(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記通常排出モードにおける前記排出手段の最適な排出速度を示す通常排出用速度制御情報と、前記外部排出モードにおける前記排出手段の最適な排出速度を示す外部排出用排出速度情報とを記憶する記憶部を備え、
前記制御部は、前記位置検知センサから前記通常排出モードのときの前記突き当てフェンスの起立位置を示す通常排出用位置検知情報が入力されると、前記記憶部に記憶された前記通常排出用排出速度情報に従って前記排出手段の排出速度を駆動制御し、前記外部排出モードのときの突き当てフェンスの起立位置を示す外部排出用位置検知情報が入力されると、前記記憶部に記憶された前記外部排出用排出速度情報で駆動制御をするための外部排出用排出制御情報を前記排出手段に出力することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の排出装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1を含む一般的な封入封緘装置では、排出トレイの収容量は予め規定されているため、例えば封書作製ジョブで作製する封書部数が膨大な場合、排出トレイ内に限界まで収容された時点で一旦運転を停止させ、ユーザが排出トレイ内に収容された封書を他の保管場所に全て移し替えた後、再始動させる必要があり、ジョブ実行中は排出トレイ内の封書部数の管理をしなければならず面倒であった。
【0008】
また、排出トレイの収容領域を従来よりも拡大することで封書の収容量を増大することができるが、装置が大型化してしまい、それに伴う製造コストも嵩むという問題が生じる。
【0009】
さらに、作製した印刷物を落下排出した場合に、落下後の折れ曲がり等により印刷物が損傷を受けることがあり、排出時の損傷を最小限に抑制したいという要望があった。
【0010】
そのため、排出トレイ内に収容可能な部数を作製する封書作製ジョブの場合と、排出トレイ内に収容できない部数を作製する封書作製ジョブの場合とで、排出方法の選択が行える装置の開発が望まれている。
【0011】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、印刷済みの印刷用紙や作製された封書等の印刷物の作製部数に応じて任意に排出モードを選択して適正な排出処理を行うことのできる排出装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記した目的を達成するため、請求項1記載の排出装置は、作製された印刷物を排出する排出手段と、
前記排出手段から排出された前記印刷物が突き当たる突き当て面を有する突き当てフェンス
を設置させ、前記突き当て面に突き当たって落下した前記印刷物を順次積重する
とともに、装置外部に設置した外部収容トレイに前記印刷物を収容するときは、前記突き当てフェンスの突き当て面の裏面側にあたる排出滑走面を上面として前記排出手段から前記外部収容トレイに向けて連続する排出経路となるように該フェンスを設置させる排出トレイと、
前記突き当てフェンスの起立位置を検知し、その検知位置を示す位置検知情報を出力する位置検知センサと、
前記位置検知センサからの前記位置検知情報に応じて
、前記印刷物が前記突き当てフェンスに突き当って落下した当該印刷物を順次積重する通常排出モード又は前記印刷物を前記外部収容トレイに排出する外部排出モード
を選択し、該選択したモードに従って前記排出手段を駆動制御する制御部と、
を備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項2記載の排出装置は、請求項1記載の排出装置において、装置本体における前記排出手段の搬送終端下方には、前記排出モードに応じて前記突き当てフェンスを取り付ける係
止穴が
複数形成され、
さらに、前記突き当てフェンスは、前記突き当て面
と前記排出滑走面とを有する立設部と、該立設部の基端部から延出成形される支持部とを有する断面略L字形状を成し、前記支持部の先端部に前記係止穴に挿入される係止片が設けられた着脱可能な部材であり、
前記位置検知センサは、前記排出滑走面が上面となるように前記突き当てフェンスの先端部を前記排出手段における搬送終端側に立て掛けて傾斜設置させた状態で前記係止片が
複数ある係止穴のうちの外部排出用係止穴に係止されたことを検知すると、前記突き当てフェンスの起立位置が、前記外部排出モードのときの位置であることを示す外部排出用位置検知情報を出力し、
前記制御部は、前記位置検知センサから前記外部排出用位置検知情報が入力されると、前記外部排出モードに従った駆動制御をするための外部排出用排出制御情報を前記排出手段に出力することを特徴とする。
【0014】
請求項3記載の排出装置は、請求項1記載の排出装置において、前記突き当てフェンスは、前記突き当て面
と前記排出滑走面とを有する立設部の基端部が支軸部によって排出方向に回動自在に軸支され、
前記位置検知センサは、前記排出滑走面が上面となるように前記突き当てフェンスの先端部を前記排出手段における搬送終端側に傾斜設置させた状態を検知すると、前記突き当てフェンスの起立位置が前記外部排出モードのときの位置であることを示す外部排出用位置検知情報を出力し、
前記制御部は、前記位置検知センサに検知されたときに出力される外部排出用位置検知情報が入力されると、前記外部排出モードに従った駆動制御をするための外部排出用排出制御情報を前記排出手段に出力することを特徴とする。
【0015】
請求項4記載の排出装置は、請求項1〜3の何れかに記載の排出装置において、
前記通常排出モードにおける前記排出手段の最適な排出速度を示す通常排出用速度制御情報と、前記外部排出モードにおける前記排出手段の最適な排出速度を示す外部排出用排出速度情報とを記憶する記憶部を備え、
前記制御部は、前記位置検知センサから前記通常排出モードのときの前記突き当てフェンスの起立位置を
示す通常排出用位置検知情報が入力されると、前記記憶部に記憶された前記通常排出用排出速度情報に従って前記排出手段の排出速度を駆動制御し、前記外部排出モードのときの突き当てフェンスの起立位置を
示す外部排出用位置検知情報が入力されると、前記記憶部に記憶された前記外部排出用排出速度情報で駆動制御をするための外部排出用排出制御情報を前記排出手段に出力することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1〜3記載の排出装置によれば、作製される印刷物の作製部数に応じて突き当てフェンス3aの起立位置を可変することにより、適正な排出モードで排出手段を駆動制御することができる。
【0017】
また、多量部数を作製するようなジョブの場合でも、外部排出モードによって排出することで、排出トレイの収容状況を確認することなく、多量部数の印刷物を排出することができる。よって、多量部数の排出に合わせて装置を大型化する必要がなくなる。
【0018】
さらに、印刷物の損傷を抑制したい場合に、外部排出モードで排出手段を駆動することで、排出滑走面を滑走させながら印刷物を外部収容トレイに収容することができるため、印刷物の損傷を最小限に抑えることができる。
【0019】
また、請求項4記載の排出装置によれば、選択された排出モードに応じて最適な排出速度で排出処理を行うように排出手段を駆動制御することで、確実な排出処理を遂行することができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を実施するための形態について、添付した図面を参照しながら詳細に説明する。また、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではなく、この形態に基づいて当業者などによりなされる実施可能な他の形態、実施例及び運用技術などはすべて本発明の範疇に含まれる。
【0022】
なお、以下の説明では、本例の排出装置を封入封緘装置の排出部として搭載する実施例で説明するが、これに限定されることはない。例えば、封入封緘装置の後処理装置とする構成、封筒用紙や封入物に印刷を行う印刷部となる画像形成装置(一例として、インクジェット記録装置、孔版印刷装置、複写機、レーザプリンタ等)と、封入封緘部として機能する封入封緘装置とを連結した封書作製装置の後処理装置とする構成、各種画像形成装置の後処理装置とする構成の何れでもよい。さらに、本装置が搭載される封入封緘装置は、封筒用紙に所定の折り加工を施して作製した封筒に封入物を封入封緘する構成であるが、既製の封筒を導入し、この封筒に封入物を封入封緘する構成でもよい。
【0023】
よって、本例の排出装置の排出対象となる「印刷物」として、下記実施形態では封入封緘装置において封入物を封筒に封入封緘して作製された「封書」の例で説明するが、画像形成装置の後処理装置として接続した場合は、画像形成装置で印刷された「印刷済み用紙」が排出対象の印刷物とする。
【0024】
[封入封緘装置]
まず、本発明に係る封緘装置1が搭載される封入封緘装置100の概略構成について説明する。
図1に示すように、封入封緘装置100は、封入物となる用紙を搬送しながら必要に応じて所定の折り加工を施す封入物折り部10と、封筒となる封筒用紙を搬送しながら所定の折り加工を施す封筒用紙折り部20と、搬送に伴って封筒用紙で封入物を包み込むように封入する封入部30と、封入物を封入した封筒に予め転写された再湿糊部分に水を塗布する水塗布処理部40と、搬送に伴って水塗布後の封筒を封緘する封緘部50と、封緘処理された印刷物である封書を所定箇所に排出する排出部60と、を備えて構成されている。
【0025】
封入封緘装置100は、印刷後の封筒用紙及び封入物を図中のように同一経路若しくは別経路で搬入し、それぞれ異なる搬送経路で搬送しながら、封入物折り部10において所定の折り加工を施すとともに、封筒用紙折り部20において封筒の形態となるように必要に応じて折り加工を施す。そして、封入部30において最終的に両者を合流させ、封入物を封筒用紙で包み込むように封入する。その後、水塗布処理部40で封筒用紙の所定箇所に転写された再湿糊に水を塗布して活性化させ、封緘部50で活性化させた再湿糊部分に封筒のフラップ部を接着させ封緘処理をして排出部60から作製された封書を印刷物として排出している。
【0026】
そして、本例の排出装置1は、上述した封入封緘装置100における排出部60に設けられ、封書作製ジョブにおける作製部数に応じて適宜選択される排出モードに従って封書の排出処理を行っている。以下、本例の排出装置1の装置構成及び処理動作について、第1形態、第2形態に分けてそれぞれ詳述する。
【0027】
[排出装置]
<第1形態>
次に、本例の第1形態の排出装置1について説明する。
図1又は
図2に示すように、本例の排出装置1は、排出手段2と、排出トレイ3と、記憶部4と、制御部5とを備えて構成されている。
【0028】
なお、本形態の排出装置1における記憶部4及び制御部5は、説明の便宜上、本装置に独立して搭載する構成として説明するが、本装置が封入封緘装置100搭載される場合は、封入封緘装置100に具備される制御部及び記憶部を兼用して使用する構成とすることもできる。
【0029】
また、本形態では、印刷物である封書の排出モードとして、「通常排出モード」と「外部排出モード」とが設定されている。
「通常排出モード」とは、例えば作製される封書部数が排出トレイ3内に収容可能な部数を作製する封書作製ジョブのときに選択され、排出手段2か排出された封書を突き当てフェンス3aに突き当てて落下したものを順次積重させるモードである。また、「外部排出モード」とは、例えば作製される封書部数が排出トレイ3に収容可能量を超える部数を作製する封書作製ジョブのときに選択され、排出手段2から排出された封書を突き当てフェンス3aの排出滑走面3eから滑走させて装置外部に設置した外部収容トレイ200に順次排出させるモードである。
【0030】
排出手段2は、周回する環状の搬送ベルトを排出方向に回動させる搬送ベルトローラに掛け回されて構成されるシュータであり、制御部5からの排出制御情報に応じた排出速度となるように搬送ベルトローラと搬送ベルトとを協働させ、封入封緘装置100で作製された封書を排出方向に排出搬送している。
【0031】
また、排出手段2の搬送終端下方近傍には、突き当てフェンス3aにおける立設部3bの先端部分を支持するフェンス支持部1Dが設けられており、外部排出モード時に傾斜設置して立て掛けられる突き当てフェンス3aの先端部を支持している。
【0032】
排出トレイ3は、排出手段2の搬送終端下方における装置本体の取付面1Aに起立設置する着脱可能な突き当てフェンス3aによって形成される収容領域に、排出手段2から排出された封書を順次積重して収容している。また、
図3(a)又は
図4(a)示すように、取付面1Aには、封書サイズに応じて収容領域の拡大又は縮小調整が可能なように、突き当てフェンス3aを取り付ける取付穴として機能する係止穴1Bが、排出方向に沿って所定間隔で列設されている。本形態では、1対の係止穴1Bが3列で合計6つの係止穴1Bが形成されている。
【0033】
係止穴1Bについて説明すると、
図3(b)又は
図4(b)に示すように、係止穴1Bにおける排出方向手前側の2列が通常排出モード時に封書サイズに応じて位置調整可能とするための通常排出用係止穴1Baとして機能する。また、係止穴1Bにおける最外側(排出方向から最も離間した位置)の穴は、外部排出モード時に突き当てフェンス3aを係止する外部排出用係止穴1Bbとして機能する。
【0034】
さらに、係止穴1Bには、突き当てフェンス3aを設置した際に、係止片3gの係止を検知して突き当てフェンス3aの取付位置を検知するための位置検知センサ1Cが係止穴1Bの種別毎に設けられており、突き当てフェンス3aの設置に伴う係止片3gの係止を検知すると、突き当てフェンス3aの取付位置を示す位置検知情報(通常排出用位置検知情報又は外部排出用位置検知情報)を制御部5に出力している。
【0035】
位置検知センサ1Cについて詳述すると、
図3(b)に示すように、通常排出用係止穴1Baには、通常排出モード時に設置される突き当てフェンス3aの係止片3gを検知する通常排出用位置検知センサ1Caが設けられており、係止片3gの係止を検知すると、突き当てフェンス3aの起立位置が通常排出モード時の起立位置(すなわち、立設部3bが鉛直方向に立設した状態)であることを示す通常排出用位置検知情報を制御部5に出力している。また、
図4(b)に示すように、外部排出用係止穴1Bbには、外部排出モード時に設置される突き当てフェンス3aの係止片3gを検知する外部排出用位置検知センサ1Cbが設けられており、係止片3gの係止を検知すると、突き当てフェンス3aの起立位置が外部排出モード時の起立位置(すなわち、排出滑走面3eが上面となるように傾斜設置された状態)であることを示す外部排出用位置検知情報を制御部5に出力している。
【0036】
突き当てフェンス3aは、
図3〜
図5の何れかに示すように、鉛直方向に立設される立設部3bと、立設部3bの基端部から延出成形され取付面1Aと面当接する支持部3cとからなる断面略L字形状を成している。また、立設部3bには、排出された封書と突き当たるとともに、積重姿勢が崩れないように封書の排出方向先端部を規制する封書排出方向と対向する側の面である突き当て面3dと、突き当て面の裏面側であり外部排出モード時に排出される封書を滑走排出させる面である排出滑走面3eとを有している。さらに、突き当て面3dの上方における排出された封書と突き当たる箇所には、面状に設けられるポリウレタンや弾性ゴム材等からなる緩衝部材3fが配設されている。なお、排出滑走面3eは、封書がスムーズに滑走排出されるように、その表面にコーティング処理が施されている。
【0037】
また、支持部3cの先端には、支持部3cを基部として突き当てフェンス3aを起立保持させるために、取付面1Aに形成された係止穴1Bと係止する係止片3gが、取付面1Aに形成された係止穴1Bと対応する位置に設けられている。本形態では、係止穴1Bが2つであるため、支持部3cの先端両側に2個設けられている。
【0038】
よって、通常排出モード時では、排出された封書の先端部と突き当たる突き当て部3aが封書の排出方向と直交するように突き当てフェンス3aを立設し、排出手段2から排出された封書の先端部と突き当たることで封書を自由落下により整然と積重されるようにしている。また、外部排出モード時では、排出滑走面3eを上面として立設部3bの先端部分をフェンス支持部1Dに当接させた状態で排出手段2から連続した排出経路となるように突き当てフェンス3aを傾斜設置することで、排出手段2から排出された封書が排出滑走面3eを滑り落ちて装置外部の所定箇所に設置した外部収容トレイ200に収容される。
【0039】
記憶部4は、通常排出モード時における排出手段2の排出速度を規定する通常排出用排出速度情報や、外部排出モード時における排出手段2の排出速度を規定する外部排出用排出速度情報を含む排出速度情報を記憶する他、排出装置1を構成する各部の駆動制御情報を記憶している。
【0040】
なお、本形態では、通常排出用排出速度情報として、封書サイズに応じて突き当てフェンス3aの取付位置が可変可能な構成であるため、封書サイズに応じて突き当てフェンス3aへの突き当てによる整列積重が可能となるように適正な排出速度で制御するように、取付位置毎に最適な排出速度が規定されている。また、外部排出用排出速度情報は、作製される封書が確実に排出滑走面3eを滑走される最適な排出速度となるように、通常排出用排出速度情報よりも遅い速度で規定されている。
【0041】
制御部5は、記憶部4に記憶される各種駆動制御情報に従って、排出装置1を構成する各部の駆動制御を行っている。また、制御部5は、ユーザが所望する排出方法で作製された封書の排出を行うため、突き当てフェンス3aの設置位置から排出モードを識別し、この識別した排出モードで規定された排出速度制御を行うための排出制御情報を排出手段2に出力している。
【0042】
ここで、各排出モードによる制御内容について説明する。制御部5は、通常排出用位置検知センサ1Caから通常排出用位置検知情報が入力されると、突き当てフェンス3aの取付位置から通常排出モードを選択する。そして、通常排出モードに規定された通常排出用排出速度情報を記憶部4から読み出して、この読み出した通常排出用排出速度情報で排出手段2を制御するための通常排出用排出制御情報を排出手段2に出力している。
また、制御部5は、外部排出用位置検知センサ1Cbから外部排出用位置検知情報が入力されると、突き当てフェンス3aの取付位置から外部排出モードを選択する。そして、外部排出モードに規定された外部排出用排出速度情報を記憶部4から読み出して、この読み出した外部排出用排出速度情報で排出手段2を制御するための外部排出用排出制御情報を排出手段2に出力している。
【0043】
次に、上述した第1形態の排出装置における一連の排出処理動作について、排出モード毎にそれぞれ説明する。
【0044】
(通常排出モードによる排出処理)
通常排出モードによる排出処理を実行する場合は、まず封書サイズに応じて突き当てフェンス3aの係
止片3gを通常排出用係止穴1Baに係止させ、立設部3bが鉛直方向に起立するように設置する。
【0045】
突き当てフェンス3aが通常排出用係止穴1Baに取り付けられると、通常排出用位置検知センサ1Caは、挿入された係止片3gを検知し、検知情報として突き当てフェンス3aが通常排出モードの取付位置であることを示す通常排出用位置検知情報を制御部5に出力する。
【0046】
制御部5は、通常排出用位置検知センサ1Caから通常排出用位置検知情報が入力されると、排出モードとして通常排出モードを選択し、記憶部4に記憶された通常排出用排出速度情報に従って排出制御するための通常排出用排出制御情報を排出手段2に出力する。
【0047】
これにより、排出手段2は、突き当てフェンス3aに封書を突き当てて落下排出させ、排出トレイ3内に整然と積重している。
【0048】
(外部排出モードによる排出処理)
外部排出モードによる排出処理を実行する場合は、まず排出滑走面3eが上面となるように、立設部3bの先端部分をフェンス支持部1Dに当接させた状態で排出手段2から連続した排出経路となるように突き当てフェンス3aを傾斜設置して、係
止片3gを外部排出用係止穴1Bbに係止させる。
【0049】
突き当てフェンス3aが外部排出用係止穴1Bbに取り付けられると、外部排出用位置検知センサ1Cbは、挿入された係止片3gを検知し、検知情報として突き当てフェンス3aが外部排出モードの取付位置であることを示す外部排出用位置検知情報を制御部5に出力する。
【0050】
制御部5は、外部排出用位置検知センサ1Cbから外部排出用位置検知情報が入力されると、排出モードとして外部排出モードを選択し、記憶部4に記憶された外部排出用排出速度情報に従って排出制御するための外部排出用排出制御情報を排出手段2に出力する。
【0051】
これにより、排出手段2は、突き当てフェンス3aの排出滑走面3eを滑らせて、装置外部における排出滑走面3eの終端位置に設置した外部収容トレイ200に滑走排出させている。
【0052】
以上説明したように、上述した第1形態の排出装置1は、ユーザが封書作製ジョブに応じて排出モードを任意に選択し、通常排出モードを選択したときは、立設部3bが鉛直方向に起立するように突き当てフェンス3aを通常排出用係
止穴1Baに係
止片3gを係止させて取り付ける。そして、通常排出用位置検知センサ1Caから通常排出用位置検知情報が入力されると、突き当てフェンス3aの取付位置から通常排出モードを選択する。そして、通常排出モードに規定された通常排出用排出速度情報を記憶部4から読み出すと、この読み出した通常排出用排出速度情報に従って排出速度で排出手段2を駆動制御する。
【0053】
また、外部排出モードを選択したときは、排出滑走面3eを上面として立設部3bの先端部分をフェンス支持部1Dに当接させた状態で排出手段2から連続した排出経路となるように突き当てフェンス3aを傾斜設置する。そして、外部排出用位置検知センサ1Cbから外部排出用位置検知情報が入力されると、突き当てフェンス3aの取付位置から外部排出モードを選択する。そして、外部排出モードに規定された外部排出用排出速度情報を記憶部4から読み出して、この読み出した外部排出用排出速度情報に従った排出速度で排出手段2を駆動制御する。
【0054】
これにより、作製される印刷物の作製部数に応じて突き当てフェンス3aの取付位置を可変するだけで、適正な排出モードで排出手段2の駆動制御を行うことができるため、多量部数を作製するジョブの際に、排出トレイ3の収容状況を確認する手間を省くことができる。よって、多量部数の排出に合わせて装置を大型化する必要がなくなる。
【0055】
また、印刷物の損傷を抑制したい場合に、外部排出モードで排出手段2を駆動することで、排出滑走面3eを滑走させながら印刷物を外部収容トレイ200に収容することができるため、印刷物の損傷を最小限に抑えることができる。
【0056】
<第2形態>
次に、本例の第2形態の排出装置1について説明する。なお、以下の説明では、上述した第1形態の同一構成については同符号を付してその説明を省略し、本形態の要部となる構成要件のみを説明する。
【0057】
上述した第1形態の排出装置では、着脱可能な突き当てフェンス3aを所望の取付位置に設置することで選択される排出モードに従って、排出手段2の排出速度制御を行う構成であったが、本形態では、封書作製ジョブに応じて選択された排出モードに従って、装置本体に回動自在に軸支された突き当てフェンス3aの起立位置を可変した後、選択された排出モードに規定される排出速度で排出手段2の排出速度制御を行う構成である。
【0058】
詳述すると、排出トレイ3は、
図6(a)又は(b)に示すように、排出手段2の搬送終端下方に設置され、突き当てフェンス3aが排出手段2から排出された封書の先端部と突き当たるように排出方向と直交するように立設されている。また、突き当てフェンス3aの基端部に設けた支軸部3hを支点として装置本体に対して封書の排出方向に沿って回動自在に軸支されている。すなわち、
図6(a)に示すように、通常排出モードのときは、突き当てフェンス3aを鉛直方向に立設した状態で起立させ、
図6(b)に示すように、外部排出モードのときは、突き当てフェンス3aにおける立設部3bの先端部分をフェンス支持部1Dに立て掛けるように位置調整する。
【0059】
さらに、位置検知センサ1Cの構成として、突き当てフェンス3aの起立位置の起立角度を検知する角度検知センサに変更し、突き当てフェンス3aの支軸部3hに設ける。位置検知センサ1Cは、ユーザが排出モードに応じて突き当てフェンス3aが所定の起立位置に調整されたときの起立位置を検知し、その検知情報を位置検知情報(通常排出用位置検知情報又は外部排出用位置検知情報)として制御部5に出力している。
【0060】
そして、制御部5は、位置検知センサ1Cからの位置検知情報から、選択された排出モードを識別し、この識別した排出モードに基づく排出手段2の排出速度情報(通常排出用排出速度情報又は外部排出用排出速度情報)を記憶部4から読み出し、この読み出した排出速度情報による排出制御を行うための排出制御情報(通常排出用排出制御情報又は外部排出用排出制御情報)を排出手段2に出力している。
【0061】
次に、上述した第2形態の排出装置における一連の排出処理動作について、排出モード毎にそれぞれ説明する。ここでは、操作部6により排出モードを選択し、選択された排出モードに応じてユーザが突き当てフェンス3aの起立位置を可変する構成例である。
【0062】
(通常排出モードによる排出処理)
通常排出モードによる排出処理を実行する場合は、まずユーザが封書作製ジョブの内容に応じて通常排出モードを選択すると、突き当てフェンス3aを所定操作して起立位置が鉛直方向となるように位置調整をする。
【0063】
位置検知センサ1Cは、突き当てフェンス3aの起立位置を検知し、検知情報として突き当てフェンス3aが通常排出モードのときの起立位置であることを示す通常排出用位置検知情報を制御部5に出力する。
【0064】
そして、制御部5は、位置検知センサ1Cからの通常排出用位置検知情報から選択された排出モードが通常排出モードであると識別し、記憶部4に記憶された通常排出用排出速度情報に従って排出制御するための通常排出用排出制御情報を排出手段2に出力する。これにより、排出手段2は、突き当てフェンス3aに封書を突き当てて落下排出させ、排出トレイ3内に整然と積重している。
【0065】
(外部排出モードによる排出処理)
外部排出モードによる排出処理を実行する場合は、まずユーザが封書作製ジョブの内容に応じて外部排出モードを選択すると、選択した排出モードを示す外部排出モード情報が制御部5に出力される。次に、ユーザは、突き当てフェンス3aを所定操作して立設部3bの先端がフェンス支持部1Dに支持されるように立て掛けて位置調整をする。
【0066】
位置検知センサ1Cは、突き当てフェンス3aの起立位置を検知し、検知情報として突き当てフェンス3aが外部排出モードのときの起立位置であることを示す外部排出用位置検知情報を制御部5に出力する。
【0067】
そして、制御部5は、位置検知センサ1Cからの外部排出用位置検知情報と、操作部6からの排出モード情報とを照らし合わせ、記憶部4に記憶された外部排出用排出速度情報に従って排出制御するための外部排出用排出制御情報を排出手段2に出力する。これにより、排出手段2は、突き当てフェンス3aの排出滑走面3eを滑らせて、装置外部における排出滑走面3eの終端位置に設置した外部収容トレイ200に滑走排出させている。
【0068】
以上説明したように、第2形態の排出装置は、ユーザが封書作製ジョブに応じて排出モードを任意に選択し、通常排出モードを選択したときは、立設部3bが鉛直方向に起立するように突き当てフェンス3aを起立させる。制御部5は、位置検知センサ1Cから突き当てフェンス3aの起立位置を示す通常排出用位置検知情報が入力されると、排出モードとして通常排出モードを選択する。そして、選択した通常排出モードに規定される通常排出用排出速度情報を記憶部4から読み出すと、この読み出した通常排出用排出速度情報に従った排出速度で排出手段2を駆動制御する。
【0069】
また、外部排出モードを選択したときは、排出滑走面3eを上面として立設部3bの先端部分をフェンス支持部1Dに当接させた状態で排出手段2から連続した排出経路となるように突き当てフェンス3aを傾斜設置する。そして、外部排出用位置検知センサ1Cbから外部排出用位置検知情報が入力されると、突き当てフェンス3aの取付位置から外部排出モードを選択する。そして、外部排出モードに規定された外部排出用排出速度情報を記憶部4から読み出すと、この読み出した外部排出用排出速度情報に従った排出速度で排出手段2を駆動制御する。
【0070】
これにより、第1形態と同様に、作製される印刷物の作製部数に応じて突き当てフェンス3aの起立位置を可変するだけで、適正な排出モードで排出手段2の駆動制御を行うことができるため、多量部数を作製するジョブの際に、排出トレイ3の収容状況を確認する手間を省くことができる。
【0071】
また、印刷物の損傷を抑制したい場合に、外部排出モードで排出手段2を駆動することで、排出滑走面3eを滑走させながら印刷物を外部収容トレイ200に収容することができるため、印刷物の損傷を最小限に抑えることができる。
【0072】
ところで、上述した形態では、係止穴1Bとして、排出方向手前側から順に1対の通常排出用係止穴1Baを2列、1対の外部排出用係止穴1Bbを1列の合計3列として計6つの係止穴1Bを形成した形態であるが、係止穴1Bの形成数や形成位置は、突き当てフェンス3aが機能するように形成された係止片3gの設置数とその取付位置とに対応させるように形成されていれば、その形成数や形成位置は特に限定されない。
【0073】
さらに、封書サイズによって排出される封書の分別を細分化した排出制御を行う構成の場合には、通常排出用係止穴1Baの列設数を封書サイズの分別数に合わせて適宜形成することで所望の排出制御を実現することができる。
【0074】
また、第2形態では位置検知センサ1Cで突き当て当てフェンス3aの起立位置を確認してユーザが選択した排出モードの識別を行う構成で説明したが、これに限定されることはなく、例えばタッチパネル等の操作部からの所定操作、若しくはPC等からの外部入力によりユーザが封書作製ジョブ内容に応じて任意に排出モードを選択し、この選択した排出モードを示す排出モード情報(通常排出モード情報又は外部排出モード情報)を制御部5に出力する構成とすることもできる。
【0075】
このような構成とした場合、排出モード選択時に突き当てフェンス3aが適正な起立位置であるか否かを検知し、選択された排出モードに適さない起立位置の場合は、音声等の鳴動報知や報知灯による点灯/点滅報知を行う報知手段7を新たに設けることで、ユーザに対し、突き当てフェンス3aの起立位置を正すように通知することもできる。また、選択された排出モードに応じて起立角度を調整する位置調整手段を新たに設け、排出モードの選択設定によって自動で突き当てフェンス3aの起立位置を可変する構成とすることもできる。