(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の衛生用紙収納箱100において、衛生用紙104を上向き(例えば、矢印(11)で示す鉛直上向き)に引き出す場合、引き出す向きが衛生用紙104の積層方向(矢印(10)で示す向き)と合うため、衛生用紙104を円滑に引き出すことができる。しかし、
図15(b)に示すように、水平向き(矢印(12)で示す向き)に衛生用紙104を引き出す場合は、衛生用紙104の積層方向に対して、引き出す向きが直角に向くため、衛生用紙104は、取り出し口103を大きく廻り込むようにして引き出される。このため、従来の衛生用紙収納箱100では、取り出し口103やその周辺部において、大きな負荷が衛生用紙104に加わり、衛生用紙104が取り出しにくいという問題があった。
【0007】
そこで、衛生用紙104の水平向きの引き出し性を改善する策として、衛生用紙収納箱100に各種のホルダーを装着することにより、衛生用紙収納箱100の向きを変えることが考えられる。しかし、この場合、ホルダーを装着する手間がかかり、コストも嵩む。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、安価で且つ簡単な構成で、水平向きに衛生用紙を円滑に引き出すことができる衛生用紙収納箱を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような目的を達成するため、本発明は、以下の構成によって把握される。
本発明の衛生用紙収納箱は、上下方向に積層された衛生用紙を収納する衛生用紙収納箱において、前記衛生用紙を囲う周壁と、前記周壁の下端を塞いで前記衛生用紙を支持する底壁と、前記底壁に対向して設けられ前記周壁の上端を塞ぐ上壁と、前記上壁に設けられ前記衛生用紙を取り出すための取り出し口と、前記底壁の一部を切り起こしてなる切り起こし片であって、衛生用紙収納箱の設置面に対して前記底壁、前記周壁および前記上壁を傾斜させて支持する支持脚と、を有することを特徴とする。
【0010】
この構成により、底壁、周壁および上壁が、衛生用紙収納箱の設置面に対して傾斜するので、衛生用紙の積層方向を鉛直線に対して傾斜させることができる。これにより、水平向きに衛生用紙を引き出す場合、衛生用紙を引き出す側(使用者側)に衛生用紙の積層方向を傾斜させることができるため、取り出し口およびその周辺において衛生用紙に加わる負荷を低減することができる。結果、水平向きに衛生用紙を円滑に引き出すことができる。また、底壁の一部を切り起こしてなる切り起こし片で支持脚を構成したので、衛生用紙収納箱を傾斜させるためのホルダーを別途必要としない。したがって、安価で且つ簡単な構成で、水平向きに衛生用紙を円滑に引き出すことができる。
【0011】
上記発明の衛生用紙収納箱は、長方形状の前記底壁および長方形状の前記上壁を有する直方体状の紙箱であることを特徴とする。
【0012】
この構成により、一般に広く普及している直方体状の紙箱において、水平向きに衛生用紙を円滑に引き出すことができる。
【0013】
上記発明の衛生用紙収納箱は、対向する1対の前記支持脚と、前記底壁の一部を切り起こしてなる切り起こし片であって前記1対の支持脚の間に設けられ前記1対の支持脚を一体的に保持する保持部と、を有することを特徴とする。
【0014】
この構成により、保持部によってしっかりと保持された1対の支持脚を得ることができる。したがって、底壁、周壁および上壁を安定的に傾斜させることができる。
【0015】
上記発明の衛生用紙収納箱は、前記底壁の内側には、前記支持脚を切り起こすことで形成される切り起こし穴を塞ぐカバーが設けられることを特徴とする。
【0016】
この構成により、底壁に形成される切り起こし穴をカバーによって塞ぐことができるので、切り起こし穴から塵や埃が入ることを防止でき、衛生用紙の衛生性を保つことができる。
【0017】
上記発明の衛生用紙収納箱は、前記支持脚には、前記設置面に選択的に接地され、且つ、互いに異なる傾斜角で前記底壁、前記周壁および前記上壁を傾斜させる複数の接地部が設けられることを特徴とする。
【0018】
この構成により、使用者が衛生用紙収納箱の傾斜角を選択できるので、利便性の高い衛生用紙収納箱を得ることができる。
【0019】
上記発明の衛生用紙収納箱は、前記底壁の1対の短辺部のうち、一方の短辺部を前記設置面に接地させると共に他方の短辺部を前記設置面から浮かせて、前記底壁、前記周壁および前記上壁を傾斜させたことを特徴とする。
【0020】
この構成により、幅の狭いスペースに衛生用紙収納箱を置く場合においても、衛生用紙を水平向きに円滑に引き出すことができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、安価で且つ簡単な構成で、水平向きに衛生用紙を円滑に引き出すことができる衛生用紙収納箱を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。なお、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号を付している。また、図面は、符号の向きに見るものとする。また、実施形態において、「上」、「下」、「左」、「右」は、各々、使用者が衛生用紙収納箱を見たときの方向を示し、「前」、「後」は、各々、使用者が衛生用紙収納箱を見たときの「手前側」、「奥側」を示す。
【0024】
(第1実施形態)
第1実施形態の衛生用紙収納箱について説明する。
図1は、第1実施形態の衛生用紙収納箱の斜視図である。
【0025】
図1に示すように、第1実施形態の衛生用紙収納箱10は、上下方向に積層された衛生用紙11を収納するものであって、周壁12、底壁13、上壁15、取り出し口16および1対の支持脚17を有する。この例では、衛生用紙収納箱10は、長方形状の底壁13および長方形状の上壁15を有する直方体状の紙箱であり、紙製のシート18(
図4参照)を折り曲げることで組み立てられる。なお、シート18(
図4参照)の構成および衛生用紙収納箱10の組み立て方法については、後述する。
【0026】
衛生用紙収納箱10では、取り出し口16から衛生用紙11を連続的にポップアップできるようになっている。衛生用紙11は、ティッシュペーパー、ペーパータオル(キッチンタオル、キッチンシート、あくとりシートと呼ばれる主にキッチンで使用されるペーパーを含む)、ハンドタオル、トイレットペーパー(ロールを除く)、ワッティング(紙綿)などの各種の使い捨て紙である。本発明において「衛生用紙」とは、これらの使い捨て紙の総称である。一般に、「ティッシュペーパー」は、様々な用途に使用されるが、主として顔周りの拭き取りを目的とした、鼻かみ、化粧落とし、口拭きなどのための、吸水性のある衛生用紙である。また、「ペーパータオル」は、ふきん、タオルの代用品としてパルプ繊維を主原料として製造される衛生用紙であり、このうち、主にキッチンにおいて使用されるものをキッチンペーパーと称している。
【0027】
衛生用紙11は、交互に折り畳まれて上下方向に積層され、直方体状の用紙束を構成する。例えば、衛生用紙11を正方形または長方形に形成し、2つ折りにした衛生用紙11を向き合わせる共に互いの半部を挟み合わせて、所定枚数の衛生用紙11を底壁13から上壁15に渡って積層する。
【0028】
周壁12は、左右方向に長い長方形状の前壁21と、前壁21に対向して設けられ前壁21と同一形状の後壁22と、前後方向に長い長方形状に形成され前壁21および後壁22を連結する左右の側壁23とからなり、衛生用紙11を囲う。各側壁23には、例えば特許4537330号公報に記載される技術を用いて解体用破断線25を設け、解体用破断線25に沿って側壁23を破断することにより、使用後の衛生用紙収納箱10を容易に折り畳めるようにしてもよい。なお、実施形態において、「破断線」は、紙を破断するための切り込みであって、いわゆるミシン目やジッパーを含む。
【0029】
底壁13は、周壁12の下端を塞いで衛生用紙11を支持するものである。支持脚17を含む底壁13の詳しい構成については、後述する。
【0030】
上壁15は、底壁13に対向して設けられ周壁12の上端を塞ぐ。上壁15には、開口用破断線26によって開口用切除部27が設けられる。この開口用切除部27は、上壁15の長辺に沿って細長く形成される。開口用切除部27の長手方向両端部には、押圧用破断線28によって円形状の押圧部31を設けてもよい。押圧部31を設けることにより、使用者は、押圧部31を押圧して差し込み穴を形成し、この差し込み穴に指を差し込んで引き上げることで開口用切除部27を容易に切除することができる。
【0031】
また、上壁15の裏面には、合成樹脂等からなるフィルム(例えば、ポリエチレン製の透明フィルム)32が貼り付けられる。フィルム32の代わりに紙や不織布も使用することができる。この例では、フィルム32は、長方形状に形成され、開口用切除部27の外形よりも大きな外形に形成される。フィルム32は、開口用切除部27が切除されたとき、上壁15に形成される開口部を塞ぐ作用をなす。
【0032】
取り出し口16は、上壁15に設けられ衛生用紙11を取り出すためのものであり、ここでは、フィルム32にスリット状に形成される。取り出し口16は、フィルム32の長手方向に沿って設けられる。使用者は、開口用切除部27を切除することにより取り出し口16を露出させ、この露出した取り出し口16から衛生用紙11を取り出すことができる。
【0033】
次に、支持脚17を含む底壁13の構成を
図2、
図3に基づいて説明する。
図2に示すように、1対の支持脚17は、それぞれ、底壁13の一部を切り起こしてなる切り起こし片である。1対の支持脚17は、底壁13の左右方向中心に対して左右対称に形成され、切り起こされて互いに対向する。各支持脚17は、前壁21(
図1参照)側に先細る形状を呈し、底壁13、周壁12および上壁15を傾斜させて支持する。この例では、底壁13の前側の長辺部33、1対の支持脚17の各接地部35の合計3箇所が設置面に接する。
【0034】
また、底壁13は、1対の支持脚17の間に設けられる保持部37を有する。保持部37は、底壁13の一部を切り起こしてなる切り起こし片であって、左右2つの半円を2本の直線で結んだ長円状を呈する。保持部37の左右両端部には、スリット38が設けられる。保持部37は、左右のスリット38を左右の支持脚17に差し込ませることで、左右1対の支持脚17を一体的に連結・保持する。
【0035】
なお、底壁13には、マグネットバー用切除片41を設けてもよい。マグネットバー(図示省略)は、冷蔵庫の壁面など磁性体からなる各種物品の表面に衛生用紙収納箱10を取り付けるための部品である。マグネットバーの取り付けに際しては、マグネットバー用切除片41を破断線に沿って切除して取り付け穴を開口させ、この取り付け穴にマグネットバーの両端部を差し込むようにする。
【0036】
続いて、衛生用紙収納箱10の傾斜角の好適な範囲について述べる。
図3に示すように、衛生用紙収納箱10を傾斜させる角度(設置面36に対する底壁13の傾斜角θ)は、小さすぎると十分な傾斜の効果が得られず、水平向きに衛生用紙11を円滑に引き出すことが難しい場合がある。一方、傾斜角θが大きすぎると、衛生用紙11を水平向きに引き出したときに衛生用紙収納箱10が転倒する場合がある。なお、ここで、「水平向き」とは、衛生用紙収納箱10の設置面36に対して略平行な向きをいう)
【0037】
そこで、本発明者は、傾斜角θを変化させて衛生用紙収納箱10の性能を評価し、傾斜角θの好適な範囲を調べた。結果、水平向きに衛生用紙11を良好に引き出すためには、傾斜角θを30°以上に設定することが好適であることが分かった。また、衛生用紙11を収納した状態における衛生用紙収納箱10の転倒角度は、約60°であるが、衛生用紙11を引き出すときに衛生用紙収納箱10に加わる負荷(約30〜200gf)、および、衛生用紙11の使用に伴って自重が減っていくことを考慮すると、傾斜角θは、60°よりも小さく設定することが望ましく、より好適には、45°以下に設定することが望ましいことが分かった。まとめると、傾斜角θは、30°〜45°の範囲に設定することが好適であると言える。
【0038】
次に、衛生用紙収納箱10を構成するシートを
図4、
図5に基づいて説明する。
図4に示すように、シート18は、紙製の長尺シートを所定の形状に打ち抜いたブランクであって、木材パルプなどを原料とする板紙や段ボールなどで構成される。シート18は、縦罫線43を介して、前壁21、上壁15、後壁22および底壁13を順次連ねたものである。前壁21および後壁22のそれぞれには、横罫線45を介して内フラップ46が設けられる。また、底壁13には、横罫線45を介して第1外フラップ47が設けられ、底壁13の側端には、継ぎ代51が形成される。さらに、上壁15には、横罫線45を介して第2外フラップ48が設けられる。解体用破断線25は、この第2外フラップ48に形成される。
【0039】
図5に示すように、支持脚17は、底壁13の短辺に沿って形成される第1罫線52と、この第1罫線52の後端に直角に連なり支持脚17の後縁を形成する第1破断線53と、第1破断線53の側端から前方且つ中央寄りに延びて支持脚17の接地部35(
図2参照)を形成する第2破断線55と、第2破断線55の前端と第1罫線52を円弧状に結んで支持脚17の前縁を形成する第3破断線56とによって形成される。
【0040】
保持部37は、2本の第1罫線52を結ぶ第2罫線57を有する。第2罫線57の左右両端には、支持脚17の基部を半円状に切り欠くように形成される半円状の第4破断線58が連なる。左右の第4破断線58は、第2罫線57と平行に延びる第5破断線61によって連結される。
【0041】
スリット38は、第4破断線58と第5破断線61が交差する点から第1罫線52に沿って、前方に向けて形成される切り込みである。
【0042】
ここで、衛生用紙収納箱10の組み立て方法を
図4〜
図6に基づいて説明する。
図4に示すように、まず、シート18の縦罫線43に沿って、前壁21、上壁15、後壁22および底壁13を折り曲げ、前壁21の裏面に継ぎ代51を接着剤で接合する。これにより、両端部が開放した角筒状の箱が形成される。次に、この角筒状の箱の中に衛生用紙11(
図1参照)の用紙束を挿入した後、内フラップ46、第1外フラップ47、第2外フラップ48を順次折り曲げ、第2外フラップ48の裏面を第1外フラップ47に接着剤で接合する。すると、角筒状の箱の開放部が閉じられ、衛生用紙11(
図1参照)を収納した直方体状の衛生用紙収納箱10(
図1参照)が得られる。
【0043】
衛生用紙収納箱10(
図1参照)を傾斜させて使用するときは、
図5に示すように、使用者は、第1〜第3破断線53,55,56を破断しながら第1罫線52にて支持脚17を折り曲げた後、第4・第5破断線58,61を破断しながら第2罫線57にて保持部37を折り曲げる。
【0044】
このとき、第4破断線58によって、
図6に示すように、支持脚17には、半円状の切り欠き62が形成される。この切り欠き62の縁に沿わせながら、第2罫線57を基点として保持部37を回動させる。そして、切り欠き62の縁にスリット38をしっかりと嵌め込む。すると、1対の支持脚17が保持部37によって一体的に連結・保持される。
【0045】
以上、説明した衛生用紙収納箱10の作用・効果を
図7に基づいて説明する。
図7に示すように、支持脚17を用いて衛生用紙収納箱10を傾斜させることより、衛生用紙11の積層方向(矢印(1)で示す向き)を鉛直線に対して傾斜させることができる。このため、水平向き(矢印(2)で示す向き)に衛生用紙11を引き出す場合、衛生用紙11を引き出す側(使用者側に)に衛生用紙11の積層方向(矢印(1))を傾斜させることができる。これにより、引き出す向き(矢印(2))と衛生用紙11の積層方向(矢印(1))とがなす角度Pを鋭角にすることができるため、取り出し口16およびその周辺(フィルム32や開口部63など)において、衛生用紙11に加わる負荷を従来の収納箱に比べて格段に低減することができる。結果、衛生用紙11を水平向きに円滑に引き出すことができる。
【0046】
また、底壁13の一部を切り起こしてなる切り起こし片で支持脚17を構成したので、衛生用紙収納箱10を傾斜させるためのホルダーを別途必要としない。したがって、安価で且つ簡単な構成で、衛生用紙11を水平向きに円滑に引き出すことができる。
【0047】
さらに、一般に広く普及している直方体状の紙箱において、衛生用紙11を水平向きに円滑に引き出すことができる。
【0048】
加えて、1対の支持脚17が保持部37により一体的に連結・保持されるので、底壁13、周壁12および上壁15を安定的に傾斜させることができる。
【0049】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態の衛生用紙収納箱を
図8、
図9に基づいて説明する。なお、前述した第1実施形態に係る衛生用紙収納箱10と共通する部位には同じ符号を付して、重複する説明を省略することとする(第3〜第5実施形態についても同様)。
【0050】
前述した第1実施形態においては、支持脚17および保持部37を切り起こすことで、底壁13には、切り起こし穴65(
図6参照)が形成される。第2実施形態では、底壁13の内側に設けられるカバーによって、この切り起こし穴65(
図6参照)を塞ぐようにした。
【0051】
すなわち、第2実施形態では、
図8に示すように、シート18Bにおいて、前壁21と底壁13を接合するための継ぎ代51Bを前壁21側に設け、この継ぎ代51Bをさらに延長して、切り起こし穴65(
図6参照)を塞ぐカバー66Bを形成した。カバー66Bの外形は、任意の形状から選択可能であるが、ここでは、マグネットバー用切除片41にカバー66Bが重ならないように、継ぎ代51Bから離れるに従って幅が大きくなる台形状に形成した。
【0052】
図9に示すように、この第2実施形態の衛生用紙収納箱10Bによれば、前述した第1実施形態の衛生用紙収納箱10と同様の作用効果が得られることに加え、さらに、切り起こし穴65をカバー66Bによって塞ぐことができる。これにより、切り起こし穴65から塵や埃が入ることを防止でき、衛生用紙11の衛生性を保つことができる。
【0053】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態の衛生用紙収納箱を
図10、
図11に基づいて説明する。前述した第2実施形態では、切り起こし穴65(
図9参照)を塞ぐカバーを継ぎ代に一体形成したが、別部品のカバーで切り起こし穴65(
図9参照)を塞いでもよい。
【0054】
例えば、
図10に示すように、第3実施形態では、シート18の裏面において、支持脚17および保持部37を覆うフィルム製のカバー66Cを設けた。カバー66Cは、各種の材料から選択可能であるが、取り出し口16のフィルム32と同一の合成樹脂材料で構成することが好適である。
【0055】
図11に示すように、この第3実施形態の衛生用紙収納箱10Cによれば、切り起こし穴65をカバー66Cによって塞ぐことができるため、前述した第2実施形態の用衛生用紙収納箱10Bと同様の作用効果が得られる。さらに、薄いフィルムでカバー66Cを構成できるので、資材の減量化を図ることができる。
【0056】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態の衛生用紙収納箱を
図12、
図13に基づいて説明する。前述した第1実施形態の衛生用紙収納箱10では、得られる傾斜角は1つであるが、この他、傾斜角を複数設定し、複数の傾斜角から使用者が好適な傾斜角を選択できるようにしてもよい。
【0057】
例えば、
図12に示すように、第4実施形態の衛生用紙収納箱10Dでは、設置面36に選択的に接地され、且つ、互いに異なる傾斜角θ1,θ2で衛生用紙収納箱10Dを傾斜させる複数の接地部67,68を支持脚17Dに設けた。より詳細には、支持脚17Dの前後方向の一側に、第1傾斜角θ1を得るための第1接地部67を設け、支持脚17Dの前後方向の他側に、第2傾斜角θ2を得るための第2接地部68を設けるようにした。ここでは、第2傾斜角θ2の大きさを第1傾斜角θ1よりも大きく設定する。例えば、第1傾斜角θ1を30°程度とし、第2傾斜角θ2を40°程度に設定することができる。支持脚17Dをこのように構成することにより、使用者は、第1接地部67を用いて衛生用紙収納箱10Dを第1傾斜角θ1だけ傾斜させることができる一方、
図13に示すように、第2接地部68を用いて衛生用紙収納箱10Dを第2傾斜角θ2だけ傾斜させることもできる。
【0058】
この第4実施形態の衛生用紙収納箱10Dによれば、前述した第1実施形態の衛生用紙収納箱10と同様の作用効果が得られることに加え、さらに、使用者が衛生用紙収納箱10Dの傾斜角を選択できるので、利便性の高い衛生用紙収納箱10Dを得ることができる。
【0059】
(第5実施形態)
次に、第5実施形態の衛生用紙収納箱を
図14に基づいて説明する。
前述した第1実施形態では、底壁の長辺部33(
図2参照)を支持点として、直方体状の衛生用紙収納箱10(
図2参照)を傾斜させたが、この他、底壁の短辺部を支持点として、直方体状の衛生用紙収納箱を傾斜させてもよい。
【0060】
例えば、
図14に示すように、第5実施形態の衛生用紙収納箱10Eでは、1対の支持脚17Eを底壁13Eの短辺方向に並べる。そして、底壁13Eの1対の短辺部71,72のうち、一方の短辺部71を設置面に接地させると共に他方の短辺部72を設置面から浮かせて、底壁13E、周壁12および上壁15を傾斜させる。これにより、底壁13Eの一方の短辺部71および1対の支持脚17Eにより、直方体状の衛生用紙収納箱10Eを傾斜させるようにした。なお、第5実施形態において、左右の側壁23Eは、第1実施形態に係る前壁21(
図1参照)、後壁22(
図1参照)に相当し、前壁21E、後壁22Eは、第1実施形態に係る左右の側壁23(
図1参照)に相当する。
【0061】
この第5実施形態の衛生用紙収納箱10Eによれば、前述した第1実施形態の衛生用紙収納箱10と同様の作用効果が得られることに加え、幅の狭いスペースに衛生用紙収納箱10Eを置く場合においても、衛生用紙11を水平向きに円滑に引き出すことができる。
【0062】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。またその様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0063】
例えば、第1〜第5実施形態では、衛生用紙収納箱10,10B〜Eを示したが、本発明の衛生用紙収納箱は、これらの実施形態を適宜組み合わせたものであってもよい。