【実施例】
【0064】
以下、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の例に限定されるものではない。
【0065】
プロテオグリカン含有物の製造
サケ頭部を水に浸漬して1日静置し、膨潤させた。次に、サケ頭部から鼻軟骨以外の組織を除去してサケ鼻軟骨を得た。このサケ鼻軟骨を粗砕し、サケ鼻軟骨粉末とした。当該粉末100gに水100mLを加え、穏やかに撹拌した後、10分間室温にて静置し、脱脂を行った。その後、遠心分離(8000rpm, 30分, 室温)を行い、得られた残渣(サケ鼻軟骨脱脂粉末)を回収し、凍結乾燥した。凍結乾燥したサケ鼻軟骨脱脂粉末9.02 gを超遠心粉砕機にて粒径約100〜200μm(レーザー回折散乱法により測定)の微粉末にした。そして、当該微粉末を20mLのエタノールを用いて3回洗浄した後に風乾し、酸性糖成分含有微粉末7.69 gを得た。当該微粉末を、以下「サケ鼻軟骨由来粉末」ということがある。なお、ここでのエタノールを用いた“洗浄”とは、微粉末をエタノールに分散させた後遠心して沈殿を回収する操作(エタノール沈殿)のことである。
【0066】
さらに、サケ鼻軟骨由来粉末20gに1000mLの常温の精製水(pH6.5)を加え、30分間撹拌した後、10分間室温にて静置した。その後、遠心分離(8000rpm, 30分, 室温)を行い、上清を回収して濃縮乾固して酸性糖成分含有粉末約7gを得た。このようにして得た水抽出物を、以下「サケ鼻軟骨由来粉末の水抽出物」ということがある。
【0067】
当該サケ鼻軟骨由来粉末には、酸性糖成分が約20質量%、プロテオグリカンが約9質量%含まれていた(つまり、グリコサミノグリカン等の酸性糖は約11質量%含まれていた)。また、当該サケ鼻軟骨由来粉末の水抽出物には、酸性糖成分が約35質量%、プロテオグリカンが約15質量%含まれていた(つまり、グリコサミノグリカン等の酸性糖は約20質量%含まれていた)。なお、当該数字は、カルバゾール硫酸法によりウロン酸(グルクロン酸)を定量し、さらに当該定量法においてよく知られている下記式を用いてコンドロイチン硫酸量(質量)を求め、これを酸性糖成分量とした際の数字である。
【0068】
[式1]
コンドロイチン硫酸量=グルクロン酸量×2.593
【0069】
なお、以下特に断りが無い場合は、カルバゾール硫酸法により求めた酸性糖成分量は、上記と同様にして求めたコンドロイチン硫酸量を示す。
【0070】
また、プロテオグリカンの含有量は、下記のように酸性糖成分量をウロン酸定量によりモニタリングしながらゲル濾過クロマトグラフィー解析をしてクロマトグラムを得、当該クロマトグラム中のプロテオグリカンを示すピークがクロマトグラム全体に占める面積比から算出できる。つまり、当該面積比を酸性糖成分量に乗ずることで算出できる。
【0071】
プロテオグリカン含有物の分子量の検討
得られたプロテオグリカン含有物の分子量について、ゲル濾過クロマトグラフィーにより検討した。具体的には、まず、サケ鼻軟骨由来粉末及びサケ鼻軟骨由来粉末の水抽出物をサンプルとして下記条件のゲル濾過クロマトグラフィーで処理し、溶出フラクションを1mLずつ採取して、当該各フラクションに含まれる酸性糖量及びタンパク質量をそれぞれカルバゾール硫酸法及びUV吸収法で定量した。
【0072】
当該ゲル濾過クロマトグラフィー解析の結果得られたクロマトグラムを
図2に示す。但し、酸性糖量を解析したクロマトグラムは、カルバゾール硫酸法にて定量したグルクロン酸量を示している(2.593倍してコンドロイチン硫酸量とはしていない)。なお、サケ鼻軟骨由来粉末については、純度を高めるために4Mグアニジン塩酸塩(4M GuCl)で抽出処理を行い、得られた抽出物をサンプルとして用いた。当該抽出処理は、具体的には次のようにして行った。サケ鼻軟骨由来粉末1gに4MGuClを加え、4℃にて1日間撹拌後遠心分離し、上清に3倍量の食塩飽和エタノールを加えて1晩放置後、遠心分離して沈殿を回収した。当該沈殿をゲル濾過クロマトグラフィー用サンプルとした。サケ鼻軟骨由来粉末の水抽出物はそのままサンプルとして用いた。
【0073】
〔ゲル濾過クロマトグラフィー条件〕
カラム: Sepharose CL-2B 充填カラム(Sepharose CL-2Bを担体としてφ1cm×48cmのカラムに充填したもの。Sepharose CL-2Bのデキストランの分画範囲は100〜20,000kDaであり、GE Healthcare社等から入手できる。Sepharose CL-2Bは、2%架橋アガロース、粒子径60〜200μm(レーザー回折散乱法による)、CAS登録番号65099-79-8である。)
バッファー: 0.1Mリン酸緩衝液(pH 7.1, 0.2M NaCl含有)
アプライサンプル量: 4mg(1mlバッファーに溶解させて使用)
流速: 0.15mL/min
フラクション量: 1mL/tube
【0074】
また、市販されているプロテオグリカン(以下「PG−K」とも称する)及び市販されているグリコサミノグリカン(コンドロイチン)(以下「PG−M」とも称する)についても、同様の条件でゲル濾過クロマトグラフィー処理を行い、各溶出フラクションに含まれる酸性糖量を定量した。結果を
図3に示す。
【0075】
図2に示されるように、溶出液量が約15〜23mLの範囲において、糖及びタンパク質両方のピークが得られた。よって、このピークがプロテオグリカンを示していることがわかった。
【0076】
次に、下記の各種デキストラン分子量マーカーについても、それぞれを上記と同様の条件(但しサンプル量は1mg)でゲル濾過クロマトグラフィーを行い、フェノール・硫酸法により各溶出フラクションに含まれる糖量(すなわちデキストラン量)を定量した。具体的には、Hodge, J. E. and Hofreiter, B. T., Method in Carbohydrate Chemistry, 1, 338 (1962)に記載の方法に従い、次のようにして定量した。
〔1〕105×15mmの試験管に試料水溶液あるいは標準単糖(マンノース)水溶液を500μl加えた。
〔2〕フェノール試薬(5 v/v%フェノール水溶液)を500μl加え、撹拌した。
〔3〕濃硫酸を2.5ml加え、すぐに10秒間激しく撹拌した。
〔4〕室温に20分以上放置した。
〔5〕分光光度計で490nmの吸収を測定した。
【0077】
<デキストラン分子量マーカー>
Dextran from Leuconostoc mesenteroides(mol wt 5,000,000−40,000,000)(SIGMA)
・・・void volume測定用、10000kDa
Dextran Standard 1,400,000(SIGMA) ・・・1400kDa
Dextran Standard 670,000(SIGMA) ・・・ 670kDa
Dextran Standard 410,000(SIGMA) ・・・ 410kDa
Dextran Standard 270,000(SIGMA) ・・・ 270kDa
【0078】
なお、マーカーDextran from Leuconostoc mesenteroidesについては、SepharoseCL-2B充填カラム(分画上限20,000kDa)のボイドボリュームを測定するために用いた。ボイドボリュームをより正確に測定するため、当該マーカーに含まれる低分子のデキストランを除去する前処理を行った。前処理は、上述の〔ゲル濾過クロマトグラフィー条件〕によりDextran from Leuconostoc mesenteroidesを溶出させ、分子量20,000kDa以上の分子を回収し、凍結乾燥することで行った。具体的には、最初に出現したピークに相当する、溶出液量15〜19mLの分画物を回収し、これを凍結乾燥した(これにより、分子量20,000kDa以上の分子を回収、凍結乾燥できたと考えられる)。そして、この凍結乾燥物をカラムにアプライして測定を行った。
【0079】
結果として得られたクロマトグラムを
図4a〜eに示す。なお、
図4aは、上述の前処理を経た凍結乾燥物を測定したものである。
図4aのLeuconostoc mesenteroides由来デキストラン前処理物については、分子量が使用したSepharose CL-2B充填カラムの分画範囲(100kDa〜20000kDa)を超えているため、ピーク頂点位置に対応する溶出液量を、当該カラムの排除限界である20000kDaの分子が溶出される溶出液量とした。なお、当該溶出液量はカラムのボイドボリューム(Void Volume)を示すと解釈される。
図4b〜eについてはクロマトグラムのピーク面積の2等分線の位置に相当する溶出液量を、それぞれのマーカー分子量の分子が溶出される時点の溶出液量とした。
図4b〜eはそれぞれDextran Standard 1,400,000、670,000、410,000、270,000を測定した結果である。これらの溶出液量及び分子量の関係をグラフ化し、検量線としたところ、直線となった(y = −4.1355Ln(x)+59.47 ; R
2=0.9869)(
図5)ことから、当該デキストラン分子量マーカーにより得られた分子量と溶出液量との関係は高い相関性を有することが確認できた。
【0080】
またさらに、分析結果から、ボイドボリュームに達する前の溶出液にプロテオグリカンが含まれる(すなわち、分画限界の20000kDaを超えるプロテオグリカンが存在する)可能性が高いことがわかった。当該ゲル濾過クロマトグラフィーに用いたカラムは、分画範囲が100kDa〜20000kDaであるため、20000kDa以上の分子を正確に分画できていない可能性が高い。よって、上記と同様にして、サケ鼻軟骨由来粉末をサンプルとして下記条件のゲル濾過クロマトグラフィーによる解析及び各フラクションの酸性糖量の定量も行った。
【0081】
〔ゲル濾過クロマトグラフィー条件〕
カラム: Sephacryl S-1000 SF 充填カラム(Sephacryl S-1000 SFを担体としてφ1cm×48cmのカラムに充填したもの。Sephacryl S-1000 SFのデキストランの分画範囲は5×10
5〜1×10
8Daであり、GE Healthcare社等から入手できる。)
バッファー:0.1Mリン酸緩衝液(pH7.1, 0.2M NaCl含有)
アプライサンプル量: 4mg
流速: 0.3mL/min
フラクション量: 1mL/tube
【0082】
さらに、以下の分子量マーカーを同様の条件でゲル濾過クロマトグラフィーを行い、フェノール・硫酸法により各溶出フラクションに含まれる糖量(すなわちデキストラン量)を定量して検量線を作成した。
【0083】
<デキストラン分子量マーカー>
Dextran from Leuconostoc mesenteroides(mol wt 5,000,000−40,000,000)(SIGMA)
・・・10000kDa
Dextran Standard 1,400,000(SIGMA) ・・・1400kDa
Dextran Standard 670,000(SIGMA) ・・・ 670kDa
【0084】
得られた検量線は
y=−3.8743 Ln(x)+59.887 (R
2=0.9961)
であった。
【0085】
図2及び
図3に示される酸性糖量測定結果グラフを1つのグラフにまとめ、さらに上述のようにして得られた分子量と溶出液量との関係を記載した図を
図6に示す。上述の通り、サケ鼻軟骨由来粉末及びサケ鼻軟骨由来粉末の水抽出物については、ゲル濾過クロマトグラフィー解析における溶出量約15〜23mLの範囲にピークが表れるのに対し、プロテオグリカンの市販品であるPG−Mは約28〜49mL、同じく市販品のPG−Kは約18〜47mLの範囲にピークが表れる。このことは、サケ鼻軟骨由来粉末及びサケ鼻軟骨由来粉末の水抽出物(すなわち、本発明のプロテオグリカン含有物)が、従来知られていたプロテオグリカンとは異なる非常に高分子のプロテオグリカンを含有することを示している。
【0086】
また、
図5に示す検量線から、溶出量23mLは分子量約6700kDaに相当することが算出できる。このことから、サケ鼻軟骨由来粉末及びサケ鼻軟骨由来粉末の水抽出物は、分子量が約6000kDa以上のプロテオグリカンを含有することがわかった。
【0087】
さらに、Sephacryl S-1000 SF充填カラムを用いてサケ鼻軟骨由来粉末を解析した結果を
図7に示す。
図7では、クロマトグラムの最初に表れるプロテオグリカンを示すピークの立ち上がりが、溶出液量15〜16mLの範囲から始まっている。上述の検量線(y=−3.8743 Ln(x)+59.887)を用いて当該溶出液量範囲に相当する分子量を算出すると、およそ90000kDaであった。よって、サケ鼻軟骨由来粉末は90000kDa程度のプロテオグリカンを含むことがわかった。
【0088】
以上のことから、サケ鼻軟骨由来粉末は6000kDa〜90000kDa程度のプロテオグリカンを含むことが確認できた。
【0089】
さらに、
図5に示す検量線を用いて、
図6の各グラフのピーク位置の溶出液量から各試料中のプロテオグリカンの平均分子量を算出した。通常、平均分子量は、ピーク面積の2等分線位置の溶出液量から算出するが、
図6に示す各クロマトグラムのプロテオグリカンピークがほぼ左右対称であったため、ピーク位置を2等分線位置として算出を行った。具体的には、実験誤差及びロット差も考慮し、ピーク位置の溶出液量±1mLの範囲の溶出液量値を検量線のy値とし、得られるx値の範囲を各試料中のプロテオグリカンの平均分子量とした。ただし、当該解析により得られたプロテオグリカンの平均分子量の上限値については、用いたカラム(Sepharose CL-2B充填カラム)の分画量上限が20000kDaのために正確に算出されていない可能性があるため、Sephacryl S-1000 SF充填カラムを用いた場合の結果からも、同様にしてプロテオグリカンの平均分子量を求めた。結果を表1に示す。
【0090】
【表1】
【0091】
以上の結果から、本発明のプロテオグリカン含有物に含まれるプロテオグリカンの平均分子量は9700kDa〜38000kDa程度であることがわかった。
【0092】
また、サケ鼻軟骨由来粉末、及びサケ鼻軟骨由来粉末の水抽出物については、Sepharose CL-2B充填カラムによる解析で得られたクロマトグラム面積を2等分する位置に相当する溶出液量を求め(
図6点線矢印)、当該液量±1mLの範囲の値から平均分子量を求めた。その結果、サケ鼻軟骨由来粉末に含まれる酸性糖含有成分の混合物の平均分子量は約4800kDa〜7700kDa、サケ鼻軟骨由来粉末の水抽出物に含まれる酸性糖含有成分の混合物の平均分子量は約1800kDa〜4200kDaであった。
【0093】
さらに、サケ鼻軟骨由来粉末についてはSephacryl S-1000 SF充填カラムによる解析についてもクロマトグラム面積を2等分する位置に相当する溶出液量を求め(
図7点線矢印)、当該液量±1mLの範囲の値から平均分子量を求めた。その結果、サケ鼻軟骨由来粉末に含まれる酸性糖成分の平均分子量は約3900kDa〜6600kDaであった。
【0094】
プロテオグリカン含有物の皮膚抗老化効果の検討
細胞増殖促進能評価
サケ鼻軟骨由来粉末、サケ鼻軟骨由来粉末の水抽出物、及びPG−Kをサンプルとして用い、これらの細胞増殖効果を検討した。具体的には、次のように実験を行った。培養用シャーレ内で、10%fetal bovine serum(FBS)を含むminimum essential medium(最小必須培地:MEM培地)中に、ヒト皮膚繊維芽細胞(HDF50:CELL APPLICATIONS, INC)を1.0×10
4 cells播種し、各サンプルをMEM培地中、1μg/mL又は10μg/mLの濃度になるように添加した。また、何も添加しないものをコントロールとした。添加後、5日間培養した。培養後、MEM培地を除去し、Trypsin-EDTA(invitrogen)で細胞を剥がし懸濁させた後、トリパンブルー染色液(シグマ)を添加し、Burker-Turk計測盤で細胞数を計測した。
【0095】
結果を
図8に示す。当該結果から、サケ鼻軟骨由来粉末、及びサケ鼻軟骨由来粉末の水抽出物は有意なヒト皮膚繊維芽細胞増殖能を示すのに対して、市販プロテオグリカンであるPG−Kは当該増殖能を示さないことがわかった。
【0096】
また、
図6に示されるように、サケ鼻軟骨由来粉末及びサケ鼻軟骨由来粉末の水抽出物と、PG−Kとでは、含まれる成分の分子量に大きな差がある。特にPG−Kのクロマトグラムには、サケ鼻軟骨由来粉末及びサケ鼻軟骨由来粉末の水抽出物のクロマトグラムに存在する分子量の大きなプロテオグリカンのピークが見られないことから、上述のヒト皮膚繊維芽細胞増殖能は当該プロテオグリカンに起因すると考えられた。
【0097】
経口摂取による保湿及び抗皮膚老化能評価
<使用実験動物>
ヘアレスマウス(Hr-/Kud ♂)(九動社)を実験に用いた。エストロゲン変動による皮膚状態への影響がないオス(4週齢)を予備飼育後、実験に供した。
【0098】
<試験方法>
マウスを5つの飼育ケージに表2のとおり割り付けた(1群6匹)。また、被検体は固体識別できるよう尾部に印を付けた。7週齢になるまで予備飼育を続けた。
【0099】
【表2】
【0100】
<評価素材の経口投与サンプル調製>
サケ鼻軟骨由来粉末の2%分散液を調製し、遠心分離を行い、その上清をプロテオグリカン含有物の投与サンプルとした。当該上清は、サケ鼻軟骨由来粉末の水抽出物が水に溶解したものに相当する。当該上清を乾固して固形分を得たところ、当該上清には、サケ鼻軟骨由来粉末の水抽出物が約0.7質量%含まれていた。また、当該上清に含まれる酸性糖成分量をカルバゾール硫酸法により定量したところ、上清に対して約0.17質量%であった。また、当該上清に含まれるプロテオグリカン量をゲル濾過クロマトグラフィーで解析しクロマトグラムの面積比から求めたところ、上清に対して約0.07質量%であった。
【0101】
ヒアルロン酸の0.5質量%水溶液を調製し、これをヒアルロン酸の投与サンプルとした。また、プロテオグリカン投与サンプルとヒアルロン酸投与サンプルの1:1混合液(質量比)をプロテオグリカン及びヒアルロン酸同時投与のための投与サンプルとした。コントロールには、蒸留水を投与した。なお、ヒアルロン酸は(株)中原から購入したものを用いた。
【0102】
<経口投与方法>
ヘアレスマウスが7週齢に達した段階で、投与サンプル0.5mLを1日1回、ゾンデによる強制経口投与により投与した。この投与を5回/週(月〜金曜日)の頻度で、試験が終了するまで続けた。
【0103】
各投与サンプルが含有する各評価素材量は次の通りである。
【0104】
ヒアルロン酸:2.5mg/day
プロテオグリカン含有物:約3.5mg/day(酸性糖成分:約0.83mg/day、プロテオグリカン:約0.33mg/day)
プロテオグリカン含有物+ヒアルロン酸:プロテオグリカン含有物 約1.75mg/day(酸性糖成分:約0.42mg/day、プロテオグリカン:約0.17mg/day)、ヒアルロン酸1.25mg/day
【0105】
<UVB照射方法>
UVB照射は、経口投与開始4週間後より開始した。UVB照射用ケージにマウスを入れ、UVB照射装置内に入れて、1.0mW/cm
2の強度でUVBを5回/週(月〜金曜日)照射した。照射1週目のみ60mJ/cm
2の照射量とし、2週目以降120mJ/cm
2の照射量とした。10週間のUVB照射量の総量は5.7J/cm
2であった。なお、UVBは波長280-315 nmの紫外線である。
【0106】
<皮膚バリア機能評価>
マルチプローブ式皮膚計測器(MPA580:Courage-Khazaka社)のTewameterにより、経表皮透過蒸散水分量(TEWL)を週1回の頻度で測定し、皮膚バリア機能を評価した。各マウス背部3ヶ所を測定し、平均値を算出した。なお、TEWL値が大きいほど皮膚バリア機能(皮膚の外から体内への異物の侵入を防ぐ機能及び体内の水分が外へ逃げるのを防ぐ機能)が低下していることを示す。
【0107】
UVB照射開始から8週後のTEWL測定結果を
図9に示す。また、未照射コントロール(群1:Co-UVB)のTEWL値を100、UVB照射コントロール(群2:Co+UVB)のTEWL値を0とした場合の、群3〜5のマウスのUVB照射4週、6週、8週後のTEWL値の相対値を表3に示す。当該相対値は皮膚バリア改善率(%)を示すといえる。
【0108】
【表3】
【0109】
これらの結果から、サケ鼻軟骨由来のプロテオグリカン含有物は、経口投与によりTEWL値を下げ、皮膚バリア機能を改善することがわかった(
図9、表3)。さらに、サケ鼻軟骨由来のプロテオグリカン含有物とヒアルロン酸とを併せて経口摂取することにより、当該皮膚バリア機能改善効果が、早期に得られることがわかった(表3)。
【0110】
<皮膚弾力性評価>
マルチプローブ式皮膚計測器(MPA580:Courage-Khazaka社)のCutometerにより、皮膚弾力性測定を行った。具体的には、各マウス背部4ヶ所を測定し、得られたUf値及びUa値を用いて下記の式により弾力性(R2値)を算出した。なお、Ua値は吸引開放時の皮膚の戻りを、Uf値は吸引時の皮膚の伸びを、それぞれ表す。
【0111】
弾力性(R2)=Ua/Uf
UVB照射開始から8週後に行った検討結果を
図10に示す(
図10では、UVBをUVと表記している)。当該結果から、サケ鼻軟骨由来のプロテオグリカン含有物は、経口投与により皮膚弾力性を改善する効果を有することが示唆された。またさらに、サケ鼻軟骨由来のプロテオグリカン含有物とヒアルロン酸とを併せて経口摂取することにより、有意に皮膚弾力性を回復させることがわかった。
【0112】
<コラーゲン産生能評価>
UVB照射開始から10週後に、各マウスの背部の皮膚組織採取を行った。背部皮膚を採取し、一部はホルマリン固定を行い(皮膚組織切片作成用)、残りをコラーゲン定量用とした。
【0113】
このようにして得た皮膚組織(コラーゲン定量用)を凍結させ、細胞破砕装置(オートミル TK-AM5)(トッケン)により粉砕し、真空乾燥機により乾燥させた。0.5M酢酸にプロテアーゼインヒビター(P.I.)カクテル錠(コンプリートミニEASY Pack(ロシュ社))を入れ溶解させ、上述の皮膚組織粉末に当該酢酸(P.I.入り)を加え、低温にて撹拌した後遠心分離を行い、上清部(酸可溶性コラーゲン抽出液)を採取した。
【0114】
そして、酸可溶性コラーゲン定量キット(Sircol Soluble Collagen Assay(biocolor社))を用いて、マニュアルに基づき、上記酸可溶性コラーゲン抽出液のコラーゲン量を測定した。
【0115】
結果を
図11に示す。当該結果から、サケ鼻軟骨由来のプロテオグリカン含有物は、経口投与により、皮膚におけるコラーゲン産生能の低下を有意に改善することがわかった。
【0116】
<真皮肥厚抑制効果検討>
上述のホルマリン固定された組織切片を自動パラフィン固定装置 (tissue processor(ティシュー・テック社))を用いてパラフィン包埋ブロックを作成した。ミクロトームで切片を作成し、Hematoxylin-Eosin (HE)染色を行いサンプルとした。
【0117】
サンプルは光学顕微鏡にて観察し、デジタルカメラにて画像を保存した。得られた画像各々において、真皮層の厚さを10ヶ所において測定し、その平均値を真皮層の厚さとして算出した。結果を
図12に示す(
図12では、UVBをUVと表記している)。当該結果から、サケ鼻軟骨由来のプロテオグリカン含有物は、経口投与により、真皮の肥厚を有意に抑制することがわかった。またさらに、サケ鼻軟骨由来のプロテオグリカン含有物とヒアルロン酸とを併せて経口摂取することにより、真皮の肥厚を有意に抑制でき、その抑制能はサケ鼻軟骨由来のプロテオグリカン含有物のみを摂取したときより優れていることがわかった。
【0118】
皮膚への塗布による保湿及び抗皮膚老化能評価
<使用実験動物>
ヘアレスマウス(Hr-/Kud ♂ )(九動社)を実験に用いた。エストロゲン変動による皮膚状態への影響がないオス(4週齢)を予備飼育後、実験に供した。
【0119】
<試験方法>
マウスを4つの飼育ケージに表4のとおり割り付けた(1群5匹)。また、被検体は固体識別できるよう尾部に印を付けた。7週齢になるまで予備飼育を続けた。
【0120】
【表4】
【0121】
<皮膚バリア機能評価>
ヘアレスマウスが7週齢に達した段階で、塗布サンプル0.1mLを背部1日1回塗布するとともに、上述の「経口摂取による保湿及び抗皮膚老化能評価」に記載したのと同様にして、ヘアレスマウスにUVB照射を行った。そして、UVB照射開始から5週後に、上述の「経口摂取による保湿及び抗皮膚老化能評価」に記載したのと同様にして、経表皮透過蒸散水分量(TEWL)を測定した。結果を
図13に示す(
図13では、UVBをUVと表記している)。当該結果から、サケ鼻軟骨由来のプロテオグリカン含有物は、皮膚への塗布により有意にTEWL値を下げ、皮膚バリア機能を改善することがわかった。
【0122】
なお、上述のように、ヒト皮膚繊維芽細胞増殖能は、PG−Kには含まれない分子量の大きいプロテオグリカンに起因することが推察されたことも考慮すると、それ以外の各種効果についても、当該プロテオグリカンに起因することが考えられた。
【0123】
サケ鼻軟骨由来粉末の水抽出物の分画及び効果検証
サケ鼻軟骨由来粉末の水抽出物を、イオン交換クロマトグラフィー及びゲル濾過クロマトグラフィーを用いて分画し、どの画分が細胞増殖効果を有するのかを検討した。当該分画の概要を
図14に示す。分画条件は以下の通りである。
【0124】
<イオン交換クロマトグラフィー>
カラム:φ5.0cm×20cmのカラムに担体(DEAE Sephacel(GE Healthcare社))を高さ15cmになるように充填した。なお、DEAEはジエチルアミノエチルの略である。
【0125】
溶媒:7M尿素−50mMトリス−塩酸緩衝液(pH 7.4)を溶媒として用いた。同溶媒に0〜0.75M塩化ナトリウムを加えた溶離液を用い、グラジェント溶出(直線勾配)により溶出を行った。
サケ鼻軟骨由来粉末の水抽出物約100mgを、上記溶媒約20mlに溶解した。その後、日本生化学会編 基礎生化学実験法 第5巻(脂質・糖質・複合糖質)p189 (東京化学同人)に準じて操作を行い、タンパク質画分、ヒアルロン酸画分、硫酸基を有する酸性糖画分へと分画した。カラムの溶出は流速 2.0ml/minで行い、各フラクション量は16mlとした。この場合において、タンパク質画分はフラクションNo.16〜35、ヒアルロン酸画分はフランクションNo.37〜42、硫酸基を有する酸性糖画分はフラクションNo.52〜67の各フラクションを、それぞれ合わせた画分とした。
なお、ヒアルロン酸も酸性糖の1種であるが、硫酸基を有さない。プロテオグリカンに含まれる酸性糖(例えばコンドロイチン硫酸)は、硫酸基を有する。また、タンパク質(特にコラーゲン)、ヒアルロン酸、硫酸基を有する酸性糖の順に分子極性が大きくなるため、これら3種をイオン交換クロマトグラフィーにより分画することが可能である。
【0126】
タンパク質の定量は、280nm吸光度測定により行なった。ヒアルロン酸の定量は、生化学工業(株)のヒアルロン酸定量キットを用いて行った。硫酸基を有する酸性糖の定量は、カルバゾール硫酸法により行なった。
【0127】
サケ鼻軟骨由来粉末の水抽出物100mgを分離した場合に相当するタンパク質量は0.9mg、ヒアルロン酸量は1.2mg、硫酸基を有する酸性糖は43.0mgであった。
【0128】
このようにして得られたタンパク画分、ヒアルロン酸画分、硫酸基を有する酸性糖画分、及びサケ鼻軟骨由来粉末の水抽出物の4サンプルを用い、上記「細胞増殖促進能評価」と同様にして、各サンプルのヒト皮膚繊維芽細胞増殖能を検討した。結果を
図15に示す。サケ鼻軟骨由来粉末の水抽出物以外でコントロールに対して有意にヒト皮膚繊維芽細胞増殖能が高かったのは、硫酸基を有する酸性糖画分のみであった。また、硫酸基を有する酸性糖画分は、サケ鼻軟骨由来粉末の水抽出物に比べてもヒト皮膚繊維芽細胞増殖能が高かった。よって、サケ鼻軟骨由来粉末の水抽出物が有するヒト皮膚繊維芽細胞増殖効果は、硫酸基を有する酸性糖に起因すると考えられた。また、硫酸基を有する酸性糖画分には、プロテオグリカンが多く含まれることから、当該効果はプロテオグリカンによるものであると推察された。
【0129】
なお、
図14〜16において、硫酸基を有する酸性糖画分は、単に「酸性糖画分」と表記している。
【0130】
<ゲル濾過クロマトグラフィー>
上述のようにして得た、硫酸基を有する酸性糖画分43.0mgをさらにゲル濾過クロマトグラフィーで分画した。具体的には、上述の「プロテオグリカン含有物の分子量の検討」に記載のSepharose CL-2B 充填カラムを用いたゲル濾過クロマトグラフィー条件で、硫酸基を有する酸性糖画分5mgあたり1mlのバッファーを加えて溶解したものを、硫酸基を有する酸性糖画分を分子量5000kDa以上の画分と5000kDa未満の画分とに分画した。それぞれの画分に含まれる酸性糖量をカルバゾール硫酸法により定量すると、分子量5000kDa以上の画分には9.7mg、分子量5000kDa未満の画分には16.8mgの酸性糖が含まれていた。
【0131】
上記と同様にして、これらの画分のヒト皮膚繊維芽細胞増殖効果を検討した結果を
図16に示す。分子量5000kDa以上の画分の方が、分子量5000kDa未満の画分に比べて、ヒト皮膚繊維芽細胞増殖効果が高いことがわかった。この結果からも、当該効果はプロテオグリカンに起因するところが大きく、特に分子量の大きい(分子量5000kDa以上の)プロテオグリカンの寄与が大きいと考えられた。
【0132】
なお、
図15及び16の「+」、「**」、「***」の意味については、
図8と同様である。
【0133】
以下に、本発明に係る口腔用組成物、化粧品組成物及び飲食品組成物の処方例を示す。%は質量%を示す。処方例1〜7は化粧品組成物、処方例8〜16は飲食品組成物、処方例17〜22は口腔用組成物である。
なお、以下の各処方例に用いたプロテオグリカン含有物の製造方法についても、以下に合わせて記載する。
【0134】
<プロテオグリカン含有物A>
〔1〕 皮や硬骨などの付着物を除去したサケ鼻軟骨をミートチョッパーで粗粉砕する。
〔2〕 粉砕したサケ鼻軟骨に、pH6.0〜7.5の水道水を、サケ鼻軟骨の2〜3倍量程度(容積)加えて、40℃以下の温度(室温)で十分に攪拌する。
〔3〕 攪拌後、固形物を分離採取する。
〔4〕 〔2〕および〔3〕の処理を2回繰り返す。
〔5〕 得られた固形物を、凍結乾燥する。
〔6〕 乾燥固形物を、アトマイザーミル粉砕機を用いて微粉砕する。
〔7〕 95度エタノールを前記微粉砕サケ微軟骨の約10倍量(容積)程度加えて、40℃以下の温度で十分に攪拌する。
〔8〕 攪拌後、固形物を分離採取する。
〔9〕 〔7〕および〔8〕の処理を2回繰り返す。
〔10〕 乾燥し、固形物を得る。
【0135】
<プロテオグリカン含有物B>
〔1〕 pH6.0〜7.0の精製水を、プロテオグリカン含有物Aの10倍量(容積)程度加えて、40℃以下の温度(室温)で30分〜6時間程度十分に攪拌する。
〔2〕 固形分を分離除去した後に、乾燥して固形分を得る。
【0136】
<プロテオグリカン含有物C>
〔1〕 pH6.0〜7.0の精製水を、プロテオグリカン含有物Aの10倍量(容積)程度加えて、40℃以下の温度(室温)で30分〜6時間程度十分に攪拌後、固形分を分離除去する。
〔2〕 得られた水溶液の5倍量程度のエタノールを添加して、40℃以下の温度(室温)で十分に攪拌する。
〔3〕 生じた固形物を分離採取し、乾燥する。
【0137】
<プロテオグリカン含有物D>
〔1〕 皮や硬骨などの付着物を除去したサケ鼻軟骨をミートチョッパーで粗粉砕する。
〔2〕 粉砕したサケ鼻軟骨に、pH6.5〜7.5の精製水を、サケ鼻軟骨の同量〜2倍量程度(容積)加えて、40℃以下の温度(室温)で十分に攪拌する。
〔3〕 攪拌後、固形物を分離採取する。
〔4〕 〔2〕および〔3〕の処理を3回繰り返す。
〔5〕 得られた固形物を、湿式粉砕機を用いて微粉砕する。
〔6〕 95度エタノールを前記微粉砕サケ微軟骨の10倍量(容積)程度加えて、40℃以下の温度(室温)で十分に攪拌する。
〔7〕 攪拌後、固形物を分離採取する。
〔8〕 〔6〕および〔7〕の処理を1回繰り返す。
〔9〕 乾燥し、固形物を得る。
〔10〕 pH6.5〜7.5の精製水を、〔9〕で得られた乾燥物の10倍量(容積)程度加えて、低温で12〜48時間程度攪拌しながら浸漬する。
〔11〕 浸漬後、固形物を分離除去する。
〔12〕 水溶液の5倍量程度のエチルアルコールを添加して、40℃以下の温度(室温)で十分に攪拌する。
〔13〕 生じた固形物を分離採取し、乾燥する。
【0138】
<プロテオグリカン含有物E>
〔1〕 皮や硬骨などの付着物を除去したサケ鼻軟骨をミートチョッパーで粉砕する。
〔2〕 粉砕したサケ鼻軟骨に、pH6.0〜7.5の水道水を、サケ鼻軟骨の5倍量程度(容積)加えて、40度以下の温度(室温)で十分に攪拌する。
〔3〕 攪拌後、固形分を分離採取する。
〔4〕 〔2〕および〔3〕の処理を2回繰り返す。
〔5〕 得られた固形分を、湿式粉砕機を用いて微粉砕する。
〔6〕 95度エタノールを微粉砕サケ微軟骨の5倍量(容積)程度加えて、40℃以下の温度(室温)で十分に攪拌する。
〔7〕 攪拌後、固形分を分離採取する。
〔8〕 〔6〕および〔7〕の処理を2回繰り返す。
〔9〕 pH6.0〜7.0の精製水を、得られた固形分の同量〜2倍量(容積)程度加えて、40℃以下の温度で30分〜6時間程度十分に攪拌した後に、固形分を分離除去する。
【0139】
<プロテオグリカン含有物F>
〔1〕 皮や硬骨などの付着物を除去したサケ鼻軟骨を湿式粉砕機で粗粉砕する。
〔2〕 粉砕したサケ鼻軟骨に、pH6.0〜7.5の水道水を、サケ鼻軟骨の5倍量程度(容積)加えて、40度以下の温度(室温)で十分に攪拌する。
〔3〕 攪拌後、固形分を分離採取する。
〔4〕 〔2〕および〔3〕の処理を2回繰り返す。
〔5〕 得られた固形分を、湿式粉砕機を用いて微粉砕する。
〔6〕 エタノール(食品添加物基準品)を微粉砕サケ微軟骨の5倍量(容積)程度加えて、40℃以下の温度(室温)で十分に攪拌する。
〔7〕 攪拌後、固形分を分離採取する。
〔8〕 〔6〕および〔7〕の処理を2回繰り返す。
〔9〕 pH6.0〜7.0の精製水を、得られた固形分の5倍量(容積)程度加えて、40℃以下の温度で30分〜6時間程度十分に攪拌した後に、固形分を分離除去する。
〔10〕 得られた水溶液の10倍量程度の95度エタノールを添加して、40℃以下の温度(室温)で十分に攪拌し、生じた固形物を分離採取後、乾燥して固形物を得る。
【0140】
<プロテオグリカン含有物G>
〔1〕 皮や硬骨などの付着物を除去したサケ鼻軟骨を湿式粉砕機で粗粉砕する。
〔2〕 粉砕したサケ鼻軟骨に、pH6.0〜7.5の水道水を、サケ鼻軟骨の10倍量程度(容積)加えて、40度以下の温度(室温)で十分に攪拌する。
〔3〕 攪拌後、固形分を分離採取する。
〔4〕 〔2〕および〔3〕の処理を2回繰り返す。
〔5〕 得られた固形分を、湿式粉砕機を用いて微粉砕する。
〔6〕 95度エタノールを微粉砕サケ微軟骨の3倍量(容積)程度加えて、40℃以下の温度(室温)で十分に攪拌する。
〔7〕 攪拌後、固形分を分離採取する。
〔8〕 〔6〕および〔7〕の処理を3回繰り返す。
〔9〕 pH6.0〜7.0の精製水を、得られた固形分の2〜3倍量(容積)程度加えて、40℃以下の温度で30分〜6時間程度十分に攪拌した後に、固形分を分離除去する。
〔10〕 分離後の水溶液に塩化ナトリウムを添加して、塩化ナトリウムを飽和状態にする。
〔11〕 水溶液の5倍量程度の95度エタノールを添加して、40℃以下の温度(室温)で十分に攪拌し、生じた固形物を分離採取後、乾燥して固形物を得る。
【0141】
なお、プロテオグリカン含有物A〜Dについては、カルバゾール硫酸法により酸性糖量を、クロマトグラムの面積比からプロテオグリカン量を、それぞれ求めたところ、乾燥質量換算で、プロテオグリカン含有物に対する質量比は以下の通りであった。
A:酸性糖 約35%、 プロテオグリカン 約15%
B:酸性糖 約45%、 プロテオグリカン 約18%
C:酸性糖 約55%、 プロテオグリカン 約23%
D:酸性糖 約60%、 プロテオグリカン 約24%
【0142】
[処方例]
処方例1:化粧水
【0143】
処方例2:美容液
【0144】
処方例3:乳液
【0145】
処方例4:クリーム
【0146】
処方例5:育毛剤
【0147】
処方例6:ヘアトニック
【0148】
処方例7:毛穴ひきしめローション
【0149】
処方例8:粉末玄米飲料
【0150】
処方例9:タブレット
【0151】
処方例10:粉末食品
【0152】
処方例11:錠剤
【0153】
処方例12:飴
【0154】
処方例13:チュアブル錠
【0155】
処方例14:粉末茶
【0156】
実施例15:カプセル剤
【0157】
実施例16:チューイングガム
【0158】
処方例17:口腔用ジェル剤
【0159】
処方例18:口腔用塗布剤
【0160】
処方例19:洗口剤
【0161】
処方例20:液体歯磨剤
【0162】
処方例21:歯磨剤
【0163】
処方例22:マウススプレイ剤