【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、ある形状を画定する要素が貼付された吸収性製品を製造する方法が提供され、この方法は、第1の平坦材料パーツおよび第2の平坦材料パーツを用意するステップであって、第1のパーツおよび第2のパーツが平面図において見た場合に屈曲部を画定する、ステップと、第1のパーツおよび第2のパーツが貼付された吸収性製品を形成するステップであって、パーツ同士が要素の形状を共に画定するように一体的に配置される、ステップとを含む。
【0009】
これにより、複雑な形状が、屈曲部を画定する第1のパーツおよび第2のパーツへと分解され得るため、材料の節減が可能となる。かかるパーツは、複雑な形状に比べて、材料ウェブからの切断がより行いやすいものとなり得る。したがって、単一パーツから複雑な形状を作製する方法に比べて、不要部分のトリミングを削減することが可能となる。
【0010】
この形状は、第1のパーツおよび第2のパーツが実質的に接触状態にある交差領域と、交差領域または交点から離れる方向に延在する少なくとも1つのアーム、好ましくは複数のアームとを有し得る。かかる形状の例は、X字形状およびY字形状であり、これらの形状は、交点から離れる方向に延在する4つのアームおよび3つのアームをそれぞれ有する。かかる形状を形成するためには、第1のパーツおよび第2のパーツの屈曲部の外側縁部同士が、実質的に接触状態になされ得る。代替的には、この形状は、空間を囲むものであってもよい。かかる形状の例は、2次元ダイヤモンド形状などの、2次元4辺多角形である。この例においては、この形状は、第1のパーツおよび第2のパーツの屈曲部の内側縁部同士を相互に対面させ、外側縁部同士を相互から離れる方向に向けることにより形成され得る。第1のパーツおよび第2のパーツの内側縁部は、空間包囲が実質的に連続的なものとなるのに十分なように互いに近づけられる。
【0011】
上述のX字形状、Y字形状、および2次元4辺多角形形状は、いずれも、吸収性製品用の補剛要素または留め要素の形成において適用性を有するとみなされる。対象となる他の形状は、Y字形状のように3つのアームを有する、m字形状またはT字形状である。
【0012】
第1のパーツおよび第2のパーツが一体的に配置されるか否かに関して考慮した場合に、これらのパーツは、実質的に接触状態に置かれるべきである。しかし、生産精度は、第1のパーツおよび第2のパーツが実質的に接触状態となる場合の最大隙間が、約2mmであり、しかしおそらく最大で5mmまでに及ぶものとなることを意味し得る。
【0013】
好ましくは、第1のパーツおよび第2のパーツの屈曲部の外側縁部同士は、実質的に接触状態になされる。代替的には、第1のパーツおよび第2のパーツの屈曲部の内側縁部同士は、空間を囲むように対面関係になされる。また、第1のパーツおよび第2のパーツの屈曲部の内側縁部同士は、対象となる形状を画定するように実質的に接触状態になされ得る。
【0014】
用意するステップは、少なくとも1つ材料ウェブ、好ましくは第1の材料ウェブから、第1の材料パーツおよび第2の材料パーツを切断するステップを含んでもよい。第1の材料ウェブから第1の材料パーツおよび第2の材料パーツを切断する際には、第1の材料パーツおよび第2の材料パーツの屈曲部同士は、同一方向に向くように切断され、次いで、吸収性製品に対して貼付される際の構成では、屈曲部同士が相互に逆方向に向くように相互に対して回転され得る。
【0015】
回転されることにより背合わせ時の形状を形成する屈曲材料パーツは、屈曲部同士が背腹合わせにされた場合には、相互に対してぴったりと組み合うことが可能である。したがって、屈曲パーツ同士が同一方向に向いている際にウェブから屈曲パーツを切断することにより、これらのパーツは、相対的にぴったりと組み合うような構成となる。すなわち、屈曲部は、切断されつつある際には、背腹合わせであり、これにより、これらの形状同士のぴったりとした組合いが可能となり、したがって屈曲部が切断される際の材料の損失が低減される。
【0016】
材料パーツの相対回転は、一方のパーツを他方のパーツに対して裏返す、および/またはパーツの同一側が上に向いた状態を維持しつつパーツの少なくとも一方を回転させることにより、達成され得る。後者の形態においては、両パーツは、一方が左に回転され他方が右に回転されるか、または一方のパーツが静止状態に維持され得る一方で他方のパーツが回転されることにより、回転され得る。留め手段が、要素の一表面上に設けられる場合には、裏返しによって回転させると、これらの留め手段は、同一方向において上を向いていることにはならない。したがって、これらのパーツが正しく上に向いている場合には、裏返すことなく左方向または右方向に回転させることが適切な方法となる。
【0017】
材料パーツが屈曲部を有するか否かは、概して細長い材料パーツの両側の側面縁部間の中心線から判断することが可能である。中心線が直線を画定する場合には、屈曲を有さない。中心線が、その線の第1の部分とその線の第2の部分との間においてある角度を有する線状線か、または曲線か、または曲線状経路を画定する場合には、このパーツは屈曲を画定しない。
【0018】
好ましくは、第1のパーツの屈曲部の外縁部および第2のパーツの屈曲部の外縁部は、吸収性製品の形成および要素の形状の画定において、対面関係になされ、好ましくは実質的に接触状態になされる。好ましくは、これらの屈曲部が一体になされる位置に、形状のアームの交点が位置する。
【0019】
好ましくは、各パーツは、形状の実質的に半分を画定する。また、好ましくは、要素のY字形状、T字形状、またはm字形状の画定において、第1の材料パーツは、Y字形状、T字形状、またはm字形状の第1のアームを画定し、第2の材料パーツは、Y字形状、T字形状、またはm字形状の第2のアームを画定し、第1のパーツおよび第2のパーツは、Y字形状、T字形状、またはm字形状の第3のアームを、好ましくはY字形状、T字形状、またはm字形状の第3のアームの実質的に半分のそれぞれを共に画定する。要素のX字形状の形成においては、第1の対のアームが、ある線の一方の側に位置し、第2の対のアームが、その線の他方の側に位置するような、X字形状の4つのアームの交点を通るそのような線を描くことが可能である。この場合に、第1の材料パーツは、第1の対を画定し、第2の材料パーツは、第2の対を画定する。
【0020】
第1の材料パーツおよび第2の材料パーツは、屈曲部により連結された第1のストリップ部分および第2のストリップ部分を画定し得る。要素がY字形状またはm字形状またはT字形状である例においては、第1の部分同士は、一体になされて、形状の第3のアームを共に形成する一方で、第2の部分は、要素の形状の第1のアームおよび第2のアームをそれぞれ形成する。要素がX字形状である例においては、第1のパーツの第1の部分および第2の部分は、要素のX字形状の一方の側の各アームを形成し、第2のパーツの第1の部分および第2の部分は、X字形状の別の側の各アームを形成する。好ましくは、第1のパーツおよび第2のパーツは、回転されて屈曲部同士を対面関係に置くことにより、形状のアームを画定する。
【0021】
要素は、全体として、そのように形成された概してY字形状、概してT字形状、概してX字形状、概してm字形状、または概して4辺多角形であってもよく、あるいは、要素は、要素全体の一部として、Y字形状、X字形状、T字形状、m字形状、または4辺多角形で画定してもよい。おそらく、これは、
図4の実施形態を参照として最も良く理解され、そこでは、第1のパーツ30および第2のパーツ32は、相互に異なるように陰影をつけられたY字形状によって示されるように、要素28の第1のY字形状80および第2のY字形状82を画定し、さらに要素の両終端部にY字形状以外の形状を画定するものとして図示される。
【0022】
屈曲部は、パーツの2つの線状部分間に位置してもよく、またはそれらの部分は、屈曲部を画定するように湾曲してもよい。一実施形態においては、材料パーツは、概してV字形状または概してU字形状を画定する。材料パーツのV字形状または材料パーツのU字形状のレッグ同士が、比較的幅広く離間される場合には、屈曲部同士が相互に向き合うようにV字形状同士またはU字形状同士を相対回転させることにより、Y字形状またはT字形状にすることが可能である。V字形状またはU字形状の2つのレッグが、Y字形状またはT字形状の一方のアームを共に形成し、V字形状またはU字形状の他の2つのレッグは、Y字形状またはT字形状のアームを形成することとなる。材料パーツのV字形状のレッグ同士が、共に比較的近接して離間される場合には、V字形状同士を相対回転させてそれらのレッグを一体化することにより、m字形状にすることが可能である。これらのV字形状の2つのレッグは、m字形状の中間アームを共に形成し、これらのV字形状の他の2つのアームは、m字形状の外側をそれぞれ形成することとなる。代替的には、第1の材料パーツのV字形状またはU字形状の2つのレッグは、X字形状の2つのアームを形成し、他方のV字形状またはU字形状の2つのレッグは、X字形状の他方の2つのアームを形成することとなる。各パーツのV字形状同士またはU字形状同士は、各パーツのV字形状の先端部またはU字形状の湾曲部が、Y字形状またはX字形状のアーム同士の交差部を共に画定するように、一体になされる。
【0023】
要素のY字形状は、完全なY字形状である必要はない。すなわち、Y字形状のアーム間の角度は、多様であることが可能であり、Y字形状の各アームは、Y字形状の他の2つのアームを2等分する線から角度を付けられてもよい。さらに、第1のパーツおよび第2のパーツは、相互に接触しなければならないわけでは必ずしもないが、好ましい一実施形態においては相互に接触する。すなわち、(上述のように)特にかかる製品の製造の際の配置精度に限度が設けられることにより、第1のパーツおよび第2のパーツが吸収性製品に対して貼付される形態において、第1のパーツと第2のパーツとの間には、若干の隙間が存在してもよい。この隙間は、連続的なものであってもよく、または、第1のパーツおよび第2のパーツにより画定されるY字形状のアームが、分岐してもよい。
【0024】
好ましくは、第1のパーツおよび第2のパーツは、吸収性製品において、第1のパーツおよび第2のパーツの対称線の両側に配置される。すなわち、第1のパーツおよび第2のパーツは、この対称線を中心として吸収性製品上に配置された場合に、相互の鏡像となる。好ましくは、この対称線は、吸収性製品に対して長手方向に構成される(後方腰領域から前方腰領域まで)。しかし、さらに好ましくは、この対称線は、吸収性製品の中心長手方向線に沿って構成される。
【0025】
第1のパーツおよび第2のパーツが少なくとも1つの材料ウェブから切断される上述の実施形態においては、好ましくは、第1のパーツおよび第2のパーツの切断は、この少なくとも1つのウェブの幅方向に行われる。
【0026】
好ましくは、少なくとも1つの材料ウェブは、屈曲部同士が同一方向に向いた材料パーツへと連続的に切断される、少なくとも1つの連続材料ウェブである。好ましくは、少なくとも1つのウェブが、第1の材料ウェブである場合には、第1の材料パーツおよび第2の材料パーツは、反復的に得られ、相対回転されることにより、屈曲部同士が相互に向き合い、それにより要素の形状が画定される。切断は、切断される各パーツの対向る縁部を画定する1つまたは複数の切断ブレードを有する切断ロールによって実施され得る。
【0027】
要素の形状は、ウェブ材料の無駄を最小限に抑えるようなものにすることが可能である。少なくとも1つの材料ウェブは、パーツが、隣接し合う切断パーツ同士の間に最小限の隙間を有する状態で相互にぴったりと組み合うように、切断され得る。したがって、トリミングが最小限に抑えられるため、最小限の隙間を有するこれらの切断パーツから、少なくとも1つの材料ウェブを再構築することが可能となる。換言すれば、第1のパーツおよび第2のパーツはそれぞれ、屈曲部の外側縁部および屈曲部の内側縁部を有するように切断される。第1のパーツおよび第2のパーツの外側縁部は、第1のパーツおよび第2のパーツの内側縁部に合致するように成形される。好ましくは、各パーツの外側縁部は、単に相互に離間されただけの、内側縁部と整合するものである。代替的には、これらの縁部は、完全には整合しなくてもよい。すなわち、切断プロセスの際に生じる幾分かのトリミングが存在してもよい。追加的にはまたは代替的には、幾分かのトリミングは、各パーツへとウェブ材料を切断する切断プロセスの後処理ステップとして生じてもよい。
【0028】
製造に関して、および材料の無駄を最小限に抑えようとする努力において、材料ウェブは、屈曲部が同一方向に向いた連続材料パーツへと切断される。この場合に、後の屈曲部の後縁部は、前の屈曲部の前縁部を画定する。したがって、後の屈曲部の後縁部は、前の屈曲部の前縁部と対合し、それにより、連続材料ウェブは、パーツ同士がぴったりと組み合った状態で切断される。
【0029】
好ましくは、連続材料パーツは、ぴったりと組み合うものである。すなわち、屈曲部を有する前のパーツの、屈曲部を有する後のパーツに対する共形性の度合いは、材料ウェブが、パーツからトリミング除去される材料の面積をパーツが切り取られるウェブの面積で除算して換算される、0.3、0.2、0.1、0.05、0.04、0.03、0.01、またはさらにより好ましくは約0という低いウェブ材料廃棄率で切断されるような、度合いとなる。廃棄率が0である場合には、ウェブは、完全にぴったりと組み合うパーツへと切断される。したがって、各パーツは、パーツの屈曲部の外側縁部および内側縁部を画定する2つの同一の切断線により作製され、前のパーツの切断線が、後のパーツの切断線を構成する。
【0030】
形状を画定する要素は、複数の様式で吸収性製品に対して貼付され得る。第1のパーツおよび第2のパーツは、吸収性製品への貼付前に、例えば接着されるなどで一体的に装着されることにより、形状を画定し得るか、または、形状は、形状を画定する要素が吸収性製品に対して例えば接着されるなどで貼付される際に、固定され得るものであり、それまでは、操作されればパーツは相互に対して依然として可動である。要素は、身体側ライナ、吸収性層、外カバー、もしくはそれらの積層体などの、吸収性製品前駆体材料に対して貼付されてもよく、または、穿孔された吸収性製品に対して貼付されてもよい。
【0031】
要素は、形状を画定する留め具要素であってもよい。この留め具要素は、吸収性製品において公知の任意の留め具要素用途を有してもよい。したがって、留め具要素は、吸収性製品の腰領域の複数部分を一体的に留めることにより、着用者の腰の周囲に吸収性製品を固定するためのものであってもよい。しかし、好ましくは、留め具要素は、下着に対して吸収性製品を着脱自在に留めるために、使用時に吸収性製品の外層を形成するように適用される。この留め要素は、接着ストリップタイプの留め具であってもよく、この場合には、剥離ライナが、留め要素を覆う。好ましくは、留め要素は、好ましくは使用時に下着に対して留めるための、フックタイプ留め具である。フックタイプ留め具は、下着に対して吸収性製品を留めるのに十分な留めを実現するように、しかし繰返しの使用後でも下着の繊維を劣化させないように剥脱性が低くなるように構成される。
【0032】
一実施形態においては、留め要素は、着用者の脚部間に配置するための比較的幅狭の股部分と、着用者の腰のより付近に配置するための比較的幅広の腰部分とを有する、吸収性製品に対して貼付される。好ましくは、吸収性製品は、概して、広げられた場合には三角形の外周部を画定し、着用時にはより弓形状を形成するように構成される点において、男性向けの吸収性失禁用ライナである。
【0033】
好ましくは、要素は、Y字形状を画定し、要素のY字形状の複数のアームが、比較的幅広の腰部分の角部分までそれぞれ延在し、要素のY字形状の1つのアームが、比較的幅狭の股部分まで延在し、製品の長手方向中心線に実質的に沿って延在する。要素のY字形状は、吸収性製品の十分な範囲に対して留め要素が施されるように、配向される。吸収性製品の角部分は、それぞれアームにより下着に対して保持され、着用者の脚部に対応する幅狭部分の中心は、Y字形状の他のアームにより保持される。このような吸収性製品の対応範囲の拡張は、Y字形状が長手方向に配向されるため、比較的単純な製造プロセスにおいて実現される。また、留め要素のY字形状により実現される対応範囲の拡張により、留め具の平方センチメートル当たりの接着度の低いものの使用が可能となり得る。これは、下着の繊維に対する剥脱性が低いものとなり得る。
【0034】
別の実施形態においては、要素は、この要素が貼付される吸収性要素の部分を補剛するための補剛要素であり、したがって、この補剛要素が存在しない箇所においては、吸収性製品の低剛性領域が得られる。したがって、この低剛性領域は、吸収性製品が着用された場合には、圧潰して、所望に応じて吸収性製品を成形する傾向がより高くなる。この圧潰性部分は、着用時に圧潰した場合に、峰構造および谷構造を画定し、それにより、吸収性製品のある領域におけるZ方向形状を向上させる。補剛部材は、専用補剛部材であってもよく、または補剛された吸収性芯材パーツにより形成されてもよい。
【0035】
好ましくは、要素のY字形状またはX字形状の第1のアームと第2のアームとの間の隙間が、吸収性製品の第1の圧潰性部分を画定する。この第1の圧潰性部分は、着用者の臀部間に位置決めされて、着用者に対する製品の一部分の安定化を行うために配置されてもよく、または、着用者の脚部間において圧縮されることにより圧潰するように位置決めされることによって、製品のある領域の深さを拡大して快適性を与えるか、もしくは吸収製品中にボール部を画定して液体保持性を向上させてもよい。いずれの例においても、要素のY字形状の第3のアームは、製品の長手方向線に実質的に沿って位置決めされ、要素の第1のアームおよび第2のアームは、長手方向線から互いに逆の横方向に延在してもよい。第1のアームおよび第2のアームは、製品の前方腰領域に対して、第3のアームよりも比較的近くに位置決めされてもよく、または、第3のアームは、製品の前方腰領域に対して、第1のアームおよび第2のアームよりも近くに位置決めされてもよい。第1のパーツおよび第2のパーツは、延長部分を備えてもよく、これらの延長部分は、吸収性製品中に配置される場合には、一体的に位置決めされて、Y字形状の第1のアームおよび第2のアームと共に閉外周部を画定することにより、補剛要素を貫通する実質的に閉じられた側部を有する開口を形成する。代替的には、X字形状の第3のアームおよび第4のアームが、それらの間に空間を画定して、吸収性製品の中心長手方向線上に中心を取り得る吸収性製品の第2の圧潰性部分を形成する。第2の圧潰性部分は、第1の圧潰性部分と同様に、第3のアームおよび第4のアームの延長部分により閉じられてもよい。したがって、要素のX字形状により、着用者の快適性および着用者に対する製品位置決めを向上させるように協働する、第1の圧潰性部分および第2の圧潰性部分が画定され得る。
【0036】
補剛要素の第1のパーツと第2のパーツとの間の長手方向境界部は、吸収性製品の着用時に吸収性製品に対して所望の形状を与えるための圧潰性部分を画定する折り畳み線として機能し得る。
【0037】
また、本発明は、形状を画定する要素を備える吸収性製品に関する。より具体的には、本発明は、より好都合に製造された形状を画定する要素を備える吸収性製品を提供する。上述のように、複雑な形状を画定する留め要素または補剛要素を用意することが望ましい吸収性製品において、複数の用途が存在する。
【0038】
より具体的には、本発明は、好ましくは下着に対して吸収性製品を留めるための留め要素か、または吸収性製品の比較的高い剛性の領域を設けるための、および所望に応じて吸収性製品を成形するために吸収性製品の圧潰性部分を画定するための、補剛要素を備える、吸収性製品を提供する。この要素は、ある形状を画定し、平面図において見た場合に屈曲部を画定する第1の平坦材料パーツと、平面図において見た場合に屈曲部を画定する第2の平坦材料パーツとを備え、これらのパーツは、要素の形状を共に画定するように一体的に配置される。換言すれば、これらのパーツは、屈曲部の外側が対面関係になることにより、これらのパーツが要素のY字形状、X字形状、m字形状、またはT字形状などの要素の形状を共に画定するように、配置され得る。代替的には、これらのパーツは、屈曲部の外側が逆方向に向くことにより、4辺多角形などの閉鎖空間形状を画定するように配置され得る。
【0039】
第1のパーツの屈曲部および第2のパーツの屈曲部を対面関係に配置することにより、これらの屈曲部を互いに逆方向に向けることによって、Y字形状、m字形状、T字形状、またはX字形状が、形状を単一パーツから形成した場合と比較して、材料効率のより高い態様で形成される。これらのパーツは、ぴったりと組み合うパーツから作製するのにより適する。これにより、材料の無駄を削減する様式で形状を作ることが可能となる。好ましくは、第1のパーツおよび第2のパーツは、留め要素材料ウェブまたは補剛要素材料ウェブから切断される。この切断線は、第1の材料パーツおよび第2の材料パーツに対して、パーツの一方の端部から他方の端部までの経路中に少なくとも1つの屈曲部を与える。
【0040】
好ましくは、第1のパーツおよび第2のパーツは、第1のパーツおよび第2のパーツがそれぞれ第1のレッグおよび第2のレッグを有するように、概してV字形状または概してU字形状を画定する。好ましい一実施形態においては、第1のレッグ同士は、要素のY字形状、m字形状、またはT字形状の第1のアームを共に画定し、第2のレッグはそれぞれ、要素のY字形状、m字形状、またはT字形状の第2のアームおよび第3のアームを画定する。代替的には、V字形状またはU字形状の一方の第1のレッグおよび第2のレッグは、要素のX字形状の第1のアームおよび第2のアームを形成し、第1のレッグおよび第2のレッグは、要素のX字形状の第3のアームおよび第4のアームを形成する。好ましくは、第1のパーツのV字形状またはU字形状は、平面において、第2のパーツのY字形状またはU字形状と同一のサイズおよび形状である。しかし、第1のパーツおよび第2のパーツは、異なる厚さからなるものが可能である。第1のパーツおよび第2のパーツは、全体として、V字形状またはU字形状を画定することが可能であり、あるいは、V字形状またはU字形状は、第1のパーツおよび第2のパーツの一部分を構成してもよい。同様に、形状は、要素の形状全体の少なくとも一部分(すなわち一部分または全体)を構成する。
【0041】
好ましくは、第1の平坦材料パーツおよび第2の平坦材料パーツは、平面図において見た場合に同一のサイズおよび形状からなるものであるが、屈曲部同士が同一方向に向くのではなく相互に対面するように、相互に対して回転または裏返しにされる。これにより、製造がさらに簡単になる。なぜならば、これらのパーツは、同一であり、したがって連続的な切断および吸収性製品への連続的な貼付が可能となるからである。
【0042】
好ましくは、要素のY字形状またはX字形状は、細長く(一方向において最長であり、その横軸方向においてはより短い)、要素は、Y字形状またはX字形状のアームが、相互に逆の横方向に延在し、吸収性製品の腰領域の方向に置かれるように、長手方向に配向される。留め要素の観点においては、この要素は、より角へと配向された部分がアームにより留められると共に、少なくとも使用時には幅狭である股部分が適切に調整された留め要素形状を有する点において、製品の十分な対応範囲を実現する。Y字形状を画定する要素の例においては、Y字形状の第1のアームが、吸収性製品の中心長手方向線に実質的に沿って延在し、吸収性製品の股部分の方向に置かれる。
【0043】
好ましくは、要素は、留め要素であり、要素のY字形状の第1のアームが、吸収性製品の比較的幅狭の股部分まで延在し、第2のアームおよび第3のアームが、吸収性製品の比較的幅広の腰部分の対向する角部分まで延在する。また、留め要素の例においては、これらのアームは、腰領域(前方または後方)のより付近へと配向されてもよく、他のアームは、股領域のより付近へと配向されてもよく、それにより、快適な吸収性製品が提供され得る。
【0044】
また、好ましくは、留め要素は、好ましくは下着の繊維にフック固定するフックタイプ留め具か、または下着に対して接着する接着タイプ留め具である。
【0045】
好ましくは、要素は、補剛要素であり、要素のY字形状またはX字形状の第1のアームおよび第2のアームは、これらのアーム間の吸収性製品の領域が、補剛要素のアームにより覆われる吸収性製品の領域よりも低剛性であることにより、アーム間に吸収性製品の比較的高い圧潰性の部分を画定する。同様に、要素のX字形状の第3のアームおよび第4のアームは、第3のアームと第4のアームとの間の吸収性製品の領域が、第3のアームおよび第4のアームを重ねられた吸収性製品の領域よりも低剛性であることにより、第3のアームと第4のアームとの間に吸収性製品のさらに圧潰性の高い部分を画定する。
【0046】
好ましくは、第1のパーツおよび第2のパーツは、概して細長くなるように形成され、対向し合う内側(屈曲部に関して)の側面縁部および外側(屈曲部に関して)の側面縁部を有するように切断される。内側縁部および外側縁部は、長さおよび形状が同一であるが、相互に横方向に離間されることにより、パーツの幅を画定する。これにより、対向する縁部を切断するために同一のブレードを使用することにより、製造に関して好都合な態様でこれらのパーツを切断することが可能となる。
【0047】
これらのパーツの形状は、これらのパーツが細長い場合には、パーツの対向し合う第1の側面縁部と第2の側面縁部との間の中心線から判定され得る。この中心線が、直線から逸脱する場合には、屈曲部は、パーツ中に設けられない。中心線が直線から逸脱する点が、屈曲部の始点を規定する。これらのパーツは、中心線の左または右のいずれかに屈曲することとなる。これらの第1のパーツおよび第2のパーツは、左屈曲部が右屈曲部に隣接して配置されるように一体になされることにより、形状を画定し得る。好ましくは、第1のパーツおよび第2のパーツは、対称線を中心として吸収性製品中に配置される。この対称線は、好ましくは、吸収性製品に対して長手方向に(使用方向に関して前方腰領域から股領域にかけて、および任意には後方腰領域にかけて)構成され、好ましくは、第1のパーツおよび第2のパーツがこの対称線を中心として相互の鏡像になるように、吸収性製品の中心長手方向線に沿って位置決めされる。
【0048】
第1のパーツおよび第2のパーツは、屈曲部に局大点を有する湾曲状経路、曲線状経路、または線状経路に倣うものとして説明することが可能である。第1のパーツおよび第2のパーツの各局大点は、Y字形状留め要素、m字形状留め要素、X字形状留め要素、またはT字形状留め要素を画定するように、実質的に接触関係に置かれる。
【0049】
本発明のこれらの方法態様または装置態様の吸収性製品は、身体側層と外カバー層との間に吸収性芯材を捕獲したものとして説明することができる。身体側層は、尿または月経の排出物を吸収性芯材まで透過させ得るように、液体透過性である。外層は、尿または月経の排出物により下着が汚されるのを阻止するために、一般的には液体不透過性である。吸収性芯材は、尿または月経の排出物を吸収するために設けられる。