(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1平板部と前記第2平板部よりなる断面L字形のC部分が、前記第2弾性変形部を含む前記B部分の両側の2箇所に前記B部分を挟むように配置されると共に、それら2箇所の前記断面L字形のC部分の外側に、前記第1弾性変形部を含む前記A部分が設けられており、
前記A部分と前記第1平板部との2つの境界に前記X方向弾性屈曲部が設けられると共に、前記B部分と前記第2平板部との2つの境界に前記Y方向弾性屈曲部が設けられている
ことを特徴とする請求項2に記載の両端に端子を持つ端子金具。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記の端子金具100は、オス端子101とメス端子102の間の距離が離れていて繋ぎ部材104の長さが長くなると、加工・組付時に変形しやすくなり、オス端子101を固定した状態で、メス端子102を相手側コネクタ130のオス端子132と嵌合しようとした際に、メス端子102と相手側コネクタのオス端子の位置がずれることにより、両端子102、32の接触が不安定になり、更に振動などが加わると、良好な接触状態が保てなくなる可能性があることが分かった。また、
図8に示すように、相手側コネクタ130の位置がメス端子102の位置からずれている場合や相手側コネクタ130が多少動いた場合、適正な接続状態を維持できなくなり、接触信頼性が低下する可能性があることも分かった。
【0007】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、接続しようとする相手側の端子に対する端子の位置ズレを吸収しながら、適正な接続を行うことのできる両端に端子を有する端子金具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1) 互いに直交する3軸方向をX方向、Y方向、Z方向とするとき、
X方向を向いた第1端子と、
Z方向を向いた第2端子と、
X−Z平面内でL字形に曲げられ、その曲がり部からX方向に延びて先端が前記第1端子に直結された第1直線部と前記曲がり部からZ方向に延びて先端が前記第2端子に直結された第2直線部とを有し、前記第1端子と
前記第2端子を導通接続する繋ぎ部材と、を備え、
更に、前記繋ぎ部材の前記第2直線部の長手方向の任意の位置に、
X方向に弾性曲げ変形することで前記第2端子の第1端子に対するX方向の位置ずれを吸収するY−Z平面に沿った平板よりなる第1弾性変形部と、
Y方向に弾性曲げ変形することで前記第2端子の第1端子に対するY方向の位置ずれを吸収するX−Z平面に沿った平板よりなる第2弾性変形部と、
を
備え、
更に、前記第1弾性変形部が、前記第2直線部の長手方向に離間してX方向における互いに反対の方向に弾性屈曲する2つのX方向弾性屈曲部を有し、
前記第2弾性変形部が、前記第2直線部の長手方向に離間してY方向における互いに反対の方向に弾性屈曲する2つのY方向弾性屈曲部を有する
ことを特徴とする両端に端子を持つ端子金具。
【0009】
(2) 前記第2直線部が、Y−Z平面に沿った平板よりなるA部分とX−Z平面に沿った平板よりなるB部分とを有し、
前記A部分の少なくとも一部が前記第1弾性変形部とされ、
前記B部分の少なくとも一部が前記第2弾性変形部とされており、
しかも、前記A部分と前記B部分を繋ぐ移行部に、
前記A部分と板面が連続するY−Z平面に沿った第1平板部と、前記B部分と板面が連続するX−Z平面に沿った第2平板部との両方を有する断面L字形のC部分が、X方向およびY方向の両方に変形し難い非変形部として設けられている
ことを特徴とする上記(1)に記載の両端に端子を持つ端子金具。
【0010】
(3)
前記第1平板部と
前記第2平板部よりなる断面L字形のC部分が、前記第2弾性変形部を含む前記B部分の両側の2箇所に前記B部分を挟むように配置されると共に、それら2箇所の前記断面L字形のC部分の外側に、前記第1弾性変形部を含む前記A部分が設けられており、
前記A部分と前記第1平板部との2つの境界に前記X方向弾性屈曲部が設けられると共に、前記B部分と前記第2平板部との2つの境界に前記Y方向弾性屈曲部が設けられている
ことを特徴とする上記(2)に記載の両端に端子を持つ端子金具。
【0011】
(4) 前記X方向弾性屈曲部および前記Y方向弾性屈曲部が、前記第2直線部上の他の部位よりも強度的な脆弱性を与えられることで局部的に屈曲容易となっていることを特徴とする上記(3)に記載の両端に端子を持つ端子金具。
【0012】
(5) 前記第1端子から前記繋ぎ部材を介して前記第2端子に至るまでの全体が、1枚の金属板を曲げ加工することで一体に形成されていることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の両端に端子を持つ端子金具。
【0013】
(6) 前記第1端子がオス端子として構成され、前記第2端子がメス端子として構成されていることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の両端に端子を持つ端子金具。
【0014】
上記(1)の構成の両端に端子を持つ端子金具によれば、第1弾性変形部と第2弾性変形部があることにより、第1端子に対する第2端子の位置をX方向およびY方向にずらすことができるので、相手側の端子に対して第2端子の位置がX方向やY方向にずれている場合でも、第2端子を適正な状態で相手側の端子と嵌合させることができる。また、組付時に相手側の端子が多少動いても、第1弾性変形部や第2弾性変形部が変形することにより、正規の状態で第2端子を相手側の端子に嵌合させることができる。また、正規の状態で第2端子を相手側の端子に嵌合させることができるので、端子同士の嵌合性能を向上させることができると共に、端子同士の接圧を正常に保つことができて接続信頼性を高めることができる。また、端子同士の接触部に無理な荷重がかからなくなるため、端子機能を損なうおそれもない。
【0015】
上記(2)の構成の両端に端子を持つ端子金具によれば、先端が第2端子に直結する第2直線部が、Y−Z平面に沿った平板よりなるA部分と、X−Z平面に沿った平板よりなるB部分と有し、しかも、A部分とB部分を繋ぐ移行部に、X方向およびY方向の両方に変形し難い非変形部として機能する断面L字形のC部分を有しているので、X方向およびY方向に弾性曲げする部分を明確に区分することができ、第2端子を正規位置に移動する際の追従性を良くすることができる。
【0016】
上記(3)の構成の両端に端子を持つ端子金具によれば、第1弾性変形部が、第2直線部の長手方向に離間してX方向における互いに反対の方向に弾性屈曲する2つのX方向弾性屈曲部を有しているので、第2端子を平行移動に近い形で姿勢(向き)を変えずにX方向に移動することができる。また、第2弾性変形部が、第2直線部の長手方向に離間してY方向における互いに反対の方向に弾性屈曲する2つのY方向弾性屈曲部を有しているので、第2端子を平行移動に近い形で姿勢(向き)を変えずにY方向に移動することができる。従って、適正な姿勢(向き)で第2端子を相手側の端子と嵌合させることができ、嵌合性や接続信頼性の向上を図ることができる。
【0017】
上記(4)の構成の両端に端子を持つ端子金具によれば、X方向弾性屈曲部およびY方向弾性屈曲部が他の部位よりも局部的に屈曲容易となっているので、第2端子の移動の際の追従性の更なる向上が図れる。
【0018】
上記(5)の構成の両端に端子を持つ端子金具によれば、全体を1枚の金属板を曲げ加工することで一体に形成しているので、コスト低減を図ることができる。
【0019】
上記(6)の構成の両端に端子を持つ端子金具によれば、第1端子がオス端子として構成され、第2端子がメス端子として構成されているので、第1端子を相手側のメス端子に嵌合させ、第2端子を相手側のオス端子に嵌合させ、2つの相手側のオス端子とメス端子間を導通接続することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、第1端子に対する第2端子の位置をX方向およびY方向にずらすことができるので、相手側の端子に対して第2端子の位置がX方向やY方向にずれている場合でも、あるいは、組付時に相手側の端子が多少動いた場合でも、第2端子を適正な状態で相手側の端子と嵌合させることができる。従って、端子同士の嵌合性能を向上させることができると共に、端子同士の接圧を正常に保つことができて接続信頼性を高めることができる。また、端子同士の接触部に無理な荷重がかからなくなるため、端子機能を損なうおそれもない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の実施形態の端子金具の構成を示す斜視図である。
【
図2】実施形態の端子金具のメス端子を相手側コネクタのオス端子に接続する際の作用説明図で、
図2(a)はX方向にメス端子が移動して相手側コネクタのオス端子に接続している状態を示す断面図、
図2(b)はY方向にメス端子が移動して相手側コネクタのオス端子に接続している状態を示す断面図である。
【
図3】同端子金具のメス端子と相手側コネクタのオス端子がX方向に位置ずれしている状態で両端子を接続するときの作用説明図で、
図3(a)は接続する前の自由状態(無変形)のときの断面図、
図3(b)は接続途中において端子金具が変形することによりメス端子が相手側コネクタのオス端子に対してX方向に適正な位置まで移動した状態を示す断面図である。
【
図4】同端子金具のメス端子と相手側コネクタのオス端子がY方向に位置ずれしている状態で両端子を接続するときの作用説明図で、
図4(a)は接続する前の自由状態(無変形)のときの断面図、
図4(b)は接続途中において端子金具が変形することによりメス端子が相手側コネクタのオス端子に対してY方向に適正な位置まで移動した状態を示す断面図である。
【
図5】同端子金具のメス端子と相手側コネクタのオス端子がX方向に位置ずれしている状態で両端子をガイドハウジングを用いて接続するときの作用説明図で、
図5(a)〜
図5(d)はガイドハウジングを用いてメス端子を相手側コネクタのオス端子に誘導しながら接続するまでの手順(経過)を示す断面図である。
【
図6】同端子金具のメス端子と相手側コネクタのオス端子がY方向に位置ずれしている状態で両端子をガイドハウジングを用いて接続するときの作用説明図で、
図6(a)〜
図6(d)はガイドハウジングを用いてメス端子を相手側コネクタのオス端子に誘導しながら接続するまでの手順(経過)を示す断面図である。
【
図7】先行技術として示す端子金具の一例を示す側断面図である。
【
図8】
図7の端子金具の問題点を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は実施形態の端子金具の構成を示す斜視図、
図2は同端子金具のメス端子を相手側コネクタのオス端子に接続する際の作用説明図で、
図2(a)はX方向にメス端子が移動して相手側コネクタのオス端子に接続している状態を示す断面図、
図2(b)はY方向にメス端子が移動して相手側コネクタのオス端子に接続している状態を示す断面図である。
【0023】
図1に示すように、互いに直交する3軸方向をX方向、Y方向、Z方向とするとき、この端子金具10は、接続相手側メス端子に対する嵌合方向がX方向を向いたオス端子(第1端子)11と、接続相手側オス端子に対する嵌合方向がZ方向を向いたメス端子(第2端子)12と、X−Z平面内でL字形に曲げられた繋ぎ部材14とを有する。
【0024】
繋ぎ部材14は、曲がり部14cからX方向に延びて先端がオス端子11に直結された第1直線部14aと、曲がり部14cからZ方向に延びて先端がメス端子12に直結された第2直線部14bとを有し、オス端子11とメス端子12を導通接続している。この場合、オス端子11から繋ぎ部材14を介してメス端子12に至るまでの全体が、1枚の金属板を曲げ加工することで一体に形成されている。また、メス端子12は、略矩形状断面のボックス部12aを有しており、その底板12bと該底板12bに対向するバネ片12cとの間に、相手側コネクタ30のオス端子32を受け入れて挟持するように構成されている。
【0025】
繋ぎ部材14の第2直線部14bの長手方向の途中には可動部16が設けられている。可動部16は、曲がり部14cに近い側の、Y−Z平面に沿った平板部16aおよびX−Z平面に沿った平板部16bと、そのメス端子12側に隣接するX−Z平面に沿った平板部16cと、その更にメス端子12側のX−Z平面に沿った平板部16dおよびY−Z平面に沿った平板部16eとからなる。X−Z平面に沿った平板部16cとその両側のX−Z平面に沿った平板部16b、16dは1枚の連続した平板として構成されている。
【0026】
そして、曲がり部14cに近い側の、互いに直交する関係にある平板部16aおよび平板部16bを第1平板部および第2平板部として、断面L字形の第1の非変形部Cが構成されている。また、メス端子12に近い側の、互いに直交する関係にある平板部16eおよび平板部16dを第1平板部および第2平板部として、断面L字形の第2の非変形部Cが構成されている。
【0027】
また、第2直線部14bは、次のように定義される長手方向に区分されたA部分とB部分とC部分とで構成されている。
・A部分=Y−Z平面に沿った平板よりなる部分(
図1において符号Aで示す範囲で、C部分との境界を含む)。
・B部分=X−Z平面に沿った平板よりなる部分(
図1において符号Bで示す範囲で、C部分との境界を含む)。
・C部分=A部分と板面が連続するY−Z平面に沿った第1平板部と、B部分と板面が連続するX−Z平面に沿った第2平板部との両方を有する断面L字形の部分(
図1において符号Cで示す範囲)。
【0028】
A部分は、曲がり部14bから可動部16までの間の領域(可動部16との境界を含む)、および、可動部16からメス端子12までの間の領域(可動部16との境界を含む)が相当する。可動部16からメス端子12までの間は、メス端子12の底板12bの延長片12eによって構成されている。また、B部分は、可動部16の長手方向中間に位置する平板部16cの領域が相当する。
【0029】
また、第2直線部14bは、X方向に弾性曲げ変形することでメス端子12のオス端子11に対するX方向の位置ずれを吸収するY−Z平面に沿った平板よりなる第1弾性変形部と、Y方向に弾性曲げ変形することでメス端子12のオス端子11に対するY方向の位置ずれを吸収するX−Z平面に沿った平板よりなる第2弾性変形部とを含んでいる。第1弾性変形部はA部分が相当し、第2弾性変形部はB部分に相当する。
【0030】
そして、A部分とB部分を繋ぐ移行部に、A部分と板面が連続するY−Z平面に沿った第1平板部(平板部16a、16e)と、B部分と板面が連続するX−Z平面に沿った第2平板部(16b、16d)との両方を有する断面L字形のC部分が、X方向およびY方向の両方に変形し難い第1、第2の非変形部Cとして設けられている。
【0031】
また、第1弾性変形部(A部分)は、第2直線部14bの長手方向に離間してX方向における互いに反対の方向に弾性屈曲する2つのX方向弾性屈曲部17x、18xを有し、第2弾性変形部(B部分)は、第2直線部14bの長手方向に離間してY方向における互いに反対の方向に弾性屈曲する2つのY方向弾性屈曲部17y、18yを有している。
【0032】
第1平板部(平板部16a、16e)と第2平板部(平板部16b、16d)よりなる断面L字形のC部分(非変形部)は、第2弾性変形部に相当するB部分の両側の2箇所にB部分を挟むように配置されている。また、それら2箇所の断面L字形のC部分の外側に、第1弾性変形部に相当するA部分が設けられている。そして、A部分と第1平板部(平板部16a、16e)との2つの境界にX方向弾性屈曲部17x、18xが設けられると共に、B部分(平板部16c)と第2平板部(16b、16d)との2つの境界にY方向弾性屈曲部17y、18yが設けられている。
【0033】
X方向弾性屈曲部17x、18xおよびY方向弾性屈曲部17y、18yは、帯板の側縁に切欠19x、19y(脆弱性を付与する手段:
図2参照)を入れることで、第2直線部14b上の他の部位よりも強度的な脆弱性を与えられており、それにより局部的に屈曲容易となっている。なお、第1直線部14aから第2直線部14bの可動部16までの範囲は、薄い帯板で構成されており、第1直線部14aはX−Y平面に平行な平板として構成されている。
【0034】
次に作用を説明する。
図3は端子金具10のメス端子12と相手側コネクタ30のオス端子32がX方向に位置ずれしている状態で両端子12、32を接続するときの作用説明図で、
図3(a)は接続する前の自由状態(無変形)のときの断面図、
図3(b)は接続途中において端子金具10が変形することによりメス端子12が相手側コネクタ30のオス端子32に対してX方向に適正な位置まで移動した状態を示す断面図である。また、
図4は端子金具10のメス端子12と相手側コネクタ30のオス端子32がY方向に位置ずれしている状態で両端子12、32を接続するときの作用説明図で、
図4(a)は接続する前の自由状態(無変形)のときの断面図、
図4(b)は接続途中において端子金具10が変形することによりメス端子12が相手側コネクタ30のオス端子32に対してY方向に適正な位置まで移動した状態を示す断面図である。
【0035】
本実施形態の端子金具10は、繋ぎ部材14の第2直線部14b上にX方向に弾性変形可能な第1弾性変形部(A部分)とY方向に弾性変形可能な第2弾性変形部(B部分)を有しているので、
図2(a)および
図2(b)に示すように、オス端子11に対するメス端子12の位置を、X方向およびY方向にずらすことができる。
【0036】
即ち、
図3(a)に示すように、端子金具10のメス端子12と相手側コネクタ30のオス端子32がX方向に位置ずれしている場合は、
図3(b)に示すように、第1弾性変形部(A部分)に含まれる特に2つのX方向弾性屈曲部17x、18xを、X方向における互いに反対の方向に屈曲させることにより、メス端子12を相手側コネクタ30のオス端子32に対する適正位置に位置決めすることができるので、その状態の姿勢でメス端子12をオス端子32にスムーズに嵌合させることができる。
【0037】
また、
図4(a)に示すように、端子金具10のメス端子12と相手側コネクタ30のオス端子32がY方向に位置ずれしている場合は、
図4(b)に示すように、第2弾性変形部(B部分)に含まれる特に2つのY方向弾性屈曲部17y、18yを、Y方向における互いに反対の方向に屈曲させることにより、メス端子12を相手側コネクタ30のオス端子32に対する適正位置に位置決めすることができるので、その状態の姿勢でメス端子12をオス端子32にスムーズに嵌合させることができる。
【0038】
また、組付時に相手側コネクタ30のオス端子32が多少動いても、第1弾性変形部(A部分)や第2弾性変形部(B部分)が変形することにより、正規の状態でメス端子12を相手側コネクタ30のオス端子32に嵌合させることができる。また、正規の状態でメス端子12を相手側コネクタ30のオス端子32に嵌合させることができるので、端子12、32同士の嵌合性能を向上させることができると共に、端子12、32同士の接圧を正常に保つことができて接続信頼性を高めることができる。また、端子12、32同士の接触部に無理な荷重がかからなくなるため、端子機能を損なうおそれもなくなる。
【0039】
この場合、先端がメス端子12に直結する第2直線部14bが、Y−Z平面に沿った平板よりなるA部分と、X−Z平面に沿った平板よりなるB部分と有し、しかも、A部分とB部分を繋ぐ移行部に、X方向およびY方向の両方に変形し難い非変形部として機能する断面L字形のC部分を有しているので、X方向およびY方向に弾性曲げする部分を明確に区分することができ、メス端子12を正規位置に移動する際の追従性を良くすることができる。
【0040】
また、本実施形態の端子金具10によれば、第1弾性変形部(A部分)が、第2直線部14bの長手方向に離間してX方向における互いに反対の方向に弾性屈曲する2つのX方向弾性屈曲部17x、18xを有しているので、メス端子12を平行移動に近い形で姿勢(向き)を変えずにX方向に移動することができる。また、第2弾性変形部(B部分)が、第2直線部14bの長手方向に離間してY方向における互いに反対の方向に弾性屈曲する2つのY方向弾性屈曲部17y、18yを有しているので、メス端子12を平行移動に近い形で姿勢(向き)を変えずにY方向に移動することができる。従って、適正な姿勢(向き)でメス端子12を相手側コネクタ30のオス端子32と嵌合させることができ、嵌合性や接続信頼性の向上を図ることができる。
【0041】
また、本実施形態の端子金具10によれば、X方向弾性屈曲部17x、18xおよびY方向弾性屈曲部17y、18yが、帯板の側縁に切欠19x、19yを入れることによって、他の部位よりも局部的に屈曲容易となっているので、メス端子12の移動の際の追従性の更なる向上が図れる。
【0042】
また、本実施形態の端子金具10によれば、全体を1枚の金属板を曲げ加工することで一体に形成しているので、コスト低減を図ることができる。
【0043】
また、本実施形態の端子金具10によれば、第1端子がオス端子11として構成され、第2端子がメス端子12として構成されているので、オス端子11を相手側コネクタのメス端子に嵌合させ、メス端子12を相手側コネクタ30のオス端子32に嵌合させ、2つの相手側のオス端子32とメス端子間を導通接続することができる。
【0044】
次に、
図3および
図4に示した例のように、メス端子12を単体で相手側コネクタ30のオス端子32に嵌合させるのではなく、ガイドハウジングを利用してメス端子12を相手側コネクタ30のオス端子32に嵌合させる場合について説明する。
【0045】
図5は端子金具10のメス端子12と相手側コネクタ30のオス端子32がX方向に位置ずれしている状態で両端子12、32をガイドハウジング40を用いて接続するときの作用説明図で、
図5(a)〜
図5(d)はガイドハウジング40を用いてメス端子12を相手側コネクタ30のオス端子32に誘導しながら接続するまでの手順(経過)を示す断面図、
図6は端子金具10のメス端子12と相手側コネクタ30のオス端子32がY方向に位置ずれしている状態で両端子12、32をガイドハウジング40を用いて接続するときの作用説明図で、
図6(a)〜
図6(d)はガイドハウジング40を用いてメス端子12を相手側コネクタ30のオス端子32に誘導しながら接続するまでの手順(経過)を示す断面図である。
【0046】
ガイドハウジング40は、相手側コネクタ30のハウジング31を受け入れるテーパ41aの付いた導入口41と、その奥の相手側コネクタ30のハウジング31の嵌合する嵌合口42と、更にその奥のメス端子12を後端から挿入する挿入口43とを有している。
【0047】
まず、
図5(a)、
図6(a)に示すように、端子金具10のメス端子12をガイドハウジング40の挿入口43から挿入し、ガイドハウジング40の導入口41を、相手側コネクタ30のハウジング31に被せる。そうすると、導入口41のテーパ41aの誘導作用により、
図5(b)、
図6(b)に示すように、相手側コネクタ30のハウジング31の先端が嵌合口42に嵌まり、その動作により、第1弾性変形部(A部分)に含まれる2つのX方向弾性屈曲部17x、18xや2つのY方向弾性屈曲部17y、18yがX方向やY方向に屈曲し、メス端子12が相手側コネクタ30のハウジング30内のオス端子32に対して適正位置に位置決めされる。
【0048】
そこで、その状態で、
図5(c)、
図6(c)に示すように、メス端子12を相手側コネクタ30に向けて挿入する。そうすると、メス端子12が相手側コネクタ30のハウジング31の内部に導入され、更に押し込むと、
図5(d)、
図6(d)に示すように、メス端子12とオス端子32が嵌合する。
【0049】
このように、メス端子12が相手側コネクタ30のオス端子32に対してX方向やY方向に位置ずれしている場合でも、ガイドハウジング40を用いることにより、容易にスムーズにしかも安定して、メス端子12を相手側コネクタ30のオス端子32に嵌合させることができる。
【0050】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。