特許第5932856号(P5932856)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5932856音声入力/出力を備えた装着可能な除細動器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5932856
(24)【登録日】2016年5月13日
(45)【発行日】2016年6月8日
(54)【発明の名称】音声入力/出力を備えた装着可能な除細動器
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/39 20060101AFI20160526BHJP
【FI】
   A61N1/39
【請求項の数】14
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-13304(P2014-13304)
(22)【出願日】2014年1月28日
(62)【分割の表示】特願2008-147733(P2008-147733)の分割
【原出願日】2008年6月5日
(65)【公開番号】特開2014-111158(P2014-111158A)
(43)【公開日】2014年6月19日
【審査請求日】2014年2月26日
(31)【優先権主張番号】12/082,168
(32)【優先日】2008年4月9日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】60/933,310
(32)【優先日】2007年6月6日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504242032
【氏名又は名称】ゾール メディカル コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】ZOLL Medical Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ディー、マッチョ
(72)【発明者】
【氏名】シェーン エス. ボルペ
(72)【発明者】
【氏名】リチャード エイ. ラッタニー
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ、シー. スカロス
(72)【発明者】
【氏名】トーマス イー. カイブ
(72)【発明者】
【氏名】マーシャル リンダー
【審査官】 佐藤 智弥
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−136707(JP,A)
【文献】 特表2002−514107(JP,A)
【文献】 国際公開第2004/078259(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 1/39
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の体に着脱自在に取り付けられ、患者の病状を示すデータを感知するように構成される複数のセンサであって、前記複数のセンサは患者の心臓のデータを感知するように構成される複数の電極を有する複数のセンサと、
患者に電気治療を行うように構成される少なくとも1つの治療パッドと、
患者により作動されるように構成される少なくとも1つのボタンと、
メモリと、
音声入力を受信するように構成されるマイクロホンを含む、少なくとも1つの音声デバイスと、
前記複数のセンサ、前記少なくとも1つの治療パッド、前記少なくとも1つのボタン、前記メモリ、及び前記少なくとも1つの音声デバイスに動作可能に接続される少なくとも1つの処理ユニットであって、前記複数のセンサにより感知される心臓のデータを監視するように、及び前記心臓のデータを保存するために、患者からの声のコマンドである音声入力の1つに応答して、前記心臓のデータを前記メモリに保存するように構成される少なくとも1つの処理ユニットと
を有する装着可能な除細動器。
【請求項2】
前記少なくとも1つの処理ユニットに動作可能に接続される通信デバイスであって、セントラル・ロケーション、及びヘルスケア提供者の少なくとも1つに心臓のデータを通信するように構成される通信デバイスを、更に有する、請求項1に記載の装着可能な除細動器。
【請求項3】
前記少なくとも1つの処理ユニットは、前記メモリに前記音声入力を保存し、前記通信デバイスに、前記セントラル・ロケーション、及び前記ヘルスケア提供者の少なくも1つに前記音声入力を通信させるように、更に構成される、請求項2に記載の装着可能な除細動器。
【請求項4】
前記少なくとも1つの音声デバイスは、スピーカを更に含み、前記メモリは、患者の病状に関する少なくとも1つの調査質問を保存し、前記少なくとも1つの処理ユニットは、前記スピーカを介して患者に前記少なくとも1つの調査質問を音声で通信するように構成される、請求項3に記載の装着可能な除細動器。
【請求項5】
前記少なくとも1つの処理ユニットは、前記少なくとも1つの調査質問に対する患者の応答を前記メモリに保存するように更に構成される、請求項4に記載の装着可能な除細動器。
【請求項6】
前記少なくとも1つの処理ユニットは、前記通信デバイスに、前記セントラル・ロケーション、及び前記ヘルスケア提供者の少なくとも1つに患者の応答を通信させるように更に構成される、請求項5に記載の装着可能な除細動器。
【請求項7】
前記少なくとも1つの処理ユニットは、定期的な間隔で、前記スピーカを介して、患者に前記少なくとも1つの調査質問を音声で通信し、前記メモリに患者の個々の応答を保存し、前記通信デバイスに、個々の応答を、前記セントラル・ロケーション、及び前記ヘルスケア提供者の少なくとも1つに通信させるように更に構成される、請求項5に記載の装着可能な除細動器。
【請求項8】
前記少なくとも1つの処理ユニットは、前記メモリに前記音声入力を保存するように更に構成される、請求項1に記載の装着可能な除細動器。
【請求項9】
患者が生命を脅かす心臓の不整脈を経験しているかどうかに関する信頼性のあるレベルを決定するため、且つ前記少なくとも1つの治療パッドに、患者が前記生命を脅かす心臓の不整脈を経験していることを示すと決定された信頼性のあるレベルに応答して、前記少なくとも1つの治療パッドに、患者への電気治療を行わせるために、前記少なくとも1つの処理ユニットは、前記複数の電極により感知される前記心臓のデータを監視するように更に構成される、請求項1に記載の装着可能な除細動器。
【請求項10】
前記少なくとも1つの処理ユニットは、バックグラウンド・ノイズの量を検出するために前記音声入力を監視し、前記バックグラウンド・ノイズの量による、前記信頼性のあるレベルを調整するように更に構成される、請求項9に記載の装着可能な除細動器。
【請求項11】
前記少なくとも1つの処理ユニットは、低量の前記バックグラウンド・ノイズの検出に応答して、前記信頼性のあるレベルを増加させ、高量の前記バックグラウンド・ノイズの検出に応答して前記信頼性のあるレベルを減少させるように更に構成される、請求項10に記載の装着可能な除細動器。
【請求項12】
前記少なくとも1つの音声デバイスは、スピーカを更に含み、前記少なくとも1つの処理ユニットは、患者が前記生命を脅かす心臓の不整脈を経験していることを示すと決定された信頼性のあるレベルに応答して前記スピーカを介して可聴のアラートを発するように、且つ高量の前記バックグラウンド・ノイズの検出に応答して可聴アラートの音量を増大するように更に構成される、請求項10に記載の装着可能な除細動器。
【請求項13】
前記少なくとも1つの音声デバイスはスピーカを更に含み、前記通信デバイスは前記セントラル・ロケーション、及び前記ヘルスケア提供者の前記少なくとも1つからの出力を受信するように構成され、前記少なくとも1つの処理ユニットは前記スピーカを介して前記出力を音声で通信するように構成される、請求項2に記載の装着可能な除細動器。
【請求項14】
前記出力は、前記装着可能な除細動器のセットアップ、及び操作の少なくとも1つに関する指示を含む、請求項13に記載の装着可能な除細動器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、米国特許法第119条(e)に基づき、2007年6月6日に出願された係属中の米国仮特許出願第60/933310号の利益を請求する。米国仮特許出願第60/933310号の全体を参照により本願に援用する。
【0002】
本発明は、装着可能な除細動器に関する。
【背景技術】
【0003】
突然死の危険にある、心臓不整脈を起こしやすい多くの患者がいる。例えば、冠状動脈閉塞及び心筋梗塞を起こしている患者は、冠状動脈閉塞後の数週間にわたってかなりの頻脈性不整脈の危険性がある。そのような患者は、一般に入院させられるが、生命を脅かす不整脈から彼らを守るための実用的な手段がある場合、早期に退院させることができる。そのような実用的な一手段には、自動除細動器の移植が含まれる。ただし、患者が生命を脅かす頻脈性不整脈を起こす場合に、例えば、装着可能な除細動器などの外部除細動器が利用可能であるなら、患者を、また、そのような移植の前に退院させることもできる。
【0004】
また、移植可能な除細動器を移植するために必要な外科手術に起因した過度の危険にさらされている患者もいる。そのような患者の場合、そのような過度の危険を回避できるように、又は他の方法で軽減できるように、移植が避けられることが好ましい。
【0005】
装着可能な除細動器は、しばしば、特定の心臓の状態に起因した、生命を脅かす不整脈を起こしている危険性の高い人々を助けるために使用される。そのような装着可能な除細動器は、通常、生命を脅かす不整脈が検出された場合に処置を提供するように構成される。例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8、及び特許文献9は、装着可能な除細動器を開示している。特許文献10、特許文献11、特許文献12、特許文献13、特許文献14、特許文献15、特許文献16、特許文献17、及び特許文献18の全体を、参照により本願に援用する。
【0006】
装着可能な除細動器は、通常、除細動器の移植の危険を冒すことができない患者、又はそのような移植を待っている患者を助けるために使用される。時には、装着可能な除細動器によって実施される分析が、処置を必要とする不整脈を患者が起こしていると誤って示すことがある。そのような状況では、装着可能な除細動器は、例えば、1つ若しくは複数の応答ボタンを押すなど、患者が必要とされる応答を提供する場合には停止するように構成された可聴アラームを発生させる。患者がそのようなボタンを押せない、又は他の方法で必要な応答を提供できない場合、デバイスは、患者が意識を失っていて、処置を必要とする状態を起こしていると見なすことがある。時には、装着可能な除細動器に不慣れな第三者が、意図的に応答ボタンを押すことによって、又は患者の処置を遅らせる若しくは妨げる応答を他の方法で提供することによって、デバイスに干渉することもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第4928690号明細書
【特許文献2】米国特許第5078134号明細書
【特許文献3】米国特許第5741306号明細書
【特許文献4】米国特許第5944669号明細書
【特許文献5】米国特許第6065154号明細書
【特許文献6】米国特許第6097987号明細書
【特許文献7】米国特許第6253099号明細書
【特許文献8】米国特許第6280461号明細書
【特許文献9】米国特許第6681003号明細書
【特許文献10】米国特許第4928690号明細書
【特許文献11】米国特許第5078134号明細書
【特許文献12】米国特許第5741306号明細書
【特許文献13】米国特許第5944669号明細書
【特許文献14】米国特許第6065154号明細書
【特許文献15】米国特許第6097987号明細書
【特許文献16】米国特許第6253099号明細書
【特許文献17】米国特許第6280461号明細書
【特許文献18】米国特許第6681003号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、前述の問題の1つ若しくは複数を克服することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
1つ若しくは複数の治療パッドと、1つ若しくは複数のセンサと、それら1つ若しくは複数の治療パッド及び1つ若しくは複数のセンサに動作可能に接続された1つ若しくは複数の処理ユニットと、それら1つ若しくは複数の処理ユニットに動作可能に接続された1つ若しくは複数の音声デバイスとを含む、装着可能な除細動器が提供される。1つ若しくは複数の音声デバイスは、患者からの音声入力を受信するように構成される。
【0010】
装着可能な除細動器の一実施例は、1つ若しくは複数のマイクロホン、1つ若しくは複数のスピーカ、又は1つ若しくは複数のスピーカと1つ若しくは複数のマイクロホンとの組合せである、1つ若しくは複数の音声デバイスを含むことができる。装着可能な除細動器の他の実施例は、1つ若しくは複数のプロセッサと、それら1つ若しくは複数のプロセッサに接続された少なくとも1つのメモリとを含む、1つ若しくは複数の処理ユニットを含むことができる。
【0011】
装着可能な除細動器の他の実施例では、1つ若しくは複数の処理ユニットを、マイクロホンを使用して患者名を記録し、且つ音声記録を不揮発性メモリに記憶するように構成することができる。装着可能な除細動器の一部の実施例では、オペレータ又は患者によってセットアップ時に作成された患者名の記録を、その装着可能な除細動器が誰のものであるかを一意的に識別するためにスタートアップ時に再生することができる。
【0012】
装着可能な除細動器の一部の実施例では、1つ若しくは複数の処理ユニットを、1つ若しくは複数のセンサによって不整脈状態が検出されると少なくとも1つの患者反応性テストを実行させるように構成することができる。一実施例では、1つ若しくは複数の反応性テストの1つには、少なくとも1つの声認識反応性テスト、少なくとも1つのボタン反応性テスト、又はそれらの任意の組合せを含めることができる。例えば、1つ若しくは複数の処理ユニットを、声認識反応性テストで患者に意識がないことを示す応答が得られた後にだけ応答ボタン反応性テストを実行させるように構成することができる。もちろん、装着可能な除細動器の他の諸実施例は、他の患者反応性テスト又は一連のそのような患者反応性テストを実行するように構成された、1つ若しくは複数の処理ユニットを含むことができる。
【0013】
装着可能な除細動器の一実施例では、音声入力は、患者によって出される、例えば少なくとも1つの話された言葉など、1つ若しくは複数の音を含むことができ、1つ若しくは複数の処理ユニットは、患者からの音声入力を認識するように構成することができる。装着可能な除細動器の一部の実施例では、1つ若しくは複数の音が1つ若しくは複数の音声デバイスによって受信されて1つ若しくは複数の処理ユニットによって認識されるときには、装着可能な除細動器が患者への処置を遅らせる又は患者への処置を提供しないように、1つ若しくは複数の処理ユニットを構成することができる。
【0014】
装着可能な除細動器の他の実施例では、装着可能な除細動器は、ベース・ユニットが適正に機能していることを確認するために、装着可能な除細動器に動作可能に接続するように構成された該ベース・ユニットによって提供される音声入力を認識するように構成された、1つ若しくは複数の処理ユニットを含むことができる。装着可能な除細動器の一部の実施例では、ベース・ユニットは、モデムを含むことができ、ベース・ユニットによって提供される音声入力は、モデムによって出される音を含むことができる。
【0015】
装着可能な除細動器の他の実施例では、装着可能な除細動器は、1つ若しくは複数の処理ユニットに接続された1つ若しくは複数の機構を含むことができ、1つ若しくは複数の処理ユニットは、1つ若しくは複数の機構が正しく動作していることを確認するために、それら1つ若しくは複数の機構によって提供される入力を認識するように構成される。装着可能な除細動器の一部の実施例では、1つ若しくは複数の機構には、起動時又は停止時に可聴音を生成する、リレー、スイッチ、又はそれらの任意の組合せを含めることができる。
【0016】
装着可能な除細動器の一実施例では、装着可能な除細動器の処理ユニットを、装着可能な除細動器がアラームを適正に発することができることを確認するためにアラームを発せさせるように構成することができる。他の実施例では、1つ若しくは複数の処理ユニットを、1つ若しくは複数のスピーカに音声出力を生成させるように構成することができ、また、1つ若しくは複数のマイクロホンから受信される音声入力に基づいて音声出力の周波数及び振幅特徴のうちの少なくとも1つを調節するように構成することができる。
【0017】
装着可能な除細動器の一部の実施例では、1つ若しくは複数の処理ユニットを、1つ若しくは複数のセンサによって得られるデータを1つ若しくは複数の処理ユニットに接続されたメモリに記録させるように構成することができる。装着可能な除細動器の一実施例では、音声入力は、コマンドを含むことができ、1つ若しくは複数の処理ユニットを、該コマンドが1つ若しくは複数の音声デバイスによって受信された後で1つ若しくは複数のセンサによって得られるデータを少なくとも1つのメモリに記録させるように構成することができる。
【0018】
装着可能な除細動器の一実施例では、1つ若しくは複数の処理ユニットを、音声入力がデバイス誤用を示す可能性のある高振幅で持続時間の短いノイズを含む場合に自己診断テストを実行させるように構成することができる。
【0019】
また、患者を監視するように構成されたシステムが提供される。該システムは、セントラル・ロケーションと、該セントラル・ロケーションに動作可能に接続するように構成された装着可能な除細動器とを含む。装着可能な除細動器は、1つ若しくは複数の治療パッドと、1つ若しくは複数のセンサと、それら1つ若しくは複数の治療パッド及び1つ若しくは複数のセンサに動作可能に接続された1つ若しくは複数の処理ユニットと、それら1つ若しくは複数の処理ユニットに動作可能に接続された1つ若しくは複数の音声デバイスとを含む。1つ若しくは複数の音声デバイスは、患者からの音声入力を受信するように構成される。
【0020】
一部の実施例では、システムは、装着可能な除細動器をセントラル・ロケーションに動作可能に接続するように構成されたベース・ステーションをさらに含むことができる。他の諸実施例では、装着可能な除細動器の1つ若しくは複数の処理ユニットは、装着可能な除細動器をセントラル・ロケーションに接続するように構成された少なくとも1つの通信デバイスを含むことができる。好ましくは、1つ若しくは複数の通信デバイスには、モデム、ネットワーク・カード、1つ若しくは複数のネットワーキング・プログラム、他のネットワーキング機構、又はそれらの任意の組合せが含まれる。
【0021】
システムの一実施例では、1つ若しくは複数の音声デバイスをマイクロホンとすることができる。システムの他の実施例では、ベース・ステーションを、セントラル・ロケーションと通信するように構成することができ、装着可能な除細動器を、その装着可能な除細動器からセントラル・ロケーションへとデータを伝送するように構成することができる。システムの他の実施例では、セントラル・ロケーションは、1つ若しくは複数のメモリを含むことができ、また、装着可能な除細動器から伝送されるデータを1つ若しくは複数のメモリに記憶するように構成することができる。
【0022】
また、患者に処置を提供する方法も提供される。該方法は、1つ若しくは複数の音声デバイスを含む装着可能な除細動器を患者に提供するステップと、患者の状態を監視するステップと、監視された不整脈状態が存在することを確認するために1つ若しくは複数の音声デバイスから患者へと音声出力を提供するステップと、1つ若しくは複数の音声デバイスによって患者からの音声入力を受信するステップと、患者から受信される音声入力に基づいて患者に処置を提供するステップとを含むことができる。患者から受信される音声入力には、無音又は可聴応答を含めることができることを理解すべきである。
【0023】
患者に処置を提供する方法の一部の実施例では、該方法は、また、患者の状態を記録するステップと、患者の記録された状態をセントラル・ロケーションに伝達するステップとを含むことができる。該方法の他の実施例では、該方法は、音声デバイスの1つ若しくは複数を用いて装着可能な除細動器の少なくとも1つの診断テストを実施するステップと、1つ若しくは複数の診断テストからの結果を記録するステップと、1つ若しくは複数のテストの結果を評価するステップとを含むことができる。
【0024】
本発明の他の詳細、目的、及び利点は、本発明の現時点で好ましい特定の諸実施例についての以下の説明と本発明を実施する現時点で好ましい特定の方法とが進行するにつれて明らかになる。
【0025】
本発明の現時点で好ましい諸実施例が、添付図面に示されており、本発明を実施する現時点で好ましい特定の方法が、やはり添付図面に示されている。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】装着可能な除細動器の一実施例を示す、本発明の第1の実施例の略図である。
図2】ベース・ステーション及びセントラル・ロケーションと対話するように構成された装着可能な除細動器の一実施例を含むシステムを示す、本発明の一実施例のブロック図である。
【実施例】
【0027】
図1を参照すると、装着可能な除細動器は、患者によって装着されることができ、患者が該除細動器を装着できるように構成されたベルト若しくはハーネス又は他の衣服を含むことができる。装着可能な除細動器が患者によって装着されるときには、電極10a、10b、10c、10dなどのセンサが、患者に着脱自在に取り付けられる。電極10a、10b、10c、及び10dは、電極アセンブリ11の一部を成し、トランク・ケーブル13を通じて処理ユニット15に動作可能に接続される。一部の実施例では、処理ユニット15には、これだけに限るものではないが、1つ若しくは複数のプロセッサ、1つ若しくは複数のコントローラ、及び/又は1つ若しくは複数のプロセッサに動作可能に接続されたメモリに記憶された1つ若しくは複数のプログラム若しくは他のソフトウェアを含めることができる。
【0028】
処理ユニット15は、治療パッド17、少なくとも1つの触覚刺激装置12、電極アセンブリ11、及び1つ若しくは複数の音声デバイス16に動作可能に接続される。音声デバイス16には、例えば、マイクロホン及びスピーカを含めることができる。治療パッド17は、除細動器が装着されるときに患者に着脱自在に接続される。処理ユニット15は、患者又は患者の周りの他の人たちと通信する視覚的表示装置とスピーカとを含むことができる。
【0029】
トランク・ケーブル13を使用して、電極アセンブリ11を処理ユニット15及び音声デバイス16に接続することができる。もちろん、電極アセンブリ11を処理ユニット15、スピーカ、マイクロホン、若しくは他の音声デバイス16に動作可能に接続するために使用される他のタイプのケーブル又は他の接続デバイスも、使用することができる。また、配線又は他の接続デバイスを使用して、電極アセンブリ11の少なくとも一部分を電極10a、10b、10c、及び10dに接続することもできる。もちろん、代替的に処理ユニット15を、無線接続又は無線接続と有線接続との組合せによって、電極10a、10b、10c、10d、治療パッド17、電極アセンブリ11、音声デバイス16、及び刺激装置12のうちの1つ若しくは複数に動作可能に接続することもできる。
【0030】
音声デバイス16には、好ましくは、Knowles Acoustics WP−23502マイクロホン、スピーカ、及び音声CODECと音声増幅器とを含む音声回路が含まれる。音声CODECは、補間フィルタとノイズ・シェーパとを含むことができる。AC97インターフェースを使用して、処理ユニット15と1つ若しくは複数の音声デバイス16とを動作可能に接続することができる。もちろん、処理ユニット15を1つ若しくは複数の音声デバイス16に動作可能に接続するのに、当業者に公知の他のインターフェース又は他の接続機構も使用することができる。
【0031】
電極アセンブリ11及び処理ユニット15の少なくとも1つは、患者の心臓の状態を評価し、且つ患者への適切な処置の供給を引き起こすように構成された、少なくとも1つのプロセッサを有する。治療パッド17は、例えば電気的除細動などの処置が患者に供給されるべきであると処理ユニット15が決定した後で、そのような処置を装着者に提供するように構成される。治療パッド17は、米国特許第5078134号に開示の適用デバイス、又は患者に処置を提供するように構成された他のデバイスを含むことができる。
【0032】
処理ユニット15は、少なくとも一部は電極10a、10b、10c、及び10dによって感知される1つ若しくは複数の状態に基づいて患者の1つ若しくは複数の状態を識別する1つ若しくは複数のビジュアルを表示することができる。スピーカは、患者又は患者の近くに位置する他の人たちと通信するために使用される音声デバイス16とすることができる。スピーカ若しくは他の音声デバイス16は、処理ユニット15内に収めることもでき、又は、処理ユニット15に取り付ける、若しくは、例えば電極アセンブリ11など、装着可能な除細動器の他の部分に取り付けることもできる。
【0033】
マイクロホンは、また、処理ユニット15に取り付けられた音声デバイス16とすることもできる。マイクロホンは、患者及び環境ノイズを検出するように構成することができる。処理ユニット15が装着者の声を認識するか否かに基づいて、処置の供給を必要とする不整脈状態が存在するかどうか又はそのような供給を遅らせるべきであるかを該処理ユニット15が判定できるように、処理ユニット15の1つ若しくは複数の部分を声認識ソフトウェアに動作可能に接続することもでき、又は処理ユニット15の1つ若しくは複数の部分が他の方法で声認識ソフトウェアを組み込むこともできる。また、処理ユニット15が、話者の声を識別し、患者がいつ音声入力を提供しているかを判定できるように、処理ユニット15を、例えば患者の声紋などの情報を記憶する、メモリ又は他の記憶装置に動作可能に接続することができる。
【0034】
処理ユニット15は、処置をいつ供給すべきかを決定するために信頼アルゴリズムを使用するように構成された1つ若しくは複数のプロセッサを含むことができる。信頼アルゴリズムは、これだけに限るものではないが、感知電極10a、10b、10c、及び10dから得られるデータ、1つ若しくは複数の心電図(「ECG」)、応答ボタン反応性テスト結果、声認識反応性テスト結果など、1つ若しくは複数の入力に基づいて不整脈を検出することができる。好ましくは、処理ユニット15は、患者が生命を脅かす不整脈を起こしているという100%の確信があると信頼アルゴリズムが判定しない限り処置が供給されないように構成される。
【0035】
1つ若しくは複数の音声デバイス16は、バックグラウンド・ノイズが存在するかどうかを識別するように構成することができる。バックグラウンド・ノイズが全く又はほとんど感知されない場合、検出の信頼性を高めることができる。処理ユニット15は、また、1つ若しくは複数の音声デバイス16によってバックグラウンド・ノイズが全く又はほとんど検出されない場合には処置の供給を加速できるように構成することができる。
【0036】
大きなバックグラウンド・ノイズが電極10a、10b、10c、又は10dによって得られるデータの質を低下させる虞があるので、処理ユニット15を、高レベルのバックグラウンド・ノイズが識別される場合には処置の供給を遅らせるように構成することができる。例えば、ECG感知電極の質は、恐らくは患者の動きによって引き起こされる大きなバックグラウンド・ノイズによって低下することがあり、また、処置を必要とする状態の誤った検出をまねく虞がある。高レベルのバックグラウンド・ノイズが識別される場合、患者が処置を必要とすることを確認するための他のテスト若しくはデータが得られるように処置を遅らせるように、又は、処置の適用中に誰も患者に触れないよう、処置が患者に提供されようとしていることを患者の周囲の人々に警告するために使用されるアラームの音声出力レベルを増大させるように、処理ユニット15を構成することができる。
【0037】
音声デバイス16は、また、特定のバックグラウンド・ノイズ・レベルが検出されるときには常にスピーカ音量が増大されるように構成することができる。そのような音量増大は、患者が高ノイズ環境にいるときに患者又は患者の近くの人々に音声出力が聞こえるようにする。そのような音声出力には、アラーム、指示、又は患者反応性テストに関連した通信を含めることができ、それらについては以下でより詳細に論じる。
【0038】
処理ユニット15は、患者が処置を必要とする状態を起こしていると判定するステップの一部として声認識反応性テストを実行させるように構成することができる。声反応性テストは、患者に意識があるかどうかを患者に言葉で尋ねるために、例えばスピーカなどの音声デバイス16を含むことができる。マイクロホン又は他の音声デバイス16が、患者が例えば「はい」などの肯定的な言葉のコメントで応答することを感知する場合、処理ユニット15を、処置を遅らせるように構成することができる。患者が音声デバイス16によって感知される回答を提供しない場合、又はそのようなデータが処理ユニット15に提供されない場合、処理ユニット15を、1つ若しくは複数のボタンを押すことを患者に求める言葉のメッセージをスピーカに提供させるように、又は、患者に意識があることを確認するために除細動器に接続された1つ若しくは複数の作動装置を起動するように構成することができる。1つ若しくは複数のボタンは、除細動器のベルト、ハーネス、ベスト、若しくはモニタの上、中、又はそれらに隣接したところに配置することができる。
【0039】
一実施例では、処理ユニット15を、処置の供給を必要とする可能性のある起こり得る状態が識別される場合に、スピーカに特定の質問を患者へと尋ねさせるように構成することができる。例えば、スピーカを、「意識がありますか?」又は「意識がありましたら、あなたの名前を述べてください」と患者に尋ねるように構成することができる。処理ユニット15は、患者が質問に回答していることを確認するために患者の声紋を含むメモリ又は他の記憶装置に動作可能に接続することができる。そのような確認は、通りすがりの人が質問に不適正に応答することによって患者の処置を妨げるのを防ぐ。
【0040】
例えばマイクロホンやスピーカなどの音声デバイス16の使用によって、患者は、除細動器にリアルタイム入力できるようになる。処理ユニット15は、また、救急隊員が後で再検討するために音声入力を装着可能なデバイスの近くで記録するように構成することができる。そのような情報は、ケア提供者が患者の診断を決定する又は患者を処置するのに役立つことがある。
【0041】
1つ若しくは複数の音声デバイスは、また、電極10a、10b、10c、又は10dによって感知されている患者の状態を処理ユニット15が記録且つ記憶させることができるように、処理ユニット15に動作可能に接続することができる。そのような記録及び記憶は、例えばマイクロホンなどの音声デバイス16によって受信される、患者によって発せられる言葉のコマンドによって、又は、処理ユニット15に動作可能に接続された、例えばボタンなどの作動装置の作動に
よって、作動させることができる。処理ユニット15は、また、患者がどのように感じているか、並びに電極10a、10b、10c、及び10dの1つ若しくは複数によって感知されている状態の記録を患者が何故開始したかを説明する、患者によって提供されるメッセージを、例えばマイクロホンなどの音声デバイス16が記録するように構成することができる。記録された音声及び感知された情報は、処理ユニット15に動作可能に接続されたメモリに記憶することもでき、セントラル・ロケーション及び/又はヘルスケア提供者に伝送することもできる。セントラル・ロケーションへの伝送については、以下でより詳細に論じる。そのような記録によって、ヘルスケア提供者若しくは医者が、感知された状態に基づいて診断を下せるようになり、又は記録された状態によって患者が必要としていることが示されるサービスを提供するために、そのような情報に基づいて他の方法で行動できるようになる。
【0042】
患者が除細動器の一面で苦労する場合、処理ユニット15を、スピーカ又は他の音声デバイスが患者に特定の言葉の指示を与えるように構成することができる。指示は、また、患者が指示を理解するのに苦労する特定の状況、又は処理ユニット15が患者からの予想される入力を受信していない特定の状況で、提供することができる。特殊なメッセージ指示は、患者の個人的な通信要求をサポートするために患者セットアップ時に記録することもでき、又は、患者がセットアップに苦労している場合に除細動器のセットアップ中に患者に指示を提供できるように処理ユニット15に動作可能に接続することもできる。例えば、そのような特殊なメッセージには、顧客サポートのための連絡先、又は、患者がそこから選択できる、指示を与えることのできる様々な言語の音声作動式メニューを含めることができる。
【0043】
処置の供給前若しくは供給中に送られる標準的な声メッセージ又はアラームは、患者についてカスタマイズすることができる。標準アラームは、また、患者が理解する言語(例えば、スペイン語、英語、フランス語、ドイツ語など)での音声出力をスピーカ又は他の音声デバイスが提供するように変更することができる。さらに、メッセージは、指示を個別設定するために患者名を含むようにカスタマイズすることもできる。
【0044】
除細動器によって提供される音声入力及び出力は、患者による除細動器の初期使用時に実施されるセットアップ・フェーズの間に作成又は変更することができる。そのようなセットアップ・フェーズを使用して、すべての音声出力が話されるべき原語を決定することができ、また、患者名を処理ユニットによって学習させる、又は処理ユニットに接続されたメモリに記憶させることができる。処理ユニット15は、また、患者の声紋が識別されて、例えば処理ユニット15内のメモリや処理ユニット15に動作可能に接続されたメモリなどの記憶装置に保存されるように構成することができる。
【0045】
処理ユニット15は、また、患者に関係した一意識別子を生成するように構成することができる。そのような識別子を使用して、患者が誰であるか、又は除細動器の装着が割り当てられた患者を判定することができる。患者の声紋又は保存された声の記録からのフィーチャを使用して、識別子を作り出すことができる。そのような識別子は、セットアップ・フェーズの一部として作り出すことができる。
【0046】
除細動器を装着する必要のある多数の患者をかかえる施設は、適正な除細動器が適正な患者によって装着されることをその施設が保証できるように、どの患者が特定の除細動器の装着に割り当てられるかを決定する方法を必要とすることがある。患者名の記録は、処理ユニット15に動作可能に接続された処理ユニット15内に収められたメモリに記憶することもでき、又は処理ユニット15によって他の方法で記憶することもできる。これで、デバイスの所期のユーザを識別するために、患者名をスピーカ又は他の音声デバイス16によって送信される音声メッセージによって識別することができる。音声デバイス16が起動されるときには常に、又は、例えばモニタ15上のボタンや処理ユニット15に動作可能に接続された作動装置など、処理ユニット15に動作可能に接続された作動装置の起動時に音声デバイス16がそのような出力を提供するように、処理ユニット15を構成することができる。また、例えばマイクロホンなどの音声デバイス16から受信される言葉のコマンドが、患者名を、例えばスピーカなどの音声デバイス16によって出力させることができるように、処理ユニット15を構成することができる。
【0047】
図2を参照すると、装着可能な除細動器41は、通常、患者に処置を提供するためにシステムに組み込まれる。該システムは、メモリ34に動作可能に接続されたプロセッサ33と、マイクロホン25と、スピーカ24と、1つ若しくは複数の治療パッド17と、1つ若しくは複数の電極10と、プロセッサ33若しくは除細動器41を、例えばコンピュータ若しくはサーバや他のセントラル・ロケーション18などの他のデバイスに接続するように構成された、例えばモデムや他のネットワーキング・デバイスなどの1つ若しくは複数のネットワーキング又は通信デバイスを含むベース・ステーション28とを有する、装着可能な除細動器41を含むことができる。プロセッサ33、メモリ34、スピーカ24、及びマイクロホン25は、例えばCODEC23を含む音声回路とともに、処理ユニット26内に収めることができる。一部の実施例では、通信デバイスの1つ若しくは複数に、装着可能な除細動器41をセントラル・ロケーション18へと接続させるよう、処理ユニット26のプロセッサ33が構成されるように、例えば、モデム、ネットワーク・カード、ネットワーキング・プログラム、他のネットワーキング機構、それらの任意の組合せなど、1つ若しくは複数の通信デバイスを処理ユニット26に接続する又は処理ユニット26に組み込むことができる。セントラル・ロケーション18は、該セントラル・ロケーション18に伝送された患者関連データを記憶するように構成された、病院又は他のケア監視機関によって操作される装置を含むことができる。セントラル・ロケーション18は、また、1つ若しくは複数の装着可能な除細動器41の操作の少なくとも一部分を監督又は管理するように構成することができる。
【0048】
プロセッサ33は、セントラル・ロケーション18に動作可能に接続できる顧客サポート職員と患者が通信できるように構成することができる。患者は、マイクロホン25及びスピーカ24を使用してそのような職員と通信することができる。ベース・ステーション28は、無線接続又は例えばUSB接続などの有線接続とすることのできる接続20によって、プロセッサ33と動作可能に接続される。サービス若しくはサポート担当員が情報を受信できるように、ベース・ステーション28は、マイクロホン25が患者から受信される入力をセントラル・ロケーション18へと送信できるようにする、セントラル・ロケーション18へのリンク19を確立するように好ましくは構成された、無線又は有線のモデム若しくは他のトランシーバを含むことができる。プロセッサ33、ベース・ステーション28、及びセントラル・ロケーション18は、また、セントラル・ロケーション18から得られる出力をスピーカ24が中継できるように構成される。そのような通信は、セントラル・ロケーション18、ベース・ステーション28、及び/又はプロセッサ33に動作可能に接続された、トランシーバ、モデム、又は他のデバイスによって、セントラル・ロケーション18とやり取りすることができる。ベース・ステーション28又は処理ユニット26は、患者にとって利用可能な任意の非セキュア・ネットワーク(例えば、セルラー、無線、POTSなど)を使用できるように、セントラル・ロケーション18に伝送されたデータを暗号化するように構成することができる。
【0049】
セントラル・ロケーション18から得られる通信は、該セントラル・ロケーション18につながった職員からのフィードバックを含むことができる。ベース・ステーション28及びプロセッサ33は、また、患者の助けになろうとしている、又は除細動器に関する問題を医療サポート・スタッフ若しくは除細動器の製造業者に報告しようとしている緊急医療サポート職員と患者が通信できるように、構成することができる。そのようなスタッフは、セントラル・ロケーション18に接続することもでき、又は、例えば、携帯電話接続や他の通信装置など、他の手段を通じて通信に応じることもできる。
【0050】
セントラル・ロケーション18は、1つ若しくは複数のコンピュータと、サーバと、1人若しくは複数の患者に調査質問若しくは他の問合せを送信するように構成されたプログラム又は他のソフトウェアとを含むことができる。そのような問合せは、患者の健康又は除細動器の状態に関する質問を含むことができる。また、患者からの定期的な応答をメモリ34、セントラル・ロケーション18、又はセントラル・ロケーション18に接続されたデバイスに記録且つ記憶できるよう、スピーカ24がメモリ34に記憶された調査質問をするようにプロセッサ33を構成することができる。そのような保存された応答は、処置を必要とする可能性のある状態を起こしているという危険性の増加を示すいずれかの症状を患者が起こしていないことを確認するために、定期的に更新し、追跡することができる。また、患者の状態又は診断の変化に関係しうるさらなる症状として呼吸特徴の変化を判定するために、患者の声の変化を記憶し、追跡することができる。
【0051】
調査質問又は定期的なコンディション・ステータス質問の例には、あなたの脚はむくんでいますか?、あなたは呼吸困難を起こしていますか?、あなたは体重が増加しましたか?、あなたは起きているときに眠いですか?(Are you sitting up to sleep?)を含めることができる。もちろん、健康状態の症状に関係した他の様々な質問を、また、そのような調査質問に加えて、又はそのような調査質問の代わりに使用することができる。
【0052】
モデム・スピーカ音声、又は除細動器41をセントラル・ロケーション18に接続するように構成されたベース・ステーション28の一部分若しくはデバイスによって生成できる他の音声を記録することによって、ベース・ステーション28がセントラル・ロケーション18に接続されていることを確認するように、マイクロホン25及びプロセッサ33を構成することができる。モデムが接続を試行しているかどうかを判定するために、除細動器41をセントラル・ロケーション18に接続しようとするときにベース・ステーション28によって生成される音声のトーンを、プロセッサ33によって分析することができる。例えば、そのような分析は、マイクロホン25によって受信される音声入力をメモリ34に記憶されたトーン・データと比較することによって実施することができる。
【0053】
また、マイクロホン25を使用して、例えばリレーやスイッチなど、装着可能な除細動器の機械的コンポーネントの起動又は停止に関係したノイズを分析することによって、特定の内部コンポーネントが正しく動作していることを確認することができる。諸コンポーネントの起動と記録された音声との相関が、諸コンポーネントの機能性を検証することができる。
【0054】
例えば、特定のイベントの間に特定のリレーが特定の時点で起動されることを予め判定することができる。そのようなデータは、メモリ34に記憶することができる。マイクロホン25によって提供される振幅及び他の音声入力と時間測定とを使用して、正しいリレーが正しい時点で起動されることを確認するように、プロセッサ33を構成することができる。
【0055】
プロセッサ33は、装着可能な除細動器41が損傷している虞があることを示す音声入力が受信されるときには常に自己診断テストを実行させるように構成することができる。そのような音声入力には、高振幅で持続時間の短いノイズを含めることができる。そのようなノイズは、装着可能な除細動器の一部分にぶつかっている、例えば壁、床、椅子、扉などの物体から生成されるノイズ、若しくは除細動器が硬質表面に落とされるときのノイズと、同等又は類似である可能性がある。
【0056】
プロセッサ33は、装着可能な除細動器41が適正に機能していることを確認するためにシステム・テストを実行させるように構成することができる。例えば、プロセッサ33は、スピーカ24によってアラームを様々な周波数及び音量で発せさせ、スピーカの予想される音声出力とマイクロホン25によって受信される音声入力とを比較することによって、アラームが様々な音量及び周波数で発せられていることを確認することができる。アラームが適正に機能しないことが判明した場合、セントラル・ロケーション18に動作可能に接続し、且つ、問題をセントラル・ロケーション18に報告するように、又は装着可能な除細動器41のサービシングをスケジュールに組み入れるように、プロセッサ33を構成することができる。プロセッサ33は、前述のように、ベース・ステーション28と対話することによってセントラル・ロケーション18に動作可能に接続することができる。
【0057】
サービス職員が、診断テストの結果を再検討し、その結果を評価して装着可能な除細動器がサービシングを必要とするかどうかを判定することができることを理解すべきである。
【0058】
装着可能な除細動器の現時点で好ましい特定の諸実施例と、それらを実施する方法の特定の諸実施例とを示し、記載したが、本発明がそれらだけに限定されず、特許請求の範囲内で本発明を他の方法で様々に具体化且つ実施できることをはっきりと理解すべきである。
【符号の説明】
【0059】
10 電極
11 電極アセンブリ
12 触覚刺激装置
13 トランク・ケーブル
15 処理ユニット
16 音声デバイス
17 治療パッド
18 セントラル・ロケーション
23 CODEC
24 スピーカ
25 マイクロホン
26 処理ユニット
28 ベース・ステーション
33 プロセッサ
34 メモリ
41 除細動器
図1
図2