特許第5933185号(P5933185)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5933185
(24)【登録日】2016年5月13日
(45)【発行日】2016年6月8日
(54)【発明の名称】電源回路及びモータ装置
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/06 20060101AFI20160526BHJP
   H02P 27/06 20060101ALI20160526BHJP
【FI】
   H02M7/06 S
   H02P7/63 303V
【請求項の数】12
【外国語出願】
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2011-89580(P2011-89580)
(22)【出願日】2011年3月28日
(65)【公開番号】特開2011-211898(P2011-211898A)
(43)【公開日】2011年10月20日
【審査請求日】2014年2月6日
(31)【優先権主張番号】201010138043.8
(32)【優先日】2010年3月26日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201010270600.1
(32)【優先日】2010年8月24日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】502458039
【氏名又は名称】ジョンソン エレクトリック ソシエテ アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(72)【発明者】
【氏名】フェイ シン
(72)【発明者】
【氏名】エン フイ ワン
(72)【発明者】
【氏名】チー ピン スン
(72)【発明者】
【氏名】ミン リ ザン
(72)【発明者】
【氏名】シン ヒン ユン
【審査官】 安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】 特開平04−054513(JP,A)
【文献】 特開2007−202274(JP,A)
【文献】 特開昭56−139081(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/06
H02P 27/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
AC電源の活線に電気的に接続する入力端子と、AC電源の中性線又は接地線に電気的に接続するアース端子と、電圧減少ユニットとを備えた電源回路であって、
前記電圧減少ユニットは、前記入力端子に印加されるAC電圧を減少するための調整可能なキャパシタンスを伴う調整可能なキャパシタユニットを含み、前記調整可能なキャパシタユニットは、互いに電気的に並列に接続された少なくとも2つのスイッチングキャパシタを含み、前記スイッチングキャパシタの各々は、固定キャパシタ及び該固定キャパシタに電気的に直列に接続されたスイッチを含み、前記少なくとも2つのスイッチングキャパシタの固定キャパシタのキャパシタンスは、互いに異なっており、
更に、前記減少されたAC電圧を出力するための出力端子を備えた、電源回路。
【請求項2】
前記調整可能なキャパシタユニットは、前記入力端子と出力端子との間に電気的に接続される、請求項1に記載の電源回路。
【請求項3】
前記電圧減少ユニットは、前記出力端子とアース端子との間に電気的に接続された固定キャパシタを更に含む、請求項1又は2に記載の電源回路。
【請求項4】
前記調整可能なキャパシタユニットは、前記出力端子とアース端子との間に電気的に接続され、そして前記電圧減少ユニットは、前記入力端子と出力端子との間に電気的に接続された固定キャパシタを更に含む、請求項1に記載の電源回路。
【請求項5】
前記電圧減少ユニットは、前記入力端子と出力端子との間に電気的に接続された第1の調整可能なキャパシタユニットと、前記出力端子とアース端子との間に電気的に接続された第2の調整可能なキャパシタユニットとを含む、請求項1に記載の電源回路。
【請求項6】
各スイッチングキャパシタは、前記固定キャパシタと電気的に直列に接続された抵抗器を更に含む、請求項1から5のいずれかに記載の電源回路。
【請求項7】
前記電圧減少ユニットは、前記調整可能なキャパシタユニットと電気的に並列に接続された抵抗器を更に含む、請求項1から6のいずれかに記載の電源回路。
【請求項8】
前記電圧減少ユニットは、前記調整可能なキャパシタユニットと電気的に直列に接続された抵抗器及び/又はインダクタを更に含む、請求項1から7のいずれかに記載の電源回路。
【請求項9】
モータと、モータを付勢するための請求項1から8のいずれかに記載の電源回路とを備えたモータ装置。
【請求項10】
前記モータは、出力端子からの減少されたAC電圧によって付勢されるACモータである、請求項9に記載のモータ装置。
【請求項11】
前記モータは、DCモータであり、前記電源回路は、出力端子の減少されたAC電圧をDC電圧へと変換するためのA/Dコンバータを更に備えた、請求項9に記載のモータ装置。
【請求項12】
前記A/Dコンバータは、プリント回路板上に配列され、前記電圧減少ユニットは、該プリント回路板に電気的に接続されるが、プリント回路板から機械的に独立される、請求項11に記載のモータ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気モータを付勢するのに特に適した電源回路及びこれを組み込んだモータ装置に係る。
【背景技術】
【0002】
BLDCモータの駆動装置は、通常、AC主電圧を下げるための電圧減少ユニットと、減少されたAC電圧をDC電圧へ整流するための整流器と、DC電圧によって付勢され、BLDCモータへ供給される電力を転換するインバータとを備えている。従来の駆動装置では、インバータへ送られるPWM信号を変化させることでモータの速度を調整することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、AC主電源によって付勢される可変速度電気モータに特に適した新規な電源回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
従って、本発明は、その1つの態様において、AC電源の活線に電気的に接続する入力端子と、AC電源の中性線又は接地線に電気的に接続するアース端子と、電圧減少ユニットとを備えた電源回路であって、電圧減少ユニットは、入力端子に印加されるAC電圧を減少するための調整可能なキャパシタンスを伴う調整可能なキャパシタユニットと、その減少されたAC電圧を出力するための出力端子とを含む電源回路を提供する。
【0005】
好ましくは、調整可能なキャパシタユニットは、入力端子と出力端子との間に電気的に接続される。
【0006】
好ましくは、電圧減少ユニットは、出力端子とアース端子との間に電気的に接続された固定キャパシタを更に含む。
【0007】
或いは又、調整可能なキャパシタユニットが、出力端子とアース端子との間に電気的に接続され、そして電圧減少ユニットが、入力端子と出力端子との間に電気的に接続された固定キャパシタを更に含む。
【0008】
好ましくは、電圧減少ユニットは、入力端子と出力端子との間に電気的に接続された第1の調整可能なキャパシタユニットと、出力端子とアース端子との間に電気的に接続された第2の調整可能なキャパシタユニットとを含む。
【0009】
好ましくは、調整可能なキャパシタユニットは、少なくとも2つの固定キャパシタと、その少なくとも2つの固定キャパシタを入力端子と出力端子との間に各々制御可能に電気的に接続するための制御ユニットとを含む。
【0010】
好ましくは、調整可能なキャパシタユニットは、固定キャパシタ及び該固定キャパシタに電気的に直列に接続されたスイッチを含む少なくとも1つのスイッチングキャパシタを備えている。
【0011】
好ましくは、調整可能なキャパシタユニットは、互いに電気的に並列に接続された少なくとも2つのスイッチングキャパシタを含む。
【0012】
任意であるが、各スイッチングキャパシタは、固定キャパシタと電気的に直列に接続された抵抗器を更に含む。
【0013】
好ましくは、電圧減少ユニットは、調整可能なキャパシタユニットと電気的に並列に接続された抵抗器を更に含む。
【0014】
好ましくは、電圧減少ユニットは、調整可能なキャパシタユニットと電気的に直列に接続された抵抗器及び/又はインダクタを更に含む。
【0015】
本発明は、第2の態様によれば、モータと、モータを付勢するための上述した電源回路とを備えたモータ装置を提供する。
【0016】
好ましくは、モータは、DCモータであり、又、電源回路は、出力端子の減少されたAC電圧をDC電圧へと変換するためのA/Dコンバータを更に含む。
【0017】
好ましくは、A/Dコンバータは、プリント回路板上に配列され、又、電圧減少ユニットは、そのプリント回路板に電気的に接続されるが、プリント回路板から機械的に独立される。
【0018】
或いは又、モータは、出力端子からの減少されたAC電圧により付勢されるACモータである。
【発明の効果】
【0019】
本発明の実施形態において、調整可能なキャパシタユニットのキャパシタンスを調整することにより、モータの速度を変更するように、電圧減少ユニットからの電圧出力を調整することができる。一方、モータ駆動装置の回路は簡単であり、コストが削減される。
【0020】
以下、添付図面を参照し、本発明の好ましい実施形態を一例として説明する。2つ以上の図に現れる同じ構造物、要素又は部品は、一般的に、それらが現れる全ての図において同じ参照番号で示す。図示されたコンポーネント及び特徴部の寸法は、一般的に、表現の便宜上及び明瞭化のために選択されたものであって、必ずしも一定の縮尺率で描かれていない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の第1の実施形態によるモータ装置のブロック図である。
図2図1のモータ装置の電圧減少ユニットの回路図である。
図3】AC電源と電圧減少ユニットとの間の機械的スイッチから出力される高周波数パルス信号を示す。
図4】本発明の更に別の実施形態による電圧減少ユニットを示す図である。
図5】本発明の更に別の実施形態による電圧減少ユニットを示す図である。
図6】本発明の更に別の実施形態による電圧減少ユニットを示す図である。
図7】本発明の更に別の実施形態による電圧減少ユニットを示す図である。
図8】本発明の更に別の実施形態による電圧減少ユニットを示す図である。
図9】本発明の更に別の実施形態による電圧減少ユニットを示す図である。
図10】本発明の更に別の実施形態による電圧減少ユニットを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1及び2を参照すれば、本発明の好ましい実施形態によるモータ装置200は、交流(AC)電源206によって付勢され、そしてモータと、モータへ電力を供給するための電源回路とを備えている。電源回路は、AC電源206の生きた線又は活線を接続するための入力端子201と、AC電源206の中性線又は接地線を接続するためのアース端子202と、電圧減少ユニット220と、A/Dコンバータ240とを備えている。この実施形態では、モータは、回転子と、固定子巻線208をもつ固定子とを有するブラシレス直流(BLDC)モータである。
【0023】
電圧減少ユニット220は、入力端子201及びアース端子202へ供給されるAC電圧を減少するために調整可能なキャパシタンスをもつ調整可能なキャパシタユニット222(図2)を備えている。減少された電圧は、電圧減少ユニットの出力端子203に送られる。調整可能なキャパシタユニット222は、入力端子201と出力端子203との間に電気的に接続され、そして固定キャパシタンスをもつ少なくとも2つの固定キャパシタ228と、入力端子201と出力端子203との間での少なくとも2つの固定キャパシタ228の接続を制御するための制御ユニット226とを備えている。制御ユニット226は、少なくとも2つの固定キャパシタ228と各々電気的に直列に接続される少なくとも2つのスイッチ221を備えている。各スイッチ221及びそれに対応するキャパシタ228は、スイッチングキャパシタを形成し、少なくとも2つのスイッチングキャパシタが互いに電気的に並列に接続される。スイッチ221が導通であるときには、それに対応するキャパシタ228が入力端子201と出力端子203との間に電気的に接続され、電源を出力端子203に実際上接続する。スイッチ221が非導通であるか又は開路しているときには、それに対応するキャパシタ228が回路から電気的に切断される。それ故、各スイッチ221の状態を制御することにより、固定キャパシタ228を回路に電気的に接続したり切断したりして、調整可能なキャパシタユニット222のキャパシタンスを調整し、電圧減少ユニットの出力電圧を調整することができる。
【0024】
A/Dコンバータ240は、出力端子203の減少されたAC電圧をDC電圧へと変換するための整流器242と、この整流器242からのDC電圧出力を平滑化するためのフィルタ244とを備えている。好ましい実施形態では、整流器242は、ブリッジ整流器であり、そしてフィルタ244は、ブリッジ整流器の出力端子にまたがって電気的に接続されたキャパシタである。
【0025】
又、A/Dコンバータ240からのDC電圧出力により付勢されるD/Dコンバータをモータ装置200に配置することもできる。この実施形態では、D/Dコンバータは、A/Dコンバータ240からの高いDC電圧出力から安定した低いDC電圧を発生するための低電圧発生ユニット280である。この低電圧発生ユニット280は、抵抗器及びツェナーダイオードを含む。抵抗器の一端は、ブリッジ整流器の正の出力端子に電気的に接続され、その他端は、ツェナーダイオードのカソードに電気的に接続され、そしてツェナーダイオードのアノードは、電気的に接地される。任意であるが、ツェナーダイオードと電気的に並列に接続されたフィルタリングキャパシタを低電圧発生ユニット280に配置して、ツェナーダイオードのカソードに安定した低いDC電圧を出力してもよい。
【0026】
モータ装置200は、更に、位置検出ユニット262、コントローラ264及びインバータ266を含む駆動ユニット260を備えている。位置検出ユニット262は、低いDC電圧により付勢されて、BLDCモータの回転子の位置を検出し、それに対応する位置信号を出力するように構成されたホールセンサでよい。コントローラ264は、位置信号に応答して、それに対応する転換信号を出力するように構成される。コントローラ264は、マイクロコントローラによって実現することもできるし、又は抵抗器及びスイッチのような電子コンポーネントにより構成されたスイッチング回路によって実現することもできる。インバータ266は、A/Dコンバータ240からのDC電圧出力により付勢され、転換信号に応答して、モータの固定子巻線208へ電力を供給するように構成される。
【0027】
更に、モータ装置200は、A/Dコンバータ240からのDC電圧出力を調整するための電圧調整ユニットも備えている。好ましい実施形態では、電圧調整ユニットは、DC電圧により付勢される電子部品がダメージを受けるのを防止するためにA/Dコンバータ240からの最大電圧出力を制限するよう構成された過電圧保護ユニット290である。更に、電圧減少ユニットからのAC電圧出力により付勢される回路には比較的低い耐電圧グレードの電子部品を使用できるので、回路のコストを下げることができる。
【0028】
本発明の実施形態では、異なるキャパシタンスをもつ調整可能なキャパシタユニット222を制御することにより、A/Dコンバータ240は、対応的に異なる値のDC電圧を出力して、モータを異なる速度で動作することができる。調整可能なキャパシタユニット222が、互いに異なるキャパシタンスのn個の固定キャパシタ228を有する場合には、2n−1までの異なる速度を与えることができる。
【0029】
実際の用途では、AC電源206を入力端子に接続するための機械的なスイッチを設けることができる。スイッチング中に、この機械的なスイッチは、反発する傾向があり、従って、図3に示すような高周波数パルス信号を出力する。このとき、調整可能なキャパシタユニット222のキャパシタ228は、短絡路と同等であり、その結果、サージ電流がキャパシタ及びその後の電子部品に流れる。この問題を解決するために、図2の電圧減少ユニット220に比較して、図4に示した第2の実施形態による電圧減少ユニット220は、更に、考えられるサージ電流を制限して電子部品がダメージを受けるのを防止するために調整可能なキャパシタユニット222と電気的に直列に接続された抵抗器R2及びインダクタLと、AC電源が電源回路から切断された後に調整可能なキャパシタユニット222を放電するために調整可能なキャパシタユニット222に電気的に並列に接続された抵抗器R1とを備えている。異なる用途では、電圧減少ユニット220は、実際的な要件に基づいて、抵抗器R1、R2及びインダクタLのいずれか1つ、いずれか2つ又は3つ全部を含んでもよいことを理解されたい。
【0030】
図2に示した電圧減少ユニット220と比較して、図5に示した第3の実施形態による電圧減少ユニット220は、更に、出力端子203とアース端子202との間に電気的に接続されたキャパシタC1を備えている。
【0031】
図2に示した電圧減少ユニット220と比較して、図6に示した第4の実施形態による電圧減少ユニット220では、各抵抗器R3が各固定キャパシタ228に電気的に直列に接続され、各スイッチングキャパシタがそれ自身の抵抗器R3を有して、考えられるサージ電流を制限すると共に、電圧減少ユニット220の出力をより正確なものにする。実際的な要件に基づいて、調整可能なキャパシタユニット222に電気的に並列に接続された放電抵抗器R1及び/又は調整可能なキャパシタユニット222に電気的に直列に接続されたインダクタLも配置できることを理解されたい。
【0032】
図7を参照すれば、第5の実施形態による電圧減少ユニット220は、入力端子201と出力端子203との間に電気的に接続された第1の調整可能なキャパシタユニット222’と、出力端子203とアース端子202との間に電気的に接続された第2の調整可能なキャパシタユニット224’とを備えている。第1及び第2の調整可能なキャパシタユニット222’、224’の各々は、少なくとも1つのスイッチングキャパシタを含む。
【0033】
図7に示した電圧減少ユニットに比較して、図8に示した第6の実施形態による電圧減少ユニット220は、更に、AC電源206が電圧減少ユニットから電気的に切断された後に調整可能なキャパシタユニットを放電するために第1の調整可能なキャパシタユニット222’に電気的に並列に接続された抵抗器R1を備えている。考えられるサージ電流を制限して電子部品がダメージを受けるのを防止するために第2の調整可能なキャパシタユニット222’と電気的に直列に抵抗器R2及びインダクタLが接続されている。異なる用途では、電圧減少ユニット220は、実際的な要件に基づいて、抵抗器R1、R2及びインダクタLのいずれか1つ、いずれか2つ又は3つ全部を含んでもよいことを理解されたい。
【0034】
図7に示した電圧減少ユニットに比較して、図9に示した第7の実施形態では、考えられるサージ電流を制限して電圧減少ユニット220の出力をより正確なものにするために、第1の調整可能なキャパシタユニット222’及び/又は第2の調整可能なキャパシタユニット224’の各固定キャパシタ228と直列に抵抗器R1が各々電気的に接続される。実際的な要件に基づいて、第1の調整可能なキャパシタユニット222’に電気的に並列に接続された抵抗器R1及び/又は第1の調整可能なキャパシタユニット222’に電気的に直列に接続されたインダクタLも電圧減少ユニットに配置できることを理解されたい。
【0035】
図10を参照すれば、本発明の第8の実施形態において、電圧減少ユニット220は、入力端子201と出力端子203との間に電気的に接続された固定キャパシタC2と、出力端子203とアース端子202との間に電気的に接続された調整可能なキャパシタユニット224とを備えている。調整可能なキャパシタユニット224は、固定キャパシタ228及びスイッチ221を伴う少なくとも1つのスイッチングキャパシタを含む。好ましくは、スイッチ221に電気的に直列に接続された単一の抵抗器、又は各スイッチングキャパシタに各々直列に接続された多数の抵抗器を配置することができる。
【0036】
本発明の実施形態では、A/Dコンバータ240、駆動ユニット260、過電圧保護ユニット290、及び低電圧発生ユニット280をプリント回路板に配置することができ、そして調整可能なキャパシタユニットをプリント回路板とは機械的に独立して、プリント回路板に電気的に接続することができる。
【0037】
モータ装置は、換気装置、送風機、及びエアコンディショナーのファンを駆動するのに特に適している。
【0038】
本発明は、1つ以上の好ましい実施形態を参照して説明したが、当業者であれば、種々の変更がなされ得ることが明らかであろう。それ故、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって決定されるものとする。
【0039】
例えば、モータは、別の種類のDCモータ、例えば、二相又は三相BLDCモータ、ユニバーサルモータ、ステッパモータ、サーボモータ、或いは電圧減少ユニットからの減少されたAC電圧出力により直接付勢できるACモータ、例えば、隈取りモータ、誘導モータ又はユニバーサルモータでもよい。
【0040】
本発明の説明及び特許請求の範囲において、動詞「備える(comprise)」、「含む(include)」、「収容する(contain)」及び「有する(have)」並びにその変化は、各々、ここに述べたアイテムの存在を特定するために包括的な意味で使用され、付加的なアイテムの存在を除外するものではない。
【符号の説明】
【0041】
200:モータ装置
201:入力端子
202:アース端子
203:出力端子
206:交流(AC)電源
208:固定子巻線
220:電圧減少ユニット
221:スイッチ
222:調整可能なキャパシタユニット
226:制御ユニット
228:固定キャパシタ
240:A/Dコンバータ
242:整流器
244:フィルタ
262:位置検出ユニット
264:コントローラ
266:インバータ
280:低電圧発生ユニット
290:過電圧保護ユニット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10