(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来、手のひらの静脈などの生体情報を撮像することで認証を行う生体認証装置が知られている。
【0003】
このような生体認証装置の1つである指紋照合機において、蓋部の係合部とケースの係合部とを係合させることで、蓋部をケースに取り付ける構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
係合部の構成として、洗濯機の配線処理構造に用いられるものであるが、ユニットケースとの間で基板を挟み込むストッパなどが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図9は、参考技術に係る撮像装置101を示す上面側斜視図である。
図10は、参考技術に係る、ストッパ120を取り外した状態の撮像装置101を示す底面側斜視図である。
【0007】
図11及び
図12は、
図9のXI-XI断面図及びXII-XII断面図である。
撮像装置101は、筐体110と、2つのストッパ120と、トップカバー130と、配線基板140と、撮像部150と、を備える。撮像装置101は、例えば、手のひらの静脈などの生体情報を撮像する生体認証装置である。
【0008】
筐体110は、平面視正方形の枠状を呈する。筐体110の上面には、トップカバー130が配置されている。筐体110には、撮像部150が収容される。撮像部150は、不図示のレンズモジュールと、配線基板140に実装された不図示の撮像素子と、を有する。
【0009】
ストッパ120は、筐体110との間に配線基板140を挟み込むことで、配線基板140を筐体110に固定する。ストッパ120は、筐体110の外周面である前後左右4つの面のうち互いに対向する2つの面に配置される。ストッパ120は、上記2つの面において、底部側の一部を構成する。ストッパ120は、筐体110の底面側から挿入されている。
【0010】
筐体110は、筐体爪部111と、ストッパ爪部用凹部112と、差込部収容部113と、を有する。
【0011】
ストッパ120は、ストッパ爪部121と、筐体爪部用凹部122と、差込部123と、基板押さえ部124と、を有する。
【0012】
図10及び
図11に示すように、筐体爪部111は、筐体爪部用凹部122に挿入される。ストッパ爪部121は、その上部に筐体爪部用凹部122が形成されるため、筐体爪部用凹部122よりも突出することで爪部として機能する。ストッパ爪部121は、筐体110の外周面に形成されたストッパ爪部用凹部112に挿入されることで、筐体110の外周面に係合する。
【0013】
図10及び
図12に示すように、差込部123は、ストッパ爪部121を挟んだ両側に設けられ、底面側に開口する差込部収容部113に挿入される。
【0014】
基板押さえ部124は、配線基板140の底面(裏面)の周縁を押さえることで、筐体110との間に配線基板140を挟み込む。
【0015】
上述の撮像装置101では、撮像対象物(例えば、手のひら)がトップカバー130に接触することなどにより、
図11に示すようにトップカバー130に対し下方に荷重が加わった場合(矢印D1)、その力は配線基板140に加わる(矢印D2)。この際、
図10及び
図12に示す差込部123は、差込部収容部113に単に差し込まれているだけである。一方、
図10及び
図11に示すストッパ爪部121は、ストッパ爪部用凹部112に挿入され係合している。しかしながら、ストッパ120には、ストッパ爪部121を支点にして基板押さえ部124が配線基板140から離れる方向(矢印D3)に力が加わる。これにより、ストッパ120は、筐体110との間に配線基板140を挟み込む位置から外れてしまう(矢印D4)。
【0016】
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、ストッパを用いて簡素な構成で強固に配線基板を固定することができる撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
開示の撮像装置は、撮像部と、前記撮像部を収容する筐体と、配線基板と、前記筐体との間に前記配線基板を挟み込むストッパと、を備え、前記筐体は、前記配線基板のうち前記撮像部側の表面とは反対側の裏面から突出する突出部を有し、前記ストッパは、前記筐体の外周面に係合する係合部と、前記筐体の前記突出部の内周面に引っ掛けられる引掛け部と、を有する。
【発明の効果】
【0018】
開示の撮像装置によれば、ストッパを用いて簡素な構成で強固に配線基板を筐体に固定することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、実施の形態に係る撮像装置1について、図面を参照しながら説明する。
図1は、実施の形態に係る撮像装置1を示す上面側斜視図である。
図2は、実施の形態に係る撮像装置1を示す上面側分解斜視図である。
【0021】
図3は、実施の形態に係る、ストッパ20を取り外した状態の撮像装置1を示す底面側斜視図である。
【0023】
図2に示すように、撮像装置1は、筐体10と、2つのストッパ20と、トップカバー30と、配線基板40と、撮像部50と、導光体60と、遮光リング70と、複数の発光素子80と、複数の光検出器90と、を備える。
【0024】
例えば、撮像装置1は、手のひらの静脈などの生体情報を撮像する生体認証装置或いはこの生体認証装置の一部となる生体認証用撮像装置として用いることができる。
【0025】
図2及び
図3に示すように、例えば、筐体10は、平面視において正方形状の枠状を呈する。
【0026】
筐体10は、上面開口部11と、突出部12と、ストッパ爪部収容部13と、筐体爪部14と、差込部収容部15と、を有する。例えば、筐体10の各部の数は、突出部12は、1つのストッパ20ごとに1つ配置され、ストッパ爪部収容部13、筐体爪部14、及び差込部収容部15は、1つのストッパ20ごとに2つ配置される。
【0027】
上面開口部11は、筐体10の上面においてトップカバー30よりも小さい正方形状に開口する。筐体10の底面は、上面開口部11よりも大きく開口している。
【0028】
図4及び
図7に示すように、突出部12は、配線基板40の裏面40bから突出する。この配線基板40の裏面40bは、配線基板40のうち撮像素子が実装される撮像部50側の表面40aとは反対側の面である。なお、筐体10の外周面10aである前後左右4つの面のうち、ストッパ20が配置されない2つの面の下端も、配線基板40の裏面40bから突出する。例えば、突出部12は、平面視において、筐体10の4辺のうち中央に設けられる。
【0029】
図5及び
図8に示すように、ストッパ爪部収容部13は、ストッパ爪部21の全体(ストッパ爪部21の筐体爪部14との係合部分、及びこの係合部分に対し外周面21a側に位置する部分)を収容する。尚、ストッパ爪部収容部13は、係合部収容部の一例である。また、ストッパ爪部21は、係合部の一例である。ストッパ爪部21及び筐体爪部14の詳細は、後述する。
【0030】
筐体爪部14は、外周面10a側に突出し、ストッパ爪部21と係合する。筐体爪部14は、筐体爪部用凹部22に挿入される。なお、筐体爪部14は、外周面10aよりも内側に奥まって位置し、外周面10aからは突出しない。
【0031】
図6に示すように、差込部収容部15は、筐体10の底面側に開口し、下方から差込部23が挿入される。
【0032】
図2に示すように、ストッパ20は、ストッパ爪部21と、筐体爪部用凹部22と、差込部23と、基板押さえ部24と、突出部用凹部25と、を有する。例えば、ストッパ爪部21、筐体爪部用凹部22、及び差込部23は、2つずつ設けられる。ストッパ20は、筐体10との間に配線基板40を挟み込むことで、配線基板40を筐体10に固定する。
【0033】
ストッパ20は、筐体10の外周面10aである前後左右4つの面のうち互いに対向する2つの面、すなわち配線基板40の互いに対向する2辺の各々に配置される。ストッパ20は、撮像装置1の外周面のうち底部側の一部を構成する。これにより、筐体10の外周面10aとストッパ20の外周面とで、撮像装置1の外周面が構成される。ストッパ20は、筐体10の底面側から挿入されている。ストッパ20は、本実施の形態のように対向して2つ配置されることが望ましい。尚、ストッパ20の数や配置場所(配置される辺)は限定されない。
【0034】
図5及び
図8に示すように、ストッパ爪部21は、筐体10の外周面10aに形成されたストッパ爪部収容部13に挿入されることで、筐体10の外周面10a(外周面10aに設けられた筐体爪部14)と係合する。尚、ストッパ爪部21は、係合部の一例である。また、ストッパ爪部21の外周面21aは、筐体10の外周面10aと同一面上に位置する。係合部の構成は、爪部により引っ掛けられる構成でなくともよい。例えば、係合部の構成は、筐体10の外周面に嵌合するように配置される構成などの他の構成であってもよい。
【0035】
筐体爪部用凹部22は、ストッパ20の内周面側、すなわち撮像装置1の内部側に開口し、上記のとおり筐体爪部14が挿入される。
【0036】
差込部23は、2つの筐体爪部用凹部22を挟んだ両端側に設けられている。例えば、差込部23は、板状を呈し、上記のとおり差込部収容部15に下方から挿入される。
【0037】
基板押さえ部24は、配線基板40を押さえる位置にあり、筐体10との間で配線基板40を挟み込む。例えば、基板押さえ部24は、ストッパ20の長手方向の全長に亘って設けられ、配線基板40の1辺の全長に亘って配線基板40の裏面40bの周縁を押さえる。
【0038】
突出部用凹部25も、筐体爪部用凹部22と同様にストッパ20の内周面側、すなわち撮像装置1の内部側に開口し、上記の突出部12が挿入される。突出部用凹部25の下端である引掛け溝25aは、突出部12の先端が挿入される。これにより、基板押さえ部24が突出部12の
図7に示す内周面12aに引掛けられる。このように、例えば、引掛け溝25aが引掛け部として機能する。なお、引掛け溝25aは、平面視において、2つのストッパ爪部21の間に配置されている。
【0039】
例えば、トップカバー30は、正方形状を呈し、筐体10の上面開口部11上に配置される。トップカバー30は、撮像対象物(例えば手のひら静脈)に向けて照射される照射光、及び撮像対象物からの反射光が透過するため、透光性のある材料から形成されている。
【0040】
配線基板40は、撮像装置1の底側に配置されている。配線基板40は、CPUやメモリなどの部品が実装されることで、撮像用の制御部として機能する。また、撮像装置1が生体認証装置として用いられる場合、配線基板40は、生体認証用の制御部として機能することができる。
【0041】
撮像部50は、レンズモジュール(不図示)と、配線基板140に実装された撮像素子(不図示)と、を有する。撮像部50は、筐体10に収容されている。
【0042】
例えば、導光体60は、円環状を呈し、後述する発光素子80から出射される光を、トップカバー30を介して撮像対象物に導光する。
【0043】
遮光リング70は、撮像部50と導光体60との間に配置され、撮像部50に外周面から光が入射するのを遮光する。
【0044】
例えば、発光素子80は、LEDであり、配線基板40上に複数実装されている。発光素子80から出射される光は、上記のとおり、導光体60及びトップカバー30を通って撮像対象物に照射される。
【0045】
光検出器90は、撮像部50の周囲において、配線基板40上に例えば4つ実装されている。光検出器90は、例えば、発光素子80の光量制御のために配置されている。
【0046】
上述の撮像装置1では、
図4及び
図7に示すように、突出部12が引掛け溝25aに挿入されている。そのため、トップカバー30に対し下方に荷重が加わり、その力が配線基板40を介して基板押さえ部24に加わっても、基板押さえ部24が突出部12の内周面12aに接触することでストッパ20がストッパ爪部21を支点として配線基板40から離れる方向(
図7の×を付された矢印参照)に移動しない。そのため、ストッパ20は、筐体10との間に配線基板40を挟み込む位置から外れず、強固に配線基板40を固定することができる。
【0047】
以上説明した本実施の形態では、筐体10は、配線基板40のうち撮像部側の表面40aとは反対側の裏面40bから突出する突出部12を有する。また、ストッパ20は、筐体10の外周面10a(外周面10aに設けられたストッパ爪部収容部13)に係合するストッパ爪部(係合部)21と、筐体10の突出部12の内周面12aに引っ掛けられる引掛け溝(引掛け部)25aと、を有する。
【0048】
そのため、ストッパ20は、基板押さえ部24が突出部12の内周面12aに接触することで、ストッパ爪部21を支点として配線基板40から離れる方向に移動するのを防ぐことができる。また、ストッパ20を用いた簡素な構成によって配線基板40を固定することができる。
【0049】
よって、本実施の形態によれば、ストッパ20を用いて簡素な構成で強固に配線基板40を固定することができる。
【0050】
また、本実施の形態では、引掛け部の一例である引掛け溝25aには、突出部12の先端が挿入される。そのため、より簡素な構成で配線基板40を固定することができる。
【0051】
また、本実施の形態では、筐体10は、ストッパ爪部(係合部)21を収容するストッパ爪部収容部(係合部収容部)13を有し、ストッパ爪部21の外周面21aと筐体10の外周面10aとは、同一面上に位置する。これにより、ストッパ爪部21が筐体10の外周面10aから突出しないため、より簡素な構成で配線基板40を固定することができる。
【0052】
また、本実施の形態では、係合部の一例がストッパ爪部21であり、筐体10は、ストッパ爪部21に係合する筐体爪部14を有する。そのため、より強固に配線基板40を固定することができる。また、爪部に加わる力がストッパ爪部21と筐体爪部14とに分散すること、及び、爪がストッパ20と筐体10との両方に設けられていることによって、爪部の引掛かり面積を小さくできるため、筐体10及びストッパ20が筐体10の外径方向に大きくなるのを抑えることができる。そのため、より簡素な構成で配線基板40を固定することができる。
【0053】
また、本実施の形態では、ストッパ20は、複数のストッパ爪部21を有する。そのため、より強固に配線基板40を固定することができる。また、爪部に加わる力が複数のストッパ爪部21に分散することによって、爪部の引掛かり面積を小さくできるため、筐体10及びストッパ20が筐体10の外径方向に大きくなるのを抑えることができる。そのため、より簡素な構成で配線基板40を固定することができる。
【0054】
また、本実施の形態では、ストッパ20は、配線基板40の互いに対向する2辺の各々に配置されている。そのため、簡素な構成で配線基板40を強固に固定することができる。