特許第5932807号(P5932807)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許59328073Dディスプレイパネルおよびそれを用いる3Dディスプレイ装置とその駆動方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5932807
(24)【登録日】2016年5月13日
(45)【発行日】2016年6月8日
(54)【発明の名称】3Dディスプレイパネルおよびそれを用いる3Dディスプレイ装置とその駆動方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 27/26 20060101AFI20160526BHJP
   G02F 1/13 20060101ALI20160526BHJP
   G02F 1/1347 20060101ALI20160526BHJP
   G02F 1/133 20060101ALI20160526BHJP
   G09G 3/36 20060101ALI20160526BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20160526BHJP
【FI】
   G02B27/26
   G02F1/13 505
   G02F1/1347
   G02F1/133 520
   G02F1/133 570
   G09G3/36
   G09G3/20 611D
   G09G3/20 660X
   G09G3/20 621A
【請求項の数】13
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-532716(P2013-532716)
(86)(22)【出願日】2011年9月30日
(65)【公表番号】特表2013-546011(P2013-546011A)
(43)【公表日】2013年12月26日
(86)【国際出願番号】KR2011007288
(87)【国際公開番号】WO2012046980
(87)【国際公開日】20120412
【審査請求日】2014年9月3日
(31)【優先権主張番号】10-2011-0009343
(32)【優先日】2011年1月31日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】61/390,258
(32)【優先日】2010年10月6日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】503447036
【氏名又は名称】サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,ジョン−フン
(72)【発明者】
【氏名】キム,デ−シク
(72)【発明者】
【氏名】チャ,キョン−フン
(72)【発明者】
【氏名】リ,ホ−ソプ
(72)【発明者】
【氏名】コ,ヨン−ジ
【審査官】 右田 昌士
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−202519(JP,A)
【文献】 特開2010−210712(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0009508(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0157165(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0231699(US,A1)
【文献】 特開2012−027427(JP,A)
【文献】 特開2012−048197(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 27/22 − 27/26
G02F 1/13
G02F 1/133
G02F 1/1347
G09G 3/20
G09G 3/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像を表示する映像表示パネルと、
前記映像表示パネルから出力される光の偏光方向を交互にシフトさせ、前記映像表示パネルより低い動作周波数で動作する位相変換パネルと、
バックライトを提供するバックライトユニットと、
前記位相変換パネルがシフト動作を行うクロストーク区間の間、前記バックライトユニットをターンオフさせ、前記クロストーク区間の以後の安定化区間の間、前記バックライトユニットをターンオンさせる制御部と、を含み、
前記制御部は、
左眼映像および右眼映像が全てディスプレイされるクロストーク区間では前記バックライトユニットをターンオフし、前記左眼映像および右眼映像のうち何れか一つが遮断される安定化区間では前記バックライトユニットをターンオンし、
前記映像表示パネルと前記位相変換パネルとの間の動作周波数の差によって一つのデータイネーブル区間内で左眼映像および右眼映像が全て提供される、
ことを特徴とする3Dディスプレイ装置。
【請求項2】
前記位相変換パネルは、フレーム単位で前記シフト動作を行うことを特徴とする請求項に記載の3Dディスプレイ装置。
【請求項3】
前記位相変換パネルが前記シフト動作を開始した時点から予め設定された時間の間、前記位相変換パネルをオーバードライブさせる位相変換パネル駆動部を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の3Dディスプレイ装置。
【請求項4】
前記位相変換パネルの動作周波数は120Hzであり、前記映像表示パネルの動作周波数は180Hz、240Hz、360Hzおよび480Hzの何れか一つであることを特徴とする請求項1に記載の3Dディスプレイ装置。
【請求項5】
前記映像表示パネルは、前記左眼映像および右眼映像を交互に出力し、
前記位相変換パネルは、前記左眼映像が出力される時点からは第1偏光状態にシフトし、前記右眼映像が出力される時点からは前記第1偏光状態に垂直の第2偏光状態にシフトすることを特徴とする請求項1に記載の3Dディスプレイ装置。
【請求項6】
左眼映像および右眼映像を交互に出力する映像表示パネルと、
前記左眼映像が出力される時点からは第1偏光状態にシフトし、前記右眼映像が出力される時点からは第2偏光状態にシフトし、前記映像表示パネルより低い動作周波数で動作する位相変換パネルと、
前記位相変換パネルがシフト動作を行うクロストーク区間の間、ターンオフされ、前記クロストーク区間の以後の安定化区間の間、ターンオンされるバックライトユニットと、を含み、
前記バックライトユニットは、
前記左眼映像および右眼映像が全てディスプレイされるクロストーク区間ではターンオフされ、前記左眼映像および右眼映像のうち何れか一つが遮断される安定化区間ではターンオンされ、
前記映像表示パネルと前記位相変換パネルとの間の動作周波数の差によって一つのデータイネーブル区間内で左眼映像および右眼映像が全て提供される、
ことを特徴とする3Dディスプレイパネル。
【請求項7】
前記位相変換パネルは、フレーム単位で前記シフト動作を行うことを特徴とする請求項に記載の3Dディスプレイパネル。
【請求項8】
前記位相変換パネルは、
前記シフト動作を開始した時点から予め設定された時間の間、オーバードライブされることを特徴とする請求項に記載の3Dディスプレイパネル。
【請求項9】
前記位相変換パネルの動作周波数は120Hzであり、前記映像表示パネルの動作周波数は180Hz、240Hz、360Hzおよび480Hzの何れか一つであることを特徴とする請求項に記載の3Dディスプレイパネル。
【請求項10】
映像表示パネルと、前記映像表示パネルから出力される光の偏光方向を交互にシフトさせ、前記映像表示パネルより低い動作周波数で動作する位相変換パネルと、バックライトユニットとを具備した3Dディスプレイ装置の駆動方法において、
前記位相変換パネルがシフト動作を行うクロストーク区間の間、前記バックライトユニットをターンオフさせるステップと、
前記位相変換パネルが前記シフト動作を完了して安定化区間に入ると、前記バックライトユニットをターンオンさせるステップと、を含み、
前記クロストーク区間では左眼映像および右眼映像が全てディスプレイされ、前記安定化区間では前記左眼映像および右眼映像のうち何れか一つが遮断され、
前記映像表示パネルと前記位相変換パネルとの間の動作周波数の差によって一つのデータイネーブル区間内で左眼映像および右眼映像が全て提供される、
ことを特徴とする3Dディスプレイ装置の駆動方法。
【請求項11】
前記位相変換パネルは、フレーム単位で前記シフト動作を行うことを特徴とする請求項10に記載の3Dディスプレイ装置の駆動方法。
【請求項12】
前記位相変換パネルが前記シフト動作を開始すると、予め設定された時間の間、前記位相変換パネルをオーバードライブさせるステップを更に含み、
前記位相変換パネルの動作周波数は120Hzであり、前記映像表示パネルの動作周波数は180Hz、240Hz、360Hzおよび480Hzの何れか一つであることを特徴とする請求項10に記載の3Dディスプレイ装置の駆動方法。
【請求項13】
前記映像表示パネルが、前記左眼映像および右眼映像を交互に出力するステップと、
前記左眼映像が出力される時点からは前記位相変換パネルが第1偏光状態にシフトし、前記右眼映像が出力される時点からは前記位相変換パネルが前記第1偏光状態に垂直の第2偏光状態にシフトするステップと
を更に含むことを特徴とする請求項10に記載の3Dディスプレイ装置の駆動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3Dディスプレイパネルおよびそれを用いる3Dディスプレイ装置とその駆動方法に関し、より詳細には、偏光タイプの3Dディスプレイパネルおよびそれを用いる3Dディスプレイ装置とその駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、3D技術の発達により、映画館や一般家庭用のテレビ、携帯型端末機器等でも3Dコンテンツを視聴できるようにする技術に対する開発への取り組みが加速化している。
【0003】
3Dディスプレイ装置は、ユーザが立体感を感じることができるように、客体間の変位を調整して奥行き感を与える。
【0004】
3Dディスプレイ装置は、メガネの着用有無を基準としてメガネ式および非メガネ式に区分する。非メガネ式とは、メガネをかけなくても立体感を感じられるように映像信号を多時点映像に変換して出力する方式を意味する。
【0005】
メガネ式とは、ディスプレイ装置で左眼映像および右眼映像を交互に出力する場合、左眼映像は左眼で認識し、右眼映像は右眼で認識するように処理して、ユーザが左眼および右眼間の変位による立体感を感じることができるようにする方式を意味する。
【0006】
メガネ式は、更にシャッタグラス方式および偏光方式に区分されてよい。
【0007】
シャッタグラス方式とは、メガネそのものでグラスのシャッタをスイッチングして左眼映像出力時には左眼グラスがターンオンされ、右眼映像出力時には右眼グラスがターンオンされるように調整する方式を意味する。
【0008】
偏光方式とは、偏光方向の異なるメガネを着用したユーザを対象に、ディスプレイ装置から出力される光の偏光方向を0度から90度に交互にシフトする方式を意味する。
【0009】
シャッタグラス方式は、最近の家庭用のテレビで主に採択されている方式や、メガネの価格が偏光方式に比べて高いという短所がある。
【0010】
それにより、偏光方式は、メガネの価格が相対的に安いという長所がある。しかし、左眼映像および右眼映像がスイッチングされつつ出力される時点で、偏光シフトが行われる場合、完全なシフトが行われるまでは、左眼映像および右眼がすべてユーザの両眼に各々入力されるクロストーク区間があってよい。それにより、左右映像が重なるようになり、歪んだ画面が映るようになるため、それによってユーザの満足度が落ちるという問題点がある。
【0011】
よって、このような問題点なく、偏光方式をより効果的に利用することができるようにする技術に対する開発が求められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、偏光方式を利用しながら、ユーザの満足度を向上させることができる3Dディスプレイパネルおよびそれを用いる3Dディスプレイ装置とその駆動方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一実施形態によると、3Dディスプレイ装置は、映像を表示する映像表示パネルと、前記映像表示パネルから出力される光の偏光方向を交互にシフトさせる位相変換パネルと、バックライトを提供するバックライトユニットと、前記位相変換パネルがシフト動作を行うクロストーク区間の間、前記バックライトユニットをターンオフさせ、前記クロストーク区間の以後の安定化区間の間、前記バックライトユニットをターンオンさせる制御部とを含む。
【0014】
ここで、前記映像表示パネルの動作周波数は、前記位相変換パネルの動作周波数より大きくてよい。
【0015】
そして、前記位相変換パネルは、フレーム単位で前記シフト動作を行ってよい。
【0016】
一方、3Dディスプレイ装置は、前記位相変換パネルが前記シフト動作を開始した時点から予め設定された時間の間、前記位相変換パネルをオーバードライブさせる位相変換パネル駆動部を更に含んでよい。
【0017】
そして、前記位相変換パネルの動作周波数は120Hzであり、前記映像表示パネルの動作周波数は180Hz、240Hz、360Hzおよび480Hzの何れか一つであってよい。
【0018】
ここで、前記映像表示パネルは、左眼映像および右眼映像を交互に出力し、前記位相変換パネルは、前記左眼映像が出力される時点からは第1偏光状態にシフトし、前記右眼映像が出力される時点からは前記第1偏光状態に垂直の第2偏光状態にシフトしてよい。
【0019】
一方、本発明の一実施形態によると、3Dディスプレイパネルは、左眼映像および右眼映像を交互に出力する映像表示パネルと、前記左眼映像が出力される時点からは第1偏光状態にシフトし、前記右眼映像が出力される時点からは第2偏光状態にシフトする位相変換パネルと、前記位相変換パネルがシフト動作を行うクロストーク区間の間、ターンオフされ、前記クロストーク区間の以後の安定化区間の間、ターンオンされるバックライトユニットとを含んでよい。
【0020】
ここで、前記映像表示パネルの動作周波数は、前記位相変換パネルの動作周波数より大きい。
【0021】
なお、前記位相変換パネルは、フレーム単位で前記シフト動作を行ってよい。
【0022】
そして、前記位相変換パネルは、前記シフト動作を開始した時点から予め設定された時間の間、オーバードライブされてよい。
【0023】
一方、前記位相変換パネルの動作周波数は120Hzであり、前記映像表示パネルの動作周波数は180Hz、240Hz、360Hzおよび480Hzの何れか一つであってよい。
【0024】
一方、本発明の一実施形態によると、映像表示パネルと、前記映像表示パネルから出力される光の偏光方向を交互にシフトさせる位相変換パネルと、バックライトユニットとを具備した3Dディスプレイ装置の駆動方法は、前記位相変換パネルがシフト動作を行うクロストーク区間の間、前記バックライトユニットをターンオフさせるステップと、前記位相表示パネルが前記シフト動作を完了して安定化区間に入ると、前記バックライトユニットをターンオンさせるステップとを含む。
【0025】
ここで、前記位相表示パネルは、フレーム単位で前記シフト動作を行ってよい。
【0026】
そして、前記位相変換パネルが前記シフト動作を開始すると、予め設定された時間の間、前記位相変換パネルをオーバードライブさせるステップを更に含んでよい。
【0027】
そして、前記位相変換パネルの動作周波数は120Hzであり、前記映像表示パネルの動作周波数は180Hz、240Hz、360Hzおよび480Hzの何れか一つであってよい。
【0028】
一方、本方法は、前記映像表示パネルが、左眼映像および右眼映像を交互に出力するステップと、前記左眼映像が出力される時点からは前記位相変換パネルが第1偏光状態にシフトし、前記右眼映像が出力される時点からは前記位相変換パネルが前記第1偏光状態に垂直の第2偏光状態にシフトするステップとを更に含んでよい。
【0029】
本発明の別の実施形態によると、映像表示パネルと、前記映像表示パネルから出力される光の偏光方向を交互にシフトさせる位相変換パネルとを具備した3Dディスプレイ装置のバックライトユニットは、前記映像表示パネルのバックライトを提供する光源と、前記位相変換パネルがシフト動作を行うクロストーク区間の間、前記光源をターンオフさせ、前記クロストーク区間後、安定化区間の間、前記光源をターンオンさせる制御部とを含む。
【0030】
本発明の別の実施形態によると、映像表示パネルと、前記映像表示パネルから出力される光の偏光方向を交互にシフトさせる位相変換パネルと、バックライトユニットとを具備した3Dディスプレイ装置の制御方法は、前記位相変換パネルがシフト動作を行うクロストーク区間の間、前記バックライトユニットをターンオフさせる制御信号を出力し、前記クロストーク区間後、安定化区間の間、前記バックライトユニットをターンオンさせる制御信号を出力するバックライト駆動部を含む。
【発明の効果】
【0031】
以上説明したように、本発明によれば、ユーザは偏光方式によるメガネを利用しつつ、3Dディスプレイ方式のコンテンツを効果的に視聴することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明の一実施形態に係る3Dディスプレイパネルおよびそれを用いる3Dディスプレイ装置の構成を示すブロック図である。
図2】本発明の一実施形態に係る3Dディスプレイパネルおよび3Dディスプレイ装置の動作を説明するための図である。
図3】位相変換パネルをオーバードライブする方式を説明する図である。
図4】位相変換パネルをオーバードライブさせつつ、バックライトユニットの駆動を制御する実施形態に係る3Dディスプレイパネルおよび3Dディスプレイ装置の動作を説明するための図である。
図5】フレーム単位で位相変換パネルがシフト動作を行う方式を説明する図である。
図6】本発明の一実施形態に係る3Dディスプレイパネルおよび3Dディスプレイ装置の細部構成を説明するためのブロック図である。
図7】本発明の一実施形態に係る3Dディスプレイ装置の駆動方法を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0034】
図1は、本発明の一実施形態に係る3Dディスプレイ装置の構成を示すブロック図である。図1に示すように、3Dディスプレイ装置は、3Dディスプレイパネル100および制御部120を含む。本3Dディスプレイ装置は、テレビに限られるものではなく、ノートパソコンやモニタ、携帯電話、PDA、デジタルフォトフレーム、電子書籍等のような多様なディスプレイ装置で実現されてよい。
【0035】
3Dディスプレイパネル100は、位相変換パネル110と、映像表示パネル120およびバックライトユニット130を含む。
【0036】
映像表示パネル120は、映像を表示するパネルである。具体的に、映像表示パネル120は、左眼映像および右眼映像を交互にディスプレイする。ここで、左眼映像および右眼映像とは、同じ被写体を互い異なる角度から撮影して生成した映像を意味する。すなわち、ユーザの左眼と右眼との間の距離分だけ離隔している状態で被写体を撮影し、変位(disparity)を有するように生成した映像を意味する。しかし、撮影された映像は、一の実施形態に過ぎない。例えば、別の実施形態として、2次元映像が左眼映像および右眼映像に変換されてよい。左眼映像および右眼映像の配置順番は動作周波数等に応じて異なるように決定されてよい。すなわち、左眼、左眼、右眼、右眼、左眼、左眼、右眼、右眼等のように、各映像が複数個繰り返し配置されてよく、その間にブラック区間が挿入されてよい。
【0037】
バックライトユニット130は、映像表示パネル120の背面に配置され、映像表示パネル120にバックライトを提供する。バックライトユニット130は、光源の種類に応じて、多様な類型に区分されてよい。バックライトユニット130には、CCFL(Cold Cathode Fluorescent Lamps)、LED(Light Emitting Diode)、FFL(Flat Fluorescent Lamps)、HCFL(Hot Cathode Fluorescent Lamps)等のような多様な種類の光源が使用されてよい。実施形態により、これら光源は、バックライトユニット130の前面に渡ってムラなく分布される直下型に構成されてよく、エッジ部分にのみ集中的に配置される直下型に構成されてよい。
【0038】
位相変換パネル(Phase Shift Panel)110は、映像表示パネル120から出力される光の偏光方向を交互にシフトさせる動作を行う。すなわち、位相変換パネル110は、左眼映像および右眼映像の何れか一方の映像が出力される時点からは第1偏光状態にシフトし、もう一方の映像が出力される時点からは第2偏光状態にシフトしてよい。第1偏光状態および第2偏光状態は、互いに90度の角度差を有してよい。仮に、第1偏光状態が0度を意味すると、第2偏光状態は90度を意味し、第1偏光状態が−45度を意味すると、第2偏光状態は+45度を意味する。
【0039】
シフト動作は、位相変換パネル110のタイプまたは構成に応じて異なる方式で行われてよい。
【0040】
一例として、位相変換パネル110は、LCDパネルで構成されてよい。この場合、各液晶は、一方向に配列されてから、電界が印加されると、その電界の大きさおよび方向に応じて、以前の配列方向と垂直の方向に光が偏光されるように再配列される。それにより、光の偏光方向が90度の角度に変更されるシフト動作が行われる。
【0041】
別の例として、位相変換パネル110は、互いに90度の偏光方向を有しつつ、並んで配置される第1偏光器(polarizer)および第2偏光器を含む形態で構成されてよい。この場合、第1偏光器および第2偏光器を交互にターンオン/ターンオフさせ、偏光方向を90度の角度に変更するシフト動作を行うことができる。または、位相変換パネル110は、上述の構成に制限されず、線形偏光器や複屈折偏光器、薄膜フィルム偏光器、円形偏光器等を含んでよい。
【0042】
一方、バックライトユニット130は、位相変換パネル110がシフト動作を完了するまでのクロストーク区間の間にはターンオフされ、クロストーク区間の以後の安定化区間の間にはターンオンされる。
【0043】
このようなバックライトユニット130の駆動は、3Dディスプレイパネル100の外部の制御部200によって制御されてよい。
【0044】
制御部200は、バックライトユニと130の制御信号をバックライト130そのものまたはバックライトユニット130の駆動する駆動回路(図示せず)に伝達し、バックライトユニット130がクロストーク区間の間、ターンオフされるように制御する。それにより、左眼映像および右眼映像が互いに重なる区間の間には、バックライトが提供されないため、画面が歪む現象を防止することができるようになる。
【0045】
一方、図1では、制御部200が3Dディスプレイパネル100の外部に設けられたものとして示したが、制御部200は3Dディスプレイパネル100の内部に併せて設けられてよい。なお、バックライトユニット130を除き、位相変換パネル110および映像表示パネル120のみで、3Dディスプレイパネル100を構成することもできる。本発明の一実施形態により、制御部200が3Dディスプレイ装置の外部に設けられる場合、3Dディスプレイパネルはディスプレイ装置の内部に設けられてよい。
【0046】
図2は、本発明の一実施形態に係る3Dディスプレイ装置の駆動を説明するための図である。
【0047】
図2の(a)は、180Hzの動作周波数に応じてデータイネーブル(Data Enable:DE)区間が形成されるものを示す。
【0048】
図2の(b)は、各データイネーブル区間毎の映像表示パネル120の動作を示す。図2の(b)によると、映像表示パネル120は、一つのデータイネーブル区間で一つの映像フレームを出力する。映像フレームは、ライン単位で順次に走査される。よって、一つの映像フレームの最後のラインに対する走査が開始されてからの以後の次のデータイネーブル区間では、再び1番目のラインから次の映像フレームが出力される。この場合、左眼映像(L)が予め設定された数のフレーム分だけ出力されてからは、その次のデータイネーブル区間では右眼映像(R)を出力する。このようなタイプのスイッチングは、位相変換パネル110の動作周波数と、映像表示パネル120の動作周波の間の差により、一つのデータイネーブル区間内に行われてよい。すなわち、図2の(b)によると、2番目のデータイネーブル区間の中間に右眼映像(R)の出力が開始されるようになる。その後に、5番目のデータイネーブル区間の中間に再び左眼映像(L)の出力が開始される。
【0049】
位相変換パネル110は、左眼映像および右眼映像の出力時点に合わせて、光の偏光方向を変えるシフト動作を行う。具体的な例を挙げると、位相変換パネル110は右眼映像の出力が開始されると、それに合わせて+90偏光を作り、ユーザが着用したメガネのグラスのうち、+90偏光のみを通過させる右側グラスを通じてのみ光が伝達されるようにする。この場合、左側グラスでは、光が伝達されない。一方、左眼映像の出力が開始されると、それに合わせて0度偏光を作り、0度偏光のみを通過させる左側グラスを通じてのみ、光が伝達されるようにし、右側グラスを通過する光は遮断させる。
【0050】
図2の(d)は、位相変換パネル110に供給される制御信号の形態を示し、図2の(c)は、その制御信号による位相変換パネル110のシフト状態を示す。図2の(c)によると、位相変換パネル110はシフトが開始された時点から、ある程度以上のシフトが行われる時点までは左眼映像の光と右眼映像の光とがすべて出力され得るクロストーク区間を有するようになる。クロストーク区間以後には、左眼映像の光と右眼映像の光の何れか一方が遮断される安定化区間を有するようになる。
【0051】
図2の(e)によると、バックライトユニット130は、クロストーク区間の間にはターンオフされ、安定化区間の間にはターンオンされる。よって、クロストーク区間の間に、左眼映像および右眼映像が重なるようになる現象は防止され、安定化区間の間には現在の映像表示パネル120に表示されている映像の光がそのまま視聴者側に投射されるようになる。バックライトユニット130は、安定化区間が過ぎて、再び位相変換パネル110のシフト動作が開始されると、再びターンオンされる。
【0052】
図2に示すように、映像表示パネル120は180Hzの動作周波数に合わせて左眼映像および右眼映像を出力するようになるが、位相変換パネル110はそれより相対的に低い動作周波数に合わせてシフト動作を行うようになる。具体的には、位相変換パネル110の動作周波数は120Hzであり、前記映像表示パネルの動作周波数は180Hz、240Hz、360Hzおよび480Hz等であってよい。
【0053】
このように、位相変換パネル110の動作周波数を映像表示パネル120の動作周波数より相対的に低く設定するようになると、安定化区間を一定の長さ以上確保することができる。
【0054】
一方、上述のように、位相変換パネル110の動作周波数は、映像表示パネル120の動作周波数より小さく設定するようになるが、映像表示パネル120の映像表示時点と同じ時点からシフトを開始することができる。すなわち、映像表示パネル120の垂直同期時点に合わせてシフトを最初に開始することができる。この場合、動作周波数が異なって垂直同期を毎回とることはできないが、一定時間が経過すると、再び垂直同期がとれるようになる。一例として、位相変換パネル110の動作周波数が120Hzであり、映像表示パネル120の動作周波数が180Hzであれば、映像表示パネル120から4番目のフレームが出力される時点で、位相変換パネル110は3番目のシフト動作を行うようになる。
【0055】
一方、安定化区間をもう少し長く確保するためには、位相変換パネル110をオーバードライブさせることもできる。すなわち、位相変換パネル110がLCDで実現された場合、液晶は電圧に応じて駆動されるため、電圧が高いほど、応答速度が速まる。よって、シフト動作を開始した時点から予め設定された時間の間、一般的な状態より高い電圧、すなわち、オーバードライブ電圧を位相変換パネル110に印加するようになると、クロストーク区間が相対的に短くなり、安定化区間が長くなる。
【0056】
オーバードライブ電圧は、任意に設定されてよい。一例として、位相変換パネル110がフルホワイト(full white)状態になったときの電圧をオーバードライブ電圧で活用して印加した後、一定時間が経過すると、正常な大きさの維持電圧を印加するようにすることができる。すなわち、255階調の特性を有する位相変換パネル110であれば、255階調を表現するための電圧をオーバードライブ電圧で供給し、その後は、240階調に該当する電圧を維持電圧で供給することができる。
【0057】
図3は、位相変換パネル110をオーバードライブするための制御信号およびそれによる位相変換パネル110のシフト動作を説明する図である。
【0058】
図3の(a)によると、制御信号は+オーバードライブ電圧の大きさだけライジングされた後、一定時間が経過すると、維持電圧レベルに降下される。その後、次のシフト区間時には、基準電圧であるVcomレベルでより多くポーリングされ、再び一定時間が経過すると少し増大させる。次の周期には、基準電圧を基準としてリバース形態の制御信号を供給し、シフト動作を行う。
【0059】
図3において、基準電圧Vcomを基準として高い値を有する区間および低い値を有する区間では、位相変換パネル110の液晶が移動されて、ブラック状態になる。すなわち、第1偏光状態になる。一方、基準電圧Vcomレベルに合わせられる区間では、位相変換パネル110の液晶が元の状態に復帰してホワイト状態になる。すなわち、第1偏光状態に垂直に偏光される第2偏光状態になる。このように、基準電圧を基準として、+、−値を有する制御信号を利用するようになると、液晶に反対の極性の電圧を交互に印加するようになるため、液晶の劣化速度も最小限化させることができる。
【0060】
図3(a)に示すように、オーバードライブ電圧を利用すると、図3の(b)に示すように、位相変換パネル110がもっと早く安定化区間に移行するようになる。
【0061】
図4は、オーバードライブを実施した際の3Dディスプレイ装置の動作を説明するための図である。図4で(a)、(b)は、図2と同様であるため、具体的な説明は省略する。
【0062】
図4(c)によると、オーバードライブによってクロストーク区間が相対的に短くなり、安定化区間が相対的に長くなった状態であることが分かる。
【0063】
それにより、図4の(e)に示すように、バックライトユニット130のターンオン時間が図2に比べて長くなる。
【0064】
一方、以上のような様々な例において、位相変換パネル110は複数のセグメントに区分されてシフト動作を行うのではなく、一つのフレーム単位でシフト動作を行う。一つの位相変換パネル110を複数のセグメントに区分し、映像表示パネル120の映像表示程度に応じてセグメントのシフト動作を異なるように開始するようになると、セグメント間の境界面が帯(line)状に見えるようになってよい。
【0065】
それにより、本発明の様々な実施形態では、位相変換パネル110は一つのフレーム単位で一つのシフトを行うようになる。
【0066】
図5は、フレーム単位で位相変換パネルがシフト動作を行う方式を説明するための図である。
【0067】
図5の(a)によると、一つの位相変換パネル110を3つのセグメントに区分してシフトさせる過程を示す。それによると、位相変換パネル110の1番目のセグメント部分をシフトさせた後、一定時間が経過すると、2番目のセグメント、3番目のセグメント等を順次にシフトさせる。
【0068】
一方、図5(b)によると、一つの位相変換パネル110は一つのフレームが出力される間にシフトさせる。それにより、セグメント間の境界面が帯状に見えるようになる現象を防止することができるようになる。
【0069】
図6は、本発明の一実施形態に係る3Dディスプレイ装置の細部構成の一例を示すブロック図である。図6に示すように、3Dディスプレイ装置は、位相変換パネル110と、映像表示パネル120と、バックライトユニット130と、位相変換パネル駆動部310と、パネル駆動部320と、バックライト駆動部330および制御部200を含む。
【0070】
位相変換パネル110と、映像表示パネル120と、バックライトユニット130に対する説明は、図1と同様であるため、具体的な説明は省略する。
【0071】
位相変換パネル駆動部310は、位相変換パネル110のシフト動作を制御する構成である。位相変換パネル駆動部310は、位相変換パネル110を制御するための制御信号を出力する。制御信号は、制御パルスの形態で位相変換パネル110に印加されてよい。この場合、位相変換パネル110は、図3および図4に示すように、制御信号を生成して供給することにより、位相変換パネル110をオーバードライブさせることができる。
【0072】
パネル駆動部320は、映像表示パネル120の動作を制御する構成である。具体的に、パネル駆動部320は、イメージプロセッサ(図示せず)において処理されたイメージを映像表示パネル120内の各液晶を通じて表示するために、アドレス電圧やデータ電圧等のような各種制御信号を供給する。
【0073】
バックライト駆動部330は、バックライトユニット130を駆動させるための構成である。バックライト駆動部330は、バックライトユニット130が位相変換パネル110のクロストーク区間の間にはターンオフされ、位相変換パネル110が安定化区間にある間にはターンオンされるように制御する。
【0074】
図6において、位相変換パネル310と、パネル駆動部320と、バックライト駆動部330等の動作は、制御部200によって制御されてよい。
【0075】
図7は、本発明の多様な実施形態に係る3Dディスプレイ装置の駆動方法を説明するためのフローチャートである。
【0076】
図7によると、3Dディスプレイ装置は、映像表示パネルの駆動に応じて位相変換パネルの偏光方向を変更するシフト動作を行う(S710)。この場合、実施形態によっては、シフト動作が開始された時点から一定時間の間には、位相変換パネルをオーバードライブさせてクロストーク区間が短くなるようにすることができる。なお、位相変換パネルは、一つのフレーム単位でシフト動作を行うように実現することができる。
【0077】
それにより、シフト動作が開始されてクロストーク区間になると(S720:Y)、バックライトユニットをターンオフさせる(S730)。
【0078】
その後に、クロストーク区間が経過して安定化区間になると(S720:N)、バックライトユニットをターンオンさせる(S740)。
【0079】
それから、再びシフト動作を行うべき条件が到来すると(S750:Y)、上述のステップを繰り返し行う。一方、映像出力が終了してシフト動作を行う必要がなくなると、動作を停止する(S750:N)。
【0080】
以上のように、位相変換パネルおよびバックライトユニットを映像表示パネルの映像表示状態および位相変換パネルのシフト状態等を考慮して適切に制御し、偏光方式の3Dディスプレイ装置でも左眼映像および右眼映像が互いに重なって見える現象を防止することができるようになる。
【0081】
または、フレーム単位でシフト動作を行って画面に帯のようなノイズが表示されることを防止することもできる。
【0082】
一方、以上のような駆動方法を行うためのプログラムコードは、多様な記録媒体に保存されてよい。具体的には、上述の方法を行うためのコードは、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、メモリカード、USBメモリ、CD−ROMなどのように、端末機で読取可能な多様な記録媒体に保存されていてよい。
【0083】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は以上の実施形態に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的趣旨の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0084】
200 制御部
310 位相変換パネル駆動部
320 パネル駆動部
330 バックライト駆動部
図1
図2
図3
図4
図5(a)】
図5(b)】
図6
図7