特許第5932812号(P5932812)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エルジー・ハウシス・リミテッドの特許一覧

特許5932812高周波誘導加熱方法で融着されたサンドイッチ構造物及びその製造方法
<>
  • 特許5932812-高周波誘導加熱方法で融着されたサンドイッチ構造物及びその製造方法 図000003
  • 特許5932812-高周波誘導加熱方法で融着されたサンドイッチ構造物及びその製造方法 図000004
  • 特許5932812-高周波誘導加熱方法で融着されたサンドイッチ構造物及びその製造方法 図000005
  • 特許5932812-高周波誘導加熱方法で融着されたサンドイッチ構造物及びその製造方法 図000006
  • 特許5932812-高周波誘導加熱方法で融着されたサンドイッチ構造物及びその製造方法 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5932812
(24)【登録日】2016年5月13日
(45)【発行日】2016年6月8日
(54)【発明の名称】高周波誘導加熱方法で融着されたサンドイッチ構造物及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   B32B 3/12 20060101AFI20160526BHJP
   B29C 65/46 20060101ALI20160526BHJP
   H05B 6/06 20060101ALI20160526BHJP
   H05B 6/10 20060101ALI20160526BHJP
   H05B 6/36 20060101ALI20160526BHJP
【FI】
   B32B3/12 Z
   B29C65/46
   H05B6/06 361
   H05B6/10 331
   H05B6/36 B
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-534835(P2013-534835)
(86)(22)【出願日】2011年11月11日
(65)【公表番号】特表2013-545633(P2013-545633A)
(43)【公表日】2013年12月26日
(86)【国際出願番号】KR2011008639
(87)【国際公開番号】WO2012064156
(87)【国際公開日】20120518
【審査請求日】2013年4月23日
(31)【優先権主張番号】10-2010-0112692
(32)【優先日】2010年11月12日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】509286787
【氏名又は名称】エルジー・ハウシス・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】LG HAUSYS,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100121821
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 強
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・ギフン
(72)【発明者】
【氏名】キル・ヨンギル
(72)【発明者】
【氏名】キム・ヒジュン
【審査官】 中山 基志
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−300525(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B1/00−43/00
B29C65/00−65/82
H05B6/00−6/10;6/14−6/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1及び第2のスキンシートの一面に、メッシュ形態をなし、各メッシュがハニカムコアの各セルよりも細かい伝導体被加熱物を形成する段階;
前記第1及び第2のスキンシートをコンベヤーベルトを用いて加熱コイルが構成されたヒーティングゾーンに移送する段階;
前記加熱コイルに高周波電流を供給し、前記伝導体被加熱物を誘導加熱させることによって前記第1及び第2のスキンシートの界面を溶融させる段階;及び
前記第1及び第2のスキンシートの間に前記ハニカムコアを介在した状態でプレスした後で冷却する段階;を含むことを特徴とする高周波誘導加熱方法で融着されたサンドイッチ構造物の製造方法。
【請求項2】
前記伝導体被加熱物は、平面状に形成されていることを特徴とする請求項に記載の高周波誘導加熱方法で融着されたサンドイッチ構造物の製造方法。
【請求項3】
前記加熱コイルに高周波電流を供給する段階は、交流電源(AC)で27±kHz範囲の高周波電流を前記加熱コイルに供給する段階を含むことを特徴とする、請求項に記載の高周波誘導加熱方法で融着されたサンドイッチ構造物の製造方法。
【請求項4】
前記加熱コイルは、冷却水を内部に流すことができる銅材質のチューブで形成されることを特徴とする、請求項に記載の高周波誘導加熱方法で融着されたサンドイッチ構造物の製造方法。
【請求項5】
前記伝導体被加熱物は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、ステンレススチール(SUS)、又は炭素鋼(CS)のうち少なくとも一つの材質で形成されることを特徴とする、請求項に記載の高周波誘導加熱方法で融着されたサンドイッチ構造物の製造方法。
【請求項6】
前記ハニカムコアは、熱によって溶けるように熱可塑性樹脂で形成されることを特徴とする、請求項に記載の高周波誘導加熱方法で融着されたサンドイッチ構造物の製造方法。
【請求項7】
前記第1及び第2のスキンシートは、連続繊維で補強された熱可塑性プラスチック複合素材で形成されることを特徴とする、請求項に記載の高周波誘導加熱方法で融着されたサンドイッチ構造物の製造方法。
【請求項8】
前記プレスは、ゴムロールによって行われることを特徴とする、請求項に記載の高周波誘導加熱方法で融着されたサンドイッチ構造物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の各実施例は、サンドイッチ構造物に関し、より詳細には、高周波誘導加熱方法で融着されたサンドイッチ構造物及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、サンドイッチ構造物は、2つの薄くかつ強度の高いスキン(Skin)層と、比較的軽い材質を使用して蜂の巣などの形状に形成されたコア(Core)層と、これらを接着させるための接着層とを含んで構成されている。
【0003】
これらスキン層とコア層に使用される各材質の物性を見ると、スキン層の材質は、比較的剛性と強度に優れ、引張及び圧縮に強い応力を示すものでなければならなく、コア層の材質は、比較的柔軟でかつ規則的な蜂の巣などの形態からなり、せん断応力が強くかつ軽いものでなければならない。このような二つの層が接着剤で接着されて単一構造物をなす場合、スキン層のみからなるサンドイッチパネルよりも最大30倍以上の圧縮強度を有する。
【0004】
サンドイッチ構造物のコア層は、一般に蜂の巣構造をなすので、これをハニカム芯材又はハニカムコアともいう。一般に、ハニカムとは、本来は蜂の巣の形状を称するが、これに限定されることなく、格子状、波状、凸状又は凹状などを全て含む概念として使用される。サンドイッチ構造物にハニカムコアを使用すると、全体の重量が軽く、且つ圧縮強度に優れる。ハニカムコアを使用したサンドイッチ構造物は、1940年以降、航空機及び輸送用構造材料の一部として使用され始め、現在は、建築物の内装材、船舶や車両の内装材、隔壁材料、及びレジャー、スポーツ分野で軽量化のための構造物に広く使用されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の一実施例は、高周波誘導加熱を用いてスキンシートの界面を加熱した後、ハニカムコアの両面に前記スキンシートを接着させることによって、前記スキンシートの厚さ制約を受けないサンドイッチ構造物を製造できる、高周波誘導加熱方法で融着されたサンドイッチ構造物及びその製造方法を提供する。
【0006】
本発明の一実施例は、接着剤の代わりに高周波誘導加熱を用いてスキンシートとハニカムコアを融着させることによって、接着剤を用いた融着作業工程で発生する溶媒による作業有害性を予防できる、高周波誘導加熱方法で融着されたサンドイッチ構造物及びその製造方法を提供する。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、以上で言及した各課題に制限されることなく、言及していない他の課題は、下記の記載から当業者に明確に理解されるだろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施例に係る高周波誘導加熱方法で融着されたサンドイッチ構造物は、ハニカムコア(Honeycomb Core);前記ハニカムコアの両面に形成される第1及び第2のスキンシート(Skin Sheet);及び前記第1及び第2のスキンシートの一面に形成され、高周波誘導加熱によって前記第1及び第2のスキンシートの界面を溶融させ、前記ハニカムコアの両面に前記第1及び第2のスキンシートを接着させる伝導体被加熱物;を含む。
【0009】
前記第1及び第2のスキンシートは、コンベヤーベルトによって加熱コイルが構成されたヒーティングゾーン(Heating Zone)に移送され、前記加熱コイルと前記伝導体被加熱物との間の高周波誘導加熱作用を通して前記ハニカムコアと対向する界面が溶融され、前記ハニカムコアが中間に介在した状態でロールを通してプレスされた後、自然に冷却されることによって前記ハニカムコアに融着させることができる。
【0010】
前記加熱コイルは、冷却水を内部に流すことができる銅材質のチューブで形成することができる。
【0011】
前記加熱コイルは、前記高周波誘導加熱のために、交流電源(AC)から27±5kHzの高周波電流を受けることができる。
【0012】
前記伝導体被加熱物は、スチールメッシュ(Steel Mesh)形態に形成され、前記第1及び第2のスキンシートを製造するとき、前記第1及び第2のスキンシートの一面に固定することができる。
【0013】
前記伝導体被加熱物は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、ステンレススチール(SUS)、又は炭素鋼(CS)のうち少なくとも一つの材質で形成することができる。
【0014】
前記ハニカムコアは、熱によって溶けるように熱可塑性樹脂で形成することができる。
【0015】
前記第1及び第2のスキンシートは、連続繊維で補強された熱可塑性プラスチック複合素材で形成することができる。
【0016】
本発明の一実施例に係る高周波誘導加熱方法で融着されたサンドイッチ構造物の製造方法は、第1及び第2のスキンシートの一面に伝導体被加熱物を形成する段階;前記第1及び第2のスキンシートをコンベヤーベルトを用いて加熱コイルが構成されたヒーティングゾーンに移送する段階;前記加熱コイルに高周波電流を供給し、前記伝導体被加熱物を誘導加熱させることによって前記第1及び第2のスキンシートの界面を溶融させる段階;及び前記第1及び第2のスキンシートの間にハニカムコアを介在した状態でプレスした後で冷却する段階;を含む。
【0017】
前記伝導体被加熱物を形成する段階は、前記第1及び第2のスキンシートを製造するとき、前記第1及び第2のスキンシートの一面にスチールメッシュ形態に形成する段階を含む。
【0018】
前記加熱コイルに高周波電流を供給する段階は、交流電源(AC)で27±5kHz範囲の高周波電流を前記加熱コイルに供給する段階を含む。
【0019】
前記加熱コイルは、冷却水を内部に流すことができる銅材質のチューブで形成することができる。
【0020】
前記伝導体被加熱物は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、ステンレススチール(SUS)、又は炭素鋼(CS)のうち少なくとも一つの材質で形成することができる。
【0021】
前記ハニカムコアは、熱によって溶けるように熱可塑性樹脂で形成することができる。
【0022】
前記第1及び第2のスキンシートは、連続繊維で補強された熱可塑性プラスチック複合素材で形成することができる。
【0023】
前記プレスはゴムロールによって行うことができる。
【0024】
その他の各実施例の具体的な事項は、詳細な説明及び添付の各図面に含まれている。
【0025】
本発明の利点及び/又は特徴、そして、それらを達成する方法は、添付の図面と共に詳細に説明している各実施例を参照すれば明確になるだろう。しかし、本発明は、以下で開示する各実施例に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で具現可能である。ただし、本実施例は、本発明の開示を完全にし、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであって、本発明は、請求項の範疇によって定義されるものに過ぎない。明細書全体にわたる同一の参照符号は、同一の構成要素を示す。
【発明の効果】
【0026】
本発明の一実施例によると、高周波誘導加熱を用いてスキンシートの界面を加熱した後、ハニカムコアの両面に前記スキンシートを接着させることによって、前記スキンシートの厚さ制約を受けずにサンドイッチ構造物を製造することができる。
【0027】
本発明の一実施例によると、接着剤の代わりに高周波誘導加熱を用いてスキンシートとハニカムコアを融着させることによって、接着剤を用いた融着作業工程で発生する溶媒による作業有害性を予防することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の一実施例に係る高周波誘導加熱方法で融着されたサンドイッチ構造物の分離斜視図である。
図2】本発明の一実施例に係る高周波誘導加熱方法で融着されたサンドイッチ構造物の組立斜視図である。
図3】本発明の一実施例に係る高周波誘導加熱方法で融着されたサンドイッチ構造物の側断面図である。
図4】本発明の一実施例に係る高周波誘導加熱方法で融着されたサンドイッチ構造物の製造工程図である。
図5】本発明の一実施例に係る高周波誘導加熱方法で融着されたサンドイッチ構造物の製造方法を説明するために示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
ハニカム(Honeycomb)構造のコア(Core)を有するサンドイッチ構造物は、重量に対比して非常に優れた屈曲性能を発揮することができる。表1に示した構造解釈結果を通してそれぞれの影響を示した。
【0030】
【表1】
【0031】
構造解釈に使用された境界条件は、次の通りである。試片の大きさは180mm*90mm*12mmで、上板に加えられる荷重は1.0メガパスカル(MPa)で、180mm方向の両端が拘束された屈曲条件である。スキンシートは、両面に同一の厚さで適用され、サンドイッチ構造物の全体厚さは12mmに固定した。
【0032】
ハニカムコアの物性は、純粋ポリプロピレン(PP)の剛性である1GPaとロンググラスファイバー(Long Glass Fiber)で強化されたPPの剛性である5GPaをそれぞれ適用し、スキンシートには、ロンググラスファイバーで強化されたPPの剛性5GPaと連続状のガラス繊維で強化されたPPの剛性20GPaをそれぞれ適用した。勿論、ハニカムコアとスキンシートの剛性が高いほど変形量は少なくなり、スキンシートの厚さが厚いほど変形量は最小化され得ることが分かる。
【0033】
サンドイッチ構造物を製作する従来の方法の一つであるスキンシートを外部で加熱圧着して溶融接着する方法は、スキンシートの厚さが厚い場合、界面に十分な熱が伝達されないという限界点を有しており、界面接着力が均一でないか、欠陥部位を内包し得る。
【0034】
一方、接着剤を使用する方法は、このような厚さ問題に対する限界点を有さないが、必要以上の過度な接着剤塗布と作業工程での溶媒による作業有害性を有している。
【0035】
従って、本発明の一実施例では、このような限界点を克服するための方案として、高周波誘導加熱を用いてスキンシートの界面を加熱することによってスキンシートとハニカムコアを融着させ得るサンドイッチ構造物を提供する。
【0036】
より具体的に、本発明の一実施例では、スキンシートとハニカムコアとの間にスチールメッシュ(Steel Mesh)などの伝導体被加熱物を挿入又は固定し、高周波誘導加熱によってスチールメッシュを加熱することによって、スキンシートとハニカムコアを融着させることができる。
【0037】
高周波誘導加熱とは、冷却水を内部に流すことができる銅材質のチューブ(加熱コイル)を使用して被加熱物の周辺に螺旋状に巻いた後、加熱コイルに高周波電流(例えば、27kHz)を流すと、伝導体である被加熱物に誘導された電流によって熱が発生することを意味する。
【0038】
伝導体被加熱物は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、ステンレススチール(SUS)、炭素鋼(CS)などであり、より望ましくは、磁性に対する導磁性を有する材料であることが有利である。高周波誘導加熱は、ジュールヒーティング(Joule Heating)とマグネチックヒステリシス(Magnetic Hysteresis)によるエネルギー損失原理を基盤にする。
【0039】
本発明の一実施例では、高周波誘導加熱時に周波数が高いほど浸透深さが浅くなる表面効果を示すので、用途に応じて適切な周波数を選定する必要がある。本発明の一実施例では、高周波電流として27±5kHz範囲の周波数を選定することができる。
【0040】
本発明の一実施例によると、高周波誘導加熱を用いてスキンシートの界面を加熱することによって、スキンシートの厚さ制約を受けないサンドイッチ構造物を製造することができる。
【0041】
また、本発明の一実施例によると、接着剤の代わりに高周波誘導加熱を用いてスキンシートとハニカムコアを融着させることによって、接着剤を用いた融着作業工程で発生する溶媒による作業有害性を予防することができる。
【0042】
以下では、添付の図面を参照して本発明の各実施例を詳細に説明する。
【0043】
図1は、本発明の一実施例に係る高周波誘導加熱方法で融着されたサンドイッチ構造物の分離斜視図で、図2は、本発明の一実施例に係る高周波誘導加熱方法で融着されたサンドイッチ構造物の組立斜視図で、図3は、本発明の一実施例に係る高周波誘導加熱方法で融着されたサンドイッチ構造物の側断面図である。
【0044】
図1図3を参照すると、本発明の一実施例に係る高周波誘導加熱方法で融着されたサンドイッチ構造物100は、ハニカムコア110、第1及び第2のスキンシート120、130、及び伝導体被加熱物140を含む。
【0045】
前記ハニカムコア110は、六角形の蜂の巣形状の構造を有し、熱によって溶けるように熱可塑性樹脂(例えば、PPT)で形成することができる。
【0046】
前記ハニカムコア110は、外力を均等に配分させるため強度に非常に優れる。前記ハニカムコア110は、前記第1及び第2のスキンシート120、130によって各セルが密閉構造をなすようになり、外部からの圧力が加えられたとしても耐圧力が非常に高く、建築物の内装材として多く使用されている。特に、前記ハニカムコア110は、厚さを薄くしても十分な強度を有するので、多様な分野で使用されている。
【0047】
前記第1のスキンシート120は、連続繊維で補強された熱可塑性プラスチック複合素材で形成されるものであって、前記ハニカムコア110の上面に配置される。前記第1のスキンシート120は、一つ又はそれ以上形成できるが、その個数には制限がない。
【0048】
前記第2のスキンシート130は、前記第1のスキンシート120と同様に、連続繊維で補強された熱可塑性プラスチック複合素材で形成されるものであって、前記ハニカムコア110の下面に配置される。前記第2のスキンシート130は、一つ又はそれ以上形成できるが、その個数には制限がない。
【0049】
前記伝導体被加熱物140は、前記第1及び第2のスキンシート120、130の一面に形成される。具体的に、前記伝導体被加熱物140は、スチールメッシュ(Steel Mesh)形態に形成され、前記第1及び第2のスキンシート120、130を製造するとき、前記第1及び第2のスキンシート120、130の一面に固定される。前記スチールメッシュは、軟性破壊を促進し、完全破壊を遅延させ得る。
【0050】
前記伝導体被加熱物140は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、ステンレススチール(SUS)、炭素鋼(CS)などの材質で形成することができ、望ましくは、磁性に対する導磁性を有する材料で形成されることが有利である。
【0051】
前記伝導体被加熱物140は、高周波誘導加熱によって前記第1及び第2のスキンシート120、130の界面を溶融させることによって、前記ハニカムコア110の両面に前記第1及び第2のスキンシート120、130を接着させる。
【0052】
このために、まず、前記伝導体被加熱物140が形成された第1及び第2のスキンシート120、130をコンベヤーベルトを通してヒーティングゾーン(Heating Zone)に移送する。すると、前記伝導体被加熱物140は、前記ヒーティングゾーンに備えられた加熱コイルとの高周波誘導加熱作用を通して熱を発散するようになり、このような熱を通して前記第1及び第2のスキンシート120、130の界面を溶融させる。続いて、前記第1及び第2のスキンシート120、130の間に前記ハニカムコア110を介在させ、この状態でゴムロールを通してプレスした後、自然に冷却する。これによって、前記第1及び第2のスキンシート120、130は前記ハニカムコア110に融着される。
【0053】
ここで、前記加熱コイルは、冷却水を内部に流すことができる銅材質のチューブで形成することができる。また、前記加熱コイルは、前記高周波誘導加熱のために、交流電源(AC)から高周波電流(例えば、27kHz)を受ける。
【0054】
図4は、本発明の一実施例に係る高周波誘導加熱方法で融着されたサンドイッチ構造物の製造工程図で、図5は、本発明の一実施例に係る高周波誘導加熱方法で融着されたサンドイッチ構造物の製造方法を説明するために示したフローチャートである。
【0055】
図4及び図5を参照すると、段階(510)では、スキンシート410の一面に伝導体被加熱物420を形成する。ここで、前記伝導体被加熱物420は、前記スキンシート410を製造するとき、前記スキンシート410の一面にスチールメッシュ(Steel Mesh)形態に形成することができる。
【0056】
次に、段階(520)では、前記スキンシート410をコンベヤーベルトを用いて加熱コイル432が構成されたヒーティングゾーン430に移送する。
【0057】
次に、段階(530)では、交流電源434を通して前記加熱コイル432に高周波電流(例えば、27kHz)を供給し、前記伝導体被加熱物420を誘導加熱させることによって前記スキンシート410の界面を溶融させる。
【0058】
次に、段階(540)では、前記スキンシート410を2個設けた後、その間にハニカムコア440を介在してサンドイッチ構造物400を製造する。
【0059】
次に、段階(550)では、前記サンドイッチ構造物400をゴムロール450を用いてプレスした後、冷却器460で自然に冷却する。
【0060】
このように、本発明の一実施例では、高周波誘導加熱を用いてスキンシートの界面を加熱した後、ハニカムコアの両面に前記スキンシートを接着させることによって、前記スキンシートの厚さ制約を受けないサンドイッチ構造物を製造することができる。
【0061】
また、本発明の一実施例では、接着剤の代わりに高周波誘導加熱を用いてスキンシートとハニカムコアを融着させることによって、接着剤を用いた融着作業工程で発生する溶媒による作業有害性を予防することができる。
【0062】
以上では、本発明に係る具体的な実施例に関して説明したが、本発明の範囲から逸脱しない限度内で多様な変形が可能であることは当然である。従って、本発明の範囲は、上述した実施例に限定して定めてはならなく、後述する特許請求の範囲のみならず、この特許請求の範囲と均等なものによって定めなければならない。
【0063】
以上のように、本発明は、限定された実施例と図面によって説明したが、前記実施例に限定されるものではなく、本発明の属する分野で通常の知識を有する者であれば、このような記載から多様な修正及び変形が可能である。従って、本発明の思想は、下記の特許請求の範囲によってのみ把握しなければならなく、その均等又は等価的変形は、いずれも本発明の思想の範疇に属するものと言える。
図1
図2
図3
図4
図5