(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5933036
(24)【登録日】2016年5月13日
(45)【発行日】2016年6月8日
(54)【発明の名称】ステアリングホイール装置
(51)【国際特許分類】
B62D 1/11 20060101AFI20160526BHJP
【FI】
B62D1/11
【請求項の数】7
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-554317(P2014-554317)
(86)(22)【出願日】2013年12月13日
(86)【国際出願番号】JP2013083472
(87)【国際公開番号】WO2014103752
(87)【国際公開日】20140703
【審査請求日】2015年6月5日
(31)【優先権主張番号】特願2012-287553(P2012-287553)
(32)【優先日】2012年12月28日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】503358097
【氏名又は名称】オートリブ ディベロップメント エービー
(74)【代理人】
【識別番号】503175047
【氏名又は名称】オートリブ株式会社
(74)【復代理人】
【識別番号】110000349
【氏名又は名称】特許業務法人 アクア特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】熊川 裕康
【審査官】
鈴木 敏史
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−52664(JP,A)
【文献】
特開2010−125990(JP,A)
【文献】
特開平4−224463(JP,A)
【文献】
特開平9−76854(JP,A)
【文献】
実開昭62−99471(JP,U)
【文献】
米国特許第4116087(US,A)
【文献】
特表2010−502495(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 1/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のステアリングコラムに接続されたステアリングホイールと、該ステアリングホイールのステアリングコラム側を覆うロアカバーとを有するステアリングホイール装置であって、
前記ロアカバーは、
前記ステアリングコラムと対面する底面部と、
前記底面部の中央に設けられ、前記ステアリングコラムからステアリングホイールまで延びるステアリングシャフトが通される開口部と、
前記底面部の前記開口部の車幅方向両脇に設けられる、所定形状に屈曲および湾曲したスリット部と、該スリット部に縁取られることで車両前側の自由端および車両後側の固定端を有するよう該底面部に形成される緩衝部と、
前記緩衝部の前記自由端側にて前記スリット部に掛け渡される破断可能なブリッジ部と、を有することを特徴とするステアリングホイール装置。
【請求項2】
前記ブリッジ部は、底面部に比べて肉薄に形成されることを特徴とする請求項1に記載のステアリングホイール装置。
【請求項3】
前記ブリッジ部は、その長手方向の中央に周囲よりも幅が細くなった狭幅部を有することを特徴とする請求項1または2に記載のステアリングホイール装置。
【請求項4】
前記ブリッジ部は、その長手方向の中央に、幅方向にわたって形成される溝部を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のステアリングホイール装置。
【請求項5】
前記緩衝部は、前記自由端がM字形状を描くよう形成され、
前記ブリッジ部は、前記自由端のM字形状の2個所の先端にそれぞれ掛け渡されることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のステアリングホイール装置。
【請求項6】
前記緩衝部は、前記自由端が弧を描くよう形成されることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のステアリングホイール装置。
【請求項7】
前記緩衝部は、前記自由端がコの字形状を描くよう形成されることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のステアリングホイール装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のステアリングコラムに接続されたステアリングホイールと、ステアリングホイールのステアリングコラム側を覆うロアカバーとを有するステアリングホイール装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ステアリングホイールは、車両の進行方向を変えるために運転者が操作する部位である。ステアリングホイールの中央にはその操作力を伝えるためのステアリングシャフトが連結していて、このステアリングシャフトを介してさらにステアリングギア(タイヤの向きを変える装置)が操作される。
【0003】
一般的に、ステアリングホイールのうちの乗員側の中央にはホーンスイッチが備えられている。現在では、エアバッグモジュールがホーンスイッチとして機能している場合が多い。一方、ステアリングホイールの背面側、すなわちインストルメントパネル側には、ロアカバーが取り付けられている。そしてこの背面側は、ステアリングシャフトを筒状に覆っているステアリングコラムへと接続されている。
【0004】
ステアリングホイールは、運転者の正面に位置しているため、車両に衝撃が発生した場合において運転者が最も接触しやすい部位でもある。また、フロントエアバッグが作動した場合などにも、ステアリングホイールには少なからず荷重が加えられる。そこで、例えば特許文献1では、ステアリングホイールにかかった衝撃が吸収できるよう、ロアカバーの底面に溝状の底面破断部を設け、さらに側面にも稜部破断部を設けていて、これによって衝撃がかかるとロアカバーが破断してその衝撃を吸収する構成を実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−76854号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1の構成では、浅い溝状の各破断部がロアカバーの広い領域にわたって設けられている。そのため、ロアカバーの剛性が低下する可能性があり、例えば運行中に振動を生じさせて異音の発生を招くおそれがある。また、ロアカバーの全体が押し広げられるように大きく開裂する構成となっているが、安全性等を考慮すると、よりコンパクトな動作で衝撃の吸収を達成できる構造が望ましい。
【0007】
本発明は、このような課題に鑑み、緊急時等において加えられる衝撃をより小さな動作で吸収することが可能なステアリングホイール装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明にかかるステアリングホイール装置の代表的な構成は、車両のステアリングコラムに接続されたステアリングホイールと、ステアリングホイールのステアリングコラム側を覆うロアカバーとを有するステアリングホイール装置であって、ロアカバーは、ステアリングコラムと対面する底面部と、底面部の中央に設けられ、ステアリングコラムからステアリングホイールまで延びるステアリングシャフトが通される開口部と、底面部の開口部の車幅方向両脇に設けられる、所定形状に屈曲および湾曲したスリット部と、スリット部に縁取られることで車両前側の自由端および車両後側の固定端を有するよう底面部に形成される緩衝部と、緩衝部の自由端側にてスリット部に掛け渡される破断可能なブリッジ部と、を有することを特徴とする。
【0009】
緊急時において車両に減速度および加速度が発生すると、乗員は慣性によって、ステアリングホイールのうち特に乗員の手前側、すなわち車両後側の任意の箇所に上方から接触する場合が多い。そのような場合、この端部は下方へと押される。すると、上記構成のロアカバーには、テコの原理によって、緩衝部の自由端が立ち上がるような方向へ力が加わる。その結果、ロアカバーは、ブリッジ部を破断させて、さらにたわむ。この一連の動作によって、ロアカバーは衝撃を吸収することができる。また、破断はブリッジ部のみに生じる構成であって、ロアカバーには設定通りの規則的な変形が起こるため、例えばパドルスイッチなどのロアカバーを貫通して設置されるステアリングホイールの内部デバイスとロアカバーとの干渉も避けることが可能になり、安全面においても有益である。
【0010】
上記のブリッジ部は、底面部に比べて肉薄に形成されるとよい。これにより、破断を効率よく生じさせることのできるブリッジ部が実現できる。
【0011】
上記のブリッジ部は、その長手方向の中央に周囲よりも幅が細くなった狭幅部を有してもよい。これにより、破断を効率よく生じさせることのできるブリッジ部が実現できる。
【0012】
上記のブリッジ部は、その長手方向の中央に、幅方向にわたって形成される溝部を有してもよい。これによっても、破断を効率よく生じさせることのできるブリッジ部が実現できる。
【0013】
上記の緩衝部は、自由端がM字形状を描くよう形成され、ブリッジ部は、自由端のM字形状の2個所の先端にそれぞれ掛け渡されてもよい。この構成により、破断を効率よく生じさせることのできるブリッジ部、および衝撃を吸収できる緩衝部が実現できる。
【0014】
上記の緩衝部は、自由端が弧を描くよう形成されてもよい。この構成によっても、衝撃を吸収できる緩衝部が実現できる。
【0015】
上記の緩衝部は、自由端がコの字形状を描くよう形成されてもよい。この構成によっても、衝撃を吸収できる緩衝部が実現できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、緊急時等において加えられる衝撃をより小さな動作で吸収することが可能なステアリングホイール装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施形態にかかるステアリングホイール装置の概要を例示した図である。
【
図2】
図1のロアカバーを単独で例示した図である。
【
図4】
図1のステアリングホイールが荷重を受けた場合の動作を例示した図である。
【
図6】
図2のスリット部および緩衝部の各変形例である。
【符号の説明】
【0018】
S1 …矢印、100 …ステアリングホイール装置、101 …ステアリングホイール装置、102 …ステアリングコラム、103 …リム、104 …ステアリングシャフト、105 …リムの端部、106 …エアバッグモジュール、108 …ロアカバー、110 …底面部、112 …開口部、114a、114b …スリット部、116a、116b …緩衝部、118 …緩衝部の自由端、120 …緩衝部の固定端、122a、122b …ブリッジ部、124 …狭幅部、130a、130b …パドルスイッチ設置孔、132 …パドルシフト、200 …変形例のブリッジ部、202 …溝部、400a、400b …変形例のスリット部、402a、402b …変形例の緩衝部、404a、404b …変形例の緩衝部の自由端、500a、500b …変形例のスリット部、502a、502b …変形例の緩衝部、504a、504b …変形例の緩衝部の自由端
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0020】
図1は、本発明の実施形態にかかるステアリングホイール装置100の概要を例示した図である。なお、
図1を含む以下の図面では、ステアリングホイール装置100が車両に取り付けられた状態を想定して、ステアリングコラム102方向(ステアリングシャフト104方向)をZ軸とし、そのZ軸に直行する平面において、ステアリングホイール101をアナログ12時間時計に見立ててその12時側を車両前方側としたとき、9時から3時方向をX軸、6時から12時方向をY軸として例示する。
【0021】
ステアリングホイール101は、ステアリングコラム102の内部を通っているステアリングシャフト104と連結し、運転者の操作力をステアリングギア(図示省略)等へ伝達する。ステアリングホイール101の中央には、内部にフロントエアバッグを搭載したエアバッグモジュール106が取り付けられている。
【0022】
ステアリングホイール101のステアリングコラム102側は、ロアカバー108で覆われている。ロアカバー108は、ステアリングホイール101に取り付けられた、樹脂製の外装部材である。ここで、ステアリングホイール101は、緊急時において運転者が最も接触しやすい部位であり、フロントエアバッグの作動時においても荷重を受ける。本実施形態では、ステアリングホイール101にかかる衝撃が吸収できるよう、ロアカバー108に独自の工夫を施している。
【0023】
図2は、
図1のロアカバー108を単独で例示した図である。
図2(a)は、ロアカバー108の全体を底面部側から見た図である。底面部110は、
図1のステアリングコラム102と対面する部位である。底面部110には、中央に、ステアリングシャフト104(
図1参照)が通される開口部112が設けられている。また、開口部112の車幅方向(X軸方向にほぼ一致)の両脇には、任意のデバイスを設置するためのさらなる開口部の例として、例えばパドルシフト132(
図4(c)等参照)に代表されるパドルスイッチを設置するパドルスイッチ設置孔130a、130bが設けられている。そして、このパドルスイッチ設置孔130a、130bの下方であって、同じく開口部112の車幅方向の両脇には、当該ステアリングホイール装置100の独自の構成として、スリット部114a、114bおよび緩衝部116a、116bが設けられている。
【0024】
以下では、2つのスリット部114a、114bおよび緩衝部116a、116bをそれぞれ代表して、スリット部114aおよび緩衝部116aを挙げて説明を行う。
図2(b)は
図2(a)のスリット部114aおよび緩衝部116aの拡大斜視図である。このスリット部114aおよび緩衝部116aは、緊急時に作用する、ロアカバー108に生じ得る衝撃を吸収するための構成である。スリット部114aは、底面部110上に緩衝部を形成する溝であって、M字に沿って屈曲および湾曲した形状となっている。緩衝部116aは、スリット部114aに縁取られることで底面部110上に形成されていて、車両前側(図中左上側)に自由端118を有し、車両後側(図中右下方)に固定端120を有している。
【0025】
本実施形態では、緩衝部116aは、自由端118がM字形状を描くよう、自由端118の幅方向両側が尖った形状に形成されている。そして、このM字形状の自由端118における2個所の先端のそれぞれにて、スリット部114aにはブリッジ部122a、122bが掛け渡されている。ブリッジ部122a、122bは、緩衝部116aの自由端118と、スリット部114aを挟んだ反対側の領域とをつなぐ部位である。ブリッジ部122a、122bを設けることで、普段の運行中においては、ロアカバー108の剛性が保たれ、振動および異音の発生を防止することができる。
【0026】
図3は、
図2(b)のブリッジ部122aの拡大図である。
図3(a)に示すブリッジ部122aは、緊急時においてステアリングホイール101(
図1参照)に衝撃が加えられると、ステアリングホイール101のたわみに応じて破断する。本実施形態では、ブリッジ部122aに破断が効率よく起こるよう、ブリッジ部122aの長手方向の中央に狭幅部124を設けている。この狭幅部124は、周囲よりも幅が細くなっていて、破断が起こりやすくなっている。
【0027】
図3(b)は、
図3(a)のA−A断面図である。
図3(b)に例示するように、本実施形態では、ブリッジ部122aの肉厚を周囲の底面部110および緩衝部116aよりも薄肉に設定している。これによって、ブリッジ部122aは、周囲の底面部110および緩衝部116aに比べて、破断がさらに効率よく起こるようになっている。
【0028】
図4は、
図1のステアリングホイール101が荷重を受けた場合の動作を例示した図である。
図4(a)は、車両取付状態のステアリングホイール101を例示している。
図4(a)に例示するように、ロアカバー108は、ステアリングホイール101の本体(リム103やエアバッグモジュール106などの部位)とステアリングコラム102との間に位置している。
図4(b)は、
図4(a)のロアカバー108の内部において、緩衝部116aの付近を一部断面で示した斜視図である。この
図4(b)は、衝撃を受ける前の状態を例示しているため、緩衝部116aに変化は起きていない。
【0029】
図4(c)は、
図4(a)のステアリングホイール101の端部へ荷重を印加した状態を例示している。この
図4(c)の状態は、緊急時における荷重のかかり具合の概要を表している。緊急時において、車両に減速度および加速度が発生すると、乗員は慣性によって、ステアリングホイール101のうち特に乗員の手前側、すなわち車両後側(図中右側)のリム103の下部側にて、任意の箇所(例えば端部105)におおよそ上方から接触する。
図4(c)では、乗員との接触によって加えられる衝撃を破線の矢印S1で示す。
【0030】
ここで、
図4(c)では、
図2(a)を参照して説明したパドルスイッチ設置孔130a、130bへの設置物の例として、パドルシフト132が設置されている。パドルシフト132のように、ロアカバー108を貫通して設置されるデバイスが存在していると、衝撃S1のような荷重が加えられた際に、リム103に追従して変形および移動しようとするロアカバー108がパドルシフト132に干渉し、パドルシフト132およびロアカバー108に不具合が起こる場合がある。しかし当該ステアリングホイール装置100であれば、
図4(b)の緩衝部116aがこのような不具合を解消する対策としても有効に機能する。
【0031】
図4(d)は、
図4(c)のステアリングホイール102の状態における緩衝部116aを例示している。
図4(d)に例示するように、リム103の端部105(
図4(c)参照)が下方へと押されると、緩衝部116aにはテコの原理により、その自由端118が立ち上がるような方向へ荷重がかかる。その結果、ブリッジ部122a、122bは破断する。特に、本実施形態では、ブリッジ部122aがM字形状の自由端118の先端にそれぞれ設けられているため、ブリッジ部122aに荷重を効率よく加えてこれを破断させることができる。そして、スリット部114aの端を結んだ延長線L1(
図2(a)参照)を屈曲線にして、ロアカバー108のうち延長線L1よりも下部の領域はリム103に追従してたわむように変形する。この一連の動作によって、ロアカバー108は衝撃(
図4(c)の矢印S1)を吸収することができる。また他方、ロアカバー108のうち延長線L1から上部の領域はリム103にはあまり追従せずに変形や移動が抑えられるため、
図4(c)に例示したパドルシフト132へのロアカバー108の干渉も防がれる。
【0032】
これらのように、本実施形態のステアリングホイール101では、万が一に乗員が接触した場合に、乗員に与える反力を低減することができる。また、破断はブリッジ部122a、122bのみに生じる構成であって、その際の動作は小さなものとなっている。そして、破断をブリッジ部122a、122bのみに起こすことで、ロアカバー108に設定通りの規則的な変形を招くことができる。そのため、例えば、変形するロアカバー108による、パドルシフト132やその他のステアリングホイール101の内部構造への干渉を避けることができる。また、ブリッジ部122a、122bのみに破断を生じさせることとロアカバー108の他の内部構造への干渉を防ぐことで、破片の飛散等も防ぐことができ、安全面においても有益である。
【0033】
(各変形例)
図5は、
図3のブリッジ部122aの変形例である。
図5(a)に例示するように、ブリッジ部200には、長手方向の中央に、幅方向にわたって溝部202が設けられている。
図5(b)は、
図5(a)のB−B断面図である。
図5(b)に例示するように、溝部202は切り込み形状に設けてもよい。この溝部202を設けることで、溝部202に荷重を集めやすくなるため、溝部202を起点にしてブリッジ部200を効率よく破断させることが可能になる。
【0034】
図5(c)は、さらに他の変形例であるブリッジ部300を例示した図である。ブリッジ部300は、
図3のブリッジ部122aと異なり、直線的な形状となっている。このブリッジ部300においても、長手方向の中央に、幅が狭くなった狭幅部302を設けることで、破断を生じさせやすくすることができる。
【0035】
図6は、
図2のスリット部114aおよび緩衝部116aの各変形例である。
図6(a)に例示するように、スリット部400a、400bおよび緩衝部402a、402bは、緩衝部402a、402bの自由端404a、404bが弧を描くように形成してもよい。また、
図6(b)に例示するように、スリット部500a、500bおよび緩衝部502a、502bは、緩衝部502aの自由端504a、504bがコの字形状を描くよう形成してもよい。これら各構成によっても、衝撃を受けた際に、ブリッジ部122a、122bを破断させてロアカバー108をたわませ、受けた衝撃を吸収することができる。
【0036】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、以上に述べた実施形態は、本発明の好ましい例であって、これ以外の実施態様も、各種の方法で実施または遂行できる。特に本願明細書中に限定される主旨の記載がない限り、この発明は、添付図面に示した詳細な部品の形状、大きさ、および構成配置等に制約されるものではない。また、本願明細書の中に用いられた表現および用語は、説明を目的としたもので、特に限定される主旨の記載がない限り、それに限定されるものではない。
【0037】
したがって、当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は、車両のステアリングコラムに接続されたステアリングホイールと、ステアリングホイールのステアリングコラム側を覆うロアカバーとを有するステアリングホイール装置に利用することができる。