特許第5932818号(P5932818)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5932818
(24)【登録日】2016年5月13日
(45)【発行日】2016年6月8日
(54)【発明の名称】包装に関するシステム、方法および用具
(51)【国際特許分類】
   B65D 71/08 20060101AFI20160526BHJP
   B65D 77/04 20060101ALI20160526BHJP
【FI】
   B65D71/08
   B65D77/04 F
【請求項の数】39
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-537737(P2013-537737)
(86)(22)【出願日】2011年10月31日
(65)【公表番号】特表2014-500831(P2014-500831A)
(43)【公表日】2014年1月16日
(86)【国際出願番号】US2011058507
(87)【国際公開番号】WO2012061263
(87)【国際公開日】20120510
【審査請求日】2014年10月28日
(31)【優先権主張番号】13/279,758
(32)【優先日】2011年10月24日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/410,135
(32)【優先日】2010年11月4日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】308036619
【氏名又は名称】ジョージア パシフィック コンスーマー プロダクツ エルピー
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ムーア グレゴリー ディー
(72)【発明者】
【氏名】メクリー トレーシー エル
(72)【発明者】
【氏名】ドワイヤー マイケル エス
【審査官】 二ッ谷 裕子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−132376(JP,A)
【文献】 特表昭56−500804(JP,A)
【文献】 国際公開第99/038784(WO,A1)
【文献】 特開2004−231348(JP,A)
【文献】 特開昭53−097587(JP,A)
【文献】 米国特許第06021890(US,A)
【文献】 特表平08−508455(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 67/00 − 79/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品群を包装する方法において、
縦軸線を有するロール状シート製品を含む第一の製品群をカバーで包むステップであって、前記カバーが前記第一の製品群を完全に覆い包んで、第一の全体的に包まれた製品群を形成する、ステップと、
縦軸線を有するロール状シート製品を含む第二の製品群をカバーで包むステップであって、前記カバーが前記第二の製品群を完全に覆い包んで、第二の全体的に包まれた製品群を形成する、ステップと、
前記第一の包まれた製品群を前記第二の包まれた製品群に隣接するように並べるステップであって、1つの製品集合体が形成される、ステップと、
前記第一の包まれた製品群および前記第二の包まれた製品群の周囲の周方向に単一の結束材で前記製品集合体を結束して結束された製品集合体を形成するステップであって、前記単一の結束材は、(i)当該単一の結束材の全長に沿って前記第一の製品群または前記第二の製品群のいずれかの高さよりも小さい幅を有し、(ii)周方向に延びる当該単一の結束材の全長に沿った縁辺によって前記ロール状シート製品の前記縦軸線に対して実質的に直交する平面を規定し、(iii)前記製品集合体を前記単一の結束材で結束する前に、少なくとも1つの図画が印刷される、ステップと、
前記結束された製品集合体を包み材で包み包まれた結束された製品集合体を形成するステップであって、(i)前記包み材が前記製品集合体と前記結束された製品集合体の前記単一の結束材とを完全に覆い包み、(ii)前記包み材が前記単一の結束材に直接接触するように包み、前記包まれた結束された製品集合体は、前記第一の包まれた製品群、第二の包まれた製品群、前記単一の結束材、および前記包み材のみを含むステップと、
前記包み材を加熱して、前記包まれた結束された製品集合体の周囲で前記包み材を収縮させるステップであって、前記包み材の加熱は、前記包み材を収縮させる一方で、前記単一の結束材を収縮または変形させず、前記単一の結束材上の前記少なくとも1つの図画が形成されたままの状態で残って前記包み材を通して見ることができるように行われる、ステップと、を含み、
前記第一の製品群の前記カバーと、前記第二の製品群の前記カバーと、前記結束材と、前記包み材とが、それぞれプラスチック材料からなる、ことを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、前記第一の製品群と前記第二の製品群の各々のための前記カバーが保護用包み材であることを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法において、前記結束材が、弾性を有するプラスチック材料であることを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法において、前記結束材が前記製品集合体に圧縮力をかけて、前記製品集合体を結束することを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法において、前記結束材が、少なくとも(i)一部が透明、(ii)一部が半透明、および(iii)一部が不透明のうちの1つであることを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法において、前記結束材上の前記少なくとも1つの図画が、(i)図画表示、および(ii)文字表示のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法において、前記結束材が、(i)1本の素材細長片、および(ii)複数の素材細長片のうちの1つから形成されることを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法において、前記結束材の端を互いに連結するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法において、前記結束材の前記端が、(i)溶接、および(ii)プラスチック加熱のうちの1つにより連結されることを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項8に記載の方法において、前記結束材が、前記端を連結する際に、目に見えるほどには変形されないことを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項に記載の方法において、前記結束材上の前記少なくとも1つの図画が、(i)図画表示、(ii)文字表示、および(iii)不透明領域のうちの少なくとも1つを含み、図画表示、文字表示、不透明領域のうちの前記の少なくとも1つが、前記端を連結する際に変形されないことを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項1に記載の方法において、前記包み材が、少なくとも(i)一部が透明、(ii)一部が半透明、および(iii)一部が不透明のうちの1つであることを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項1に記載の方法において、前記包み材が、(i)図画表示、および(ii)文字表示のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項1に記載の方法において、前記包み材が穴を含むことを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項1に記載の方法において、前記包み材が管の形状のプラスチック材料であることを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項に記載の方法において、前記ロール状シート製品を各製品群の中で一列に配列するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項に記載の方法において、前記ロール状シート製品を各製品群の中で端を合わせて積み重ねるステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法において、前記積み重ねられたロール状シート製品を各製品群の中で一列に配列するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項19】
請求項1に記載の方法において、前記第一の製品群の前記カバーと前記第二製品群の前記カバーの各々が、少なくとも(i)一部が透明、(ii)一部が半透明、および(iii)一部が不透明のうちの1つであることを特徴とする方法。
【請求項20】
請求項1に記載の方法において、前記第一の製品群の前記カバーと前記第二製品群の前記カバーの各々が、(i)図画表示、および(ii)文字表示のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする方法。
【請求項21】
製品群のパッケージにおいて、
縦軸線を有するロール状シート製品を含む第一の製品群を含み、カバーで完全に覆い包まれた、第一の全体的に包まれた製品群と、
縦軸線を有するロール状シート製品を含む第二の製品群を含み、(i)カバーで完全に覆い包まれており(ii)前記第一の包まれた製品群に隣接するように配置されている、第二の全体的に包まれた製品群と、
前記第一の包まれた製品群と前記第二の包まれた製品群の周囲に周方向に沿って配置され、結束された製品集合体を形成する単一の結束材であって、当該単一の結束材は、(i)当該単一の結束材の全長に沿って前記第一の製品群または前記第二の製品群のいずれかの高さよりも小さい幅を有し、(ii)周方向に延びる当該単一の結束材の全長に沿った縁辺によって前記ロール状シート製品の前記縦軸線に対して実質的に直交する平面を規定しており、(iii)少なくとも1つの図画が印刷されている単一の結束材と、
前記単一の結束材と、前記結束された製品集合体の前記第一の包まれた製品群と、前記第二の包まれた製品群とを、前記包み材が前記単一の結束材に直接接触するように完全に覆い包んで、包まれた結束された製品集合体を形成している、収縮可能な包み材と、を含み、
前記第一の製品群の前記カバーと、前記第二の製品群の前記カバーと、前記結束材と、前記包み材とが、それぞれプラスチック材料からなり、
前記包まれた結束された製品集合体は、前記第一の包まれた製品群、前記第二の包まれた製品群、前記単一の結束材、および前記包み材のみを含み、
前記包み材は、前記単一の結束材を収縮または変形させておらず、前記単一の結束材上の前記少なくとも1つの図画が形成されたまま状態で残り、当該包み材を通して見ることができるように収縮している、ことを特徴とするパッケージ。
【請求項22】
請求項21に記載のパッケージにおいて、前記第一の製品群と前記第二の製品群の各々の前記カバーが保護用包み材であることを特徴とするパッケージ。
【請求項23】
請求項21に記載のパッケージにおいて、前記結束材が弾性を有するプラスチック材料であることを特徴とするパッケージ。
【請求項24】
請求項21に記載のパッケージにおいて、前記結束材が前記製品集合体に圧縮力をかけていることを特徴とするパッケージ。
【請求項25】
請求項21に記載のパッケージにおいて、前記結束材が、少なくとも(i)一部が透明、(ii)一部が半透明、および(iii)一部が不透明のうちの1つであることを特徴とするパッケージ。
【請求項26】
請求項21に記載のパッケージにおいて、前記結束材上の前記少なくとも1つの図画が、(i)図画表示、および(ii)文字表示のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とするパッケージ。
【請求項27】
請求項21に記載の製品群のパッケージにおいて、前記結束材が、(i)1本の素材細長片、および(ii)複数の素材細長片のうちの1つから形成されることを特徴とするパッケージ。
【請求項28】
請求項21に記載のパッケージにおいて、前記結束材の端が、(i)溶接、および(ii)プラスチック加熱の1つによって連結されることを特徴とするパッケージ。
【請求項29】
請求項28に記載のパッケージにおいて、前記結束材の前記端、目に見えるほどには変形されていないことを特徴とするパッケージ。
【請求項30】
請求項21に記載のパッケージにおいて、
前記結束材上の前記少なくとも1つの図画が、(i)図画表示、(ii)文字表示、および(iii)不透明領域のうちの少なくとも1つを含み、前記図画表示、文字表示、不透明領域のうちの前記少なくとも1つが変形されていないことを特徴とするパッケージ。
【請求項31】
請求項21に記載のパッケージにおいて、前記包み材が、少なくとも(i)一部が透明、(ii)一部が半透明、および(iii)部分的に不透明のうちの1つであることを特徴とするパッケージ。
【請求項32】
請求項21に記載のパッケージにおいて、前記包み材が、(i)図画表示、および(ii)文字表示のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とするパッケージ。
【請求項33】
請求項21に記載のパッケージにおいて、前記包み材が穴を含むことを特徴とするパッケージ。
【請求項34】
請求項21に記載のパッケージにおいて、前記包み材が管の形状のプラスチック材料であることを特徴とするパッケージ。
【請求項35】
請求項21に記載のパッケージにおいて、前記ロール状シート製品が各製品群の中で一列に整列されることを特徴とするパッケージ。
【請求項36】
請求項21に記載のパッケージにおいて、前記ロール状シート製品が各製品群の中で端を合わせて積み重ねられることを特徴とするパッケージ。
【請求項37】
請求項36に記載のパッケージにおいて、前記積み重ねられたロール状シート製品が各製品群の中で一列に配列されることを特徴とするパッケージ。
【請求項38】
請求項21に記載のパッケージにおいて、前記第一の製品群の前記カバーと前記第二製品群の前記カバーの各々が、少なくとも(i)一部が透明、(ii)一部が半透明、および(iii)一部が不透明のうちの1つであることを特徴とするパッケージ。
【請求項39】
請求項21に記載のパッケージにおいて、前記第一の製品群の前記カバーと前記第二製品群の前記カバーの各々が、(i)図画表示、および(ii)文字表示のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とするパッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願で開示される主旨は、商品の包装に関する。
【背景技術】
【0002】
この特許本出願は、2010年11月4日に出願された本願と同じ題名の米国特許仮出願第61/410,135号に基づく。本願は米国特許仮出願第61/410,135号の優先権を主張し、その開示を参照によって本願に援用する。
【0003】
従来の包装方法は、段ボール箱や容器を使って消費財を包装するステップを含んでいた。例えば、複数の消費財を小売店に出荷し、在庫として保管するために、段ボール原紙から作製される段ボール容器で包装してもよい。この容器は、貴重な材料、エネルギ、および人的資源を消費する。使用時に、消費財は棚に並べられ、出荷に使用された容器は廃棄されるか、リサイクルされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第4289236号明細書
【特許文献2】米国特許第4971197号明細書
【特許文献3】米国特許第5685428号明細書
【特許文献4】米国特許第5976113号明細書
【特許文献5】欧州特許出願公開第1405802号明細書
【特許文献6】国際公開第2006/050748号
【特許文献7】米国特許出願公開第2007/0084741号明細書
【特許文献8】米国特許第7311199号明細書
【特許文献9】国際公開第2009/013165号
【特許文献10】米国特許出願公開第2009/0145792号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
段ボール容器の使用を削減する包装方法と用具が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1つの態様において、製品の包装方法は、第一の製品を第二の製品に隣接するように並べて1つの集合体を構成するステップと、第一の製品と第二の製品の周囲に結束材を形成するステップと、保護用包み材であって、結束材と第一の製品と第二の製品を少なくとも部分的に覆い包む保護用包み材を形成するステップと、を含む。
【0007】
本発明の他の態様において、包装システムは、第一の製品と第二の製品と、第一の製品と第二の製品の周囲に配置された結束材であって、第一の製品が第二の製品に隣接するように配置されている結束材と、収縮可能な保護用包み材であって、結束材と第一の製品と第二の製品を少なくとも部分的に覆い包む保護用包み材と、を含む。
【0008】
本発明のまた別の態様において、シート製品と包装材の集合体は、ロール状シート製品第一の組であって、少なくとも2つのロール状シート製品を含む第一の組と、ロール状シート製品の第二の組であって、少なくとも2つのロール状シート製品を含む第二の組と、第一の組と第二の組の周囲に設置された結束材と、保護用包み材であって、結束材と第一の組と第二の組を少なくとも部分的に覆い包む保護用包み材と、を含む。
【0009】
上記およびその他の利点と特徴は、図面を参照しながら以下の説明を読むことによって、より明らかとなるであろう。
【0010】
発明とみなされる主旨は特に、明細書の末尾にある特許請求の範囲において具体的に明示され、明確に請求されている。本発明の上記およびその他の特徴と利点は、添付の図面を参照しながら以下の詳細な説明を読むことによって明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】ロール状シート製品の一例を示す図である。
図2】複数のロール状シート製品の他の例を示す図である。
図3】保護カバーで包まれたロールの一例を示す図である。
図4】個別に保護カバーで包まれた複数のロールの一例を示す図である。
図5】複数のロールのある集合体を示す図である。
図6】複数のロールの別の集合体を示す図である。
図7】結束材により結束された複数のロールの集合体のある例示的実施形態を示す図である。
図8A】包み材で包まれている、図7の複数のロールの集合体のある例示的実施形態を示す図である。
図8B】包み材で包まれている、図7の複数のロールの集合体の他の例示的実施形態を示す図である。
図9】複数のロールの他の集合体を示す図である。
図10】複数の製品の集合体の他の例示的実施形態を示す図である。
図11A】複数のロールの集合体の他の例示的実施形態を示す図である。
図11B】複数のロールの集合体のまた別の例示的実施形態を示す図である。
図12】複数の板状製品の集合体のある例示的実施形態を示す図である。
図13】複数の板状製品の集合体の他の例示的実施形態を示す図である。
図14】複数のシート状製品の集合体の他の例示的実施形態を示す図である。
図15】複数の製品を包装する1つの例示的方法のブロック図である。
図16】複数の製品を包装する他の例示的方法のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
詳細な説明では、例として図面を参照しながら、本発明の実施形態を利点および特徴とともに説明する。
【0013】
従来の包装方法は、例えば段ボール箱または出荷用カートン等の出荷容器の中に複数の製品を収めるステップを含んでいた。出荷容器は、材料とエネルギ資源を消費するものであった。以下に説明する例示的な方法と用具は、複数の製品を、出荷用のカートンやボール箱を使用せずに出荷、保管できるようにする実施形態を含む。
【0014】
本明細書において、「シート製品」とは、天然または人工の布または紙のシートを含む。シート製品には、織布品と不織布品の両方が含まれていてよい。不織布の加工方法はさまざまであり、これらは湿式か乾式のいずれかでありうる。一部の例としては、水路絡合(スパンレースとも呼ばれる)、DRC(ダブルリクレープ)、空気積層、スパンボンド、カード式、ペーパータオルおよびメルトブローンシート製品等がある。さらに、シート製品には、木材パルプ繊維等の天然由来であってもよい繊維素繊維材料のほか、水酸基が高分子主鎖に付加されていることを特徴とするその他の繊維材料が含まれていてよい。その中には、水酸基で改質されたグラスファイバおよび合成繊維が含まれる。シート製品の例としては、布巾、ナプキン、ティッシュ、ロール紙、タオルまたは、その他の繊維性、フィルム状、高分子または糸状製品があるが、これらに限定されない。
【0015】
一般に、シート製品は、その長さと幅に比べて厚みが薄く、比較的平らで平坦な形状を有し、柔軟であって、折り畳み、巻取り、積層等が可能である。シート製品は、その幅を横切る線状に延びるミシン目を有していてもよく、これによって個々のシートを分離し、ロールまたは折り畳まれた状態から離散間隔でシートを1枚ずつ切り離し、または破り取りやすくなる。個々のシートは、そのシート製品を多目的に使用できるように所望の大きさとすることができる。例えば、ミシン目の線は、13インチ(約33センチ)ごとに、またはその他の所定の間隔で設けて、普遍的な大きさのシートが画定されるようにしてもよい。複数のミシン目の線を設けて、使用者が各用途に応じてシートの大きさを選択できるようにしてもよい。
【0016】
図1は、1つのロール状シート製品(ロール)100の一例を示す。ロール状シート製品100は、ロール100の中央に円筒形の芯を有していてよいが、他の実施形態では円筒形の芯がなくてもよい。図2は、ロール状シート製品200の他の例を示す。ロール200は、ロール100より円筒の高さが短く、端を合わせて積み上げて配列されている。
【0017】
図3は、保護カバー302で包まれている、(図1の)ロール100の一例を示す。保護カバー302は、ロール100を覆い包む。保護カバー302は適切な材料で形成してもよく、例えばプラスチックまたは繊維のシート製品であってもよい。保護カバー302は、透明でも、半透明でも、不透明でもよく、保護カバー302の表面に図画や文字が印刷されていてもよい。図4は、個々に保護カバー402により包まれている、(図2の)ロール200の一例を示す。保護カバー402は、上述の(図3の)保護カバー302と同様である。
【0018】
図5は、複数の(図1の)ロール100の集合体を示す。これに関して、3つのロール100が一列に配列され、保護カバー502で一体に包装されている。図の実施形態において、保護カバー502は、例えばプラスチックまたは繊維のシート製品材料で作製されていてもよく、これらは透明でも、半透明でも、不透明でもよい。他の実施形態において、(図3の)保護カバー302を含むロール100の集合体を包んだ形態を、図5に示される実施形態の中に取り入れ、各ロール100が個々に保護カバー302で包まれるようにしてもよい。その後、包まれたロール100を一列に配列し、続いて、保護カバー502で包んでもよい。
【0019】
図6は、端を合わせて積み重ねられ、図5のロール100と同様の方法で一列に配列された複数の(図2の)ロール200の集合体を示す。図に示されている複数のロール200の集合体は、(図5の)保護カバー502と同様の保護カバー602で包まれている。他の実施形態では、ロール200は、個々に(図4の)保護カバー402で包まれた後に、ロール200が保護カバー602で包まれてもよい。
【0020】
図7は、結束材702によって結束されている、複数のロール100の集合体の例示的実施形態を示す。図の実施形態において、ロール100は、上述の図5のロール100と同様の方法で配列され、包まれている。それゆえ、ロール100は3つのロールを1組として一列に配列され、包まれている。ロール100の組が5組配列されて、結束材702により結束されている。結束材702は、例えばプラスチック材料で形成されてもよく、これは弾性を有していてもよい。結束材702は、ロール100の集合体に圧縮力をかけ、ロール100を図の配列で結束する。図の実施形態において、ロール100の縦軸線の一例が線707によって示されており、結束材702の縁辺が線709と711により示される平面を規定する。結束材702はロール100の周囲に周方向に配置され、それによって線709と711により規定される平面はロール100の縦軸(線707で示される)に対して実質的に直交して配置される。図の実施形態において、結束材702は、互いに反対側に位置する継ぎ目701で接続された2枚の長方形の素材細長片703と705から形成される(継ぎ目701は、図7では一方の継ぎ目だけが示され、もう一方の継ぎ目は、ロールの集合体の反対側にあり、隠れている。)。2枚の素材細長片703,705は、例えば、これらに限定されないが、プラスチック加熱、溶接、接合工程を使って互いに接続される。他の実施形態では、結束材702は、反対側の端が1つの継ぎ目701で接続された1枚の細長片から形成されてもよい。結束材702を形成する素材には、結束材702を形成する前に、例えば領域704において図画または文字の表示が印刷されてもよい。素材細長片703と705を接続するために用いられる工程は、結束材702を目に見えるほどには変形させることなく(いくつかの実施形態においては、継ぎ目701付近の領域を除く)、継ぎ目701を形成するように動作可能である。それゆえ、接続工程によって、図画、不透明領域または文字による表示が含まれていてもよい領域704が変形することがない。工程はまた、細長片703と705の向きにインデックスを付けてもよく、それによって、大量生産の中で後続の結束材702が形成される際に、領域704の配置が均一に保たれる。図の実施形態には、3つのロール100の組が5組示されているが、他の集合体では、例えば3つのロール100の組が何組含まれていてもよく、または、任意の数のロール100からなるロールの組が何組含まれていてもよい。図の実施形態の領域704の大きさと形状は、例示のために示されている。領域704は、どのような形状または大きさでもよく、例えば結束材702の一部または全領域を覆うものが含まれる。
【0021】
図8Aは、包み材802により包まれている、上記の図7に示される複数のロール100の集合体の例示的実施形態を示す。包み材802は、ロール100と結束材702を覆い包む。包み材802はプラスチック材料で形成され、包み材802をロール100と結束材702の周囲で収縮させるように加熱してもよい。包み材802は、例えば管状のプラスチック材料で形成されてもよく、これはロール100と結束材702の周囲に配置される。包み材802は透明でも半透明でもよく、包み材802の表面に印刷された図画や文字の表示があってもなくてもよい。加熱工程を使って包み材802を収縮させる場合、この加熱工程は、結束材702を目に見えるほどには収縮または変形させずに、包み材802を収縮させる。それゆえ、結束材702の表面の図画と文字の表示は形成されたままの状態で残り、透明な包み材802を通して読み取ること、見ることができる。図の実施形態の包み材802を収縮させることによって、穴804が形成され、そこから結束材702の一部が露出してもよい。図の実施形態では1つの穴804が示されているが、この集合体の反対側に別の穴804が形成されてもよい(図8Aでは見えない)。穴804は、(包み材802を収縮させるための)加熱工程から発生する熱を消散させるのに役立つ。穴804を通じて熱を消散させることにより、包み材802の収縮中に結束材702が不要に変形する可能性が低くなる。図の実施形態は、1本のミシン目の線801を有し、これは、使用者が例えば切断道具を使用せずに手で包み材802を取り除くことができるように形成されてもよい。図の実施形態ではミシン目の線801が穴804と交差しているが、他の実施形態では、ミシン目の線801がいずれかの適切な方法で配置されてもよい。
【0022】
包み材802は、例えば包装された製品をより扱いやすくするために、所望の摩擦特性を有する材料で形成してもよい。これに関して、包まれた製品は、例えばベルト、シュート、ローラ等、各種の自動化または半自動化システムで取り扱うことができる。複数の包装済み製品を1つにまとめて、グリップタイプのリフト装置を使って搬送してもよい。包み材802の表面に設計パラメータに適合する摩擦係数を持たせて、例えば駆動ローラによってパッケージを移動させることができるように、または揚昇機で複数のパッケージを把持する際に、パッケージ同士が、より摩擦係数の低い包み材802の場合より滑りにくくなるようにすることが望ましい。
【0023】
図8Bは、ロール100の集合体の他の例示的実施形態を示す。これに関して、ロール100は、配列されて、結束材702によって結束されている。結束されたロール100は剛体または半剛体のシートまたはパッド806の上に設置され、これは例えば段ボール材料であってもよい。包み材802は、ロール100と結束材702とパッド806の周囲に、上述したものと同様の方法で形成される。パッド806またはこれと同様の手段は、上記の実施形態のいずれに含めてもよい。
【0024】
図9は、図8Aに示される複数のロールの集合体と同様の複数のロール200の集合体を示す。これに関して、ロール200は、図6に示されているように、端を合わせて積み重ねられて、まとめられ、保護カバー602で包まれている。ロール200は、図のようにまとめられ、結束材702により結束され、包み材802で包装される。
【0025】
図10は、複数の製品1001の集合体の例示的実施形態を示し、これらは四角柱の形状であり、上述のものと同様の方法で、結束材720により結束され、包み材802で包まれている。図面で紹介した実施形態は、円筒形または四角柱の製品を含んでいるが、上述の方法と実施形態は、さまざまな形状の製品に利用できる。ある実施形態において、各製品1001は、結束材702が製品1001の集合体の外面を覆い包み、集合体をしっかりと保持するような向きとされた、ペーパーナプキンの束である。
【0026】
図11Aは、図3で上述したように保護カバー302で個々に包まれている複数のロール100の集合体のある例示的実施形態を示す。ロール100は、列1101a〜1101dとして配列されている。列1101aと1101bは結束材702aで結束され、列1101cと1101dは結束材702bで結束されている。結束された製品は相互に隣接するように配列され、上述のものと同様の方法で包み材802により包まれている。
【0027】
図11Bは、図3で上述したように保護カバー302で個々に包まれている複数のロール100の集合体のある例示的実施形態を示す。ロール100は、図11Aで上述したものと同様の方法で列状に配列され、結束材702aと702bによって結束されている。結束材702bにより結束された列が、結束材702aによって結束された列の上に積み重ねられている。積み重ねられたロールは、上述したものと同様の方法で包み材802により包まれている。
【0028】
図12は、複数の食器1202の集合体のある例示的実施形態を示す。食器1202は、例えば紙、プラスチック、発泡体、またはその他の材料を平皿、椀、大皿、トレイまたはその他の種類の食器に成形したものであってもよい。食器1202はまとめて包装され、保護カバー1203により包まれている。(図7の)結束材702と同様の結束材1204により、食器1202の集合体が結束されている。食器1202の集合体と結束材1204は、上述したものと同様の方法で包み材802により包まれている。
【0029】
図13は、複数の食器1202の集合体の他の例示的実施形態を示す。食器1202は、2列に配置されている。結束材1204により、食器1202の集合体が結束されている。食器1202の集合体と結束材1204が、上述したものと同様の方法で、包み材802によって包まれている。
【0030】
図14は、複数のシート製品の集合体のある例示的実施形態を示し、これは、例えば紙またはプラスチックの保護カバー1402で包装されて、四角柱の製品パッケージ1404の状態とされた紙の束であってもよい。パッケージ1404は、2つの山1403aと1403bに配列されて、上述したものと同様の方法で結束材702により結束され、包み材802により包まれている。
【0031】
図15は、例えば上述のロール100および200と同様のロール状シート製品等の製品を包装する、ある例示的方法のブロック図を示す。これに関して、ブロック1502で、少なくとも2つの製品が1組に配列される。ブロック1504で、(図7の)結束材702と同様の結束材がその組の周囲に形成される。ブロック1506で、(図8Aの)包み材802と同様の包み材が、結束された組の周囲に形成される。保護カバーの形成には、例えば、保護カバーを加熱して保護カバーの表面積を縮小させ(すなわち、シュリンクラップ工程を通じて保護カバーを収縮させ)、線801と同様のミシン目の線を設けるステップが含まれていてもよい。
【0032】
図16は、例えば上述のロール100および200と同様のロール状シート製品等の製品を包装する、他の例示的方法のブロック図を示す。これに関して、ブロック1602で、各製品群が保護カバーで包まれる。製品群は、例えば保護カバー302で包まれた(図3の)個別のロール等の1つまたは複数の製品であっても、または、保護カバー502で包まれた複数のロール100からなる図5の集合体と同等の複数のロールの集合体であってもよい。ブロック1604で、包まれた少なくとも2つの製品群が1組に配列される。ブロック1606で、(図7の)結束材702と同様の結束材がその組の周囲に形成される。ブロック1608で、第二の保護カバー(図8Aの包み材802と同様)が結束された組の周囲に形成される。第二の保護カバーの形成には、例えば、第二の保護カバーを加熱して第二の保護カバーの表面積を縮小させ(すなわち、第二の保護カバーを収縮させ)、(図8Aの)線801と同様のミシン目の線を設けるステップが含まれていてもよい。
【0033】
上記の実施形態には、各種の包装された製品が含まれているが、各種の他の製品も、上述したものと同様の方法で包装することができる。例えば、食品缶詰および、異なる形状や特徴のその他の種類の製品も上述のように包装できる。
【0034】
本発明を、限られた数の実施形態のみに関連して詳しく説明したが、当然のことながら、本発明は開示されたこれらの実施形態に限定されない。むしろ、本発明は、上で説明されていないが本発明の主旨と範囲と同等の、さまざまな変更、改良、代替、または同等の集合体が組み込まれるように改変することができる。さらに、本発明の各種の実施形態を説明したが、本発明の態様は上述の実施形態のうちの一部のみを含んでいてもよいと理解するべきである。したがって、本発明は、上記の説明によって限定されるとはみなされず、付属の特許請求の範囲によってのみ限定される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11A
図11B
図12
図13
図14
図15
図16