(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5933041
(24)【登録日】2016年5月13日
(45)【発行日】2016年6月8日
(54)【発明の名称】コネクティングロッド用の軸受アセンブリ
(51)【国際特許分類】
F16C 9/04 20060101AFI20160526BHJP
F16C 19/28 20060101ALI20160526BHJP
【FI】
F16C9/04
F16C19/28
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-556522(P2014-556522)
(86)(22)【出願日】2012年2月8日
(65)【公表番号】特表2015-507157(P2015-507157A)
(43)【公表日】2015年3月5日
(86)【国際出願番号】US2012024236
(87)【国際公開番号】WO2013119217
(87)【国際公開日】20130815
【審査請求日】2014年10月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】510099028
【氏名又は名称】コーヨー ベアリングス ノース アメリカ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シック、ゲイリー
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン、スコット
【審査官】
小川 克久
(56)【参考文献】
【文献】
仏国特許出願公開第00720083(FR,A1)
【文献】
米国特許第01790253(US,A)
【文献】
特開2002−174230(JP,A)
【文献】
英国特許出願公開第00258128(GB,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16C 3/00− 9/06
F16C 19/00−19/56
F16C 33/30−33/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクティングロッド、クランクシャフト、第1の複数のラジアルころ要素および第2の複数のラジアルころ要素を備える軸受アセンブリにおいて、
前記コネクティングロッドが、第1の端部及び第2の端部を有し、前記第2の端部は、円筒形状の開口から半径方向内方に垂下する、一対の対向する軸受表面を有するスラスト・リングを有する円筒形状の開口を画定し、それにより、前記円筒形状の開口は、前記スラスト・リングの両側に第1の外側軌道及び第2の外側軌道を画定し、前記スラスト・リングは、前記円筒形状の開口の内側表面から半径方向外方に延在する環状溝内に受けられ、
前記クランクシャフトは、一対の対向する内側壁の間に位置する円筒形状の内側軌道を画定し、
前記第1の複数のラジアルころ要素は、前記第1の外側軌道と前記内側軌道との間に位置し、前記第1のラジアルころ要素はそれぞれ、前記スラスト・リングの軸受表面に接触する第1の端面及び対向側の第2の端面を有し、前記第1の端面と前記第2の端面との間に軸線方向長さを画定し、
前記第2の複数のラジアルころ要素は、前記第2の外側軌道と前記内側軌道との間に位置し、前記第2のラジアルころ要素はそれぞれ、前記スラスト・リングの軸表受面に接触する第1の端面及び対向側の第2の端面を有し、前記第1の端面と前記第2の端面との間に軸線方向長さを画定し、
前記第1の複数のラジアルころ要素のうちの少なくとも1つのラジアルころ要素の前記軸線方向長さが、前記第1の外側軌道の軸線方向長さよりも長く、前記第2の複数のラジアルころ要素のうちの少なくとも1つのラジアルころ要素の前記軸線方向長さが、前記第2の外側軌道の軸線方向長さよりも長い、軸受アセンブリ。
【請求項2】
前記第1の複数のラジアルころ要素のうちの前記少なくとも1つのラジアルころ要素の前記第2の端面が、前記第1の外側軌道を越えて軸線方向外方に延在する、請求項1に記載された軸受アセンブリ。
【請求項3】
前記第2の複数のラジアルころ要素のうちの前記少なくとも1つのラジアルころ要素の前記第2の端面が、前記第2の外側軌道を越えて軸線方向に外方に延在する、請求項2に記載された軸受アセンブリ。
【請求項4】
前記第1の複数のラジアルころ要素の各ラジアルころ要素の前記第2の端面は、前記第1の複数のラジアルころ要素の各ラジアルころ要素の前記第1の端面が前記スラスト・リングに接触する場合に、前記第1の外側軌道を越えて軸線方向に外方に延在する、請求項3に記載された軸受アセンブリ。
【請求項5】
前記第2の複数のラジアルころ要素の各ラジアルころ要素の前記第2の端面は、前記第2の複数のラジアルころ要素の各ラジアルころ要素の前記第1の端面が前記スラスト・リングに接触する場合に、前記第2の外側軌道を越えて軸線方向に外方に延在する、請求項4に記載された軸受アセンブリ。
【請求項6】
前記第1の複数のラジアルころ要素及び前記第2の複数のラジアルころ要素のそれぞれが、総ラジアルころ要素をさらに備える、請求項1に記載の軸受アセンブリ。
【請求項7】
前記コネクティングロッドの前記第2の端部の最大軸線方向長さが、前記第1の複数のラジアルころ要素のうちの前記少なくとも1つのラジアルころ要素の前記軸線方向長さ、前記第2の複数のラジアルころ要素のうちの前記少なくとも1つのラジアルころ要素の前記軸線方向長さ、及び前記スラスト・リングの軸線方向長さにより規定される、全軸線方向長さよりも短い、請求項1に記載された軸受アセンブリ。
【請求項8】
前記内側軌道は、第1の内側軌道及び第2の内側軌道をさらに備え、前記クランクシャフトは、第1の端部及び第2の端部を有する潤滑経路を備え、前記第2の端部は、前記第1の内側軌道と前記第2の内側軌道との間に位置する、請求項1に記載された軸受アセンブリ。
【請求項9】
前記第1の複数のラジアルころ要素のうちの前記少なくとも1つのラジアルころ要素の前記第1の端面は、前記スラスト・リングに接触し、前記第1の複数のラジアルころ要素のうちの前記少なくとも1つのラジアルころ要素の前記第2の端面は、前記クランクシャフトの一対の対向する内側壁のうちの一方に接触する、請求項1に記載された軸受アセンブリ。
【請求項10】
前記第2の複数のラジアルころ要素のうちの前記少なくとも1つのラジアルころ要素の前記第1の端面は、前記スラスト・リングに接触し、前記第2の複数のラジアルころ要素のうちの前記少なくとも1つのラジアルころ要素の前記第2の端面は、前記クランクシャフトの前記一対の対向する内側壁のうちの別の一方に接触する、請求項9に記載された軸受アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクティングロッドと対応するクランクシャフトとの間で使用される軸受に関するものであり、さらに詳細には、半径方向(ラジアル方向)荷重及び軸線方向荷重の両方を支持することが可能な軸受に係るものである。
【背景技術】
【0002】
往復機関においては、ピストンが、シリンダ内を往復運動する。ピストンは、コネクティングロッドによってクランクシャフトに連結され、それにより、ピストンの移動によりクランクシャフトが駆動される。コネクティングロッドとクランクシャフトとの相対移動により発生する半径方向の力を吸収するために、軸受がコネクティングロッドとクランクシャフトとの間に設けられる。軸受の軸線方向端部は、クランクシャフト表面に接触する。軸受の軸線方向端部は、コネクティングロッド及びクランクシャフトの対向する表面同士の間に配置されるように軸受の保持器の両端部から半径方向外方に延在したフランジであることが多い。コネクティングロッド面とクランクシャフトとの接触により、境界表面の摩耗が芳しくないものとなる虞がある。また、コネクティングロッドと軸受との間、及びクランクシャフトとコネクティングロッドとの間に生じる摩擦により熱が発生し、この熱により、軸受又はその構成要素に損傷が生ずる虞がある。
【0003】
先行技術には、コネクティングロッドとクランクシャフトとの間に発生する摩擦量を低減させるように設計された様々な試みがあり、それには、例えばスプレー注油などによりコネクティングロッドとクランクシャフトとの境界部を潤滑することがある。しかし、コネクティングロッドとコネクティングロッドに連結されるクランクシャフト部分との間に存在する間隙は、これらの間隙内を外方に延在する軸受の保持器の半径方向フランジにより、通常は縮小される。さらに、厳格な公差のために、軸受のころ要素を配置するためのクランクシャフトの軌道に対して潤滑を施すことのできる能力が制限され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、先行技術の構造及び方法の検討を認識し、それらに対処するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示による軸受アセンブリの一具体例は、
第1の端部及び第2の端部を有するコネクティングロッドであって、第1の端部がそこから半径方向内方に垂下するスラスト・リングを有する円筒形状の開口を画定し、それにより、円筒形状の開口がスラスト・リングの両側に第1の外側軌道及び第2の外側軌道を画定する、コネクティングロッドと、
一対の対向する内側壁の間に位置する円筒形状の内側軌道を画定するクランクシャフトと、
第1の外側軌道と内側軌道との間に位置する第1の複数のラジアルころ要素であって、第1のラジアルころ要素がそれぞれ第1の端面及び対向側の第2の端面を有し、第1の端面と第2の端面との間に軸線方向長さを画定する、第1の複数のラジアルころ要素と、
第2の外側軌道と内側軌道との間に位置する第2の複数のラジアルころ要素であって、第2のラジアルころ要素がそれぞれ第1の端面及び対向側の第2の端面を有し、第1の端面と第2の端面との間に軸線方向長さを画定する、第2の複数のラジアルころ要素とを備える。第1の複数のラジアルころ要素のうちの少なくとも1つのラジアルころ要素の軸線方向長さが、第1の外側軌道の軸線方向長さよりも長く、第2の複数のラジアルころ要素のうちの少なくとも1つのラジアルころ要素の軸線方向長さが、第2の外側軌道の軸線方向長さよりも長い。
【0006】
外側軌道を画定するコネクティングロッドと内側軌道を画定するクランクシャフトとの間で使用される軸受アセンブリの別の具体例は、
外側軌道と内側軌道との間に位置する第1の複数のラジアルころ要素であって、第1の複数のラジアルころ要素のそれぞれが第1の端面及び対向側の第2の端面を有し、第1の端面と第2の端面との間に軸線方向長さを画定する、第1の複数のラジアルころ要素と、
外側軌道と内側軌道との間に位置する第2の複数のラジアルころ要素であって、第2の複数のラジアルころ要素のそれぞれが第1の端面及び対向側の第2の端面を有し、第1の端面と第2の端面との間に軸線方向長さを画定する、第2の複数のラジアルころ要素と、
第1の複数のラジアルころ要素と第2の複数のラジアルころ要素との間に位置するスラスト・リングとを備える。コネクティングロッドの外側軌道の最大軸線方向長さは、第1の複数のラジアルころ要素のうちの少なくとも1つのラジアルころ要素の軸線方向長さ、第2の複数のラジアルころ要素のうちの少なくとも1つのラジアルころ要素の軸線方向長さ、及びスラスト・リングの軸線方向長さにより規定される、全軸線方向長さよりも短い。
【0007】
本発明の他の態様が、詳細な説明及び添付の図面を考察することにより自明となろう。
【0008】
当業者を対象とする、最良の実施態様を含む本発明の完全且つ実施可能な開示を、添付の図面を参照とする本明細書において提示する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図2の線1−1に沿った、コネクティングロッドとクランクシャフトとの間で使用される軸受アセンブリの一実施例の断面図。
【
図2】
図1の線2−2に沿った、軸受アセンブリの断面図。
【
図5】本開示による軸受アセンブリの代替的な一実施例の部分斜視図。
【
図6】本開示による軸受アセンブリの代替的な一実施例の部分斜視図。
【
図7】本開示による軸受アセンブリの代替的な一実施例の部分斜視図。
【
図8】本開示による軸受アセンブリの代替的な一実施例の部分斜視図。
【
図10】
図8に示す軸受アセンブリの部分斜視断面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書及び図面における符号の繰り返しの使用は、本開示による本発明の同一又は類似の構成又は要素を表すように意図される。
【0011】
以下、添付の図面に1つ又は複数の例が示される本発明の現時点において好ましい実施例を詳細に参照する。各例は、本発明の限定ではなく例示として示される。実際に、本発明の範囲及び原理から逸脱することなく、本発明において修正及び変更が成し得ることは、当業者には自明であろう。例えば、一実施例の一部として図示又は説明される構成が、別の実施例に使用されることにより、さらなる他の実施例が生み出されることができる。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物の範囲内に含まれるような修正及び変更をその範囲に含むように意図される。
【0012】
次に図面を参照すると、本開示による軸受アセンブリ50の一実施例が、
図1〜
図5に示される。往復機関(図示せず)では、ピストンが、シリンダ内を往復運動し、クランクシャフト10を駆動する。ピストンは、クランクシャフト10がピストンの移動により駆動されるように、コネクティングロッド30によってクランクシャフト10に連結され、軸受アセンブリ50は、クランクシャフト10とコネクティングロッド30との間に受けられることにより、摩擦を低減させる。ピストン、クランクシャフト10、及びコネクティングロッド30の移動により、軸線方向の力及び半径方向の力が、軸受アセンブリ50を介してコネクティングロッド30とクランクシャフト10との間に印加される。
【0013】
図1及び
図2に最も良く示すように、コネクティングロッド30は、第1の端部32、棒部分34、及び第2の端部36を備える。第1の端部32は、第1の開口38を画定し、この第1の開口38を貫通するピストン・ピンによりピストンに対して連結される。枢動軸線40が、第1の開口38の中心を通るように規定され、第1の端部32及びコネクティングロッド30は、ピストンがシリンダ内を往復運動する際に、ピストン・ピンを中心として枢動する。コネクティングロッド30の第2の端部36は、第2の開口42を画定する。クランクシャフト10の一部分は、クランクシャフト10がコネクティングロッド30に結合されるように、第2の開口42を貫通して回転自在に受けられる。軸受アセンブリ50は、コネクティングロッド30の第2の開口42と、第2の開口42を貫通するクランクシャフト10の部分との間に位置決めされて、それらの間に発生する半径方向の力及び軸線方向の力を吸収する。
【0014】
図4に最も良く示すように、軸受アセンブリ50は、第1の複数のころ要素52aと、第2の複数のころ要素52bと、第1の複数のころ要素52aと第2の複数のころ要素52bとの間に位置するスラスト・リング60とを備える。図示するように、コネクティングロッド30の第2の開口42の内周面は、外側軌道44と、外側軌道44からコネクティングロッド30の第2の端部36内へと半径方向外方に延在する環状溝46とを有する。環状溝46は、軸受アセンブリ50のスラスト・リング60を受けるように構成され、第1の外側軌道44a及び第2の外側軌道44bに外側軌道44を分割する。さらに、コネクティングロッド30の第2の開口42内に受けられるクランクシャフト10の一部分が、クランクシャフト10の対向する内側壁16aと16bとの間に円筒形状の内側軌道14を画定する。
【0015】
図示する実施例においては、軸受アセンブリ50は、中実のクランクシャフト10と共に使用される。しかし、軸受アセンブリ50は、
図10に示すような組立型のクランクシャフト10aと共に使用してもよい。
図5に示すように、スラスト・リング60及びコネクティングロッド30の第2の端部36は、第2の開口42内に受けられるクランクシャフト10の部分の周囲に位置決めされ得るように、少なくとも2つの別個の部品から形成される。スラスト・リング60は、コネクティングロッド30の環状溝46内に受けられる外周面64を備え、対向する軸受表面62a及び62bを形成する一対の平行な側面を備える。
図4に最も良く示すように、第1の複数のころ要素52a及び第2の複数のころ要素52bは、それぞれ、内側軌道14と外側軌道44との間に画定される環状空間内に受けられる。より具体的には、第1の複数のころ要素52aは、第1の内側軌道14aと第1の外側軌道44aとの間に位置し、第2の複数のころ要素52bは、第2の内側軌道14bと第2の外側軌道44bとの間に位置し、2つの複数のころ要素52a及び52bは、スラスト・リング60の両側に位置する。
【0016】
第1の複数のころ要素の各ころ要素52aは、スラスト・リング60の軸受表面62aに隣接する第1の端面54と、クランクシャフト10の内側壁16aに隣接する第2の端面56と、第1の内側軌道14a及び第1の外側軌道44aに接触する円筒形状の外側表面58とを備える。同様に、第2の複数のころ要素の各ころ要素52bは、スラスト・リング60の軸受表面62bに隣接する第1の端面54と、クランクシャフト10の内側壁16bに隣接する第2の端面56と、第2の内側軌道14b及び第2の外側軌道44bに接触する外周面64とを備える。
図4に示すように、第1の複数のころ要素の各ころ要素52aの軸線方向長さは、第1の外側軌道44aの軸線方向長さよりも長いことが好ましい。それにより、第1のころ要素52aの第1の端面54にスラスト・リング60の軸受表面62aが当接することによって、コネクティングロッド30の第1の外側面48aがクランクシャフト10の内側壁16aに接触することが防止される。同様に、第2の複数のころ要素の各ころ要素52bの軸線方向長さは、第2の外側軌道44bの軸線方向長さよりも長い。そのため、第2のころ要素52bの第1の端面54にスラスト・リング60の軸受表面62bが当接することによって、コネクティングロッド30の外側表面48bがクランクシャフト10の内側壁16bに接触することが防止される。第1の複数のころ要素52a及び第2の複数のころ要素52bの両方が、総ころ要素(full complement of roller elements)を備えることが好ましい。
【0017】
図4に最も良く示すように、クランクシャフト10の最外側部の対向する内側壁16a及び16bの高さは、それぞれ、第1のころ要素52a及び第2のころ要素52bの各直径よりも小さく、これによりコネクティングロッド30の第2の端部36とクランクシャフト10との間に間隙が形成される。そのため、スプレー・システムが、軸受アセンブリ50に潤滑流体を供給するために使用できる。クランクシャフト10は、内側軌道14と連通状態にある潤滑経路24を形成するために穿孔されることが好ましい。潤滑経路24は、第1の内側軌道14aと第2の内側軌道14bとの間の内側軌道14の一部分で終端することが好ましい。そのため、潤滑経路24は、第1の複数のころ要素52aと第2の複数のころ要素52bとの間に位置する領域に潤滑流体を供給する。
【0018】
図6に示すように、本開示による軸受アセンブリの代替的な一実施例は、コネクティングロッド30aを備え、スラスト・リング60aが、コネクティングロッド30aの第2の端部36と一体的に形成される。一体的に形成されたスラスト・リング60aを備える軸受アセンブリは、
図1〜
図5に関連して論じたような軸受アセンブリ50の実施例と同様の機能を奏する。
【0019】
図7に示すように、本開示による軸受アセンブリの代替的な一実施例は、コネクティングロッド30bの第2の端部36により画定された環状溝46内に受けられる単体成形されたスラスト・リング60bを備える。単体成形されたスラスト・リング60bを備える軸受アセンブリは、
図1〜
図5に関連して論じた実施例とは、
図10に示すような組立型クランクシャフト10aと共にのみ使用可能である点において異なる。
【0020】
次に
図8〜
図10を参照すると、本開示による軸受アセンブリの代替的な一実施例が示される。軸受アセンブリ50cは、コネクティングロッド30cの第2の端部36が、一体的に成形されたスラスト・リング60cを備える連続リングである点において、
図1〜
図5に関連して論じた実施例と主に異なる。そのため、軸受アセンブリ50cは、組立型クランクシャフト10aと共に使用され、コネクティングロッド30cの第2の端部36は、それらを貫通するクランク・ピン12によりクランクシャフト10aに対して固定される。
【0021】
以上、本発明の1つ又は複数の好ましい例を記載したが、本発明の範囲及び原理から逸脱することなく、本発明においては様々な変更及び変形を行うことができることを当業者には理解されたい。例えば、第1の複数のころ要素及び第2の複数のころ要素内の各ころ要素の長さは、同一である必要はない。本発明は、添付の特許請求の範囲の範囲及び原理並びにそれらの均等物内の変更及び変形を含むように意図される。