特許第5932685号(P5932685)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5932685
(24)【登録日】2016年5月13日
(45)【発行日】2016年6月8日
(54)【発明の名称】コージェネレーション装置
(51)【国際特許分類】
   F02G 5/04 20060101AFI20160526BHJP
【FI】
   F02G5/04 H
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-48107(P2013-48107)
(22)【出願日】2013年3月11日
(65)【公開番号】特開2014-173528(P2014-173528A)
(43)【公開日】2014年9月22日
【審査請求日】2015年7月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000221834
【氏名又は名称】東邦瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】特許業務法人コスモス特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊奈 孝
(72)【発明者】
【氏名】中村 洸平
【審査官】 齊藤 公志郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−299532(JP,A)
【文献】 特開2004−011512(JP,A)
【文献】 特開平11−229867(JP,A)
【文献】 特開平10−132495(JP,A)
【文献】 特開2001−342848(JP,A)
【文献】 特開2008−057429(JP,A)
【文献】 特開2013−031268(JP,A)
【文献】 特開2011−190750(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02G 5/00−04
F01K 23/06−10
F02C 6/18
H02P 9/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高温排出ガスおよび電力を発生する主機と,
前記主機で発生した高温排出ガスと熱媒質との間での熱交換を行い,昇温した熱媒質を得る熱交換器とを有するコージェネレーション装置において,
高温部と低温部とを有し前記高温部と前記低温部との間の温度差により電力を発生する熱発電素子と,
前記主機から排出された高温排出ガスの一部を前記熱交換器へ導くとともに,その途中で前記熱発電素子の前記高温部を昇温させる第1ガス路と,
前記主機から排出された高温排出ガスの残部を,前記熱発電素子を経由することなく前記熱交換器へ導く第2ガス路と,
前記第1ガス路と前記第2ガス路との間での高温排出ガスの流量配分を調節する流量配分調節器と,
前記流量配分調節器を制御する制御部とを有し,
前記制御部は,
前記主機における高温排出ガスの発生量が増大する状況では,前記第2ガス路への流量配分を大きくし,
前記主機における高温排出ガスの発生量が減少する状況では,前記第1ガス路への流量配分を大きくするものであることを特徴とするコージェネレーション装置。
【請求項2】
高温排出ガスおよび電力を発生する主機と,
前記主機で発生した高温排出ガスと熱媒質との間での熱交換を行い,昇温した熱媒質を得る熱交換器とを有するコージェネレーション装置において,
高温部と低温部とを有し前記高温部と前記低温部との間の温度差により電力を発生する熱発電素子と,
前記主機から排出された高温排出ガスの一部を前記熱交換器へ導くとともに,その途中で前記熱発電素子の前記高温部を昇温させる第1ガス路と,
前記主機から排出された高温排出ガスの残部を,前記熱発電素子を経由することなく前記熱交換器へ導く第2ガス路と,
前記第1ガス路と前記第2ガス路との間での高温排出ガスの流量配分を調節する流量配分調節器と,
前記流量配分調節器を制御する制御部とを有し,
前記制御部は,
前記熱交換器における昇温した熱媒質の需要量が多い状況では,前記第2ガス路への流量配分を大きくし,
前記熱交換器における昇温した熱媒質の需要量が少ない状況では,前記第1ガス路への流量配分を大きくするものであることを特徴とするコージェネレーション装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,コージェネレーション装置であって,特に,電力需要や熱需要の変動に適切に対応できるようにしたものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から,電力と熱とをともに発生するコージェネレーション装置が使用されている。従来のコージェネレーション装置の一例として,特許文献1に記載されているものが挙げられる。同文献の図1に示されるコージェネレーション装置は,「発電機20」と,「エンジン22」とを有している。そして,エンジン22で発電機20を駆動するとともに,エンジン22の排気熱を「熱交換器26」で回収するようになっている。
【0003】
このコージェネレーション装置はさらに,「熱発電素子46」を有している。そして,熱発電素子46の「高温部46b」を,エンジン22から熱交換器26へ排出ガスを導く「排気通路22h」に近接させて配置している。一方で熱発電素子46の「低温部46a」は,エンジン22へ冷却水を導く「冷却水通路42c」に近接している。これにより,エンジン22の排気熱の一部を,熱発電素子46により電気エネルギーとして回収するようになっている。このコージェネレーション装置は,熱交換器26に加えて熱発電素子46を設けることにより,エネルギー効率をより高めようとしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−299532号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら,前記した従来文献のコージェネレーション装置には,次のような問題点があった。実際のコージェネレーション装置では,電力需要は一定ではなく変動するものであるが,前記した従来文献のコージェネレーション装置では基本的に,発電機20の発電量を調整することで電力需要の変動に対応することになる。
【0006】
すなわち,電力需要が下向きに変化した場面を考えると,エンジン22の出力を下げて発電機20の発電量を低下させるのである。このとき,エンジン22の排出ガスの発生量も減少する。逆の場面では,エンジン22の出力を上げるとともに,エンジン22の排出ガスの発生量も増大する。このようにエンジン22の出力変動に伴ってその排出ガスの発生量が変動すると,熱発電素子46の温度差もそれにしたがって上下することになる。このため,エンジン22の出力変動の頻度がそのまま熱発電素子46の温度差の変動の頻度となり,熱発電素子46の耐久性がよくない。
【0007】
またコージェネレーション装置では,熱交換器26に対する熱需要も一定ではない。熱交換器26に対する熱需要とは,熱交換器26で冷却水が加熱されて得られる湯の必要量のことである。湯の供給先の状況により,必要な給湯量が急激に変動することもある。この場面でもやはり,エンジン22の出力調整により対応することになる。ここで給湯量増大の場面ではエンジン22の出力も増大されることになる。しかしこれでは,発電機20の発電量が電力需要を上回ってしまうこともありうる。このため,エンジン22の出力増大を,電力需要の増大以外の理由で行うことは好ましくない。
【0008】
本発明は,前記した従来のコージェネレーション装置が有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは,熱発電素子を用いてエネルギー変換効率を高めつつ,電力需要あるいは熱需要の変動への対応性をよくしたコージェネレーション装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のコージェネレーション装置は,高温排出ガスおよび電力を発生する主機と,主機で発生した高温排出ガスと熱媒質との間での熱交換を行い,昇温した熱媒質を得る熱交換器とを有する装置であって,高温部と低温部とを有し高温部と低温部との間の温度差により電力を発生する熱発電素子と,主機から排出された高温排出ガスの一部を熱交換器へ導くとともに,その途中で熱発電素子の高温部を昇温させる第1ガス路と,主機から排出された高温排出ガスの残部を,熱発電素子を経由することなく熱交換器へ導く第2ガス路と,第1ガス路と第2ガス路との間での高温排出ガスの流量配分を調節する流量配分調節器と,流量配分調節器を制御する制御部とを有している。そして第1の本発明では,制御部は,主機における高温排出ガスの発生量が増大する状況では,第2ガス路への流量配分を大きくし,主機における高温排出ガスの発生量が減少する状況では,第1ガス路への流量配分を大きくするものである。
【0010】
このコージェネレーション装置では,主機における高温排出ガスの発生量の増減の頻度に対して,熱発電素子における高温部と低温部との間の温度差の増減の頻度が抑制される。これにより,熱発電素子の耐久性が高い。
【0011】
第2の本発明のコージェネレーション装置は,上記と同様に構成された装置であって,制御部が,熱交換器における昇温した熱媒質の需要量が多い状況では,第2ガス路への流量配分を大きくし,熱交換器における昇温した熱媒質の需要量が少ない状況では,第1ガス路への流量配分を大きくするものである。このコージェネレーション装置では,熱媒質の需要量の変動があった場合でも,主機の高温排出ガスの発生量をあまり変動させることなく,対処することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば,熱発電素子を用いてエネルギー変換効率を高めつつ,電力需要あるいは熱需要の変動への対応性をよくしたコージェネレーション装置が提供されている。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施の形態に係るコージェネレーション装置の構成を示すブロック図である。
図2】ホットモジュールにおける発生電力と排ガス発生量との関係を示すグラフである。
図3】変形例に係るコージェネレーション装置の構成を示すブロック図である。
図4】ガスエンジンにおける回転速度と排ガス発生量との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下,本発明を具体化した実施の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は,図1に示すコージェネレーション装置に本発明を適用したものである。図1のコージェネレーション装置は,ホットモジュール1と,熱交換器2と,熱発電素子モジュール3とを有している。
【0015】
ホットモジュール1は,都市ガスと空気との供給を受けて電力を発生する,コージェネレーション装置の主機である。図1におけるホットモジュール1は,燃料電池により構成されたものである。ホットモジュール1は燃料電池スタックの他に,改質器や予熱器などを内蔵している。ホットモジュール1は,電力を発生するばかりでなく,主として水蒸気と二酸化炭素とからなる高温の排ガスを排出する。ホットモジュール1の空気取り入れ箇所には,ブロワ11が設けられて強制吸気を行うようになっている。
【0016】
熱交換器2は,ホットモジュール1から排出された高温の排ガスと,冷却水との間で熱交換を行い,冷却水を昇温させて湯とするとともに,排ガスを降温させるものである。このため,ホットモジュール1から熱交換器2へ排ガスを導くガス管5が設けられている。ガス管5の途中の一部分には,第1分岐管51と第2分岐管52との2本に分岐している分岐区間が設けられている。また,熱交換器2から出力される湯を貯蔵する貯湯ユニット4が設けられており,貯湯ユニット4から需要先へ湯が供給されるようになっている。
【0017】
熱交換器2においては,ガス管5により供給された排ガス中に,液相の水が生成する。排ガス中には水蒸気が多く含まれているからである。この水をドレン水という。図1のコージェネレーション装置はこのため,熱交換器2からドレン水を回収するようになっている。そして,回収したドレン水を貯蔵するドレン水タンク21と,ドレン水タンク21に溜まったドレン水をホットモジュール1へ還流させるポンプ22とが設けられている。ドレン水をホットモジュール1へ還流させるのは,都市ガスを改質して水素を得る反応を起こさせるためである。なお,ガス管5から熱交換器2に供給された排ガスのうちドレン水とならなかった部分は,屋外へ排出される。
【0018】
熱発電素子モジュール3は,ホットモジュール1の排ガスの熱を受ける高温部31と,熱をあまり受けない低温部32との間の温度差により電力を発生するものである。このため,ガス管5の途中に,熱発電素子モジュール3は,第1分岐管51を流れる排ガスから熱を受けるように配置されている。第2分岐管52は,熱発電素子モジュール3から離れて配置されている。このため,第2分岐管52を流れる排ガスは,熱発電素子モジュール3によりほとんど熱を奪われない。また,熱発電素子モジュール3において第1分岐管51から熱を受けるのは高温部31である。低温部32は,高温部31に比して,第1分岐管51から遠い。このため,第1分岐管51に排ガスが流れることにより,熱発電素子モジュール3の高温部31と低温部32との間に温度差が生じる。
【0019】
また,第1分岐管51と第2分岐管52との分岐点には,調整弁53が設けられている。調整弁53は,三方弁である。調整弁53により,ホットモジュール1から排出された排ガスの第1分岐管51および第2分岐管52への流量配分を調整できるようになっている。なお,第1分岐管51と第2分岐管52とはその後,再び合流して1本となって熱交換器2へ排ガスを導くようになっている。
【0020】
図1のコージェネレーション装置にはさらに,インバータユニット6が設けられている。インバータユニット6は,コージェネレーション装置で発生した電力を,商用電源からの電力と同じ交流に変換して需要先に供給するためのものである。ここで電力の供給先には,コージェネレーション装置自体の一部であるブロワ11,ポンプ22,調整弁53,後述する制御部7が含まれている。
【0021】
図1のコージェネレーション装置では,ホットモジュール1と熱発電素子モジュール3とでインバータユニット6を共用している。インバータユニット6と電力供給先との間には,配電盤61が設けられている。配電盤61は,インバータユニット6の他に商用電源からも電力を受けるようになっている。なお,ホットモジュール1とインバータユニット6との間に,電力計62が設けられている。
【0022】
図1のコージェネレーション装置にはさらに,制御部7が設けられている。制御部7は,調整弁53を制御するものである。つまり,ホットモジュール1から排出された排ガスの第1分岐管51および第2分岐管52への流量配分を制御するものである。制御部7は,貯湯ユニット4から,給湯先への湯の供給状況に関する情報を受けるようになっている。また電力計62から,ホットモジュール1の発生電力についての情報を受けるようになっている。
【0023】
続いて,図1のコージェネレーション装置の動作例を説明する。ここでは,通常運転時における熱発電素子モジュール3への排ガス供給量の制御の動作を説明する。すなわち調整弁53の制御を説明する。ここで説明する調整弁53の制御には,次の2通りがある。
1.ホットモジュール1の発生出力の変動に応じた制御
2.貯湯ユニット4から湯の供給先への給湯需要の変動に応じた制御
【0024】
まず,ホットモジュール1の発生出力の変動に応じた制御(1.)について説明する。ホットモジュール1の発生出力は,都市ガスの供給量の調整により調整可能である。そして,電力供給先における電力需要が大きいときに,商用電源からの電力取得の増大に頼ることなく対応しようとする場合には,ホットモジュール1の発生出力を増大させて対応することになる。このため都市ガスの供給量を増やすことになる。
【0025】
このときには,ホットモジュール1の発生電力が増大するばかりでなく,ホットモジュール1からの排ガスの発生量も増大することになる。このことを図2のグラフに示す。そこで図1のコージェネレーション装置ではこの場合に,制御部7の制御により調整弁53を操作して,排ガスの第1分岐管51への流量配分比を減らして第2分岐管52への流量配分比を増やす。
【0026】
また,ホットモジュール1の発生出力を減少させるときには,逆のことを行う。つまり,都市ガスの供給量を減らすとともに,調整弁53を逆向きに操作する。これにより,排ガスの第1分岐管51への流量配分比を増やして第2分岐管52への流量配分比を減らす。この操作は,電力計62の検知信号に基づいて行うことができる。
【0027】
つまり,ホットモジュール1の発生出力と流量配分比との関係は,次のようになる。
第1分岐管51への流量配分 第2分岐管52への流量配分
大出力時 → 少 多
少出力時 → 多 少
なお,ホットモジュール1の発生出力ごとの調整弁53の具体的な流量配分比については,あらかじめテーブル等として制御部7に用意しておけばよい。
【0028】
こうした操作により,熱発電素子モジュール3のある第1分岐管51の排ガス流量をなるべく一定に維持するのである。このため熱発電素子モジュール3における低温部32と高温部31との温度差も,ほぼ一定に維持される。したがって図1のコージェネレーション装置では,ホットモジュール1の発生出力の増減を反復した場合でも,熱発電素子モジュール3の温度差の変動はそれほど激しくない。これにより,熱発電素子モジュール3の耐久性が高い。
【0029】
これに対してもし,第2分岐管52が存在しない構成であると,ホットモジュール1で発生した排ガスの全量が熱発電素子モジュール3を通過することとなる。そのような構成では,ホットモジュール1の発生出力の増減の反復がそのまま,熱発電素子モジュール3の温度差の変動に反映されてしまう。これでは,熱発電素子モジュール3に高い耐久性を期待することができない。
【0030】
続いて,貯湯ユニット4から湯の供給先への給湯需要の変動に応じた制御(2.)について説明する。湯の供給先とは主として,厨房とか浴場などであり,給湯需要は一定ではない。給湯需要が多い時間帯には,熱交換器2への給熱量を増やす必要がある。そのためにはホットモジュール1の出力を増大させることが考えられるが,それではホットモジュール1の電力発生量も増大してしまう。それでも電力需要より少ない範囲内であれば,商用電源からの電力取得量を減らすことで対応できるが,コージェネレーション装置の発生電力が電力需要を超えてしまうことも考えられる。このため,ホットモジュール1の出力はあまり増やさず,熱交換器2への給熱量のみを増やすことが望ましい。
【0031】
そこで図1のコージェネレーション装置では,制御部7の制御により調整弁53を次のように操作することで対応する。給湯需要が増大するときには,調整弁53を操作して,排ガスの第1分岐管51への流量配分比を減らして第2分岐管52への流量配分比を増やす。熱発電素子モジュール3のある第1分岐管51を通過して来た排ガスは,熱発電素子モジュール3で熱を奪われている分温度が低下しているのに対し,熱発電素子モジュール3のない第2分岐管52を通過して来た排ガスは,ほぼ,ホットモジュール1から排出されたときのままの高い温度にある。
【0032】
よって,このように調整弁53を操作することで,熱交換器2への給熱量のみを増やし,給湯需要の増大に対応することができる。しかも,調整弁53の操作による上記の対応は,ホットモジュール1の出力そのものを増大させることに比べて,熱交換器2における応答速度が速いという利点もある。
【0033】
なお,この操作をすることで,熱発電素子モジュール3の発電量が低下することは避けられない。しかしそれは,商用電源からの電力取得増加で対処可能である。また,仮にホットモジュール1の出力を増大させることで対処するとしても,その増大幅はそれほど大きくない。
【0034】
逆に給湯需要が減少するときには,調整弁53を操作して,排ガスの第1分岐管51への流量配分比を増やして第2分岐管52への流量配分比を減らす。このように調整弁53を操作することで,ホットモジュール1の出力はそのままで,熱交換器2への給熱量のみを減らし,給湯需要の減少に対応することができる。
【0035】
つまり,給湯需要の多寡と流量配分比との関係は,次のようになる。
第1分岐管51への流量配分 第2分岐管52への流量配分給湯需要が多いとき → 少 多
給湯需要が少ないとき → 多 少
なお,給湯需要の程度ごとの調整弁53の具体的な流量配分比については,あらかじめテーブル等として制御部7に用意しておけばよい。むろん,調整弁53による両分岐管への配分比は,上記のような2水準のみに限定されるわけではない。
【0036】
また現実には,給湯需要の多寡は,1日の中の時間帯により決まったパターンとなっていることが多い。このため,厨房繁忙時や入浴者の多い時間帯などをあらかじめ,第1分岐管51への流量配分を下げる時間帯として定めておいてもよい。
【0037】
次に,図1のコージェネレーション装置の変形例として,燃料電池を用いたホットモジュール1の代わりにガスエンジンと発電機を用いた例を示す。図3にその構成を示す。図3のコージェネレーション装置の,図1のコージェネレーション装置との相違点は,以下の通りである。それ以外は基本的に両者は共通である。
【0038】
まず,ホットモジュール1が廃され代わりにガスエンジン9と発電機10が設けられている。ガスエンジン9は,公知の点火プラグやスタータモータを内蔵している。ただしスタータモータについては,発電機10で兼用する構成も可能である。ガスエンジン9と発電機10とは,ドライブシャフト12で連結されている。ドライブシャフト12には,回転計13が付設されている。回転計13から制御部7へ,ドライブシャフト12の回転速度の信号が出力されるようになっている。回転計13は,図1のコージェネレーション装置における電力計62の代わりとなるものである。このため図3のコージェネレーション装置には,電力計62が設けられていない。ただし図3のコージェネレーション装置でも,回転計13を設ける代わりに電力計62を設ける構成とすることもできる。
【0039】
図3のコージェネレーション装置ではまた,ブロワ11が設けられておらず,ガスエンジン9自体による自然吸気方式となっている。さらに,ドレン水タンク21およびポンプ22が廃止されている。ただし図3のコージェネレーション装置でも,熱交換器2で排ガスから発生するドレン水を利用する構成を設けることは可能である。
【0040】
図3のコージェネレーション装置でも,図1のコージェネレーション装置と同様に,
1.発電機10の発生出力の変動に応じた制御
2.貯湯ユニット4から湯の供給先への給湯需要の変動に応じた制御
の各動作が可能である。
【0041】
図3のコージェネレーション装置における発電機10の発生出力の変動に応じた制御(1.)について説明する。これも基本的に,[0024]〜[0029]で述べたことと同様である。ガスエンジン9の回転速度(すなわち発電機10の出力)と排ガス発生量との関係は,図4に示されるとおり,前述の図2と同じく右上がりの傾向にあるからである。なお,図3のコージェネレーション装置では,電力計62の検知信号の代わりに回転計13の出力信号に基づいて上記の制御がなされる。ただし,回転計13に替えて電力計62が備えられている場合にはむろん,電力計62の検知信号が用いられる。
【0042】
次に,図3のコージェネレーション装置における貯湯ユニット4から湯の供給先への給湯需要の変動に応じた制御(2.)であるが,これについては,[0030]〜[0036]で説明したことに対して,敢えて説明するほどの相違点はない。
【0043】
以上詳細に説明したように本実施の形態に係るコージェネレーション装置では,ホットモジュール1もしくはガスエンジン9から熱交換器2へ排ガスを導くガス管5に,第1分岐管51と第2分岐管52との2本に分岐している分岐区間を設けている。そして,その分岐区間の一方である第1分岐管51に熱発電素子モジュール3を設けるとともに,もう一方の第2分岐管52には熱発電素子モジュール3を設けないこととしている。これにより,ホットモジュール1もしくはガスエンジン9で発生した排ガスの一部については熱発電素子モジュール3を通してから熱交換器2へ導くとともに,残部の排ガスについては熱発電素子モジュール3を通さずに直に熱交換器2へ導くようにしている。
【0044】
さらに,第1分岐管51と第2分岐管52との分岐点に調整弁53を設けている。これにより,熱発電素子モジュール3を経由して熱交換器2へ向かう排ガスと,熱発電素子モジュール3を経由せずに直接に熱交換器2へ向かう排ガスとの流量配分を調整できるようにしている。こうすることで,ホットモジュール1もしくはガスエンジン9の出力を増減させた場合でも,熱発電素子モジュール3における低温部32と高温部31との温度差をなるべく一定に維持する制御を可能としている。これにより熱発電素子モジュール3の長寿命化を図っている。また,ホットモジュール1もしくはガスエンジン9の出力をあまり変動させることなく,給湯需要の多寡に対応する制御をも可能としている。
【0045】
なお,本実施の形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。例えば,本実施の形態では,両分岐管間での排ガスの流量配分の調整を,分岐点に設けた三方弁である調整弁53により行っている。しかしこれに限らず,両分岐管の合流点に調整弁53を設けてもよい。さらには三方弁に替えて,第1分岐管51と第2分岐管52とのいずれか一方もしくは両方に開度調整可能な二方弁を設けることでも同様のことが可能である。ここで「開度調整可能」には,デューティ制御によるものを含むものとする。
【0046】
また,本実施の形態では,ホットモジュール1もしくはガスエンジン9から熱交換器2に至るガス管の途中の一部分を分岐区間としている。しかしこれに限らず,次のような形態でもよい。
(1)第1分岐管51と第2分岐管52とが合流せず,2本のまま熱交換器に至るもの(熱交換器内で両排ガスが合流してもよいし,熱交換器内にも2本の排ガス路が独立に存在してもよい。)。
(2)ホットモジュール1もしくはガスエンジン9からもともと2本の第1分岐管51と第2分岐管52として出力され(つまり,ホットモジュール1もしくはガスエンジン9の内部で分岐する。),一方が熱発電素子モジュール3を経由してから合流して熱交換器に至るもの。
(3)ホットモジュール1もしくはガスエンジン9から熱交換器に至るまでずっと2本であるもの(ただしこの場合には調整弁として三方弁は使えない。)。
【0047】
また,図3の形態のコージェネレーション装置では,ガスエンジン9の代わりに別種のエンジン(ガソリンエンジン,ディーゼルエンジン等)を用いてもよい。また,ガスエンジンもしくはガソリンエンジンの場合,回転速度信号を点火信号から取ることもできる。
【符号の説明】
【0048】
1 ホットモジュール(主機)
2 熱交換器
3 熱発電素子モジュール
51 第1分岐管(第1ガス路)
52 第2分岐管(第2ガス路)
53 調整弁(流量配分調節器)
61 配電盤
7 制御部
9 ガスエンジン
10 発電機
図1
図2
図3
図4