特許第5932801号(P5932801)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5932801粘着防止添加剤含有弾性繊維の製造および使用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5932801
(24)【登録日】2016年5月13日
(45)【発行日】2016年6月8日
(54)【発明の名称】粘着防止添加剤含有弾性繊維の製造および使用方法
(51)【国際特許分類】
   D01F 6/94 20060101AFI20160526BHJP
【FI】
   D01F6/94 A
【請求項の数】9
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-529390(P2013-529390)
(86)(22)【出願日】2011年9月19日
(65)【公表番号】特表2013-537265(P2013-537265A)
(43)【公表日】2013年9月30日
(86)【国際出願番号】US2011052087
(87)【国際公開番号】WO2012040076
(87)【国際公開日】20120329
【審査請求日】2014年9月17日
(31)【優先権主張番号】61/384,936
(32)【優先日】2010年9月21日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】315019492
【氏名又は名称】インヴィスタ テクノロジーズ エスアエルエル
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】100114465
【弁理士】
【氏名又は名称】北野 健
(74)【代理人】
【識別番号】100174078
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 寛
(74)【代理人】
【識別番号】100156915
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 奈月
(72)【発明者】
【氏名】パーデイニ,スチーブン・ピー
(72)【発明者】
【氏名】ビング−ウオ,ロナルド・デイ
(72)【発明者】
【氏名】テールリンク,トーマス・ダブリユー
【審査官】 久保田 葵
(56)【参考文献】
【文献】 特表2001−509847(JP,A)
【文献】 国際公開第98/033962(WO,A1)
【文献】 特開2001−146640(JP,A)
【文献】 特表平10−508916(JP,A)
【文献】 国際公開第97/009473(WO,A1)
【文献】 特開2006−169677(JP,A)
【文献】 特表2012−521498(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0312205(US,A1)
【文献】 特開2009−144276(JP,A)
【文献】 特開2007−100248(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D01F 1/00−6/96、9/00−9/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性繊維の製造方法であって、
(a)少なくとも1種のポリウレタン、ポリウレタン尿素またはこれらの混合物を含有する組成物を調製し、
(b)前記組成物に可溶粘着防止組成物を0.1から25重量%添加し、そして
(c)前記組成物から繊維を紡糸工程で生じさせる、
ことを含み、
ヤーン紡糸破断が前記粘着防止組成物を含有しない繊維のそれに比べて20%以上少なく、
前記可溶粘着防止組成物に酢酸酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロースおよびこれらの混合物から成る群より選択したセルロースエステルを含有させることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記紡糸工程が乾式紡糸工程である請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記ヤーン紡糸破断が前記粘着防止組成物を含有しない繊維のそれに比べて50%以上少ない請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
更に染色補助剤を前記組成物に添加することも含んで成る請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記ヤーン紡糸破断が前記粘着防止組成物を含有しない繊維のそれに比べて90%以上少ない請求項1から4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
更に前記組成物にステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、有機ステアリン酸エステル、シリコーン油、鉱油およびこれらの混合物から成る群より選択した少なくとも1種の添加剤を添加することも含請求項1から5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
ポリウレタンまたはポリウレタン尿素および可溶粘着防止組成物を0.1から25重量%含有する弾性繊維を含ヤーンパッケージであって、
前記可溶粘着防止組成物が酢酸酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロースおよびこれらの混合物から成る群より選択されるセルロースエステルを含有し、
前記可溶粘着防止組成物を含有しないヤーンが示す中心部OETOTの70%以下の中心部OETOTを示すヤーンパッケージ。
【請求項8】
前記可溶粘着防止組成物を含有しないヤーンが示す中心OETOTの55%以下の中心OETOTを示す請求項記載のヤーンパッケージ。
【請求項9】
前記可溶粘着防止組成物を含有しないヤーンが示す表面OETOTの40%以下の中心OETOTを示す請求項7又は8記載のヤーンパッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
スパンデックスは通常の非弾性繊維に比べて高い粘着性を示すことが知られている。スパンデックスフィラメントは高い粘着性を示すことから互いに結合するか或は様々な表面に粘着し得る。高い粘着性は特にスパンデックスフィラメントが中心部の回りに巻き付けられているパッケージングに問題を引き起こす。繊維が極めて接近していることに加えて繊維、特に中心部近くの繊維に圧力がかかることが隣接して位置するフィラメントが互いに結合する原因になる可能性があり、それによってその影響を受けたフィラメントが使用されないまま残る可能性がある、と言うのは、そのような繊維をその巻き取られているパッケージから破断なしに取り出すのは困難であり得るからである。使用不能なフィラメントは通常は中心部に存在していて、それは「中心廃棄物」と呼ばれる。パッケージング後にフィラメントが示す粘着性は時間および温度に応じて貯蔵中に高くなる可能性がある。貯蔵時間が長くなることと温度が高くなることは粘着性が高くなることに相当し、中心廃棄物の量が新しく紡糸してパッケージにしたスパンデックスのそれと比べて多くなる。従って、スパンデックスが示す粘着性を低くすることができれば、中心廃棄物の量が減少しかつ費用対効果が高くなるであろう。
【詳細な説明】
【0002】
本開示をより詳細に説明する前に、本開示を記述する個々の態様に限定するものでなく、それ自体は勿論多様であり得ると理解されるべきである。また、本明細書で用いる用語は単に個々の態様を記述する目的であり、限定を意図するものでないことも理解されるべきである、と言うのは、本開示の範囲を添付請求項によってのみ限定するからである。
【0003】
特に明記しない限り、本明細書で用いる技術的および科学的用語は全部本開示が属する技術分野の通常の技術者が一般に理解するであろう意味と同じ意味を有する。また、本明細書に記述する方法および材料と同様または相当する方法および材料のいずれも本開示の実施または試験で用いることは可能ではあるが、ここに好適な方法および材料を記述する。
【0004】
本明細書に引用する公開および特許は全部あたかも個々の公開または特許の各々を具体的かつ個別に引用することによって組み込むと示すかのように引用することによって本明細書に組み込まれ、かつ本明細書で引用することによって本開示に組み込まれ、それらには、引用する公開に関連した方法および/または材料が記述されている。如何なる公開の引用もそれの開示は本出願日以前であり、先行する開示によって本開示にそのような公開に先行する日付が与えられる権利がないことを認めると解釈されるべきではない。その上、示されている公開日付は、実際の公開日付とは異なる可能性があり、それを個別に立証する必要もあり得る。
【0005】
本開示を読んだ後の当業者に明らかになるであろうように、本明細書に記述および例示する個々の態様は各々が本開示の範囲からも精神からも逸脱することのない他のいくつかの態様のいずれかが有する特徴から容易に区別可能であるか或はそれと組み合わせることができる個別の構成要素および特徴を有する。示す如何なる方法も示す出来事の順でか或は論理的に可能な他のいずれかの順で実施可能である。
【0006】
本開示の態様では、特に明記しない限り、当該技術分野の技術の範囲内である化学、布、繊維製品などの技術を用いる。そのような技術は文献の中に詳細に説明されている。
【0007】
以下に示す実施例は、本明細書に開示および請求する方法をどのように実施しかつ本明
細書に開示および請求する組成物および化合物をどのように用いるかに関する完全な開示および説明を通常の当業者に示す目的で提示するものである。数値(例えば量、温度など)に関して正確さを確保するように努力したが、いくらかの誤差および偏差を考慮すべきである。特に明記しない限り、部は重量部であり、温度を℃で表しそして圧力を気圧で表す。標準的温度および圧力は25℃および1気圧であると定義する。
【0008】
本開示の態様を詳細に説明する前に、特に明記しない限り、本開示を個々の材料、反応体、反応材料、製造方法などに限定するものでなく、それら自体は多様であり得ると理解されるべきである。また、本明細書で用いる用語は単に個々の態様を説明する目的であり、限定を意図するものでないことも理解されるべきである。また、本開示に示す段階は論理的に可能な様々な順で実施可能である。
【0009】
本明細書および添付請求項で用いる如き単数形「a」、「an」および「the」は、文脈で明らかに他であると示さない限り、複数の指示対照を包含する。このように、例えば「ある担体」の言及は複数の担体を包含する。本明細書および以下の請求項では数多くの用語を言及するが、反対の意思が明らかでない限り、それらは下記の意味を持つと定義する。
【0010】
定義
本明細書で用いる如き用語「粘着防止剤」または「粘着防止添加剤」はスパンデックスフィラメント製造で用いられる添加剤または作用剤を指す。1つの態様における粘着防止剤はスパンデックスフィラメントが示す粘着性を低下させ得る。
【0011】
粘着防止剤に適用する如き用語「可溶」を本明細書で用いる場合、これは、当該粘着防止剤がスパンデックス紡糸で用いられる典型的な溶媒に溶解し得ることを指し、そのような溶媒には、これらに限定するものでないが、ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルホルムアミド(DMF)およびN−メチルピロリドン(NMP)が含まれる。
【0012】
本明細書で用いる如き用語「繊維」は、布およびヤーンばかりでなく繊維製品の製造で使用可能なフィラメント系材料を指す。1本以上の繊維を用いて布またはヤーンを生じさせることができる。当該技術分野で公知の方法に従ってヤーンに完全な延伸を受けさせるか或は質感を持たせることができる。
【0013】
本明細書で用いる如き「スパンデックス」は、繊維形成物質が長鎖合成エラストマー(このエラストマーはセグメント化ポリウレタンを約85重量%以上含有する)である合成繊維を指し、ここで、ポリウレタン尿素はそのようなポリウレタンのサブクラスであると見なす。そのような合成繊維を円柱形中心部に巻き付けることで供給用パッケージを生じさせることができる。スパンデックス組成物の製造は湿式紡糸または乾式紡糸工程で実施可能であり、そのような組成物の断面は多様な断面のいずれであってもよく、例えば丸い断面または平らな「テープ様」断面であってもよい。別法として、ポリウレタン溶液を流し込み成形した後に乾燥させることで「テープ」形態を生じさせることも可能である。
【0014】
考察
本開示の態様では、粘着防止剤が繊維の中に組み込まれている弾性繊維、この繊維の製造方法、この繊維の使用方法、この繊維を含有する積層品、この繊維を含有する布、衣類、この繊維を含有する繊維製品などを提供する。本開示の態様では、パッケージまたは中心部からの繊維の送り出しが良好な弾性繊維を提供する。本開示の態様では、ヤーンの粘着性を低下させ、ヤーンの貯蔵期間を長くしそして/または紡糸性能を向上させる。本開示の態様では、弾性繊維の送り出しを滑らかでむらなくすることで、繊維の送り出しが不規則になる原因となる他の弾性繊維とは対照的に、繊維のピンチング(pinching
)、破断および/または他の損傷が低下し得る。
【0015】
本開示の態様は、可溶粘着防止組成物を含有する弾性もしくはスパンデックス繊維を包含する。このような粘着防止組成物には、スパンデックス繊維に粘着防止利点を与える組成物が含まれ得る。1つの態様における可溶粘着防止組成物は、セルロースエステル(CE)、例えば特定の酢酸酪酸セルロース(CAB)および/または酢酸プロピオン酸セルロース(CAP)を含有し得る。1つの態様では、前記可溶粘着防止組成物に場合によりCEに加えて追加的添加剤、例えばステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、有機ステアリン酸エステル、シリコーン油、鉱油およびこれらの混合物などを含有させることも可能である。そのような組成物を繊維に紡糸する前のポリウレタンまたはポリウレタン尿素重合体にか或は紡糸機基盤に添加してもよい(例えばヤーンの貯蔵期間を長くしそして/または紡糸性能を向上させるために)。
【0016】
CEをヤーンなどで用いることは有利であり得る、と言うのは、CEの使用量が繊維の1重量%未満(より高い濃度で用いることも可能ではあるが)であってもヤーンが示す粘着性の有意な低下および/または紡糸性能の向上(例えば破断数が少なくなる)を実現することができるからである。加うるに、CEはDMAc中で高い溶解性を示すことで優れた重合体加工性能も可能にする。その上、CEはCEが入っているスラリーが示すスラリー粉砕効率およびスラリー安定性も向上させる。
【0017】
CEを用いると粘着性が低下し、その結果として、高いヤーン貯蔵温度(47℃に及ぶ)におけるヤーン老化が増したとしてもケーキの中心部へのヤーン送り出しが向上する。加うるに、CEはヤーン破断度合を低下させることで紡糸性能を向上させ、その結果として工場の収率がより高くなり(製造コストがより低くなりかつ工場の生産性が向上する)そしてヤーンの欠陥部の数が少なくなる(ヤーンの品質が高くなる)。追加的詳細を実施例1に示す。
【0018】
1つの態様における本開示の弾性繊維は、ポリウレタンまたはポリウレタン尿素およびCEに加えて1種以上の添加剤を含有して成る。他の態様では、本弾性繊維に紡糸仕上げ剤を含有させるか或は含有させなくてもよい。特定の態様では、本弾性繊維または粘着防止組成物に、本明細書に示す化合物(例えばCE)に加えて、少なくとも1種の追加的粒子状粘着防止剤を含有させることも可能である。
【0019】
1つの態様では、本開示の弾性繊維のCE含有量を例えば繊維の重量で表して約0.1%から1.0%、約0.1%から5%、約0.1%から10.0%、約0.1%から15.0%、約0.1%から20%、約0.1%から25%、約0.1%から50.0%、約0.5%から約5.0%、約1.0%から5.0%にする。
【0020】
1つの態様では、本開示の弾性繊維に添加剤を含有させる。1つの態様では、そのような添加剤の添加剤(例えばステアリン酸エステル、シリコーン油または鉱油)含有量を約0.1%から1.0%、約0.1%から2.0%、約0.1%から3.0%、約0.1%から4.0%、約0.1%から5.0%、約0.1%から6.0%、約0.1%から7.0%、約0.1%から8.0%、約0.1%から9.0%または約0.1%から10.0%にしてもよい。
【0021】
1つの態様では、前記シリコーン油または鉱油が示す粘度は例えば約1センチストークから200センチストーク、約5センチストークから150センチストーク、約10センチストークから100センチストークまたは約20センチストークから50センチストークであり得る。
【0022】
1つの態様では、本開示の弾性繊維はポリウレタンまたはポリウレタン尿素およびCEを約0.1から25重量%含有して成る。本弾性繊維の態様はさらなる添加剤、例えばステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、有機ステアリン酸エステル、シリコーン油、鉱油およびこれらの混合物などを含有し得る。特定態様では本弾性繊維に紡糸仕上げ剤を含有させない。本開示の弾性繊維に紡糸仕上げ剤を含有させることも可能であり、そのような紡糸仕上げ剤は、局所的に塗布される鉱油もしくはシリコーン油または鉱油もしくはシリコーン油を含有する混合物を最終的繊維の重量(即ち塗布した後の重量)で表して約0.5%から7.0%含有する。
【0023】
本開示の1つの態様は、本明細書に記述する如き弾性繊維を含有するヤーンパッケージ(yarn package)を包含する。1つの態様におけるヤーンパッケージは、オーバーエンドテイクオフテンション(over−end take−off tension)(OETOT)を表面、中心および/または中心部に示す可能性があり、追加的詳細を本実施例に記述する。1つの態様におけるヤーンパッケージが示す中心部OETOTは、当該可溶粘着防止組成物を含有しないヤーンが示す中心部OETOTの約70%以下、約65%以下、約60%以下、約55%以下、約50%以下、約45%以下、約40%以下、約35%以下、約30%以下、約25%以下、約20%以下、約15%以下である。1つの態様では、本ヤーンパッケージが示す中心OETOTは、当該可溶粘着防止組成物を含有しないヤーンが示す中心部OETOTの約55%以下、約50%以下、約45%以下、約40%以下、約35%以下、約30%以下、約25%以下、約20%以下、約15%以下である。1つの態様では、本ヤーンパッケージが示す表面OETOTは、当該可溶粘着防止組成物を含有しないヤーンが示す中心部OETOTの約40%以下、約35%以下、約30%以下、約25%以下、約20%以下、約15%以下である。1つの態様におけるヤーンパッケージは、この上に記述した中心部、中心および/または表面OETOTの任意組み合わせを示す可能性がある。
【0024】
本開示の態様は、本明細書に記述する如き弾性繊維のいずれか1種を製造する方法を包含する。この方法は、少なくともポリウレタン、ポリウレタン尿素またはこれらの混合物を含有する組成物を調製することを含んで成る。次に、本方法に、場合により、前記組成物に添加剤(例えばステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、有機ステアリン酸エステル、シリコーン油、鉱油またはこれらの混合物)を添加することを含めてもよい。次に、本方法にCEを前記組成物に添加することを含める。次に、本方法に、繊維を前記組成物から紡糸工程(例えば湿式紡糸、乾式紡糸および溶融紡糸)で生じさせることを含める。1つの態様では、ヤーン紡糸破断(yarn spinning breaks)が当該可溶粘着防止組成物を含有しない繊維に比べて約20%以上、約25%以上、約30%以上、約35%以上、約40%以上、約45%以上、約50%以上、約55%以上、約60%以上、約65%以上、約70%以上、約75%以上、約80%以上、約85%以上、約90%以上、約95%以上または約100%少ない。ヤーン紡糸破断を本実施例の中でより詳細に考察する。
【0025】
1つの態様における本方法は、少なくとも1種のポリウレタンまたはポリウレタン尿素またはこれらの混合物を含有する組成物を調製し、場合によりステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、有機ステアリン酸エステル、シリコーン油、鉱油およびこれらの混合物から選択した添加剤を前記組成物に添加してもよく、前記組成物にCEを約0.1%から25%添加しそしてその結果として得た組成物から繊維を湿式紡糸、乾式紡糸および溶融紡糸から選択した紡糸工程で生じさせることを含んで成る。
【0026】
1つの態様では、本開示の弾性繊維を生じさせる目的で用いる重合体の製造は一般に高分子グリコールに例えばジイソシアネートなどによるキャッピングを受けさせた後にその結果として得たキャップドグリコールを適切な溶媒(例えばジメチルアセトアミド(DM
Ac)、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミドなど)に溶解させそして前記キャップドグリコールに鎖延長剤、例えばジオールなどによる鎖延長を受けさせることでポリウレタンを生じさせるか或はジアミンによる鎖延長を受けさせることでポリウレタン尿素を生じさせることで実施可能である。繊維または長鎖合成重合体の製造に有用なポリウレタン尿素組成物は、セグメント化ポリウレタンを少なくとも85重量%含有する。典型的に、それらには、高分子量グリコールをジイソシアネートと反応させてNCO末端プレポリマー(“キャップドグリコール”)を生じさせた後にそれを適切な溶媒、例えばジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミドまたはN−メチルピロリドンなどに溶解させそして二次的に二官能の鎖延長剤と反応させたものが含まれる。
【0027】
鎖延長剤がジオールの時にはポリウレタンが2番目の段階で生じる(そして無溶媒で調製可能である)。鎖延長剤がジアミンの場合にはポリウレタンのサブクラスであるポリウレタン尿素が生じる。スパンデックスに紡糸可能なポリウレタン尿素重合体の製造では、当該グリコールに延長をヒドロキシ末端基を逐次的にジイソシアネートそして1種以上のジアミンと反応させることで受けさせる。各場合とも、当該グリコールに鎖延長を受けさせて必要な特性を有する重合体を生じさせる必要があり、そのような特性には粘度が含まれる。必要ならば、ジブチル錫ジラウレート、オクタン酸第一錫、鉱酸、第三級アミン、例えばトリエチルアミン、N,N’−ジメチルピペラジンなどおよび他の公知触媒を用いてキャッピング段階を補助することも可能である。
【0028】
1つの態様における適切な高分子量グリコール成分には、これらに限定するものでないが、数平均分子量が約600から3,500のポリエーテルグリコール、ポリカーボネートグリコールおよびポリエステルグリコールが含まれる。2種以上の高分子量グリコールの混合物もしくは共重合体を含めることも可能である。
【0029】
1つの態様として、使用可能なポリエーテルグリコールの例には、これらに限定するものでないが、ヒドロキシル基を2個有するグリコールが含まれ、それらはエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、トリメチレンオキサイド、テトラヒドロフランおよび3−メチルテトラヒドロフランの開環重合および/または共重合に由来するか、或は多価アルコール、例えば各分子中の炭素原子数が12未満のジオールもしくはジオール混合物、例えばエチレングリコール、1,3−プロパンジオール1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−1,3プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールおよび1,12−ドデカンジオールなどの縮合重合に由来する。分子量が約1,700から約2,100のポリ(テトラメチレンエーテル)、例えば官能性が2のTerathane(商標)1800(INVISTA、Wichita、KS)などが特に適切なグリコールの例である。共重合体にはポリ(テトラメチレン−コ−エチレンエーテル)グリコールが含まれ得る。
【0030】
1つの態様として、使用可能なポリエステルポリオールの例には、これらに限定するものでないが、ヒドロキシル基を2個有するエステルグリコールが含まれ、それらは、脂肪族ポリカルボン酸と各分子中の炭素原子数が12以下の低分子量のポリオールまたはそれらの混合物の縮合重合で生じる。適切なポリカルボン酸の例には、これらに限定するものでないが、マロン酸、こはく酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカンジカルボン酸およびドデカンジカルボン酸が含まれる。そのようなポリエステルポリオールの製造で用いるに適したポリオールの例には、これらに限定するものでないが、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール 1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1
,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールおよび1,12−ドデカンジオールが含まれる。溶融温度が約5℃から50℃の二官能線状ポリエステルポリオールが具体的ポリエステルポリオールの例である。
【0031】
1つの態様として、使用可能なポリカーボネートポリオールの例には、これらに限定するものでないが、ヒドロキシ基を2個以上有するカーボネートグリコールが含まれ、それらは、ホスゲン、クロロ蟻酸エステル、ジアルキルカーボネートまたはジアリルカーボネートと各分子中の炭素原子数が12以下の低分子量の脂肪族ポリオールまたはこれらの混合物の縮合重合で生じる。そのようなポリカーボネートポリオールの製造で用いるに適したポリオールの例には、これらに限定するものでないが、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールおよび1,12−ドデカンジオールが含まれる。溶融温度が約5℃から50℃の二官能線状ポリカーボネートポリオールが具体的ポリカーボネートポリオールの例である。
【0032】
1つの態様として、ジイソシアネート成分にはまた単一のジイソシアネートまたは様々なジイソシアネートの混合物も含まれ得、それには、4,4’−メチレンビス(フェニルイソシアネート)と2,4’−メチレンビス(フェニルイソシアネート)を含有するジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)異性体混合物が含まれる。適切な如何なる芳香族もしくは脂肪族ジイソシアネートを含めてもよい。使用可能なジイソシアネートの例には、これらに限定するものでないが、4,4’−メチレンビス(フェニルイソシアネート)、2,4’−メチレンビス(フェニルイソシアネート)、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,3−ジイソシアナト−4−メチル−ベンゼン、2,2’−トルエンジイソシアネート、2,4’−トルエンジイソシアネートおよびこれらの混合物が含まれる。
【0033】
1つの態様として、鎖延長剤は水またはポリウレタン尿素用ジアミン系鎖延長剤であり得る。当該ポリウレタン尿素および結果としてもたらされる繊維の所望特性に応じて様々な鎖延長剤の組み合わせを含めることも可能である。適切なジアミン系鎖延長剤の例には、これらに限定するものでないが、ヒドラジン、1,2−エチレンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,2−ブタンジアミン、1,3−ブタンジアミン、1,3−ジアミノ−2,2−ジメチルブタン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,3−プロパンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、1−アミノ−3,3,5−トリメチル−5−アミノメチルシクロヘキサン、2,4−ジアミノ−1−メチルシクロヘキサン、N−メチルアミノ−ビス(3−プロピルアミン)、1,2−シクロヘキサンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン、4,4’−メチレン−ビス(シクロヘキシルアミン)、イソホロンジアミン、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、メタ−テトラメチルキシレンジアミン、1,3−ジアミノ−4−メチルシクロヘキサン、1,3−シクロヘキサン−ジアミン、1,1−メチレン−ビス(4,4’−ジアミノヘキサン)、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、1,3−ペンタンジアミン(1,3−ジアミノペンタン)、m−キシリレンジアミン、およびJeffamine(商標)(Texaco)が含まれる。
【0034】
ポリウレタンが望まれる場合の鎖延長剤はジオールである。使用可能なそのようなジオールの例には、これらに限定するものでないが、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロピレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,2,4−トリメチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ビス(ヒド
ロキシエトキシ)ベンゼンおよび1,4−ブタンジオール、ヘキサンジオールおよびこれらの混合物が含まれる。
【0035】
1つの態様として、当該重合体の分子量を調節する目的で場合により単官能アルコールまたは第一級/第二級単官能アミンを含めることも可能である。また、1種以上の単官能アルコールと1種以上の単官能アミンの混合物を含めることも可能である。本開示で用いるに有用な単官能アルコールの例には、これらに限定するものでないが、炭素数が1から18の脂肪族および脂環式第一級および第二級アルコール、フェノール、置換フェノール、分子量が約750未満(分子量が500未満を包含)のエトキシル化アルキルフェノールおよびエトキシル化脂肪アルコール、ヒドロキシアミン、ヒドロキシメチルおよびヒドロキシエチル置換第三級アミン、ヒドロキシメチルおよびヒドロキシエチル置換複素環式化合物およびこれらの組み合わせから成る群より選択される少なくとも一員が含まれ、それらには、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、N−(2−ヒドロキシエチル)スクシニミド、4−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン、メタノール、エタノール、ブタノール、ネオペンチルアルコール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、シクロヘキサンメタノール、ベンジルアルコール、オクタノール、オクタデカノール、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、2−(ジエチルアミノ)エタノール、2−ジメチルアミノエタノールおよび4−ピペリジンエタノールおよびこれらの組み合わせが含まれる。適切な単官能ジアルキルアミン系ブロッキング剤の例には、これらに限定するものでないが、N,N−ジエチルアミン、N−エチル−N−プロピルアミン、N,N−ジイソプロピルアミン、N−t−ブチル−N−メチルアミン、N−t−ブチル−N−ベンジルアミン、N,N−ジシクロヘキシルアミン、N−エチル−N−イソプロピルアミン、N−t−ブチル−N−イソプロピルアミン、N−イソプロピル−N−シクロヘキシルアミン、N−エチル−N−シクロヘキシルアミン、N,N−ジエタノールアミンおよび2,2,6,6−テトラメチルピペリジンが含まれる。
【0036】
1つの態様として、本開示の重合体溶液を合成した後、その溶液に粘着防止添加剤を添加する。その粘着防止添加剤が中に分散している溶液の乾式紡糸を実施することで本開示の弾性繊維を生じさせることができる。乾式紡糸は、重合体溶液を紡糸口金オリフィスに強制的に通してシャフトの中に入れることでフィラメントを生じさせる工程を指す。加熱された不活性ガスをチャンバの中に通し、そのフィラメントがシャフトの中を通る時に溶媒がフィラメントから蒸発する。次に、その結果として生じた弾性繊維を円柱形中心部に巻き取ることで供給用スパンデックスパッケージを生じさせることができる。また、湿式紡糸工程ばかりでなく重合体溶液を流し込み成形して乾燥させる方法も使用可能である。
【0037】
1つの態様として、本開示の弾性繊維に特定の目的で添加される通常の追加的添加剤、例えば抗酸化剤、熱安定剤、紫外線安定剤、顔料および艶消し剤(例えば二酸化チタン)、染料および染色向上剤、滑剤(例えばシリコーン油)、塩素劣化に対する抵抗を向上させる添加剤(例えば酸化亜鉛、酸化マグネシウム、およびハンタイトとヒドロマグネサイトの混合物)などを含有させることも可能であるが、但しそのような添加剤が本開示のスパンデックスエラストマーまたは粘着防止添加剤と一緒にした時に拮抗作用をもたらさないことを条件とする。いくつかの通常の添加剤、例えば二酸化チタンなどはオーバーエンドテイクオフテンション(OETOT)測定値[このパラメーター(以下の実施例に記述する如き)を弾性繊維が示す粘着性を判断する目的で用いる]に対して僅かに影響を示すが、それらのいずれもOETOT測定値に対して評価できるほどの影響を示さず、それらを粘着性が低下するような量ではスパンデックスに添加しない。
【0038】
本開示の態様は、本開示の弾性繊維を含有して成る製品を包含する。このような製品には、これらに限定するものでないが、布および積層構造物が含まれる。
【0039】
1つの態様として、本開示は、ポリウレタンまたはポリウレタン尿素およびCEを約0.1から25重量%含有する弾性繊維を含有して成る布を提供する。追加的添加剤、例えばステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、有機ステアリン酸エステル、シリコーン油、鉱油およびこれらの混合物などを含有させることも可能である。
【0040】
1つの態様として、そのような積層構造物は本開示の弾性繊維を含有して成り、それにはポリウレタンまたはポリウレタン尿素、CEが約0.1から25重量%および少なくとも1種の追加的添加剤、例えばステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、有機ステアリン酸エステル、シリコーン油、鉱油およびこれらの混合物などが入っている。特定の態様では、そのような繊維を基質、例えば布、不織布、フィルムおよびこれらの組み合わせなどの1つ以上の層に接着させる。そのような積層構造物の接着は接着剤、超音波結合、熱結合またはこれらの組み合わせで実施可能である。そのような積層構造物には使い捨て可能衛生製品、例えばおむつ、トレーニングパンツ、成人失禁用品または女性用衛生製品などが含まれ得る。
【実施例】
【0041】
本開示の態様を一般的に記述してきたが、以下の実施例に本開示の追加的態様をいくつか記述する。本開示の態様を以下の実施例および相当する本文および図と関連させて記述するが、本開示の態様をこのような記述に限定することを意図するものでない。逆に、本開示の態様の精神および範囲内に含まれるあらゆる変形、修飾形および相当物の全部を包含させることを意図する。
【実施例1】
【0042】
オーバーエンドテイクオフテンション(OETOT)の測定を米国特許第4,296,174号のコラム4の20−45行および図6(これは引用することによって本明細書に組み入れられる)に記述されているようにして実施した。当該ヤーンの供給用管状パッケージから長さが183mのスパンデックスヤーンサンプルを45.7m/分の送り出し速度で取り出すのに要する平均引張荷重を測定する。以下の実施例では、当該パッケージの表面、中心および中心部で測定を行う。例えば、意図した巻きパターンが確立されるように繊維を数グラム取り出した後に測定、即ち「表面」OETOTの測定を行い、当該パッケージのおおよそ半分を取り出した後に測定、即ち「中心」OETOTの測定を行い、そして当該パッケージからおおよそ125gの繊維を除く全部を取り出した後に測定、即ち「中心部」OETOTの測定を行う。約1年間の貯蔵に近い条件を模擬する目的で47℃で5日間老化させた後のOETOTをグラムで報告する。
【0043】
CAB粘着防止添加剤が0から4%の範囲の濃度で入っている弾性繊維の調製を以下の方法に従って実施した。乾式紡糸機を用いて紡糸でCABを約40デニール(44デシテックス)のポリウレタン尿素繊維に入り込ませ、仕上げ剤を局所的に塗布した。
【0044】
本開示のスパンデックスサンプルは各々が以下の表1に示すように対照スパンデックスに比べてOETOTの点でかなりの向上を示した。
【0045】
【表1】
【0046】
以下に示す図1に、オーバーエンドテイクオフテンション(OETOT)で測定した時に供給用パッケージの「中心部」の所のヤーン粘着性をCAB添加剤が有意に低下させたことが示されている。OETOTがCABを添加していない対照品目に比べて低いことは好ましいことである、と言うのは、そのことはスパンデックスを巻き戻す時に必要な張力が低い(即ち引張荷重が小さい)ことを示しているからであり、そのことはスパンデックスの粘着性が低いことを示している。参考として米国特許第6,232,374号のコラム6の58−65行の実施例1を参照のこと。
【0047】
【0048】
ヤーン紡糸破断の測定では、フィラメントを乾式紡糸機に備わっている紡糸シャフトに通しながら前記フィラメントから溶媒を蒸発させている時に紡糸スレッドラインが1日当たりに破断する総回数を数えることで測定を実施する。
【0049】
CAB粘着防止添加剤を約0から1.5%の濃度で添加した弾性繊維の調製を以下の方法に従って実施した。ヤーンタイプA:添加剤を標準的な濃度で用いて乾式紡糸機による紡糸でCABを約40デニール(44デシテックス)のポリウレタン尿素繊維に入り込ませて、仕上げ剤を局所的に塗布した。ヤーンタイプB:ヤーンタイプAと同じであるが、染色向上用添加剤(dye−enhancer additive)にスパン(spun)を追加的に2.5%用いた。
【0050】
以下に示す表2に、CAB添加剤を添加するとヤーンタイプAおよびBの両方とも紡糸破断の数が有意に減少したことが示されている。
【0051】
【表2】
【0052】
本明細書では比率、濃度、量および他の数値データを範囲形式で表すことがあり得ることを注目すべきである。そのような範囲形式は便利さおよび簡潔さの目的で用いるものであり、従って、その範囲の限界として明確に示した数値を包含するばかりでなくまたその範囲内に含まれる数値および小領域の各々をあたかも明確に示す如く個々の数値または小領域の全部も包含するとして柔軟な様式で解釈されるべきであると理解されるべきである。例示として、「約0.1%から約5%」の濃度範囲は明確に示した約0.1重量%から約5重量%の濃度を包含するばかりでなくまたその示した範囲内に入る個々の濃度(例えば1%、2%、3%および4%)および小領域(例えば0.5%、1.1%、2.2%、3.3%および4.4%)も包含すると解釈されるべきである。1つの態様として、用語「約」は数値の有効数字に従う従来の四捨五入を包含し得る。加うるに、語句「約‘x’から‘y’」は「約‘x’から約‘y’」を包含する。
【0053】
上述した態様に対して様々な変更および修飾を行うことができる。本明細書ではそのような修飾形および変形の全部を本開示の範囲内に含めて以下の請求項で保護することを意図する。