特許第5933080号(P5933080)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5933080-ズボンクーラー(熱湿気放出器) 図000002
  • 特許5933080-ズボンクーラー(熱湿気放出器) 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5933080
(24)【登録日】2016年5月13日
(45)【発行日】2016年6月8日
(54)【発明の名称】ズボンクーラー(熱湿気放出器)
(51)【国際特許分類】
   A41D 1/06 20060101AFI20160526BHJP
   A41D 27/28 20060101ALI20160526BHJP
   A41D 13/002 20060101ALI20160526BHJP
【FI】
   A41D1/06 501B
   A41D1/06 Z
   A41D27/28 A
   A41D27/28 C
   A41D13/002
【請求項の数】1
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2015-124305(P2015-124305)
(22)【出願日】2015年6月21日
【審査請求日】2015年6月21日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】305021487
【氏名又は名称】村上 剛康
(72)【発明者】
【氏名】村上剛康
(72)【発明者】
【氏名】村上剛
【審査官】 西藤 直人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−228191(JP,A)
【文献】 特開2012−007276(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3133099(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0139296(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D 1/06−1/12
A41D 27/28
A41D 13/002
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ズボンの内部に溜まる熱気や湿気を放出する腰部に取り付ける熱湿気放出器であり、把持部の右端及び左端に位置し上下方向に進展する一対の側筒部が上下方向にスリット状の開口部を残して湾曲し、該把持部が左右の該側筒部の上部の間に配置されていることを特徴とする熱湿気放出器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ズボン内部の熱気、湿気の放出に関する
【背景技術】
【0002】
特許文献1によると、下半身に着用される衣服に冷却のために空気の流通路を確保する点において本発明と類似する。
【0003】
特許文献1では、ズボン全体にスペーサーを配置しファンを用いて空気を強制的に排気している。一方、本発明はズボンの背面の腰部に差し込まれる熱湿気放出器が把持部と2つの側筒部によって気道を確保することにより熱気と湿気を放出する。そのため特許文献1と本発明は仕組みと方法において異なる。
【0004】
特許文献2によると、ズボンの内の熱気を外部へ排出するエア排出部を設けている点において本発明と類似する。
【0005】
特許文献2では、チューブが身体に巻き付けられるズボン腰帯部の内部に収められている、もしくは巻き付け材に固着されている。一方、本発明はズボンの腰部に差し込む熱湿気放出器であり、開口部を持つ左右2つの側筒部と把持部とで水平方向に1つの気道口を形成している。そのため特許文献2と本発明は態様と構造において異なる。
【0006】
特許文献3によると、通気ベルトがズボンに固定して状態で腰とズボンの間で隙間を作ることにおいて本発明と類似する。
【0007】
特許文献3では、バンドを備え付けた長方形の板を曲げた状態でバンドで弓形に固定している。一方、本発明は上下方向に開口部を持つ左右2つの側筒部が垂直方向に気道を確保し、同時に側筒部と把持部とが水平方向に気道口を有している。そのため特許文献3と本発明は構造において異なる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開番号WO2002/067708公報(第2頁、第18頁、25頁)
【特許文献2】特開2009−228191公報(第2頁、第5頁、第7頁)
【特許文献3】特開2012−7276公報(第2頁、第3頁、第4頁)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
長ズボンの着用が規定されている工事、作業従事者やクールビズではあっても長ズボンの着用が常識となっている会社員がとくに夏の屋外で活動するとき、外気温と上昇する体温とによってズボンの内部で発汗し、熱湿気で蒸れることが常である。また、外部への気道が確保されていない長ズボンの内部で汗や熱湿気により一旦下着が濡れると、ズボンを着用したままで乾燥させることは大層困難である。
【0010】
斯かるズボン内部での蒸れを抑え、下着の乾燥を促すために、熱湿気がズボンから放出されず外気がズボン内へ取り込まれない状況を解消することが求められる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、ズボンの内部に溜まる熱気や湿気を放出する腰部に取り付ける熱湿気放出器であり、把持部の右端及び左端に位置し上下方向に進展する一対の側筒部が上下方向にスリット状の開口部を残して湾曲し、該把持部が左右の該側筒部の上部の間に配置されていることを要旨とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、ズボン内部の熱気や湿気を自然放出し、外気をズボン内部へ取り込むことができる。
【0013】
本発明は、簡素な構造と小さな表面積で垂直方向、水平方向ともに気道を確保している。
【0014】
本発明は、簡素な構造と小さな表面積のため軽量である。
【0015】
本発明は、屈んだときや外部から押されるなどして圧迫されたとき、上下方向に開口した筒状の側筒部が撓むことによって腰部への当りを緩和することができる。
【0016】
本発明は、ズボンを着用し終えた状態で装着することがでる。また、両側部の中間にある把持部が把手となり、ズボンの腰部への挿入時に利用できる。
【0017】
本発明は、上記の効果を一括して実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明に係り、熱湿気放出器の一例を示す正面図である。
図2】本発明に係り、熱湿気放出器の一例を示す背面図である。
図3】本発明に係り、熱湿気放出器の一例を示す上面図である。
図4】本発明に係り、熱湿気放出器の一例を示す側面図である。
図5】本発明に係り、熱湿気放出器の把持された状態の一例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明について図面を参照して詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0020】
図1は、熱湿気放出器10を示す正面図である。左右2つの側筒部11は可撓性のあるプラスチック製で、上下方向にスリット状の開口部を残して円筒状に湾曲して相対している。2つの側筒部の中間部分である把持部が側筒部の上部から延伸している。尚、この例示によると2つの側筒部11は下方に向かって広がって配置されている。
【0021】
図2は、熱湿気放出器10を示す背面図である。止め具13が背面の左右の上部に配置されている。
【0022】
図3は、熱湿気放出器10を示す上面図である。熱湿気放出器10は左右の側筒部11と把持部12とにより水平方向に気道を確保している。同時にこの気道全体が左右の側筒部11により垂直方向に側筒部11の下端まで確保されている。尚、この例示によると垂直方向には側筒部11が下方に向かって左右に張り出している。
【0023】
開口部を残して湾曲した左右の側筒部11と把持部12とによって形成される楕円形状と材質の可撓性とによって、熱湿気放出器10を装着して前かがみになったときや外部からの力によって圧迫されたときに、熱湿気放出器10の全体が撓むことになり、身体への影響を緩和する。
【0024】
図4は、熱湿気放出器10を示す側面図である。熱湿気放出器10は腰20に接して装着されており、止め具13はズボン40の上辺で留まっている。側筒部11は垂直方向にズボンの内奥まで気道を確保している。尚、この例示によると側筒部11の上端は腰20に向かって斜めにせり上がった形状をしており、下端は前後からきり上がっている。
【0025】
図5は、熱湿気放出器10の把持された状態を示す正面図である。手30は把持部12を握って側筒部11の先端からズボンの腰部へ熱湿気放出器10を差し込む。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明は簡素な仕組みでズボンの内部の熱湿気を自然放出し、外気を取り込むことで蒸れを緩和できるため、夏の時期に猛暑に見舞われる工事従事者、作業者をはじめ会社員など多くの人々に利用される可能性がある。
【符号の説明】
【0027】
10 熱湿気放出器
11 側筒部
12 把持部
13 止め具
20 腰
30 手
40 ズボン
【要約】
【課題】長ズボンの着用が規定されている工事、作業従事者やクールビズではあっても長ズボンの着用が常識となっている会社員がとくに夏の屋外で活動するとき、外部への気道が確保されていない長ズボンの内部で汗や熱湿気により下着が濡れることになり、時にズボン着用の状態で下着を乾かすことにもなる。斯かる事態の発生を抑制し、状況の改善を図ることが求められる。
【解決手段】ズボン内部の熱気や湿気を自然放出し、外気をズボン内部へ取り込むことができる簡素な構造と小さな表面積で垂直方向、水平方向ともに効率的に気道が確保された軽量な熱湿気放出器。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5