特許第5932727号(P5932727)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5932727酸化セリウム添加物を有する高い耐久性の燃料電池構成要素
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  • 特許5932727-酸化セリウム添加物を有する高い耐久性の燃料電池構成要素 図000005
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5932727
(24)【登録日】2016年5月13日
(45)【発行日】2016年6月8日
(54)【発明の名称】酸化セリウム添加物を有する高い耐久性の燃料電池構成要素
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/02 20160101AFI20160526BHJP
   H01M 8/10 20160101ALI20160526BHJP
【FI】
   H01M8/02 P
   H01M8/10
【請求項の数】3
【外国語出願】
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-146766(P2013-146766)
(22)【出願日】2013年7月12日
(62)【分割の表示】特願2008-537947(P2008-537947)の分割
【原出願日】2006年10月27日
(65)【公開番号】特開2013-229348(P2013-229348A)
(43)【公開日】2013年11月7日
【審査請求日】2013年8月9日
(31)【優先権主張番号】11/261,053
(32)【優先日】2005年10月28日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(74)【代理人】
【識別番号】100146466
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 正俊
(74)【代理人】
【識別番号】100098486
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 憲一
(72)【発明者】
【氏名】フライ,マシュー エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】ピアーポント,ダニエル エム.
(72)【発明者】
【氏名】ハムロック,スティーブン ジェイ.
【審査官】 佐藤 知絵
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−019232(JP,A)
【文献】 特開2005−302526(JP,A)
【文献】 特開2004−356075(JP,A)
【文献】 特開2005−285757(JP,A)
【文献】 特開2005−139432(JP,A)
【文献】 特開2006−107914(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/02
H01M 8/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高フッ素化ポリマー電解質及びその中に分散した少なくとも1種の酸化セリウム化合物を含むポリマー電解質膜を含む燃料電池膜電極組立体であって、前記高フッ素化ポリマー電解質が酸官能基を含み且つ900以下の当量を有し、前記酸化セリウム化合物が前記ポリマー電解質膜の総重量に対して0.1重量%〜1重量%の量で存在し、その中の前記重量%が+/−20%を超えてばらつかないように前記酸化セリウム化合物は前記ポリマー電解質膜中に前記ポリマー電解質膜の厚さにわたり均一に分布されており、且つ前記ポリマー電解質膜が多孔質支持体を更に含む、燃料電池膜電極組立体。
【請求項2】
燃料電池ポリマー電解質膜を製造する方法であって、
a)酸官能基を含み且つ900以下の当量を有する高フッ素化ポリマー電解質を提供する工程と、
b)その中に少なくとも1種の酸化セリウム化合物を、前記ポリマー電解質膜の総重量の0.1重量%〜1重量%を提供するような量で分散させて、キャスティング分散液を提供する工程であって、その中の前記酸化セリウム化合物の重量%が+/−20%を超えてばらつかないように前記酸化セリウム化合物は前記高フッ素化ポリマー電解質に均一に分布されている、工程と、
c)その後、前記キャスティング分散液をキャストして、前記ポリマー電解質膜を形成する工程と、
を含む、方法。
【請求項3】
前記キャスティングが、前記キャスティング分散液を多孔質支持体上にキャストすることをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、DOEにより授与された共同契約政府助成金DE−FC36−02AL67621を用いてなされた。政府は本発明に一定の権利を有する。
【0002】
本発明は、耐久性の向上を実証する、酸化セリウムを含む燃料電池膜電極組立体及び燃料電池ポリマー電解質膜、並びにそれらを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
米国特許第6,335,112号(アスカベ(Asukabe))は称するところによれば、過酸化物を分解する触媒を含有する炭化水素系固体ポリマー電解質を含むポリマー電解質膜を開示している。参考文献は、触媒中に使用するための多数の元素を引き出している。
【0004】
米国特許出願公開第2003/0008196号(ウェッセル(Wessel))は称するところによれば、過酸化物を分解する触媒を含有する燃料電池電極を開示している。参考文献は、触媒中に使用するための多数の元素を引き出している。
【0005】
米国特許出願公開第2002/0093008号及び第2004/0251450号(ケレス(Kerres))は称するところによれば、プロトン伝導のための非常に小さい粒子の浸透(percolating)セラミックナノ粒子ネットワークを含む複合膜を開示している。
【0006】
テトラフルオロエチレン(TFE)及び式:FSO−CF−CF−O−CF(CF)−CF−O−CF=CFに従うコモノマーのコポリマーは既知であり、そしてスルホン酸形態で、即ちHSO−に加水分解されたFSO−末端基を有して、デラウェア州ウィルミントン(Wilmington)のデュポン・ケミカル社(DuPont Chemical Company)により商標名ナフィオン(Nafion)(登録商標)の下に販売されている。ナフィオン(Nafion)(登録商標)は、燃料電池の中で使用するためのポリマー電解質膜を製造するために一般的に使用されている。
【0007】
テトラフルオロエチレン(TFE)及び式:FSO−CF−CF−O−CF=CFに従うコモノマーのコポリマーは既知であり、そしてスルホン酸形態で、即ちHSO−に加水分解されたFSO−末端基を有して、燃料電池の中で使用するためのポリマー電解質膜を製造するために使用されている。
【0008】
米国特許出願第10/325,278号(2002年12月19日出願)は、その開示が本明細書に参考として組み込まれるが、90ミクロン以下の厚さを有し及びポリマーを含むポリマー電解質膜を開示しており、前記ポリマーは、高フッ素化主鎖及び式:
YOSO−CF−CF−CF−CF−O−[polymer backbone]
式中、Yは、H又はアルカリ金属カチオンのような一価のカチオンである。典型的には、膜はキャスト膜である。典型的には、ポリマーは、22,000を超える水和生成物を有する。典型的には、ポリマーは、800〜1200の当量を有する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
簡単に言うと、本発明は、高フッ素化ポリマー電解質及びその中に分散した少なくとも1種の酸化セリウム化合物を含むポリマー電解質膜を含む燃料電池膜電極組立体を提供する。典型的には、前記ポリマー電解質膜の厚さにわたる酸化セリウム化合物の分布は均一である。典型的には、ポリマー電解質膜の厚さにわたるポリマー電解質の分布は均一である。典型的には、高フッ素化ポリマー電解質は、パーフルオロ化されている。典型的には、酸化セリウムは、ポリマー電解質膜の総重量に対して0.01〜5重量%の量で存在し;より典型的には0.1〜1重量%、及び最も典型的には0.2〜0.3重量%の量で存在する。典型的には、酸化セリウムは、ポリマー電解質膜の総体積に対して1体積%未満の量で存在し;より典型的には0.8体積%未満、及びより典型的には0.5体積%未満の量で存在する。酸化セリウムは、CeOであってもよい。酸化セリウムは、Ceであってもよい。典型的には、ポリマー電解質は1000以下、より典型的には900以下、及びより典型的には800以下の当量を有する。ポリマー電解質は、式:−O−CF−CF−CF−CF−SOH、又は式:−O−CF−CF(CF)−O−CF−CF−SOHに従うペンダント基を含んでもよい。
【0010】
別の態様では、本発明は:a)酸官能基を含む高フッ素化ポリマー電解質を提供する工程と、b)その中に少なくとも1種の酸化セリウムを、ポリマー電解質膜の総重量の0.01〜5%を提供するような量で分散する工程と、c)その後、前記ポリマー電解質を含むポリマー電解質膜を形成する工程と、を含む、燃料電池ポリマー電解質膜を製造する方法を提供する。典型的には、ポリマー電解質膜の厚さにわたる酸化セリウムの分布は均一である。典型的には、ポリマー電解質膜の厚さにわたるポリマー電解質の分布は均一である。典型的には、高フッ素化ポリマー電解質は、パーフルオロ化されている。典型的には、酸化セリウムは、ポリマー電解質膜の総重量に対して0.01〜5重量%の量で存在し;より典型的には0.1〜1重量%、及び最も典型的には0.2〜0.3重量%の量で存在する。典型的には、酸化セリウムは、ポリマー電解質膜の総体積に対して1体積%未満の量で存在し;より典型的には0.8体積%未満、及びより典型的には0.5体積%未満の量で存在する。酸化セリウムは、CeOであってもよい。酸化セリウムは、Ceであってもよい。典型的には、ポリマー電解質は1000以下、より典型的には900以下、及びより典型的には800以下の当量を有する。ポリマー電解質は、式:−O−CF−CF−CF−CF−SOH、又は式:−O−CF−CF(CF)−O−CF−CF−SOHに従うペンダント基を含んでもよい。
【0011】
別の態様では、本発明は、ポリマー電解質膜を製造するための本明細書におけるいずれかの方法を含み、及びd)ポリマー電解質膜を含む膜電極組立体を形成する工程を更に含む、燃料電池膜電極組立体を製造する方法を提供する。
【0012】
この出願では:
ポリマー膜の中の添加物の「均一」分布は、存在する添加物の量が、+/−90%を超えてばらつかないこと、より典型的には+/−50%を超えて、及びより典型的には+/−20%を超えてばらつかないことを意味し;
ポリマーの「当量」(EW)は、塩基の1当量を中和するポリマーの重量を意味し;
「多価カチオン」は、2+以上の電荷を有するカチオンを意味し;
「高フッ素化」は、40重量%以上、典型的には50重量%以上、及びより典型的には60重量%以上の量でフッ素を含有することを意味し;並びに
アニオン性官能基に関して「酸形態」は、プロトンにより中和されていることを意味する。
【0013】
耐久性の向上をもたらす燃料電池膜電極組立体及びポリマー電解質膜、並びにそれらの製造方法を提供することは本発明の利点である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】4つの膜電極組立体(MEA)についての燃料電池寿命試験結果の記録を示すグラフであり、実施例9Cの比較MEAについての電池電位(軌跡A1、左側の目盛り)、本発明の2つの実施例10のMEAについての電池電位(軌跡C1及びD1、左側の目盛り)、Mn塩添加物を含む比較MEAについての電池電位(軌跡B1、左側の目盛り)、実施例9Cの比較MEAについてのフッ化物イオン放出速度(軌跡A2、右側の目盛り)、本発明の2つの実施例10のMEAについてのフッ化物イオン放出速度(軌跡C2及びD2、右側の目盛り)、及びMn塩添加物を含む比較MEAについてのフッ化物イオン放出速度(軌跡B2、右側の目盛り)を包含する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、高フッ素化された又はパーフルオロ化されたポリマー電解質及びその中に分散した少なくとも1種の酸化セリウム、例えばCeO又はCeを含む、ポリマー電解質膜を含む燃料電池膜電極組立体を提供し、その際ポリマー電解質膜の厚さにわたる酸化セリウムの分布は典型的には均一である。
【0016】
本発明に係わる膜電極組立体(MEA)又はポリマー電解質膜(PEM)は、燃料電池のような電気化学電池に有用である場合がある。MEAは、水素燃料電池のようなプロトン交換膜燃料電池の中心要素である。燃料電池は、水素などの燃料と酸素などの酸化剤との触媒的化合によって、使用可能な電気を発生する電気化学電池である。典型的なMEAは、固体電解質として機能するポリマー電解質膜(PEM)(イオン導電膜(ICM)としても既知である)を含む。PEMの1つの面はアノード電極層と接触し、反対側の面はカソード電極層と接触する。典型的な使用では、プロトンが、水素酸化を介してアノードで形成され、PEMをわたってカソードに輸送されて酸素と反応し、電極を接続する外部回路内に電流を流す。各電極層は、典型的には白金金属を含む電気化学触媒を含む。PEMは、反応ガス間に、耐久性のある無孔の非導電性機械的障壁を形成するが、それはまたHイオンを容易に通過させる。ガス拡散層(GDL)は、アノード及びカソード電極材料を行き来してガス輸送を促進し、電流を伝導する。GDLは、多孔質及び導電性の両方であり、並びに典型的には炭素繊維から構成される。GDLは、また、流体輸送層(FTL)又は拡散/電流コレクタ(DCC)と呼ばれる場合もある。幾つかの実施形態では、アノード及びカソード電極層がGDLに適用され、及び結果として生じる触媒コーティングされたGDLがPEMで挟まれて5層MEAを形成する。5層MEAの5つの層は、順番に:アノードGDL、アノード電極層、PEM、カソード電極層、及びカソードGDLである。他の実施形態では、アノード及びカソード電極層が、PEMの両側に適用され、並びに結果として生じる触媒コーティングされた膜(CCM)が2つのGDLの間に挟まれて、5層MEAを形成する。
【0017】
本発明に係わるPEMは、いずれかの好適なポリマー電解質を含んでもよい。本発明に有用なポリマー電解質は、典型的には、共通主鎖に結合したアニオン性官能基を含み、これは典型的にはスルホン酸基であるが、またカルボン酸基、イミド基、アミド基、又は他の酸の官能基を含んでもよい。本発明に有用なポリマー電解質は高フッ素化されており、及び最も典型的にはパーフルオロ化されている。本発明において有用なポリマー電解質は、典型的にはテトラフルオロエチレンと1種以上のフッ素化された、酸官能性コモノマーとのコポリマーである。典型的なポリマー電解質としては、ナフィオン(Nafion)(登録商標)(デュポン・ケミカルズ(DuPont Chemicals)、デラウェア州ウィルミントン(Wilmington))及びフレミオン(Flemion)(商標)(旭硝子株式会社(Asahi Glass Co. Ltd.)、日本、東京)が挙げられる。ポリマー電解質は、本明細書に参考として組み込まれる米国特許出願第10/322,254号、第10/322,226号、及び第10/325,278号に記載されているように、テトラフルオロエチレン(TFE)とFSO−CFCFCFCF−O−CF=CFとのコポリマーであってもよい。ポリマーは、典型的には1200以下、及びより典型的には1100以下の当量(EW)を有する。幾つかの実施形態では、典型的には1000以下、より典型的には900以下、及びより典型的には800以下の非常に低いEWのポリマーが、より高いEWポリマーの使用と比較して、多くの場合改善された性能を有して使用されることができる。理論に束縛されるものではないが、酸化セリウムは、キレート化することにより、及び結合したアニオン性基間に架橋を形成することによりポリマーを強化する場合があると考えられている。
【0018】
ポリマーは、いずれかの好適な方法により膜に形成されることができる。ポリマーは、典型的には、懸濁液からキャストされる。いずれかの好適なキャスティング法が使用されてもよく、バーコーティング、スプレーコーティング、スリットコーティング、ブラシコーティングなどが挙げられる。あるいは、膜は、純粋なポリマーから、押出成形のような溶融プロセスにより形成されてもよい。形成後、膜は典型的には120℃以上、より典型的には130℃以上、最も典型的には150℃以上の温度でアニールされてもよい。PEMは、典型的には50ミクロン未満、より典型的には40ミクロン未満、より典型的には30ミクロン未満、及び最も典型的には約25ミクロン未満の厚さを有する。典型的には、ポリマー電解質膜の厚さにわたるポリマー電解質の分布は均一であり、即ちいずれの添加された担持構造体によっても中断されない。
【0019】
本発明の一実施形態では、1種以上の酸化セリウム化合物、例えばCeO又はCe、しかしより典型的には、CeOが、膜形成前にポリマー電解質の中に分散される。酸化セリウム化合物は、結晶性又は非晶質であってもよい。酸化セリウム化合物は、(IV)酸化状態、(III)酸化状態、又は両方のセリウムを含有してもよい。一実施形態では、酸化セリウム化合物は、金属セリウムを実質的に含まない。あるいは、酸化セリウム化合物は、酸化セリウム及び金属セリウムの両方を含有してもよい。あるいは、酸化セリウム化合物は、金属セリウム粒子上に薄い酸化反応生成物層として担持されてもよい。一実施形態では、酸化セリウム化合物は、実質的にいずれの他の金属元素をも含有しなくてよい。あるいは、酸化セリウム化合物は、他の金属元素を含有してもよく、ひいては酸化セリウムを含む金属酸化物の混合化合物を考えてもよい。酸化セリウムを含む金属酸化物の混合化合物の例としては、ジルコニア−セリアのような固溶体、及びセリウム酸バリウムのような多成分の酸化物の化合物が挙げられる。典型的には、酸化セリウム化合物は、ポリマー電解質と良く混合されて、実質的に均一な分布を実現する。混合は、ミリング、混練りなどを含むいずれかの好適な方法で実現され、及び溶媒の含有の有無を問わず起きることがある。添加される酸化セリウム化合物の量は、最終のポリマー電解質またはPEMの総重量に基づいて典型的には0.01〜5重量%であり、より典型的には0.1〜2重量%、及びより典型的には0.2〜0.3重量%である。この酸化セリウム化合物は、典型的にはポリマー電解質膜の総体積に対して1体積%未満の量で存在し、より典型的には0.8体積%未満、及びより典型的には0.5体積%未満の量で存在する。酸化セリウムは、いずれかの好適な粒径、典型的には1〜5000nmの粒子であってもよい。幾つかの実施形態では、200〜5000nmの粒径が好ましい。幾つかの実施形態では、500〜1000nmの粒径が好ましい。
【0020】
MEA又はCCMを製造するために、触媒はPEMにいずれかの好適な手段によって適用されてもよく、それには、ハンドブラッシング、ノッチバーコーティング、流体ベアリングダイコーティング、巻線ロッドコーティング、流体ベアリングコーティング、スロット供給ナイフコーティング、3ロールコーティング、又はデカール転写を含む手及び機械による両方法が挙げられる。コーティングは、1回の塗布又は複数回の塗布で実現されてもよい。
【0021】
いずれかの好適な触媒が本発明の実施に使用されてもよい。典型的には、炭素担持触媒粒子が使用される。典型的な炭素担持触媒粒子は、50〜90重量%の炭素及び10〜50重量%の触媒金属であり、触媒金属は、典型的には、カソード用にPt、並びにアノード用にPt及びRuを2:1の重量比で含む。あるいは、触媒インクが転写基材に適用され、乾燥され、その後PEMに又はFTLに、デカールとして適用されてもよい。触媒インクは、典型的には、PEMを構成するポリマー電解質材料と同じであってもあるいは同じでなくてもよいポリマー電解質材料を含む。触媒インクは、典型的には、ポリマー電解質の分散液の中に触媒粒子の分散液を含む。このインクは、典型的には5〜30%の固体(即ちポリマー及び触媒)、より典型的には10〜20%の固体を含有する。電解質分散液は、典型的には水性分散液であり、これは、アルコール、並びにグリセリン及びエチレングリコールのような多価アルコールを更に含有してもよい。水、アルコール、及び多価アルコール含有量は、インクのレオロジー特性を変えるように調整されてもよい。インクは、典型的には、0〜50%のアルコール及び0〜20%の多価アルコールを含有する。加えて、インクは好適な分散剤の0〜2%を含有してもよい。インクは、典型的には、熱と共に撹拌し、その後、コーティング可能な稠度に希釈して製造される。
【0022】
本発明に係わるPEMは、更に多孔質支持体、例えば膨張したPTFEの層又は同様なものを含んでもよく、ここで多孔質支持体の孔はポリマー電解質を含有する。本発明に係わるPEMは、多孔質支持体を含まなくてもよい。本発明に係わるPEMは、架橋ポリマーを含んでもよい。
【0023】
MEAを製造するために、GDLがいずれかの好適な手段により、CCMのいずれの側にも適用されてもよい。いずれかの好適なGDLが本発明の実施に使用されてもよい。典型的には、GDLは、炭素繊維を含むシート材料から構成される。典型的には、GDLは、織布及び不織布炭素繊維構造から選択された炭素繊維構造である。本発明の実施に有用になりうる炭素繊維構造としては、東レ(Toray)(商標)カーボンペーパー(Carbon Paper)、スペクトラカーブ(SpectraCarb)(商標)カーボンペーパー(Carbon Paper)、AFN(商標)不織布カーボンクロス、ゾルテック(Zoltek)(商標)カーボンクロス(Carbon Cloth)などが挙げられてもよい。GDLは、炭素粒子コーティング、親水性化処理剤、及びポリテトラフルオロエチレン(PTFE)によるコーティングのような疎水化処理剤、を含む、様々な材料によりコーティング又は浸透されてもよい。
【0024】
使用する際、本発明に係わるMEAは典型的には、分配プレートとして既知の、またバイポーラプレート(BPP)又はモノポーラプレートとしても既知の2枚の剛性プレートの間に挟まれる。GDLのように、分配プレートは導電性でなければならない。分配プレートは典型的には、炭素複合材料、金属、又はめっき金属材料から製造される。分配プレートは、反応物質又は生成物質の流体を、MEA電極表面を行き来して、典型的には、MEA(複数)に面する表面(複数)の中に刻印された、フライス削りされた、成形された、又は打ち抜かれた1以上の流体案内チャネルを通って分配する。これらのチャネルは、流動フィールド(flow field)と呼ばれることもある。分配プレートは、スタック中の2つの連続的MEAに及びそれから流体を分配してもよく、1つの面は燃料を第1MEAのアノードに導き、もう1つの面は酸化剤を次のMEAのカソードに導き(及び生成水を取り除き)、そのため「バイポーラプレート」と称される。あるいは、分配プレートは1つの側面上にのみチャネルを有して、その側面上においてのみ流体をMEAに又はそれから分配してもよく、これは「モノポーラプレート」と称されることがある。当該技術分野において使用されるとき、用語バイポーラプレートは、典型的にはモノポーラプレートもまた包含する。典型的な燃料電池スタックは、バイポーラプレートと交互にスタックされた複数のMEAを含む。
【0025】
本発明は、燃料電池の製造及び動作に有用である。
本発明の目的及び利点は、以下の実施例によって更に例示されるが、これらの実施例において列挙された特定の材料及びその量は、他の諸条件及び詳細と同様に本発明を不当に制限するものと解釈すべきではない。
【実施例】
【0026】
他に言及のない限り、すべての試薬はウィスコンシン州ミルウォーキー(Milwaukee)のアルドリッチ・ケミカル社(Aldrich Chemical Co)から得られたか若しくは入手可能であり、又は既知の方法によって合成されてもよい。
【0027】
膜の調製
次の実施例の各々で使用されたアイオノマーは、テトラフルオロエチレン(TFE)及びFSO2−CF2CF2CF2CF2−O−CF=CF2(コモノマーA)のコポリマーである。コモノマーAは、本明細書に参考として組み込まれた米国特許出願第10/322,254号及び第10/322,226号に開示された手順に従って製造された。重合は、米国特許出願第10/325,278号に開示されたような水性乳化重合により行われた。当量(EW)は1000(0.001モル/gのイオン交換容量)であった。アイオノマーは、70:30のnプロパノール/水中に22.3%固体を含有するキャステイング溶液中に提供された。キャスティング溶液は、1ppm未満の濃度で鉄を含有した。膜は、10.2cm(4インチ)のマルチプルクリアランスアプリケータ(カタログ番号PAR−5357、メリーランド州コロンビア(Columbia)のBYK−ガードナー(BYK-Gardner))の0.0508cm(0.020インチ)ギャップを使用して、分散液を窓ガラスの上に手塗り工法(hand-spread technique)によりキャストすることによって製造された。膜フィルムは周囲空気中で15分間乾燥され、その後80℃の空気乾燥器の中で10分間乾燥され、その後200℃の空気乾燥器の中で15分間加熱された。
【0028】
過酸化物浸漬試験
実施例の幾つかにおいて製造された過フッ素化されたアイオノマー膜の酸化安定性が、次のように試験された。0.03〜0.06gの重量の膜のサンプルが、注意深く秤量され、次いでガラス瓶中の過酸化水素溶液(1Mの開始濃度)50gの中に浸漬された。瓶は封止され、及びオーブンの中に90〜95℃で5日間設置された。5日間の浸漬期間の後、サンプルは溶液から取り出され、脱イオン水ですすがれ、室温で少なくとも3時間乾燥され、及び秤量された。未修正の重量喪失値が計算された。0日目と5日目との間の周囲相対湿度の変化に起因し得る浸漬前後の重量差を調節するために、各膜サンプルのばらの1枚1枚(過酸化物に暴露していない)が、浸漬期間の最初と最後に秤量された。修正された重量喪失の読みに到達するために、浸漬後に残留する未修正の重量分率について(浸漬されたサンプルについて)計算された数字が、浸漬されていない膜の1枚1枚について「残留する」重量分率によって最初に割られた。後の処理は、相対湿度の変化に起因する重量変化の効果が、浸漬されたサンプルについて測定された重量喪失に及ぼすその逸脱効果において乗法的であると仮定している。
【0029】
酸含有量測定
イオンのセリウムの添加により調製されたアイオノマー膜の酸含有量を決定するために滴定が行われた。各滴定について、およそ0.05gのアイオノマーフィルムの注意深く秤量されたサンプルが、0.1MのNaCl溶液の100mLに添加された。0.05MのNaOH溶液がサンプル溶液に、ビュレットを使用してゆっくりと添加され、及びpHメーターを使用して終点が決定された。酸を中和するために必要なNaOHの量が、膜の酸含有量として解釈された。
【0030】
MEAの製作
活性面積の50cmを有する燃料電池膜電極組立体(MEA)が次のように調製された。触媒分散液が、本明細書に参考として組み込まれたPCT国際公開特許WO2002/061,871に記載された方法に従って調製された。触媒コーティングされた膜を調製するために、アノード及びカソード層が、同じ参考文献PCT国際公開特許WO2002/061,871に記載されたデカール転写法に従って膜に塗布された。PTFE処理されたカーボンペーパーのガス拡散層及びポリテトラフルオロエチレン/ガラス複合体ガスケットが、CCMにカーバー・プレス(Carver Press)(フレッド・カーバー社(Fred Carver Co.)、インディアナ州ウォバシュ(Wabash))の中で、13.4kNの力で132℃で10分間プレスすることにより塗布された。
【0031】
MEA寿命試験
MEAは、ガス流量、圧力、相対湿度、及び電流又は電圧の独立制御装置を有する試験ステーション(フューエルセル・テクノロジーズ(Fuel Cell Technologies)、ニューメキシコ州アルバカーキ(Albuquerque))において試験された。試験の備品は、クワッド−サーペンタイン(quad-serpentine)流動フィールドを有するグラファイトの電流コレクター・プレートを備えた。MEAは、アノードの超過気圧で90℃において亜飽和状態下のH/空気で操作された。MEAは、多様な電流密度値の強制による加速負荷サイクル寿命試験を受けた。各負荷サイクル後、電池の開路電圧(OCV)が測定され及び記録された。こうした試験プロトコルについての一般的な現象は、OCVが単調にではあるが、減衰速度(decay rate)にはっきりした「屈曲部分」又は顕著な増加を有して減衰することである。減衰速度が増加する時点が、MEAの寿命として解釈され得る。代替として、下限閾電圧値が、MEAの寿命の終了を示すために選択され得る。動作燃料電池の流出水中のフッ化物イオンの発生速度もまた、イオンクロマトグラフィーにより測定された。より高いフッ化物発生速度は、フルオロポリマー膜のより急速な劣化を示す。
【0032】
比較実施例1C
キャスティング分散液が、硝酸鉄として添加された追加の鉄(ポリマー重量基準で500ppm)を含んだことを除いて、以上に提示された詳細に従って対照膜が調製された。0.081gの硝酸第二鉄(Fe(NO−9HO、(製品番号I110−500、ニュージャージー州フェアローン(Fair Lawn)のフィッシャー・サイエンティフィック(Fisher Scientific))が、99gの22.7重量%アイオノマーキャスティング分散液に、24時間攪拌しながら添加された。鉄塩が溶解し、透明なキャスティング分散液を与えた。膜が、以上に与えられた手順に従ってキャストされた。表1は、この膜についての過酸化物浸漬試験及び酸含有量測定結果の記録を示す。2つのサンプルが製造され、及び報告された結果は両サンプルの平均である。
【0033】
(実施例2〜4)
実施例1Cに従って調製された10gのキャスティング分散液のアリコートが、酸化セリウム(CeO、ニュージャージー州、クランベリー(Cranbury)のローディア・エレクトロニクス・アンド・キャタリシス(Rhodia Electronics and Catalysis)から販売名「ポリッシング・オパライン(Polishing Opaline)」として市販されている)、粒径0.5〜1.0ミクロンの様々な量と更に組み合わされ、及び24時間攪拌された。膜が、以上に与えられた手順に従ってキャストされた。表1は、これらの膜についての過酸化物浸漬試験及び酸含有量測定結果の記録を示す。実施例2、3、及び4の各々について2つのサンプルが作られ、及び報告された結果は両サンプルの平均である。
【0034】
【表1】
【0035】
酸化セリウムの添加は、パーフルオロ化アイオノマーの重量喪失を一貫して低減し、より高度の酸化安定性を示した。
【0036】
比較実施例5C
キャスティング分散液が、硝酸鉄として添加された追加の鉄(500ppm)を含んだことを除いて、以上に提示された詳細に従って対照膜が調製された。0.081gの硝酸第二鉄(Fe(NO−9HO、(製品番号I110−500、ニュージャージー州フェアローン(Fair Lawn)のフィッシャー・サイエンティフィック(Fisher Scientific))が、99gの22.7重量%アイオノマーキャスティング分散液に、24時間攪拌しながら添加された。鉄塩が溶解し、透明なキャスティング分散液を与えた。膜が、以上に与えられた手順に従ってキャストされた。表IIは、この膜についての過酸化物浸漬試験及び酸含有量測定結果の記録を示す。2つのサンプルが製造され、及び報告された結果は両サンプルの平均である。
【0037】
(実施例6)
実施例5Cに従って調製されたキャスティング分散液のアリコートが、酸化セリウム(CeO、製品番号55322、マサチューセッツ州、ワードヒル(Ward Hill)のアルファ・アエサー(Alfa Aesar))と更に組み合わされ、及び24時間攪拌された。膜が、以上に与えられた手順に従ってキャストされた。膜が、以上に与えられた手順に従ってキャストされた。表IIは、この膜についての過酸化物浸漬試験及び酸含有量測定結果の記録を示す。酸化セリウムの添加は、パーフルオロ化アイオノマーの重量喪失を低減し、より高度の酸化安定性を示した。
【0038】
【表2】
【0039】
比較実施例7C
対照膜が、比較実施例1Cに記載された方法に従って調製された。表IIIは、この膜についての過酸化物浸漬試験結果の記録を示す。2つのサンプルが製造され、及び報告された結果は両サンプルの平均である。
【0040】
(実施例8)
実施例5Cに従って調製されたポリマーキャスティング分散液のアリコート(23.3重量%ポリマーを測定し及び500ppmの鉄を含む)が水性酸化セリウムコロイド状分散液と更に組み合わされた。0.0329gの20重量%CeOコロイド状分散液(製品番号12730、マサチューセッツ州、ワードヒル(Ward Hill)のアルファ・アエサー(Alfa Aesar))、粒径10〜20nmが、5.28gのポリマー分散液に攪拌しながら添加された。質量は、CeO及びポリマーの総質量に対して、収率0.53重量%CeO、又は0.031meq Ce/g以上に達する。混合物は、8時間攪拌されて混濁したキャスティング分散液を生成した。膜が、以上に与えられた手順に従ってキャストされた。表IIIは、この膜についての過酸化物浸漬試験結果の記録を示す。2つのサンプルが製造され、及び報告された結果は両サンプルの平均である。
【0041】
【表3】
【0042】
比較実施例9C
対照膜が、本明細書に参考として組み込まれた、米国特許第6,649,295号の実施例に記載された方法に従って調製された。
【0043】
(実施例10)
MEAが、実施例2について記載されたように製造された2つの膜、及び実施例9Cについて記載されたように製造されたものから、以上に記載されたように作製された。図1は、これらのMEAについての燃料電池寿命試験結果の記録を示しており、実施例9Cの比較MEAについての電池電位(軌跡A1、左側の目盛り)、本発明の2つの実施例10のMEAについての電池電位(軌跡C1及びD1、左側の目盛り)、実施例9Cの比較MEAについてのフッ化物イオン放出速度(軌跡A2、右側の目盛り)、及び本発明の実施例10のMEAについてのフッ化物イオン放出速度(軌跡C2及びD2、右側の目盛り)を包含する。比較のために、図1は、Mn塩添加物により製造された比較MEAについての電池電位及びフッ化物イオン放出速度を更に報告している(軌跡B1及びB2)。本発明の実施例10のMEAは、劇的に延長された寿命及び低減したフッ化物イオンの発生を実証した。
【0044】
本出願では、以下の態様が提供される。
1. 高フッ素化ポリマー電解質及びその中に分散した少なくとも1種の酸化セリウム化合物を含むポリマー電解質膜を含む燃料電池膜電極組立体。
2. 前記ポリマー電解質膜の厚さにわたる前記高フッ素化ポリマー電解質の分布が均一であり、及びその際前記ポリマー電解質膜の厚さにわたる前記少なくとも1種の酸化セリウム化合物の分布が均一である、態様1に記載の燃料電池膜電極組立体。
3. 前記高フッ素化ポリマー電解質が、パーフルオロ化されている、態様1に記載の燃料電池膜電極組立体。
4. 前記少なくとも1種の酸化セリウム化合物が、前記ポリマー電解質膜の総重量に対して0.01〜5重量%の量で存在する、態様1に記載の燃料電池膜電極組立体。
5. 前記少なくとも1種の酸化セリウム化合物が、前記ポリマー電解質膜の総重量に対して0.1〜1重量%の量で存在する、態様1に記載の燃料電池膜電極組立体。
6. 前記少なくとも1種の酸化セリウム化合物が、前記ポリマー電解質膜の総重量に対して0.2〜0.3重量%の量で存在する、態様1に記載の燃料電池膜電極組立体。
7. 前記少なくとも1種の酸化セリウム化合物が、前記ポリマー電解質膜の総体積に対して1体積%未満の量で存在する、態様1に記載の燃料電池膜電極組立体。
8. 前記少なくとも1種の酸化セリウム化合物が、CeOである、態様1に記載の燃料電池膜電極組立体。
9. 前記少なくとも1種の酸化セリウム化合物が、Ceである、態様1に記載の燃料電池膜電極組立体。
10. 前記ポリマー電解質が、1000以下の当量を有する、態様1に記載の燃料電池膜電極組立体。
11. 前記ポリマー電解質が、900以下の当量を有する、態様1に記載の燃料電池膜電極組立体。
12. 前記ポリマー電解質が、800以下の当量を有する、態様1に記載の燃料電池膜電極組立体。
13. 前記ポリマー電解質が、式:−O−CF−CF−CF−CF−SOHに従うペンダント基を含む、態様1に記載の燃料電池膜電極組立体。
14. 前記ポリマー電解質が、式:−O−CF−CF(CF)−O−CF−CF−SOHに従うペンダント基を含む、態様1に記載の燃料電池膜電極組立体。
15. a)酸官能基を含む高フッ素化ポリマー電解質を提供する工程と、b)その中に少なくとも1種の酸化セリウム化合物を、前記ポリマー電解質膜の総重量の0.01〜5%を提供するような量で分散する工程と、c)その後、前記ポリマー電解質を含むポリマー電解質膜を形成する工程と、を含む、燃料電池ポリマー電解質膜を製造する方法。
16. 前記ポリマー電解質膜の厚さにわたる前記高フッ素化ポリマー電解質の分布が均一であり、及びその際前記ポリマー電解質膜の厚さにわたる各酸化セリウム化合物の分布が均一である、態様15に記載の方法。
17. 態様15に記載の方法を含み、及び:d)前記ポリマー電解質膜を含む膜電極組立体を形成する工程を更に含む、燃料電池膜電極組立体を製造する方法。
18. 前記高フッ素化ポリマー電解質が、パーフルオロ化されている、態様15に記載の方法。
19. 前記少なくとも1種の酸化セリウム化合物が、前記ポリマー電解質膜の総重量の0.1〜1%を提供する、態様15に記載の方法。
20. 前記少なくとも1種の酸化セリウム化合物が、前記ポリマー電解質膜の総重量の0.2〜0.3%を提供する、態様15に記載の方法。
21. 前記少なくとも1種の酸化セリウム化合物が、前記ポリマー電解質膜の総体積に対して1体積%未満の量で存在する、態様15に記載の方法。
22. 前記少なくとも1種の酸化セリウム化合物が、CeOである、態様15に記載の方法。
23. 前記少なくとも1種の酸化セリウム化合物が、Ceである、態様15に記載の方法。
24. 前記ポリマー電解質が、1000以下の当量を有する、態様15に記載の方法。
25. 前記ポリマー電解質が、900以下の当量を有する、態様15に記載の方法。
26. 前記ポリマー電解質が、800以下の当量を有する、態様15に記載の方法。
27. 前記ポリマー電解質が、式:−O−CF−CF−CF−CF−SOHに従うペンダント基を含む、態様15に記載の方法。
28. 前記ポリマー電解質が、式:−O−CF−CF(CF)−O−CF−CF−SOHに従うペンダント基を含む、態様15に記載の方法。
29. 多孔質支持体を更に含む、態様1に記載の燃料電池膜電極組立体。
30. 多孔質支持体を含まない、態様1に記載の燃料電池膜電極組立体。
31. 前記ポリマーが架橋されている、態様1に記載の燃料電池膜電極組立体。
本発明の様々な修正及び変更は、本発明の範囲及び原理から逸脱することなく当業者には明白であり、また、本発明は、上記で説明した例示的な実施形態に不当に限定して理解すべきではない。
図1