(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5932843
(24)【登録日】2016年5月13日
(45)【発行日】2016年6月8日
(54)【発明の名称】工業プラントなどのための放射管状要素
(51)【国際特許分類】
F23D 14/12 20060101AFI20160526BHJP
F23C 3/00 20060101ALI20160526BHJP
【FI】
F23D14/12 A
F23C3/00 301
【請求項の数】13
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-553034(P2013-553034)
(86)(22)【出願日】2011年2月14日
(65)【公表番号】特表2014-505231(P2014-505231A)
(43)【公表日】2014年2月27日
(86)【国際出願番号】IB2011050607
(87)【国際公開番号】WO2012110852
(87)【国際公開日】20120823
【審査請求日】2014年2月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】513030868
【氏名又は名称】ビッソン,マッシミリアーノ
【氏名又は名称原語表記】BISSON, MASSIMILIANO
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ビッソン,マッシミリアーノ
【審査官】
藤原 弘
(56)【参考文献】
【文献】
実公昭49−000013(JP,Y1)
【文献】
特開平02−052906(JP,A)
【文献】
特開平09−033013(JP,A)
【文献】
特開平02−259322(JP,A)
【文献】
特開平07−280207(JP,A)
【文献】
特開平11−351518(JP,A)
【文献】
米国特許第2632503(US,A)
【文献】
特開平7−280477(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0119983(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23C 3/00
F23D 14/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋼および/または他の金属の熱処理のための工業プラントのための管状放射要素(10)であって、前記管状放射要素(10)は、少なくとも1300℃までの高温に耐える金属材料から作られ、前記管状放射要素(10)は、表面(S)を設けた、少なくとも1つの鉛直方向管状部分(12)および/または少なくとも1つの湾曲した管状部分(14)を備え、前記管状放射要素(10)は、前記少なくとも1つの鉛直方向管状部分(12)および/または前記少なくとも1つの湾曲した管状部分(14)の前記表面(S)の一以上の部分の上に配置される少なくとも1つの放射および補強手段(18)を、より大きな放射面およびより良好な補強を有することが必要である前記管状放射要素(10)の区域に備え、
前記少なくとも1つの放射および補強手段(18)は、前記少なくとも1つの鉛直方向管状部分(12)の全表面(S)上に配置され、
前記少なくとも1つの放射および補強手段(18)は、前記管状放射要素(10)の前記表面(S)に対して内側もしくは外側に突出する窪みおよび/もしくは突起および/もしくは結合部を含み、前記窪み、前記突起及び前記結合部は、前記管状放射要素(10)の前記放射面および前記補強を増すことができる要素であり、
前記少なくとも1つの放射および補強手段(18)は、鉛直方向位置にある手段が水平方向位置にある手段から離間された線形の行および列で、予め定められた配置および形状を呈する、管状放射要素。
【請求項2】
前記少なくとも1つの放射および補強手段(18)は、前記管状放射要素(10)の全表面(S)の上に設けられる、請求項1に記載の管状放射要素。
【請求項3】
前記少なくとも1つの放射および補強要素(18)は、たとえば、回転楕円体、キャップ、卵型体、楕円体、環状、直方体、立方体、多面体、角柱、角錐、円錐、線形の形状の任意の幾何学的形状、ならびに/または、たとえば、端縁が丸められた、矩形、方形、長円、楕円、螺旋状、円形、多角形、網状形状の平面および/もしくは断面構成を有する、請求項1または請求項2に記載の管状放射要素。
【請求項4】
前記少なくとも1つの放射および補強手段(18)は、特別な金型でのその成形または特別なプレスもしくは目的のために好適な他の機器によるプレスなど、前記管状放射要素(10)を構成する材料を加工することによって得られる、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の管状放射要素。
【請求項5】
前記少なくとも1つの放射および補強手段(18)は、シート状および/もしくは圧延セクションの成形および/もしくは形成、ならびに/または溶融および/もしくは圧力融解および/もしくは任意の他の方法によって得られる既に形成された手段を備え、そしてたとえば溶接または目的のために好適な他の方法によって管状放射要素(10)に適用可能である、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の管状放射要素。
【請求項6】
前記少なくとも1つの放射および補強手段(18)は、寸法については、0.2mmから管状放射要素(10)の全長および/または円周および/または周まで、ならびに他の寸法については、0.2mmから200mmまでの寸法を呈し、約0.1cm−10cmだけ前記表面(S)に対して突出する、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の管状放射要素。
【請求項7】
前記少なくとも1つの放射および補強手段(18)は、寸法については、2cmから10cmまで、および他の寸法については、2cmから4cmまでの寸法を有し、約0.5cmから約1cm前記表面(S)に対して突出する、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の管状放射要素。
【請求項8】
前記少なくとも1つの放射および補強手段(18)は、ニッケルクロム合金、インコネル600、601、もしくは602、インコロイ800、インコロイ800H、ステンレス鋼AISI304、310、309、309S、316、316Ti、330、321、AVESTA235MA、ALUFER、合金X、APM、APMTなどのカンタル材料、MA230、MA250などの三菱の材料、鋳鉄Ni耐性もしくは他の鋳鉄誘導体、Gx40CrNi 26−20、KHR48N、KHR35Hなどのニッケル成分、クロム、アルミニウムを含むもしくは含まない溶融金属材料、ならびに/または目的のために好適な他の金属もしくは非金属材料などの高温に耐性を有する金属材料またはその合金から作られる、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の管状放射要素。
【請求項9】
前記少なくとも1つの放射および補強手段(18)に被覆層(20)を備える、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の管状放射要素。
【請求項10】
前記被覆層(20)は、少なくとも0.2mmの均一な厚みを有する、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の管状放射要素。
【請求項11】
前記被覆層(20)は、0.2mmから10mmの間の均一な厚みを有する、請求項10に記載の管状放射要素。
【請求項12】
前記被覆層(20)は管状放射要素(10)内に配置され、管状のまたはそれが挿入される管状要素に対応する形状を有し、平滑なおよび連続的なまたは波型の表面を呈する、請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の管状放射要素。
【請求項13】
前記管状放射要素(10)は、それが作られる材料に依存して、約0.5−14mmの厚みを有する、および/または、前記管状放射要素(10)は、円形の断面、および/または、たとえば長円形、矩形、方形、多角形の他の断面を有する、請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の管状放射要素。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の技術分野
本発明は、鋼および/または他の金属の熱処理の分野で使用可能な、工業プラントなどのための管状放射要素に関する。
【0002】
より特定的には、本発明は、鋼および/もしくは他の金属からなるシート状テープ、または板、ならびに/または他の製品のための熱処理炉、ガルバナイジング(galvanisation)および焼きなましラインの分野で使用可能な管状放射要素に関する。
【背景技術】
【0003】
先行技術
特にシート状の鋼の熱処理の分野では、高温に耐性を有する材料からなり、その近くでの連続的なテープの形状のシートの通過に必要な温度にすることができるバーナーに接続される特別な種類の放射管を用いて所望の熱処理を行なう。
【0004】
当該技術分野で通常用いられる放射管は、いくつかの形状をとることができ、そのうち最も一般的なものは、「I」、「U」、2つの「U」、「W」または「M」、単一の「P」、「2つのP」、2つの「M」形状として規定されることがある。そのような放射管は、燃焼が起こるバーナーに接続される。そのような管は一般的に、バーナーから直接来る炎および/または煙が循環する部分と、任意にさらに、そのような燃焼煙が循環することができるさらなる部分とを呈する。燃焼煙は、管を横切って、管を、放射によって処理すべき材料との熱交換を可能にするような温度にする。
【0005】
燃焼が起こるバーナーに接続される代わりに、公知の放射管は、その中にまたは当該管の外側に位置決めされ、そのような管の動作に必要な温度を生成する電気抵抗器によって加熱されてもよい。それらが呈するはずである高温に対する耐性により、公知の放射管は通常、シート遠心法および/または成形および/または加工のプロセスによって作られ、その後シートおよび/または圧延セクション(rolled section)または任意の種類の融液から常に得られる任意の湾曲部またはフランジに溶接され、それにより所望の最終形状を得られるようにする。
【0006】
しかしながら、現在用いられる放射管にはいくつかの欠点がある。特に、それらはほぼ円形の断面を有するため、それらは当該管の外側表面に規定されかつ限定される放射面を呈する。
【0007】
さらに、それらが晒される高温により、公知の管が崩壊して、それら自体の上に折れ曲がってしまうことがある。ある区域では、このために管の放射パワーが結果的に低下し、これは、そのようなプロセスを施される鋼製品の熱処理における均質性の欠如と、放射管をすぐに取換えなければならない必要性とを生じてしまう。
【0008】
さらに、公知の放射管に接続されるバーナーが生じる振動が当該管に高い機械的応力を生じさせるため、(特にバーナー結合フランジおよび炉のケーシング側の当該放射管の「支持体」などの)溶接区域においてそのような管を作る材料の破損の可能性が生じたり、当該管の捻れが生じたりする。
特許US2642858は、自動車、航空機、およびさまざまな規模の建物の内部のための燃料燃焼空気加熱装置を開示する。
特許GB537290は、その剛性を増大するように波型をつけることができる、エナメル炉中への設置用に適合される放射加熱要素を開示する。
特許US3187798は、気体燃料と空気との加圧可燃混合気とともに用いるための放射ガスバーナーを開示する。
特許US4669974は、液体燃料が気化される燃料燃焼装置を開示する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
発明の目的
したがって、本発明の技術的課題は先行技術を改良することである。
【0010】
そのような技術的課題の範囲内で、本発明の目的は、当該技術分野で公知の管と比較して放射面がより大きな管状放射要素を提供することである。
【0011】
本発明のさらなる目的は、管状放射要素が受ける機械的および熱応力に対してより耐性のある管状放射要素を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この課題およびこの目的は、添付の請求項1に従う管状放射要素によって達成される。 本発明に従う管状放射要素の特定的な形状は、先行技術の管と比較して、定量的観点および処理の均質性に関わる限り、その両者において、より良好な照射と、より高い耐性および耐久性とを得ることを可能にする。
【0013】
さらに、発明に従う管状放射要素は、当該燃焼によって生じる有害な排出を制限することができるようにし、これにより、これまで市場で用いられてきた製品と比較してより環境にやさしい製品を確実にする。
【0014】
さらなる有利な特徴を従属請求項に記載する。
発明の特徴は、非限定的な例として与えられる以下の説明および添付の図表からいずれの当業者によってもよりよく理解される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図4】本発明に従う管状放射要素のある局面の詳細を示す図である。
【
図5】本発明に従う管状放射要素のさらなる局面の詳細を示す図である。
【
図6】本発明に従う管状放射要素のある局面の正面図である。
【
図7】本発明に従う管状放射要素のある局面の詳細の破断図である。
【
図8】本発明に従う管状放射要素のさらなる局面の詳細の破断図である。
【
図10】本発明に従う管状放射要素の詳細の破断図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
発明の実施形態
添付の
図1を参照して、公知の放射管が示され、その外面および内面は当該管のすべての部分において平滑でありかつ連続的である。
【0017】
図2を参照して、他方では、全体的に参照番号10で示される、本発明に従う管状放射要素が示される。
【0018】
管状放射要素10は、少なくとも1つの鉛直方向管状部分12と、任意に少なくとも1つの湾曲した管状部分14と、少なくとも1つの一体化(union)要素16とを備えてもよい。
【0019】
公知の溶接部および/または接合部として任意に形作られる少なくとも1つの一体化要素16は、少なくとも1つの鉛直方向管状部分12を、オプションの少なくとも1つの湾曲した管状部分14および/またはその動作に必要とされる他の装置もしくは部分にともに接続するおよび組合せる。
【0020】
管状放射要素10は、「I」、「U」、「2つのU」、「W」もしくは「M」、単一の「P」、「2つのP」、2つの「M」として形作られてもよく、または目的に好適な任意の他の形状を有してもよい。
【0021】
非限定的な例としてのみ、添付の図は「2つのP」として形作られる管状放射要素10を示す。
【0022】
管状放射要素10の各々の部分12、14の断面は実質的に円形であるが、それは、本発明の保護の範囲から逸脱することなく、長円形、矩形、方形、多角形の断面などの他の種類の断面も有してもよい。
【0023】
管状放射要素10は、たとえばインコネル600、601、もしくは602、インコロイ800、インコロイ800Hなどのニッケルクロム合金、AISI304、310、309、309S、316、316Ti、330、321、AVESTA235MA、ALUFER、合金X、APM、APMTなどのカンタル材料、MA230、MA250などの三菱の材料、鋳鉄Ni耐性(Ni-resist)もしくは他の鋳鉄誘導体、Gx40CrNi 26−20、KHR48N、KHR35Hなどのニッケル、クロム、アルミニウム成分などを含むもしくは含まない溶融金属材料、ならびに/または目的のために好適な他の材料などの、特に少なくとも1300℃までに耐えることができる、任意に金属合金としての、高温に耐性を有する金属材料から作られてもよい。
【0024】
管状放射要素10は、シート状および/もしくは圧延セクションの切断、カレンダーがけ、形成、プレス、および溶接によって、ならびに/または用いられる材料に応じて溶融および/もしくは鍛造および/もしくは押出成形などによって得られる。
【0025】
管状放射要素は、それを作る材料に依存して、たとえば、シート状および/または圧延セクションから作られる管状放射要素については0.5mmから14mmまでの厚み、ならびに溶融、鍛造、押出成形などによって作られる管状放射要素については6mmから14mmまでの厚みの、約0.5−14mmの厚みを有する。
【0026】
管状放射要素10は、少なくとも1つの放射および補強要素18を備える。特に、管状放射要素10は、管状放射要素10の表面Sの少なくとも一部の上に設けられる複数の放射および補強手段18を備える。
【0027】
少なくとも1つの放射および補強手段18は、鉛直方向管状部分12の少なくとも一部の上、および/または湾曲した管状部分14の少なくとも一部の上、および/または当該管状放射要素10の全表面Sの上に設けられてもよい。
【0028】
発明の1つの局面では、少なくとも1つの放射および補強手段18は、バーナーから来る炎に直接接触しない管状放射要素10の部分のうち少なくともいくつかの中に設けられる。
【0029】
図6に示される非限定的例として、管状放射要素10は、底部分に平滑な表面が設けられ、バーナーに接続され、バーナーから来る炎が到達する中央鉛直方向管状部分12と、バーナーの炎は到達しないが燃焼煙のみが到達し、少なくとも1つの放射および補強要素18が設けられた頂部部分とを有する。
【0030】
発明の1つの局面では、中央鉛直方向管状部分12は放射および補強要素18を呈しない。
【0031】
少なくとも1つの放射および補強手段18は管状放射要素10の区域に設けられ、そこでは、その構造の最も熱い部分の中またはバーナーにより近い部分の中で起こり得る乱流または渦の形成を任意に防止しつつ、その構造のより大きな放射面および/またはより良好な補強を有することが必要である。
【0032】
少なくとも1つの放射および補強手段18は、より高い熱放射効率、全体的な放射面の増大、より良好な熱放射均一性などの、管状放射要素10の放射能力に関連の一連の利点を得ることを可能にし、その結果、より良好にかつしたがってより良好な性質を有するように処理される鋼および/または他の金属の製品を達成する。
【0033】
少なくとも1つの放射および補強手段18はさらに、より少ない経時的変形、経時的により長い耐久性、その破損または捻れを生じさせる当該管状放射要素10に対する機械的応力を生じる、接続されたバーナーによっておよび管状要素の当該動作によって生成される機械的波動のより大きな吸収、変形による当該管状放射要素10のより少ない伸張および/またはより十分な伸張、600℃から1300℃までの温度の変化を生じる加熱および冷却の熱衝撃に対するより高い耐性などの、管状放射要素の剛性に関する一連の利点を得ることを可能にする。
【0034】
さらに、少なくとも1つの放射および補強手段18の存在により、結果的に生じる煙の加速を生じ得る、管状放射要素10内のより良好な炎の渦を得ることができるかもしれない。このように、バーナーに関する消費を低減しつつバーナーのより短い点火時間を得ることが可能となり得る。そのような煙の高速化は、その帰還工程でより大きな燃焼を生じることがあり、その結果、窒素酸化物およびその混合物などの有害物質の排出が低減される。
【0035】
少なくとも1つの放射および補強手段18は、管状放射要素10の表面Sに対して内側および/もしくは外側に突出する窪みおよび/もしくは突起および/もしくは波型部および/もしくは結合部および/もしくはリブおよび/もしくはチャネルなど、ならびに/または、当該管状放射要素10の放射面および補強を増すことができる網状要素および/もしくは任意の他の要素を備えてもよい。
【0036】
少なくとも1つの放射および補強要素18は、たとえば、回転楕円体、キャップ、卵型体、楕円体、環状、直方体、立方体、多面体、角柱、角錐、円錐、線形などの任意の幾何学的形状、たとえば矩形、方形、長円、楕円、螺旋状、円形、多角形、網状、丸められた端縁付きなどの任意の形状の平面および/または断面構成を有する。
【0037】
少なくとも1つの放射および補強手段18は、特別な金型でのその成形または特別なプレスもしくは目的のために好適な他の機器によるプレスなど、管状放射要素10を構成する材料を加工することによって得られ得る。
【0038】
図4および
図5に見られる発明の1つの局面では、少なくとも1つの放射および補強手段18は、シート状および/もしくは圧延セクションの成形および/もしくは形成、ならびに/または、任意の種類の溶融および/もしくは圧力融解もしくは管状放射要素10の表面Sに対して突出する構造の実現を暗示する任意の他の方法によって得られる既に形成された手段を備えてもよい。
【0039】
既に形成された手段を備えるそのような少なくとも1つの放射および補強手段18を、その後、たとえば溶接または目的のために好適な他の方法によって管状放射要素10に適用してもよい。
【0040】
このように、実際に、管状放射要素10の放射面が増大し、同時にその構造が補強されて、たとえばバーナーによって与えられる振動が与える機械的および動的応力に対してより耐性を有するようになる。
【0041】
図7または
図8に見られる発明のまたさらなる局面では、外向きに突出する少なくとも1つの放射および補強手段18には、対応して被覆層20が設けられてもよい。そのような被覆層20は、少なくとも0.2mm、および好ましくは0.2mmから10mmまでの範囲の実質的に均一の厚みを有する。そのような被覆層20は管状放射要素10の少なくとも1つの部分内に配置され、実質的に管状の形状またはそれが配置される管状放射要素10の部分に対応する形状を有し、実質的に平滑かつ連続的な表面を有する。
【0042】
発明のさらなる局面では(図示せず)、被覆層20の表面は波型部および/または非平滑形状を有する。
【0043】
そのような被覆層20は、管状放射要素10を構成する同じ材料、または高温に耐性を有しかつ目的のために好適な別の材料から作られてもよい。
【0044】
少なくとも1つの放射および補強手段18は任意の寸法を呈してもよい。特に、少なくとも1つの放射および補強手段18の寸法は、より大きな寸法については、0.2mmからそれらがその上に作られる管状放射要素10の全長および/または円周および/または周まで、ならびにより小さな寸法については、0.2mmから200mmまでの範囲にわたってもよい。
【0045】
発明の1つの局面では、少なくとも1つの放射および補強手段18の寸法は、より大きな寸法については2cmから10cmまで、より小さい寸法については、2cmから4cmまでを備える。
【0046】
少なくとも1つの放射および補強手段18は、管状放射要素10の表面Sに対して約0.1cm−10cmだけ突出する。
【0047】
発明の1つの局面では、少なくとも1つの放射および補強手段18の突出寸法は、0.5cmから1cmまでの範囲にわたる。
【0048】
そのような少なくとも1つの放射および補強手段18は、管状放射要素10を構成する同じ材料、または目的のために好適な他の同様の材料から作られる。
【0049】
そのような少なくとも1つの放射および補強手段18は予め定められた配置および形状を呈するため、最終結果は補強および放射面の増大という所望の特徴を呈する。特に、少なくとも1つの放射および補強手段18の形成は、管状放射要素10自体の全体的な構造を弱める可能性がある所望されない亀裂、スリット、および/または変形の形成を生じないようにされる。
【0050】
発明の非限定的な例示的な実施形態では、管状放射要素10の面Sの外側に、円形の配置に従ってならびに/または実質的に線形の行および列に配置される複数の放射および補強手段18が存在し、
図2および
図3に見られるように鉛直方向に配置される手段が水平方向に配置される手段から離間され、または
図4に見られるように放射および補強手段18は実質的に平行なパターンに並べて配置されてもよく、またはそれらは任意の形状および寸法の網目を有する網状形状に配置されてもよく、その例が
図5などに示される。
【0051】
複数の放射および補強手段18は、本発明の保護の範囲から逸脱することなく、他の配置も呈してもよい。
【0052】
図9は、非限定的な例としてのみ、管状放射要素10が「2つのP」として形作られる発明のさらなる局面を示す。管状放射要素10は、断面が実質的に円形の中央鉛直方向管状部分12と、断面が実質的に楕円の2つの鉛直方向側方管状部分とを備える。断面が楕円形の鉛直方向管状部分のより大きな部分は処理すべき製品に面してより大きな放射面を有する。
【0053】
そのような鉛直方向側方管状部分の上に、チャネルまたはリブとして実質的に形作られ、当該管状部分の長手方向軸に応じて配置され、これと実質的に長さが等しい少なくとも1つの放射および補強要素18が存在する。
【0054】
一般的に、1つの実施形態では、少なくとも1つの放射および補強手段18は、管状放射要素10の厚みと比較して、約10%だけ正または負の厚みの変化を生じる。
【0055】
非限定的な例示のみとしての、複数の放射および補強手段18を設けた管状放射要素10の放射面の増大のいくつかの例は以下のとおりである。
【0056】
実施例1
鉛直方向側方管状部分12上の放射面の増大は、鉛直方向位置の94個の放射および補強手段18および水平方向位置の95個の放射および補強手段18の存在により、約13256mm
2に等しい。
【0057】
実施例2
側方管状部分よりも直径が大きな中央鉛直方向管状部分12上の放射面の増大は、鉛直方向位置の189個の放射および補強手段18および水平方向位置の189個の放射および補強手段18の存在により、26460mm
2に等しい。
【0058】
実施例3
湾曲した管状部分14上の放射面の増大は、鉛直方向位置の38個の放射および補強手段18および水平方向位置の38個の放射および補強手段18の存在により、約5320mm
2に等しい。
【0059】
このように、発明は意図される目的を達成することが観察される。
好ましい実施形態に従って本発明を説明したが、以下の請求項が与える保護の範囲から逸脱することなく、均等な局面が想到されてもよい。