特許第5932661号(P5932661)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5932661物品の特注配列に基づく応需型包装用品の作成
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5932661
(24)【登録日】2016年5月13日
(45)【発行日】2016年6月8日
(54)【発明の名称】物品の特注配列に基づく応需型包装用品の作成
(51)【国際特許分類】
   G06F 17/50 20060101AFI20160526BHJP
【FI】
   G06F17/50 601C
   G06F17/50 624A
   G06F17/50 680Z
【請求項の数】24
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2012-543316(P2012-543316)
(86)(22)【出願日】2010年12月10日
(65)【公表番号】特表2013-513869(P2013-513869A)
(43)【公表日】2013年4月22日
(86)【国際出願番号】US2010059942
(87)【国際公開番号】WO2011072253
(87)【国際公開日】20110616
【審査請求日】2013年11月7日
(31)【優先権主張番号】61/285,962
(32)【優先日】2009年12月12日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511117392
【氏名又は名称】パックサイズ,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100096013
【弁理士】
【氏名又は名称】富田 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100092967
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 修
(74)【代理人】
【識別番号】100147511
【弁理士】
【氏名又は名称】北来 亘
(72)【発明者】
【氏名】ピーターソン,ニクラス
(72)【発明者】
【氏名】オスターハウト,ライアン
【審査官】 加舎 理紅子
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2008/0020916(US,A1)
【文献】 特開平10−339659(JP,A)
【文献】 特開2009−182995(JP,A)
【文献】 特開平09−101125(JP,A)
【文献】 特開2002−357413(JP,A)
【文献】 特開2003−145057(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 17/50
G01B 11/00 − 11/30
B65B 43/00 − 43/62
G06T 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列及び測定システムにおいて、
安定した構成において1つより多い物理的物品の或る配列を受け入れ安定させるように構成されている載置部要素であって、
基底面と、
前記基底面に接続されていてる少なくとも1つの側面と、を含んでおり、前記少なくとも1つの側面と前記基底面は原点に関して向きを定められている、載置部要素と、
前記1つより多い物理的物品の前記配列に対して静止した構成において配置されるように構成されている3次元光学センサーであって、前記1つより多い物理的物品の前記配列が前記安定した構成における前記載置部要素によって安定させられているとともに、前記3次元光学センサーが前記1つより多い物理的物品の前記配列に対して静止したままである間に、前記原点に対する前記1つより多い物理的物品の前記配列の3次元画像データを取得するように構成されている3次元光学センサーとを備えている、配列及び測定システム。
【請求項2】
前記少なくとも1つの側面は、少なくとも2つの側面を含んでおり、前記少なくとも2つの側面のそれぞれは前記基底面に概ね直交し、前記基底面と前記少なくとも2つの側面は前記原点で一体に交わっている、請求項1に記載の配列及び測定システム。
【請求項3】
前記基底面は、少なくとも1方向に傾斜している、請求項1に記載の配列及び測定システム。
【請求項4】
前記基底面は、少なくとも2方向に傾斜している、請求項1に記載の配列及び測定システム。
【請求項5】
前記基底面は、前記原点に向かって2方向に傾斜している、請求項4に記載の配列及び測定システム。
【請求項6】
前記3次元光学センサーは、3次元スキャナを備えている、請求項4に記載の配列及び測定システム。
【請求項7】
前記3次元光学センサーは、飛行時間式カメラを備えている、請求項6に記載の配列及び測定システム。
【請求項8】
前記3次元光学センサーは、包装用品作製デバイスに通信可能に連結されており、前記3次元光学センサーは、前記3次元の情報を前記包装用品作製デバイスによる使用のために伝送するように構成されている、請求項1に記載の配列及び測定システム。
【請求項9】
前記3次元光学センサーは、前記包装用品作製デバイスに処理部構成要素を介して通信可能に連結されている、請求項8に記載の配列及び測定システム。
【請求項10】
前記包装用品作製デバイスは、前記1つより多い物理的物品の前記配列の寸法を受信すると、箱へ配列されるときに前記配列の前記寸法に概ね対応する内部の大きさを有する包装品の定型品を動的に作製するように構成されている、請求項8に記載の配列及び測定システム。
【請求項11】
特注仕様包装用品を、応需式に、前記特注仕様包装用品に納められる物理的物品の大きさに基づいて、作成するための方法において、
1つより多い物品が載置デバイス上で或る安定した配列に置かれたと判定する段階と、
前記配列が安定した構成にあるとともに、3次元光学センサーが前記配列に対して静止したままである間に、前記3次元光学センサーを使用して前記配列の画像データを取得する段階であって、前記画像データが3次元大きさ情報を表現する、画像データを取得する段階と、
前記画像データを取得する段階に応えて、前記3次元大きさ情報に概ね対応する内部容積を有する包装品の定型品を動的に設計する段階と、を備えている方法。
【請求項12】
3次元光学センサーを使用して前記配列の画像データを取得する段階は、
前記載置デバイス上の前記配列の画像を取得するために3次元スキャナを使用する段階を備えている、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
処理部構成要素を使用し、前記画像データを使用して前記3次元大きさ情報を算定する段階を更に備えている、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記の動的に設計される前記包装品の定型品を1つ又はそれ以上の包装材料から作製する際に包装用品作製機械を使用する段階を更に備えている、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記載置デバイスは、
原点を画定している3平面載置デバイスを備えており、前記の取得される画像データは、前記原点に対して向きを定められている、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記配列の画像データを取得する段階は、ユーザーインターフェースに、
前記画像データの視覚的表現、又は
前記3次元大きさ情報、
のうちの少なくとも一方を表示する段階を含んでいる、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
特注仕様包装品の動的な設計及び作成のために物品の配列を測定するためのシステムにおいて、
安定した構成において複数の物理的物品の或る配列を受け入れるように構成されている載置デバイスと、
前記複数の物理的物品に対して静止した構成において配置されるように構成されている3次元光学センサーであって、前記複数の物理的物品の前記配列が前記安定した構成における前記載置デバイスによって安定させられているとともに、前記3次元光学センサーが前記複数の物理的物品に対して静止したままである間に、前記複数の物理的物品の前記配列の3次元画像データを取得するように構成されている撮像部構成要素と、
前記3次元光学センサーに作動可能に連結されている処理部構成要素であって、前記3次元画像データを使用して前記載置デバイスによって安定させられた前記複数の物理的物品の前記配列に関係している寸法情報を取得するように適合されている処理部構成要素と、を備えているシステム。
【請求項18】
ユーザーインターフェースを更に備えており、前記ユーザーインターフェースは、前記処理部構成要素と一体に含まれているか又は前記処理部構成要素に通信可能に連結されており、前記ユーザーインターフェースは、前記3次元画像データの少なくとも一部を表示するように構成されている、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記処理部構成要素に通信可能に連結されている包装用品作製機械を更に備えており、前記包装用品作製機械は、前記寸法情報を前記処理部構成要素から受信し、前記寸法情報を、当該寸法情報に対応する大きさの包装用品の定型品を動的に作製する際に利用する、請求項17に記載のシステム。
【請求項20】
前記処理部構成要素又は前記包装用品作製機械のうちの少なくとも一方は、組み立てられたときに前記寸法情報に概ね対応する内部容積を有する前記包装用品の定型品を、自動的に且つユーザーによる寸法入力なしに、設計するように構成されている、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記載置デバイスは、
原点位置に対して向きを定められている3つの互いに接続された平面を含んでいる3平面案内部を備えており、
前記撮像部構成要素は、前記原点位置に対しての前記画像データを取得するように構成されている、請求項17に記載のシステム。
【請求項22】
配列及び測定システムにおいて、
安定した構成において1つより多い物理的物品の或る配列を受け入れ安定させるように構成されている載置部要素であって、
基底面と、
前記基底面に接続されていてる少なくとも1つの側面と、を含んでおり、前記少なくとも1つの側面と前記基底面は原点に関して向きを定められている、載置部要素と、
前記1つより多い物理的物品の前記配列に対して静止した構成において配置されるように構成されている3次元スキャナであって、前記1つより多い物理的物品の前記配列が前記安定した構成における前記載置部要素によって安定させられているとともに、前記3次元スキャナが前記1つより多い物理的物品の前記配列に対して静止したままである間に、前記原点に対する前記1つより多い物理的物品の前記配列の3次元画像データを取得するように構成されている3次元スキャナとを備えている、配列及び測定システム。
【請求項23】
特注仕様包装用品を、応需式に、前記特注仕様包装用品に納められる物理的物品の大きさに基づいて、作成するための方法において、
1つより多い物品が載置デバイス上で或る安定した配列に置かれたと判定する段階と、
前記配列が安定した構成にあるとともに、3次元スキャナが前記配列に対して静止したままである間に、前記3次元スキャナを使用して前記配列の画像データを取得する段階であって、前記画像データが3次元大きさ情報を表現する、画像データを取得する段階と、
前記画像データを取得する段階に応えて、前記3次元大きさ情報に概ね対応する内部容積を有する包装品の定型品を動的に設計する段階と、を備えている方法。
【請求項24】
特注仕様包装品の動的な設計及び作成のために物品の配列を測定するためのシステムにおいて、
安定した構成において複数の物理的物品の或る配列を受け入れるように構成されている載置デバイスと、
前記複数の物理的物品に対して静止した構成において配置されるように構成されている3次元スキャナであって、前記複数の物理的物品の前記配列が前記安定した構成における前記載置デバイスによって安定させられているとともに、前記3次元スキャナが前記複数の物理的物品に対して静止したままである間に、前記複数の物理的物品の前記配列の3次元画像データを取得するように構成されている撮像部構成要素と、
前記3次元スキャナに作動可能に連結されている処理部構成要素であって、前記3次元画像データを使用して前記載置デバイスによって安定させられた前記複数の物理的物品の前記配列に関係している寸法情報を取得するように適合されている処理部構成要素と、を備えているシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、応需型包装用品を作製するための方法、装置、組立体、及びシステムに関する。
[0001]本出願は、2009年12月12日に出願されている、「物品の手作業による配列に基づく応需型包装用品の作成」という名称の米国仮特許出願第61/285,962号に対する優先権及びその恩典を主張し、前記出願を明示的にここに参考文献としてそっくりそのまま援用する。
【背景技術】
【0002】
[0002]商品、生産物、及び他の物品が現地においてのみならず世界規模の市場を介して益々調達し易くなってきたことに伴い、その様な物資を発送及び配送のために適切且つ効率良く包装する必要性がかつてなく重要になっている。製品が不適切に包装されていれば、到着時に損傷している可能性はより高くなり、製品を返品又は交換しなくてはならなくなれば、或いは苛立った消費者が購入をあっさり取り消しでもすれば、プロバイダには甚大な費用が発生しないとも限らない。幸いにも、現在、利用できる包装システムを使用すれば、1つ又はそれ以上の製品を安全に取り囲んで保管することのできる包装用品を含めて実質的に如何なる様式の包装用品をも作製することができる。
【0003】
[0003]おそらく、製品用の包装用品の作製における単独として最大の因子は、包装用品を収容されている製品にできる限り精密に適合するように設計することである。より精密に適合しているほど、収容されている物品又は製品が損傷する可能性がより低くなることはもとより、内装包装用品の必要性も低減され、それらの必要性がなくなることも期待できる。具体的には、包装材料(例えば、段ボール紙、紙など)を使用して箱又は他の包装用品の設計を作成するときは、多くの場合、材料には罫線が入れられ、できる限り直角に近く折り曲げられる。罫線を入れることと直角に折り曲げることで、包装材料の強度特性が向上し、それにより、得られる箱に積み重ね時の損傷に対する相応に向上した耐久性が付与される。
【0004】
[0004]標準的な箱は、その直線で囲まれた形を作り出す24の直角を有している。1つ又はそれ以上の角が、直角から数度といえどもそれより大きくずれてしまえば、他の角もまた巻き込まれ、得られる箱の強度が低下してしまう。強度が低下すると、取り囲まれている(単数又は複数の)物品の損傷又は損失のリスクが高まる。同様に、包装用品の適合具合が緩いときは、包装用品の側面が弓なりにしなり、角が窪み、包装品を作っている直角が失われる可能性のあることから、損傷又は損失について同じリスクが起こり得る。
【0005】
[0005]従って、より精密な適合を提供する箱又は他の包装用品を使用すれば、損失及び損傷が劇的に低減されることであろう。また、精密に適合させることができれば、他にも、例えば、箱を作製する際に使用される材料の量の削減、内装包装用品の削減更には省略の見込み、送料及び手数料の削減、箱詰めラインの時間短縮、及び輸送歩留りの増加といった様な、有意な節約を生み出せる。
【0006】
[0006]既存の包装用設備は、製造業者、生産業者、又は納入業者が、所望の箱定型品又はことによっては箱又は他の包装品の所望の寸法を、キー入力できるようにしている。すると設備は自動的に適当な切れ目と罫線の入った箱定型品を生み出してゆく。大量生産物品については、その様な物品が繰り返し販売され保管されれば、その様な物品又は物品の集合に特化された包装品を設計することが採算的に実施可能となるため、箱の大きさは、大抵、事前に選択され、事前に製作されている。
【0007】
[0007]しかしながら、少量生産物品、特殊な物品、特異な物品配列などでは、箱の大きさを事前に選択したり箱を事前に製作したりということは多くの場合実施不能であり、少なくとも、精密整合を提供するやり方では実施不能である。例えば、オンラインストアを運営している小売業者は、何千もの異なった物品を有していることであり、幾つもの異なった物品の注文を受け取ることになるかもしれず、すると、所望の包装品の合体された大きさ、形状、重量、及び他の立体配置についてはそれらを前もって予測することは事実上不可能となろう。その様な組合せは、少なくとも一部には、物品を配列、測定し、多様な物品を含んでいる注文毎に箱の大きさをキー入力するのに必要な時間のせいで、これまでは、特注仕様包装用品を作製することを採算的に困難にしていた。その結果、小売業者らは、概して、利用可能な規格の大きさの箱から或る箱を選定、選択し、箱内の隙間を内装包装材料で埋めることを余儀なくされてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国仮特許出願第61/285,962号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
[0008]本開示の実施形態は、作成された包装用品内に納められる予定の物品の物理的配列に基づく応需型包装用品を作成するためのシステムに向けられている。本開示の実施形態は、異なった物品及び製品の多種多様な組合せのための特注仕様包装用品を効率的且つ自動的に作製するのに使用できるシステム、機械、方法、組立体、及びコンピュータ可読媒体を含んでいる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
[0009]1つの例示となる実施形態によれば、物品を配列し、測定し、及び/又は包装するためのシステムが開示されている。或る例示としてのシステムは、1つ又はそれ以上の物理的物品の或る配列を受け入れ安定させるように構成されている載置部要素を含んでいる。載置部要素は、物品が配列される基底面を含んでいる。本システムは、更に、撮像部構成要素を含むことができる。撮像部構成要素は、載置部要素によって安定させた物品の配列の大きさに基づく寸法情報を取得するように構成されている。
【0011】
[0010]或る態様であって、本開示の何れか他の態様と組み合わされてもよいとされる態様によれば、載置デバイスは、更に、基底面に接続されている少なくとも1つの側面を含むことができる。側面と基底面は、原点に関して向きを定められている。幾つかの事例では、基底面に接続されていて、原点に関して向きの定められている2つの側面が設けられている。
【0012】
[0011]或る態様であって、本開示の何れか他の態様と組み合わされてもよいとされる態様によれば、撮像部構成要素は、1つ又はそれ以上の平面又は面によって画定されている原点に対しての寸法情報を取得することができる。
【0013】
[0012]或る態様であって、本開示の何れか他の態様と組み合わされてもよいとされる態様によれば、載置デバイスの1つ又はそれ以上の側面は、載置デバイスの基底面に概ね直角である。基底面と1つ又はそれ以上の側面は、原点で交っている。
【0014】
[0013]或る態様であって、本開示の何れか他の態様と組み合わされてもよいとされる態様によれば、基底面は、1方向に傾斜している。幾つかの実施形態では、基底面は、2方向に傾斜している。例えば、基底面は、原点に向けて、1方向に傾斜していてもよいし2方向に傾斜していてもよい。
【0015】
[0014]或る態様であって、本開示の何れか他の態様と組み合わされてもよいとされる態様によれば、撮像部構成要素は、3次元情報を取得する。例えば、撮像部構成要素は、画像又は他の型式の走査データを取得していてもよい。1つの態様によれば、画像部構成要素は、飛行時間式カメラの様な3次元スキャナである。
【0016】
[0015]或る態様であって、本開示の何れか他の態様と組み合わされてもよいとされる態様によれば、撮像部構成要素は、包装用品作製機械と通信する。撮像部構成要素は、包装用品作製機械が物品の配列に適合する大きさの包装用品を設計及び/又は動的作製できるように、物品の配列についての寸法情報を包装用品作製機械へ伝送することができる。
【0017】
[0016]或る態様であって、本開示の何れか他の態様と組み合わされてもよいとされる態様によれば、撮像部構成要素を包装用品作製機械に接続するのに処理部構成要素が使用されている。包装用品作製機械及び/又は処理部構成要素は、画像データ又は寸法データが取得されると、物品の配列の寸法に概ね対応する内部の大きさを有する包装用品の定型品を設計することができる。
【0018】
[0017]或る態様であって、本開示の何れか他の態様と組み合わされてもよいとされる態様によれば、特注仕様包装用品を、応需式に、当該特注仕様包装用品に納められる物理的物品の大きさに基づいて、作成するための方法が開示されている。本方法は、1つ又はそれ以上の物品が或る配列に置かれたと判定する段階と、当該配列のデータであって3次元大きさ情報を表現する画像データを取得する段階と、画像データを取得する段階に応えて、3次元大きさ情報に概ね対応する内部容積を有する包装品の定型品を自動的及び/又は動的に設計する段階と、を含むことができる。
【0019】
[0018]或る態様であって、本開示の何れか他の態様と組み合わされてもよいとされる態様によれば、画像データを取得する段階は、3次元スキャナを使用して、載置デバイス上の物品の配列の画像を取得する段階を含んでいる。
【0020】
[0019]或る態様であって、本開示の何れか他の態様と組み合わされてもよいとされる態様によれば、処理部構成要素は、画像データを使用して、3次元大きさ情報を算定する。
[0020]或る態様であって、本開示の何れか他の態様と組み合わされてもよいとされる態様によれば、包装用品作製機械は、包装材料から、動的に設計された包装品の定型品を作製する。
【0021】
[0021]或る態様であって、本開示の何れか他の態様と組み合わされてもよいとされる態様によれば、物品の配列の画像データを取得する段階は、ユーザーインターフェースを表示する段階を含んでいる。ユーザーインターフェースは、画像データの視覚的表現及び/又は3次元大きさ情報を表示する。
【0022】
[0022]或る態様であって、本開示の何れか他の態様と組み合わされてもよいとされる態様によれば、ユーザーインターフェースは、大きさ情報の選択、寸法データ又は画像データの取得開始、自動的に確定された寸法情報又は定型品設計情報の包装用品作製機械への送信、又は上記の何れかの組合せ、を可能にする入力を含んでいる。
【0023】
[0023]更に別の実施形態によれば、特注仕様包装品の動的な設計及び作成のために物品の配列を測定するためのシステムが開示されている。その様なシステムは、物理的物品の配列を受け入れるように構成されている載置デバイスを含んでいる。撮像部構成要素が、含まれていて、物品の配列の画像データを取得するように構成されており、撮像部構成要素には、処理部構成要素が、当該複数の物理的物品の配列に関係している寸法情報を取得する際に画像データを使用できるように作動可能に連結されている。処理部構成要素は、撮像部構成要素と一体であってもよいし、撮像部構成要素から分離されていてもよい。
【0024】
[0024]或る態様であって、本開示の何れか他の態様と組み合わされてもよいとされる態様によれば、包装用品作製機械は、処理部構成要素から寸法情報を受信し、この寸法情報を、当該寸法情報に対応した大きさの包装用品の定型品の動的作製に使用するように構成されている。
【0025】
[0025]或る態様であって、本開示の何れか他の態様と組み合わされてもよいとされる態様によれば、包装用品作製機械又は処理部構成要素は、配列された物理的物品の大きさに概ね対応する内部の大きさ及び形状を有するように組み立てることのできる包装用品の定型品を、寸法情報についてのユーザー入力なしに自動的に設計する。
【0026】
[0026]1つの実施形態は、特注仕様応需型包装用品を作成する段階を含んでいる。箱又は他の包装品に含められる予定の1つ又はそれ以上の物品は、識別され、或る配列に置かれる。例えば、物品は、特定の場所に配列されてもよい。特定の場所は、載置デバイスであってもよいし、何れか他の場所、例えば較正された撮像部構成要素と共に使用できる場所などであってもよい。物品の配列は、例えば、配列の寸法情報を取得することによって、或いはそれ以外のやり方で配列に関係している画像データを取得することによって、分析することができるであろう。寸法データは、配列に合わせて作成されるべきとされている包装用品の大きさを確定するのに使用することができる。包装用品は、物品の配列を取り囲むのに適した特注の大きさを有し、寸法データの取得に応え応需式に作成されることになる。包装用品の大きさが確定された後、包装品の定型品が、作製され、組み立てられ、物品が詰められる。その様に作製される包装用品は、配列された物品の大きさの測定値の手入力なしに作製することができるであろう。
【0027】
[0027]物品が配列されると、物品配列の3次元分析が行われ、3次元分析を使用して、当該配列のために使用されるべき包装用品の大きさが確定される。包装用品は、物品の配列を取り囲むのに適した特注の大きさを有し、応需式に作製されることになる。包装用品の大きさが確定された後、包装品の定型品が、作製され、組み立てられ、物品が詰められる。
【0028】
[0028]幾つかの実施形態では、3次元分析は、配列の寸法を計算させることを含んでいるか又はもたらすものである。その様な計算された寸法は、画像データを分析することから得られ、配列された物品を取り囲むように作製することのできる箱又は他の包装用品の定型品の基本を形成することとなろう。物体が或る配列に置かれたと判定する段階と、3次元分析を遂行する段階は、測定部構成要素及び/又は処理部構成要素によって遂行されてもよい。例示としての測定部構成要素は、例えば、飛行時間式スキャナの様な3次元スキャナとすることができる。処理部構成要素は、測定部構成要素から取得した情報を分析するコンピュータ実行可能な命令を実行するプロセッサを含んでいてもよい。
【0029】
[0029]物品の配列は、手作業、ロボット利用、仮想式、又は何れかの他のやり方で、成すことができるであろう。例えば、配列は、包装される予定の一組の物品のそれぞれを、寸法データ及び/又は画像データを取得する測定部構成要素にアクセスできる載置デバイス上に物理的に置くことによって成されてもよい。
【0030】
[0030]例示としての載置デバイスは、テーブルであってもよいし、他の水平な面や傾斜した面又はそれ以外に向きの定められた面であってもよい。幾つかの事例では、載置デバイスは、原点を画定している。例えば、角度に関して互いに直角にオフセットされた3つの平面が原点を画定していてもよい。3つの平面のうちの基底面は、平坦であり、及び/又は或る傾きに設定されていてもよい。例えば、基底面は、当該基底面の1つ又はそれ以上の縁が反対側の縁に対比して低く配置されるように勾配が付けられていてもよい。別の実施形態では、底面は複数の方向に勾配を成している。例えば、原点は、基底面の外側の縁面に対比して低く配置されていてもよいし、高く配置されていてもよい。
【0031】
[0031]システムは、特注の大きさの箱定型品を作成する包装用品作製機械と対話することができる。例えば、処理部構成要素は、包装用品作製機械が包装用品の定型品を設計するのに使用する寸法情報を自動的に供給するべく包装用品作製機械と通信していてもよい。箱定型品は、載置デバイス上の物品の配列を取り囲む大きさにされ、包装用品作製機械は、包装用品の定型品の作製のために、どんな切れ目、縦罫、横罫、穿孔、又は他の特徴を入れるべきかを自動的に判断することになる。その様な設計はまた、包装用品設計を最適化するための配慮事項に基づいて作製されるものであり、材料費、利用可能な包装材料(例えば、扇折段ボール)の寸法、定型品を作製するのに必要な時間、及び/又は他の優先要件が含まれることであろう。システム内には、ディスプレイも含まれており、システムのオペレータへの表示を提供している。1つの実施例では、処理部構成要素は、ディスプレイに、物品の配列や配列の寸法又は他の態様のグラフィック表現又は視覚的表現を表示させている。ディスプレイは、更に、配列の寸法の自動計算及び/又は包装用品の定型品の作成を開始させることを選択するための入力を含んでいてもよい。
【0032】
[0032]この発明の概要は、以下の詳細な説明の中で詳述されている構想の選りすぐりを簡略化された形式で紹介するために提供されている。この発明の概要は、特許請求されている主題の主要な特徴又は不可欠な特徴を識別することを意図するものでもなければ、特許請求されている主題の範囲を判定する場合の支援として使用されることを意図するものでもない。
【0033】
[0033]ここに開示されている実施形態の更なる特徴及び利点は、次に続く説明の中で述べられており、一部は、当該説明から明らかになりもすれば、ここに開示されている実施形態を実践することによって知られもしよう。開示されている実施形態及びそれらの変型の特徴及び利点は、付随の特許請求の範囲に具体的に指し示されている器具及び組合せを用いて実現及び獲得することができよう。本開示のこれら及び他の特徴は、以下の記述及び付随の特許請求の範囲から、より完全に明らかになりもすれば、以下に述べられている実施形態を実践することによって知られもしよう。
【0034】
[0034]本開示の実施形態の様々な態様を更に明確にするため、様々な特徴及び態様のより具体的な説明を、添付図面に示されているその特定の実施形態を参照しながら示してゆく。これらの図面は、本開示の典型的な実施形態しか描いておらず、従ってその範囲に制限を課すものと考えられてはならず、また各図は必ずしも縮尺合わせされているわけではないものと理解している。添付図面を使用しながら、本開示の実施形態を更に具体性と詳細事項を加えて詳細に記載し説明してゆく。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】測定システムと包装用品作製機械を含むシステムアーキテクチャを概略的に示している。
図2A図1のシステムアーキテクチャで使用できる或る例示としての測定システムを示している。
図2b図2Aと共に、図1のシステムアーキテクチャで使用できる例示としての測定システムを示している。
図2C図2A及び図2Bと共に、図1のシステムアーキテクチャで使用できる例示としての測定システムを示している。
図3】物品の取合せのための特注使用包装品を作製する方法のフローチャートを示している。
図4】特注仕様包装品の作製及び設計のために配列させる物品の取合せを図解している。
図5A図4の物品の配列の或る例示としての実施形態を示している。
図5B図4の物品の配列の別の例示としての実施形態を示している。
図5C図4の物品の配列の別の例示としての実施形態を示している。
図6A図5Aの物品の配列を収容するように作製することのできる箱定型品を示している。
図6B図6Aと共に、図5Aの物品の配列を収容するように作製することのできる箱定型品を示している。
図7A図5Bの物品の配列を収容するように作製することのできる箱定型品を示している。
図7B図7Aと共に、図5Bの物品の配列を収容するように作製することのできる箱定型品を示している。
図8A図5Cの物品の配列を収容するように作製することのできる箱定型品を示している。
図8B図8Aと共に、図5Cの物品の配列を収容するように作製することのできる箱定型品を示している。
【発明を実施するための形態】
【0036】
[0043]本開示の例示としての実施形態は、応需型包装用品を作成するためのシステムに向けられている。より具体的には、本開示の例示としての実施形態は、異なった物品及び製品の多種多様な組合せのための特注仕様包装用品を効率的且つ自動的に作製するのに使用できるシステム、機械、組立体、及びコンピュータ可読媒体に向けられている。従って、本開示の例示としての実施形態を利用すれば、包装用品を応需式に効率的に作製することができる。例えば、その様な包装用品は、物品の固有の組合せについて、物品の損傷又は損失の可能性を低減し、包装材料又は供給品の消費を削減し、取扱費用を削減し、包装時間を短縮させるやり方で、或いは幾つもの他の利点の何れか又は上記のうちの何れかの組合せを提供するやり方で、特注仕様化される。
【0037】
[0044]まず図1を参照すると、応需型包装システム110の1つの例示としての実施形態が示されており、当該実施形態は、包装用品作製機械104に通信可能に連結されている測定システム102を含んでいる。ここに更に詳細に説明されている様に、測定システム102の1つの例は、1つ又はそれ以上の物品の或る配列を受け入れることができる。測定システム102は、その様な物品の配列に基づいて、物品に関係している寸法情報を測定するか又はそれ以外のやり方で取得することができる。その様な寸法情報は、随意的に、包装用品作製機械104へ、例えば電子メッセージ106を送信するなどにより送られる。包装用品作製機械104は、その様なメッセージ106を受信すると、次に、受信した寸法情報を使用して、物品を測定システム102によって測定値が取得された配列に置いた状態で収容するのに使用することのできる箱又は他の包装品用の定型品を設計及び/又は作製することができる。
【0038】
[0045]包装用品作製機械104の或る実施例は、寸法を受信し、箱定型品を自動的に設計することのできる箱作製機械であってもよく、当該箱定型品は、それが組み立てられたときに測定システム102によって提供された寸法を提供するように、切れ目、縦罫、横罫などが入れられる。例えば、包装用品作製機械104は、包装材料108(例えば、扇折型式の段ボール又は段ボールのロールの様な無端材料)にアクセスし、同材料を、裁断するか、縦罫を入れるか、横罫を入れるか、穿孔するか、又はそれ以外のやり方で扱うか、又は以上の何らかの組合せを遂行して、或る特定の大きさ及び形状の箱又は包装品の定型品を作製することができる。箱又は他の包装品の定型品は、その後、組み立てられ、先に測定システム102を使って測定された物品が、組み立てられた箱の内部に挿入されることになる。
【0039】
[0046]以上の説明は例示にすぎず、他の実施形態では、包装用品作製機械104及び/又は測定システム102は、ここに記載されている機能又は能力を超える他の機能又は能力を有していてもよい。例えば、包装用品作製機械104は、本質的に、1つ又はそれ以上の異なった大きさ及び/又は構成の包装用品構成要素を動的に作製するのに使用することのできる何れの型式の機械であってもよい。実例として、包装用品作製機械104は、必ずしも、箱定型品を自動的に設計する能力を有している必要はない。代わりに、測定システム102が、箱定型品を設計し、メッセージ106を送信するか又はそれ以外のやり方で包装用品作製機械104と通信して、包装用品作製機械104に箱又は他の包装品の完成定型品の設計図が提供されるようにしてもよい。
【0040】
[0047]図1に更に示されている様に、応需型包装システム100は、随意的に、注文処理及び/又は製品履行システムとして作動するように構成されている。1つの代表的な実施形態によれば、応需型包装システム100は、1つ又はそれ以上の異なった製品を提供している小売業者又は製造業者と関連付けて利用されているが、応需型包装システム100は、保管施設を含めた幾つもの他の分野で使用することもできるであろう。例えば、小売業者又は製造業者は、1つ又はそれ以上の製品についての注文を、注文処理エンジン110に受信する。実例として、小売店又はオンラインストアの消費者が、或る特定の数量の製品を要求することがある。販売員又は注文処理員は、購入情報を、直接、注文処理エンジン110に入力するか、又は外部のアプリケーション112のうちの1つへ入力し、当該アプリケーションが情報を注文処理エンジン112に連絡することになる。その様な情報は、電子メッセージ114を使って連絡されてもよいであろうし、何れかの他の適したやり方で連絡されてもよいであろう。別の例では、消費者は、購入情報を、直接、例えばインターネット又は別のネットワークによって注文処理エンジン110に接続されているコンピュータデバイス上のウェブブラウザ又は他のアプリケーション112を使うなどして、入力することもできるであろう。
【0041】
[0048]注文情報の受信のやり方に関わりなく、注文処理エンジン110は、1つ又はそれ以上の物品が消費者によって注文されており、当該物品が保管されるべきである及び/又はその様な消費者へ配送されるべきであることを指し示す要求を受信する。注文処理エンジン110は、注文又は他の物品要求を受信すると、随意的に、価格情報、入手可能性、発送費用、又はその様な製品に関連付けられている他の情報、又は上記の何れかの組合せ、を記憶している製品情報記憶部116にアクセスする。注文処理エンジン110は、同様に随意的に、同エンジンが製品情報記憶部から受信した情報を、消費者、販売員、又は他の識別されているエンティティへ連絡することができる。例えば、注文処理エンジン110は、消費者に受信の旨を印刷するか又は消費者に受信したことを送信し、それにより、注文品一覧、請求書、配送追跡情報などを提供してもよく、それらのうちの何れかには、製品情報記憶部116から引き出された情報が含まれていてもよい。製品情報記憶部116は、注文処理エンジン110から分離されているものとして示されているが、これは単に例示であると理解されたい。他の実施形態では、製品情報記憶部116は、注文処理エンジン110及び/又は外部アプリケーション112内に一体化されていてもよい。
【0042】
[0049]1つの実施形態によれば、注文処理エンジン110は、1つ又はそれ以上の物品の注文を受信した後、測定システム102又は何か他の発送履行構成要素と通信し、注文された物品のための包装用品が必要又は要求されていることを指し示す。例えば、注文処理エンジン110は、注文の通知を、測定システム102へ、注文が受信された時点で、注文された物品が引っ張りだされいつでも包装できる状態になった時点で、或いはその他の適した時点で、送信する。他の実施形態では、測定処理エンジン102は、注文処理エンジン110ではなく、外部アプリケーション112と通信している場合もあれば、発送又は他の注文履行構成要素(図示せず)と通信している場合もある。他の実施形態では、測定システム102は、完全に注文処理エンジン110から切り離されていて、包装品が所望されていることを手動で気付かされる独立型のデバイス又はシステムとされている。
【0043】
[0050]包装品の必要性又は所望を測定システム102に気付かせる特定のやり方に関わりなく、注文されるか又はそれ以外のやり方で要求された物品は取得され、発送のために集められることになる。ここに更に詳細に説明されている様に、包装予定物品は、物理的に、1つ又はそれ以上の特注配列に配列される。配列は、箱詰めラインで働く人が手作業で行ってもよいし、自動式(例えば、ロボットアームを使用)或いは何れかの他の適したやり方で遂行されてもよいであろう。何れにせよその様な配列時、測定システム102は、特注配列を測定するか、又は特注配列に関係している寸法情報を測定又は取得するために使用される情報を取得することができる。寸法情報は、その後、測定システム102、又は包装用品作製機械104、又は包装用品作製機械104に作製させる箱又は他の包装用品の定型品を設計、計算、又は選択する別の適した構成要素、によって使用されることになる。
【0044】
[0051]応需型包装システム100を、主として消費者の注文に応えることに関連付けて論じてきたが、ここでの開示に照らし、これは単に例示であり、他の実施形態では測定システム102は注文が一切出されることなしに作動する場合もあるものと理解されたい。例えば、測定システム102は、何らの特定の注文とも無関係に、システム100の所有者又はオペレータが、保管、包装、又は発送することを所望している様々な物体に関する情報を受信するものであってもよい。実際、システム100は、如何なる型式の特注仕様包装用品についても、どの物品を包装させるのか及び/又は1つ又はそれ以上の物品の集合を包装品内にどの様に配列させるのかの確定に応えて作製される場合を含め、その様な包装用品が要求されている理由に関わりなく、それを作製するために使用することができる。
【0045】
[0052]次に図2A及び図2Bに移ると、測定システム202の或る特定の実施例が開示されている。測定システム202は、例えば図1の応需型包装システム100と関連付けて使用することのできる、適した測定システムの単に1つの実施形態として提供されている。また一方で、図2の測定システム202は、本開示のシステム、組立体、及びデバイスと関連付けて使用する上で適した装置の単に1つの例示としての実施形態であると理解しておきたい。
【0046】
[0053]図示の実施形態の測定システム202は、配列部構成要素218、測定部構成要素220、及び処理部構成要素222を含んでいる。実例として、配列部構成要素218は、1つ又はそれ以上の包装予定物品を手作業又は他のやり方で特注仕様配列に置くのを容易にするために使用することができる。物品のその様な配列に基づき、測定部構成要素220は、その様な配列に関係している寸法情報を、測定するか、計算するか、又はそれ以外のやり方で確定する。例えば、測定部構成要素220は、配列を収容することができる特注仕様包装品の内部空洞の大きさを確定するのに使える、長さ、幅、及び高さの情報を取得する。随意的に、処理部構成要素222は、寸法を受信し、及び/又はグラフィカルインターフェースを提供する。その様なインターフェースには、例えば、測定部構成要素220によって取得された寸法情報及び/又は配列の描画又は画像、が含まれていてもよい。幾つかの実施形態では、処理部構成要素222は、測定部構成要素220によって又は測定部構成要素220の支援を受けて取得された寸法情報の送信を容易にもする。例えば、処理部構成要素222は、寸法情報を包装用品作製機械へ送信したり又は何れかの他の適した機能を遂行したりしていてもよい。
【0047】
[0054]1つの実施形態によれば、配列部構成要素218は、概して、測定部構成要素220が配列部構成要素218の上又は内に置かれているか又はそれ以外のやり方で配列部構成要素218と関連付けられている物品の寸法情報を精度よく取得できるように、物品を配列するための構造を提供している。配列部構成要素218は、その様な使用を可能にするために、幾つもの適した形態をとることができる。例えば、1つの実施形態では、配列部構成要素は、物品を載せて配列させるテーブル又は床の様な平坦な面とすることができる。別の実施形態では、配列部構成要素は、その様な物品を入れて配列させる箱とすることができる。
【0048】
[0055]図2A及び図2Bの例示としての実施形態では、配列部構成要素218は、3平面載置デバイス224を画定している少なくとも3つの平面を含んでいる。本開示の幾つかの実施形態によれば、3平面載置デバイス224は、支持構造228に取り付けられている組になった3つの平面226a−cを含んでいる。載置デバイス224の図示の実施例では、3つの平面226a−cは互いに対して大凡90度に配列されており、その結果、平面226a−cのそれぞれが他の平面226a−cのそれぞれに対して概ね直交している。平面226a−cは、更に、この例示としての実施形態では、原点230で交わっている。原点230は、基準位置を提供していて、そこを基準に物品の特注仕様配列の測定を行うことができる。
【0049】
[0056]以下に更に詳細に説明されているように、3平面載置デバイス224を使用して配列させる予定の、そして随意的には包装させる予定の、1つ又はそれ以上の物品が、載置デバイス224上に置かれる。その様な物品は、配列された後、その場に固定されてもよい。例えば、物品は、底面226a上に置かれてもよいし、物品が側面226b、226cそれぞれにも係合するように原点230に隣接して配置されてもよい。言うまでもなく、物品は、何れかの特定の物品が平面226a−cのうちの1つの平面だけに係合するように、又は2つの平面に係合するように、又はどの平面にも係合しないように、配列されてもよい。例えば、或る物品を他の物品の上及び間に平面226a−cのどれとも係合しないように置くこともできるであろう。しかしながら、一般的には、配列部構成要素218上に配列される物品の取合せは、ひと塊に、底面226a並びに側面226b、226cのうちの一方又は両方に係合させておく。
【0050】
[0057]一般的に、配列部構成要素218は、物品を配列及び配列し直すことのできる安定した基盤を提供している。実例として、物品1個であれば、配列部構成要素218の原点230の近くに配置させることができるであろう。多数の物品を包装しようとする場合、多数の物品のそれぞれを、配列部構成要素218を使って、手作業又はそれ以外のやり方で、物品の集合的特注配列が平面226a−cによって支持されるように配列させることができるであろう。平面226a−cは、物品の特注配列をその場に保持するか又はそれ以外のやり方で固定するのを容易にもする。従って、配列部構成要素218は、未包装の物品の特注配列を支持するための手段の1つの実施例である。
【0051】
[0058]物品を配列部構成要素218上に配列するのを更に容易にするために、平面226a−cのうちの1つ又はそれ以上は、図示の実施形態に示されている様に、或る傾きに設定されていてもよい。より具体的には、支持構造228が、配列部構成要素218を、床、テーブル、カウンター、又は何れかの他の適した面の様な支持面上へ設置するのを容易にする。その様な表面は、概ね水平である。その様な水平な支持面に対して、図2Aの平面226a−cは左から右へ傾斜しているものとして示されており、よって、底面226aと側面226bの間の接合部232は左から右へ下向きに傾斜している。従って、図示の実施形態では、接合部232の原点230は、接合部232の遠位端234に対比してより低い位置にある。原点230と遠位角部234の間の傾きの量は変えることができる。例えば、1つの実施形態では、傾きの角度は、約15度であるが、その様な傾きは、それより大きくてもよいし(例えば、約15度から40度の間)、それより小さくてもよい(例えば、約0度から15度の間)。
【0052】
[0059]平面226a−cのうちの1つ又はそれ以上の平面の傾斜は、随意とされてはいるものの、配列部構成要素218の3平面載置デバイス224が、物品を特定の配列に配置し固定するのに重力を利用できるようにする。例えば、重力は、3平面載置デバイス224の底面226a上に置かれた物品に作用して、物品を側面226cに向かって滑動させる。幾つかの実施形態では、側面226cと底面226aの間の接合部236も傾斜している。例えば、原点230は、接合部236に交わり且つ接合部236の遠位端238に対比してより低い位置にある。必然的に、底面226a上に置かれた1つ又はそれ以上の物品の集合が、原点230に向かって動き、両方の側面226b、226c並びに底面226aに押し当てられて固定され易くなる。このやり方で重力を使用すれば、物品を特定の配列に維持することが容易になるだけでなく、寸法情報を高い精度で取得することも容易になることであろう。
【0053】
[0060]3平面載置デバイス224の大きさは、何れでも特定の用途に応じ必要に即して構成することができるであろう。幾つかの実施形態では、測定システム202と関連付けて作動する包装用品作製機械は、作製することのできる定型品についての最大の大きさを有していてもよい。その様な事例では、3平面載置デバイス224は、その中に物品を、定型品についての許容され得る最大の大きさより小さく維持して配列させられる大きさである。代わりに、3平面載置デバイス224は、他の大きさを有していてもよい。例えば、物品を包装する人、会社、又は他のエンティティは、幾つもの理由(例えば、発送費用、包装用品の組み立ての難しさなど)で、特注仕様包装品が或る特定の大きさを超過しないことを好む場合もあり、すると、3平面載置デバイス224はそれに従った大きさとすることができる。更に、単一の箱詰めライン上に、複数の3平面載置デバイス224又は測定システムの他の型式の構成要素を使用することもでき、それらのうちの何れかは、包装予定物品の異なった配列、及び包装予定物品の異なった大きさなど、に関連付けて使用するために異なった大きさを有するものとすることができる。
【0054】
[0061]先に指摘されている様に、平面226a−cを、所望の位置、例えば水平な支持面に対しての所望の位置などに配置するのに、支持構造228を使用することができる。その様な配設を容易にするために、支持構造228は、複数の水平方向構成要素及び/又は側方構成要素で作られたフレームを含むことができる。例えば、図2A及び図2Bの支持構造228は、一組の垂直方向支持体240a−dと一組の水平方向支持体242a−dを有するフレームを画定している。
【0055】
[0062]図示の実施形態に関しては、垂直方向支持体240a−dは、対応する水平方向支持体242a−d及び底面226aに付着している。この実施形態では、垂直方向支持体240a−dのうちの1つ又はそれ以上は異なった長さを有するものとすることができる。例えば、垂直方向支持体240aは、垂直方向支持体240b−dのうちの何れの長さよりも大きい長さを有し、垂直方向支持体240dは、垂直方向支持体240b、240cのどちらよりも小さい長さを有するものとすることができる。垂直方向支持体240b、240cは、殆ど同じ長さを有していてもよいが、必ずしもそうとは限らない。底面226aを垂直方向支持体240a−dの上方部分に付着させることにより、垂直方向支持体240a−dの異なる長さのおかげで、底面226aには所望のやり方で勾配又は傾きを付けさせることができる。しかしながら、支持構造228は所望の傾きを生じさせる他の機構を利用することもでき、例えば底面226aの下側外形又は厚さを変えさせるなどすれば、垂直方向支持体240a−dのそれぞれは大凡同じ長さにしておけるものと理解しておきたい。幾つかの実施形態では、支持構造228は1つ又はそれ以上の方向に傾斜していない支持体を提供しているものであってもよいし、支持構造228の4つの垂直方向支持体240a−dはそれより多くても又は少なくてもよいし、或いは一切省略されていてもよい。
【0056】
[0063]傾斜した載置デバイスは必須というわけではないが、傾斜した3平面載置デバイス224であれば、様々な望ましい特徴を提供することができる。例えば、先に論じられている様に、3平面載置デバイス224の勾配は、その上の物品の整列を促すことができる。具体的には、概ね非傾斜の面を含んでいる測定システムの実施形態では、精度の高い測定をもたらすために、ユーザーが1つ又はそれ以上の物品を手作業で時間を食うやり方で整列することを要求される羽目になる。しかしながら、3平面載置デバイス224は、平面226a−cをその勾配と一体に使用して、物品をしかるべき位置へ滑動させることができ、精度の高い測定値の取得がより効率的に行えるようになる。但し、必ずしも物品が平面226a−cに対して自由に滑動するとは限らないものと理解されたい。例えば、1つの実施形態では、平面226a−cのうちの1つ又はそれ以上に摩擦増強被覆又は摩擦増強面を適用し、配列された物品に係合させ、その様な物品が測定部構成要素220が所望の寸法情報を取得している間に偶発的に動いてしまう可能性を低減させるようにしている。
【0057】
[0064]図2A及び図2Bに更に示されている様に、測定システム202は、測定部構成要素220を含むことができる。測定部構成要素220は、幾つもの異なった型式のデバイス又は構造を含んでいてもよく、そうすれば、配列部構成要素218を使用して配列された1つ又はそれ以上の物品の寸法情報の取得を容易にすることができる。1つの実施例によれば、例えば、測定部構成要素220は、3次元スキャナ又はカメラの様な撮像デバイス246を含んでいるが、何れの数の撮像デバイス又は他のデバイスを使用することもできる。
【0058】
[0065]この実施形態では、撮像デバイス246は、3平面載置デバイス224に対して、直立支持体248を使って伸長されている。撮像デバイス246は、底面226aの全部又は一部を覗けるレンズ又は他の撮像部構成要素を有していてもよく、3平面載置デバイス224内に配列されている物品の測定値又は他の寸法情報を(例えば、原点230を基準として使って)取得するのに使用することができる。例えば、1つ又はそれ以上の物品が底面226a上に配列されている場合、撮像デバイス224は、物品の配列の最大長さ、最大幅、及び/又は最大高さの情報を計算するのに使用することのできるデータを、測定又は取得してもよい。例えば、最大長さは、或る配列が側面226bに垂直な方向に延びている最大距離であり、最大幅は、物品の配列が、側面226cに垂直な方向に延びている最大距離とすることができる。最大高さは、物品の配列が底面226aに垂直な方向に延びている最大距離を含むものとすることができる。
【0059】
[0066]測定部構成要素220及び撮像デバイス246は、幾つものやり方で変えることができる。例えば、1つの実施形態によれば、撮像デバイス246は、飛行時間式カメラであってもよい。飛行時間式カメラは、幾つかの実施形態で、光が物体に反射するのに掛かる時間を測定又は計算することによって3次元画像を提供するのに使用することができる。飛行時間式カメラは、様々な理由で望ましいかもしれないが、どの用途にも要求されるというわけではない。例えば、飛行時間式カメラは、近年は、経済的に、走査技術及び他のカメラ技術と競合できるまでになってきた。更に、飛行時間式カメラは、リアルタイム情報又は他の情報を、極めて迅速に高い精度で収集するのに使用することができる。例えば、寸法データを確定するのに使用されるポイントクラウドを作り出しているデータポイント全てが同時に測定されるので、それにより、1回に1つのポイント又は区域だけを測定しその後に情報を一体にコンパイルする走査技術に勝って速度が向上する。ここに記載されている用途に適した飛行時間式カメラの1つの型式が、IFM Efector社によって生産されている。その様なカメラは、飛行時間の原理を使用して、それぞれのピクセルが飛行時間測定値を表現しているピクセルベースの画像を取得するものであって、デジタル、アナログ、又はその他を提供している。
【0060】
[0067]更に、物品は危なっかしく積まれているかもしれないからといっても、飛行時間式カメラであれば、全ての物品を一挙に測定することができ、寸法データの完璧なポイントクラウドを創出するために物体又はセンサー/スキャナを他のものと関係付けながら動かさなくてもよくなる。本開示の範囲内で企図される或る代わりの解決手法は、物品を或る特定のやり方に整列させ、次いで、レーザー又は他のスキャナを物品周りに動かして測定値を取得するか、又は物品をスキャナそのものに対して動かすというものである。このやり方を使用しても物品及び配列の測定値を取得することはできるが、飛行時間式カメラ又は1回で全体像を取得できる他の撮像デバイスであれば、測定を行うのに必要な仕組みが単純化され、プロセスもあまり高価にならずにすむ。飛行時間式カメラは、こうして、時間及び/又は費用の面で有意な節約をもたらすことになる。とはいえ、撮像デバイス246は、画像又は寸法情報を取得するのに使用することのできる、何れの他の型式のスキャナ、カメラ、撮像デバイス、測定道具などであってもよい。
【0061】
[0068]撮像デバイス246は、寸法情報を直接計算してもよいが、他の実施形態では、撮像デバイス246がデータを提供し、すると当該データは別体の構成要素によって集計されて、寸法情報を確定するのに使用されることになる。例えば、図2Aでは、撮像デバイス246は、処理部構成要素222に接続されている。処理部構成要素222は、例えば、撮像デバイス246によって提供されるデータを受信し、受信したデータを3次元画像へ組み合わせることができる(例えば、ソフトウェアアプリケーション、ハードウェア、ファームウェア、又は、それらの何れかの組合せを使用して結果を翻訳する)。他の実施形態では、撮像デバイス246は、別の型式のカメラ又はスキャナであってもよいし、1つ又はそれ以上のレーザービームを使用して配列を走査し寸法に関係している情報を取得していてもよいし、ソニック、x線、ソナー、又は他の技術を使用しているか、或いは上記の何れかの組合せを使用していてもよい。
【0062】
[0069]更に別の実施形態では、測定部構成要素220は、平面226a−cの1つ又はそれ以上か又はそれらと協働する他の平面を動かすための機構を含むことができる。例えば、追加の可動式パネルが、平面226a−cと向かい合わせに設置されていてもよい。その様なパネルは、軌道に載せられていてもよいし、そうでなければ手動式又は自動式に動かせるようになっていてもよい。物品の配列が望ましいやり方に構成されてしまえば、パネルを手動式又は自動式に動かして配列の遠位端に係合させる。パネルの位置に基づいて、配列の高さ、幅、及び長さに関係している寸法情報が取得されるか、又はそうでなければ処理される。
【0063】
[0070]測定部構成要素220の如何なる型式が使用されていようとも、測定部構成要素220は、載置デバイス224上の配列の長さ、幅、及び/又は高さ寸法に関係している情報を取得するものであるが、更に他の情報を取得してもよい。例えば、測定部構成要素220は、湾曲した包装品又は凸凹のある包装品の構築のために配列の曲率を識別してもよい。測定部構成要素220は、更に、重量又は他の情報を取得してもよい。何れにせよその様な情報が確定してしまえば、測定部構成要素220は、処理部構成要素222と通信し、処理部構成要素222に、載置デバイス224上の1つ又はそれ以上の物品の配列の寸法又は他の構成に関する情報を提供することであろう。
【0064】
[0071]図2Aでは、測定部構成要素220は処理部構成要素222に連結されているものとして示されており、測定部構成要素220は何らかの取得した情報を処理部構成要素224に提供している。情報は、何れの適したやり方で提供されてもよい。例えば、1つの実施形態では、測定部構成要素220は、処理部構成要素222に、1つ又はそれ以上の配線(例えば、並列接続又は直列接続)又は他の物理的コネクタによって接続されている。他の実施形態では、測定部構成要素220は、処理部構成要素224に、無線接続を使って接続されている。
【0065】
[0072]処理部構成要素222は、測定部構成要素220によって提供された情報を分析するのに、当該情報を包装用品作製機械へ送信するのに、載置デバイス224上に物品を配列するオペレータに視覚的情報を提供するのに、又は何れかの他の適した目的のために、使用することができる。例えば、図2Aは、処理部構成要素222を、表示デバイス250を含んでいるものとして示している。表示デバイス250は、実例として、ユーザーへの情報の提供及び/又はユーザーからの命令又は他の情報の受信のためのユーザーインターフェースを表示するのに使用されている。
【0066】
[0073]図2Cは、本開示の単に1つの例示としての実施形態によるユーザーインターフェース252を更に詳細に示している。実際、実施形態によっては、ユーザーインターフェースが提供されていない場合もある。図2Cに示されている様に、例示としてのユーザーインターフェース252は、幾つもの異なった型式又は配列の構成要素を含むことができる。それぞれのその様な構成要素は随意であり、ユーザーによる測定システム202の使用が容易になるように提供されればよい。
【0067】
[0074]図2Cでは、グラフィカルユーザーインターフェースは、載置デバイス上の物品の配列を表す視覚的表示を提供するグラフィカル表現254を含んでいる。グラフィカル表現254自体も同様に幾つもの異なった形式をとることができる。例えば、グラフィカル表現254は、物品の配列の画像や全体的な寸法の描画であってもよいし、情報を含んでいてもよい。1つの実施形態では、グラフィカル表現254は、飛行時間式カメラによって取り出された飛行時間データの画像を含んでいる。
【0068】
[0075]幾つかの事例では、ユーザーインターフェース252は、更に、テキスト要素又は他の要素を含んでいることもある。図2Cでは、例えば、ユーザーインターフェース252は、寸法情報256の形式をしているテキスト情報を含んでいる。具体的には、1つの態様によれば、寸法情報256は、配列部構成要素上の物品の配列の長さ、幅、及び/又は高さを指し示すために提供されている。寸法情報256には、その上、追加又は他の情報が含まれていてもよい。例えば、重量又は体積の情報が更に含まれていてもよい。
【0069】
[0076]寸法情報256は、現在進行ベースで、周期ベースで、又は応需ベースで提供することができるであろう。例えば、配列部構成要素218を使って物品が配列される際、撮像デバイスは、持続的に寸法情報256を取得していてもよいし、或る特定の間隔でその様な情報を取得していてもよい。撮像デバイスと処理部構成要素222の間の通信は、その様な作動を反映したものであり、よって、撮像デバイスが持続的に作動している事例では寸法情報256は絶えず変化することになろうし、撮像デバイスが周期的に情報を取得している事例では寸法情報256は特定の間隔で変化することになろう。
【0070】
[0077]しかしながら、事例によっては、撮像デバイスは、要求があったときに限って寸法データを取得している。例えば、ユーザーインターフェース252は、測定コマンドボタンの形態をした入力258を含んでいるが、何れの適した入力が使用されていてもよい。ユーザーが入力258を選択すると、撮像デバイスへのメッセージ送信がトリガされ、すると、或る特定の時点の寸法情報が取得されることになる。こうして、ユーザーは、ユーザーインターフェース252から撮像デバイスの作動を制御することができる。
【0071】
[0078]他の事例では、入力258は他の目的に使用されている。例えば、撮像デバイスは、継続的に作動している場合もあれば、周期的に作動している場合もあろう。入力258が選択されると、処理部構成要素は直近の寸法データを最終データであると確定し、それに応えて、最終の寸法データを包装用品作製機械へ送るようにしていてもよい。
【0072】
[0079]ユーザーインターフェース252は、随意的に、幾つもの他の要素又は機構を含むことができる。図2Cに示されている様に、例えば、1つの実施形態では、ユーザーインターフェース252は、利用可能な異なった包装用品様式を識別するウインドウ又は区画260を含んでいてもよい。ユーザーは、ウインドウ260を使用して、利用可能とされている異なった包装用品様式についての情報を取得することができる。ウインドウ260は、幾つかの事例では、ユーザーが所望されている特定の包装用品様式を識別できるようにする入力として使用されている。その様な事例では、ユーザーインターフェース252は、選択された設計及び確定された寸法に対応する包装用品の定型品の設計を計算するのに使用されていてもよいし、その様な選択を包装用品作製機械に中継していてもよい。事例によっては、ユーザーは、異なった包装用品様式の間で選択を廻らせて、特定の設計に基づいて作製する場合に存在する相違を見極めることができる。例えば、包装用品設計次第では、包装品同士は概して全体の大きさが同じであったとしても、包装用品の定型品の一方の型式では、付帯費用が高い或いは低いということがあるかもしれない。一例として、一部の特定の包装用品様式は、他の様式に比べ、組立時間、材料費、組立費、作製時間などの項目で、割高或いは割安であるかもしれない。異なった選択肢についての情報が、幾つかの事例では、ユーザーインターフェース252に表示され、ユーザーがどの箱様式なら、費用が安いか、保護についての値が高いか、又は他の特徴を有しているか、を見極められるようにしている。幾つかの事例では、情報は、ユーザーによって、代わりの物品配列が望ましいかもしれないことを見極めるために使用される。獲得され包装用品作製機械へ送信された過去の情報を識別するために、履歴ウインドウ262の様な他の情報が更に含まれていてもよい。
【0073】
[0080]これより図2Aに戻って、処理部構成要素222が、寸法情報―測定部構成要素220から直接受信しているか又は処理部構成要素222から受信したデータを処理することによって確定しているかの何れか―にアクセスしたら、寸法情報は何通りもの異なったやり方で更に処理されることになろう。例えば、ここに論じられている様に、処理部構成要素222は、1つの実施形態では、情報を使用して、包装用品作製機械に作製させる箱又は他の包装用品の定型品を設計する。次いで、処理部構成要素222は、包装用品作製機械へ、当該定型品設計か又は包装用品作製機械がどんな設計を作製するのかを確定できるのに十分な情報を含んでいるメッセージを送信する。別の実施形態では、処理部構成要素222は、寸法情報を包装用品作製機械へ送り、包装用品作製機械に、配列された物品用の適した寸法を有する適した包装用品の定型品を設計させる。
【0074】
[0081]図2Aの処理部構成要素222は汎用コンピューティングデバイスとして示されているが、この実施例は説明目的でしかなく、必ずしも本開示に制限を課すものではないことを理解されたい。処理部構成要素222は、ここに記載されている様に、如何なる型式の専用又は汎用のコンピュータを含んでいてもよい。実際、ここに指摘されている様に、処理部構成要素222は、幾つかの実施形態では、測定部構成要素220又は包装用品作製機械内に直に一体化されている。
【0075】
[0082]更に、以上の説明は、測定部構成要素220を、寸法情報を取得した上でその様な寸法情報を処理部構成要素222に提供するものとして説明しているが、これは単に例示であると理解しておきたい。例えば、他の実施形態では、測定部構成要素220は、画像を捕捉するか或いは他のデータを取得するが、寸法情報を確定することはしていない。捕捉されたデータは、代わりに、処理部構成要素222に提供され、処理部構成要素222が載置デバイス224上の配列の寸法を確定するようにしている。これら又は他の実施形態では、測定部構成要素220は、本質的に、処理部構成要素222に接続されたセンサーの役目を果たしている。更に、測定部構成要素220、処理部構成要素222、及び配列部構成要素218は、別々のユニットとして示されているが、ここでの開示に照らし、測定部構成要素220と配列部構成要素218と処理部構成要素222は、それらのうちの1つ又はそれ以上を組み合わせること及び/又は省略することができるものと理解しておきたい。例えば、撮像デバイス246は、如何なる適した寸法データ獲得デバイスであってもよく、随意的には、撮像デバイス246は、測定部構成要素220と処理部構成要素222の機能を提供するように処理能力を含んでいてもよい。
【0076】
[0083]次に図3を参照すると、特注仕様包装用品を作製する例示としての方法300が提供されている。描かれている様に、方法300は、応需型特注仕様包装システムの1つ又はそれ以上の構成要素によって遂行される様々な随意的動作及び/又は段階を含むことができる。方法300の動作及び段階について、図1及び図2Aの測定システム102と202そして包装用品作製機械104に関連付けて説明されているが、その様な動作及び段階は、代替的又は追加的に、他の構成要素又はシステムによって遂行されてもよい。
【0077】
[0084]図3に描かれている様に、方法300は、1つ又はそれ以上の物品が特注配列に配列されたと判定する動作(動作302)を含んでいる。例えば、1つ又はそれ以上の物品が3平面載置デバイス224上に配列され、測定部構成要素220が、1つ又はそれ以上の物品の存在及び/又は配置を検出してもよい。代わりに、物理的なボタン又はソフトウェアベースのボタンの様な入力が、測定部構成要素220及び/又は処理部構成要素222の、物品の配列の測定を要求しているオペレータによって押され、その結果、特注配列が作り出されたこと及び特注包装用品が所望であることが指し示されるようになっていてもよい。従って、動作302での1つ又はそれ以上の物品が配列されたと判定する段階では、物品が現在配列中であるということ又は最終的な配列が実現されたということ、及び/又は最終的な配列にとって特注仕様包装用品が所望であるということ、が指し示される。
【0078】
[0085]方法300は、更に、或る配列の3次元走査を遂行する動作(動作304)を含んでいる。例えば、測定システム202のユーザーが処理部構成要素222上で実行しているユーザーインターフェース252内の入力258を選択したことに応えて、処理部構成要素222は、撮像デバイス246が3次元画像を捕捉するか或いはそれ以外のやり方で載置デバイス224上の物品の配列に関する3次元データを取得することを要求してもよいであろう。代わりに、撮像デバイス246がリアルタイムで作動していれば、物品の配列の3次元走査を継続的に提供することができ、その結果、入力258又は何か他の選択肢を選択しても、走査を遂行させることを明示的に要求することはなく、或る特定の時点の走査に関連するデータが選択されるだけである。3次元走査の型式は、撮像デバイス246及び/又は測定部構成要素220の能力に基づいて変えることができる。例えば、3次元走査は、配列の全体像を含んでいてもよいが、そこから寸法情報(例えば、高さ、幅、長さ)を計算できる如何なる情報捕捉も適正に3次元走査と見なされ得る。従って、3次元走査が実質的に単一の時点で起こり、異なった時点での物品の配列の異なった部分に対する測定は必要でなくなることもある。
【0079】
[0086]追加的又は代替的に、物品の配列の寸法が計算される(動作306)。例えば、撮像デバイス246は、載置デバイス224上に配置されている配列の画像(例えば、漸進的に追加されてゆく画像で構成された走査画像又は1回で取得された単一画像)を取得する。画像は、処理部構成要素222へ伝送され、すると処理部構成要素は、1つ又はそれ以上のコンピュータ実行可能な命令を実行して、当該画像又は他のデータを翻訳し、3平面載置デバイス224上の配列の寸法属性を計算する。言うまでもなく、他の実施形態では、測定部構成要素220は物品の配列の寸法を直接取得しており、すると動作306は、まさに、動作304での配列を走査する段階の一環として行われることになる。従って、配列の寸法を計算する段階は、3次元走査が遂行された後又はそれと同時発生的に遂行されることもあるし、或いは3次元走査を引き起こすことなく遂行されることもある。
【0080】
[0087]物品の配列の寸法を計算する段階は、他の形態をとることもできる。例えば、1つの実施形態では、包装品が損傷していて、その様な物品を包装し直すことが好都合な場合がある。損傷した包装品は、亀裂や穴があったり、或いは部分的に押し潰されその結果出っ張っていたりするかもしれない。損傷した包装品は、損傷の種類に関わらず、整列と測定のために載置デバイス上に置かれることになろう。包装品としては矩形の形状が好適であり、画像が計算されるとき、処理部構成要素222は、包装品が損傷していることを勘定に入れる。例えば、撮像デバイス246が、損傷した包装品に出っ張りがあることを識別している画像を取得すると、処理部構成要素222は、出っ張りなしでの物品を包装するのに必要な箱の大きさを確定する。こうして、処理部構成要素222は、画像の寸法を計算し、そうして随意的に、包装品が損傷していることを勘案して当該寸法を修正することができる。次いで当該計算を使用して損傷した包装品に取って代わることのできる包装品の定型品が見積もられ、それにより、新たな包装品の定型品が作製され、損傷した包装品の内容物を新しい包装品へ移し替えることができる。
【0081】
[0088]方法300は、従って、計算された寸法を使って包装品の定型品を設計する段階(動作308)も含んでいる。例えば、包装用品作製機械104が、測定システム102、202の処理部構成要素222からのメッセージ106を受信し、当該メッセージ106は、3平面載置デバイス224又は何らかの他の型式の測定システム102に、手作業で、ロボット利用で、又はそれ以外のやり方で置かれた物品の特注仕様配列の寸法を提供している。その様なメッセージ106の受信後、包装用品作製機械104は、自動的に又は要求があり次第、所望の寸法を提供するのに適した包装品の定型品を設計することになる。その様な包装品の定型品は、メッセージ106で受信されている寸法に概ね対応している。包装品の定型品の内側区画室は、動作306で測定又は計算された寸法と厳密に対応するように構成された寸法を有していることであろうが、他の実施形態では、配列される物品の包装品への挿入が容易になるように一定の公差が加算される。同様に、特注仕様包装用品の内寸対外寸の差又は他の因子を勘案した他の変更が考慮されてもよいであろう。
【0082】
[0089]従って、1つの実施形態では、包装用品作製機械104は、包装用品寸法を受信し、そうして機械自体が包装用品の定型品を設計することができる。代わりに、測定システム102、202が、包装用品の定型品を設計していてもよい。例えば、寸法が計算されると、測定システム202の処理部構成要素222が、包装用品の定型品を設計し、完成した定型品設計を包装用品作製機械104へメッセージ106で送信するようにしてもよい。
【0083】
[0090]包装用品の定型品を設計する段階は、包装用品作製機械104によって遂行されているにせよ、測定システム102、202によって遂行されているにせよ、或いは応需型包装システムの何か他のエンティティによって遂行されているにせよ、以前に使用された定型品をルックアップする段階又は定型品について新たな計算を遂行する段階を含むことができる。新たな定型品の場合、当該新たな定型品は、包装用品作製機械104又は別の構成要素によって自動的に設計されてもよく、その結果、必要な段ボール紙又は他の材料の量が、切れ目、縦罫、横罫線、穿孔、又は包装品の定型品から走査/画像化された配列に配列された物品を受け入れ保持するのに適した完成包装品への組み立てを容易にする他の特徴、についての望ましい位置と併せて、自動的に確定されることになろう。
【0084】
[0091]定型品を自動的及び/又は動的に設計するために如何なる適したやり方が使用されてもよい。1つの実施形態によれば、包装機械104が、扇折又はロール状の段ボールの様な無端材料の形態をしている包装材料108へアクセスできるようになっている。その様な扇折段ボールは、単一の大きさ又は多様な大きさのものがアクセスできるようになっている。その様な設計が(例えば、包装用品作製機械104又は処理部構成要素222によって)作製されてゆく際、設計自体は利用可能な材料に基づいて最適化されることになる。その様な最適化は、段ボール又は他の材料の使用を、利用可能な材料の異なった幅、大きさ、又は量を所与として、最小限に抑えたいという要望に配慮したものであってもよい。こうして、測定システム102、202及び/又は包装用品作製機械104は、使用される段ボール又は他の包装材料の量を削減する又は組立又は作製の時間と費用を決定付ける近似最適な包装用品の定型品を確定する上で異なった選択肢を考慮することになろう。
【0085】
[0092]他の要件又は因子を考慮することもできる。例えば、包装品には、最小の大きさについての制約を付けてもよい。これには、包装品のパネルに発送票を付ける必要性に起因する制約を含め、幾つもの理由があろう。更に、自動式テープシーラー及び糊付けデバイスにも、包装品の大きさ及び設計を最適化する上で考慮される、大きさの制約を付けてもよいであろう。例えば、テープシーラーは、或る特定のアスペクト比の包装品に限って閊えなく作動するものであってもよい。更に以上に指摘されている様に、寸法情報を使って包装品を設計する段階は、更に、損傷した箱に取って代わることのできる包装品の寸法を見積もる段階を含んでいてもよい。
【0086】
[0093]方法300は、更に、包装品の定型品を作製する動作(動作310)を含んでいる。例えば、或る定型品設計に基づき、包装用品作製機械104は、包装材料108を給送し、確定された大きさ及び形状の定型品を、裁断するか又はそれ以外のやり方で作製することができるであろう。
【0087】
[0094]ここでの開示に照らし、ここに提供されている方法300は、こうして、特定の物品の注文又は要求を受信させ、するとそこから、それらの注文に特化された箱定型品又は他の包装品の定型品を、所望の寸法の手入力の必要性も或いは単に利用可能な包装品の大きさを使用しそれに包装品の内容物を保護するために余計な詰め物を充填する必要性もなしに、自動的又は動的に、設計及び/又は作製させることのできる方法を提供していることが理解されるであろう。例えば、物品が載置デバイス224上に手作業又は他のやり方で配列され、そして随意的には配列が完了したという表示が提供された後、応需型特注仕様包装システム100は、方法300を使用して、自動的に、配列を走査、測定し、特注仕様包装品を設計し、適した大きさの包装品の定型品を作製することができ、随意的にはこれらを如何なる人的介入もなしに行う。その後、特注仕様包装用品は組み立てられ、次いで自動式又は手作業によって、当該包装品に納められる包装予定と識別されている物品が、当該特注仕様包装品についての寸法を取得するのに使用されたのと同じ配列で装入される。
【0088】
[0095]しかしながら、更に他の実施形態では、包装用品の定型品が設計され作製される前に、何らかの人的介入或いは他の手作業による介入が所望される場合もある。例えば、1つの実施形態では、包装予定物品について異なった利用可能なモデル配列があり、それぞれの実現性に異なった利点がある。幾つかの実施形態では、システム100のオペレータは、従って、特注仕様包装用品にとってどの選択肢を選択するべきかについて何らかの入力を提供することになる。例えば、処理部構成要素222は、配列された物品に精密に整合させるための所望の寸法を提供するように作製することのできる異なった箱定型品を識別していてもよい。その様な識別は、グラフィックや音声又はそれ以外のやり方で提供され、オペレータが、利用可能な異なった包装用品設計についての情報を閲覧するか又はそれ以外のやり方でアクセスして、当該利用可能な設計のうちの1つから選択できるようにしていてもよい。オペレータには、おそらくは、適した矩形設計や適した円柱形設計が提供されるか、或いはそうでなければ、オペレータは、包装用品の異なった大きさ、形状、及び様式にとってどの定型品が望ましいかを選定できるであろう。代わりに、例えば特定の包装用品様式に基づいて段ボールの異なった量が使用される異なった設計が作製されてもよいであろう。オペレータが包装材料の使用を最小限にすることを選ぶこともあろうし、他の事例では、配列物品の重量、壊れ易さ、又は他の態様が、より頑強な包装品様式の使用に利するように比較検討されることもあろう。
【0089】
[0096]代わりに、ユーザーに包装品についての所望の設計又は様式を催促するのではなく、選択が自動的に(例えば、既定の設定事項又は好みに基づいて)遂行されてもよい。例えば、管理者又はオペレータは、箱の特定の型式が使用されるべき条件(例えば、矩形対円柱形、標準重量対大重量)を指定する。すると、包装機械104又は測定システム102は、その様な既定の設定事項又は好みに基づいて設計を自動的に選択する。
【0090】
[0097]また、以上の論考は、主として、物品を載置デバイス224上に手作業で置くことに関係しているが、これは例示にすぎない。他の実施形態では、他の型式の載置デバイスが使用されることもあろうし、他の型式の配列が成されることもあろう。一例として、1つの実施形態では、載置デバイスは、単一の材料又は多数の材料を箱詰めラインに向けて搬送するコンベヤであってもよい。それぞれの物品又は物品の配列は、その寸法を生成するカメラ、スキャナ、又は他の撮像デバイスを通過させられる。一体に包装される予定の物品全てが撮像されると、測定システム102は物品の全体配列の寸法を計算する。物品の全体配列の寸法を計算する段階は、プロセッサ構成要素222が、どうやれば異なった物体を適したやり方で配列させることができるかについての仮想シミュレーション又はモデルを生成する段階を含んでいてもよい。プロセッサ構成要素222は、このやり方で遂行している場合は、従って、多様な配列を試すか、又は人が手作業で再現しようとすれば困難を来すか又は時間を食うことになる最適又は近似最適物品配列を生成するアルゴリズムを使用する。最適配列が―仮想的又は物理的のどちらでもよいが―生成されてしまえば、寸法が計算され、それを使用して箱定型品が設計される。こうして、配列が仮想であっても、仮想配列は、物品個体又は物品群の画像及び実際のリアルタイム計算に基づいて生成されることになる。仮想配列の事例では、プロセッサ構成要素222は、更に、箱詰めラインに、物品をシミュレートされたやり方で配列する仕方を知らしめる命令を生成する。
【0091】
[0098]他にも時により、全ての物品を純粋に手作業で配列することが好まれることもある。例えば、一部の物品は柔軟であり、隙間があってそこへ他の物品を挿入できたりすることがある。これらの特徴は、自動式配列をより複雑化させる。実例として、他の物品と一緒に包装されることもあるシャツは、幾つもの異なった大きさ及び形状の異なった空間に収まってしまうほど柔軟性が効く。この柔軟性が最適包装用品解決手法の自動判定を困難にさせる、というのも、シャツにとっては如何なる固定の大きさも形状もないからである。従って、幾つかの事例では、一部のシミュレーションを困難にする「頭を悩ませる問題」を解消するために手作業による配列が使用されることになる。
【0092】
[0099]次に図4図8Cを参照すると、物品を配列するため、及び/又は特注仕様配列に基づく特注仕様包装用品を作製するための、例示的な方法をより明解に示すべく、詳しい描画が提供されている。図4図8Cの例示としての配列及び包装用品の定型品は物品及び包装用品設計の汎用例として提供されているにすぎず、他の、物品、物品数量、物品形状、箱形状、箱設計、及び他の特徴が本開示の範囲内で企図されるものと理解しておきたい。
【0093】
[0100]図4は、幾通りもの異なった特注配列に一体に包装することができ、その後、その様な配列に包装される、5個の物品401a−eの例示となる集合を示している。例えば、消費者が、物品401a−eのそれぞれを或る特定の宛先へ配送させることを要求する注文を出す。何れかの注文がまさにぴたりと物品401a−eを含んでいることを前もって予測することは、不可能ではないにしても困難である。結果として、物品401a−eの配列を所望通りに精密に収容するように特化して開発された包装用品は存在していない可能性が高い。従って、物品401a−eの特定の配列に精密に整合できる包装用品であって、例えば、物品401a−eの損傷又は損失のリスクを低減することのできる包装用品を提供するために、特注仕様包装品が(例えば、図3の方法300を使用することによって)開発される。
【0094】
[0101]特注包装品を作製するのに、物品401a−eは、多数の異なったやり方の何れで配列されてもよい。例えば、図5A図5Cは、それぞれ、物品401a−eを例えば手作業で配列することによって作り出される異なった各々の配列403a−cを示している。その様な物品401a−eは、3平面載置デバイス224(図2A)に類似したデバイス上を含め、何れかの適した場所に配列される。図3の方法300又は応需型特注仕様包装品を作製するための別の適した方法を使用して、図6A図8Cの箱定型品405a−cが作製される。箱定型品405a−cを組み立てる際のやり方を更に深く理解するために、パネルには、組立前の状態でA−Lの標示が付けられているが、対応するパネルI−Lは、それぞれ組み立て後の包装品405a−cでは底になることが示されている通り、組立後の状態ではA−Hの標示が付されている。更に、幅(「x」)、長さ(「y」)、及び高さ(「z」)に関係している様々な寸法が、組立前の箱定型品405a−cについて、また同様に組立後の箱定型品405a−cの座標軸について示されている。
【0095】
[0102]図5A図5Cの配列及び図6A図8Cの箱定型品に照らし理解しておきたいこととして、同じ物品(例えば、5個の物品401a−e)から幾通りもの実現性のある配列が作り出されることであり、それぞれの実現性のある配列には個々の寸法があり、当該寸法は、測定されるか、計算されるか、又はそれ以外のやり方で確定されるものである。その様な寸法情報をその後使用して、物品の特定配列に対応する大きさの箱定型品が作製される。
【0096】
[0103]それぞれの配列は、作成予定の包装用品に対し望ましい効果を有することもあれば、望ましくない効果を有することもあろう。例えば、配列403a−cのぞれぞれは、長さ寸法、幅寸法、及び高さ寸法の異なった組合せを有している。配列403a−cのそれぞれに同じ一般包装用品設計が使用された場合、包装用品の定型品は広範に異なることであろう。結果として、配列は包装用品の費用に影響を及ぼす。例えば、配列には、包装品の定型品を作製するのに使用される包装材料の量を増加させるものもあれば、一方で、体積がより大きくなり、包装品に挿入しなくてはならない詰め物の量の増加を引き起こす可能性のあるものもある。
【0097】
[0104]実例として、図6Aの包装品の定型品405a又は図8Aの包装品の定型品405cをもたらす配列の方が、図7Aの包装品の定型品405bをもたらす配列より優れていると判定されるかもしれない。例えば、物品401a−eの寸法及びそれらの配列に基づくと、包装品の定型品405bは、包装品の定型品405a又は405bのどちらよりも、包装材料(例えば、段ボール紙)が更に14パーセント多く必要になる。その上、組立後の包装品の定型品405bの体積も際立って大きい。図示の実施形態では、包装用品の定型品405bは、組立後の定型品405a又は405cの体積より少なくとも13パーセント大きい体積を有しており、そのため定型品405bの作製では使用される詰め物又は内装包装材料の量も少なくとも13パーセント増加することになる。
【0098】
[0105]図6A図8Bの包装品の定型品405aと図8A図8Bの包装品の定型品405cとの間では、材料費及び体積の差はとるに足りないと考えられる。例えば、図示の実施形態では、包装用品の定型品405aは包装材料費の切り下げをもたらし、一方、包装用品の定型品405cは包装品体積の切り下げをもたらす。具体的には、包装用品の定型品405aにおける包装材料節約分は0.5パーセント程度であり、一方、包装用品の定型品405cにおける定型品405aに対する体積節約分は約1.5パーセントである。よって、箱定型品405c内には物品がずれて破損するかもしれない空間がより少なく、ひいては内装包装材料の必要性は小さくなるが、実際の定型品そのものを作製するのに必要な包装材料の量はそれ相応に増加する。
【0099】
[0106]理解されるであろうが、図6A図8Bの定型品405a−cの実施例は、物品401a−eの配列のために作製することのできる実施可能な定型品の幾つかを例示しているにすぎない。その上、物品の様々に異なった集合が配列されることになるので、無限の数の配列及び箱定型品が、ここに開示されているシステム、方法、及び装置を使用して応需式に作製されることであろう。
【0100】
[0107]従って、ここに説明されている包装用品の効率性及び精密性は、物品が手作業又はロボット利用によって配列される場合に限って制限を受けることとなろう。例えば、以上に図6A図8Bに関連付けて論じられている様に、ユーザーは、物品を、幾通りもの異なったやり方で配列することができ、特注仕様包装品の中へ挿入するための概ね矩形の形を提供する最適又は近似最適配列に物品を配列しようとするであろう。幾つかの事例では、包装品は、箱詰めラインの作業員が大きすぎる包装品を選択してしまい、物品の損傷又は損失の危険を冒すか或いはその様な危険を低減するために追加の内装包装材料が必要になるかする事態を余儀なくされることのないように、特定の大きさについて特注仕様化される。
【0101】
[0108]以上の論考は、特定の注文又は特定の物品集合についての箱の特注仕様化に関係しているが、説明されている方法は他の使用にも容易に適応させることができるものと理解されたい。例えば、1つの実施形態によれば、測定システムは、包装用品作製機械に接続されていなくてもよい。物品が配列され、測定されたら、測定システムの一部(例えば、処理部構成要素222)が、どんな規格又は既定の大きさの箱が利用可能かを識別している情報記憶部にアクセスするようにしてもよい。測定システムは、次いで、どの規格の大きさの箱を使用するべきかについての推奨を行ってもよく、そうすれば、包装ラインの作業員はどの包装品を使用するかで考えあぐねる必要がなくなり、代わりに、ちょうどよい具合にぴったりした包装品として既に利用可能となっている箱を使用することができる。他の実施形態では、測定システムは、包装用品作製機械に接続されてはいるが、但し、特注仕様の箱ではなく規格の大きさの箱を要求することもできる。
【0102】
[0109]従って、本開示の1つの実施形態は、特定の物品に特化して特注仕様化された包装品を動的に作製することに関係しているが、別の実施形態は、既に利用可能な箱又は既に設計されている箱の寄せ集めのうちのどれが物品の集合に最も適当かを動的に識別することに関係している。
【0103】
[0110]ここでの論考は、遂行され得る多数の方法並びに方法の段階と動作に言及している。方法の段階及び動作は、或る特定の順序で論じられており、フローチャートには或る特定の順序で起こるものとして示されているが、特に表明されていない限り、或いは或る動作は当該動作が遂行されるより前に別の動作が完了されることに依存しているとの理由で特に要件とされているのでない限り、どんな特定の順序付けも、それが必ずしも必要というわけではないことに留意されたい。
【0104】
[0111]本開示の実施形態は、以下に更に詳細に論じられている様に、例えば、1つ又はそれ以上のプロセッサ及びシステムメモリの様なコンピュータハードウェアを含んでいる専用又は汎用のコンピュータを備えるか又は利用することができる。本開示の範囲に含まれている実施形態は、更に、コンピュータ実行可能な命令及び/又はデータ構造を搬送又は記憶するための物理的な及び他のコンピュータ可読媒体を含んでいる。その様なコンピュータ可読媒体は、汎用又は専用のコンピュータシステムによってアクセスすることのできる如何なる利用可能な媒体であってもよい。コンピュータ実行可能な命令を記憶するコンピュータ可読媒体は物理的な記憶媒体とすることができる。コンピュータ実行可能な命令を搬送するコンピュータ可読媒体は伝送媒体とすることができる。こうして、一例として、但し限定するわけではなく、開示の実施形態は、少なくともコンピュータ記憶媒体及び/又は伝送媒体を含めた少なくとも2つの区別できる異なった種類のコンピュータ可読媒体を備えることができる。
【0105】
[0112]コンピュータ記憶媒体の例には、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROM、又は他の光学ディスク記憶、磁気ディスク記憶、及び他の磁気記憶デバイス、或いはその他の非伝送媒体であって、所望のプログラムコード手段をコンピュータ実行可能な命令又はデータ構造の形式で記憶するのに使用することができ、汎用又は専用のコンピュータがアクセスすることのできる媒体が挙げられる。
【0106】
[0113]「ネットワーク」は、コンピュータシステム及び/又はモジュール、エンジン、及び/又は他の電子デバイス間での電子データの輸送を可能にする1つ又はそれ以上のデータリンクと定義されている。情報が、ネットワーク又は別の通信接続(配線式、無線式、或いは配線式又は無線式の組合せ)を経由してコンピュータに転送又は提供されている場合、コンピュータは、当該接続を伝送媒体と見る。伝送媒体には、ネットワーク及び/又はデータリンク、搬送波、無線式信号などであって、所望のプログラムコード手段をコンピュータ実行可能な命令又はデータ構造の形式で搬送するのに使用することができ、汎用又は専用のコンピュータがアクセスすることのできるものが含められる。物理的記憶媒体と伝送媒体の組合せも、コンピュータ可読媒体の範囲内に含められるものとする。
【0107】
[0114]また、コンピュータ実行可能な命令又はデータ構造の形式のプログラムコード手段は、様々なコンピュータシステム構成要素に到達したら、伝送媒体からコンピュータ記憶媒体へ(又は、その逆に)自動的に転送されてもよい。例えば、ネットワーク又はデータリンクを経由して受信されたコンピュータ実行可能な命令又はデータ構造は、ネットワークインターフェースモジュール(例えば、「NIC」)内のRAMにバッファされた上で、最終的にコンピュータシステムのRAM及び/又はコンピュータシステムのより揮発性の低いコンピュータ記憶媒体へ転送されてもよい。従って、コンピュータ記憶媒体が伝送媒体を併せて(又は、むしろ主として)利用しているコンピュータシステム構成要素に含まれている場合もあるものと理解されたい。
【0108】
[0115]コンピュータ実行可能な命令は、例えば、プロセッサで実行させたときに、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は専用処理デバイスに、或る特定の機能又は機能群を遂行させる命令及びデータを備えている。コンピュータ実行可能な命令は、例えば、2進数又はアッセンブリ言語の様な中間フォーマット命令であってもよいし、更にはソースコードであってもよい。主題について、構造的特徴及び/又は方法論的動作に特有の用語づかいで説明してきたが、特許請求の範囲に定義されている主題は、必ずしも、以上に説明されている記載の特徴及び動作に限定されるものでもなければ、記載の動作又は段階を以上に説明されている構成要素によって遂行させることに限定されるものでもないと理解されるべきである。むしろ、記載の特徴及び動作は、特許請求の範囲を実施する例示としての形態として開示されている。
【0109】
[0116]当業者には理解される様に、実施形態は、多くの形式のコンピュータシステム構成を有するネットワークコンピューティング環境で実践することができ、その様なコンピュータシステム構成には、パーソナルコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、メッセージプロセッサ、ハンドヘルド型デバイス、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースの又はプログラム可能な家庭用電化製品、ネットワークPC、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ、移動電話、PDA、ページャ、ルータ、スイッチなどが含まれる。実施形態は、更に、(配線式データリンクか無線式データリンクか配線式と無線式のデータリンクの組合せのどれかによって)ネットワークを通してリンクされている現地のコンピュータシステムと遠隔のコンピュータシステムが共にタスクを遂行する分散型システム環境で実践されてもよい。分散型コンピューティング環境では、プログラムモジュールは現地のメモリ記憶デバイスと遠隔のメモリ記憶デバイスの両方に置かれている。
【0110】
[0117]同様に当業者には理解される様に、本開示の実施形態は、ネットワーク接続、無線式接続、又は配線式接続の如何を問わず、包装機械内に一体化されているか又は包装機械に連結されている、専用の又は他のコンピューティングデバイスで実践することができる。例示としての包装機械は、包装材料を裁断するか又は罫線を入れて包装用品の定型品を形成する機械を含んでいる。本開示の実施形態と共に使用するのに適した例示としての包装機械は、更に、包装機械が寸法入力を受け付け当該入力に基づいて特注仕様包装用品の定型品を設計できるようにしているプログラムコードを、直接又は間接に実行する。その様な入力は、手作業で提供されていてもよいし、ここに記載されている様に、包装用品特注仕様化エンジンであって、例えば、必要な寸法を自動的に確定するエンジンによって提供されていてもよい。幾つかの実施形態では、包装用品特注仕様化エンジンは、更に、特注仕様包装用品の定型品を裁断する包装機械内に組み込まれており、一方、他の実施形態では、それは包装機械から分離されていて包装機械に通信可能に連結されている。
【0111】
[0118]以上の実施形態は、明解さと理解を目的に、実例及び例示として或る程度詳細に説明されているが、当業者には、ここでの開示に照らし、或る種の変更及び修正が明白であろう。記載されている実施形態は、あらゆる点において、説明のみを目的とするものであって、制限を課すものではないと考えられるべきである。従って、特許請求の範囲の意味及び等価範囲に入るあらゆる変更は、それらの範囲内に網羅されるものとする。
【符号の説明】
【0112】
100 応需型包装システム
102 測定システム
104 包装用品作製機械
106 電子メッセージ
108 包装材料
110 注文処理エンジン
112 外部アプリケーション
114 電子メッセージ
116 製品情報記憶部
202 測定システム
218 配列部構成要素
220 測定部構成要素
222 処理部構成要素
224 3平面載置デバイス
226a−c 平面
228 支持構造
230 原点
232 平面同士の接合部
234 接合部232の遠位端、遠位角
236 平面同士の接合部
238 接合部236の遠位端
240a−d 垂直方向支持体
242a−d 水平方向支持体
246 撮像デバイス
248 直立支持体
250 表示デバイス
252 ユーザーインターフェース
254 グラフィカル表現
256 寸法情報
258 入力
260 ウインドウ
262 履歴ウインドウ
401a−e 物品
403a−c 配列
405a−c 定型品
A−L パネル
x 幅
y 長さ
z 高さ
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B