ところで、キューブコーナー型再帰反射シートにおいては、互いに異なる回転角特性を有するそれぞれの領域の面積が大きな場合、それぞれの領域が目視により判別できる。これは、それぞれの領域における回転角特性の違いにより、反射光の輝度が異なる場合があるためである。このように目視によるそれぞれの領域の判別をできなくして、キューブコーナー型再帰反射シート全体としての一体性を持たせるために、それぞれの領域の面積を小さくして、小さな領域をキューブコーナー型再帰反射シート全体に配置することが考えられる。このような場合においては、それぞれの領域の境界が、キューブコーナー型再帰反射シート全体として増えてしまう。しかし、本発明のキューブコーナー型再帰反射シートによれば、境界と接するキューブコーナー型再帰反射素子が再帰反射性を失わないため、面積の小さな領域をキューブコーナー型再帰反射シート全体に配置する場合においても、キューブコーナー型再帰反射シート全体として再帰反射特性が低下するのを防止することができる。
【0020】
また、上記キューブコーナー型再帰反射シートにおいて、前記境界と接するそれぞれのキューブコーナー型再帰反射素子における前記境界と接する面は、前記反射側面が、2つの反射側面のみで共有され、互いに対向する頂点を結ぶ線で切り取られた三角形から成る面であることが好ましい。
【0021】
このキューブコーナー型再帰反射シートにおいても、境界に再帰反射素子が接しているため、境界付近の輝度が低下することを抑制することができ、当該境界を目立たなくすることができる。
【0024】
また、上記キューブコーナー型再帰反射シートにおいて、前記境界と接するそれぞれの前記キューブコーナー型再帰反射素子は、1つの前記反射側面のみが、前記境界に接することとしても良い。
【0025】
このキューブコーナー型再帰反射シートにおいては、境界を直線状にすることができる。
【0026】
或いは、上記キューブコーナー型再帰反射シートにおいて、前記境界と接するそれぞれの前記キューブコーナー型再帰反射素子は、2つの前記反射側面が、前記境界に接することとしても良い。
【0027】
このキューブコーナー型再帰反射シートにおいては、それぞれの領域の境界に接するキューブコーナー型再帰反射素子は、2つの反射側面が切り取られ、2つの三角形の反射側面が境界に接するため、境界を2つの反射側面の辺に沿って、曲がった形状とすることができる。
【0028】
また或いは、上記キューブコーナー型再帰反射シートにおいて、前記境界と接する一部のキューブコーナー再帰反射素子は、1つの前記反射側面のみが、前記境界に接し、前記境界と接する他の一部のキューブコーナー再帰反射素子は、2つの前記反射側面が、前記境界に接することとしても良い。
【0029】
このような再帰反射シートにおいては、境界の一部を1つの反射側面の一部が切り取られる線に沿った直線状とすることができ、境界の他の一部を2つの反射側面の一部が切り取られるそれぞれの線に沿った曲がった形状とすることができる。従って、領域を三角形や六角形等の形状にすることができ、さらに、優れた意匠性を実現することができる。
【0030】
また、上記キューブコーナー型再帰反射シートにおいて、前記境界は、外形が六角形の前記キューブコーナー型再帰反射素子における2つの反射側面のみで共有される頂点を結ぶ線と平行であることが好ましい。
【0031】
このようなキューブコーナー型再帰反射シートにおいては、六角形キューブコーナー型再帰反射素子における2つの反射側面のみで共有される頂点を結ぶ線と平行な境界を有する領域とすることにより、領域同士の隙間が生じない境界の設定を容易にすることができる。
【0032】
また、上記キューブコーナー型再帰反射シートにおいて、外形が六角形の前記キューブコーナー型再帰反射素子における前記3本の稜線の長さは、互いに等しいことが好ましい。
【0033】
このような六角形キューブコーナー型再帰反射シートにおいては、それぞれの六角形キューブコーナー型再帰反射素子をいわゆる正六角形の素子にすることができる。そして、このような等方位素子が最密充填された六角形キューブコーナー型再帰反射シートは、回転角特性に優れるため好ましい。
【0034】
さらに、上記キューブコーナー型再帰反射シートにおいて、互いに隣り合う領域におけるそれぞれの前記六角形キューブコーナー型再帰反射素子は、シートに垂直な軸を中心として、互いに60度の奇数倍回転していることが好ましい。
【0035】
このような六角形キューブコーナー型再帰反射シートによれば、六角形キューブコーナー型再帰反射素子が並ぶ方向を、それぞれの領域で対称とすることができ、意匠性をさらに向上させることができる。
【0036】
また、上記キューブコーナー型再帰反射シートにおいて、前記六角形キューブコーナー型再帰反射素子における前記3本の稜線のうち少なくとも1つの稜線が他の稜線と異なる長さであることとしても良い。
【0037】
さらに、上記キューブコーナー型再帰反射シートにおいて、互いに隣り合う領域における外形が六角形の前記キューブコーナー型再帰反射素子は、シートに垂直な軸を中心として、互いに180度の回転していることが好ましい。
【0038】
このような六角形キューブコーナー型再帰反射シートによれば、六角形キューブコーナー型再帰反射素子が並ぶ方向を、それぞれの領域で対称とすることができ、意匠性をさらに向上させることができる。
【0039】
また、上記キューブコーナー型再帰反射シートにおいて、それぞれの領域における前記六角形キューブコーナー型再帰反射素子が、頂角偏差を有することが好ましい。
【0040】
このような六角形キューブコーナー型再帰反射シートにおいては、頂角偏差を有する六角形キューブコーナー型再帰反射素子により、光の入射方向に対して、光の出射方向が僅かにずれるので、優れた観測角特性を有することができる。
【0041】
また、上記六角形キューブコーナー型再帰反射シートにおいて、前記六角形キューブコーナー型再帰反射素子における前記反射側面の少なくとも一つは、2つの反射側面同士のみで共有する頂点をそれぞれ結ぶ線分により、上部副反射側面及び下部副反射側面に分割されており、前記上部副反射側面と前記下部副反射側面とが、互いに同一平面上にないことが好ましい。
【0042】
このような六角形キューブコーナー型再帰反射シートによれば、3つの反射側面で反射する光は、上部副反射側面のみで反射したり、上部副反射側面と下部副反射側面との組み合わせで反射したり、下部副反射側面のみで反射したりする。そして、上部副反射側面と下部副反射側面とは互いに同一平面上にないため、同じ角度で入射する光が、互いに僅かに異なる角度で出射することができるので、優れた観測角特性を有することができる。
【発明の効果】
【0043】
以上の様に、本発明によれば、優れた回転角特性を有しつつ、優れた意匠性とすることができるキューブコーナー型再帰反射シートが提供される。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下、本発明に係るキューブコーナー型再帰反射シートの好適な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0046】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係るキューブコーナー型再帰反射シートの六角形キューブコーナー型再帰反射素子を示す拡大図である。
図1の(A)、(B)に示すように、本実施形態におけるキューブコーナー型再帰反射素子は、六角形キューブコーナー型再帰反射素子とされる。
【0047】
図1の(A)に示すように六角形キューブコーナー型再帰反射素子11は、互いに合同な3つの四角形の反射側面a,b,cを有している。反射側面aは、頂点H,N,I,Jを有する正方形であり、反射側面bは、頂点H,J,K,Lを有する正方形であり、反射側面cは、頂点H,L,M,Nを有する正方形である。従って、反射側面a,b,cは、それぞれの1つの頂点Hを共有している。つまり、頂点Hは3つの反射側面で共有される、キューブコーナ型再帰反射素子の頂点である。そして、互いに隣り合う反射側面a,bが1本の辺HJを共有しており、さらに、互いに隣り合う反射側面b,cが1本の辺HLを共有しており、さらに、互いに隣り合う反射側面c,aが1本の辺HNを共有しており、それぞれの反射側面a,b,cで共有される辺により、3本の稜線HL,HJ,HNが形成されている。また、それぞれの反射側面a,b,cにおける稜線とされない辺、すなわち、互いに隣り合う2つの反射側面同士により共有されない辺により、6本の外周辺IJ,JK,KL,LM,MN,NIが形成されており、外形が正六角形とされている。この様に六角形キューブコーナー型再帰反射素子11は、正面から見る場合に外形が正六角形の六角形キューブコーナー型再帰反射素子とされている。
【0048】
また、
図1の(B)において、六角形キューブコーナー型再帰反射素子12は、
図1の(A)に示す六角形キューブコーナー型再帰反射素子11を、シートに垂直な軸を中心として、180度回転させた形状とされている。なお、
図1の(A)に示す六角形キューブコーナー型再帰反射素子11は、上述のように外形が正六角形であるであるため、
図1の(A)のそれぞれの六角形キューブコーナー型再帰反射素子11を、シートに垂直な軸を中心として、60度の奇数倍回転させれば
図1の(B)に示す六角形キューブコーナー型再帰反射素子12となる。その場合において、
図1の(B)とは対応する反射側面a,b,cの位置が異なる場合があっても、外見は同じになる。
【0049】
なお、
図1の(A),(B)及び以下の図において、理解の容易のため、頂点Hには黒点が記されている。
【0050】
図2は、
図1の六角形キューブコーナー型再帰反射素子が並んでいる様子を示す図である。
図2の(A)は、
図1の(A)に示す六角形キューブコーナー型再帰反射素子11が横一列に3つ並んでいる様子を示す。このように六角形キューブコーナー型再帰反射素子11が並ぶ場合、互いに隣り合う2つの反射側面同士により共有されない辺が、互いに隣り合う六角形キューブコーナー型再帰反射素子11同士で共有される。つまり、例えば、
図2の(A)に示すように1つの六角形キューブコーナー型再帰反射素子11の1つの外周辺MLと隣の六角形キューブコーナー型再帰反射素子の1つの外周辺IJ(図示せず)とが共有される。また、図示はしないが、例えば、六角形キューブコーナー型再帰反射素子11が斜めに並ぶ場合、1つの六角形キューブコーナー型再帰反射素子11の1つの外周辺KLと、この六角形キューブコーナー型再帰反射素子に斜めに並ぶ隣の六角形キューブコーナー型再帰反射素子の1つの外周辺NIとが共有される。
【0051】
また、
図2の(B)は、
図1の(B)に示す六角形キューブコーナー型再帰反射素子12が横一列に3つ並んでいる様子を示す。
図2の(B)に示すように、六角形キューブコーナー型再帰反射素子12が並ぶ場合においても、互いに隣り合う2つの反射側面同士により共有されない辺が、互いに隣り合う六角形キューブコーナー型再帰反射素子12同士で共有される。つまり、例えば、
図2の(B)に示すように1つの六角形キューブコーナー型再帰反射素子12の1つの外周辺IJと隣の六角形キューブコーナー型再帰反射素子の1つの外周辺LM(図示せず)とが共有される。また、図示はしないが、例えば、六角形キューブコーナー型再帰反射素子12が斜めに並ぶ場合、1つの六角形キューブコーナー型再帰反射素子12の1つの外周辺NIと、この六角形キューブコーナー型再帰反射素子に斜めに並ぶ隣の六角形キューブコーナー型再帰反射素子の1つの外周辺KLとが共有される。
【0052】
図3は、
図1の六角形キューブコーナー型再帰反射素子の1つの反射側面が切り取られたキューブコーナー型再帰反射素子である。
図3の(A)は、
図1の(A)の六角形キューブコーナー型再帰反射素子11の1つの反射側面が切り取られたキューブコーナー型再帰反射素子の一例を示す図であり、
図3の(B)は、
図1の(B)の六角形キューブコーナー型再帰反射素子12の1つの反射側面が切り取られたキューブコーナー型再帰反射素子の一例を示す図である。
【0053】
図3の(A)に示すように、キューブコーナー型再帰反射素子11sは、
図1の(A)の六角形キューブコーナー型再帰反射素子11における1つの反射側面が、互いに隣り合う2つの反射側面のみにより共有され、互いに対向する頂点を結ぶ線で切り取られた三角形とされて、外形が五角形のキューブコーナー型再帰反射素子とされている。具体的には、
図3の(A)においては、
図1の(A)に示す六角形キューブコーナー型再帰反射素子11の2つの反射側面b,aのみで共有される頂点J、及び、2つの反射側面b,aのみで共有される頂点Lを結ぶ線JLにより、反射側面bが切り取られて、三角形HJLからなる反射側面b’とされている。なお、図示はしないが、キューブコーナー型再帰反射素子11sは、用途に応じて他の反射側面aが頂点N,Jを結ぶ線NJにより切り取られて、三角形HNJからなる反射側面a’とされても良く、反射側面cが頂点L,Nを結ぶ線LNにより切り取られて、三角形HLNからなる反射側面c’とされても良い。なお、上述の様に六角形キューブコーナー型再帰反射素子11は、外形が正六角形である素子であるため、反射側面bが頂点J,Lを結ぶ線JLにより切り取られたキューブコーナー型再帰反射素子11sを、シートに垂直な軸を中心として、120度或いは240度回転させることにより、反射側面aが頂点N,Jを結ぶ線NJにより切り取られたキューブコーナー型再帰反射素子11sや、反射側面cが頂点L,Nを結ぶ線LNにより切り取られたキューブコーナー型再帰反射素子11sとすることができる。
【0054】
また、上述の様に六角形キューブコーナー型再帰反射素子12は、
図1の(A)に示す六角形キューブコーナー型再帰反射素子11を、シートに垂直な軸を中心として、180度回転させた形状とされているため、
図3の(B)に示す外形が五角形のキューブコーナー型再帰反射素子12sは、
図3の(A)に示すキューブコーナー型再帰反射素子11sを、シートに垂直な軸を中心として、180度回転させた形状とされている。なお、キューブコーナー型再帰反射素子12sにおいても、図示はしないが、キューブコーナー型再帰反射素子12sは、用途に応じて他の反射側面aが頂点N,Jを結ぶ線NJにより切り取られて、三角形の反射側面a’とされても良く、反射側面cが頂点L,Nを結ぶ線LNにより切り取られて、三角形の反射側面c’とされても良い。なお、キューブコーナー型再帰反射素子12においても、反射側面bが、2つの反射側面のみで共有され、互いに対向する頂点J,Lを結ぶ線JLにより切り取られたキューブコーナー型再帰反射素子12sを、シートに垂直な軸を中心として、120度或いは240度で回転させることにより、反射側面aが頂点N,Jを結ぶ線NJにより切り取られたキューブコーナー型再帰反射素子12sや、反射側面cが頂点L,Nを結ぶ線LNにより切り取られたキューブコーナー型再帰反射素子12sとすることができる。
【0055】
図4は、
図1の六角形キューブコーナー型再帰反射素子の2つの反射側面が切り取られたキューブコーナー型再帰反射素子である。
図4の(A)は、
図1の(A)の六角形キューブコーナー型再帰反射素子11の2つの反射側面が切り取られたキューブコーナー型再帰反射素子の一例を示す図であり、
図4の(B)は、
図1の(B)の六角形キューブコーナー型再帰反射素子12の2つの反射側面が切り取られたキューブコーナー型再帰反射素子の一例を示す図である。
【0056】
図4の(A)に示すように、キューブコーナー型再帰反射素子11tは、
図1の(A)の六角形キューブコーナー型再帰反射素子11における2つの反射側面が、互いに隣り合う2つの反射側面のみにより共有され、互いに対向する頂点を結ぶ線で切り取られた三角形とされて、外形が四角形のキューブコーナー型再帰反射素子11tとされている。具体的には、
図4の(A)においては、
図1の(A)に示す六角形キューブコーナー型再帰反射素子11の頂点N、及び、2つの反射側面a,cのみで共有される頂点Jを結ぶ線NJにより反射側面aが切り取られて、三角形の反射側面a’とされ、さらに、2つの反射側面c,bのみで共有される頂点L、及び、2つの反射側面c,aのみで共有される頂点Nを結ぶ線により反射側面cが切り取られて、三角形の反射側面c’とされている。なお、図示はしないが、キューブコーナー型再帰反射素子11tは、用途に応じて他の反射側面a及び反射側面bが、頂点N,Jを結ぶ線NJ、及び、頂点J,Lを結ぶ線JLによりそれぞれ切り取られて、それぞれ三角形の反射側面a’,b’とされても良く、反射側面b,cが頂点J,Lを結ぶ線JL、及び、頂点L,Nを結ぶ線LNによりそれぞれ切り取られて、それぞれ三角形の反射側面b’,c’とされても良い。なお、上述の様に六角形キューブコーナー型再帰反射素子11は、外形が正六角形である素子であるため、
図4の(A)に示す反射側面a,cが頂点N,Jを結ぶ線及び頂点L,Nを結ぶ線により切り取られたキューブコーナー型再帰反射素子11tを、シートに垂直な軸を中心として、120度或いは240度回転させることにより、反射側面a,bが頂点N,Jを結ぶ線NJ、及び、頂点J,Lを結ぶ線JLによりそれぞれ切り取られたキューブコーナー型再帰反射素子11sや、反射側面b,cが頂点J,Lを結ぶ線JL、及び、頂点L,Nを結ぶ線LNによりそれぞれ切り取られたキューブコーナー型再帰反射素子11sとすることができる。
【0057】
また、上述の様に六角形キューブコーナー型再帰反射素子12は、
図1の(A)に示す六角形キューブコーナー型再帰反射素子11を、シートに垂直な軸を中心として、180度回転させた形状とされているため、
図4の(B)に示す外形が四角形のキューブコーナー型再帰反射素子12tは、
図4の(A)に示すキューブコーナー型再帰反射素子11tを、シートに垂直な軸を中心として、180度回転させた形状とされている。なお、キューブコーナー型再帰反射素子12tにおいても、用途に応じて他の反射側面a及び反射側面bが、頂点N,Jを結ぶ線NJ、及び、頂点J,Lを結ぶ線JLによりそれぞれ切り取られて、それぞれ三角形の反射側面a’,b’とされても良く、反射側面b,cが頂点J,Lを結ぶ線JL、及び、頂点L,Nを結ぶ線LNによりそれぞれ切り取られて、それぞれ三角形の反射側面b’,c’とされても良い。なお、キューブコーナー型再帰反射素子12においても、反射側面a,cが頂点N,Jを結ぶ線NJ、及び、頂点L,Nを結ぶ線LNにより切り取られたキューブコーナー型再帰反射素子12sを、シートに垂直な軸を中心として、120度或いは240度回転させることにより、反射側面a及び反射側面bが、頂点N,Jを結ぶ線NL、及び、頂点J,Lを結ぶ線JLによりそれぞれ切り取られたキューブコーナー型再帰反射素子12sや、反射側面b,cが頂点J,Lを結ぶ線JL、及び、頂点L,Nを結ぶ線LNによりそれぞれ切り取られたキューブコーナー型再帰反射素子12sとすることができる。
【0058】
図5は、
図1、
図3、
図4に示すキューブコーナー型再帰反射素子が最密充填されたキューブコーナー型再帰反射シートの領域を示す平面図である。
【0059】
図5の(A)に示す領域Aは、外形が正三角形とされており、この領域Aの外周と接しないキューブコーナー型再帰反射素子は、
図1の(A)に示す六角形キューブコーナー型再帰反射素子11とされており、六角形キューブコーナー型再帰反射素子11が、
図2の(A)を用いて説明したように横や斜めに並べられることで、最密充填されている。また、領域Aのそれぞれの頂点以外において外周と接するキューブコーナー型再帰反射素子は、
図3の(A)を用いて説明した外形が五角形のキューブコーナー型再帰反射素子11sとされており、2つの反射側面のみで共有され、互いに対向する頂点を結ぶ線で切り取られた三角形の反射側面a’、或いは反射側面b’、或いは反射側面c’が、外周に接している。また、この外形が五角形のキューブコーナー型再帰反射素子11sは、六角形キューブコーナー型再帰反射素子11と隙間なく接するように並べられている。また、領域Aのそれぞれの頂点において、領域Aの外周と接するキューブコーナー型再帰反射素子は、
図4の(A)を用いて説明した外形が四角形のキューブコーナー型再帰反射素子11tとされており、2つの反射側面のみで共有され、互いに対向する頂点を結ぶ線で切り取られた2つの三角形の反射側面a’,b’、或いは反射側面b’,c’、或いは反射側面c’,a’が、外周に接している。また、この外形が四角形のキューブコーナー型再帰反射素子11tは、六角形キューブコーナー型再帰反射素子11及び外形が五角形のキューブコーナー型再帰反射素子11sと隙間なく接するように並べられている。この様にして、領域Aには、キューブコーナー型再帰反射素子が最密充填されている。
【0060】
また、
図5の(B)に示す領域Bは、外形が正三角形とされており、領域Aを平面上において180度回転させた形とされている。この領域Bの外周と接しないキューブコーナー型再帰反射素子は、
図1の(B)に示す六角形キューブコーナー型再帰反射素子12とされており、六角形キューブコーナー型再帰反射素子12が、
図2の(B)を用いて説明したように横や斜めに並べられることで、最密充填されている。また、領域Bのそれぞれの頂点以外において外周と接するキューブコーナー型再帰反射素子は、
図3の(B)を用いて説明した外形が五角形のキューブコーナー型再帰反射素子12sとされており、2つの反射側面のみで共有され、互いに対向する頂点を結ぶ線で切り取られた三角形の反射側面a’、或いは反射側面b’、或いは反射側面c’が、外周に接している。また、この外形が五角形のキューブコーナー型再帰反射素子11sは、六角形キューブコーナー型再帰反射素子11と隙間なく接するように並べられている。また、領域Bのそれぞれの頂点において、領域Bの外周と接するキューブコーナー型再帰反射素子は、
図4の(B)を用いて説明した外形が四角形のキューブコーナー型再帰反射素子12tとされており、2つの反射側面のみで共有され、互いに対向する頂点を結ぶ線で切り取られた2つの三角形の反射側面a’,b’、或いは反射側面b’,c’、或いは反射側面c’,a’が、外周に接している。また、この外形が四角形のキューブコーナー型再帰反射素子12tは、六角形キューブコーナー型再帰反射素子12及び外形が五角形のキューブコーナー型再帰反射素子12sと隙間なく接するように並べられている。この様にして、領域Bには、キューブコーナー型再帰反射素子が最密充填されている。
【0061】
図6は、
図5に示すキューブコーナー型再帰反射シートの領域が組み合わされた本発明のキューブコーナー型再帰反射シートを示す平面図である。
図6に示すように、キューブコーナー型再帰反射シート1においては、
図5に示す領域Aと領域Bとが互いに隣接して並べられている。従って、キューブコーナー型再帰反射シート1においては、それぞれの領域A,Bの境界の一部(領域A,Bの頂点と接しない境界)と接するキューブコーナー型再帰反射素子は、外形が五角形のキューブコーナー型再帰反射素子11s,12sであり、キューブコーナー型再帰反射素子11s,12sの三角形の反射側面a’、反射側面b’、反射側面c’が領域A,Bの境界に接しており、それぞれの領域A,Bの境界の他の一部(領域A,Bの頂点と接する境界)と接するキューブコーナー型再帰反射素子は、外形が四角形のキューブコーナー型再帰反射素子11t,12tであり、キューブコーナー型再帰反射素子11t,12tの2つの三角形の反射側面a’及び反射側面b’、反射側面b’及び反射側面c’、反射側面c’及び反射側面a’が領域A,Bの境界に接している。こうして、キューブコーナー型再帰反射シート1においては、それぞれの領域A,Bと接するキューブコーナー型再帰反射素子が再帰反射性を有している。
【0062】
以上説明したように、本実施形態におけるキューブコーナー型再帰反射シート1によれば、それぞれの領域A,Bに形成されるキューブコーナー型再帰反射素子が、優れた反射特性を有する六角形キューブコーナー型再帰反射素子11,12とされる。そして、互いにに隣り合う少なくとも2つの領域A,Bにおけるキューブコーナー型再帰反射素子は、互いに回転した関係であるため、それぞれの領域において、異なる回転角特性を有している。従って、キューブコーナー型再帰反射シート1の全体として、回転角特性を改善することができる。
【0063】
また、それぞれの領域A,Bの境界に接するキューブコーナー型再帰反射素子11s,12s或いはキューブコーナー型再帰反射素子11t,12tは、六角形キューブコーナー型再帰反射素子11,12の1つまたは2つの反射側面の一部が切り取られており、この一部が切り取られた反射側面が領域Aと領域Bとの境界に接している。このようなキューブコーナー型再帰反射素子11s,12s,11t,12tが、上述の六角形キューブコーナー型再帰反射素子11,12と共に最密充填されているため、境界において隙間をなくしてキューブコーナー型再帰反射素子を最密充填することができる。そして、境界に接しているキューブコーナー型再帰反射素子11s,12s,11t,12tは、反射側面の一部が切り取られているものの、3つの反射側面を有している。従って、光がそれぞれの領域同士の境界の近傍に入射する場合においても、光は、境界と接するキューブコーナー型再帰反射素子11s,12s,11t,12tの3つの反射側面で反射されて、再帰反射光として出射される。このように光が複数の領域に跨って入射する場合においても、境界にキューブコーナー型再帰反射素子11s,12s,11t,12tが接しているため、境界付近の輝度が低下することを抑制することができ、それぞれの領域Aと領域Bとの境界を目立たなくすることができる。こうして、本実施形態のキューブコーナー型再帰反射シート1によれば、優れた意匠性を実現することができるのである。
【0064】
また、キューブコーナー型再帰反射シート1において、互いに異なる回転角特性を有する領域A及び領域Bの面積が大きな場合、それぞれの領域が目視により判別できる。このように目視によるそれぞれの領域A,Bの判別をできなくして、キューブコーナー型再帰反射シート1全体としての一体性を持たせるために、領域A,Bの面積を小さくして、小さな領域をキューブコーナー型再帰反射シート全体に配置することが考えられる。このような場合においては、領域Aと領域Bとの境界が、キューブコーナー型再帰反射シート全体として増えてしまう。しかし、本実施形態のキューブコーナー型再帰反射シート1によれば、境界と接するキューブコーナー型再帰反射素子11s,12s,11t,12tが再帰反射性を失わないため、面積の小さな領域A,Bをキューブコーナー型再帰反射シート1全体に配置する場合においても、キューブコーナー型再帰反射シート1全体として再帰反射特性が低下するのを防止することができる。
【0065】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について
図7〜
図9を参照して詳細に説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、同一の参照符号を付して特に説明する場合を除き重複する説明は省略する。
【0066】
図7は、本発明の第2実施形態に係るキューブコーナー型再帰反射シートの六角形キューブコーナー型再帰反射素子が並んでいる様子を示す図であり、第1実施形態における
図2に相当する図である。また、
図8は、キューブコーナー型再帰反射素子が最密充填された本実施形態のキューブコーナー型再帰反射シートの領域を示す平面図であり、
図9は、
図8に示すキューブコーナー型再帰反射シートの領域が組み合わされた本実施形態に係るキューブコーナー型再帰反射シートを示す平面図である。
【0067】
図7に示すように、本実施形態における、六角形キューブコーナー型再帰反射素子21,22は、3本の稜線HJ,HL,HNのうち、1つの稜線HNが他の稜線HJ,HLと異なる長さとされている点において、第1実施形態の六角形キューブコーナー型再帰反射素子11,12と異なる。そして、キューブコーナー型再帰反射素子21,22は、シートに垂直な軸を中心として、互いに180度回転している。
【0068】
また、
図8の(A)に示す領域Aは、外形が二等辺三角形とされており、この領域Aの外周と接しないキューブコーナー型再帰反射素子は、
図7の(A)に示す六角形キューブコーナー型再帰反射素子21とされている。また、領域Aのそれぞれの頂点以外において外周と接するキューブコーナー型再帰反射素子は、
図7の(A)に示す六角形キューブコーナー型再帰反射素子21における3つの反射側面a,b,cの内、1つの反射側面が、互いに隣り合う2つの反射側面のみにより共有され、互いに対向する頂点を結ぶ線で切り取られた三角形の反射側面b’、或いは反射側面b’、或いは反射側面c’とされて、外形が五角形のキューブコーナー型再帰反射素子21sとされている。さらに、領域Aのそれぞれの頂点において外周と接するキューブコーナー型再帰反射素子は、
図7の(A)に示す六角形キューブコーナー型再帰反射素子21における3つの反射側面a,b,cの内、2つの反射側面が、互いに隣り合う2つの反射側面のみにより共有され、互いに対向する頂点を結ぶ線で切り取られた三角形の反射側面b’、或いは反射側面b’、或いは反射側面c’とされて、外形が四角形のキューブコーナー型再帰反射素子21tとされている。
【0069】
また、
図8の(B)に示す領域Bは、外形が二等辺三角形とされており、この領域Bの外周と接しないキューブコーナー型再帰反射素子は、
図7の(B)に示す六角形キューブコーナー型再帰反射素子22とされている。また、領域Bのそれぞれの頂点以外において外周と接するキューブコーナー型再帰反射素子は、
図7の(B)に示す六角形キューブコーナー型再帰反射素子22における3つの反射側面a,b,cの内、1つの反射側面が、互いに隣り合う2つの反射側面のみにより共有され、互いに対向する頂点を結ぶ線で切り取られた三角形の反射側面b’、或いは反射側面b’、或いは反射側面c’とされて、外形が五角形のキューブコーナー型再帰反射素子22sとされている。さらに、領域Aのそれぞれの頂点において外周と接するキューブコーナー型再帰反射素子は、
図7の(B)に示す六角形キューブコーナー型再帰反射素子22における3つの反射側面a,b,cの内、2つの反射側面が、互いに隣り合う2つの反射側面のみにより共有され、互いに対向する頂点を結ぶ線で切り取られた三角形の反射側面b’、或いは反射側面b’、或いは反射側面c’とされて、外形が四角形のキューブコーナー型再帰反射素子22tとされている。
【0070】
そして、
図9に示すようにキューブコーナー型再帰反射シート2においては、
図8に示す領域Aと領域Bとが互いに隣接して並べられている。従って、キューブコーナー型再帰反射シート2においては、それぞれの領域A,Bの境界の一部と接するキューブコーナー型再帰反射素子は、外形が五角形のキューブコーナー型再帰反射素子21s,22sであり、キューブコーナー型再帰反射素子21s,22sの三角形の反射側面a’、反射側面b’、反射側面c’が領域A,Bの境界に接している。また、それぞれの領域A,Bの境界の他の一部と接するキューブコーナー型再帰反射素子は、外形が四角形のキューブコーナー型再帰反射素子21t,22tであり、キューブコーナー型再帰反射素子21t,22tの2つの三角形の反射側面a’及び反射側面b’、反射側面b’及び反射側面c’、反射側面c’及び反射側面a’が領域A,Bの境界に接している。こうして、キューブコーナー型再帰反射シート2においては、それぞれの領域A,Bと接するキューブコーナー型再帰反射素子が再帰反射性を有している。
【0071】
本実施形態の様に、キューブコーナー型再帰反射素子21,22の形状を第1実施形態のキューブコーナー型再帰反射素子11,12と変化させることにより、同じようにキューブコーナー型再帰反射素子を最密充填する場合においても、それぞれの領域A,Bの形状を第1実施形態の領域A,Bから変化させることができる。
【0072】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について
図10及び
図11を参照して詳細に説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、同一の参照符号を付して特に説明する場合を除き重複する説明は省略する。
【0073】
図10は、本発明の第3実施形態に係るキューブコーナー型再帰反射シート示す平面図であり、
図11は、
図10に示すキューブコーナー型再帰反射シートの斜視図である。
【0074】
図10,11に示すように、キューブコーナー型再帰反射シート3は、互いに回転角特性が180度異なる2つの領域A,Bがそれぞれ帯状に形成されて、領域Aと領域Bとが互い違いに配置されている。領域Aは、一方側の外縁が直線状とされており、他方側の外縁がジグザグ状とされている。逆に領域Bは、他方側の外縁が直線状とされており、一方側の外縁がジグザグ状とされている。従って、領域Aの直線状の外縁と領域Bの直線状の外縁とが接して、直線状の境界が形成され、領域Aのジグザグ状の外縁と領域Bのジグザグ状の外縁とが接して、ジグザグ状の境界が形成されている。
【0075】
この領域Aにおいて、境界と接しないキューブコーナー型再帰反射素子は、
図1の(A)に示す六角形キューブコーナー型再帰反射素子11とされており、六角形キューブコーナー型再帰反射素子11が、最密充填されている。また、領域Aの直線上の境界と接するキューブコーナー型再帰反射素子は、
図3の(A)を用いて説明した外形が五角形のキューブコーナー型再帰反射素子11sとされており、2つの反射側面のみで共有され、互いに対向する頂点を結ぶ線で切り取られた三角形の反射側面b’が、境界に接している。また、この外形が五角形のキューブコーナー型再帰反射素子11sは、六角形キューブコーナー型再帰反射素子11と隙間なく接するように並べられている。また、領域Aのジグザグ状の境界と接するキューブコーナー型再帰反射素子は、
図4の(A)を用いて説明した外形が四角形のキューブコーナー型再帰反射素子11tとされており、2つの反射側面のみで共有され、互いに対向する頂点を結ぶ線で切り取られた2つの三角形の反射側面a’,c’が、境界に接している。また、この外形が四角形のキューブコーナー型再帰反射素子11tは、六角形キューブコーナー型再帰反射素子11と隙間なく接するように並べられている。この様にして、領域Aには、キューブコーナー型再帰反射素子が最密充填されている。
【0076】
また、領域Bにおいて、境界と接しないキューブコーナー型再帰反射素子は、
図1の(B)に示す六角形キューブコーナー型再帰反射素子12とされており、六角形キューブコーナー型再帰反射素子12が、最密充填されている。また、領域Bの直線上の境界と接するキューブコーナー型再帰反射素子は、
図3の(B)を用いて説明した外形が五角形のキューブコーナー型再帰反射素子12sとされており、2つの反射側面のみで共有され、互いに対向する頂点を結ぶ線で切り取られた三角形の反射側面b’が、境界に接している。また、この外形が五角形のキューブコーナー型再帰反射素子12sは、六角形キューブコーナー型再帰反射素子12と隙間なく接するように並べられている。また、領域Bのジグザグ状の境界と接するキューブコーナー型再帰反射素子は、
図4の(B)を用いて説明した外形が四角形のキューブコーナー型再帰反射素子12tとされており、2つの反射側面のみで共有され、互いに対向する頂点を結ぶ線で切り取られた2つの三角形の反射側面c’,a’が、境界に接している。また、この外形が四角形のキューブコーナー型再帰反射素子12tは、六角形キューブコーナー型再帰反射素子12と隙間なく接するように並べられている。この様にして、領域Bには、キューブコーナー型再帰反射素子が最密充填されている。
【0077】
このように、領域Aと領域Bとが、直線状の境界とジグザグ状の境界を介して隙間なく隣り合っている。
【0078】
(
参考例)
次に、本発明の
参考例について
図12〜
図15を参照して詳細に説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、同一の参照符号を付して特に説明する場合を除き重複する説明は省略する。
【0079】
図12は、キューブコーナー型再帰反射素子が最密充填された本
参考例のキューブコーナー型再帰反射シートの領域を示す平面図である。具体的には、
図12の(A)は、キューブコーナー型再帰反射シートの一領域を示す平面図であり、
図12の(B)は、キューブコーナー型再帰反射シートの他の領域を示す平面図である。
図12に示すように、この一領域である領域Aにおいて、外周と接しない六角形キューブコーナー型再帰反射素子11は、第1実施形態における領域Aの外周と接しない六角形キューブコーナー型再帰反射素子11と同様とされる。同様に、他の領域である領域Bにおいて、外周と接しない六角形キューブコーナー型再帰反射素子21は、第1実施形態における領域Bの外周と接しない六角形キューブコーナー型再帰反射素子21と同様とされる。
【0080】
図13は、
図12に示す領域の外周の一部に接するキューブコーナー型再帰反射素子を示す図であり、
図13の(A)は、領域Aの外周の一部に接する1つのキューブコーナー型再帰反射素子11uを示し、
図13の(B)は、領域Bの外周の一部に接する1つのキューブコーナー型再帰反射素子12uを示す。
【0081】
図13の(A)に示すキューブコーナー型再帰反射素子11uは、1つの反射側面b”が、領域Aの外周に接する。この外周と接する反射側面b”は、外周と接しない六角形キューブコーナー型再帰反射素子11の反射側面bが、稜線HJ,HLとされない2本の辺JK,KLのそれぞれの一点R,S同士を結ぶ線RSで切り取られた五角形HJRSLを含んでいる。そして、反射側面b”は、五角形の面HJPQLとされる。第1実施形態のキューブコーナー型再帰反射素子11sにおいては、例えば、領域Aの外周と接する面b’が、三角形HJLとされた。これに対して、本
参考例のキューブコーナー型再帰反射素子11uにおいては、領域Aの外周と接する反射側面b”が、この三角形HJLをよりも面積の大きい五角形HJRSLを含んでいるため、第1実施形態の外周と接する反射側面b’よりも大きい面積を有する。
【0082】
また、図示はしないが、キューブコーナー型再帰反射素子11uの外周と接する反射側面は、用途に応じて他の反射側面aが、稜線HJ,HNとされない2本の辺NI,IJのそれぞれの一点同士を結ぶ線で切り取られた五角形を含む面a”とされても良く、反射側面cが、稜線HL,HNとされない2本の辺LM,MNのそれぞれの一点同士を結ぶ線で切り取られた五角形を含む面c”とされても良い。これら反射側面a”,c”は、第1実施形態の反射側面a’,c’よりも大きい面積を有する。
【0083】
なお、上述の様に六角形キューブコーナー型再帰反射素子11は、外形が正六角形である素子であるため、反射側面b”を含むキューブコーナー型再帰反射素子11uを、シートに垂直な軸を中心として、120度或いは240度回転させることにより、反射側面a”を含むキューブコーナー型再帰反射素子11uや、反射側面c”を含むキューブコーナー型再帰反射素子11uとすることができる。
【0084】
また、上述の様に六角形キューブコーナー型再帰反射素子12は、
図1の(A)に示す六角形キューブコーナー型再帰反射素子11を、シートに垂直な軸を中心として、180度回転させた形状とされているため、
図13の(B)に示すキューブコーナー型再帰反射素子12uは、
図13の(A)に示すキューブコーナー型再帰反射素子11uを、シートに垂直な軸を中心として、180度回転させた形状とされている。なお、キューブコーナー型再帰反射素子12uにおいても、図示はしないが、キューブコーナー型再帰反射素子12uの外周と接する反射側面は、用途に応じて他の反射側面aが、稜線HJ,HNとされない2本の辺NI,IJのそれぞれの一点同士を結ぶ線で切り取られた五角形を含む面a”とされても良く、反射側面cが、稜線HL,HNとされない2本の辺LM,MNのそれぞれの一点同士を結ぶ線で切り取られた五角形を含む面c”とされても良い。また、上述の様に六角形キューブコーナー型再帰反射素子12は、外形が正六角形である素子であるため、反射側面b”を含むキューブコーナー型再帰反射素子12uを、シートに垂直な軸を中心として、120度或いは240度回転させることにより、反射側面a”を含むキューブコーナー型再帰反射素子12uや、反射側面c”を含むキューブコーナー型再帰反射素子12uとすることができる。
【0085】
図14は、
図12に示す領域の外周の他の一部に接するキューブコーナー型再帰反射素子を示す図であり、
図14の(A)は、領域Aの外周の他の一部に接する1つのキューブコーナー型再帰反射素子11vを示し、
図14の(B)は、領域Bの外周の他の一部に接する1つのキューブコーナー型再帰反射素子12vを示す。
【0086】
図12の(A)、及び、
図14の(A)から明らかなように、キューブコーナー型再帰反射素子11vは、2つの反射側面a”、及び、反射側面c”が、領域Aの外周に接する。キューブコーナー型再帰反射素子11vにおいて、外周と接する反射側面a”は、外周と接しない六角形キューブコーナー型再帰反射素子11の反射側面aが、稜線HN,HJとされない2本の辺NI,IJのそれぞれの一点X、W同士を結ぶ線XWで切り取られた五角形HNXWJを含んでおり、四角形の面HTUJとされる。また、外周と接する反射側面c”は、外周と接しない六角形キューブコーナー型再帰反射素子11の反射側面cが、稜線HL,HNとされない2本の辺LM,MNのそれぞれの一点Z,Y同士を結ぶ線ZYで切り取られた五角形HLZYNを含んでおり、四角形の面HLVTとされる。六角形キューブコーナー型再帰反射素子11vにおいても、領域Aの外周と接する反射側面a”は、第1実施形態の反射側面a’である三角形HNJよりも面積の大きい五角形HNXWJを含むため、第1実施形態の反射側面a’よりも大きい面積を有し、反射側面c”は、第1実施形態の反射側面c’である三角形HLNよりも面積の大きい五角形HLZYNを含むため、第1実施形態の反射側面c’よりも大きい面積を有する。
【0087】
また、図示はしないが、キューブコーナー型再帰反射素子11vの外周と接する反射側面は、用途に応じて他の反射側面bが、稜線HJ,HLとされない2本の辺JK,KLのそれぞれの一点同士を結ぶ線で切り取られた五角形を含む面b”とされ、かつ、反射側面cが、稜線HL,HNとされない2本の辺LM,MNのそれぞれの一点同士を結ぶ線で切り取られた五角形を含む面c”とされても良い。或いは、用途に応じて他の反射側面cが、稜線HL,HNとされない2本の辺LM,MNのそれぞれの一点同士を結ぶ線で切り取られた五角形を含む面c”とされ、かつ、反射側面bが、稜線HJ,HLとされない2本の辺JK,KLのそれぞれの一点同士を結ぶ線で切り取られた五角形を含む面b”とされても良い。これらの場合においても、反射側面a”,b”,c”は、第1実施形態の反射側面a’,b’,c’よりも大きい面積を有する。
【0088】
なお、上述の様に六角形キューブコーナー型再帰反射素子11は、外形が正六角形である素子であるため、反射側面a”,c”を含むキューブコーナー型再帰反射素子11vを、シートに垂直な軸を中心として、120度或いは240度回転させることにより、反射側面a”,b”を含むキューブコーナー型再帰反射素子11vや、反射側面b”,c”を含むキューブコーナー型再帰反射素子11vとすることができる。
【0089】
また、上述の様に六角形キューブコーナー型再帰反射素子12は、
図1の(A)に示す六角形キューブコーナー型再帰反射素子11を、シートに垂直な軸を中心として、180度回転させた形状とされているため、
図14の(B)に示すキューブコーナー型再帰反射素子12vは、
図14の(A)に示すキューブコーナー型再帰反射素子11vを、シートに垂直な軸を中心として、180度回転させた形状とされている。なお、キューブコーナー型再帰反射素子12vにおいても、図示はしないが、キューブコーナー型再帰反射素子12vの外周と接する反射側面は、用途に応じて他の反射側面bが、稜線HJ,HLとされない2本の辺JK,KLのそれぞれの一点同士を結ぶ線で切り取られた五角形を含む面b”とされ、かつ、反射側面cが、稜線HL,HNとされない2本の辺LM,MNのそれぞれの一点同士を結ぶ線で切り取られた五角形を含む面c”とされても良い。或いは、用途に応じて他の反射側面cが、稜線HL,HNとされない2本の辺LM,MNのそれぞれの一点同士を結ぶ線で切り取られた五角形を含む面c”とされ、かつ、反射側面bが、稜線HJ,HLとされない2本の辺JK,KLのそれぞれの一点同士を結ぶ線で切り取られた五角形を含む面b”とされても良い。また、上述の様に六角形キューブコーナー型再帰反射素子12は、外形が正六角形である素子であるため、反射側面a”,c”を含むキューブコーナー型再帰反射素子12vを、シートに垂直な軸を中心として、120度或いは240度回転させることにより、反射側面a”,b”を含むキューブコーナー型再帰反射素子12vや、反射側面b”,c”を含むキューブコーナー型再帰反射素子12vとすることができる。
【0090】
そして、これらのキューブコーナー型再帰反射素子11,11u,11vを細密充填することにより、
図12の(A)に示す、外形が正三角形の領域Aとなる。つまり、領域Aのそれぞれの頂点以外において外周と接するキューブコーナー型再帰反射素子は、キューブコーナー型再帰反射素子11uとされて、反射側面a”、或いは、反射側面b”、或いは、反射側面c”が、外周に接して、隙間なく並べられる。また、領域Aのそれぞれの頂点において、領域Aの外周と接するキューブコーナー型再帰反射素子は、キューブコーナー型再帰反射素子11vとされて、反射側面a”,b”、或いは反射側面b”,c”、或いは反射側面c”,a”が、外周に接している。また、このキューブコーナー型再帰反射素子11vは、六角形キューブコーナー型再帰反射素子11及びキューブコーナー型再帰反射素子11uと隙間なく接するように並べられている。この様にして、領域Aには、キューブコーナー型再帰反射素子11,11u,11vが最密充填されている。
【0091】
同様に上記のキューブコーナー型再帰反射素子12,12u,12vを細密充填することにより、
図12の(B)に示す、外形が正三角形の領域Bとなる。つまり、領域Bのそれぞれの頂点以外において外周と接するキューブコーナー型再帰反射素子は、キューブコーナー型再帰反射素子12uとされて、反射側面a”、或いは、反射側面b”、或いは、反射側面c”が、外周に接して、隙間なく並べられる。また、領域Bのそれぞれの頂点において、領域Bの外周と接するキューブコーナー型再帰反射素子は、キューブコーナー型再帰反射素子12vとされて、反射側面a”,b”,或いは反射側面b”,c”,或いは反射側面c”,a”が、外周に接している。また、このキューブコーナー型再帰反射素子12vは、六角形キューブコーナー型再帰反射素子12及びキューブコーナー型再帰反射素子12uと隙間なく接するように並べられている。この様にして、領域Bには、キューブコーナー型再帰反射素子12,12u,12vが最密充填されている。
【0092】
図15は、
図12(A)に示すキューブコーナー型再帰反射シートの領域Aと、
図12(B)に示すキューブコーナー型再帰反射シートの領域Bとが組み合わされた本発明のキューブコーナー型再帰反射シートを示す平面図である。
【0093】
図15に示すように、キューブコーナー型再帰反射シート4においては、領域Aと領域Bとが互いに隣接して並べられている。従って、キューブコーナー型再帰反射シート4において、それぞれの領域A,Bの境界の一部(領域A,Bの頂点と接しない境界)と接するキューブコーナー型再帰反射素子は、外形が五角形のキューブコーナー型再帰反射素子11u,12uであり、キューブコーナー型再帰反射素子11u,12uの反射側面a”、反射側面b”、反射側面c”が、それぞれ領域A,Bの境界に接している。また、それぞれの領域A,Bの境界の他の一部(領域A,Bの頂点と接する境界)と接するキューブコーナー型再帰反射素子は、外形が四角形のキューブコーナー型再帰反射素子11v,12vであり、領域A,Bのそれぞれの頂点を含む境界において、キューブコーナー型再帰反射素子11v,12vの2つの三角形の反射側面a”及び反射側面b”、或いは、反射側面b”及び反射側面c”、或いは、反射側面c”及び反射側面a”が、それぞれ領域A,Bの境界に接している。こうして、キューブコーナー型再帰反射シート4においては、それぞれの領域A,Bと接するキューブコーナー型再帰反射素子が再帰反射性を有している。そして、上述のように反射側面a”,b”,c”が、第1実施形態の反射側面a’,b’,c’よりも大きい面積を有するため、本
参考例の領域Aと領域Bとの境界に接する反射側面は、第1実施形態の領域Aと領域Bとの境界に接する反射側面よりも大きい面積となる。
【0095】
(第
4実施形態)
次に、発明の第
4実施形態について
図16を参照して詳細に説明する。なお、第3実施形態と同一又は同等の構成要素については、同一の参照符号を付して特に説明する場合を除き重複する説明は省略する。
【0096】
図16は、本発明の第
4実施形態に係るキューブコーナー型再帰反射シートの斜視図である。
図16に示すように、本実施形態のキューブコーナー型再帰反射シート5は、それぞれの領域A,Bにおいて、直線状の境界と接する再帰反射面が、それぞれ
参考例に示す再帰反射面11u,12uとされている点において、第3実施形態のキューブコーナー型再帰反射シート3と異なる。従って、本実施形態の直線状の境界と接する反射側面は、第3実施形態の直線状の境界と接する反射側面よりも、大きい面積を有する。
【0099】
以上、本発明について、第1〜第
4実施形態を例に説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0100】
例えば、上記実施形態において、それぞれのキューブコーナー型再帰反射素子が頂点偏差を有するように形成しても良い。この場合、それぞれのキューブコーナー型再帰反射素子により反射される反射光の方向が、入射光の方向と僅かにずれて、キューブコーナー型再帰反射シート全体として、反射光が僅かに広がるように、再帰反射がなされる。従って、このようなキューブコーナー型再帰反射シートは、優れた観測角特性を有することができる。
【0101】
また、例えば、上記実施形態において、キューブコーナー型再帰反射素子の反射側面を2つの反射副側面に分けても良い。
図17は、このようなキューブコーナー型再帰反射素子の変形例を示す図である。
図17に示すように、この再帰反射素子は、反射側面が、互いに隣り合うそれぞれの反射側面同士のみで共有する頂点をそれぞれ結ぶ線分により、上部副反射側面及び下部副反射側面に分割されており、上部副反射側面と下部副反射側面とが、互いに同一平面上にないように形成されている。具体的には、
図1に示す反射側面aが、頂点N,Jを結ぶ線により上部副反射側面a1と下部副反射側面a2に分割されており、反射側面bが、頂点J,Lを結ぶ線により上部副反射側面b1と下部副反射側面b2に分割されており、さらに、図示しないが、反射側面cが、頂点L,Nを結ぶ線により上部副反射側面c1と下部副反射側面c2に分割されているものである。このため、元の頂点Hと
図12に示すキューブコーナー型再帰反射素子の頂点H’とは、位置が異なっている。このような再帰反射素子によれば、反射側面a1とa2とで僅かに異なる方向に光が反射され、反射側面b1とb2とで僅かに異なる方向に光が反射され、反射側面c1とc2とで僅かに異なる方向に光が反射されるため、光が、どの副反射側面で反射される下により、反射光の方向が僅かに変化する。このため、キューブコーナー型再帰反射シート全体として、反射光が僅かに広がるように、再帰反射がなされる。従って、このようなキューブコーナー型再帰反射シートは、優れた観測角特性を有することができる。
【0102】
また、例えば、上記実施形態において、領域Aは領域Bとのみに隣接していたが、例えば、領域Aが、領域B以外に領域A,Bと回転角が異なる更なる他の領域に隣接しても良い。或いは、領域Aが領域Bと隣接しつつ、他の領域Aと更に隣接しても良い。
【0103】
また例えば、領域が、この領域と回転角の異なる複数の領域と隣接する場合、一部の境界において、境界線を目立たせるようにして、自由な意匠性を有するように形成しても良い。この場合、目立たせる境界に接する反射素子は、再帰反射性を有しないようにすればよい。
【0104】
また、例えば、領域の外形を六角形としても良い。この場合、他の領域との境界となる六角形の外周辺は、外形が六角形の前記キューブコーナー型再帰反射素子における2つの反射側面で共有される頂点を結ぶ線と平行であることが好ましい。このように構成することにより、領域同士の隙間が生じない境界の設定を容易にすることができる。同様に六角形以外の形状にしても良い。
【0105】
また、それぞれの実施形態の六角形キューブコーナー型再帰反射素子をそれぞれ組みあわせても良い。