(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記クリップ本体の挟持部を開く操作を行う際に、前記筒状部は、当該筒状部が設けられている前記開閉レバーとは異なる前記開閉レバーに設けられた孔部に挿入されるように構成されている請求項1または2に記載のダブルクリップ。
前記筆記具を保持した状態において、一方の前記開閉レバーである第1の開閉レバーよりも上側に配される他方の前記開閉レバーである第2の開閉レバーは、前記第1の開閉レバーよりも比重の小さい材料で構成されたものである請求項1ないし5のいずれか1項に記載のダブルクリップ。
ダブルクリップを表面が水平の支持体上に設置し、前記筆記具を保持させた状態において、当該筆記具の先端が前記支持体の表面に接触しないように構成されている請求項1ないし6のいずれか1項に記載のダブルクリップ。
ダブルクリップの側面図において、前記開閉レバーは、前記クリップ本体への取り付け部と先端部との間に、内側に屈曲または湾曲している部位を有している請求項1ないし7のいずれか1項に記載のダブルクリップ。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
《第1実施形態》
まず、本発明のダブルクリップの第1実施形態について説明する。
【0034】
図1は、本発明のダブルクリップの第1実施形態を示す模式的な斜視図である。
図1に示すように、本実施形態のダブルクリップ100は、クリップ本体1と、クリップ本体1の開閉操作を行う一対の開閉レバー2(第1の開閉レバー2Aおよび第2の開閉レバー2B)とを備えている。なお、開閉レバー2は、クリップ本体から着脱自在な部材である。
【0035】
クリップ本体1は、金属や合成樹脂等の弾性復元力に優れる板材を加工することにより得られたものである。
【0036】
クリップ本体1は、背板11と、これの長さ方向両端縁からそれぞれ延設される一対の挟持板12(第1の挟持板12Aおよび第2の挟持板12B)とで構成される側面視略二等辺三角形形状に形成されている。
【0037】
第1の挟持板12Aおよび第2の挟持板12Bの先端縁の幅方向両側部分は、それぞれ、背板11が配された側とは反対の方向に延出したのち外側(お互いが離れる方向)に向かって筒状に丸められ、先端縁挟持部121(第1の先端縁挟持部121Aおよび第2の先端縁挟持部121B)を形成している。
【0038】
先端縁挟持部121(121A、121B)は、開閉レバー2が起伏自在にクリップ本体1に取り付けられるための軸受け部としての役割も担っている。
【0039】
第1の先端縁挟持部121Aおよび第2の先端縁挟持部121Bの幅方向内側には、それぞれ、開閉レバー2(2A、2B)の先端部を挿入するための差し込み口122(第1の差し込み口122A、第2の差し込み口122B)が設けられている。
【0040】
また、第1の先端縁挟持部121Aおよび第2の先端縁挟持部121Bの先端縁の幅方向中央部分は、それぞれ、背板11が配された側とは反対の方向に延出したのち外側(先端部が離れる方向)に向かって略U字形状に丸められ、開閉レバー2(第1の開閉レバー2Aおよび第2の開閉レバー2B)の先端(回動軸部23)を先端縁挟持部121内に導くための案内部123(第1の案内部123A、第2の案内部123B)を形成している。
【0041】
クリップ本体1の構成材料は、特に限定されないが、加工性や耐久性等の観点から金属材料を好適に用いることができる。
【0042】
また、クリップ本体1は、磁石材料で構成された部位を有するものであってもよい。
これにより、例えば、ダブルクリップ100を支持する支持体(例えば、机等)が強磁性材料で構成されたものである場合に、ダブルクリップ100を支持体に好適に吸着させることができ、後に詳述するような筆記具Wを保持(支持)した状態を安定的に維持することができる。特に、重量の大きい筆記具Wであっても、好適に保持することができる。
【0043】
また、クリップ本体1は、異なる材料で構成された部位を有するものであってもよい。
例えば、クリップ本体1は、鉄、ステンレス鋼等の金属材料で構成された基部の少なくとも一部(例えば、ダブルクリップ100の使用時に机等の支持体に接触する挟持板12の表面等)が、磁石材料で構成された表面層で被覆されたものであってもよい。
【0044】
また、クリップ本体1は、少なくとも、先端縁挟持部121(第1の先端縁挟持部121Aおよび第2の先端縁挟持部121B)が、各種熱可塑性エラストマー、シリコーンゴム、ブチルゴム、天然ゴム等の各種ゴム等で構成されたものであってもよい。これにより、例えば、ダブルクリップ100が挟持する部材(例えば、紙葉類等)に不本意に傷がついてしまうこと等をより効果的に防止することができる。
【0045】
また、クリップ本体1は、ダブルクリップ100の使用時に机等の支持体に接触する挟持板12が、他の部位に比べて高比重の材料で構成されたものであってもよい。これにより、後に詳述するような筆記具Wを保持(支持)した状態を安定的に維持することができる。特に、重量の大きい筆記具Wであっても、好適に保持することができる。
【0046】
開閉レバー2は、幅方向に略円形に膨出する摘み部21と、摘み部21から延出し先端に向かって幅方向外側に拡開するアーム部22と、アーム部22の先端から幅方向外向きに屈曲してそれぞれ延出する回動軸部23とを備えている。
【0047】
より具体的には、第1の開閉レバー2Aは、幅方向に略円形に膨出する摘み部(第1の摘み部)21Aと、摘み部21Aから延出し先端に向かって幅方向外側に拡開するアーム部(第1のアーム部)22Aと、アーム部22Aの先端から幅方向外向きに屈曲してそれぞれ延出する回動軸部(第1の回動軸部)23Aとを備えており、第2の開閉レバー2Bは、幅方向に略円形に膨出する摘み部(第2の摘み部)21Bと、摘み部21Bから延出し先端に向かって幅方向外側に拡開するアーム部(第2のアーム部)22Bと、アーム部22Bの先端から幅方向外向きに屈曲してそれぞれ延出する回動軸部(第2の回動軸部)23Bとを備えている。
【0048】
開閉レバー2には、筆記具Wを保持(支持)する機能を有する保持部25が設けられている。
【0049】
このような保持部25を有することにより、別途、ペン立て等を用意しなくても、筆記具Wを好適に保持(支持)することができる。また、ダブルクリップ100は、一般に、ペン立てに比べて、小型のものであり、持ち運びにも便利である。また、例えば、パソコン(ディスプレイ、キーボード等)等を、ダブルクリップ100で挟持して用いることにより、机等の作業スペースを広く確保することができ、作業効率をより優れたものとすることができる。
【0050】
筆記具Wとしては、例えば、鉛筆、シャープペンシル、万年筆、筆、ボールペン、油性ペン、水性ペン、蛍光ペン、修正ペン、筆ペン等の各種ペン等が挙げられる。また、本発明では、紙等の記録媒体に物理的(物質的)に記録をするための上記のような筆記具に加え、スタイラスペン(タッチペン)等のように、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピューター(パソコン)等の電子機器上に、電子的に情報を入力するためのもの(入力手段)も、筆記具に含むものとする。
【0051】
図示の構成では、筆記具Wは、筆記具本体(本体部分)W1と、クリップ部W2とを備えるものである。
【0052】
また、図示の構成では、保持部25は、筆記具Wの筆記具本体W1(クリップ部W2以外の部位)を保持するものである。
これにより、筆記具Wをより安定的に保持(支持)することができる。
【0053】
なお、本明細書において、筆記具本体(筆記具の本体部分)とは、筆記具のうち、クリップ部(クリップ部を有するキャップを備える筆記具においては、当該キャップに設けられたクリップ部を含む)を除く部位のことを指し、筆記を行う際に把持する部位や、キャップ(当該キャップがクリップ部を有するものである場合、当該クリップ部を除くキャップ本体)、紙等の記録媒体に接触する部位(シャープペンシルの芯等も含む)のことを言う。
【0054】
また、本実施形態では、保持部25は、筆記具Wを挿通する孔部251を有するものである。
【0055】
これにより、筆記具Wをより好適に保持(支持)することができ、ダブルクリップ100の目的の部位に筆記具Wを載置する操作や、載置した筆記具Wを取る操作をより円滑に行うことができる。また、ダブルクリップ100に載置した筆記具Wの不本意な転倒等をより好適に防止することができる。
【0056】
また、本実施形態では、第1の開閉レバー2Aに保持部(第1の保持部)25Aが設けられるとともに、第2の開閉レバー2Bに保持部(第2の保持部)25Bが設けられている。
【0057】
これにより、より好適に筆記具Wを保持することができ、ダブルクリップ100に載置した筆記具Wの不本意な転倒等をさらに効果的に防止することができる。
【0058】
また、本実施形態では、第1の保持部25Aが有する孔部(第1の孔部)251Aと、第2の保持部25Bが有する孔部(第2の孔部)251Bとは、大きさが異なるもの(相似形)である。
【0059】
これにより、例えば、筆記具Wの形状等に応じて、筆記具Wをより好適に保持することができる。
【0060】
特に、図示の構成では、机等の支持体に接触する側(下側)に配された第1の開閉レバー2Aに設けられた孔部251Aは、第2の開閉レバー2B(第1の開閉レバー2Aよりも上側に配されている)に設けられた孔部251Bよりも、幅(内径)が小さいものである。
【0061】
これにより、例えば、筆記具Wのうち、第1の保持部25Aが保持する部位が第2の保持部25Bが保持する部位よりも細いものである場合(例えば、筆記具Wが、把持部(胴部)よりもペン先が細いペン等である場合)等に、筆記具Wをより好適に保持することができる。
【0062】
保持部25は、いかなる材料で構成されたものであってもよく、保持部25の構成材料としては、例えば、各種熱可塑性樹脂、硬化性樹脂等の各種樹脂材料、鉄、銅、ステンレス鋼等の各種金属材料、各種セラミックス材料等が挙げられる。
【0063】
また、保持部25のうち筆記具Wと接触し得る部位は、例えば、各種熱可塑性エラストマー、シリコーンゴム、ブチルゴム、天然ゴム等の各種ゴム等で構成されていてもよい。
【0064】
これにより、保持される筆記具Wの不本意な滑り等を防止することができるとともに、保持される筆記具Wに不本意に傷がついてしまうこと等をより効果的に防止することができる。
【0065】
また、保持部25、筆記具W(保持部25で保持される部位)のうち、一方が、強磁性材料を含む材料で構成されたものであり、他方が磁石材料で構成されたものである場合、磁力により、保持部25と筆記具Wとを密着させることができ、筆記具Wをより安定的に保持することができる。
【0066】
筆記具Wを保持した状態において、第1の開閉レバー2Aよりも上側に第2の開閉レバー2Bが配されているものとした場合(
図1参照)、第2の開閉レバー2Bは、第1の開閉レバー2Aよりも重量が小さいものであるのが好ましい。
【0067】
これにより、不本意な転倒等をより効果的に防止することができ、筆記具Wをより好適に保持することができる。特に、クリップ本体1が挟持している部材(紙葉類等)が薄いものである場合、重量が小さいものである場合等のほか、クリップ本体1が部材を挟持していない状態においても、安定的に筆記具Wを保持することができる。
【0068】
筆記具Wを保持した状態において、第1の開閉レバー2Aよりも上側に第2の開閉レバー2Bが配されているものとした場合(
図1参照)、第2の開閉レバー2Bは、第1の開閉レバー2Aよりも比重の小さい材料で構成されたものであるのが好ましい。
【0069】
これにより、ダブルクリップ100の不本意な転倒等をより効果的に防止することができ、筆記具Wをより好適に保持することができる。特に、クリップ本体1が挟持している部材(紙葉類等)が薄いものである場合、重量が小さいものである場合等のほか、クリップ本体1が部材を挟持していない状態においても、安定的に筆記具Wを保持することができる。
【0070】
なお、第1の開閉レバー2A、第2の開閉レバー2Bのうち少なくとも一方が中空部等の空隙部(多孔質体の孔部等を含む)を含むものである場合、各開閉レバー2の比重は、開閉レバー2の重量を当該開閉レバーの空隙部を含む体積で除して求めた値を採用することができる。
【0071】
《第2実施形態》
次に、本発明のダブルクリップの第2実施形態について説明する。
【0072】
図2は、本発明のダブルクリップの第2実施形態を示す模式的な斜視図である。以下の説明では、前述した実施形態との相違点について中心的に説明し、同様の事項についての説明は省略する。
【0073】
本実施形態のダブルクリップ100は、保持部25の形状が異なる以外は、前述した実施形態と同様の構成を有している。
【0074】
すなわち、前述した実施形態では、第1の保持部25A(孔部251A)および第2の保持部25B(孔部251B)が、同一の形状(相似形)であったのに対し、本実施形態では、第1の保持部25A(孔部251A)と第2の保持部25Bとが異なる形状を有している。より具体的には、本実施形態では、第1の保持部25Aが孔部251Aを有するものであるのに対し、第2の保持部25Bは開放した屈曲部を有するY字状をなすものである。
【0075】
このように、保持部は、筆記具Wを保持(支持)する機能を有するものであれば、孔部に限定されず、その形状はいかなるものであってもよい。
【0076】
特に、保持部25が、屈曲部において筆記具Wと接触することにより、筆記具Wを保持するものであると、筆記具Wの不本意な移動が防止され、好適に保持することができる。
【0077】
また、本実施形態のように、第1の保持部25Aと第2の保持部25Bの形状が異なるものであると、例えば、筆記具Wの形状等に応じて、筆記具Wをより好適に保持することができる。
【0078】
また、本実施形態のように、保持部25が開放した屈曲部を有するものであると、孔部を有する場合に比べて、ダブルクリップ100に保持された筆記具Wを好適に取ることができ、筆記具Wを取る際におけるダブルクリップ100の転倒等をより効果的に防止することができる。
【0079】
なお、上記のような効果は、例えば、保持部25が開放した屈曲部を有する場合のみならず、開放した湾曲部を有するもの(例えば、さすまた状のもの等)である場合にも、同様に得られる。
【0080】
《第3実施形態》
次に、本発明のダブルクリップの第3実施形態について説明する。
【0081】
図3は、本発明のダブルクリップの第3実施形態を示す模式的な斜視図であり、
図4は、
図3に示すダブルクリップの挟持部(先端縁挟持部)を開いた状態を示す模式的な側面図である。以下の説明では、前述した実施形態との相違点について中心的に説明し、同様の事項についての説明は省略する。
【0082】
本実施形態のダブルクリップ100は、保持部25の形状が異なる以外は、前述した実施形態と同様の構成を有している。
【0083】
すなわち、本実施形態は、保持部25(第2の保持部25B)が、筆記具Wを保持した状態において、筆記具Wの長手方向に沿って延在する筒状部252を有するものである。
【0084】
このような構成により、筆記具Wをより安定的に保持することができ、筆記具Wの不本意な転倒等をより効果的に防止することができる。
【0085】
筒状部252の長さ(保持する筆記具Wの長手方向の長さ)は、筒状部252が設けられた開閉レバー2(2B)の摘み部21(21B)の厚さよりも大きいものであればよいが、当該摘み部の厚さの2倍以上45倍以下であるのが好ましく、5倍以上30倍以下であるのがより好ましい。
【0086】
これにより、ダブルクリップ100の大型化を防止しつつ、前述したような効果がより顕著に発揮される。
【0087】
筒状部252の具体的な長さ(保持する筆記具Wの長手方向の長さ)は、特に限定されないが、3mm以上45mm以下であるのが好ましく、7.5mm以上30mm以下であるのがより好ましい。
【0088】
これにより、ダブルクリップ100の大型化を防止しつつ、前述したような効果がより顕著に発揮される。
【0089】
また、本実施形態では、筒状部252は、筆記具Wを挿し入れる方向に向かって、中空部2521の幅が漸減する漸減部2522を有するものである。
【0090】
これにより、筒状部252への筆記具Wの挿入操作を行いやすく、また、筆記具Wをより安定的に保持することができる。
【0091】
漸減部2522は、筒状部252の長さ方向のいかなる部位に設けられたものであってもよいが、筆記具Wの挿入側の端部を含む領域に設けられたものであるのが好ましく、筒状部252の全長にわたって設けられているのがより好ましい。
これにより、前述したような効果がより顕著に発揮される。
【0092】
また、
図4に示すように、本実施形態では、クリップ本体1の挟持部を開く操作(一対の先端縁挟持部121を離間させる操作)を行う際に、筒状部252は、筒状部252が設けられている開閉レバー2(第2の開閉レバー2B)とは異なる開閉レバー2(第1の開閉レバー2A)に設けられた孔部251(251A)に挿入されるように構成されている。
【0093】
これにより、上記のような筒状部252を有することによる利益を享受しつつ、クリップ本体1の挟持部を開く操作を行う際に、筒状部252がダブルクリップ100の他の部位に不本意に接触することが効果的に防止され、先端縁挟持部121同士の離間距離を大きいものとすることができ、より厚みの大きい部材(例えば、より多くの紙葉類等)等を好適に挟持することができる。
【0094】
筒状部252は、いかなる材料で構成されたものであってもよく、筒状部252の構成材料としては、例えば、各種熱可塑性樹脂、硬化性樹脂、熱可塑性エラストマー、シリコーンゴム、ブチルゴム、天然ゴム等の各種ゴム、鉄、銅、ステンレス鋼等の各種金属等が挙げられる。
【0095】
中でも、各種ゴムで構成されたものである場合、筆記具Wの不本意な移動や、筆記具Wの傷付き等をより効果的に防止することができるとともに、クリップ本体1の挟持部を開く操作を行う際に、筒状部252がダブルクリップ100の他の部位と接触してしまう場合であっても、筒状部252が好適に変形することができ、先端縁挟持部121同士の離間距離を十分に大きいものとすることができ、より厚みの大きい部材(例えば、より多くの紙葉類等)等を好適に挟持することができる。
【0096】
《第4実施形態》
次に、本発明のダブルクリップの第4実施形態について説明する。
【0097】
図5は、本発明のダブルクリップの第4実施形態を示す模式的な斜視図であり、
図6は、
図5に示すダブルクリップの模式的な側面図(断面図)である。以下の説明では、前述した実施形態との相違点について中心的に説明し、同様の事項についての説明は省略する。
【0098】
本実施形態のダブルクリップ100は、開閉レバー2の形状が異なる以外は、前述した実施形態と同様の構成を有している。
【0099】
すなわち、本実施形態では、ダブルクリップ100を表面が水平の支持体500(机等)上に設置し、筆記具Wを保持させた状態において、当該筆記具Wの先端が支持体500の表面に接触しないように構成されている(
図6参照)。
【0100】
これにより、筆記具Wの先端が支持体500に接触し、支持体500を汚してしまったり、筆記具Wが破損したりする等の問題の発生を効果的に防止することができる。
【0101】
特に、本実施形態では、ダブルクリップ100の側面図(
図6参照)または断面図において、支持体500側の第1の開閉レバー2A(アーム部22A)は、第1の開閉レバー2Aのクリップ本体1への取り付け部(回動軸部23A)と先端部との間に、内側(図中の上方、クリップ本体1側)に湾曲している部位を有している。
【0102】
これにより、筆記具Wの先端が支持体500に接触し、支持体500を汚してしまったり、筆記具Wが破損したりする等の問題の発生をより効果的に防止することができる。また、開閉レバー2による挟持部の開閉操作(一対の先端縁挟持部121を離間、接近させる操作)をより容易に行うことができる。また、ダブルクリップ100が筆記具Wを保持した状態における筆記具Wの角度(鉛直方向とのなす角)をより好適に調整することができ(例えば、傾斜角度がより小さくなるように調整することができ)、筆記具Wの転倒等をより効果的に防止することができる。
【0103】
また、本実施形態では、支持体500側の第1の開閉レバー2Aだけでなく、第2の開閉レバー2Bにも湾曲部が設けられている。より具体的には、第2の開閉レバー2B(アーム部22B)は、第2の開閉レバー2Bのクリップ本体1への取り付け部(回動軸部23B)と先端部との間に、内側(図中の下方、クリップ本体1側)に湾曲している部位を有している。
【0104】
これにより、開閉レバー2による挟持部の開閉操作(一対の先端縁挟持部121を離間、接近させる操作)をさらに容易に行うことができる。また、ダブルクリップ100が筆記具Wを保持した状態における筆記具Wの角度(鉛直方向とのなす角)をさらに好適に調整することができ(例えば、傾斜角度がより小さくなるように調整することができ)、筆記具Wの転倒等をさらに効果的に防止することができる。
【0105】
ダブルクリップ100の側面図(
図6参照)において、開閉レバー2のクリップ本体1への取り付け部(回動軸部23)と先端部との間でのアーム部22の延在方向(直線)と、当該開閉レバー2に設けられた保持部25の延在方向(直線)とのなす角θは、5°以上45°以下であるのが好ましく、7°以上30°以下であるのがより好ましい。
これにより、前述したような効果がより顕著に発揮される。
【0106】
なお、図示の構成では、開閉レバー2(アーム部22)は、当該開閉レバー2のクリップ本体1への取り付け部(回動軸部23)と先端部との間に、内側に湾曲している部位(湾曲部)を有しているが、湾曲部の代わりに屈曲部を有する場合にも同様の効果が得られる。
【0107】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
【0108】
例えば、保持部は、前述したような形態のものに限らず、筆記具Wを保持(支持)する機能を有するものであればいかなる形態のものであってもよい。
【0109】
例えば、前述した実施形態では、筆記具Wの先端側を保持(支持)する保持部が、孔部を有し、筆記具Wの外周と接触することにより筆記具Wを保持するリング状のものである場合について代表的に説明したが、筆記具Wの先端側を保持(支持)する保持部は、例えば、有底凹部を有し、当該有底凹部に筆記具Wを接触させて保持するものであってもよい。
【0110】
また、前述した実施形態では、筆記具Wを保持した状態において、下側に配される開閉レバー(第1の開閉レバー)が、上側に配される開閉レバー(第2の開閉レバー)と同等の体積を有するものか、上側に配される開閉レバー(第2の開閉レバー)よりも体積の小さいものである場合について代表的に説明したが、第1の開閉レバーは、第2の開閉レバーよりも体積の大きいものであってもよい。これにより、筆記具Wをより安定的に保持することができる。
【0111】
また、前述した実施形態では、一対の開閉レバーに、それぞれ保持部が設けられている場合について代表的に説明したが、保持部は、一方の開閉レバーのみに設けられていてもよい。
【0112】
また、前述した実施形態では、各開閉レバーに一つずつの保持部が設けられている場合について説明したが、1つの開閉レバーに複数の保持部が設けられていてもよい。これにより、例えば、複数の筆記具Wを保持することができる。また、例えば、大きさ(太さ等)の異なる複数の筆記具Wを用いる場合であっても、好適にダブルクリップで保持することができる。
【0113】
また、前述した実施形態では、摘み部が保持部を兼ねている場合について代表的に説明したが、保持部は、摘み部とは別個に設けられたものであってもよい。例えば、摘み部の先端側等に保持部が設けられていてもよい。
【0114】
また、前述した第4実施形態では、開閉レバーのアーム部が湾曲または屈曲している構成について説明したが、例えば、アームに対して、アーム部に接続する摘み部がアーム部の延在方向に対して湾曲または屈曲している場合にも、前記と同様の効果が得られる。また、例えば、保持部が摘み部とは別体として設けられている場合(例えば、保持部が摘み部の先端側に接続して設けられている場合等)には、保持部がアーム部の延在方向に対して湾曲、屈曲している場合でも前記と同様の効果が得られる。
【0115】
また、本発明のダブルクリップは、所定の情報を表示する情報表示部を備えるものであってもよい。
【0116】
これにより、例えば、ダブルクリップに、筆記具Wを保持する機能だけでなく、デザイン性、ファッション性、美的外観の向上等の機能を担わせることができる。
【0117】
なお、本明細書において、情報表示部とは、文字、マーク、ロゴ、キャラクターデザイン等の視覚的に認識し得る情報を表示する部位のことを言う。
【0118】
また、情報表示部は、広告機能を有するものであるのが好ましい。
これにより、例えば、ダブルクリップやダブルクリップに保持された筆記具W等の宣伝、広告等に好適に利用することができる。また、ダブルクリップをノベルティとして好適に用いることができる。
【0119】
また、ダブルクリップが情報表示部を有するものである場合、当該情報表示部の少なくとも一部が保持部を構成するものであるのが好ましい。
【0120】
これにより、ダブルクリップの大型化をより効果的に防止しつつ、前述したような効果を発揮させることができる。
【0121】
また、前述した第3実施形態では、筒状部252が設置された開閉レバー2(2B)の摘み部21(21B)の各部が存在する平面の法線方向に、筒状部252が延在するもの(すなわち、前記平面の法線方向と、筒状部252の軸方向とが一致するもの)として説明したが、
図7、
図8に示すように、筒状部252が設置された開閉レバー2(2B)の摘み部21(21B)の各部が存在する平面の法線方向に対し、筒状部252の延在方向(筒状部252の軸方向)が所定角度傾斜していてもよい。
これにより、ダブルクリップ100が筆記具Wを保持した状態における筆記具Wの角度(鉛直方向とのなす角)、向きをより好適に調整することができ、筆記具Wの転倒等をより効果的に防止したり、必要時に筆記具Wをより容易に取り出したりすることができる。
【0122】
前記平面の法線方向と筒状部252の延在方向(筒状部252の軸方向)とのなす角θは、特に限定されないが、5°以上40°以下であるのが好ましく、10°以上35°以下であるのがより好ましい。これにより、前述したような効果がより顕著に発揮される。
【0123】
前記平面の法線方向と筒状部252の延在方向(筒状部252の軸方向)とのなす角θや、開閉レバー2(2B)の摘み部21(21B)に対する筒状部252の延在方向(向き)は、ダブルクリップ100の使用者等が調整できるように構成されていてもよい。
これにより、ダブルクリップ100の設置部位や設置方向等の使用環境に応じて、前記角θや前記向きを好適に調整することができる。
【0124】
例えば、摘み部21(21B)の孔部内において、筒状部252が回転可能となるように構成することにより、開閉レバー2(2B)の摘み部21(21B)に対する筒状部252の延在方向(向き)を調整可能とすることができる。
【0125】
また、筒状部252を、粘土状物質や金属(金属部を樹脂等の貴金属材料で被覆したものを含む)等のように、塑性変形させることができる材料で構成されたものとすることにより、前記平面の法線方向と筒状部252の延在方向(筒状部252の軸方向)とのなす角θや、開閉レバー2(2B)の摘み部21(21B)に対する筒状部252の延在方向(向き)を調整可能とすることができる。
【0126】
また、前述した第3実施形態では、筒状部252は、筒状をなす壁部が隙間のないものである場合について代表的に説明したが、筒状部252の壁部には、例えば、空隙部が設けられていてもよい。より具体的には、例えば、筒状部252は、
図9、
図10に示すように、らせん状等に巻回した線状体(例えば、針金等の金属材料で構成された線状体)で構成されたものとしてもよい。このような場合であっても、前述したのと同様の効果が得られる。
【0127】
特に、筒状部252が、塑性変形が可能な巻回した線状体で構成されたものである場合、前記平面の法線方向と筒状部252の延在方向(筒状部の軸方向)とのなす角θや、開閉レバー2(2B)の摘み部21(21B)に対する筒状部252の延在方向(向き)を、より好適に調整することができる。
【0128】
また、前述した実施形態では、保持部25は、筆記具Wの筆記具本体W1(クリップ部W2以外の部位)を保持するものである場合について中心的に説明したが、本発明において、ダブルクリップは、筆記具の筆記具本体以外の部位(例えば、クリップ部)を保持するものであってもよい(
図11参照)。この場合、筆記具のクリップ部を、ダブルクリップの保持部に引っ掛けて用いてもよい。
【解決手段】クリップ本体1と、クリップ本体の開閉操作を行う一対の開閉レバー2とを備えるものであって、開閉レバーの少なくとも一方に、筆記具の本体部分を保持する保持部25が設けられており、前記保持部25として、孔部を有するものを備え、前記筆記具を保持した状態において、前記保持部25は、前記筆記具の長手方向に沿って延在する筒状部252を有する。前記筒状部252は、前記筆記具を挿し入れる方向に向かって、中空部2521の幅が漸減する漸減部2522を有する筒状部252を持つ。